JP2009197961A - 車輪支持用軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの駆動力を損なうことなく電力を発電して、その電力を回転検出機構の電源として利用できる車輪支持用軸受ユニットを提供する。
【解決手段】この車輪支持用軸受ユニットは、バネで支えられた永久磁石から成る磁芯がコイルの中で往復動することにより発電する発電機構100と、静止輪に取り付けられる回転検出センサと、回転輪に取り付けられるエンコーダとから成る回転検出機構3と、発電機構100の発電電力を回転検出機構3の電源として利用するための電源回路とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、この車輪の回転速度或いは回転角度(回転状態)を検出することができる車輪支持用軸受ユニットに関する。
一般に、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するために転がり軸受ユニットが使用される。また、アンチロックブレーキシステム(ABS)あるいはトラクションコントロールシステム(TCS)を制御するためには、車輪の回転速度を検出する必要がある。このため、前記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込んだ回転検出装置付き転がり軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、この車輪の回転速度を検出することが、近年広く行なわれるようになっている。
このような目的で使用される回転検出装置付き転がり軸受ユニットは、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する回転側、静止側両軌道輪のうち、使用時に回転する回転側軌道輪に円環状のエンコーダを、使用時にも回転しない静止側軌道輪にセンサを、それぞれ支持して構成される。前記エンコーダにおいて、回転側軌道輪の回転中心と同心に設けられた被検出面の特性は、円周方向にわたって交互に(一般的には等間隔に)変化している。また、前記センサは、その検出部が前記エンコーダの被検出面に近接対向されており、この被検出面の特性変化に対応してその出力信号が変化される。出力信号が変化する周期は、前記回転側軌道輪の回転速度が速くなるほど短くなる(周波数が高くなる)ため、出力信号の周期あるいは周波数によって、前記回転側軌道輪の回転速度を求め、前記ABSやTCSを適切に制御できる。
ところで、従来、前記回転検出装置として発電機を用いたものがある。例えば特許文献1に開示された回転検出装置は、発電機と磁気センサと電源回路とを備えており、発電機はステータおよびロータを有し、ロータは円周方向に並ぶ多数の磁極を有する多極磁石として構成されている。また、前記磁気センサは、ステータまたはこのステータを支持する部材1に設置されており、前記ロータの磁極を検出する。また、前記電源回路は、発電機の発電電力を磁気センサの電源として利用する回路となっている。更に、前記ステータには、磁気センサの検出信号を送信するワイヤレスの送信手段が設置されており、この送信手段の電源にも発電機の発電電力が利用される。
特開2003−262645号公報
前述したように、特許文献1には、発電ロータによる発電機構を設け、それを電源としセンサ信号をワイヤレス送信する軸受が開示されている。しかしながら、このように、発電に回転ロータを用いる発電機構では、駆動エネルギの一部を電気エネルギに変換して発電することになるため、僅かとはいえ、エンジンの駆動力ロスに繋がる。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、エンジンの駆動力を損なうことなく電力を発電して、その電力を回転検出機構の電源として利用できる車輪支持用軸受ユニットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、この車輪の回転状態を検出することができる車輪支持用軸受ユニットを提供する。この車輪支持用軸受ユニットは、懸架装置側に取り付けられる静止輪と、車輪側に取り付けられる回転輪とを備えるとともに、バネで支えられた永久磁石から成る磁芯がコイルの中で往復動することにより発電する発電機構と、前記静止輪に取り付けられる回転検出センサと、前記回転輪に取り付けられるエンコーダとから成る回転検出機構と、前記発電機構の発電電力を前記回転検出機構の電源として利用するための電源回路とを備えることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、バネで支えられた永久磁石から成る磁芯がコイルの中で往復動することにより発電する発電機構を設け、その発電機構の発電電力を回転検出機構の電源として利用しているので、すなわち、車両の振動をエネルギ源として回転検出機構の駆動に使用することが可能となるので、車両エンジンの駆動力を損なうことなく電力を発電して、その電力を回転検出機構の電源として利用でき、省エネルギを図ることができる。一般に凹凸の多い路面上での走行では燃費が落ち、駆動力が振動に無駄に消費されるが、本構成によってその振動ロスを少しでも回収できるため非常に有益である。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記回転検出センサによって検出される速度信号を無線によって車体側に伝送する無線伝送手段を更に備えることを特徴とする。
この請求項2に記載された発明においては、回転検出センサによって検出される速度信号を無線によって車体側に伝送できるので、車輪支持用軸受ユニットと車体との間に電源配線や信号配線を設ける必要がなくなるので、断線のない信頼性の高い制御が行える。なお、本構成において、無線による信号伝送としては、電波、超音波、赤外線、レーザなどによる信号伝送を挙げることができる。
また、請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記発電機構は、前記磁芯が上下に往復動自在な方向で、静止綸である車輪支持用軸受ユニットの外輪の表面に対して取り付けられていることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、車両の上下振動をエネルギ源として回転検出機構の駆動に使用できる。すなわち、車両の振動を効果的且つ効率的に電力に変換できる。
また、請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された発明において、前記発電機構は、錘を成す前記磁芯とバネとの振動系から成り、前記振動系の固有振動数は、車輪支持用軸受ユニットが搭載される車両のバネ下の固有振動数よりも高いことを特徴とする。
この請求項4に記載された発明においては、バネ下の共振点以上の周波数においても磁芯の大きな振動を継続して得ることができる。なお、ここで言う「バネ下」とは、言うまでも無く、ホイールやタイヤ、車輪など、サスペンションスプリングの下にある部分のことである。
本発明によれば、バネで支えられた永久磁石から成る磁芯がコイルの中で往復動することにより発電する発電機構を設けているので、エンジンの駆動力を損なうことなく電力を発電して、その電力を回転検出機構の電源として有効利用することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態に係る車輪支持用軸受ユニット1は、転がり軸受ユニット2に回転速度検出装置3を組み込んで成る。転がり軸受ユニット2は、静止輪である外輪4の内径側に、回転輪であるハブ5および内輪6を回転自在に支持して成る。ハブ5の外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる端部を言い、図の左端部。以下同様)の外周面には車輪を取り付けるための第1のフランジ7を、中間部外周面には第1の内輪軌道8を、それぞれ設けている。また、内輪6は、その外周面に第2の内輪軌道9を有しており、ハブ5の内端寄り部分に形成され且つ第1の内輪軌道8を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった段部10に外嵌している。また、外輪4の内周面には、第1の内輪軌道8に対向する第1の外輪軌道11および第2の内輪軌道9に対向する第2の外輪軌道12が形成されるとともに、外輪4の外周面には、外輪4を懸架装置に支持するための第2のフランジ13が形成されている。そして、第1および第2の内輪軌道8,9と第1および第2の外輪軌道11,12との間にはそれぞれ複数個ずつの転動体14,14が設けられており、外輪4の内径側にハブ5および内輪6が回転自在に支持されている。なお、内輪6を段部10に外嵌した状態で、ハブ5の内端部に形成した雄ねじ部にナット15を螺合して内輪6を抑え付け、この内輪6とハブ5との分離防止を図っている。
また、外輪4の内端(図1の右端)開口部はカバー16によって塞がれている。このカバー16は、合成樹脂を射出成形して成る有底円筒状の本体17と、この本体17の開口部に結合した金属板製の嵌合筒18とから成る。この嵌合筒18は、その基端部を本体17の射出成形時にモールドすることにより、この本体17の開口部に結合している。このように構成するカバー16は、嵌合筒18の先半部(図1の左半部)を外輪4の内端部に締まり嵌めで外嵌固定することにより、この外輪4の内端開口部を塞いでいる。
一方、前記回転速度検出装置を構成するため、ハブ5の内端部に外嵌固定した内輪6の内端部外周面で前記第2の内輪軌道9から外れた部分に、エンコーダ19を外嵌固定している。このエンコーダ19は、支持環20と永久磁石21とから成る。支持環20は、SPCC等の磁性金属板を折り曲げることにより、断面L字形で全体を円環状に形成し、内輪6の内端部に締まり嵌めで外嵌固定している。また、永久磁石21は、例えばフェライト粉末を混入したゴムを支持環20を構成する円輪部の内側面に、焼き付け等により添着して成る。この永久磁石21は、例えば軸方向(図1の左右方向)に着磁すると共に、着磁方向を円周方向にわたり交互に且つ等間隔で変化させている。従って、被検出部であるエンコーダ19の内側面には、S極とN極とが円周方向にわたり交互に且つ等間隔で配置されている。
また、カバー16を構成する本体17の一部でエンコーダ19を構成する永久磁石21の内側面と対向する部分には、挿入孔22を、本体17を貫通させる状態で、カバー16の軸方向にわたり形成している。そして、この挿入孔22内に、センサ23を挿入している。すなわち、センサ23はカバー16を介して外輪4側に取り付けられている。このセンサ23は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子並びにこの磁気検出素子の出力波形を整えるための波形整形回路を組み込んだICと、永久磁石21から出る(あるいは、永久磁石21に流れ込む)磁束を前記磁気検出素子に導くための磁性材製のポールピース等とを合成樹脂中に包埋して成る。
このようなセンサ23は、先端(図1の左端)寄り部分に設けられ、挿入孔22をガタつきなく挿通自在な円柱状の挿入部24と、この挿入部24の基端部(図1の右端部)に形成した外向フランジ状の鍔部25とを備える。挿入部24の中間部外周面には係止溝を形成するとともに、この係止溝にOリング26を係止している。
一方、カバー16の外面(このカバー16により塞ぐべき、転動体14,14を設置した空間27と反対側の側面で、図1の右側面)の一部で、挿入孔22の開口周囲部分には、係止筒28を設けている。センサ23は、挿入部24をこの係止筒28内に挿入し、鍔部25をこの係止筒28の先端面に突き当てた状態で、係止ばね29により、この係止筒28に結合支持する。
以上のような回転速度検出装置付き転がり軸受ユニットの使用時には、外輪4の外周面に固設した第2のフランジ13を懸架装置に対して図示しないボルトにより結合固定するとともに、ハブ5の外周面に固設した第1のフランジ7に車輪をこの第1のフランジ7に設けたスタッド30により固定することで、前記懸架装置に対して前記車輪を回転自在に支持する。この状態で車輪が回転すると、センサ23の検出部の端面近傍を、永久磁石21の内側面に存在するN極とS極とが交互に通過する。この結果、センサ23内を流れる磁束の方向が変化し、このセンサ23の出力が変化する。このようにしてセンサ23の出力が変化する周波数は、車輪の回転数に比例する。従って、センサ23の出力を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
ところで、本実施形態においては、振動発電機(発電機構)100の発電電力を回転速度検出装置(回転検出機構)3の電源として利用するようになっている。具体的には、振動発電機100は、図2の(a)に詳しく示すように、発電機の外枠102に固定されたバネ108により支えられた永久磁石の磁芯104がコイル106の中で往復動することで発電する。すなわち、コイル106内に永久磁石から成る振動体をバネ系によって往復動自在に支持するとともに、コイル106の両端に起電力が得られるように構成し、車両の振動によって往復動する磁石の運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換し得るようになっている。具体的には、振動発電機100に振動が加わって磁芯104がコイル106の中で往復動すると、コイル106に起電力が発生し、それに伴う電圧vをコイル106に接続された導線110を介して電源回路150(発電機100の発電電力を回転速度検出装置3の電源として利用するための電源回路)に供給することによりセンサ3を駆動させる駆動電圧Vを得る(図2の(b)参照)。
磁芯104を支えるバネ108は、磁芯104の一側のみを支えるものであっても良いが、複雑なガイド無しに磁芯104の往復動を一定の位置で行なわせるためには、図示のように磁芯104の両端部をバネ108で支えることが好ましい。このような振動発電機100は、以下の理由で、磁芯104が上下に往復動自在な方向に取り付けると良い。
(1)磁芯104が上下以外に往復動自在な方向に取り付けると、重力の影響を受け、磁芯104をコイル106内の適切な位置に保持しつつ動かすことが難しくなる。言い換えれば、重力の影響を排除し、磁芯104をコイル106内の適切な位置に保持するための機構が必要となる。
(2)路面の振動は、上下の振動が主成分になるため、上下方向往復動自在な方向に設けることが発電効率が良くなる。
以上の理由から、本実施形態において、振動発電機100は、磁芯104が上下に往復動自在な方向で、静止綸である車輪支持用軸受ユニット1の外輪4の表面に対して取り付けられている(図1および図2参照)。
また、この振動発電機100は、路面の振動で発電しようとするものであるから、バネ上(サスペンションスプリングの上に載っている部分(シャーシ、車体、エンジンなど))である車体に取り付けても発電量は大きくならない。そのため、バネ下荷重(ホイールやタイヤ、車輪など、サスペンションスプリングの下にある部分の荷重)となる部分に取り付けるべきである。本実施形態では、軸受に取り付いているナックル(外輪4は、懸架装置を構成するナックルに固定される)などに振動発電機100を取り付けても良い。
また、本実施形態においては、バネ下の固有振動数よりも振動発電機100の磁芯104の固有振動数を高くし、バネ下の共振点以上の周波数においても磁芯104の大きな振動が継続するようにすると良い。すなわち、振動発電機100が錘を成す磁芯104とバネ108との振動系と考えた場合、この振動系の固有振動数は、車輪支持用軸受ユニット1が搭載される車両のバネ下の固有振動数よりも高いことが好ましい。また、固有振動数の異なる複数の発電機構を備えれば、より広範な振動条件=走行条件でより効率的な発電が可能になる。
以上説明したように、本実施形態では、バネ108で支えられた永久磁石から成る磁芯104がコイル106の中で往復動することにより発電する振動発電機100を設け、その振動発電機100の発電電力を回転速度検出装置3の電源として利用しているため、すなわち、車両の振動をエネルギ源として回転速度検出装置3の駆動に使用することが可能となるため、車両エンジンの駆動力を損なうことなく電力を発電して、その電力を回転速度検出装置3の電源として利用でき、省エネルギを図ることができる。一般に凹凸の多い路面上での走行では燃費が落ち、駆動力が振動に無駄に消費されるが、本構成によってその振動ロスを少しでも回収できるため非常に有益である。
また、本実施形態において、振動発電機100は、磁芯104が上下に往復動自在な方向で、静止綸である車輪支持用軸受ユニット1の外輪4の表面に対して取り付けられている。そのため、車両の上下振動をエネルギ源として回転速度検出装置3の駆動に使用できる。したがって、車両の振動を効果的且つ効率的に電力に変換できる。
また、本実施形態では、振動発電機100の振動系の固有振動数が車両のバネ下の固有振動数よりも高くなっている。そのため、バネ下の共振点以上の周波数においても磁芯104の大きな振動を継続して得ることができる。
図3は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態の特徴は、回転輪であるハブ5および内輪6の回転速度を検出し、その検出値を表す信号を、車体側に設けた制御器36に、ワイヤレスで送信する点にある。懸架装置に対して車輪を支持するための転がり軸受ユニット部分の構造及び作用に関しては、前述の図1に示した構造と同様であるから、説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
ハブ5の内端部に形成した段部10に外嵌した状態でナット15によりこのハブ5に対し抑え付けられ、このハブ5と共に回転輪を構成する内輪6の内端部に、エンコーダ19を外嵌固定している。本実施形態の場合にこのエンコーダ19は、前述の図1に示した構造と同様に、磁性金属板製の支持環20の内側面に永久磁石21を添設して成る。エンコーダ19の被検出面であるこの永久磁石21の内側面には、S極とN極とが交互に且つ等間隔で配置されている。ただし、このエンコーダ19は、磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させたものであれば良く、例えば、磁性金属板に多数の透孔を形成したエンコーダ19a、あるいは、図示しないが内側面に歯車状の凹凸を形成した磁性金属材製のエンコーダであっても良い。この場合に、エンコーダの性状の相違に伴って、後述する回転検出センサ40の構成を変える必要がある。すなわち、永久磁石21を有するエンコーダ19を使用する場合には、回転検出センサ40に永久磁石を組み込む必要はないが、単なる磁性材製のエンコーダ19aを使用する場合には、センサ側に、磁束の発生源となる永久磁石を組み込む事が必要である。
一方、静止輪である外輪4の内端開口部に、鋼板等の磁性金属板を塑性変形させて有底円筒状に形成して成るカバー16aの開口端部を嵌着し、内端開口部を塞いでいる。すなわち、このカバー16aは、軸方向中間部に外向フランジ状の鍔部37を形成した円筒部38と、この円筒部38の内端開口部を塞ぐ底板部39とから成る。そして、この底板部39の一部で、エンコーダ19の被検出面と対向する部分に形成した通孔41に、カバー16aとの間を隙間なく密封した状態で、センサユニット42の先端部を挿入している。なお、センサユニット42の駆動力は、第1の実施形態と同様に、振動発電機100から得ている。
このセンサユニット42は、合成樹脂製のホルダ43内に、回転検出センサ40の他、処理回路44と送信回路45とを包埋支持すると共に、内端面に送信側のアンテナ46を設置して成る。このうちの処理回路44は、回転検出センサ40の検出信号の一部を処理して直流を得るための整流平滑回路である。すなわち、処理回路44は、エンコーダ19の回転に伴って回転検出センサ40から出る正弦波状の出力信号(交流信号)のうちの一部を整流して、送信回路45を動作させるための直流を得る。つまり、本実施形態の場合、センサユニット42と車体側に設けた制御器との間の通信は、ワイヤレスで行なうことを前提としている。また、センサユニット42側に電池を設置することも可能である。ただし、本実施形態の場合には、回転検出センサ40として、磁性材製のポールピース48の周囲にコイル49を巻回した、パッシブ型のものを使用している。このコイル49には、ポールピース48内を流れる磁束量の変化に伴って電圧が惹起されるが、この電圧は、エンコーダ19の回転速度に比例した周波数で変化する交流となる。そこで、回転検出センサ40の出力信号であるこの交流の一部を、処理回路44により処理し、前記直流を得る。このようにして得た直流は、送信回路45に送り込んで、この送信回路45を動作させるための電源として利用している。即ち、本実施形態の場合には、上記回転検出センサ40は、車輪の回転速度を知るための信号を得るセンサとしての機能の他、送信回路45を動作させる電力を供給するための発電機としての機能を有する。無論、振動発電機100の発電電力を直接に送信回路45の動作に利用しても良い。
なお、整流平滑回路である処理回路44にはコンデンサが内蔵されているため、車輪の回転速度が低下し、発電量が低下した場合でも、電力の供給を短時間の間行なうことが可能であるため、従来のパッシブ型の回転検出センサよりも低速回転の検出も可能になる。更に、コンデンサを大容量にしたり、二次電池を併用することにより、発電量が低下した場合でも電力の供給時間を延ばすことも可能である。電池を使用する場合には寿命確保の面で問題を生じる可能性があるが、発電機としての機能を備えたパッシブ型の回転検出センサ40を組み込んだ本実施形態の構造は、耐久性確保の面から、より好ましい構造である。
また、回転検出センサ40の出力信号の残部は、処理回路44を介することなく、直接送信回路45に送り込んでいる。そして、この送信回路45は、回転検出センサ40の出力信号で搬送波を、変調器により変調して、無線送信可能な被変調波とする。そして、送信側のアンテナ46は、この被変調波を、車体側に設けた制御器36に通じる、受信側のアンテナ47に送信する。このアンテナ47の受信信号は、制御器36に設けた復調器52により復調して回転速度を表す信号に復帰させ、ABSやTCSの制御に利用する。送信側のアンテナ46は、カバー16aの外部に露出した合成樹脂製のホルダ43の内端面に支持している。このため、アンテナ46から送信される電波が、電波をシールドする金属部材であるSPCC等の鋼板により造られたカバー16aにより遮蔽(シールド)されることはなく、また、アンテナ46とカバー16aとは絶縁された状態となる。この結果、このアンテナ46から受信側のアンテナ47への送信は効率良く行なわれる。
なお、アンテナ46から出る磁界強度(送信電波の強度)は、このアンテナ46から3m離れた部分で35μV/m以下に抑えている。この理由は、限られた周波数帯域で混信を防止するためである。すなわち、電波法による規制を受けない微弱な電波を使用するにしても、コストや効率を考慮した場合、使用できる周波数帯域は限られる。そして、この限られた周波数帯域を利用して、1台の自動車に組み込まれる4組の回転速度検出装置同士の間での混信を防止する他、隣り合って走行する可能性のある他の自動車に組み込まれた回転速度検出装置との間での混信を防止する必要がある。1台の自動車に組み込まれる4組の回転速度検出装置同士の間での混信防止は、これら4組の回転速度検出装置に関する電波の搬送波の周波数を変えることで対応できるが、他の自動車との間での混信防止は、(どの様な周波数を利用した自動車が近くに来るか分からないので)周波数を変えることでは対応し切れない。従って、アンテナ46から送り出される電波の到達距離を短くして、アンテナ46から送り出された電波が、近くを走る他の自動車の受信側のアンテナ47にまで到達しないようにする必要がある。このような点を考慮して、本実施形態の場合には、前記磁界強度をアンテナ46から3m離れた部分で35μV/m以下に抑え、近くを走行する他の自動車との間での混信防止を図っている。
また、処理回路44および送信回路45は、IC化したもの(ICパッケージ又はICベアチップ)を使用し、それぞれのICチップをホルダ43内に、このホルダ43の射出成形時に包埋支持する。回転検出センサ40と、処理回路44と、送信回路45と、アンテナ46とは、ホルダ43の射出成形に先立って結線して(導通させて)おく。従って、センサユニット42の構成各部材40、44、45、46は、ホルダ43を構成する合成樹脂により覆われて密封された状態となって、水密保持が確実に図られる。また、センサユニット42の先半部(図3の左半部)およびエンコーダ19は、カバー16aにより外部と遮蔽された密閉空間50内に配置されている。従って、エンコーダ19を構成する永久磁石21に磁性材製の異物が付着して回転速度検出の精度が悪化する等の不都合の発生を有効に防止できる。
これに対して、センサユニット42の基端部(図3の右端部)はカバー16aの底板部39に対して密閉空間50外に設置している。そして、処理回路44および送信回路45は、センサユニット42の基端部内に包埋支持している。従って、これら処理回路44および送信回路45部分の温度上昇は限られたものとなり、耐熱性確保が難しい電気部品である、これら処理回路44および送信回路45の耐久性確保が容易になる。
以上のように、本実施形態では、回転検出センサによって検出される速度信号を無線によって車体側に伝送する無線伝送手段が設けられているため、車輪支持用軸受ユニット1と車体との間に電源配線や信号配線を設ける必要がなくなる。そのため、断線のない信頼性の高い制御が行える。
本発明の第1の実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットの要部断面図である。 (a)は振動発電機の概略構成図であり、(b)は振動発電機の発電電力をセンサに供給するための給電系の概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットの要部断面図である。
符号の説明
1 車輪支持用軸受ユニット
3 回転速度検出装置(回転検出機構)
4 外輪(静止輪)
6 内輪(回転輪)
19 エンコーダ
23 センサ(回転検出センサ)
45 送信回路(無線伝送手段)
100 振動発電機(発電機構)
104 磁芯
106 コイル
108 バネ
150 電源回路

Claims (4)

  1. 車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、この車輪の回転状態を検出することができる車輪支持用軸受ユニットであって、懸架装置側に取り付けられる静止輪と、車輪側に取り付けられる回転輪とを備える車輪支持用軸受ユニットにおいて、
    バネで支えられた永久磁石から成る磁芯がコイルの中で往復動することにより発電する発電機構と、
    前記静止輪に取り付けられる回転検出センサと、前記回転輪に取り付けられるエンコーダとから成る回転検出機構と、
    前記発電機構の発電電力を前記回転検出機構の電源として利用するための電源回路と、
    を備えることを特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
  2. 前記回転検出センサによって検出される速度信号を無線によって車体側に伝送する無線伝送手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車輪支持用軸受ユニット。
  3. 前記発電機構は、前記磁芯が上下に往復動自在な方向で、静止綸である車輪支持用軸受ユニットの外輪の表面に対して取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車輪支持用軸受ユニット。
  4. 前記発電機構は、錘を成す前記磁芯とバネとの振動系から成り、
    前記振動系の固有振動数は、車輪支持用軸受ユニットが搭載される車両のバネ下の固有振動数よりも高いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車輪支持用軸受ユニット。
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