JP2009016174A - 光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属配線の厚みによる電極間距離の増大、およびそれに伴う光電変換効率の低下を回避し、発電出力や耐久性を向上させた光電変換素子を提供する。
【解決手段】本発明の光電変換素子1A(1)は、絶縁性の透明な第一基材3、該第一基材の一面に透明導電膜4を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層6、および、金属配線7を備える第一電極2と、前記第一電極と対向して配され、導電性の第二基材10からなる第二電極9と、前記第一電極と前記第二電極との間の少なくとも一部に配された電解質12と、から構成される光電変換素子であって、前記多孔質酸化物半導体層は、前記第一基板に設けられた凸部5上に配されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の光電変換素子1A(1)は、絶縁性の透明な第一基材3、該第一基材の一面に透明導電膜4を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層6、および、金属配線7を備える第一電極2と、前記第一電極と対向して配され、導電性の第二基材10からなる第二電極9と、前記第一電極と前記第二電極との間の少なくとも一部に配された電解質12と、から構成される光電変換素子であって、前記多孔質酸化物半導体層は、前記第一基板に設けられた凸部5上に配されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は光電変換素子に係り、より詳細には、発電出力や耐久性に優れた光電変換素子に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い変換効率を得られる光電変換素子として着目されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1等参照。)。
実用に耐えるような大面積、大出力の素子(モジュール)を作製する場合、透明導電基板の導電性不足に起因する内部抵抗増大を抑える工夫が必要となる。その一手段として、図4に示すように、透明導電性基板102上に集電配線104を形成することで、透明導電性基板102の導電率向上を図ろうとする試みがある(たとえば、特許文献2等参照)。
図4において、符号100は色素増感型の光電変換素子、101は作用極、102は透明導電性基板、103は多孔質酸化物半導体層、104は集電配線、105は保護層、106は対極、107は電解質をそれぞれ示している。
ところが、従来の技術では、以下に示すような問題により必ずしも満足できる素子特性を確保できない。
ところが、従来の技術では、以下に示すような問題により必ずしも満足できる素子特性を確保できない。
集電(グリッド)配線では、素子の光入射面積を大きくするためには配線幅は細くすべきであり、一方で十分な抵抗低減効果を得るためには配線体積は大きくすべきである。したがって、配線高さを増すことで、低抵抗化を図ることが通常考えられる手段となる。ところが、平板状基板を用いた場合には、配線高さが高い場合、色素担持多孔質酸化物半導体層と対極との間が離れ、すなわち電極間距離が大きくなり、電解質中における電荷移動抵抗に起因する内部抵抗が増大し、素子の光電変換特性の低下につながる。
また、配線保護層は、配線保護性能の信頼性を確保するため、低融点ガラス、絶縁樹脂などの絶縁材料を塗布することにより、ある程度の高さをもって形成される。限定的ではないが、たとえば10μm〜数10μm程度の厚さになるため、配線自体の厚さも含めると色素担持多孔質酸化物半導体層の適正厚さを超える場合が多い。その結果、上記同様、電極間距離が大きくなり、光電変換効率などの素子性能の低下につながる。
上記問題を回避する一手段として、作用極における配線や多孔質酸化物半導体層による凹凸形状に追従した対極表面構造の適用が提案されているが、位置合わせ精度や凹凸寸法精度の問題から、作用極表面形状に全面完全に追従させることは困難であり、局所的に電極間距離の大きくなる部位の発生が懸念される。その結果、上記に準ずる内部抵抗増大の問題や、発電能力の不均一化などの問題が生じ、素子の出力、耐久性の低下につながる可能性がある。
また、色素増感太陽電池に代表されるような電解液を用いる光電変換素子では、作製時に素子内に取り残されたり、電解液の揮発により新たに発生した気泡がセル内に生じることがある。このような気泡が存在すると、光電変換が効率よく行えず、作用極/対極間に気泡が生じた場合は、発電出力や耐久性の低下につながる。
特許第2664194号公報
特表2002−536805号公報
M.Graetzel et al., Nature, 737, p.353, 1991
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、金属配線の厚みによる電極間距離の増大、およびそれに伴う光電変換効率の低下を回避し、発電出力や耐久性を向上させた光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換素子は、絶縁性の透明な第一基材、該第一基材の一面に透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層、および、金属配線を備える第一電極と、前記第一電極と対向して配され、導電性の第二基材からなる第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間の少なくとも一部に配された電解質と、から構成される光電変換素子であって、前記多孔質酸化物半導体層は、前記第一基板に設けられた凸部上に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記金属配線上には保護層が配されており、前記凸部と前記多孔質酸化物半導体層との総厚さαが、前記金属配線と前記保護層との総厚さβと同等または大きいことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記凸部は、前記第一基板と一体をなしていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記電解質は液状をなし、前記第一電極および前記第二電極の少なくとも一部には、液溜まり部が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記液溜まり部は、前記金属配線の近傍に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記液溜まり部は、前記第二基材に設けられた凹部であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記第二電極の前記多孔質酸化物半導体層と対向する部分には、表面加工が施されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記金属配線上には保護層が配されており、前記凸部と前記多孔質酸化物半導体層との総厚さαが、前記金属配線と前記保護層との総厚さβと同等または大きいことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記凸部は、前記第一基板と一体をなしていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光電変換素子は、請求項1において、前記電解質は液状をなし、前記第一電極および前記第二電極の少なくとも一部には、液溜まり部が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記液溜まり部は、前記金属配線の近傍に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記液溜まり部は、前記第二基材に設けられた凹部であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の光電変換素子は、請求項4において、前記第二電極の前記多孔質酸化物半導体層と対向する部分には、表面加工が施されていることを特徴とする。
本発明では、多孔質酸化物半導体層を、第一基板に設けられた凸部上に配することで、金属配線に厚みがあっても電極間距離を小さくすることができる。これにより光電変換効率の低下が抑えられ、その結果、発電出力や耐久性を向上させた光電変換素子を提供することができる。
<第一実施形態>
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の一例を示す断面図である。
本発明の光電変換素子1A(1)は、絶縁性の透明な第一基材3、該第一基材3の一面に透明導電膜4を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層6、および、金属配線7を備える第一電極2と、前記第一電極2と対向して配され、導電性の第二基材10からなる第二電極9と、前記第一電極2と前記第二電極9との間の少なくとも一部に配された電解質と、から構成される光電変換素子であって、前記多孔質酸化物半導体層6は、前記第一基材3に設けられた凸部5上に配されていることを特徴とする。
本発明の光電変換素子1A(1)は、絶縁性の透明な第一基材3、該第一基材3の一面に透明導電膜4を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層6、および、金属配線7を備える第一電極2と、前記第一電極2と対向して配され、導電性の第二基材10からなる第二電極9と、前記第一電極2と前記第二電極9との間の少なくとも一部に配された電解質と、から構成される光電変換素子であって、前記多孔質酸化物半導体層6は、前記第一基材3に設けられた凸部5上に配されていることを特徴とする。
本発明では、多孔質酸化物半導体層6を、第一基材3に設けられた凸部5上に配することで、金属配線7および保護層8が厚くても、多孔質酸化物半導体層6を対極9に近づけることができる。これにより電極間距離の増大による光電変換効率の低下が抑えられ、その結果、発電出力や耐久性を向上させた光電変換素子を提供することができる。
本発明によれば、作用極2上で最も高い位置を占めるのが多孔質酸化物半導体層6であるため、対極9については凹凸加工などせず平板状の基板を適用しても電極間距離を最短とすることが可能であり、電極間距離の増大に伴う顕著な出力低下を生ずることなく良好な発電特性を得ることができる。
ここで、上記「平板状」の意味として、導電膜11の形成による微小な表面凹凸があっても平板状と解釈する。すなわち、作用極2の表面形状に意図的に追従させるような凹凸構造と対比させる意味での「平板状」である。但し、平板状対極に限定されるものではない。
ここで、上記「平板状」の意味として、導電膜11の形成による微小な表面凹凸があっても平板状と解釈する。すなわち、作用極2の表面形状に意図的に追従させるような凹凸構造と対比させる意味での「平板状」である。但し、平板状対極に限定されるものではない。
前記金属配線7上には保護層8が配されており、前記凸部5と前記多孔質酸化物半導体層6との総厚さαが、前記金属配線7と前記保護層8との総厚さβと同等または大きいことが好ましい。
前記凸部5と前記多孔質酸化物半導体層6との総厚さαを、前記金属配線7と前記保護層8との総厚さβと同等もしくは厚くする、すなわちβ≦αとすることにより、確実に多孔質酸化物半導体層6を対極9に近づけることができる。
前記凸部5と前記多孔質酸化物半導体層6との総厚さαを、前記金属配線7と前記保護層8との総厚さβと同等もしくは厚くする、すなわちβ≦αとすることにより、確実に多孔質酸化物半導体層6を対極9に近づけることができる。
図1において、符号1は色素増感型の光電変換素子、2は第一電極(作用極)、3は第一基材、4は透明導電膜、5は凸部、6は多孔質酸化物半導体層、7は金属配線、8は保護層、9は第二電極(対極)、10は第二基材、11は導電膜、12は電解質をそれぞれ示している。光電変換素子1において、第一電極2と第二電極9が電解質12を介して積層されてなる積層体が、その周囲を封止部材(図示せず)によって封止されて光電変換素子として機能する。
作用極2は、透明基材(第一基材3)、および、その一方の面に形成された透明導電膜4と、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層6とから概略構成されている。
透明基材としては、光透過性の素材からなる基板が用いられ、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなど、通常、光電変換素子の透明基材として用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。透明基材は、これらの中から電解質12への耐性などを考慮して適宜選択される。また、透明基材としては、用途上、できる限り光透過性に優れる基板が好ましく、透過率が85%以上の基板がより好ましい。
第一基材3上には、凸部5が設けられている。この凸部5を含む凹凸構造の形成方法は限定されないが、たとえば、エッチングやレーザー、工作機などを用いての削り込み、研磨、プレスなどによる凹部形成、貼り合わせによる凸部形成、金型を用いた成型(射出成型など)により形成することが可能である。
また、凸部5は、第一基材3と一体をなしていることが好ましい。凸部5を、第一基材3と一体にすることにより、凸部5に入る光のロスを抑えて有効に利用することができる。
また、凸部5は、第一基材3と一体をなしていることが好ましい。凸部5を、第一基材3と一体にすることにより、凸部5に入る光のロスを抑えて有効に利用することができる。
透明導電膜4は、透明基材に導電性を付与するために、その一方の面に形成された薄膜である。透明導電性基板の透明性を著しく損なわない構造とするために、透明導電膜4は、導電性金属酸化物からなる薄膜であることが好ましい。
透明導電膜4を形成する導電性金属酸化物としては、たとえば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)などが用いられる。透明導電膜4は、FTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜であることがより好ましい。
透明導電膜4を、FTOのみからなる単層の膜、または、ITOからなる膜にFTOからなる膜が積層されてなる積層膜とすることにより、耐薬品性や耐熱性に優れ、可視域における光の吸収量が少なく、導電率が高い透明導電性基板を構成することができる。
多孔質酸化物半導体層6は、凸部5の上に設けられており、その表面には増感色素が担持されている。多孔質酸化物半導体層6を形成する半導体としては特に限定されず、通常、光電変換素子用の多孔質酸化物半導体を形成するのに用いられるものであれば、いかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、たとえば、酸化チタン(TiO2 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化タングステン(WO3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層6を形成する方法としては、たとえば、市販の酸化物半導体微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調製できるコロイド溶液を、必要に応じて所望のポリエチレングリコールなどの添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スプレー塗布法など公知の塗布方法により塗布した後、加熱処理により添加物を除去する方法などを適用することができる。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体をはじめ、たとえばクマリン、エオシン、ローダミン、メロシアニンの誘導体といった有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
金属配線7は、集電用の配線であり、透明導電膜4に電気的に接続されたものである。この金属配線7を介して、積層体と、外部接続用端子(図示略)とが電気的に接続できるようになっている。
また、金属配線7を被覆するように、低融点ガラス、絶縁樹脂などの絶縁体からなる保護層8が設けられている。したがって、金属配線7と電解質12との間に保護層8が存在するため、金属配線7と電解質12とが直接接触することがない。これにより、電解質12と金属配線7が接触して、金属配線7が腐食するのを防止することができる。
対極9は、第二基材10と、この一方の面上に形成された導電膜11とから構成されている。
第二基材10としては、第一基材3と同様のものや、特に光透過性をもつ必要がないことから金属板、合成樹脂板などが用いられる。
触媒膜11は、第二基材10に電解液との電荷のやりとりをする速度を向上させるための触媒活性を付与するために、その一方の面に形成された白金、炭素などからなる薄膜である。触媒膜11としては、たとえば炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行ったものが好適に用いられるが、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
電解質12は、多孔質酸化物半導体層6内に電解液を含浸させてなるものか、または、多孔質酸化物半導体層6内に電解液を含浸させた後に、この電解液を適当なゲル化剤を用いてゲル化(擬固体化)して、多孔質酸化物半導体層6と一体に形成されてなるもの、さらには、酸化物半導体粒子や導電性粒子を含むゲル状の電解質などが用いられる。
換言すると、上記電解液としては、酸化還元種を含む有機溶媒、イオン液体などを用いることができる。また、このような電解液を適当なゲル化剤(高分子ゲル化剤、低分子ゲル化剤、各種ナノ粒子、カーボンナノチューブなど)を導入することにより流動性を低下させたものを用いても構わない。
溶媒として特に限定されるものは無いが、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒、イミダゾリウム系カチオンやピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオンなどといった四級化された窒素原子を有するカチオンなどとヨウ化物イオン、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、ジシアノアミドアニオン、チオシアン酸アニオンなどからなるイオン液体などを選ぶことができる。
酸化還元種も特に限定されるものではないが、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどを加えて形成されるものを選ぶことができ、たとえば前者であれば、ヨウ化物塩(リチウム塩、四級化イミダゾリウム塩の誘導体、テトラアルキルアンモニウム塩などを単独、あるいは、複合して用いることができる。)とヨウ素を単独、あるいは、複合して添加することにより与えることができる。電解液には、さらに、必要に応じて、4−tert−ブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、グアニジニウム塩の誘導体などの種々の添加物を加えても構わない。
溶媒として特に限定されるものは無いが、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒、イミダゾリウム系カチオンやピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオンなどといった四級化された窒素原子を有するカチオンなどとヨウ化物イオン、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン、ジシアノアミドアニオン、チオシアン酸アニオンなどからなるイオン液体などを選ぶことができる。
酸化還元種も特に限定されるものではないが、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどを加えて形成されるものを選ぶことができ、たとえば前者であれば、ヨウ化物塩(リチウム塩、四級化イミダゾリウム塩の誘導体、テトラアルキルアンモニウム塩などを単独、あるいは、複合して用いることができる。)とヨウ素を単独、あるいは、複合して添加することにより与えることができる。電解液には、さらに、必要に応じて、4−tert−ブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール、グアニジニウム塩の誘導体などの種々の添加物を加えても構わない。
光電変換素子1において、作用極2と対極9とが所定の間隔を以って貼り合わされてなる積層体が、その外周部を封止部材(図示略)によって接着、一体化され、作用極2と対極9との間に電解質が注入、封止されて光電変換素子として機能する。
封止部材としては、対極9をなす第二基材10に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、たとえば、分子鎖中にカルボン酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤やUV硬化樹脂などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(デュポン社製)、31X101(スリーボンド社製)などが挙げられる。
<第二実施形態>
以下、本発明に係る光電変換素子1の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係る光電変換素子1B(1)の一例を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
以下、本発明に係る光電変換素子1の第二実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係る光電変換素子1B(1)の一例を示す断面図である。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態の光電変換素子1Bでは、前記電解質12は液状をなし、前記第一電極2および前記第二電極9の少なくとも一部には、液溜まり部13が配されている。
色素増感型の光電変換素子を高温下で長期にわたり使用すると、電解質の漏洩、揮発やセル内の圧力変化などによりセル内に気泡が発生する場合がある。気泡はセルの封止部分近傍に限らず、あらゆる場所で発生する傾向がある。気泡の生じた部分では電荷の移動が正常に行なわれず発電特性が低下するばかりでなく、増感色素の分解なども起こり、セル故障の原因となる。
本実施形態の光電変換素子1では、第一電極2および第二電極9の少なくとも一部に液溜まり部13が設けられていることで、セル内にできた気泡を取り込んで効果的に排出することが可能となる。その結果、長寿命を有するものとすることができる。
気泡の浮力よりも駆動力が大きく、設置方向の影響も受けにくい「気泡の表面張力」を利用し、液溜まり部13に気泡を確実に排出し、液溜まり部13内の電解液を自動的に供給するため、長期耐久性を向上させることができる。また、この構造は、組み付け時のミスなどにより初めから混入している気泡に対しても排出効果がある。
前記液溜まり部13は、たとえば、上記金属配線7の近傍に配されている。発電エリア外に液溜まり部13を設けることで、光電変換効率に影響を及ぼすことがない。
図3は、本実施形態に係る光電変換素子1C(1)の一例を示す断面図である。
図3に示すように、前記液溜まり部13は、たとえば、前記対極9をなす第二基材10に設けられた凹部14である。これにより、簡易な構造で容易に気泡を取り込むことができる液溜まり部13となる。
図3に示すように、前記液溜まり部13は、たとえば、前記対極9をなす第二基材10に設けられた凹部14である。これにより、簡易な構造で容易に気泡を取り込むことができる液溜まり部13となる。
この場合、作用極2において、[配線部高さ(保護層を含む)]<[多孔質酸化物半導体層高さ]である。すなわち、凸部5と多孔質酸化物半導体層6との総厚さをα、金属配線7と保護層8との総厚さをβとしたとき、β<αである。たとえば、隣の液溜まり部13までの作用極2−対極9間のスペースを満たせる程度の空間を維持していることが望ましい。
また、対極9の形状は平板状に限定されるものではない。作用極2表面の凹部(金属配線7)に実質的に対応する位置に凹部を設けるように、対極9の表面にも凹凸加工を施しても構わない。この場合には、[配線部高さ(保護層を含む)]≦[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわちβ≦αで、両面がほぼ同等の高さ関係にあっても液溜まり部13を確保することができる。
前記凹部14は、前記金属配線7に沿って、連続して設けられていることが好ましい。凹部14がある程度の面積で連続して設けられていることで、効率よく気泡を取り込むことができる。
また、凹部14の深さは0.05〜1mmの範囲であることが好ましい。深さが前記下限値以下では電解質12の保持量が過少となる。一方、深さが前記上限値を超えると、セルを立てて設置した際、重力で電解質12が偏在する可能性があるため、別途重力供給による液溜まり部を設ける必要がある。
凹部14部分にリザーブされる電解質の量は、少なくともセル全体に注入する電解質量の5%以上となるように設計されていることが望ましい。
また、第二電極9の前記多孔質酸化物半導体層6と対向する部分には、表面加工が施されていることが好ましい。第二電極9に表面加工が施されていることにより、電解質、気泡の移動を容易にし、発電エリアに発生した気泡をスムーズに排除することができる。
このような表面加工は、物理的または化学的に施される。具体的には、多孔質構造とする、粗面化処理を施す、液溜まり部13から作用極2表面に至る電解液誘導溝を刻むなどの機械的構造を設けるといった手法や、表面の濡れ性を化学的に制御するような表面処理を施すといった化学的手法を適用できる。
このような表面加工は、物理的または化学的に施される。具体的には、多孔質構造とする、粗面化処理を施す、液溜まり部13から作用極2表面に至る電解液誘導溝を刻むなどの機械的構造を設けるといった手法や、表面の濡れ性を化学的に制御するような表面処理を施すといった化学的手法を適用できる。
以上、本発明に係る光電変換素子について説明してきたが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
<実験1>
(実施例1)
本例では、図1に示すような光電変換素子を作製した。
第一基材としてガラス基板を用意し、該ガラス基板上に、配線パターンに合わせてガラス板表面をフッ酸でエッチングし、深さ50μmの溝を形成した。その後、スプレー熱分解法(SPD法)によりFTO/ITO透明導電膜を成膜した。
(実施例1)
本例では、図1に示すような光電変換素子を作製した。
第一基材としてガラス基板を用意し、該ガラス基板上に、配線パターンに合わせてガラス板表面をフッ酸でエッチングし、深さ50μmの溝を形成した。その後、スプレー熱分解法(SPD法)によりFTO/ITO透明導電膜を成膜した。
上記溝に高導電銀ペースト(福田金属箔粉工業社製)を塗布し、乾燥後、焼成することで金属配線を形成した。さらに、スクリーン印刷法により、金属配線を完全に覆うように低融点ガラスペーストを塗布し、乾燥後、焼成することで保護層を形成した。保護層の最上部が、基板凸部表面から5μmであった。
ガラス基板の凸部上(非配線部)にTiO2 ナノ粒子からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。具体的には、スクリーン印刷法によりTiO2 ナノ粒子からなるペーストを塗布し、乾燥後、焼成することにより厚さ15μmの多孔質酸化物半導体層を得た。このとき、配線部高さ(保護層を含む)<多孔質酸化物半導体層高さである。すなわち、凸部と多孔質酸化物半導体層との総厚さをα、金属配線と保護層との総厚さをβとしたとき、β<αである。
基板を色素溶液(N719色素を含むアセトニトリル/t−ブタノール溶液)中に基板を浸漬して多孔質酸化物半導体層に増感色素を担持させた。以上を作用極とした。
一方、厚さ100μmの金属チタン板を用意し、スパッタ法により一方の面に白金膜、他方の面に銅膜を形成した。以上を対極とした。白金膜形成面を作用極と対向させて使用する。
また、電解液として、ヨウ素、N−メチルベンズイミダゾール、チオシアン酸グアニジニウムを含むイオン液体(1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物)を用意した。
また、電解液として、ヨウ素、N−メチルベンズイミダゾール、チオシアン酸グアニジニウムを含むイオン液体(1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物)を用意した。
作用極上に電解液を展開し、対極(の白金膜形成面)を対向させて重ね合わせた。はみ出した電解液をふき取った後、周辺部を紫外線硬化樹脂で封止した。これにより試験用の光電変換素子を得た。
(実施例2)
本例では、作用極において、保護層厚さを変えて、最上部が基板凸部表面から約15μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]≒[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β≒αである。
本例では、作用極において、保護層厚さを変えて、最上部が基板凸部表面から約15μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]≒[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β≒αである。
(実施例3)
本例では、第一基材として厚さ3mmの透明樹脂基板(PEN基板)を用意し、金属配線パターンに沿ってプレス加工により凹凸構造を設けた(溝深さは約200μm)。スクリーン印刷法により、上記溝に銀ペースト(藤倉化成社製)を塗布し、加熱・反応させることで幅0.5mm、高さ15μmの銀配線を形成した。その後、スパッタ法によりITO透明導電膜を成膜した。
本例では、第一基材として厚さ3mmの透明樹脂基板(PEN基板)を用意し、金属配線パターンに沿ってプレス加工により凹凸構造を設けた(溝深さは約200μm)。スクリーン印刷法により、上記溝に銀ペースト(藤倉化成社製)を塗布し、加熱・反応させることで幅0.5mm、高さ15μmの銀配線を形成した。その後、スパッタ法によりITO透明導電膜を成膜した。
ガラス基板の凸部上にTiO2 ナノ粒子からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。具体的には、スクリーン印刷法により低温成膜仕様の酸化チタンペースト(ペクセルテクノロジーズ:PECC01)を塗布し、加熱処理することにより厚さ15μmの多孔質酸化物半導体層を得た。基板を色素溶液(N719色素を含むエタノール溶液)中に基板を一晩以上浸漬して多孔質酸化物半導体層に増感色素を担持させた。
多孔質酸化物半導体層の部分をマスク(遮光)した上で、ディスペンサを用いて金属配線をを形成した凹部に紫外線硬化樹脂(スリーボンド社)を充填し、紫外線を照射して硬化させた。この作業を数回繰り返すことで保護層を形成した。保護層の最上部が、基板凸部表面から約−20μmであった。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]<[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β<αである。以上を作用極とした。
以上のようにして作製した作用極を用いたこと以外は実施例1と実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
以上のようにして作製した作用極を用いたこと以外は実施例1と実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例4)
本例では、フィルム基板を作用極に適用して、フレキシブル型の試験セルを作製した。
第一基材として厚さ200μmのPEN基板を用意し、該PEN基板上にスクリーン印刷法により銀ペースト(藤倉化成)を塗布し、加熱・反応させることで幅0.5mm、高さ15μmの金属配線を形成した。
本例では、フィルム基板を作用極に適用して、フレキシブル型の試験セルを作製した。
第一基材として厚さ200μmのPEN基板を用意し、該PEN基板上にスクリーン印刷法により銀ペースト(藤倉化成)を塗布し、加熱・反応させることで幅0.5mm、高さ15μmの金属配線を形成した。
次に、金属配線パターンを残すように、基板上に厚さ100μmのPENフィルムを貼りつけ、凹凸構造を設けた。貼り合わせには二液混合型の透明接着剤を用いた。その後、スパッタ法によりITO透明導電膜を成膜した。
基板の凸部上にTiO2 ナノ粒子からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。具体的には、スクリーン印刷法により低温成膜仕様の酸化チタンペースト(ペクセルテクノロジーズ:PECC01) を塗布し、加熱処理することにより厚さ15μmの多孔質酸化物半導体層を得た。基板を色素溶液(N719色素を含むエタノール溶旅)中に基板を一晩以上浸漬して多孔質酸化物半導体層に増感色素を担持させた。
基板の凸部上にTiO2 ナノ粒子からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。具体的には、スクリーン印刷法により低温成膜仕様の酸化チタンペースト(ペクセルテクノロジーズ:PECC01) を塗布し、加熱処理することにより厚さ15μmの多孔質酸化物半導体層を得た。基板を色素溶液(N719色素を含むエタノール溶旅)中に基板を一晩以上浸漬して多孔質酸化物半導体層に増感色素を担持させた。
多孔質酸化物半導体層の部分をマスク(遮光)した上で、ディスペンサを用いて金属配線を形成した凹部に紫外線硬化樹脂(スリーボンド社)を充填し、紫外線を照射して硬化させた。この作業を数回繰り返すことで保護層を形成した。保護層の最上部が、基板凸部表面から約7μmであった。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]<[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β<αである。以上を作用極とした。
以上のようにして作製した作用極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
以上のようにして作製した作用極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(比較例1)
本例では、作用極において、ガラス基板にエッチング加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
このとき、配線部高さ(保護層を含む)は65μm、多孔質酸化物半導体層表面高さは15μmであり、[配線部高さ(保護層を含む)]>[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β>αである。
本例では、作用極において、ガラス基板にエッチング加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
このとき、配線部高さ(保護層を含む)は65μm、多孔質酸化物半導体層表面高さは15μmであり、[配線部高さ(保護層を含む)]>[多孔質酸化物半導体層高さ]、すなわち、β>αである。
(比較例2)
本例では、作用極において、PEN基板に凹凸加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
このとき、配線部高さ(保護層を含む)は100μm、多孔質酸化物半導体層表面高さは15μmであり、配線部高さ(保護層を含む)>多孔質酸化物半導体層高さ、すなわち、β>αである。
本例では、作用極において、PEN基板に凹凸加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
このとき、配線部高さ(保護層を含む)は100μm、多孔質酸化物半導体層表面高さは15μmであり、配線部高さ(保護層を含む)>多孔質酸化物半導体層高さ、すなわち、β>αである。
以上のようにして作製された実施例および比較例の各素子を用い、AM1.5、100mW/cm2 の条件に調整した擬似太陽光下での発電特性を評価した。各々の短絡電流密度は以下の通りとなった。但し、ガラス基板品と樹脂基板品とでは酸化チタン多孔質膜の性能が異なるため、別々に比較した。
その結果を表1に示す。
その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例の各素子では電極間距離を小さくでき、電解質の電荷移動抵抗に起因する内部抵抗を抑えられたため、比較例の各素子よりも高い短絡電流密度が得られた。
<実験2>
(実施例5)
本例では、厚さ100μmの金属チタン板を用意し、ブラスト処理により両面に粗面化処理を施した。その後、スパッタ法により一方の面に白金膜、他方の面に銅膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例5)
本例では、厚さ100μmの金属チタン板を用意し、ブラスト処理により両面に粗面化処理を施した。その後、スパッタ法により一方の面に白金膜、他方の面に銅膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例6)
本例では、市販のFTO基板(旭硝子)を用意し、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置に結着用の低融点ガラスフリットとカーボン粒子を含むペーストを塗布・焼成することで導電性多孔質膜を形成した。これを、塩化白金酸塩を含むエタノール溶液に浸し、引き上げ後、熱処理することにより基板上に白金膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
本例では、市販のFTO基板(旭硝子)を用意し、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置に結着用の低融点ガラスフリットとカーボン粒子を含むペーストを塗布・焼成することで導電性多孔質膜を形成した。これを、塩化白金酸塩を含むエタノール溶液に浸し、引き上げ後、熱処理することにより基板上に白金膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例7)
本例では、ガラス基板を用意し、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置に金属配線と直交方向に、CO2 レーザーを用いて溝加工を施した(電解液誘導溝)。溝加工は、連続して並べて形成した。この表面にスプレー熱分解法によりFTO膜を形成し、さらに、スパッタ法により白金膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
本例では、ガラス基板を用意し、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置に金属配線と直交方向に、CO2 レーザーを用いて溝加工を施した(電解液誘導溝)。溝加工は、連続して並べて形成した。この表面にスプレー熱分解法によりFTO膜を形成し、さらに、スパッタ法により白金膜を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
(実施例8)
本例では、作用極のエッチング溝深さ、多孔質酸化物半導体層厚さは同様のまま、保護層厚さを変えて、最上部が基板凸部表面から約15μmとした。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]≒[多孔質酸化物半導体層高さ]、β≒αである。
一方、ガラス基板を用意し、作用極の金属配線に対向する部分にCO2 レーザーを用いて深さ200μmの凹加工を施した。また、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置には、実施例8と同様の電解液誘導溝を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した作用極および対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
本例では、作用極のエッチング溝深さ、多孔質酸化物半導体層厚さは同様のまま、保護層厚さを変えて、最上部が基板凸部表面から約15μmとした。このとき、[配線部高さ(保護層を含む)]≒[多孔質酸化物半導体層高さ]、β≒αである。
一方、ガラス基板を用意し、作用極の金属配線に対向する部分にCO2 レーザーを用いて深さ200μmの凹加工を施した。また、作用極の多孔質酸化物半導体層に対向する位置には、実施例8と同様の電解液誘導溝を形成した。以上を対極とした。
以上のようにして作製した作用極および対極を用いたこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を得た。
以上のようにして作製された実施例および比較例の各素子を50℃に調整した恒温槽内に1ケ月放置し、素子(多孔質酸化物半導体層表面)に見られる気泡や空隙の変化、および、発電特性の変化を評価した。発電特性については、AM1.5 100mW/cm2 条件に調整した擬似太陽光下で測定し、評価用の簡易的なセル構造としていることも鑑み、1ケ月後の短絡電流値が初期値の60%以下となった場合をNGとした。また、いずれの素子も試験開始前に確認された気泡は、比較的小さなものに限定された。
その結果を表2に示す。
その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、各実施例の素子では電解液の液溜まり部を設け、多孔質酸化物半導体層の電解液量が減少した際に適宜補充する機構を付与しているため、素子の耐久性が向上した。
本発明に係る光電変換素子は、色素増感型太陽電池として好適に用いられる。
1A,1B,1C(1) 光電変換素子、2 第一電極(作用極)、3 第一基材、4 透明導電膜、5 凸部、6 多孔質酸化物半導体層、7 金属配線、8 保護層、9 第二電極(対極)、10 第二基材、11 導電膜、12 電解質、13 液溜まり部、14 凹部。
Claims (7)
- 絶縁性の透明な第一基材、該第一基材の一面に透明導電膜を介して配され、少なくとも一部に増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層、および、金属配線を備える第一電極と、
前記第一電極と対向して配され、導電性の第二基材からなる第二電極と、
前記第一電極と前記第二電極との間の少なくとも一部に配された電解質と、から構成される光電変換素子であって、
前記多孔質酸化物半導体層は、前記第一基板に設けられた凸部上に配されていることを特徴とする光電変換素子。 - 前記金属配線上には保護層が配されており、
前記凸部と前記多孔質酸化物半導体層との総厚さαが、前記金属配線と前記保護層との総厚さβと同等または大きいことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。 - 前記凸部は、前記第一基板と一体をなしていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記電解質は液状をなし、前記第一電極および/又は前記第二電極の少なくとも一部には、液溜まり部が配されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記液溜まり部は、前記金属配線の近傍に配されていることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子。
- 前記液溜まり部は、前記第二基材に設けられた凹部であることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子。
- 前記第二電極の前記多孔質酸化物半導体層と対向する部分には、表面加工が施されていることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子。
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- 2007-07-04 JP JP2007176393A patent/JP2009016174A/ja active Pending
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