JP2008147037A - 湿式太陽電池とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電配線を備えて構成された湿式太陽電池であって、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けること無く、窓極と対極との電極間距離を小さくすることができ、光電変換効率を向上させた湿式太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明に係る湿式太陽電池1は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層13を有して構成される。また、窓極として機能する第一電極10と、前記第一電極と対向して配される第二電極20と、前記第一電極と前記第二電極間の少なくとも一部に配される電解質層30を備える。さらに、前記多孔質酸化物半導体層は主に、前記第一電極を構成する第一基材11上に形成された金属配線14を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層が主に配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池[以下、DSC(Dye-Sensitized Solar Cell) と略記する。]を代表とする湿式太陽電池に係り、より詳細には、内部に集電用の金属配線を施した湿式太陽電池の特性を向上せしめる構造に関する。
環境問題、資源問題などを背景に、クリーンエネルギーとしての太陽電池が注目を集めている。代表的な太陽電池としては、単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコンを用いたものが挙げられる。しかし、従来のシリコン系太陽電池は製造コストが高く、原料供給が不十分などの課題が残されており、安価な提供は難しいことから、広く普及には至ってない。
これに対して、DSCは、スイスのグレッツェルらのグループなどから提案されたもので、安価で高い光電変換効率を得られる光電変換素子として着目されている。
一般に、DSC を始めとする湿式太陽電池は、光が入射する透明な窓極と導電ガラス基板からなる対極の間に電解液を挟んだ構造を有している。
図11は、従来の湿式太陽電池の構造の一例を示す概略断面図である。
このDSC100は、増感色素を担持させた多孔質半導体電極(以下、色素増感半導体電極とも呼ぶ)103が一方の面に形成された第一基材101と、触媒膜105が形成された導電性の第二基材104と、これらの間に封入された例えばゲル状電解質からなる電解質層106を主な構成要素としている。
第一基材101としては、例えば、光透過性の板材が用いられ、第一基材101の色素増感半導体電極103と接する面には、導電性を持たせるために透明導電膜102が配置されており、第一基材101、透明導電層102及び色素増感半導体電極103により窓極108を構成している。
一方、第二基材104としては、電解質層106と接する側の面には電解質層との間で電荷をやり取りするため、例えば、炭素や白金からなる触媒層105が設けられ、第二基材104及び触媒層105により対極109を構成している。
これら第一基材101と第二基材104は、色素増感半導体電極103と触媒層105が対向するように所定の間隔をおいて配置し、両基板間の周辺部に熱可塑性樹脂からなる封止材107を設ける。そして、この封止材107を介して2つの基板101、104を貼り合わせてセルを積み上げ、電解液の注入口110を通して、両極108、109間にヨウ素・ヨウ化物イオンなどの酸化・還元対を含む有機電解液を充填し、電荷移送用の電解質106を形成している。
しかしながら、実験室レベルの小型の湿式太陽電池セルでは、セル寿命を考慮しないで良いため、セルサイズを小さくして窓極と対極をネジなどで締め上げて挟み、両極を密着させることで高い光電変換効率を得ているが、実用の湿式太陽電池セルでは、両極を封止して電解液の漏洩を防ぐ必要があることから、封止材の分だけ極間距離が大きくなってしまう。
また、大型セルでは集電配線が必要である。この集電配線は、金属配線と配線保護膜とから構成され、導電性と開口率を両立するために、金属配線は細く、厚く形成されることが望ましく、また、耐久性や信頼性を確保するために、配線保護膜は厚く成膜する必要がある。そのため集電配線の高さが多孔質酸化物半導体層を構成する酸化チタン多孔膜の適性高さよりも高くなることが多く、電極間距離が広がる要因となってしまう。電極間距離は光電変換効率に大きく影響するためできるだけ狭くする必要があり、酸化チタン多孔膜と対極との距離はゼロであることが望ましい。
そこで、電極間距離をできるだけ小さくし、光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を得るため、以下に示すような手段が提案されている(特許文献1を参照)。
(1)対極に集電配線部と食い違う凹凸加工を施し、多孔質酸化物半導体層の存在する部分のみ電極間距離を低減する。
(2)対極に、多孔質酸化物半導体層が形成された部分で内側に盛り上がっている可撓性の基板を用い、裏面より加圧して、対極を撓ませた状態で使用することで電極間距離を低減する。
また、作用極(窓極)と対極との距離が一定に保たれた色素増感型太陽電池を得ることを目的として、作用極と対極を積層して積層体を形成し、作用極と対極との間に、対極に設けた貫通孔を介して電解質層を形成する電解液を充填した後、一方の貫通孔を封止して、他方の貫通孔から電解液の一部を吸い出した後、他方の貫通孔を封止して、作用極と対極との間に電解液を封入する手段も提案されている(特許文献2を参照)。
さらに、金属配線層表面の遮蔽不良を抑え、これに起因する回路腐食や逆電子移動を抑制することによって、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることを目的として、金属配線層が、透明基板に溝加工された配線パターンに沿って形成され、該金属配線層の少なくとも一部が、透明基板表面以下の高さに達しているものとする手段も提案されている(特許文献3を参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の手段は、対極側に集電配線部と食い違う凹凸加工等を施さなければならず、構造上複雑となって、製造するのに煩わしい手間を要するものとなってしまう。
また、上記特許文献2に記載の手段では、集電配線を要する構成の場合の対策が講じられておらず、集電配線を要する構成の太陽電池において、電極間距離を小さくすることを目的として上記技術を容易に適用することができない。
さらに、上記特許文献3に記載の手段でも、基板に金属配線層を形成するための溝加工を施さなければならず、構造上複雑となって、製造するのに煩わしい手間を要するものとなってしまう。
特開2005−346971号公報 特開2005−353295号公報 特開2004−146425号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、集電配線を備えて構成された湿式太陽電池であって、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けること無く、窓極と対極との電極間距離を小さくすることができ、光電変換効率を向上させた湿式太陽電池を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けるために、煩わしい手間を要すること無く、簡易な構造で窓極と対極との電極間距離を小さくできる、湿式太陽電池の製造方法を提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に係る湿式太陽電池は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有して構成され、窓極として機能する第一電極と、前記第一電極と対向して配される第二電極と、前記第一電極と前記第二電極間の少なくとも一部に配される電解質層を備えた湿式太陽電池において、前記多孔質酸化物半導体層は主に、前記第一電極を構成する第一基材上に形成された金属配線を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層が主に配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出していることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る湿式太陽電池は、請求項1に記載の湿式太陽電池において、前記多孔質酸化物半導体層を載置して前記第一電極を構成する基板は、可撓性であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る湿式太陽電池は、請求項1又は2に記載の湿式太陽電池において、前記第一電極及び前記第二電極の外面には、封止樹脂材を介してシート材が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る湿式太陽電池の製造方法は、増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有して構成され、窓極として機能する第一電極と、前記第一電極と対向して配される第二電極と、前記第一電極と前記第二電極間の少なくとも一部に配される電解質層を備え、前記多孔質酸化物半導体層は前記第一電極上に形成された金属配線を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層の配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出している湿式太陽電池の製造方法であって、前記第一電極に前記第二電極を積層した後、前記積層方向に、外部から加圧又は内部を減圧することにより、前記第一電極を撓ませることを特徴とする。
本発明に係る湿式太陽電池は、窓極として機能する第一電極を構成する多孔質酸化物半導体層が、前記第一電極上に形成された金属配線を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層の配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出している構成をしている。ゆえに、前記第一電極の多孔質酸化物半導体層の配され領域βは、前記第一電極の金属配線の配された領域αより、対極として機能する第二電極側に近づいた構造となる。
したがって、集電配線を備えて構成された湿式太陽電池であっても、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けること無く、窓極と対極との電極間距離を小さくすることができ、光電変換効率を向上させた湿式太陽電池を提供することができる。
本発明に係る湿式太陽電池の製造方法は、窓極として機能する第一電極に対極として機能する第二電極を積層した後、前記積層方向に、外部から加圧又は内部を減圧することにより、前記第一電極を撓ませる。ゆえに、前記第一電極の多孔質酸化物半導体層の配された領域βは、対極として機能する第二電極側に近づかせることができる。
したがって、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けるために、煩わしい手間を要すること無く、簡易な構造で窓極と対極との電極間距離を小さくできる、湿式太陽電池の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明に係る湿式太陽電池の一実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は上述した作用と効果を満たす構成であればよく、これらの実施形態に限定されるものではない。
なお、以下に示す図面は、本発明を理解しやすく説明するため必ずしも縮尺は正確には描かれていない。
図1は、本発明に係る湿式太陽電池の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る湿式太陽電池(光電変換素子)1は、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層(酸化物電極とも呼ぶ)13を有して構成され、窓極(作用極とも呼ぶ)として機能する第一電極10と、前記第一電極10と対向して配される第二電極20、及びこれら両極の間の少なくとも一部に電解質層30とを配置している。さらに、湿式太陽電池1は、前記多孔質酸化物半導体層13が前記第一電極10上に形成された金属配線14を除く位置に設けられており、前記第一電極10は、前記金属配線14の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層13の配された領域βに比べて、当該第一電極10の外面側に突出した構成をしている。
第一電極10は、例えば第一基材11と、その上に順に配される透明導電膜12、および多孔質酸化物半導体層13からなる。第一電極10は、光透過性の材料からなる第一基材11の表面に、導電材料からなる透明導電膜(層)12を形成することにより電気を通す導電性を有し、この透明導電膜12を介して多孔質酸化物半導体層13が形成されている。さらに、透明導電膜12の表面には、この多孔質酸化物半導体層13を両側から挟むように、隙間を設けて金属配線14を有する集電配線16が配されている。ただし、この隙間は必須ではなく、隙間や金属配線14とした領域に多孔質酸化物半導体層13の一部が存在する(被覆する)形態であっても構わない。
したがって、第一電極10は、金属配線14の配された領域αと、多孔質酸化物半導体層13が主に配された領域βと、前記領域αと前記領域βとの間に位置する隙間からなる領域γとを有して構成されている。
第一電極10の一部である第一基材11は、電解質を収容するセルをなす一方の電極として働くとともに、筐体を構成する蓋体としての役割も果たす。
第一電極10を構成する第一基材11は、太陽光を透過する光学特性を備えた部材が好適に用いられる。この第一基材11としては、導電性樹脂フィルム、薄い導電性ガラス、金属メッシュなど透明な材質からなる基板が挙げられる。
また、この第一基材11としては、可撓性の材料からなる基板を用いることが好ましい。可撓性の材料からなる基板としては通常、合成樹脂からなる基板が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエーテルスルホン(PES)フィルム等の樹脂フィルムや金属薄板、もしくは金属箔などからなる基板が挙げられる。
第一基材11の表面には、やはり光を透過し、電気も通す透明導電膜12が形成されている。導電性を備えた透明な薄膜(透明導電膜という)としては、例えば酸化インジウムに数%のスズを添加してなる薄膜、インジウム・スズ・酸化物(Indium-Tin-Oxide:ITO)膜、酸化スズに数%のフッ素を添加してなる薄膜、フッ素ドープ酸化スズ(Fluorine-doped-Tin-Oxide:FTO)膜などが挙げられる。このような透明導電膜12を、例えば50〜2000nm程度の厚さに形成して用いる。
上記ITO膜では、3価のインジウム(In3+)席に置換した4価のスズ(Sn4+)がキャリア電子を発生するため、ITO膜は電気をよく通す性質を備えている。また、ITO膜は、エネルギー・ギャップが紫外線領域に対応するため可視光をほとんど吸収しないので、太陽光を構成する可視光スペクトルの大部分を透過させる能力も備えている。
この透明導電膜12は、減圧雰囲気を使用する真空成膜法、例えばスパッタ法や蒸着法等に代表される公知の方法によって形成されている。このような方法から、透明導電膜12を形成する材料などに応じて適切な方法を用いることにより、透明性に優れ、かつ高い導電性を備えた膜が得られる。
透明導電膜12の上には、さらに集電配線16が設けられる。集電配線16は、多孔質酸化物半導体層13や電解質層30からの集電効率を向上させるために、光透過率を著しく損なわない範囲で、例えば多孔質酸化物半導体層13の両側に設けられる。
この集電配線16は、金属配線14と、当該金属配線14の表面を覆う、例えば低融点ガラスなどからなる配線保護材15から構成され、電解液による腐食から金属配線14を保護している。集電配線16に利用する金属配線14の材料としては、特に制限はなく、例えば金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、チタン等が利用できる。また、金属配線14を形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷、メタルマスク、インクジェットといった印刷法をはじめ、めっき法、スパッタ法、蒸着法など特に制限されることは無く、種々の手法を用いることができる。特に好適には、めっき法、印刷法の少なくとも何れかを含む手法が選ばれる。なお、金属配線14は、縞状や櫛状、格子状等のパターン形状に形成し、光がなるべく均等に第一電極を透過できるようにする。
そして、この金属配線14を前記配線保護材15で覆うことで、集電配線16を構成する。この配線保護材15としては、ガラス成分、金属酸化物成分、または電気化学的に不活性な樹脂成分のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。ガラス成分としては、酸化鉛系やホウ酸鉛系をはじめとする低融点の非結晶、又は結晶性ガラス成分を挙げることができる。また、金属酸化物成分としては、TiO 、ZnO、FTO、ITOなどを挙げることができる。さらに、電気化学的に不活性な樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、などを挙げることができる。そして、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
この配線保護材15を形成する方法としては特に制限は無く、例えば、目的の化合物、或いはその前駆体を、スクリーン印刷法やディスペンサ塗布法などの湿式法により成膜する方法が挙げられる。必要に応じて、スパッタ法や蒸着法、CVD法などの乾式法(気相法)を用いてもよい。
透明導電膜12の上にはさらに、集電配線16を配していない部分に、多孔質酸化物半導体層13が設けられる。多孔質酸化物半導体層13は、多孔質半導体に色素を担持させたものである。多孔質酸化物半導体層13の素材、形成方法などについて特に限定はされず、通常、太陽電池用の多孔質半導体を形成するのに用いられるものであればどのようなものも用いることができる。このような半導体としては、例えば、TiO、SnO、WO、ZnO、Nb、In、ZrO、Y、Alなどを用いることができる。
多孔質膜を形成する方法としては、例えばゾルゲル法からの膜形成、微粒子の泳動電着、ペーストを塗布して焼結する方法などを例示できるが、これらに限定されるものではない。この多孔質酸化物半導体層13の粒子表面には、増感色素が吸着している。
湿式太陽電池においては、変換効率を向上させるために、吸収波長の広い色素を用いて波長400nm〜900nmの紫外領域より長波長領域をなす可視領域の光を、紫外領域の光と同程度あるいはそれ以上に吸収するようにする。
このような増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニン等の含金属錯体をはじめ、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができ、これらの中から用途、使用半導体に適した励起挙動をとるものを適宜選択すれば良い。
上記の増感色素は、前記多孔質酸化物半導体層13の微粒子半導体表面に吸着させて担持させる。
一方、第二電極20は、例えば第二基材21と、その表面を覆う触媒層22からなる。
第二電極20を構成する第二基材21は、特に光透過性をもつ必要はないことから金属板を用いることもできるし、第一基材11と同様に可撓性のものを用いても構わない。この第二基材21としては、ガラス板を使用するのが一般的であるが、ガラス板以外にも、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチックフィルムシート、酸化チタン、アルミナなどセラミックスの研磨板などを用いることが出来る。そして、第二基材21上に、上述した導電膜22を形成する。
触媒層22は、電解質層との間で電荷をやり取りするため、第二基材21の一方の面に形成されており、例えば、白金や化学的に安定な炭素などからなる薄膜が好ましい。
触媒層22の形成方法に関しては、例えば、白金や炭素などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行なったものが好適に用いられるが、触媒として機能するものであれば特に限定されるものではない。
第一電極10と第二電極20との間には電解質層30をなす電解液を挿入する。電解質層30を構成する材料としては、例えば、電解質成分として、ヨウ素・ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジン等がエチレンカーボネートやメトキシアセトニトリル等の有機溶媒に溶解されてなる液状の電解質や前記液状の電解質にゲル化剤としてポリフッ化ビニリデン,ポリエチレンオキシド誘導体、アミノ酸誘導体等が添加されてゲル化したゲル状の電解質等が挙げられる。
そして、以上ように構成した湿式太陽電池1は、前記第一電極10の前記金属配線14の配された領域αの部分が、当該第一電極10の外面側に突出し、前記第一電極10の前記多孔質酸化物半導体層13の配された領域βの部分が、前記第二電極20側に近づいた構成となる。
したがって、集電配線を備えて構成された湿式太陽電池であっても、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けること無く、第一電極10の多孔質酸化物半導体層13と第二電極20の距離を小さくして、発電効率を向上させたものとすることができる。
しかも、多孔質酸化物半導体層13を載置して前記第一電極10を構成する基板として、可撓性を有するものを用いることにより、前記第一電極10に前記第二電極20を積層した後、前記第一電極10の前記多孔質酸化物半導体層13の配された領域βの部分を前記積層方向に、外部から加圧又は内部を減圧することにより、第一電極10を構成する基板が簡易に金属配線形状に追従し、前記第一電極10の前記多孔質酸化物半導体層13の配された領域βの部分を前記第二電極側20に向かって撓ませるせることができる。
また、図2は、本発明に係る湿式太陽電池の他の構造を示す概略断面図である。
図2に示すように、第一電極10の多孔質酸化物半導体層13が設けられた部分を外部より加圧する場合、本実施形態に係る湿式太陽電池(光電変換素子)51は、第一電極10及び第二電極20の外面に、封止樹脂材40を介してシート材41,42が配された構成とすることができる。
なお、図2において、図1に示した構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
封止樹脂材40は、窓極として機能する第一電極10を加圧する必要から、透明でなければならない。封止樹脂材40としては、例えば接着剤、ゲル、液体などが考えられるが、接着剤であれば硬化後に除圧して使用できるため、好適である。それ以外の場合は、使用時に加圧できるパッケージを併用する。
シート材41,42は、第一電極10と第二電極20とを積層して形成した積層体を、その外面から挟み込んで両者が対向する面の方向に均一に加圧する一対の平板部材である。このシート材41,42としては、例えば平板なガラス板などが挙げられる。
このような平板なシート材が、少なくとも第一電極側に設けられることで、突出した部分を有する第一電極の外面を平坦なものとし、太陽光が反射しないでセル内に効率良く入射するようにすることもできる。
このような構成によれば、第一の湿式太陽電池1を全体的に封止することができると共に、封止樹脂材40により第一電極10の外面に面圧がかけられるので、第一電極10の多孔質酸化物半導体層13の配された領域βの部分は、封止樹脂材40によって外部より押し込まれて第二電極20側に向かって撓み、第一電極10の金属配線14が配された領域αの部分は、封止樹脂材40によっても押し込まれず、当該第一電極10の外面側に突出した構造となる。
したがって、第一電極10の二電極20側に向かっての撓みが作製し易く、電極間距離を小さくすることができ、光電変換効率を向上させることが可能となる。
次に、本発明に係る湿式太陽電池1の製造方法の一例について説明する。
図3から図5は、湿式太陽電池において窓極として機能する第一電極10を作製する工程を順次示す図であり、図6は、湿式太陽電池において対極として機能する第二電極20を作製する工程を示す図である。そして、図7から図10は、前記第一電極10と前記第二電極20とを積層して接合することで、本発明に係る湿式太陽電池1を製造する工程を順次示す概略断面図である。
まず、第一電極10の作製方法について説明する。
図3に示すように、第1の基材11を準備し、この第1の基材11の一方の面の上に透明導電膜12を設ける。
第1の基材11は、板厚が1.5mm以下で可撓性を有するガラス板でも差し支えないが、経済的で、軽量なモジュールを得ることが出来、かつ、可撓性を有するプラスチックを用いると望ましい。なお、プラスチック基板を窓側電極として用いる場合には、それぞれ後述する多孔質酸化物半導体層13形成のための焼成工程、金属配線14形成のための焼成工程、配線保護材15形成のための焼成工程を、150℃以下で行なわなければならないので、それぞれ低温焼成型の材料を使用する。
また、透明導電膜12の形成方法としては、透明導電膜12の材料に応じて公知の方法を用いて行えば良く、例えば、スパッタ法やCVD法(気相成長法)、蒸着法などにより、フッ素添加スズ(FTO)などの酸化物半導体からなる薄膜を形成する。この薄膜は、厚過ぎると光透過性が劣り、一方、薄過ぎると導電性が劣ってしまうため、光透過性と導電性の両方を考慮して、0.01μm〜1μm程度の膜厚が好ましい。
引き続き、この成膜された薄膜の上に、レジストをスクリーン印刷法などにより形成した後、レジストをエッチングして第一基材11の表面上に、所定のパターンの透明導電膜12を作成する。これにより、窓側電極用の導電性基板が構成される
次いで、図4に示すように、窓側電極用の導電性基板における透明導電膜12上に、集電配線16を配する。集電配線16の形成方法は、例えば、焼結型銀ペーストをスクリーン印刷法などにより透明導電膜12上に塗布し、焼成して金属配線14を形成する。この金属配線14は、例えば、開口率90%で、厚さ0.1μm〜20μm程度の縞状に形成するとよい。
そして、この金属配線14を、例えば低融点ガラスからなる配線保護材15で覆うことで、集電配線16を構成する。
次いで、図5に示すように、窓側電極用の導電性基板における透明導電膜12上の集電配線16を配していない部分に、多孔質酸化物半導体層13を形成する。多孔質酸化物半導体層13の形成方法としては、例えば、二酸化チタン(TiO)の粉末を分散媒と混ぜてペーストを調整し、これをスクリーン印刷法やインクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法などにより透明導電膜12上に塗布し、焼成する。
そして、多孔質酸化物半導体層13の粒子間に、増感色素を担持させることで、第一電極10を構成する。増感色素の担持は、例えば、多孔質酸化物半導体層13が形成された導電性基板を色素液に浸漬することで成し得ることができる。
次に、第二電極20の作製方法について説明する。
まず、導電性ガラスよりなる第二基材21を準備し、この第二基材21の一面に触媒膜22を設ける。この触媒膜22としては、白金やカーボンを用いることができ、触媒膜22の形成方法としては、第一基材11の場合と同様に、触媒膜の材料に応じて公知の方法を用いて行えば良く、例えば、スパッタ法や蒸着法といった真空製膜法によって形成できるほか、基板表面に塩化白金酸溶液などの含白金溶液を塗布後に熱処理を加える湿式製膜法などによっても行なうことができる。この触媒膜22は、薄過ぎると触媒特性が劣ってしまうこととなるため、触媒特性を考慮して、0.001μm〜0.1μm程度の膜厚が好ましい。
引き続き、この成膜された導電膜22の上に、レジストをスクリーン印刷法などにより形成した後、レジストをエッチングして所望の形状をしたユニットセルパターンを作成する。これにより、第二電極用の導電性基板が構成される。
次いで、図7に示すように、図5に示した第一電極10用の導電性基板と図6に示した第二電極20用の導電性基板とを、第一電極10に設けた多孔質酸化物半導体層13と第二電極20に設けた導電膜22とが向かい合うように配置し、第一電極10に第二電極20を積層してセルを構成する積層体1aを作製する。
そして、図8に示すように、前記第一電極10用の導電性基板における前記多孔質酸化物半導体層13の配された領域βの部分を積層方向に外部より加圧することで、この部分を前記第二電極20側に向かって撓ませる。
次に、図9に示すように、第二電極20用の導電性基板の裏面から、ドリル等でセル部分に達する電解液注入孔23を設け、当該電解液注入孔23から、第一電極10と第二電極20との間に電解液30を注入する。
その後、図10に示すように、電解液注入孔23を、例えばUV硬化接着剤からなる封止剤24を用いて封止し、図1に示すような湿式太陽電池1とする。
以上のような構成により、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けるといった煩わしい手間を要すること無く、簡易な構造で窓極と対極との電極間距離を小さくできる、集電配線を要する構成の湿式太陽電池を製造することができる。
したがって、集電配線を要していても、電極間距離を小さくすることで光電変換効率を向上させた湿式太陽電池とすることができる。
なお、本発明では、窓側電極(第一電極)に可撓性の基板を用い、多孔質酸化物半導体層の配された領域βの部分を、第一電極に第二電極を積層した方向に、外部から物理的に加圧し、窓極と対極との電極間距離を小さくする他、窓側電極(第一電極)に可撓性の基板を用い、第一電極と第二電極との間の空間に電解液を注入した後、真空ポンプなどを用いて注入した電解液の一部を吸い出すことによって前記空間内を減圧し、第一電極の多孔質酸化物半導体層の配された領域βの部分を、第一電極に第二電極を積層した方向に、大気圧によって加圧し、窓極と対極との電極間距離を小さくすることもできる。さらに、本発明では、第一電極と第二電極との間に電解液を注入した時とその後の電解液の温度変化によって、第一電極と第二電極との間に圧力変化を生じさせ、窓極と対極との電極間距離を低減するものとしても良い。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、第一電極用の透明基板(以下、窓側基板という)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(第一基材)の一方の面に透明導電膜が設けられた、導電性PETフィルム(商品名;OTEC、王子トービ社製、導電性10Ω/□、大きさ:100mm角、厚さ:0.1mm)を用意する。
次いで、成膜された透明導電膜12の上に、スクリーン印刷で低温焼成型の銀ペースト(商品名;FA353、藤倉化成社製)を10μmの厚さに塗布し、150℃で焼結して金属配線を形成した。
引き続き、金属配線の上に、予めカットした配線保護シート(商品名;ハイミランシートHM−52、タマポリ社製)を150℃の熱ラミネート法で貼り合わせ、配線保護材で覆うことで、集電配線を形成した。
次に、成膜された透明導電膜の上であって、金属配線を除く位置に、スクリーン印刷で低温焼成型の酸化チタンペースト(商品名;PECC01、ペクセルテクノロジーズ社製)を5μmの厚さに塗布し、150℃で焼結して酸化チタニア膜からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。
そして、多孔質酸化物半導体層を形成した窓側基板は、色素溶液に浸漬し、チタニア多孔膜表面に色素を担持して、第一電極とした。
一方、第二電極用の透明基板(以下、対極基板という)として、FTO透明導電ガラス板(大きさ:100mm角、厚さ:1mm)を用意する。
次いで、対極基板の一方の面に、白金からなる導電膜をスパッタ法にて形成して第二電極とした。
そして、前記第一電極に設けた多孔質酸化物半導体層と、前記第二電極に設けた導電膜とが向かい合うように配置し、直接重ね合わせて上下から加圧して積層体を作製した。
さらに、両極からリード線(不図示)をそれぞれ取り出した後、その上から一回り大きいホットメルト接着シートで前記積層体を挟み、さらにガラス基板で挟んだ後、真空熱プレスを行い、冷却し、除圧することで、封止接着材であるホットメルト接着シートによる積層体の封止兼窓側基板の加圧変形を行なった。
その後、積層体の裏面(対極基板)からドリルでセル部分に達する電解液注入孔を形成し、当該電解液注入孔から、第一電極と第二電極との間の空間内に電解液を注入すると共に、前記電解液注入孔を、UV硬化接着剤からなる封止剤を用いて封止し、本発明の実施例による湿式太陽電池を作製した。
なお、電解液としては、ヨウ素/ヨウ化物イオンレドックス対を含有するイオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド)を使用した。
(比較例)
また、比較例として、第一電極用の透明基板(以下、窓側基板という)として、高歪み点ガラス板(大きさ:140mm角、厚さ:2.8mm)の一方の面に、2Ω/□のFTO/ITOの2層からなる透明導電膜、スプレー熱分解(Spray Pyrolysis Deposition:SPD)法にて成膜し、その上にスクリーン印刷で低温焼成型の銀ペースト(商品名;FA353、藤倉化成社製)を8μmの厚さの縞状に塗布し、150℃で焼結して金属配線を形成した。
次いで、金属配線の上に、予めカットした配線保護シート(商品名;ハイミランシートHM−52、タマポリ社製)を150℃の熱ラミネート法で貼り合わせ、配線保護材で覆うことで、集電配線を形成した。
次に、成膜された透明導電膜の上であって、金属配線を除く位置に、スクリーン印刷で低温焼成型の酸化チタンペースト(商品名;PECC01、ペクセルテクノロジーズ社製)を5μmの厚さに塗布し、150℃で焼結して酸化チタニア膜からなる多孔質酸化物半導体層を形成した。
そして、多孔質酸化物半導体層を形成した窓側基板は、色素溶液に浸漬し、チタニア多孔膜表面に色素を担持して、第一電極とした。
一方、第二電極用の基板(以下、対極基板という)として、Ti板(大きさ:130mm角、厚さ:2.0mm)を用意する。
次いで、対極基板の一方の面に、0.1μmの厚さの白金からなる導電膜をスパッタ法にて形成して第二電極とした。
そして、第一電極に設けた多孔質酸化物半導体層と第二電極に設けた導電膜とが向かい合うように配置し、直接重ね合わせ、両者の間の空間内に電解液を挟み込んで上下から加圧して、比較例による湿式太陽電池を作製した。
なお、電解液としては、ヨウ素/ヨウ化物イオンレドックス対を含有するイオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド)を使用した。
そして、上記のようにそれぞれ作製した実施例の湿式太陽電池、及び比較例の湿式太陽電池での電極間距離と短絡電流を測定した。測定した値を表1に示す。
Figure 2008147037
その結果、表1からわかるように、本発明の実施例における湿式太陽電池では、比較例における湿式太陽電池と比べて窓極と対極との電極間距離が著しく小さくなり、両極が接触した状態となった。また、電極間距離が著しく小さくなることにより、本発明の実施例における湿式太陽電池の短絡電流も、比較例における湿式太陽電池と比べて2倍の高い電流値を得ることができた。
したがって、本発明では、集電配線を要する構成の湿式太陽電池であっても、両極の対向面側に凹凸等の特別な構造を設けることなく電極間距離を小さくすることができ、エネルギー変換効率が向上した良好なものとすることが出来た。
本発明によれば、大型化しても電極間距離を極力小さくできるので、光変換効率の向上した湿式太陽電池を低価格で提供することが可能となる。
本発明に係る湿式太陽電池の構造の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る湿式太陽電池の構造の他の一例を示す概略断面図である。 図1の湿式太陽電池の第一電極を作製する第一工程を示す断面図である。 図3の次工程(第二工程)を示す断面図である。 図4の次工程(第三工程)を示す断面図である。 図1の湿式太陽電池の第二電極を作製する第一工程を示す断面図である。 図1の湿式太陽電池を作製する第一工程を示す断面図である。 図7の次工程(第二工程)を示す断面図である。 図8の次工程(第三工程)を示す断面図である。 図9の次工程(第四工程)を示す断面図である。 従来の湿式太陽電池の構造の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1,51 湿式太陽電池、1a 積層体、10 第一電極、11 第一基材、12 透明導電膜、13 多孔質酸化物半導体層、14 金属配線、15 配線保護膜、16 集電配線、20 第二電極、21 第二基材、22 触媒膜、23 電解液注入孔、24 封止材、30 電解質層、40 封止樹脂材、41,42 シート材。

Claims (4)

  1. 増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有して構成され、窓極として機能する第一電極と、前記第一電極と対向して配される第二電極と、前記第一電極と前記第二電極間の少なくとも一部に配される電解質層を備えた湿式太陽電池において、
    前記多孔質酸化物半導体層は主に、前記第一電極を構成する第一基材上に形成された金属配線を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層が主に配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出していることを特徴とする湿式太陽電池。
  2. 前記多孔質酸化物半導体層を載置して前記第一電極を構成する基板は、可撓性であることを特徴とする請求項1に記載の湿式太陽電池。
  3. 前記第一電極及び前記第二電極の外面には、封止樹脂材を介してシート材が配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式太陽電池。
  4. 増感色素を担持させた多孔質酸化物半導体層を有して構成され、窓極として機能する第一電極と、前記第一電極と対向して配される第二電極と、前記第一電極と前記第二電極間の少なくとも一部に配される電解質層を備え、前記多孔質酸化物半導体層は前記第一電極上に形成された金属配線を除く位置に設けられており、前記第一電極は、前記金属配線の配された領域αが、前記多孔質酸化物半導体層の配された領域βに比べて、当該第一電極の外面側に突出している湿式太陽電池の製造方法であって、
    前記第一電極に前記第二電極を積層した後、前記積層方向に、外部から加圧又は内部を減圧することにより、前記第一電極を撓ませることを特徴とする湿式太陽電池の製造方法。
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