JP4099988B2 - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属酸化物半導体上に吸着した増感色素により、光を吸収し、電気に変換する色素増感太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に太陽電池には、単結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池などが知られているが、製造コストや原材料コストの抑制が難しく、太陽電池普及の妨げになっていた。
こうした中、半導体層表面に色素を担持させて構成した電極を用いた色素増感太陽電池が、低コスト、高変換効率という特徴を有していることが知られており、例えば特許第2664194号もしくは特許第2101079号各明細書に記述されている。
【0003】
一般的に知られている色素増感太陽電池は、透明導電膜上に色素が吸着した多孔質の金属酸化物半導体を形成した光電極、および、透明あるいは不透明導電膜および/または触媒となる導電膜からなる対向電極、および電荷輸送層から構成され、電荷輸送層を介して光電極および対向電極を重ねることにより、色素増感太陽電池は製造される。
【0004】
色素増感太陽電池の動作原理は、以下の通りである。
光電極側より入射した光は、透明導電膜および金属酸化物半導体を通して金属酸化物半導体表面に担持された色素によって吸収され、光を吸収した増感色素は励起される。励起された色素は速やかに金属酸化物半導体へ電子を渡し、電子は金属酸化物半導体中を伝い、透明導電膜へと流れる。電子を出した後、正電荷を持つ色素は電荷輸送層より電子を受け取ることにより中性に戻る。
以上のように、色素増感太陽電池は、光電極と対向電極をそれぞれ負極および正極として動作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、色素増感太陽電池において光電極に用いている二酸化チタンなどの金属酸化物半導体は一般に多結晶体であり、光を吸収して励起した色素により金属酸化物半導体に注入された電子の移動は、その他の過程における電子移動速度に比べて非常に遅いことが知られている。そのため、金属酸化物半導体中での電子の再結合,逆反応による損失により、高い光電変換効率が得られなかった。
そこで本発明は、金属酸化物半導体中に注入された電子を効率的に透明導電膜に到達させ、光電変換効率を大幅に向上するための手段を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に、少なくとも透明導電層、色素を吸着させた多孔質の金属酸化物半導体層、電荷輸送層、導電性触媒層および/または導電層を順に形成してなる色素増感太陽電池において、前記金属酸化物半導体層中に少なくとも1層以上の導電層が形成されており、かつ、前記導電層と基板上に形成された透明導電層とが導電性物質で短絡されていることを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0007】
また、本発明は、前記発明において、前記金属酸化物半導体中に形成された導電層が櫛形に形成されていることを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0008】
また、本発明は、前記発明において、前記金属酸化物半導体中に形成された導電層が透明導電性物質より成ることを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0009】
また、本発明は、前記発明において、前記金属酸化物半導体が、亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属の酸化物であることを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0010】
また、本発明は、前記発明において、前記電荷輸送層が固体電解質またはp型半導体を含むことを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0011】
また、本発明は、前記発明において、基板がプラスチックフィルムであることを特徴とする色素増感太陽電池である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明における色素増感太陽電池の一実施例の構成を示した断面図である。
本発明の色素増感太陽電池10は、図1に示すように基材1、透明導電層2、透明導電層2と短絡されている導電層3、金属酸化物半導体4、および金属酸化物半導体4に担持された色素5、さらには金属酸化物半導体4の空孔を満たすように形成された電荷輸送層6、導電性触媒層7、透明導電層8、および基材9により形成されている。
図3は、色素増感太陽電池10における導電層3を上面から捉えた形状の一例を示した図である。
【0013】
図4は、本発明における色素増感太陽電池をモジュールにした際の一実施例の構成を示した断面図である。
本発明の色素増感太陽電池モジュール30は、基材1上に透明導電層2、透明導電層2と短絡されている導電層3、金属酸化物半導体4、および金属酸化物半導体4に担持された色素5、さらには金属酸化物半導体4の空孔を満たすように形成された電荷輸送層6、導電性触媒層7、透明導電層8が立体的かつ一定の間隔で配列されるように、選択的なめっき、エッチング、PVD、CVD等の半導体プロセス技術、あるいはレーザスクライビングや研削等の機械的技術を用いてパターニングすることによって作製することができる。
【0014】
ここで、本発明の色素増感太陽電池10は、図1に示す以外に、図2に示すように、導電層3を1層でなく、2層にしてもよい。
また、2層に限らず、それ以上の層としても良いことはいうまでもない。
【0015】
本発明において用いられる基材1あるいは9としては、ガラスあるいはプラスチックフィルム、例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等を用いることができるが、絶縁性、透明性のある基材であれば何ら制限されるものではない。さらには、太陽電池を使用する環境、寿命の観点から耐光性、耐熱性を伴う基材が好ましい。入射する光を有効に取り入れるために、光電極に用いる基材の透明導電層が積層されていない側の表面に反射防止層を設けてもよい。
【0016】
本発明における透明導電層2及び8としては、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、フッ素やインジウムなどをドープされた酸化スズ、アルミニウムやガリウムなどをドープした酸化亜鉛、およびその他の可視光領域の吸収が少なく導電性の透明導電体が好ましい。
【0017】
透明導電層2及び8の形成方法としては真空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の真空成膜プロセスによることができるが、いかなる成膜方法であっても構わない。
【0018】
本発明における導電層3としては、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、フッ素やインジウムなどをドープされた酸化スズ、アルミニウムやガリウムなどをドープした酸化亜鉛、およびその他の透明導電体、またはアルミニウムや銀、白金などの金属を用いることができる。
【0019】
導電層3の形成方法としては、透明導電層2及び8と同様の方法を用いることができる。この際、同時に導電層3は透明導電層2と短絡することができるが、新たに導電性材料を形成する工程を設けて短絡してもよい。
導電層3を図3のような櫛形、あるいは梯子型やその他の形状にする場合には、あらかじめ所望の形状のマスクを金属酸化物半導体層上に固定した後に、前記の方法で形成するなどの方法が適用できる。
【0020】
本発明における金属酸化物半導体4としては、n型半導体の性質を示す金属酸化物を用いることができる。具体的には亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガンの酸化物があげられる。また、SrTiO3、CaTiO3、BaTiO3、MgTiO3、SrNb26のようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物なども使用することができる。
【0021】
金属酸化物半導体4の表面は、その上に担持される色素量を増やすために、その投影面積に対する、実際の表面面積が20倍以上、さらに好ましくは500倍以上必要である。このように表面粗さの大きな表面を形成することにより、単位面積当たりの表面積が大きくなり、吸着色素量が増加することにより、光の吸収量を十分に増やすことができる。その積層膜厚は1μm〜40μmの間で任意に選択することができるが、膜厚が厚くなるほど金属酸化物半導体中に本発明の導電層を多く形成するとより高い光電変換効率が得られる。
【0022】
金属酸化物半導体4の形成方法としては、金属ハロゲン化物、金属アルコキシドなどを加水分解して、焼成するゾルゲル法、あるいは金属、金属酸化物、金属亜酸化物などを用いた真空蒸着法、スパッタリング法などの真空成膜法を用いることができる。
【0023】
金属酸化物半導体4は、透明導電層2上に形成した後、レーザスクライビングなどの方法により一部を削り取った後に、導電層3を形成することにより導電層3と透明導電層2を短絡させる。さらに、導電層3上に金属酸化物半導体4形成し、以上の操作を任意の回数繰り返すことにより、形成することができる。
【0024】
さらに金属酸化物半導体4は形成した後に、プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、酸または塩基処理、あるいはその他の後処理を行っても良い。
【0025】
本発明における色素5は、起電力を発生させることのできる光を吸収するものであれば、任意のものを選択することができる。このような色素として、例えば、ルテニウム−トリス、ルテニウム−ビス、オスミウム−トリス、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、またはルテニウム−シス−ジアクア−ビピリシル錯体、またはフタロシアニンやポルフィリン、ジチオラート錯体、アセチルアセトナート錯体などのいわゆる金属キレート錯体、およびシアニジン色素、メロシアニン色素、ローダミン色素などの有機色素、およびオキサジアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、芳香環を有する有機化合物、およびその他が好ましい。これらの色素は、吸光係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また色素分子は低分子化合物であってもよいし、また繰り返し単位を有するポリマーであってもよい。
【0026】
また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基などの官能基を有することが好ましい。また、このような官能基は色素分子中に複数個ある方が好ましい。
【0027】
本発明における色素5の金属酸化物半導体4への担持は、使用する色素により水系溶媒、有機系溶媒から任意に選択された溶媒に色素を溶解した色素溶液を用意した後、その色素溶液に金属酸化物半導体を浸漬する。色素が金属酸化物半導体に吸着するのに十分な時間経過した後に、金属酸化物半導体を色素溶液より引き上げ、洗浄、乾燥することによって行うことができる。必要に応じて金属酸化物半導体を色素溶液に浸漬する際に、加熱してもよいし、色素溶液を酸性または塩基性にしてもよい。
【0028】
本発明における電荷輸送層6に含有させる電解質としては、一般に色素増感電池の電荷輸送層に用いられる材料を任意に用いることができるが、例えばヨウ素を包含するヨウ化物、臭化物、キノン錯体、TCNQ錯体、ジシアノキノンジイミン錯体、およびその他が好ましい。
【0029】
また、本発明の電荷輸送層6においては、固体電解質やp型半導体を含む固体状電荷輸送層をもちいることができる。このような電荷輸送層は、液状の電荷輸送層を用いた場合に起こり得る液漏れの可能性がないため好ましい。
【0030】
固体状電荷輸送層に用いることのできる材料の具体例としては、ドナー骨格としてトリフェニルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族アミン化合物、ナフタレン、アントラセン、ビレンなどの縮合多環炭化水素、アゾベンゼンなどのアゾ化合物、スチルベンなどの芳香環をエチレン結合やアセチレン結合で連結した構造を有する化合物、アミノ基で置換されたヘテロ芳香環化合物、ポルフィリン類、フタロシアン類などがあげられ、アクセプター骨格としてはキノン類、テトラシアノキノジメタン類、ジシアノキノンジイミン類、テトラシアノエチレン、ビオローゲン類、ジチオール金属錯体などが挙げられる。また、その他固体状電荷輸送層に用いることのできる材料として、CuI、AgI、TiI、およびその他の金属ヨウ化物、CuBr、CuSCNなどがある。また、ポリアルキレンエーテルなどの高分子ゲルにヨウ化物、キノン錯体等を抱含させて用いてもよい。これらの材料は、必要に応じて任意に組み合わせて用いることができる。
【0031】
本発明における電荷輸送層6の形成方法としては、ディッピング、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、スプレイコーター、ダイコーター等の塗工機を用いることができるが、連続塗工が可能な方法がより好ましい。固体電解質またはp型半導体を用いる場合には、任意の溶媒を用いた溶液にした後、上記方法を用いて塗工し、基材1を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させるなどにより形成する。
【0032】
本発明における導電性触媒層7としては、任意の導電性材料を用いることができ、白金や金、銀、銅などの金属、もしくは炭素などが挙げられる。これらを形成する際には、透明導電層2と同様の真空成膜法、あるいはこれら材料の微粒子をペーストにしたものをウエットコーティングする方法を用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0034】
(参考例1)
図1の層構成の色素増感太陽電池10を次のように作製した。まず、基材1としてガラス(Corning7059、500μm厚)を使用し、この上に透明導電層2としてインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。得られた透明導電性基材上に、金属酸化物半導体4として酸化チタンを8μm形成した。
ここで、酸化チタンは、チタンテトラt−ブトキシドを硝酸によって加水分解することによるゾルゲル法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化チタンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、乾燥し、450℃で焼成することにより形成した。得られた金属酸化物半導体の端部をレーザスクライビングにより、透明導電層2の表面が出るまで削った後、櫛形のマスクを固定することにより、導電層3として櫛形のアルミニウムを真空蒸着法により形成した。
さらに導電層3の上に、前記と同様の方法で金属酸化物半導体4を5μm形成した。
以上で得られた積層体は、80℃程度まで冷却した後、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素5として、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及びエタノール洗浄、及び乾燥を行った。
続いて電荷輸送層6として0.5M LiI、0.05M I、メトキシアセトニトリルからなる電解質を金属酸化物半導体4上に形成した。
一方、基材9としてガラス(Corning7059、500μm厚)上にスパッタリング法により成膜したインジウム錫酸化物(ITO)を透明導電層8として形成し、さらにスパッタリング法により成膜した白金を導電性触媒層7として形成することにより対向電極を作製し、導電性触媒層7と電荷輸送層6を重ね合わせるように固定した後、側面をエポキシ系接着剤で封止することにより色素増感太陽電池を作成した。
以上で得られた色素増感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100mW/cmの擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=36mA/cm、開放電圧VOC = 0.66V、フィルファクターFF=0.70で光電変換効率はη=16.6%であった。
【0035】
(実施例1)
図2の層構成の色素増感太陽電池20を次のように作製した。まず、基材1としてPET(50μm厚)を使用し、この上に透明導電層2としてインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。得られた透明導電性基材上に、金属酸化物半導体4として酸化チタンを6μm形成した。
酸化チタンは、チタンテトラt−ブトキシドを硝酸によって加水分解することによるゾルゲル法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化チタンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、120℃で乾燥し、酸素プラズマで処理することにより形成した。得られた金属酸化物半導体の端部をレーザスクライビングにより、透明導電層2の表面が出るまで削った後、櫛形のマスクを固定することにより、導電層3として櫛形のインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。さらに導電層3の上に前記と同様の方法で金属酸化物半導体4を5μm形成した。再び得られた金属酸化物半導体4の端部をレーザスクライビングにより、先に成膜した導電層3の表面が出るまで削った後、櫛形のマスクを固定し、二層目の導電層3として櫛形のインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。さらに二層目の導電層3の上に前記と同様の方法で金属酸化物半導体4を5μm形成した。
以上で得られた積層体は80℃程度まで冷却した後、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素5として、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及びエタノール洗浄、及び乾燥を行った。
続いて電荷輸送層6として0.5M LiI、0.05M I、メトキシアセトニトリルからなる電解質を金属酸化物半導体4上に形成した。一方、基材9としてPET(100μm厚)上にスパッタリング法により成膜したインジウム錫酸化物(ITO)を透明導電層8として形成し、さらにスパッタリング法により成膜した白金を導電性触媒層7として形成することにより対向電極を作製し、導電性触媒層7と電荷輸送層6を重ね合わせるように固定した後、側面をエポキシ系接着剤で封止することにより色素増感太陽電池を作成した。
以上で得られた色素増感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100mW/cmの擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=39mA/cm、開放電圧VOC=0.65V、フィルファクターFF=0.68で光電変換効率はη=17.2%であった。
【0036】
(参考例2)
図1の層構成の色素増感太陽電池10を次のように作製した。まず、基材1としてガラス(Corning7059、500μm厚)を使用し、この上に透明導電層2としてインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。得られた透明導電性基材上に、金属酸化物半導体4として酸化チタンを8μm形成した。酸化チタンはチタンテトラt−ブトキシドを硝酸によって加水分解することによるゾルゲル法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化チタンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、乾燥し、450℃で焼成することにより形成した。得られた金属酸化物半導体の端部をレーザスクライビングにより、透明導電層2の表面が出るまで削った後、櫛形のマスクを固定することにより、導電層3として櫛形のアルミニウムを真空蒸着法により形成した。
さらに導電層3の上に前記と同様の方法で金属酸化物半導体4を5μm形成した。
以上で得られた積層体は80℃程度まで冷却した後、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素5として、ビス(4,4−ジカルボキシ−2,2−ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及びエタノール洗浄、及び乾燥を行った。続いて電荷輸送層6としてCuIを、アセトニトリル溶液にして含浸させ、120℃のホットプレート上で加熱することで溶媒のアセトニトリルを蒸発させることにより形成した。一方、基材9としてガラス(Corning7059、500μm厚)上にスパッタリング法により成膜したインジウム錫酸化物(ITO)を透明導電層8として形成し、さらにスパッタリング法により成膜した白金を導電性触媒層7として形成することにより対向電極を作製し、導電性触媒層7と電荷輸送層6を重ね合わせるように固定した後、側面をエポキシ系接着剤で封止することにより色素増感太陽電池を作成した。
以上で得られた色素増感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100mW/cmの擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC=30mA/cm、開放電圧VOC=0.69V、フィルファクターFF=0.68で光電変換効率はη=14.1%であった。
【0037】
(比較例)
図5の層構成の色素増感太陽電池40を次のように作製した。まず、基材1としてガラス(Corning7059、500μm厚)を使用し、この上に透明導電層2としてインジウム錫酸化物(ITO)を真空スパッタリング法により形成した。得られた透明導電性基材上に、金属酸化物半導体4として酸化チタンを8μm形成した。
酸化チタンはチタンテトラt-ブトキシドを硝酸によって加水分解することによるゾルゲル法を用いて酸化チタンゾルを合成し、得られた酸化チタンゾルを上記透明導電層上に塗布した後、乾燥し、450℃で焼成することにより形成した。以上で得られた積層体は80℃程度まで冷却した後、ビス(4,4-ジカルボキシ-2,2-ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムのエタノール溶液に浸漬することにより、色素5として、ビス(4,4-ジカルボキシ-2,2-ビピリジル)ジチオシアネートルテニウムを担持した後、水及びエタノール洗浄、及び乾燥を行った。
続いて電荷輸送層6として0.5M LiI、0.05M I2、メトキシアセトニトリルからなる電解質を金属酸化物半導体4上に形成した。一方、基材9としてガラス(Corning7059、500μm厚)上にスパッタリング法により成膜したインジウム錫酸化物(ITO)を透明導電層8として形成し、さらにスパッタリング法により成膜した白金を導電性触媒層7として形成することにより対向電極を作製し、導電性触媒層7と電荷輸送層6を重ね合わせるように固定した後、側面をエポキシ系接着剤で封止することにより色素増感太陽電池を作成した。
以上で得られた色素増感太陽電池の電流−電圧特性を測定したところ、A.M.1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いた時、短絡電流JSC= 20mA/cm2、開放電圧VOC= 0.66V、フィルファクターFF=0.71で光電変換効率はη=9.4%であった。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成からなるので、金属酸化物半導体中に注入された電子を効率的に透明導電膜に到達させることができ、光電変換効率を大幅に向上することが可能となる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における色素増感太陽電池の層構成の一例を示す断面説明図。
【図2】本発明における色素増感太陽電池の層構成の他例を示す断面説明図。
【図3】本発明における導電層3の上面から捉えた形状の一例を示す説明図。
【図4】本発明における色素増感太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面説明図。
【図5】一般的な色素増感太陽電池の層構成を示す断面説明図。(比較例)
【符号の説明】
1 基材
2 透明導電層
3 導電層
4 金属酸化物半導体
5 色素
6 電荷輸送層
7 導電性触媒層
8 透明導電層
9 基材
10、20、40 色素増感太陽電池
30 色素増感太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも透明導電層,色素を吸着させた多孔質の金属酸化物半導体層,電荷輸送層,導電性触媒層および/または導電層を順に形成してなる色素増感太陽電池において、
    前記金属酸化物半導体層中に少なくとも1層以上の導電層が形成されており、
    前記金属酸化物半導体中に形成された導電層と基板上に形成された透明導電層とが導電性物質で短絡されており、かつ、前記導電層が透明導電性物質より成る
    ことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記金属酸化物半導体中に形成された導電層が櫛形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記金属酸化物半導体が、亜鉛、ニオブ、錫、チタン、バナジウム、インジウム、タングステン、タンタル、ジルコニウム、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属の酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 電荷輸送層が、固体電解質またはp型半導体を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の色素増感太陽電池。
  5. 基板がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の色素増感太陽電池。
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