JP2003121454A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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JP2003121454A JP2001320629A JP2001320629A JP2003121454A JP 2003121454 A JP2003121454 A JP 2003121454A JP 2001320629 A JP2001320629 A JP 2001320629A JP 2001320629 A JP2001320629 A JP 2001320629A JP 2003121454 A JP2003121454 A JP 2003121454A
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郁紀 坂谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転検出センサ40の信号を制御器36側に
ワイヤレス送信する構造で、部品管理、組み付け作業を
簡略化して、より一層のコスト低減及び軽量化を図る。 【解決手段】 上記回転検出センサ40を、処理回路4
4、送信回路45、アンテナ46と共に、単一のホルダ
43に保持する。このうちの処理回路44は、上記回転
検出センサ40が惹起した交流信号の一部を整流して、
上記送信回路45の動作に必要な直流を得る。上記回転
検出センサ40と、処理回路44と、送信回路45と、
アンテナ46とを、一体のセンサユニット42として取
り扱えるので、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置
に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速
度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。
又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラク
ションコントロールシステム(TCS)を制御する為に
は、上記車輪の回転速度を検出する必要がある。この
為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み
込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、
上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共
に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行な
われる様になっている。
【0003】この様な目的で使用される回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットとして、特開平11−2359
6号公報には、図8〜9に示す様な構造が記載されてい
る。先ず、図8に示した、従来構造の第1例の回転速度
検出装置付転がり軸受ユニット1は、転がり軸受ユニッ
ト2に回転速度検出装置3を組み込んで成る。このうち
の転がり軸受ユニット2は、静止輪である外輪4の内径
側に、回転輪であるハブ5及び内輪6を回転自在に支持
して成る。このハブ5の外端部(車両への組み付け状態
で幅方向外側となる端部を言い、各図の左端部。本明細
書全体で同じ。)の外周面には車輪を取り付ける為の第
一のフランジ7を、中間部外周面には第一の内輪軌道8
を、それぞれ設けている。又、上記内輪6は、その外周
面に第二の内輪軌道9を有し、上記ハブ5の内端寄り部
分に形成され、上記第一の内輪軌道8を設けた部分より
も外径寸法が小さくなった、段部10に外嵌している。
又、上記外輪4の内周面に、上記第一の内輪軌道8に対
向する第一の外輪軌道11及び上記第二の内輪軌道9に
対向する第二の外輪軌道12を、外周面に上記外輪4を
懸架装置に支持する為の第二のフランジ13を、それぞ
れ形成している。そして、上記第一、第二の内輪軌道
8、9と上記第一、第二の外輪軌道11、12との間
に、それぞれ複数個ずつの転動体14、14を設け、上
記外輪4の内径側に上記ハブ5及び内輪6を回転自在に
支持している。尚、上記内輪6を上記段部10に外嵌し
た状態で、上記ハブ5の内端部に形成した雄ねじ部にナ
ット15を螺合して、上記内輪6を抑え付け、この内輪
6と上記ハブ5との分離防止を図っている。
【0004】又、上記外輪4の内端(図8の右端)開口
部は、カバー16により塞いでいる。このカバー16
は、合成樹脂を射出成形して成る有底円筒状の本体17
と、この本体17の開口部に結合した金属板製の嵌合筒
18とから成る。この嵌合筒18は、その基端部を上記
本体17の射出成形時にモールドする事により、この本
体17の開口部に結合している。この様に構成するカバ
ー16は、上記嵌合筒18の先半部(図8の左半部)を
上記外輪4の内端部に、締まり嵌めで外嵌固定する事に
より、この外輪4の内端開口部を塞いでいる。
【0005】一方、前記回転速度検出装置を構成する
為、前記ハブ5の内端部に外嵌固定した内輪6の内端部
外周面で前記第二の内輪軌道9から外れた部分に、エン
コーダ19を外嵌固定している。このエンコーダ19
は、支持環20と永久磁石21とから成る。このうちの
支持環20は、SPCC等の磁性金属板を折り曲げる事
により、断面L字形で全体を円環状に形成し、上記内輪
6の内端部に締まり嵌めで外嵌固定している。又、上記
永久磁石21は、例えばフェライト粉末を混入したゴム
を上記支持環20を構成する円輪部の内側面に、焼き付
け等により添着して成る。この永久磁石21は、例えば
軸方向(図8の左右方向)に着磁すると共に、着磁方向
を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させている。
従って、被検出部である、上記エンコーダ19の内側面
には、S極とN極とが円周方向に亙り交互に且つ等間隔
で配置されている。
【0006】又、上記カバー16を構成する本体17の
一部で上記エンコーダ19を構成する永久磁石21の内
側面と対向する部分には、挿入孔22を、上記本体17
を貫通させる状態で、上記カバー16の軸方向に亙り形
成している。そして、この挿入孔22内に、センサ23
を挿入している。このセンサ23は、ホール素子、磁気
抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性
を変化させる磁気検出素子並びにこの磁気検出素子の出
力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだICと、
上記永久磁石21から出る(或は上記永久磁石21に流
れ込む)磁束を上記磁気検出素子に導く為の、磁性材製
のポールピース等とを、合成樹脂中に包埋して成る。
【0007】この様なセンサ23は、先端(図8の左
端)寄り部分に設けられ、上記挿入孔22をがたつきな
く挿通自在な円柱状の挿入部24と、この挿入部24の
基端部(図8の右端部)に形成した、外向フランジ状の
鍔部25とを備える。上記挿入部24の中間部外周面に
は係止溝を形成すると共に、この係止溝にOリング26
を係止している。
【0008】一方、上記カバー16の外面(このカバー
16により塞ぐべき、転動体14、14を設置した空間
27と反対側の側面で、図8の右側面)の一部で、上記
挿入孔22の開口周囲部分には、係止筒28を設けてい
る。上記センサ23は、上記挿入部24をこの係止筒2
8内に挿入し、上記鍔部25をこの係止筒28の先端面
に突き当てた状態で、係止ばね29により、この係止筒
28に結合支持する。尚、この様な係止ばね29による
結合支持構造に就いては、前記特開平11−23596
号公報に詳しく記載されており、又、本発明の要旨とも
関係しないので、詳しい図示並びに説明は省略する。
【0009】上述の様な回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットの使用時には、前記外輪4の外周面に固設した
第二のフランジ13を懸架装置に対して、図示しないボ
ルトにより結合固定すると共に、前記ハブ5の外周面に
固設した第一のフランジ7に車輪を、この第一のフラン
ジ7に設けたスタッド30により固定する事で、上記懸
架装置に対して上記車輪を回転自在に支持する。この状
態で車輪が回転すると、上記センサ23の検出部の端面
近傍を、前記永久磁石21の内側面に存在するN極とS
極とが交互に通過する。この結果、上記センサ23内を
流れる磁束の方向が変化し、このセンサ23の出力が変
化する。この様にしてセンサ23の出力が変化する周波
数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、上記セン
サ23の出力を図示しない制御器に送れば、ABSやT
CSを適切に制御できる。
【0010】又、図9に示す、前記特開平11−235
96号公報に記載された従来構造の第2例の場合には、
ハブ5aの内端部に円筒部31を形成し、この円筒部3
1の先端部で内輪6の内端面から突出した部分を直径方
向外方にかしめ広げる事によりかしめ部34を形成し、
このかしめ部34により上記内輪6を上記ハブ5aに対
し結合固定している。この様な構造を採用すれば、前述
の図8に示した従来構造の第1例の様に、ナット15に
より内輪6をハブ5に対し結合固定する構造に比べて、
部品点数の減少と組立の手間の軽減とにより、コスト削
減を図れる。尚、図9に示した従来構造の第2例の場
合、カバー16の本体17に設けた係止筒28にセンサ
23aを、係止ばね29aにより結合支持する部分の構
造が、上述した第1例の場合と相違する。但し、この様
な係止ばね29aによる結合支持構造も、前記特開平1
1−23596号公報に詳しく記載されており、又、本
発明の要旨とも関係しないので、詳しい図示並びに説明
は省略する。又、上記第2例の構造の場合には、エンコ
ーダ19aも、上述した第1例の場合と相違している。
即ち、本例のエンコーダ19aは、軟鋼板等の磁性金属
板を折り曲げ形成する事により、断面形状を、円輪部3
2を有するL字形とすると共に、全体を円環状に形成し
ている。そして、この円輪部32に複数の透孔33を放
射状に形成して、この円輪部32の磁気特性を、円周方
向に亙り、交互に且つ等間隔に変化させている。これに
合わせて、上記センサ23aの内部構造も、前述した第
1例の場合と異ならせている。
【0011】上述の図8〜9に示した従来構造は、何れ
もセンサ23、23aの検出信号を、ハーネス35によ
り、車体側に設けた制御器に送る様にしている。これに
対して特開2001−151090号公報には、回転速
度検出センサの検出信号を、ワイヤレス送信により車体
側に設けた制御器に送る構造が記載されている。即ち、
回転速度検出センサに隣接する状態で、静止輪である外
輪の外周面に、上記検出信号をワイヤレス送信する為の
送信部を設け、この検出信号を送る為のハーネスを不要
にしている。そして、この様な構成により、飛び石等に
よるハーネスの断線に基づく故障を防止すると共に、こ
のハーネス自体及びその配線作業を省略し、軽量化及び
コスト低減を図れる様にしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開2001
−151090号公報に記載された従来構造の場合に
は、回転速度検出センサと送信部とを別体として、これ
ら回転速度検出センサと送信部とを、それぞれ外輪に対
し支持固定する様にしていた。この為、部品管理や組み
付け作業が面倒になる事に加えて、それぞれ取り付け用
ブラケットが必要になる等、十分なコスト及び重量の低
減を図る面からは、改良すべき点がある。本発明の回転
速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この様な事情に
鑑みて発明したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した、従来から知られ
ている回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様
に、転がり軸受ユニットと回転速度検出装置とを組み合
わせて成る。このうちの転がり軸受ユニットは、懸架装
置に支持した状態で回転しない静止輪と、車輪を結合固
定した状態で回転する回転輪と、これら静止輪と回転輪
との互いに対向する周面同士の間に設けられた複数個の
転動体とから成る。又、上記回転速度検出装置は、上記
回転輪と共に回転する部分に、この回転輪と同心に支持
された、被検出部の特性を円周方向に関して交互に変化
させたエンコーダと、この被検出部に検出部を対向させ
た状態で回転しない部分に支持された回転検出センサと
を備える。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットに於いては、上記回転検出センサの検出信号
をワイヤレス送信する為の送信回路を、上記回転検出セ
ンサと共に単一のホルダ内に保持してセンサユニットと
している。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対し車輪を回
転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出す
る作用は、前述の図8〜9に示した従来構造の場合と同
様である。又、検出信号をワイヤレス送信する事によ
り、飛び石等によるハーネスの断線に基づく故障を防止
すると共に、このハーネス自体及びその配線作業を省略
し、軽量化及びコスト低減を図れる点は、前述した特開
2001−151090号公報に記載された従来構造の
場合と同様である。特に、本発明の回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットの場合には、回転検出センサと、こ
の回転検出センサが検出した検出信号をワイヤレス送信
する為の送信回路を、単一のホルダ内に保持してセンサ
ユニットとしている為、部品管理や組み付け作業を容易
にする他、取り付け用のブラケット等を少なくできて、
コスト及び重量の低減を図り易くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、回転輪で
あるハブ5及び内輪6の回転速度を検出し、その検出値
を表す信号を、車体側に設けた制御器36に、ワイヤレ
スで送信する点にある。懸架装置に対して車輪を支持す
る為の転がり軸受ユニット部分の構造及び作用に関して
は、前述の図8に示した従来構造の第1例を含め、従来
から一般的に知られた構造と同様であるから、説明を省
略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に
説明する。
【0016】ハブ5の内端部に形成した段部10に外嵌
した状態でナット15によりこのハブ5に対し抑え付け
られ、このハブ5と共に回転輪を構成する内輪6の内端
部に、エンコーダ19を外嵌固定している。本例の場合
にこのエンコーダ19は、前述の図8に示した従来構造
の第1例の場合と同様に、磁性金属板製の支持環20の
内側面に永久磁石21を添設して成る。上記エンコーダ
19の被検出面である、この永久磁石21の内側面に
は、S極とN極とが、交互に且つ等間隔で配置されてい
る。但し、このエンコーダ19は、磁気特性を円周方向
に関して交互に且つ等間隔で変化させたものであれば良
く、例えば前述の図9に示した従来構造の第2例の様
に、磁性金属板に多数の透孔を形成したエンコーダ19
a、或は、図示はしないが、内側面に歯車状の凹凸を形
成した磁性金属材製のエンコーダであっても良い。この
場合に、エンコーダの性状の相違に伴って、後述する回
転検出センサ40の構成を変える必要がある。即ち、永
久磁石21を有するエンコーダ19を使用する場合に
は、回転検出センサ40に永久磁石を組み込む必要はな
いが、単なる磁性材製のエンコーダ19aを使用する場
合には、センサ側に、磁束の発生源となる永久磁石を組
み込む事が必要である。
【0017】一方、静止輪である外輪4の内端開口部
に、鋼板等の磁性金属板を塑性変形させて有底円筒状に
形成して成るカバー16aの開口端部を嵌着し、上記内
端開口部を塞いでいる。即ち、このカバー16aは、軸
方向中間部に外向フランジ状の鍔部37を形成した円筒
部38と、この円筒部38の内端開口部を塞ぐ底板部3
9とから成る。そして、この底板部39の一部で、上記
エンコーダ19の被検出面と対向する部分に形成した通
孔41に、上記カバー16aとの間を隙間なく密封した
状態で、センサユニット42の先端部を挿入している。
【0018】このセンサユニット42は、合成樹脂製の
ホルダ43内に、上記回転検出センサ40の他、処理回
路44と送信回路45とを包埋支持すると共に、内端面
に送信側のアンテナ46を設置して成る。このうちの処
理回路44は、上記回転検出センサ40の検出信号の一
部を処理して直流を得る為の整流平滑回路である。即
ち、上記処理回路44は、上記エンコーダ19の回転に
伴って上記回転検出センサ40から出る正弦波状の出力
信号(交流信号)のうちの一部を整流して、上記送信回
路45を動作させる為の直流を得る。何となれば、本発
明の場合、上記センサユニット42と車体側に設けた制
御器との間の通信は、ワイヤレスで行なう事を前提とし
ている。又、上記センサユニット42側に電池を設置す
る事も可能である。但し、本例の場合には、上記回転検
出センサ40として、磁性材製のポールピース48の周
囲にコイル49を巻回した、パッシブ型のものを使用し
ている。このコイル49には、上記ポールピース48内
を流れる磁束量の変化に伴って電圧が惹起されるが、こ
の電圧は、上記エンコーダ19の回転速度に比例した周
波数で変化する交流となる。そこで、上記回転検出セン
サ40の出力信号であるこの交流の一部を、上記処理回
路44により処理し、上記直流を得る。この様にして得
た直流は、上記送信回路45に送り込んで、この送信回
路45を動作させる為の電源として利用している。即
ち、本例の場合には、上記回転検出センサ40は、車輪
の回転速度を知る為の信号を得るセンサとしての機能の
他、上記送信回路45を動作させる電力を供給する為の
発電機としての機能を有する。
【0019】尚、整流平滑回路である上記処理回路44
にはコンデンサが内蔵されている為、車輪の回転速度が
低下し、発電量が低下した場合でも、電力の供給を短時
間の間行なう事が可能である為、従来のパッシブ型の回
転検出センサよりも低速回転の検出も可能になる。更
に、コンデンサを大容量にしたり、二次電池を併用する
事により、発電量が低下した場合でも電力の供給時間を
延ばす事も可能である。電池を使用する場合には寿命確
保の面で問題を生じる可能性があるが、発電機としての
機能を備えたパッシブ型の回転検出センサ40を組み込
んだ本例の構造は、耐久性確保の面から、より好ましい
構造である。
【0020】又、上記回転検出センサ45の出力信号の
残部は、上記処理回路44を介する事なく、直接上記送
信回路45に送り込んでいる。そして、この送信回路4
5は、上記回転速度センサ40の出力信号で搬送波を、
変調器51により変調して、無線送信可能な被変調波と
する。そして、上記送信側のアンテナ46は、この被変
調波を、車体側に設けた制御器36に通じる、受信側の
アンテナ47に送信する。このアンテナ47の受信信号
は、上記制御器36に設けた復調器52により復調して
回転速度を表す信号に復帰させ、ABSやTCSの制御
に利用する。上記送信側のアンテナ46は、前記カバー
16aの外部に露出した、前記合成樹脂製のホルダ43
の内端面に支持している。この為、上記アンテナ46か
ら送信される電波が、電波をシールドする金属部材であ
る、SPCC等の鋼板により造られた上記カバー16a
により遮蔽(シールド)される事はなく、又、上記アン
テナ46と前記カバー16aとは絶縁された状態とな
る。この結果、このアンテナ46から上記受信側のアン
テナ47への送信は、効率良く行なわれる。
【0021】尚、上記アンテナ46から出る磁界強度
(送信電波の強度)は、このアンテナ46から3m離れ
た部分で35μV/m以下に抑えている。この理由は、
限られた周波数帯域で混信を防止する為である。即ち、
電波法による規制を受けない微弱な電波を使用するにし
ても、コストや効率を考慮した場合、使用できる周波数
帯域は限られる。そして、この限られた周波数帯域を利
用して、1台の自動車に組み込まれる4組の回転速度検
出装置同士の間での混信を防止する他、隣り合って走行
する可能性のある他の自動車に組み込まれた回転速度検
出装置との間での混信を防止する必要がある。1台の自
動車に組み込まれる4組の回転速度検出装置同士の間で
の混信防止は、これら4組の回転速度検出装置に関する
電波の搬送波の周波数を変える事で対応できるが、他の
自動車との間での混信防止は、(どの様な周波数を利用
した自動車が近くに来るか分からないので)周波数を変
える事では対応し切れない。従って、上記アンテナ46
から送り出される電波の到達距離を短くして、上記アン
テナ46から送り出された電波が、近くを走る他の自動
車の受信側のアンテナ47にまで到達しない様にする必
要がある。この様な点を考慮して、本例の場合には、上
記磁界強度を上記アンテナ46から3m離れた部分で3
5μV/m以下に抑え、近くを走行する他の自動車との
間での混信防止を図っている。
【0022】又、上記処理回路44及び送信回路45
は、IC化したもの(ICパッケージ又はICベアチッ
プ)を使用し、それぞれのICチップを上記ホルダ43
内に、このホルダ43の射出成形時に包埋支持する。上
記回転検出センサ40と、処理回路44と、送信回路4
5と、アンテナ46とは、上記ホルダ43の射出成形に
先立って結線して(導通させて)おく。従って、上記セ
ンサユニット42の構成各部材40、44、45、46
は、上記ホルダ43を構成する合成樹脂により覆われて
密封された状態となって、水密保持が確実に図られる。
又、上記センサユニット42の先半部(図1の左半部)
及び前記エンコーダ19は、上記カバー16により外部
と遮蔽された密閉空間50内に配置されている。従っ
て、上記エンコーダ19を構成する永久磁石21に磁性
材製の異物が付着して回転速度検出の精度が悪化する等
の不都合の発生を有効に防止できる。
【0023】これに対して、上記センサユニット42の
基端部(図1の右端部)は上記カバー16aの底板部3
9に対し、上記密閉空間50外に設置している。そし
て、上記処理回路44及び送信回路45は、上記センサ
ユニット42の基端部内に包埋支持している。従って、
これら処理回路44及び送信回路45部分の温度上昇は
限られたものとなり、耐熱性確保が難しい電気部品であ
る、これら処理回路44及び送信回路45の耐久性確保
が容易になる。
【0024】特に、本例の様に、転がり軸受ユニット2
の内端部に上記センサユニット42を取り付ける構造
は、後述の図6に示す第5例の構造の様に、転がり軸受
ユニット2の軸方向中央部にセンサユニットを取り付け
る構造と比較すると、上記センサユニット42の位置
が、上記転がり軸受ユニット2の径方向外側に配置され
ていて発熱源となる、図示しない制動装置から上記セン
サユニット42までの距離が大きくなる。この為、この
センサユニット42の使用環境温度を低く抑える事がで
きて、このセンサユニット42に組み込んだ電気部品の
耐久性確保を図り易くなる。
【0025】又、本例の場合には、上記処理回路44及
び送信回路45を、上記センサユニット42の内端部
で、前記カバー16aの外部で上記底板部39の軸方向
内側面部分に設けている為、このカバー16aとして、
従来のパッシブ型の回転検出センサを装着していたカバ
ーに変更を加える事なく、そのまま本例の構造を構成す
るセンサユニット42を取り付ける事ができる。
【0026】又、本例の場合には、上記センサユニット
42を上記カバー16aの底板部39に形成した通孔4
1に、軸方向から挿入しているが、本例の構造とは別
に、上記センサユニット42を上記カバー16aの円筒
部38に形成した通孔(図示せず)に半径方向から挿入
する事もできる。この場合には、エンコーダを円筒形状
として外周面にS極とN極とを円周方向に亙って交互に
配置し、このエンコーダの外周面の磁極変化を、この外
周面に対し半径方向に対向させた回転検出センサにより
検出する。
【0027】尚、本例の場合には、回転検出センサ40
としてパッシブ型のものを使用し、この回転検出センサ
40に発電機能を持たせている。これに対して、本例の
構造に、上記パッシブ型のセンサに加えてアクティブ型
の回転検出センサを付加して、このアクティブ型の回転
検出センサをセンサユニットに内蔵し、上記パッシブ型
のセンサの発電機能のみを利用する、即ち、回転検出は
アクティブ型のセンサにより行ない、パッシブ型のセン
サは、このアクティブ型のセンサ及び送信回路45を動
作させる電力を得る為の発電装置として利用する事も可
能である。この場合に、処理回路44中に、大きな容量
を持つコンデンサや二次電池等を内蔵させ、発電された
電力を蓄える様にすれば、車輪の回転速度が低下し、上
記パッシブ型のセンサによる発電量が低下した場合で
も、上記アクティブ型のセンサが検出した回転速度を表
す信号を送信できる為、より低速回転の速度検出も可能
である。
【0028】上述の様に構成する本例の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットによれば、検出信号をワイヤレ
ス送信する事により、前述の図8〜9に示した従来構造
が備えているハーネス35を省略している。この為、飛
び石等によるハーネスの断線に基づく故障を防止すると
共に、このハーネス自体及びその配線作業を省略し、軽
量化及びコスト低減を図れる。この点は、前述した特開
2001−151090号公報に記載された従来構造の
場合と同様である。
【0029】特に、本例の回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットの場合には、前記回転検出センサ40と、こ
の回転検出センサ40が検出した検出信号をワイヤレス
送信する為の送信回路45と、この送信回路45を動作
せる直流を得る為の処理回路44とを、単一のホルダ4
3内に保持してセンサユニット42としている為、部品
管理や組み付け作業を容易にする他、取り付け用ブラケ
ットを少なくできて、コスト及び重量の低減を図り易く
なる。即ち、上記特開2001−151090号公報に
記載された従来構造の場合に互いに別体としていた上記
各部品40、44、45を、上記単一のホルダ43内に
包埋支持して上記センサユニット42とし、一体的に取
り扱える様にしている。従って、このセンサユニット4
2を前記カバー16aの底板部39に装着するだけで、
上記各部品40、44、45の取り付け作業が完了す
る。この為、上述の様に、コスト及び重量の低減を図れ
る。尚、上述の実施の形態では、センサユニット側から
制御器側への信号伝達を無線通信により行なう場合に就
いて説明したが、この部分で行なうワイヤレス通信とし
ては、ワイヤレスの光通信(赤外線、レーザ光を含
む)、超音波通信を採用する事もできる。
【0030】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、円筒状のエンコーダ
19bと、円環状の回転検出センサ40aとを使用して
いる。このうちのエンコーダ19bは、鋼板等の磁性金
属板を円筒状に形成し、軸方向内半部に、それぞれが軸
方向に長いスリット状の透孔33a、33aを、円周方
向に関して等間隔に、多数形成している。この様なエン
コーダ19bは、内輪6の内端部に締り嵌めで外嵌固定
して、この内輪6を含む回転輪と共に回転する様にして
いる。
【0031】一方、センサユニット42aを構成するパ
ッシブ型の回転検出センサ40aは、全体を円環状に形
成しており、ホルダ43aの一部に包埋してカバー16
aを構成する円筒部38の内周面に保持した状態で、上
記エンコーダ19bの内半部の周囲に、このエンコーダ
19bと同心に配置している。上記カバー16aの底板
部39に形成した通孔41と上記センサユニット42a
との間は隙間なく密封された状態で、このセンサユニッ
ト42aが上記カバー16aに固定されている。上記円
環状の回転速度検出センサ40aの構造は、多数の公報
に記載されると共に、実際に使用されて周知である為、
簡単に説明する。上記回転検出センサ40aは、それぞ
れが円環状である、磁性材製のヨークと、永久磁石と、
コイルとを備える。そして、内歯車状の凹凸が形成され
た、このヨークの内周縁部を、上記エンコーダ19bの
内半部外周面に近接対向させている。
【0032】この様な回転検出センサ40aの場合、上
記エンコーダ19bの回転に伴って上記ヨークに交番磁
束が流れ、上記コイルに交流が惹起される。この様に、
コイルに惹起された交流により上記回転輪の回転速度を
検出する事自体は、前述した第1例の場合と同様であ
る。特に、本例の場合には、上記回転検出センサ40a
が円環状である分、上記コイルに惹起される交流の強度
(電圧及び電流)が強くなり、上記回転速度検出の信頼
性向上を図れる他、送信回路45を動作させる為の電力
も十分に得られる。その他の構成及び作用は、前述した
第1例とほぼ同様であるから、同等部分には同一符号を
付して、重複する説明は省略する。
【0033】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、エンコーダ19とし
て、前述した第1例の場合と同様に、永久磁石21を組
み込んだものを使用している。但し、本例の場合には、
上記エンコーダ19と組み合わされて回転速度検出装置
を構成する回転検出センサ40bとして、アクティブ型
のものを使用している。このアクティブ型の回転検出セ
ンサ40bは、磁束の変化(方向又は量)に対応して特
性を変化させるホール素子或は磁気抵抗素子等の磁気検
出素子と、この磁気検出素子の出力波形を処理する(正
弦波を矩形波にする)波形処理回路とをICチップ化し
たものである。従って、上記回転検出センサ40bから
の出力信号は、回転輪の回転速度に比例した周波数で変
化する矩形波となる。
【0034】この様なアクティブ型の回転検出センサ4
0bは、上記回転輪の回転速度に拘らず安定した出力を
得られる(パッシブ型の様に、回転速度が低い場合に出
力が低くなる事がない)為、低速時の回転速度検出の信
頼性向上を図れる。但し、上記アクティブ型の回転検出
センサ40bは、自身では発電しない上、検出信号を得
る為に電力が必要になる為、外部から電力を供給する必
要がある。本発明の場合、上記回転検出センサ40bを
含むセンサユニット42bと、車体側に設ける制御器5
2との間にはハーネスを設けない事を前提としている
為、上記電力供給もワイヤレスで行なう必要がある。
【0035】この為に本例の場合には、上記センサユニ
ット42bを構成するホルダ43bの基端部に、処理回
路44及び送信回路45に加えて、電力受信部53を設
け、車体側に、電力送信部54を設置している。この電
力送信部54は、上記回転検出センサ40b及び上記送
信回路45を動作させる為に必要な電力を、電磁結合、
ワイヤレスの光(赤外線、レーザ光を含む)、電波、超
音波等により、ワイヤレスで、上記電力受信部53に送
る。この様にして上記電力送信部54からこの電力受信
部53に送られる電力は、ワイヤレス給電を考慮した状
態となっている為、そのままでは上記回転検出センサ4
0b及び上記送信回路45を動作させる事ができない。
そこで、上記処理回路44により上記電力を(整流等に
より)上記回転検出センサ40b及び上記送信回路45
を動作させる為に適正な直流に変換して、これら回転検
出センサ40b及び送信回路45に送り込む。
【0036】尚、本例の場合には、前述した様に、電気
部品が低温環境下となる、転がり軸受ユニット2の内端
部に取り付いているだけでなく、上記ホルダ43bの基
端部外周面に放熱フィン55、55を設け、このホルダ
43bの基端部に包埋した上記各回路44、45、53
の温度上昇を抑え、これら各回路44、45、53の耐
久性確保を図っている。その他の構成及び作用は、前述
した第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一
符号を付して、重複する説明は省略する。
【0037】又、図4に示した第3例の構造を利用し
て、センサユニット42b側に、リチウム電池等の、小
型で長寿命の電池を組み込む事もできる。この場合に、
この電池を、回転検出センサ40b及び送信回路45
(処理回路44及び電力受信部53は不要になる)と共
に合成樹脂製のホルダ43b内に包埋すれば、部品管理
及び組み付け作業を容易に行なえる。この場合に処理回
路44は、上記電池の電圧を、送信回路45を動作させ
るのに適正な値にする役目を果たす。
【0038】次に、図5は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、静止輪である外輪4
の内端開口部を塞ぐカバー16bとして、合成樹脂製で
有底円筒状の本体17aの開口部に金属板製の嵌合筒1
8aをモールドしたものを使用している。特に本例の場
合には、ホルダとして機能する上記本体17a内に、環
状でパッシブ型の回転検出センサ40aと、処理回路4
4と、送信回路45とを包埋すると共に、上記本体17
aの底板部39aの軸方向内側面(上記カバー16bに
より覆われた密閉空間の外面)に、アンテナ46を添設
している。尚、上記回転検出センサ40aを設置する為
に、上記底板部39aの軸方向外側面に、内径側円筒部
56を形成し、この内径側円筒部56内に上記回転検出
センサ40aを包埋している。従って、本例の場合に
は、上記カバー16bを含む部分が、センサユニット4
2cとなる。言い換えれば、このセンサユニット42c
は、上記カバー16bを含んで構成している。一方、ハ
ブ5と共に回転輪を構成する内輪6の内端部に外嵌固定
したエンコーダ19cの被検出部である、軸方向内半部
は、上記本体17aを構成する円筒部38aの内周面と
上記内径側円筒部56の外周面との間に挿入している。
上記エンコーダ19cは、鋼板等の磁性金属板を、断面
クランク型で全体を略円筒状に形成し、軸方向内半部
に、それぞれが軸方向に長いスリット状の透孔33a、
33aを、円周方向に関して等間隔に、多数形成してい
る。
【0039】この様な本例の構造の場合も、上記アンテ
ナ46は、図5に破線αで示す、転がり軸受ユニット2
を構成する、電波をシールドする金属部材である鋼製部
材の包絡線に対して、この転がり軸受ユニット2外に配
置されている。従って、上記アンテナ46から車体側に
設けた受信側のアンテナ47への送信は、電波が転がり
軸受ユニットの構成部材に遮蔽(シールド)される事な
く、良好に行なわれる。又、本例の場合も、上述した各
例の場合と同様に、回転検出センサ40aとエンコーダ
19cとを、上記カバー16bにより覆われた密閉空間
内に配置しているので、これら回転検出センサ40aと
エンコーダ19cとから成る回転検出部に、路面から巻
き上げられた、磁性粉末等の異物が付着する事を防止し
て、回転検出の信頼性を長期間に亙って維持できる。そ
の他の構成及び作用は、前述の図3に示した第2例の場
合と同様であるから、重複する説明は省略する。
【0040】次に、図6は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。本例の場合には、静止輪である外輪4
の軸方向中間部で第一、第二の外輪軌道11、12の間
部分に取付孔57を、この外輪4を径方向に貫通する状
態で形成している。そして、この取付孔57に、前述の
図1に示した第1例に使用したのと同様の、パッシブ型
でスティック状のセンサユニット42を、径方向外方か
ら内方に挿入している。一方、内輪6と共に回転輪を構
成するハブ5の外周面の軸方向中間部で、第一の内輪軌
道8と段部10との間にエンコーダ19dを、締り嵌
め、或は接着により外嵌固定している。このエンコーダ
19dは、全体を円筒状に形成したもので、磁性材製の
支持環20aの外周面に永久磁石21aを添着して成
る。この永久磁石21aは、径方向に着磁されており、
着磁方向は円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化さ
せている。従って上記永久磁石21aの外周面には、円
周方向に亙ってS極とN極とが交互に、且つ、等間隔で
配置されている。
【0041】この様な本例の場合、回転速度を表す信号
を送信する為のアンテナ46は、上記外輪4の外周面よ
りも径方向外側、即ち、電波をシールドする金属部材に
より構成される転がり軸受ユニット2の包絡線外に存在
するので、上記アンテナ46から車体側に設けた受信側
のアンテナ47への送信は、良好に行なわれる。又、本
例の場合、回転検出センサ40とエンコーダ19dと
を、上記外輪4の軸方向外端部に装着したシールリング
58と、この外輪4の軸方向内端部に嵌合固定したカバ
ー16cとにより外部から遮蔽された密閉空間内に配置
しているので、上記回転検出センサ40とエンコーダ1
9dとから成る回転検出部に、路面から巻き上げられ
た、磁性粉末等の異物が付着する事を防止して、回転検
出の信頼性を長期間に亙って維持できる。その他の構成
及び作用は、前述の図1に示した第1例の場合と同様で
あるから、重複する説明は省略する。
【0042】次に、図7は、本発明の実施の形態の第6
例を示している。上述した各例が、本発明を従動輪用の
転がり軸受ユニットに関し適用しているのに対して、本
例の場合には、駆動輪用の転がり軸受ユニットに関し適
用している。この為に本例の場合には、内輪6と共に回
転輪を構成するハブ5aの中心部にスプライン孔59を
形成し、このスプライン孔59に、等速ジョイント60
に付属のスプライン軸を挿入自在としている。又、静止
輪である外輪4の内端部に内嵌固定したシールリング6
1により、複数の転動体14、14を設置した軸受空間
62の内端部を塞ぐと共に、上記外輪4の内端部に外嵌
したカバー63の内周縁に係止したシールリップ64を
上記等速ジョイント60の外周面に摺接させる事によ
り、このカバー63の内径側に存在する空間と外部空間
とを遮蔽している。
【0043】又、上記内輪6の内端部に、前述の図9に
示した従来構造の第2例の場合と同様のエンコーダ19
aを外嵌すると共に、上記カバー63の内径側にセンサ
ユニット42eを保持している。このセンサユニット4
2eは、ホルダ43c内に、環状でパッシブ型の回転検
出センサ40aと、処理回路44と、送信回路45とを
包埋すると共に、上記ホルダ43cの一部で通孔41を
通じて上記カバー53外に突出した部分に、アンテナ4
6を添設している。
【0044】この様な本例の構造の場合、このアンテナ
46は、転がり軸受ユニット2及び等速ジョイント60
を構成する、電波をシールドする金属部材である鋼製部
材及びカバー63の包絡線に対して、これら転がり軸受
ユニット2、等速ジョイント60及びカバー63外に配
置されている。従って、上記アンテナ46から車体側に
設けた受信側のアンテナ47への送信は、良好に行なわ
れる。又、本例の場合も、上述した各例の場合と同様
に、回転検出センサ40aとエンコーダ19aとを、上
記カバー63と上記シールリップ64とにより覆われた
密閉空間内に配置しているので、上記回転検出センサ4
0aとエンコーダ19aとから成る回転検出部に、路面
から巻き上げられた、磁性粉末等の異物が付着する事を
防止して、回転検出の信頼性を長期間に亙って維持でき
る。その他の構成及び作用は、前述の図3に示した第2
例及び図5に示した第4例の場合と同様であるから、重
複する説明は省略する。
【0045】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、
断線に伴う故障を防止できる構造で、コスト及び重量の
更なる低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】検出信号の伝達経路を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】同第4例を示す断面図。
【図6】同第5例を示す断面図。
【図7】同第6例を示す断面図。
【図8】従来構造の第1例を示す断面図。
【図9】同第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット 2 転がり軸受ユニット 3 回転速度検出装置 4 外輪 5、5a ハブ 6 内輪 7 第一のフランジ 8 第一の内輪軌道 9 第二の内輪軌道 10 段部 11 第一の外輪軌道 12 第二の外輪軌道 13 第二のフランジ 14 転動体 15 ナット 16、16a、16b、16c、16d カバー 17、17a 本体 18、18a 嵌合筒 19、19a、19b、19c、19d エンコーダ 20、20a 支持環 21、21a 永久磁石 22 挿入孔 23、23a、23b センサ 24 挿入部 25 鍔部 26 Oリング 27 空間 28 係止筒 29、29a 係止ばね 30 スタッド 31 円筒部 32 円輪部 33、33a 透孔 34 かしめ部 35 ハーネス 36 制御器 37 鍔部 38、38a 円筒部 39、39a 底板部 40、40a、40b 回転検出センサ 41 通孔 42、42a、42b、42c、42d、42e セン
サユニット 43、43a、43b、43c ホルダ 44 処理回路 45 送信回路 46 アンテナ 47 アンテナ 48 ポールピース 49 コイル 50 密閉空間 51 変調器 52 復調器 53 電力受信部 54 電力送信部 55 放熱フィン 56 内径側円筒部 57 取付孔 58 シールリング 59 スプライン孔 60 等速ジョイント 61 シールリング 62 軸受空間 63 カバー 64 シールリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 茂 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 2F073 AA35 AB02 AB12 BB02 BC02 CC01 EE11 FF02 GG04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸架装置に支持した状態で回転しない静
    止輪と、車輪を結合固定した状態で回転する回転輪と、
    これら静止輪と回転輪との互いに対向する周面同士の間
    に設けられた複数個の転動体と、このうちの回転輪と共
    に回転する部分に、この回転輪と同心に支持された、被
    検出部の特性を円周方向に関して交互に変化させたエン
    コーダと、この被検出部に検出部を対向させた状態で回
    転しない部分に支持された回転検出センサとを備えた回
    転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、この回
    転検出センサの検出信号をワイヤレス送信する為の送信
    回路を、上記回転検出センサと共に単一のホルダ内に保
    持してセンサユニットとした事を特徴とする回転速度検
    出装置付転がり軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 エンコーダと回転検出センサとを、外部
    空間から遮蔽された密閉空間内に配置した、請求項1に
    記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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