JP5397585B2 - 色素増感太陽電池および隔壁形成方法 - Google Patents

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Description

1991年にスイス、ローザンヌ大学のグレッツェルらによって発表された新しいタイプの色素増感太陽電池は光電変換効率が10〜11%に達してきており、また従来のシリコン型太陽電池と比較して使用する材料が安価であること、製造工程が比較的単純であることから、製造コストを大幅に削減できる可能性があり、実用化が期待されている。
このような色素増感太陽電池につき大面積化の要求があるところ、単一セルでこれに対応していくためには、導電性基板に集電配線及び該集電配線を電解液から絶縁保護するための被覆層を形成する必要がある。しかし、特許文献1に開示されるような従来型の集電配線では、電解液が集電配線の該被覆層表面と常に接触する状態にある。そして、該被覆層の厚みは数十μm程度しかなく、また該被覆層にはピンホールが発生しやすいため、集電配線が電解液により腐食される可能性が高くなる。また電池を大面積化していくと構造強度にも課題が生じる。
特開2004−164970号公報 特開2003−178817号公報 特開2006−19278号公報 R. Sastrawan et al, Solar Energy Materials & Solar Cells 90 (2006) 1680-1691 Songyuan Dai et al, Solar Energy Materials & Solar Cells 85 (2005) 447-455
そこで、本願発明は、集電配線の保護と電極間の接着のために、光硬化性樹脂を使用し、集電配線の電解液に対する高い耐腐食性と、セルの高い封止能を有する特定構造の色素増感太陽電池を提供するとともに、光電極と対極を貼り合わせるための隔壁を形成する方法を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、第一電極と第二電極とが光硬化性樹脂材料からなる隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は第一集電配線を備え、該第一集電配線は、ガラスまたはセラミックス材料からなる透光性の第一被覆層で被覆されており、
前記第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有しており、
前記第一被覆層の第一段差上部は、第二電極と接しており、
前記隔壁は少なくとも、前記第一段差下部と前記第二電極との間に形成されているとともに、前記両電極の周縁部をも封止するように形成されていることを特徴とする色素増感太陽電池である。
本発明の第二の態様は、第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に、第二集電配線を備えておらず、
前記隔壁形成方法が、
(1)前記第一集電配線上に、透光性のガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層を形成する工程であって、該第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有するものである工程、
(2)前記第一被覆層上、または両電極貼り合わせ後に前記第一被覆層と対向することになる前記第二電極上の位置、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
(3)前記第一段差上部が前記第二電極に接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
(4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
を順に含み、
ただし、前記工程(2)で、前記第一被覆層と対向する前記第二電極上の位置に光硬化性樹脂を塗布する場合、工程(2)を工程(1)より先に行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法である。
本発明の第三の態様は、第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に第二集電配線を備え、
前記隔壁形成方法が、
(1)前記第一集電線及び第二集電線上に、それぞれガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層及び第二被覆層を形成する工程であって、
前記第一被覆層は該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有し、
前記第二被覆層は該第二被覆層周辺部に第二段差下部、該第二被覆層中央部に第二段差上部を有する段差を有し、
少なくとも前記第一被覆層は透光性であるものである工程、
(2)前記第一被覆層上、または前記第二被覆層上、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
(3)前記第一段差上部と前記第二段差上部とが接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
(4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
を順に含み、
ただし、前記工程(2)で前記第一被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第一被覆層形成後であって第二被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよく、前記工程(2)で前記第二被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第二被覆層形成後であって第一被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法である。
本発明の色素増感太陽電池は、少なくとも一方の電極は集電配線を備えた透光性電極であり、該集電配線はガラス又はセラミックス材料からなる透光性の被覆層により絶縁保護されるとともに、該被覆層をスペーサーとして用いて、光硬化性樹脂により両電極を貼り合わせた構造を有している。
かかる構造を有することで、本発明の色素増感太陽電池は以下のような特長を有している。
i.前記集電配線が両電極の周縁部にある場合にも両電極の封止をよりよく行うことができ電解液の漏れがないとともに、前記集電配線が電極の周縁部より内側に備えられた場合には、前記スペーサー付きの隔壁により、電解液が集電配線の上部を流動することによる電解液と集電配線の間の接触を阻止することができ、前記被覆層による保護に加えて、集電配線が電解液により腐食される可能性をより下げることができる。
ii.電池の大面積化に伴う構造強度の問題にも、本発明のようなスペーサー付きの隔壁形成により対処できる(特に前記集電配線が電極の周縁部より内側に備えられた場合)。
iii.熱可塑性樹脂を用いないため、熱可塑性樹脂の種々の問題(低生産性、長い硬化時間、硬化時のガス発生による色素担持阻害、熱による劣化等)を回避することができる。
iv.前記被覆層が該被覆層周辺部に段差下部、該被覆層中央部に段差上部を有する段差を有する点をうまく利用し、該段差上部を対向する電極と接するように配置することによりスペーサーとして機能させ、両電極間距離を制御して、貼り合わせ時の短絡を防止すると同時に、前記集電配線により光が遮られ光硬化が不十分となる可能性のある集電配線上部の光硬化性樹脂部分を最小限とすることにより、光硬化を十分に行えるようにすることができる。
以下、本発明の特長をより詳細に説明する。
1.用語の定義について
以下、明確のため、本明細書でよく使用される用語につき定義する。
・第一電極とは、色素増感太陽電池の光電極または対極のいずれかをいい、第二電極とは、色素増感太陽電池の光電極または対極のいずれかであって、前記第一電極ではないものをいう。
単に電極というときは、第一電極または第二電極のいずれかをいう。
・第一集電配線とは、第一電極上に備えられた集電配線のことをいい、第二集電配線とは、第二電極上に備えられた集電配線のことをいう。
単に集電配線というときは、第一集電配線または第二集電配線のいずれかをいう。
・第一被覆層とは、第一集電配線を絶縁保護するための、ガラスまたはセラミックス材料からなる層であって、第一集電配線を被覆するものをいい、第二被覆層とは、第一集電配線を絶縁保護するための、ガラスまたはセラミックス材料からなる層であって、第二集電配線を被覆するものをいう。
単に被覆層というときは、第一被覆層または第二被覆層のいずれかをいう。
これらの第一被覆層及び第二被覆層は、それぞれ第一集電配線及び第二集電配線の存在により、各被覆層(各集電配線)の幅方向において周辺部よりも中央部が盛り上がった形状の段差を有している(図1及び図2参照)。
・第一段差上部とは、第一被覆層の有する段差の上部のことをいい、第一段差下部とは、第一被覆層の有する段差の下部(段差上部の左右にそれぞれ1つづつ存在する)のことをいう(図1参照)。第二段差上部とは、第二被覆層の有する段差の上部のことをいい、第二段差下部とは、第二被覆層の有する段差の下部(段差上部の左右にそれぞれ1つづつ存在する)のことをいう(図1参照)。
単に段差上部というときは、第一段差上部または第二段差上部のいずれかをいい、単に段差下部というときは、第一段差下部または第二段差下部のいずれかをいう。
・第一絶縁層とは、第一電極上に備えられたガラスまたはセラミックス材料からなる層であって、第一被覆層以外の層であり、かつ前記第二電極上の第二被覆層と対向する位置にあるものをいう。第二絶縁層とは、第二電極上に備えられたガラスまたはセラミックス材料からなる層であって、第二被覆層以外の層であり、かつ前記第一電極上の第一被覆層と対向する位置にあるものをいう。
単に絶縁層というときは、第一絶縁層または第二絶縁層のいずれかをいう。
・隔壁とは、第一段差下部と第二電極(若しくは第二絶縁層)との間(第一集電配線と第二集電配線とが対向しない場合)、または第一段差下部と第二段差下部との間(第一集電配線と第二集電配線とが対向する場合)に形成された光硬化性樹脂からなる隔壁のことをいう。段差下部は段差上部の左右にそれぞれひとつずつ存在するため、それに対応して該隔壁も段差上部の左右にそれぞれひとつずつ存在しうる。
また、両電極の周縁部に集電配線が備えられていない場合において、両電極を通常の方法により光硬化性樹脂によって封止して形成されたものも隔壁に含める。
なお、両電極の周縁部にある隔壁を封止部隔壁、両電極の内側にある隔壁を保護部隔壁という。ここで、「電極の周縁部」とは、電極の周囲であって両電極を封止する部分をいい、「電極の内側」とは、電極上、該電極の周縁部より内側の部分をいう。
・透光性電極とは、少なくとも光硬化性樹脂の硬化に用いることのできる波長の光を透過させることのできる電極のことをいい、該透光性電極上に被覆層あるいは絶縁層を備えている場合、これらも透光性であることをいう。光の透過率としては、ランプの照射強度にも依存するが、一般的には200〜500nmの波長領域の光のうち、少なくとも一部の領域に対して、10μmの厚さ当たりで、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であることが好ましい。
2.本発明の第一の態様について
(A)本発明の第一の態様は、第一電極と第二電極とが光硬化性樹脂材料からなる隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は第一集電配線を備え、該第一集電配線は、ガラスまたはセラミックス材料からなる透光性の第一被覆層で被覆されており、
前記第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有しており、
前記第一被覆層の第一段差上部は、第二電極と接しており、
前記隔壁は少なくとも、前記第一段差下部と前記第二電極との間に形成されているとともに、前記両電極の周縁部をも封止するように形成されていることを特徴とする色素増感太陽電池である。
本態様の典型例としては図3〜図9に示される構造のものが例示される。
以下では、典型例として、第一電極が光電極で、第二電極が対極の場合に限って説明する。第一電極が対極で、第二電極が光電極の場合は、上記の場合に準じて考えればよい。
(B)光電極と対極との間に隔壁を形成して貼り付けるための材料としては、熱可塑性樹脂等の樹脂材料がよく用いられている。しかし、使用可能な熱硬化性樹脂としては熱融着タイプと印刷用ペーストタイプが知られているところ、前者の熱融着タイプはフィルム状であり、パターン形成のためには生産性に乏しいという欠点があるし、後者の印刷用ペーストタイプでは、色素担持後に両電極の貼り合わせを行う場合、硬化に時間がかかり(例えば100℃で30分)吸着した色素にダメージを与える可能性がある。また両電極の貼り合わせ後に色素担持を行う場合、硬化時に発生する相当量のガスが電極(酸化チタン)に吸着することで色素担持を阻害する。さらに熱を用いた硬化であることから、硬化時に熱による劣化等が生じるおそれもある。
そこで、封止材料として他の材料、たとえばガラスまたはセラミックス材料を用いることが考えられ、非特許文献1や非特許文献2ではガラスフリット材料を用いて太陽電池セルを封止することが試みられている(たとえば、非特許文献1の図1参照)。しかし、集電配線を前提としない非特許文献1や非特許文献2と異なり、集電配線上に隔壁を形成しようとすると、一般にスクリーン印刷装置を用いてガラスまたはセラミックス材料のペーストを集電配線およびその周辺部の電極基材に印刷することになる。その後、加熱してガラスまたはセラミックス材料で集電配線を被覆して第一被覆層を形成する。この時、集電配線周辺部の断面の概略図は図1(a)に示すとおり、得られた集電配線上の被覆層の高さは周辺部のそれよりも高くなり段差が生じる。これを、たとえば対極上の対向する位置に形成されたガラスまたはセラミックス材料からなる絶縁層と、加熱・溶融によって接着して隔壁を形成しても[図1(b)参照]、接着が不十分となり、図1(c)に示すように不十分な接着に由来する深いくびれが発生することがわかった。これはガラスまたはセラミックス材料が軟化・溶融し始める温度と電極基材が軟化・変形をし始める温度が接近しているために加熱温度を高めることができず、くびれがなくなるほどの流動性をもたせることができなかったためである。これでは集電配線の電解液に対する保護が不十分であるとともに、電極の封止が不完全となる部分が生じる。このような知見は、非特許文献1等にはない新たな知見である。
他方、熱可塑性樹脂に代えて、光硬化性樹脂を使用することが考えられる。光硬化性樹脂では比較的低温での硬化が可能であり、重量変化も熱硬化性樹脂と比べてわずかであり、熱可塑性樹脂で問題となるような上記の低生産性や長い硬化時間、硬化時のガス発生等の問題がなく、それらの点では好ましい材料である。しかし、集電配線を備えた電極側から光照射により光硬化性樹脂を硬化することを考えた場合、集電配線により光が遮られるため、単純に光硬化性樹脂により両電極を貼り合わせようとしても、光硬化が十分に行われないおそれがある。また、別途、スペーサーを配置する等の措置を採らない限り、貼り合わせの際に短絡のおそれもある。
しかし、本発明では、前記被覆層の段差を両電極間のスペーサーとして積極的に活用するとともに、段差下部と対向する電極との間を光硬化性樹脂で埋めることによりこれらの問題を解決した。すなわち、本発明のように前記被覆層の段差を両電極間のスペーサーとして積極的に利用することにより、硬化させるべき光硬化性樹脂は、前記段差下部と対向する電極との間だけとなり、集電配線上部に相当する段差上部は対向する電極と接しており実質的には硬化させるべき光硬化性樹脂はほとんど存在しない。このため、光硬化性樹脂は前記電極及び前記被覆層が透光性のものを採用する限り、集電配線による遮光はほとんど問題にする必要がなくなり、硬化に十分な光照射が可能となる。したがって、両電極をより完全に貼り合わせることができる。しかも、集電配線自身はガラスまたはセラミックス材料という優れた被覆材からなる被覆層で絶縁保護されるとともに、セル内部に集電配線を配した態様では、セルの強度を上げることができるため、セルの大型化にも対応可能である。
(C)本態様の色素増感太陽電池の構造と類似するものとして、たとえば特許文献2には封止材が集電体(集電配線)の上に配置される構造が開示されている(特許文献2の段落番号0038及び図2参照)。しかし、ここで用いられている封止材はホットメルト樹脂すなわち熱可塑性樹脂(デュポン社製、Bynel、特許文献2の段落番号0062参照)であり、光硬化性樹脂とは異なる。また、特許文献2の発明は、集電体と半導体層との距離をできるだけ小さくすることにより、光電変換素子の内部抵抗をより低減させ、形状因子のより高い光電流−電圧特性を得ようとするものであり、本願発明とは課題が異なる。
また、本態様の色素増感太陽電池の構造と類似する別のものとして、非特許文献2の図3に開示されているものがある。しかし、ここで用いられている封止材はデュポン社製のSurlyn及びBynelポリマー(熱可塑性樹脂)であり、本態様で用いている光硬化性樹脂とは異なる。また、非特許文献2には、特に両電極を封止ないし貼り合わせるための隔壁の材料についてSurlyn及びBynelポリマー以外の材料について全く考慮しておらず、ましてや電極が集電配線を備える場合において、集電配線により光が遮られ硬化させる上での問題が生じるという点についても全く示唆するところはない。
(D)本発明の第一集電配線は光電極上に任意のパターンで施され、該パターンとして平行線状、交差線状、その他、格子状網目、たとえば四角形あるいは八角形からできた格子状網目などを提示することができる。
材料としては金属ペースト、カーボンペースト等の導電性ペーストが例示され、より好ましくは銀ペーストを用い、スクリーン印刷等の印刷技術、スプレー法、スパッタ法、インクジェット法等、簡便性の点で、好ましくはスクリーン印刷等の印刷技術よって形成できる。
第一集電配線の幅と高さは、基板面積、基板のシート抵抗、酸化物半導体(酸化チタン等)の面積・高さ、酸化物半導体の縦横比、隔壁や端子の取り方、集電配線の比抵抗、集電配線と基板との接触抵抗、第二集電配線を備える場合において、これと対向する位置にあるか否か等によって変動する。もっとも集電配線の典型的な幅としては、好ましくは0.1μm〜1cm程度、より好ましくは0.3μm〜3mm程度とすることができる。
考えられるケースとしては、たとえば以下のものが含まれる。
(a)光電極周縁部に集電配線を備えるケース[たとえば図3及び図4参照]。
(b)光電極内側に集電配線を備えるケース[たとえば図6参照]。
(c)光電極周縁部及び内側の双方に集電配線を備えるケース[たとえば図7参照]。
対極として非金属材料を用いる場合、対極が、光電極上の第一集電配線と同様の第二集電配線を備えることが好ましいが、この場合、上記(a)〜(c)のそれぞれに対して、
(d)対極周縁部に集電配線を備えるケース[たとえば図4及び図5参照]。
(e)対極の内側に集電配線を備えるケース[たとえば図8参照]。
(f)対極の周縁部及び内側の双方に集電配線を備えるケース[たとえば図9参照]。
との組合せがさらに考えられる。
(E)本発明の隔壁は光硬化性樹脂からなり、両電極の周縁部を封止するとともに、少なくとも光電極上の第一集電配線上に形成されたガラス又はセラミックス材料からなる第一被覆層の第一段差下部と対極(あるいは任意選択的に第二絶縁層)との間に、第一段差上部が対極に接するように形成されている。ここで、前記第一被覆層は両電極間のスペーサーとしての機能も果たしている。
なお、光硬化性樹脂からなる該隔壁は、厳密に第一被覆層の第一段差下部と対極(あるいは任意選択的に第二絶縁層)との間にのみ存在させる必要は必ずしも無く、両電極を貼り合わせた際に、多少の光硬化性樹脂が該隔壁の横にはみ出しても、それが酸化物半導体層に接触しない限りは許容される。
また、電極の周縁部に集電配線が備えられていない場合には、該周縁部に位置する封止部隔壁については、光硬化性樹脂を用いた通常の封止を行うことができる。
a.図2(a)〜(e)には、それぞれ本発明の光硬化性樹脂からなる隔壁の異なる基本的構造の態様が示されている。
このうち、図2(a)は、第一被覆層の第一段差上部が対極に直接接しており、該第一被覆層の第一段差下部と対極との間に隔壁が形成されている。この第一段差下部と対極との間は図2(a)上、左右に2箇所存在するが、2箇所ともに光硬化性樹脂による隔壁を形成することが好ましい。この場合、第一被覆層が両電極間のスペーサーとして機能する。
さらに図2(b)は対極の、第一集電配線と対向する位置に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁層を備えており、第一被覆層の第一段差上部は該第二絶縁層に直接接することにより、対極と接しており、該第一被覆層の第一段差下部と該第二絶縁層との間に隔壁が形成されている。この第一段差下部と第二絶縁層との間は図2(b)上、左右に2箇所存在するが、2箇所ともに光硬化性樹脂による隔壁を形成することが好ましい。この場合、第一被覆層及び第二絶縁層が両電極間のスペーサーとして機能する。
図2(c)は第一集電配線と第二集電配線とが対向する場合であって、第一段差上部と第二段差上部とが接しており、第一段差下部と第二段差下部との間に隔壁が形成されている。この第一段差下部と第二段差下部との間は図2(c)上、左右に2箇所存在するが、2箇所ともに光硬化性樹脂による隔壁を形成することが好ましい。この場合、第一被覆層及び第二被覆層が両電極間のスペーサーとして機能する。
このように、第一段差上部が対極に「接する」とは、第一段差上部が対極と直接接する場合のみならず、第二電極(対極)上に形成された第二絶縁層と接する場合や、同じく第二電極(対極)上に形成された第二被覆層と接する場合も含まれる。
なお、図2(a)における第一段差上部と第二電極(対極)との間、図2(b)における第一段差上部と第二絶縁層との間、図2(c)における第一段差上部と第二段差上部との間にも、わずかながら光硬化性樹脂が残っていてもよい。これらの互いに接する平面が完全に平坦とは限らず、わずかな隙間が存在しうるからである。
b.光電極周縁部に第一集電配線が備えられておらず、光電極内側にのみ第一集電配線が備えられている場合には、たとえば図6(a)に示されるように、両電極の周縁部は光硬化性樹脂を用いた通常の封止を行ってもよく、この場合、得られた封止部隔壁には第一被覆層のようなスペーサーはなく、得られた保護部隔壁にのみスペーサーとして機能する第一被覆層が存在する。これに対して、光電極周縁部に第一集電配線が備えられている場合には、たとえば図3(a)や図7(a)に示されるように、第一被覆層がスペーサーとして機能すると同時に、第一段差下部と対極との間が光硬化性樹脂で封止される。
対極の、前記第一集電配線と対向しない位置に、第二集電配線が備えられている場合、たとえば図4(a)や図8(a)に示されるように、第一段差下部と対極との間のみならず、第二段差下部と光電極との間にも光硬化性樹脂による隔壁が形成される。
他方、対極の、前記第一集電配線と対向する位置に、第二集電配線が備えられている場合、たとえば図5(a)や図9(a)に示されるように、第一段下部と第二段差下部との間に光硬化性樹脂による隔壁が形成される。
セルの強度の観点からは、特に大面積のセルを用いた場合、保護部隔壁を有することが好ましい。
c.前記光硬化性樹脂からなる隔壁の幅は一概には決められないが、本発明の場合、第一段差下部の幅によって決定される[下記(F)参照]。
また光硬化性樹脂からなる隔壁の高さについては、本発明の場合、第一被覆層の高さと第一段差下部の高さの差によって決定される[下記(F)参照]。
なお、電極周縁部に集電配線が備えられていない場合の封止部隔壁の幅についても一概には決められないが、通常の隔壁の幅として、一般的には、例えば1.5mm〜60μm程度の範囲とすることができる。また、電極周縁部に集電配線が備えられていない場合の封止部隔壁の高さについては、本発明の場合、第一被覆層の高さ、(第一被覆層の高さ+第二絶縁層の高さ)、あるいは(第一被覆層の高さ+第二被覆層の高さ)のいずれかにより決定される。
d.本発明においては、光電極が透光性であり、光電極上に形成される第一被覆層及び任意選択的な第一絶縁層も透光性であるため、両電極の貼り合わせに際し、少なくとも光電極側から光照射することにより、光硬化性樹脂を十分に硬化させることができる構造を有する。そして、本発明においては、被覆層の段差上部は、対向する電極に接しているため、集電配線によって光が遮られる該集電配線上部に存在する光硬化性樹脂を最小限に抑えることができる。光硬化性樹脂の存在する実質的にほとんどすべての部分には基本的に該集電配線により光が遮られることがないため、用いた光硬化性樹脂は十分に硬化させることができる構造を有する。
e.光硬化性樹脂について
一般的な光硬化性樹脂を用いることができ、その吸収領域は200〜500nmが好ましく、材料としてはたとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。適宜、本発明の効果を損なわない範囲で熱可塑性樹脂を添加してもよい。
(F)本発明では、集電配線を絶縁保護するための第一被覆層、任意選択的な第二被覆層、第二絶縁層及び第一絶縁層がガラスまたはセラミックス材料で形成されている。
このうち、第一被覆層は透光性であり、第一絶縁層を備える場合、第一絶縁層も透光性である。これは、最低限、第一電極側より光を照射して、光硬化性樹脂を硬化させるためである。したがって、ここでいう透光性とは、用いる光硬化性樹脂を硬化させるのに必要な光を透過させる性質のことをいう。
任意に備えられる第二被覆層や第二絶縁層については、第二電極が透光性の場合には、透光性であることが好ましい。これにより、第一電極側からのみならず、第二電極側からも光を照射することが可能となり、第一段差上部と第二電極(対極)との間に存在しうるごくわずかの光硬化性樹脂をも十分に硬化させるのに便宜である。
ガラスまたはセラミックス材料としては、電極基板よりも融点が低く、電解液に対する耐性が高く、また前記隔壁が形成される電極上の材料と熱膨張率の差が小さいものを用いることが好ましい。具体的には、ガラスフリットのペースト、その中でも無鉛ガラスフリットのペーストが好ましい。
第一被覆層のみで両電極間の間隔を制御する場合には、第一被覆層の高さ(第一段差下部及び第一段差上部双方を含めた高さ)は、被覆層による集電配線の十分な保護及び電極間距離の増加による抵抗増加抑制の点から、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜60μmの範囲である。
第一被覆層と第二絶縁層とで両電極間の間隔を制御する場合には、被覆層による集電配線の十分な保護及び電極間距離の増加による抵抗増加抑制の点から、第一被覆層の高さと第二絶縁層の高さの合計は、好ましくは25〜100μm、より好ましくは30〜60μmであり、被覆層による集電配線の十分な保護及び電極間距離の増加による抵抗増加抑制の点から、第二絶縁層の高さに対する第一被覆層の高さの比(=第一被覆層の高さ:第二絶縁層の高さ)は、好ましくは1:1〜5:1、より好ましくは2:1〜4:1である。
第一被覆層と第二被覆層とで両電極間の間隔を制御する場合には、被覆層による集電配線の十分な保護及び電極間距離の増加による抵抗増加抑制の点から、第一被覆層の高さ(第一段差上部と第一段差下部双方を含む高さ)と第二被覆層の高さ(第二段差上部と第二段差下部双方を含む高さ)の合計は、好ましくは30〜100μm、より好ましくは40〜70μmであり、第二被覆層の高さに対する第一被覆層の高さの比(=第一被覆層の高さ:第二被覆層の高さ)は、好ましくは4:1〜1:4、より好ましくは2:1〜1:2である。
前記第一被覆層は、中央部の第一段差上部とその左右それぞれに第一段差下部を有している。左右それぞれの第一段差下部の幅は、第一集電配線の幅方向にそれぞれ、好ましくは60μm〜1.5mm、より好ましくは300〜800μmとなるように設定することが、電解液の浸透を抑制し(下限)、有効な受光面を確保する(上限)点で好ましい。これは第一被覆層の最大幅が、好ましくは[(集電配線の幅)+(400μm〜3.0mm)]、より好ましくは[(集電配線の幅)+(600μm〜1600μm)]であることに対応する。
また、第一被覆層の高さに対する第一段差下部の高さの比(=第一段差下部の高さ:第一被覆層の高さ)は、被覆層による集電配線の十分な保護及び電極間距離の増加による抵抗増加抑制の点から、好ましくは10:11〜1:10、より好ましくは10:13〜1:3である。
第一被覆層と第二被覆層とで両電極間の間隔を制御する場合の、第二段差下部の幅、及び第二被覆層の高さに対する第二段差下部の高さの比(=第二段差下部の高さ:第二被覆層の高さ)は、それぞれ対応する第一段差下部の幅、及び第一被覆層の高さに対する第一段差下部の高さの比(=第一段差下部の高さ:第一被覆層の高さ)と同様の範囲を採ることができる。
(G)その他
a. 本発明の光電極は透光性電極であり、前記透明導電基板上に形成された金属酸化物半導体膜からなり、該金属酸化物半導体層には分光増感色素が担持されている。
該金属酸化物半導体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の公知の多孔質材料を用いることができ、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、インクジェット法等により前記透明導電基板上に形成できるが、操作の簡便さの観点からはスピンコート法、スプレー法、ディッピング法が、量産化の観点からはスクリーン印刷法によるのが好ましい。
分光増感色素としては、可視領域および/または赤外光領域に吸収をもつ種々の金属錯体や有機色素を用いることができ、任意の公知の方法、たとえば、二酸化チタン等の酸化物半導体薄膜を色素溶液に所定の温度で浸漬する方法(ディップ法、ローラ法、エヤーナイフ法など)や、色素溶液を酸化物半導体層表面に塗布する方法(ワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等により該金属酸化物半導体膜に吸着されている。
なお、透明導電基板としては、透明ガラスあるいは透明樹脂フィルム等の透明基板上に、透明導電膜として酸化チタン、酸化亜鉛(アンチモンまたはアルミニウムをドープしたものでもよい)、酸化インジウム(スズまたは亜鉛をドープしたものでもよい)、酸化スズ[アンチモンをドープしたもの(ATO)、またはフッ素をドープしたもの(FTO)でもよい]等の膜を形成したものが好ましく用いられる。
b. 本発明の対極としては、対極と光電極との間に封入されるべき電解質中の腐食性成分に対する耐腐食性を有するものであれば特に制限されないが、チタン、ステンレス、導電性ガラス等が例示され、その中でも前記隔壁材料として用いるガラスまたはセラミックス材料との熱膨張率の差が小さいことが電極との接着性には好ましいとの観点からは、導電性ガラスがより好ましく、さらに窓ガラスに置き換えて使用する観点では、透光性の導電性ガラスが好ましい。
c. 光電極と対極との間には、電解液が封入されている。電解液としては、I /I系、Br /Br系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元電解質を含む電解液が例示される。
3.本発明の第二の態様について
(A)本発明の第二の態様は、第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に、第二集電配線を備えておらず、
前記隔壁形成方法が、
(1)前記第一集電配線上に、透光性のガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層を形成する工程であって、該第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有するものである工程、
(2)前記第一被覆層上、または両電極貼り合わせ後に前記第一被覆層と対向することになる前記第二電極上の位置、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
(3)前記第一段差上部が前記第二電極に接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
(4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
を順に含み、
ただし、前記工程(2)で、前記第一被覆層と対向する前記第二電極上の位置に光硬化性樹脂を塗布する場合、工程(2)を工程(1)より先に行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法である。
本態様は、本発明の第一の態様における色素増感太陽電池において、特に被覆層をスペーサーとして用いて、光硬化性樹脂からなる個々の隔壁を形成する方法に着目したもののうち、第一集電配線と対向する第二電極上の位置に第二集電配線を備えていない場合、すなわち、(i)そもそも第二電極上に第二集電配線がない場合と(ii)第二集電配線を備えるものの、第一集電配線と対向する第二電極上の位置にはない場合の2つの場合を対象にしている。
前記本発明の第一の態様と同様、前記第一電極は、光電極または対極のいずれでもよく、前記第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、前記第一電極ではないものをいう。しかし、以下では、典型例として、第一電極が光電極で、第二電極が対極の場合に限って説明する。第一電極が対極で、第二電極が光電極の場合は、上記の場合に準じて考えればよい。
(B) 前記第一集電配線を備えた光電極を準備し、前記第一集電配線の全面、すなわち両側面及び上部に硝子またはセラミックス材料で同時に第一被覆層を形成する。たとえば、集電配線である銀配線上にスクリーン印刷でガラスフリットペーストを印刷して絶縁被覆する[工程(1)]。
得られる第一被覆層は、前記2.(B)に記載したように、前記第一集電配線上にガラスまたはセラミックス材料を均一に塗布できず、前記第一被覆層のうち、前記第一集電配線の両側にある部分(第一段差下部)の高さが、前記第一集電配線の上部にある部分(第一段差上部)の高さよりも相対的に低くなるという段差を生じる。
本発明では、この第一被覆層を両電極間のスペーサーとして用いることにより、両電極間の間隔を制御することができる。第一被覆層の所定の高さを得るためには、たとえばスクリーン印刷装置の版のメッシュの目開きを変更し、塗布厚さを制御する。必要に応じて、たとえばスクリーン印刷機を用い、ガラスまたはセラミックス材料のペーストの重ね塗り(例えば、印刷、乾燥、印刷を繰り返す)を行うことで塗布厚さを制御することもできる。ケミカルメカニカルポリッシング装置などを用いて、研磨することにより厚みを調製することも可能である。
また、任意選択的に、前記第一被覆層と対向する対極上の位置に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁層を形成し、もって該第二絶縁層と前記第一被覆層双方により、両電極間の間隔を制御してもよい。第二電極上に第二絶縁層を形成する場合、第一被覆層と対向する第二電極の位置には、第二集電配線は備えていないため、該第二絶縁層は、第一被覆層のような段差はもっておらず、ほぼ平坦である。
第一被覆層のみで両電極間の間隔を制御する場合の第一被覆層の高さ(第一段差下部及び第一段差上部双方を含めた高さ)、第一被覆層と第二絶縁層とで両電極間の間隔を制御する場合の第一被覆層の高さと第二絶縁層の高さの合計及び第二絶縁層の高さに対する第一被覆層の高さの比(=第一被覆層の高さ:第二絶縁層の高さ)、第一段差下部の幅、第一被覆層の高さに対する第一段差下部の高さの比(=第一段差下部の高さ:第一被覆層の高さ)については前記2.(F)に記載されている。
なお、第一段差上部の幅は、本発明の作製方法においては、集電配線の幅に依存して変化し、たとえば通常のガラスフリットを用いた場合、集電配線1mm幅のものであれば、0.6mm程度、集電配線3mm幅のものであれば、2.5mm程度の幅となる。本発明の作製方法では、集電配線の幅をより狭くすると、第一段差上部の幅に対する第一段差下部の幅の割合は相対的に大きくなる傾向が認められる。
(C)上記のようにして第一被覆層を第一集電配線上に形成した後、両電極を貼り合わせるための準備工程として、光硬化性樹脂を前記第一被覆層上、または両電極貼り合わせ後に前記第一被覆層と対向することになる前記対極上の位置、または双方に塗布する[工程(2)]。前記第二電極が前記第二絶縁層を備える場合には、「両電極貼り合わせ後に前記第一段差下部と対向することになる前記対極上の位置」とは、前記第二絶縁層上の該当する位置を意味する。
この際、前記第一被覆層と対向する前記対極上の位置に光硬化性樹脂を塗布する場合、工程(2)を工程(1)より先に行ってもよい。この場合、工程(2)は対極に関する工程であるのに対して、工程(1)は光電極に関する工程であり、別個独立に行うことが可能だからである。
(D)次いで、前記第一段差上部が対極(対極が第二絶縁層を備える場合には該第二絶縁層)に接するように両電極を貼り合わせる(工程3)。
この場合、前記第一段差上部と対極(対極が第二絶縁層を備える場合には該第二絶縁層)との間に、光硬化性樹脂ができるだけ排除されるように、貼り合わせる。この部分に光硬化性樹脂が残っていると、光電極側から光照射して硬化させようとしても、第一集電配線により光が遮られるため、硬化が十分には行われないおそれがあるためである。
もっとも、対極も透光性電極である場合(対極に第二絶縁層が備えられている場合には、第二絶縁層も透光性の場合)には対極側からも光照射が可能なため、前記第一段差上部と対極(対極が第二絶縁層を備える場合には該第二絶縁層)との間に光硬化性樹脂がある程度残っていても十分に硬化させることができるため好ましい。
このように両電極を貼り合わせた結果、第一段差下部と対極(対極に第二絶縁層が備えられている場合には、第二絶縁層)との間に光硬化性樹脂が充填される。
なお、光硬化性樹脂からなる該隔壁は、厳密に第一被覆層の第一段差下部と対極(あるいは任意選択的に第二絶縁層)との間にのみ存在させる必要は必ずしも無く、両電極を貼り合わせた際に、多少の光硬化性樹脂が該隔壁の横にはみ出しても、それが酸化物半導体層に接触しない限りは許容される。
(E)次いで、光電極側から光照射して、充填された光硬化性樹脂を硬化させ、光硬化性樹脂からなる隔壁を形成できる。この際、光電極及び第一被覆層は透光性であり、第一集電配線により光が遮られる第一段差上部に存在する光硬化性樹脂は最小限に抑えることができるため、十分に光照射による硬化を行うことができる。
対極も透光性電極である場合(対極に第二絶縁層が備えられている場合、該第二絶縁層も透光性である場合)、光電極側のみならず、対極側からも光照射できるため、より十分に硬化できるため、好ましい。
(F)以上は、単一(あるいは第一段差上部の両側にある一対)の隔壁の形成について説明したが、実際の色素増感太陽電池について、両電極を貼り合わせる場合、同時に複数(あるいは複数対)の隔壁が形成される。
この場合、かかる複数(対)の隔壁は、両電極を封止するための周縁部に集電配線を備える場合を除き、すべて第一被覆層をスペーサーとして、光硬化性樹脂により形成されたものでもよいし、一部については、第二被覆層をスペーサーとして、光硬化性樹脂により形成されたものが含まれていてもよい。後者の第二被覆層をスペーサーとして、光硬化性樹脂により形成された隔壁については、前記の(B)〜(E)において、第一被覆層を第二被覆層に、光電極を対極に、対極を光電極に、第一集電配線を第二集電配線に、第一段差下部・第一段差上部を第二段差下部・第二段差上部に、第二絶縁層を第一絶縁層に、それぞれ読み替えることにより形成することができる。
(G)用いる光電極及び対極については、どの作製段階の光電極あるいは対極を用いるかで、いくつかの場合が考えられる。
a. 光電極については、前記光電極上の金属酸化物半導体層を、どの段階で形成するかにつき、いくつかの場合が考えられる。
基本的には、両電極を貼り合わせる工程(3)の前であれば、どの段階で形成してもよいが、典型的には、光電極上に第一集電配線を形成する前に形成する場合、すなわち、本態様の工程(1)の段階で、すでに前記酸化物半導体層が備わっている場合と、工程(1)で第一被覆層を形成後に形成する場合が考えられる。
しかし、金属酸化物半導体層の汚染をできるだけ回避するという観点からは、できるだけ遅い時期に、前記金属酸化物半導体層を光電極上に形成することが好ましい。このため、本態様の工程(1)の第一被覆層形成の終了後、工程(3)の両電極の貼り合せ工程前に、前記金属酸化物半導体層を形成するのが好ましい。
また、分光増感色素の前記金属酸化物半導体層への吸着は、工程(4)の両電極の貼り合せ工程終了後に、たとえば、予め対極に開けていた外径1mm程度の孔にシリコーンチューブを差込み、UV硬化樹脂で固定した後、ロータリー・チュービング・ディスペンサーを用いて色素溶液を注入するという操作で行うことができる。
b. 対極については、前記対極上に第二集電配線が備えられている場合において、白金等の触媒層を形成しなければならない場合に、どの段階で前記触媒層を形成するかにつき、いくつかの場合が考えられる。
基本的には、両電極を貼り合わせる工程(3)の前であれば、どの段階で形成してもよいが、スピンコート法を用いて白金を含有する液体を基板に塗布する場合は、前記第二集電配線を形成する前に形成する方が、塗布厚の均一性の観点より好ましい。
(H)上記のようにして得られたセルに、電解液を注入することで本発明の色素増感太陽電池を得ることができる。電解液については前記2.(G)c.で説明されている。
4.本発明の第三の態様について
本発明の第三の態様は、第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
少なくとも第一電極は透光性電極であり、
前記第一電極は、第一集電配線を備え、
前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に第二集電配線を備え、
前記隔壁形成方法が、
(1)前記第一集電線及び第二集電線上に、それぞれガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層及び第二被覆層を形成する工程であって、
前記第一被覆層は該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有し、
前記第二被覆層は該第二被覆層周辺部に第二段差下部、該第ニ被覆層中央部に第二段差上部を有する段差を有し、
少なくとも前記第一被覆層は透光性であるものである工程、
(2)前記第一被覆層上、または前記第二被覆層上、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
(3)前記第一段差上部と前記第二段差上部とが接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
(4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
を順に含み、
ただし、前記工程(2)で前記第一被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第一被覆層形成後であって第二被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよく、前記工程(2)で前記第二被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第二被覆層形成後であって第一被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法である。
本態様は、本発明の第一の態様における色素増感太陽電池において、特に被覆層をスペーサーとして用いて、光硬化性樹脂からなる個々の隔壁を形成する方法に着目したもののうち、第一集電配線と対向する第二電極上の位置に第二集電配線を備えている場合を対象にしている。
以下では、典型例として、第一電極が光電極で、第二電極が対極の場合に限って説明する。第一電極が対極で、第二電極が光電極の場合は、上記の場合に準じて考えればよい。
(B) 前記第一集電配線を備えた光電極及び前記第二集電配線を備えた対極を準備し、前記第一集電配線の全面、すなわち両側面及び上部にガラスまたはセラミックス材料で同時に第一被覆層を形成するとともに、前記第二集電配線の全面、すなわち両側面及び上部にガラスまたはセラミックス材料で同時に第二被覆層を形成する。たとえば、集電配線である銀配線上にスクリーン印刷でガラスフリットペーストを印刷して絶縁被覆する[工程(1)]。
得られる第一被覆層及び第二被覆層は、前記2.(B)に記載したように、前記第一集電配線及び第二集電配線上にガラスまたはセラミックス材料を均一に塗布できず、前記第一被覆層及び第二被覆層のうち、前記第一集電配線及び第二集電配線の両側にある部分(第一段差下部及び第二段差下部)の高さが、前記第一集電配線及び第二集電配線の上部にある部分(第一段差上部及び第二段差上部)の高さよりも相対的に低くなるという段差を生じる。
本発明では、この第一被覆層及び第二被覆層を両電極間のスペーサーとして用いることにより、両電極間の間隔を制御することができる。第一被覆層及び第二被覆層の所定の高さを得るためには、たとえばスクリーン印刷装置の版のメッシュの目開きを変更し、塗布厚さを制御する。必要に応じて、たとえばスクリーン印刷機を用い、ガラスまたはセラミックス材料のペーストの重ね塗り(例えば、印刷、乾燥、印刷を繰り返す)を行うことで塗布厚さを制御することもできる。ケミカルメカニカルポリッシング装置などを用いて、研磨することにより塗布厚さを調製することも可能である。
本態様では、第一段差上部と第二段差上部を接した状態で両電極を貼り合わせるため、第一被覆層及び第二被覆層の双方により両電極の間隔を制御する。
第一被覆層の高さ(第一段差上部と第一段差下部双方を含む高さ)と第二被覆層の高さ(第二段差上部と第二段差下部双方を含む高さ)の合計、第二被覆層の高さに対する第一被覆層の高さの比(=第一被覆層の高さ:第二被覆層の高さ)、第一段差下部の幅、第二段差下部の幅、第一被覆層の高さに対する第一段差下部の高さの比(=第一段差下部の高さ:第一被覆層の高さ)、第二被覆層の高さに対する第二段差下部の高さの比(=第二段差下部の高さ:第二被覆層の高さ)については、前記2.(F)に記載されている。
なお、第一段差上部の幅は、本発明の作製方法においては、集電配線の幅に依存して変化し、たとえば通常のガラスフリットを用いた場合、集電配線1mm幅のものであれば、0.6mm程度、集電配線3mm幅のものであれば、2.5mm程度の幅となる。本発明の作製方法では、集電配線の幅をより狭くすると、第一段差上部の幅に対する第一段差下部の幅の割合は相対的に大きくなる傾向が認められる。
(C)上記のようにして第一被覆層を第一集電配線上に、第二被覆層を第二集電配線上に形成した後、両電極を貼り合わせるための準備工程として、光硬化性樹脂を前記第一被覆層上、または前記第二被覆層上、または双方に塗布する[工程(2)]。
この際、前記工程(2)で前記第一段差下部上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第一被覆層形成後であって第二被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよく、前記工程(2)で前記第二段差下部上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第二被覆層形成後であって第一被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよい。この場合、工程(1)及び工程(2)が、それぞれ別個の電極に関する工程となるため、別個独立に行うことが可能だからである。
(D)次いで、前記第一段差上部と前記第二段差上部とが接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる[工程(3)]。
この場合、前記第一段差上部と前記第二段差上部との間の光硬化性樹脂ができるだけ排除されるように、貼り合わせる。この部分に光硬化性樹脂が残っていると、光電極側から光照射して硬化させようとしても、第一集電配線により光が遮られるため、硬化が十分には行われないおそれがあるためである。
もっとも、対極も透光性電極である場合には、対極側からも光照射が可能なため、光硬化性樹脂が、前記第一段差上部と前記第二段差上部との間に多少の光硬化性樹脂が残存していても、対極側からの光照射による硬化が期待できるため、光電極のみならず、対極も透光性電極であることが好ましい。
このように両電極を貼り合わせた結果、第一段差下部と第二段差下部との間に光硬化性樹脂が充填される。
なお、光硬化性樹脂からなる該隔壁は、厳密に第一被覆層の第一段差下部と第二被覆層の第二段差下部との間にのみ存在させる必要は必ずしも無く、両電極を貼り合わせた際に、多少の光硬化性樹脂が該隔壁の横にはみ出しても、それが酸化物半導体層に接触しない限りは許容される。
(E)次いで、光電極側から光照射して、充填された光硬化性樹脂を硬化させ、光硬化性樹脂からなる隔壁を形成できる。この際、光電極及び第一被覆層は透光性であり、第一集電配線により光が遮られる第一段差上部には、実質的に光硬化性樹脂はないため、十分に光照射による硬化を行うことができる。
対極も透光性電極である場合、光電極側のみならず、対極側からも光照射できるため、より十分に硬化できるため、好ましい。
(F)以上は、単一(あるいは第一段差上部の両側にある一対)の隔壁の形成について説明したが、実際の色素増感太陽電池について、両電極を貼り合わせる場合、同時に複数(あるいは複数対)の隔壁が形成される。
この場合、かかる複数(対)の隔壁は、両電極を封止するための周縁部に集電配線を備える場合を除き、すべて第一被覆層(あるいは第一被覆層と第二被覆層)をスペーサーとして、光硬化性樹脂により形成されたものとしてもよい。
(G)用いる光電極及び対極については、どの作製段階の光電極あるいは対極を用いるかで、いくつかの場合が考えられる。これに関しては、前記3.(G)a.及びb.と同様である。
(H)上記のようにして得られたセルに、電解液を注入することで本発明の色素増感太陽電池を得ることができる。電解液については前記2.(G)c.で説明されている。
以下、本発明をより具体的に実施例によって説明する。もっとも、それらはあくまで本発明の例示であって、それらに限定されるものではない。
以下の1)〜9)の手順で本発明のサブモジュール(約12cm角の大きさの集電配線を備えたセル、第一集電配線と第二集電配線とが対向しない位置にあるタイプ、色素循環担持法)を作製した。
1)まず、スクリーン印刷機[マイクロテック(株)MT−320TV]を用いて、光電極側となるFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)に集電配線として銀ペーストを幅1〜4mmで印刷した。対極側については、導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)上の所定位置に1mm径の孔を4箇所開けた。次いで光電極側と同様に、集電配線を幅1〜4mmで印刷した。両基板の印刷形状は図10に示されているが、両基板に印刷されたそれぞれの集電配線が、貼り合わせた際に対向することのないような位置に印刷された。次にそれぞれにつき、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間、熱処理を行い、厚さが10μmの集電配線を両基板上に形成した。
2)両基板の各集電配線上に、スクリーン印刷装置を用いて無鉛ガラスフリットを印刷することにより、各集電配線を絶縁保護するための被覆層を形成した。形状は図11に示されているが、幅は集電配線の幅より左右それぞれ1mm長く、両基板で同一の形状であった。印刷後、160℃、10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い、ガラス化させた。このときの被覆層の高さは35μmであった。
3)次に市販の酸化チタンペーストを、スクリーン印刷装置を用いて光電極側のFTOガラス基板上に印刷し、160℃で10分間乾燥させた。乾燥後再度、酸化チタンペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行った。熱処理後の酸化チタン層の厚さは10μm程度であった。
4)ガラスフリットが印刷された対極基板上に、塩化白金酸水和物を5mg/mlの濃度となるようにエタノール溶液に溶解させた白金溶液を基板上に滴下し、1000rpmで30秒間、スピンコート[(株)アクティブACT−300を用いた]を行い均一に塗布した。次に110℃で10分間乾燥した後、400℃で30分間焼成した。さらに、この白金溶液のスピンコートによる塗布を再度行った。次いで、ガラスフリット上に製膜された白金を、#8000のダイヤモンドコンパウンドを染み込ませたフェルトバフを用いて研磨・除去した。白金のポリッシュはミニター株式会社製の小型ローターM11Gを用いた。
5)両基板に市販の光硬化性樹脂をスクリーン印刷によって印刷した。形状は無鉛ガラスフリットペーストと同様であった(図11参照)。両側の端子を180度逆向きにして、光硬化性樹脂の形状が一致するように重ね合わせてクリップで固定した。
6)UV照射装置[(株)オーク製作所 ハンディUV300]を用いて、最大照射強度37.5mW/cmの紫外線(高圧水銀ランプ)を、光電極側から1分間照射し、仮留めとした。クリップをはずして再度、光電極側及び対極側それぞれ3分間ずつ照射し、完全に硬化させた。
7)色素溶液を注入するため、対極側に設けた4箇所の孔に1mm径のチューブを挿入した。このサブモジュールは基板中央の端子に垂直な集電配線で左右独立となっている。左右両側にそれぞれ溶液の入口と出口があり、それぞれのチューブをポンプに接続し、その中の溶液を循環させることで色素吸着を行った。色素溶液は下記構造式で示されるルテニウム錯体色素J2(濃度0.3mM、下記構造式参照)を使用した。共吸着剤としてケノデオキシコール酸0.3mMを添加した。
8)続いて、0.1M グアニジンチオシアネート、0.5M N−メチルベンゾイミダゾール、0.6M メトキシプロピオイミダゾリウムヨージド、0.15M ヨウ素を、3−メトキシプロピオニトリルに溶解した電解液をサブモジュール中に注入した。
9)電解液注入口は、UV硬化樹脂を接着剤として用いて、厚さ1mmのガラス(約10mm×10mm)で4箇所封止し、本発明の色素増感太陽電池1を得た。
得られた太陽電池1につき、ソーラーシミュレーター(山下電装製 YSS−100A)による擬似太陽スペクトル照射(AM1.5、100mW/cm)を行い、太陽電池性能を測定したところ、短絡電流密度が6.15mA、開放電圧が0.688V、性能因子0.561、変換効率2.37%であった。
また、85℃、500時間の加熱試験後も、電解液注入口からの漏れが確認されたものの実用上問題になる程度のものではなく、集電配線の腐食は観察されなかった。
以下の1)〜9)の手順で本発明のサブモジュール(約12cm角の大きさの集電配線を備えたセル、第一集電配線と第二集電配線とが対向する位置にあるタイプ、色素循環担持法)を作製した。
1)まず、スクリーン印刷機[マイクロテック(株)MT−320TV]を用いて、光電極側となるFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)に集電配線として銀ペーストを幅1〜4mmで印刷した。対極側については、導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)上の所定位置に予め1mm径の孔を4箇所開けた。次いで、光電極側と同様に、集電配線として銀ペーストを幅1〜4mmで印刷した。両基板の印刷形状は全く同一であり図12に示されている。すなわち、両基板に印刷されたそれぞれの集電配線が、貼り合わせた際に対向する位置に印刷された。次にそれぞれにつき、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間、熱処理を行い、厚さが10μmの集電配線を両基板上に形成した。
2)両基板の各集電配線上に、スクリーン印刷装置を用いて無鉛ガラスフリットを印刷することにより、各集電配線を絶縁保護するための被覆層を形成した。形状は図13に示されているが、該被覆層の幅は、集電配線の幅方向に左右それぞれ1mm長くなるように設定し(したがって、該被覆層の幅は集電配線の幅+2mm)、両基板で同一の形状であった。印刷後、160℃、10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い、ガラス化させた。このときの被覆層の高さは35μmであった。
3)次に市販の酸化チタンペーストを、スクリーン印刷装置を用いて光電極側のFTOガラス基板上に印刷し、160℃で10分間乾燥させた。乾燥後再度、酸化チタンペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行った。熱処理後の酸化チタン層の厚さは10μm程度であった。
4)ガラスフリットが印刷された対極基板上に、スクリーン印刷装置を用いて白金ペーストを印刷した。形状は光電極側の酸化チタンと同じである。160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間、熱処理を行った。
5)両基板に市販の光硬化性樹脂をスクリーン印刷によって印刷した。形状は無鉛ガラスフリットペーストと同様であった。両側の端子を180度逆向きにして、光硬化性樹脂の形状が一致するように重ね合わせてクリップで固定した。
6)UV照射装置[(株)オーク製作所 ハンディUV300]を用いて、最大照射強度37.5mW/cmの紫外線(高圧水銀ランプ)を、光電極側から1分間照射し、仮留めとした。クリップをはずして再度、光電極側及び対極側それぞれ3分間ずつ照射し、完全に硬化させた。
7)色素溶液を注入するため、対極側に設けた4箇所の孔に1mm径のチューブを挿入した。このサブモジュールは基板中央の端子に垂直な集電配線で左右独立となっている。左右両側にそれぞれ溶液の入口と出口があり、それぞれのチューブをポンプに接続し、その中の溶液を循環させることで色素吸着を行った。実施例1と同様、色素溶液はルテニウム錯体色素J2(濃度0.3mM)を使用した。共吸着剤としてケノデオキシコール酸0.3mMを添加した。
8)続いて、0.1M グアニジンチオシアネート、0.5M N−メチルベンゾイミダゾール、0.6M メトキシプロピオイミダゾリウムヨージド、0.15M ヨウ素を、3−メトキシプロピオニトリルに溶解した電解液をサブモジュール中に注入した。
9)電解液注入口は、UV硬化樹脂を接着剤として用いて、厚さ1mmのガラス(約10mm×10mm)で4箇所封止し、本発明の色素増感太陽電池2を得た。
得られた太陽電池2につき、ソーラーシミュレーター(山下電装製 YSS−100A)による擬似太陽スペクトル照射(AM1.5、100mW/cm)を行い、太陽電池性能を測定したところ、短絡電流密度が8.4mA、開放電圧が0.72V、性能因子0.66、変換効率4.0%であった。
また、85℃、500時間の加熱試験後も、電解液注入口からの漏れが多少確認されたものの実用上問題になる程度のものではなく、集電配線の腐食は観察されなかった。
以下の1)〜9)の手順で本発明のサブモジュール(約12cm角の大きさの集電配線を備えたセル、第一集電配線と第二集電配線とが対向する位置にあるタイプ、色素浸漬吸着法)を作製した。
1)まず、スクリーン印刷機[マイクロテック(株)MT−320TV]を用いて、光電極側となるFTO導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)に集電配線として銀ペーストを幅1〜4mmで印刷した。対極側については、導電性ガラス基板(日本板硝子社製 FTO膜付きガラス基板、形状126mm×126mm、厚さ4mm)上の所定位置に予め1mm径の孔を4箇所開けた。次いで光電極側と同様に集電配線として銀ペーストを1〜4mmで印刷した。両基板の印刷形状は全く同一であり図12に示されている。すなわち、両基板に印刷されたそれぞれの集電配線が、貼り合わせた際に対向する位置に印刷された。次にそれぞれにつき、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間、熱処理を行い、厚さが10μmの集電配線を両基板上に形成した。
2)両基板の各集電配線上に、スクリーン印刷装置を用いて無鉛ガラスフリットを印刷することにより、各集電配線を絶縁保護するための被覆層を形成した。形状は図13に示されているが、該被覆層の幅は集電配線の幅方向に左右それぞれ1mm長くなるように設定し(したがって、該被覆層の幅は集電配線の幅+2mm)、両基板で同一の形状であった。印刷後、160℃、10分間乾燥した後、500℃で30分間熱処理を行い、ガラス化させた。このときの被覆層の高さは35μmであった。
3)次に市販の酸化チタンペーストを、スクリーン印刷装置を用いて光電極側のFTOガラス基板上に印刷し、160℃で10分間乾燥させた。乾燥後再度、酸化チタンペーストを印刷し、160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間熱処理を行った。熱処理後の酸化チタン層の高さは10μm程度であった。
4)ガラスフリットが印刷された対極基板上に、スクリーン印刷装置を用いて白金ペーストを印刷した。形状は光電極側の酸化チタンと同じである。160℃で10分間乾燥させた後、500℃で30分間、熱処理を行った。
5)酸化チタンを成膜した光電極側基板を、実施例1と同様の濃度0.3mMのルテニウム錯体色素J2溶液中に一晩浸漬し、色素吸着を行った。共吸着剤としてケノデオキシコール酸0.3mMを添加した。
6)両基板に市販の光硬化性樹脂をスクリーン印刷によって印刷した。形状は無鉛ガラスフリットペーストと同様であった。両側の端子を180度逆向きにして、光硬化性樹脂の形状が一致するように重ね合わせてクリップで固定した。
7)UV照射装置[(株)オーク製作所 ハンディUV300]を用いて、最大照射強度37.5mW/cmの紫外線(高圧水銀ランプ)を、光電極側から1分間照射し、仮留めとした。クリップをはずして再度、光電極側及び対極側それぞれ3分間ずつ照射し、完全に硬化させた。なお、紫外線による色素の劣化を防ぐため、色素が担持された部分をアルミ箔でマスクし、樹脂部分のみを露光した。
8)続いて、0.1M グアニジンチオシアネート、0.5M N−メチルベンゾイミダゾール、0.6M メトキシプロピオイミダゾリウムヨージド、0.15M ヨウ素を、3−メトキシプロピオニトリルに溶解した電解液をサブモジュール中に注入した。
9)電解液注入口は、UV硬化樹脂を接着剤として用いて、厚さ1mmのガラス(約10mm×10mm)で4箇所封止し、本発明の色素増感太陽電池3を得た。
得られた太陽電池3につき、ソーラーシミュレーター(山下電装製 YSS−100A)による擬似太陽スペクトル照射(AM1.5、100mW/cm)を行い、太陽電池性能を測定したところ、短絡電流密度が7.4mA、開放電圧が0.70V、性能因子0.66、変換効率3.4%であった。
また、85℃、500時間の加熱試験後も、電解液注入口からの多少の漏れが確認されたものの実用上問題となる程度のものではなく、集電配線の腐食は観察されなかった。
基本的に前記実施例2の1)〜9)と同様の手順で本発明のサブモジュール(約12cm角の大きさの集電配線を備えたセル、第一集電配線と第二集電配線とが対向する位置にあるタイプ、色素循環担持法)を作製した。ただし、前記実施例2の工程6)に対応する工程においては、基板の光電極側からのみ光照射を行い、再度の紫外線照射において対極側からの3分間の照射は全く行わずに、UV硬化樹脂による電極貼り合わせを行った。
得られた太陽電池4につき、ソーラーシミュレーター(山下電装製 YSS−100A)による擬似太陽スペクトル照射(AM1.5、100mW/cm)を行い、太陽電池性能を測定したところ、短絡電流密度が9.0mA、開放電圧が0.690V、性能因子0.52、変換効率3.2%であった。
また、85℃、500時間の加熱試験後も、電解液注入口からの多少の漏れが確認されたものの実用上問題となる程度のものではなく、集電配線の腐食は観察されなかった。
本発明は、少なくともいずれか一方の電極に集電配線を有する両電極を、光硬化性樹脂を用いて貼り合わせて、湿式電池用セルを形成するのに有効に用いることができる。
従来法により、集電配線上にガラスまたはセラミックス材料からなる隔壁を両電極間に形成する工程を、順に(a)〜(c)で示す図である。 本発明における両電極貼り合わせの各種態様を示す図である。(a)〜(c)は、単一の被覆層に着目した3つの態様を示す。すなわち、(a)は第一被覆層を対極と接する状態で貼り合わせる態様、(b)は第一被覆層と第二絶縁層とを接する状態で貼り合わせる態様、(c)は第一被覆層と第二被覆層を接する状態で貼り合わせる態様を示している。さらに、(d)及び(e)は、第一被覆層と第二被覆層双方に着目した2つの態様を示す。すなわち、(d)は第一被覆層と対極、第二被覆層と光電極をそれぞれ接した状態で貼り合わせる態様、(e)は第一被覆層と第二絶縁層、第二被覆層と第一絶縁層をそれぞれ接した状態で貼り合わせた状態を示している。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 本発明により得ることのできる色素増感太陽電池の集電配線や隔壁の配置を例示する図である。(b)は光電極平面図、(c)は対極平面図、(a)は前記平面図に対応する断面図を示す。(b)および(c)の平面図は、対極の外側から光電極方向に観察した場合に相当する配置を示す。 実施例1の集電配線の印刷パターンを示す図である(非対向型)。 実施例1の無鉛ガラスフリットペーストの印刷パターンであり、実施例1の光硬化性樹脂の印刷パターンである、印刷パターンを示す図である。 実施例2〜4の集電配線の印刷パターンを示す図である(対向型)。 実施例2〜4の無鉛ガラスフリットペーストの印刷パターンであり、実施例2〜4の光硬化性樹脂の印刷パターンである、印刷パターンを示す図である。
符号の説明
1 被覆層あるいは隔壁の末端
2 透明導電基板(ガラス基板)
3 集電配線(銀線)
4 対極の端子
5 光電極の端子
6 被覆層
7 光硬化性樹脂層
8 光電極
9 対極
10 絶縁層

Claims (12)

  1. 第一電極と第二電極とが光硬化性樹脂材料からなる隔壁を用いて貼り合わされた色素増感太陽電池であって、
    前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
    少なくとも第一電極は透光性電極であり、
    前記第一電極は第一集電配線を備え、該第一集電配線は、ガラスまたはセラミックス材料からなる透光性の第一被覆層で被覆されており、
    前記第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有しており、
    前記第一被覆層の第一段差上部は、第二電極と接しており、
    前記隔壁は少なくとも、前記第一段差下部と前記第二電極との間に形成されているとともに、前記両電極の周縁部をも封止するように形成されていることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. さらに、前記第二電極が、前記第一集電配線と対向する位置にガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁層を備え、前記第一段差上部は前記第二絶縁層と接しており、
    前記隔壁は前記第一段差下部と前記第二絶縁層との間に形成されているとともに、前記両電極の周縁部をも封止するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. さらに、前記第二電極が、前記第一集電配線と対向しない位置に第二集電配線を備え、
    前記第二集電配線は、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二被覆層で被覆されており、
    前記第二被覆層は、該第二被覆層周辺部に第二段差下部、該第二被覆層中央部に第二段差上部を有する段差を有しており、
    前記第二段差上部は、前記第一電極と接しており、
    前記隔壁は前記第二段差下部と第一電極の間にも形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. さらに、前記第一電極が、前記第二集電配線と対向する位置にガラスまたはセラミックス材料からなる透光性の第一絶縁層を有し、
    前記第二段差上部は、前記第一絶縁層に接しており、
    前記隔壁は、前記第二段差下部と前記第一絶縁層の間に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の色素増感太陽電池。
  5. さらに、前記第二電極が、前記第一集電配線と対向する第二集電配線を備え、
    前記第二集電配線は、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二被覆層で被覆されており、
    前記第一被覆層は該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有し、
    前記第二被覆層は該第二被覆層周辺部に第二段差下部、該第二被覆層中央部に第二段差上部を有する段差を有し、
    両電極は、前記第一被覆層の段差上部と前記第二被覆層の段差上部で接しており、
    前記隔壁は第一被覆層の段差下部と第二被覆層の段差下部との間に形成されているとともに、前記両電極の周縁部をも封止するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  6. 両電極ともに透光性電極であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記第一電極が光電極、前記第二電極が対極であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  8. 第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
    前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
    少なくとも第一電極は透光性電極であり、
    前記第一電極は、第一集電配線を備え、
    前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に、第二集電配線を備えておらず、
    前記隔壁形成方法が、
    (1)前記第一集電配線上に、透光性のガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層を形成する工程であって、該第一被覆層は、該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有するものである工程、
    (2)前記第一被覆層上、または両電極貼り合わせ後に前記第一被覆層と対向することになる前記第二電極上の位置、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
    (3)前記第一段差上部が前記第二電極に接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
    (4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
    を順に含み、
    ただし、前記工程(2)で、前記第一被覆層と対向する前記第二電極上の位置に光硬化性樹脂を塗布する場合、工程(2)を工程(1)より先に行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法。
  9. 前記第一被覆層と対向することになる前記第二電極上の位置に、ガラスまたはセラミックス材料からなる第二絶縁層を有し、
    前記工程(2)における光硬化性樹脂を塗布すべき前記第二電極上の位置は、前記第二絶縁層上であり、
    前記工程(3)において、前記第一段差上部と前記第二絶縁層とが接するように両電極を貼り合わせることを特徴とする請求項8に記載の隔壁形成方法。
  10. 第一電極と第二電極を貼り合わせるための光硬化性樹脂の隔壁を形成する方法であって、
    前記第一電極及び第二電極は、光電極または対極のいずれかであって、互いに異なる電極であり、
    少なくとも第一電極は透光性電極であり、
    前記第一電極は、第一集電配線を備え、
    前記第二電極は、両電極貼り合わせ後に前記第一集電配線と対向することになる位置に第二集電配線を備え、
    前記隔壁形成方法が、
    (1)前記第一集電線及び第二集電線上に、それぞれガラスまたはセラミックス材料からなる第一被覆層及び第二被覆層を形成する工程であって、
    前記第一被覆層は該第一被覆層周辺部に第一段差下部、該第一被覆層中央部に第一段差上部を有する段差を有し、
    前記第二被覆層は該第二被覆層周辺部に第二段差下部、該第二被覆層中央部に第二段差上部を有する段差を有し、
    少なくとも前記第一被覆層は透光性であるものである工程、
    (2)前記第一被覆層上、または前記第二被覆層上、または双方に光硬化性樹脂を塗布する工程、
    (3)前記第一段差上部と前記第二段差上部とが接するように、前記第一電極と前記第二電極を貼り合わせる工程、及び
    (4)光照射によって光硬化性樹脂を硬化する工程であって、前記第二電極が透光性電極でない場合には第一電極側から光照射して、前記第二電極も透光性電極である場合には、第一電極側、第二電極側、または両電極側から光照射するものである工程、
    を順に含み、
    ただし、前記工程(2)で前記第一被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第一被覆層形成後であって第二被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよく、前記工程(2)で前記第二被覆層上に光硬化性樹脂を塗布する場合、前記工程(1)において第二被覆層形成後であって第一被覆層形成前に、前記工程(2)を行ってもよいことを特徴とする隔壁形成方法。
  11. 両電極ともに透光性電極であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の隔壁形成方法。
  12. 前記第一電極が光電極、前記第二電極が対極であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の隔壁形成方法。
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