JP2009196829A - コア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法、コア‐シェル構造のシリカナノ粒子、及びそれを用いた標識試薬 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の工程(a)及び(b)を含んでなることを特徴とするコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。(a)オルガノアルコキシシラン化合物をテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後に縮重合させ、連通孔を有するシリカ粒子を調製する工程、及び(b)前記アンモニア水含有溶媒に機能性化合物をあらかじめ溶解させておき、前記工程(a)により前記シリカ粒子を調製した後に、前記アンモニア水含有溶媒にテトラアルコキシシランを追加的に含有させ、前記シリカ粒子の表面上を包囲してなる緻密シリカのシェルを共有結合により形成することにより、前記シリカ粒子内部の前記連通孔に前記機能性化合物を前記シェルにより閉じ込める工程。
【選択図】図1
Description
シリカ自身には光吸収特性や磁性がないためその粒子を検出することができず、標識試薬として用いることはできない。しかし、シリカには高い化学的安定性や表面修飾についての高い自由度、生体に対する無害性といった標識試薬にとって好ましい特性をいくつも兼ね備えている。そのため、従来蛍光もしくは吸光色素分子をそのまま標識試薬として用いていたのに対して、これら色素分子をシリカ粒子内部に閉じ込めることができれば前述のような好ましい特性を持った標識試薬を得ることができる。
また、標識試薬として用いるためには試薬に含まれる粒子の粒径が揃っているほうが好ましい。検出する標的物質の結合選択性が粒径に依存する場合、粒子の粒径が揃っていないと、測定される蛍光強度もしくは吸光強度と標的物質の量が比例関係から逸脱してしまい、標的物質の定量検出は不可能となってしまうという問題があった。
(1) 次の工程(a)及び(b)を含んでなることを特徴とするコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(a)下記一般式1で表されるオルガノアルコキシシラン化合物を下記一般式2で表されるテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後に縮重合させ、前記オルガノアルコキシシラン化合物に由来するオルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子を調製する工程、及び
(b)前記アンモニア水含有溶媒に機能性化合物をあらかじめ溶解させておき、前記工程(a)により前記連通孔を有する前記シリカ粒子を調製した後に、前記アンモニア水含有溶媒に下記一般式2で表されるテトラアルコキシシランを追加的に含有させ、前記シリカ粒子の表面上を包囲してなる緻密シリカのシェルを形成することにより、前記シリカ粒子内部の前記連通孔に前記機能性化合物を前記シェルにより閉じ込める工程、
一般式1
R1 nSi(OR2)4−n
(式中、R1はアンモニア水に対して非加水分解性の置換基を表す。OR2はアンモニア水に対して加水分解性の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式2
Si(OR3)4
(式中、OR3はアンモニア水に対して加水分解性の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。各OR3はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
(3) 前記工程(a)において、前記オルガノアルコキシシラン化合物と、前記テトラアルコキシシランとの混合モル比率が1:100〜1:5の範囲で反応させることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(4) 前記機能性化合物が、蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(5) 前記連通孔を有する前記シリカ粒子を調製する工程(a)における前記粒子形成を20〜60℃の温度条件下で行い、前記工程(b)における前記シェルの形成を0〜20℃の温度条件下で8時間以上かけて行うことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法、
(7) オルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子をコアとし、前記シリカ粒子の表面上を緻密シリカのシェルが包囲してなるコア‐シェル構造のシリカナノ粒子であって、
前記連通孔が、前記機能性化合物を内包し得る孔径を有し、前記緻密シリカのシェルが、前記機能性化合物を透過させない程度に緻密であることにより、前記連通孔に前記機能性化合物を閉じ込めていることを特徴とするシリカナノ粒子、
(8) 前記機能性化合物が、蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物である(7)に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子、
(9) 平均粒径が20〜100nmであり、かつ変動係数が15%以下であることを特徴とする(7)〜(8)のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子、
(11) 前記(7)〜(10)のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子を用いて調製される標識試薬
を提供するものである。
本明細書及び特許請求の範囲において、「シリカナノ粒子」とは、平均粒径が1,000nm以下のコロイドシリカ粒子をいう。前記シリカナノ粒子を標識試薬として用いる場合、検出物質や検出法によって使用するのに好適な粒子径は様々であるが、20〜500nmの範囲内である場合が多く、この範囲にあるシリカナノ粒子であることが好ましい。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法は、色素化合物等の機能性化合物を含有する液中において、連通孔を有するシリカ粒子のコアを調製後、その粒子表面上に前記機能性化合物を透過させない程度に緻密なシリカのシェルを形成することにより前記連通孔内に色素化合物等の機能性化合物を高濃度に閉じ込めることができる。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法は、得られるコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の粒度分布の幅が狭く粒径を揃え、かつ平均粒径を制御できる。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、前記製造方法により得られるので、平均粒径がナノメートルサイズであり、かつ粒度分布の幅が狭く粒径が揃っている。
本発明の標識試薬は、平均粒径が揃った前記シリカナノ粒子を用いてなるので、測定結果の再現性に優れ、信頼性が高い極微量標的試料の高感度分析が可能である。
本発明の製造方法は、次の工程(a)及び(b)を含んでなる。
(a)前記一般式1で表されるオルガノアルコキシシラン化合物を前記一般式2で表されるテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後に縮重合させ、前記オルガノアルコキシシラン化合物に由来するオルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子を調製する工程、及び
(b)前記アンモニア水含有溶媒に機能性化合物をあらかじめ溶解させておき、前記工程(a)により前記連通孔を有する前記シリカ粒子を調製した後に、前記アンモニア水含有溶媒に前記テトラアルコキシシランを追加的に含有させ、前記シリカ粒子の表面上を包囲してなる緻密シリカのシェルを形成することにより、前記シリカ粒子内部の前記連通孔に前記機能性化合物を前記シェルにより閉じ込める工程。
一方、前記一般式2で表されるテトラアルコキシシランにおいて、4個のアルコキシ基OR3は全て、アンモニア水により加水分解し、オルトケイ酸(Si(OH)4)が生じる。生じた前記オルトケイ酸は4個のシロキサン結合を形成することができる。
ここで、シリカとは、シロキサン結合(Si−O結合)に基づくケイ素原子及び酸素原子からなる3次元構造体をいい、前述のようにオルガノシロキサン成分を含有するケイ素原子及び酸素原子からなる3次元構造体を含むものとする。
前記一般式1中、アンモニア水に対して非加水分解性の置換基R1は、置換ないしは非置換の、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる前記オルガノアルコキシシラン化合物としては、例えば、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン(例えば、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン)、アミノアルキルトリアルコキシシラン(例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS))、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシラン等が挙げられ、MPSが好ましい。
前記オルガノアルコキシシラン化合物の混合モル比率が低すぎると、前記多孔性シリカ粒子の空隙率が低くなり、前記機能性化合物の取り込み効率が低くなる。一方、前記オルガノアルコキシシラン化合物はシリカの生成反応を阻害する作用を有し、その混合モル比率が高すぎると、目的のシリカ粒子の収率が低下するばかりでなく、粒度分布が広がってしまう。
本発明の製造方法で用いられるアンモニア水含有溶媒において、アンモニアの含有量としては特に制限はないが、前記オルガノアルコキシシラン化合物を混合させるため前記コアとなる前記シリカ粒子の成長速度が低下することと、目的のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の平均粒径を制御する観点から、1〜28質量%であることが好ましく、2〜14質量%であることがより好ましい。
例えば、前記アンモニア水含有溶媒におけるアンモニアの含有量を4.0質量%とすると、平均粒径150nmの目的のコア‐シェル構造の前記シリカナノ粒子を調製することができる。
このように比較的に高い温度条件とすることにより得られる前記シリカ粒子がより多孔質になる理由は定かではないが、前記アルコキシ基(OR2、OR3)の加水分解反応の方が、ヒドロキシル基の脱水重縮合反応よりも温度依存性が高く、比較的に高い温度条件では熱力学的に異物(例えば、前記オルガノアルコキシシラン化合物)の混入が行われ易くなる。よって、APS、MPS等の前記オルガノアルコキシシラン化合物が前記テトラアルコキシシランの反応によって形成されるシリカに混入しやすいためと推定される。
前記機能性化合物としては、蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物が好ましい。
前記蛍光色素化合物、前記吸光色素化合物の具体例として下記式でそれぞれ表されるローダミンB、ローダミン6G、X‐ローダミン等が挙げられる。
本発明の製造方法において、前記アンモニア水含有溶媒へ前記機能性化合物の少なくとも1種をあらかじめ溶解ないしは含有させておく量は、特に制限はないが、前記アンモニア水含有溶媒中、0.05〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.2質量がより好ましい。本発明の製造方法によれば、この溶解ないしは含有させておく前記機能性化合物の量により、得られるコア‐シェル構造のシリカナノ粒子中の前記機能性化合物の含有量を制御できる。
しかし、前記連通孔は外界に開孔しているものが多く、工程(a)により得られた前記連通孔を有する前記シリカ粒子を洗浄・単離する際に前記機能性化合物の多くは流出してしまう。
前記工程(b)における前記緻密シリカシェルの形成反応の温度条件としては特に制限はないが、前記コアとなる前記シリカ粒子を調製する前述した工程(a)とは逆に緻密な構造のシリカシェルを形成する観点から、前記工程(a)における温度条件に比較して低い温度条件、並びに反応時間については比較的に長時間かけて行うことが好ましい。具体的には、0〜20℃の温度条件下で8時間以上かけて行うことが好ましく、8〜48時間かけて行うことがより好ましい。
前記工程(a)及び(b)の間に、調製された前記コアとなる前記シリカ粒子の洗浄又は精製を行うと、アンモニア水含有溶媒中での粒子同士の凝集傾向が高まってしまい、前記工程(b)のシェル形成反応により前記シリカ粒子同士の不可逆的な融合が生じてしまう。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、前述した本発明の製造方法により製造することができる。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、前記オルガノアルコキシシラン化合物に由来するオルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子をコアとし、前記シリカ粒子の表面上を緻密シリカのシェルがシロキサン結合により包囲してなるコア‐シェル構造のシリカナノ粒子であって、
前記連通孔が、前記機能性化合物を内包し得る孔径を有し、前記緻密シリカのシェルが、前記機能性化合物を透過させない程度に緻密であることにより、前記連通孔に前記機能性化合物を閉じ込めていることを特徴とする。
前記ローダミンBはおおよそ1nmの分子サイズを有することが知られている(例えば、ベンゼン環のC−C間距離は、約1.4Åであり(例えば、理化学辞典第5版第305頁参照。)、そのデータに基づいて幾何学的に計算が可能である。)。本明細書の実施例の項において後述するように、本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、前記蛍光色素化合物、前記吸光色素化合物等の前記機能性化合物を前記連通孔に内包し、閉じ込めることができる。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子において、前記緻密シリカのシェルの厚みは特に制限はないが、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
なお、形成されるシェルの厚みは、前記工程(b)においてシェルを形成するために追加的に使用するテトラアルコキシシランの量によって制御できる。具体的には、例えば1mlのテトラアルコキシシランによって粒径100nmのコアを製造している場合、前記工程(a)において含有させた量の25%に相当する0.25mlのテトラアルコキシシランを追加的に使用してシェルを形成させると、シェルの体積比率は20%、すなわち粒径換算でコア径の8%にあたる8nmの厚みとなる。ただし、これは平均値であり、粒子ごと、あるいは単一粒子の表面部位によって厚みにある程度のばらつきが生じるものと考えられる。
本発明において、前記平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から直接各粒子(少なくとも100個)の直径を測定し、その平均値を計算して求めたものである。
本発明により得られたシリカナノ粒子の粒度分布の変動係数(以下CVということもある。)は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ここで、前記変動係数は、粒度の分布の標準偏差を平均粒径で割った値をいう。
本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、前述のように、本発明の製造方法における前記アンモニア水含有溶媒中のアンモニアの含有量を制御することにより20〜100nmの範囲にある平均粒径とした場合、変動係数は15%以下とすることができる。
また、本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、100〜500nmの範囲にある平均粒径とした場合、変動係数は10%以下とすることができる。
本明細書及び特許請求の範囲において、単分散とは変動係数15%以下の粒子群をいう。
シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られている。本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子もまた、容易に所望の物質を表面に結合させることが可能である。
前記コア‐シェル構造のシリカナノ粒子が、前記機能性化合物として蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物を前記連通孔に内包する場合、検体(例えば、任意の細胞抽出液、溶菌液、培地・培養液、溶液、バッファー)中の標的生体分子(生理活性物質を含む。)を蛍光ないしは吸光色素標識付けすることができる。
前記コア‐シェル構造のシリカナノ粒子を表面修飾する前記標的生体分子を分子認識する物質としては、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、リガンド、受容体、化学物質等が挙げられる。
ここで、分子認識とは、(1)DNA分子間又はDNA−RNA分子間のハイブリダイゼーション、(2)抗原抗体反応、(3)酵素(受容体)−基質(リガンド)間の反応など、生体分子間の特異的相互作用をいう。
また化学物質とは天然有機化合物に限らず、人工的に合成された生理活性を有する化合物や環境ホルモン等を含む。
すなわち、前記シリカナノ粒子を表面修飾した標的生体分子を分子認識する物質は、それ自体が受容体部位となって、例えば抗原−抗体反応、ビオチン−アビジン反応、塩基配列の相補性を利用したハイブリダイゼーションなどの特異的な分子認識を利用して、標的生体分子に特異的に結合することができる。
例えば、縮合剤等の非存在下、前記コア‐シェル構造のシリカナノ粒子のコロイドと前記生体分子の溶液とを混合することにより、前記生体分子は、前記シリカナノ粒子の表面と吸着することができる。
前記縮合剤ないしは架橋剤を用いる場合の具体例としては、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等が挙げられる。
表面修飾に用いる前記縮合剤ないしは架橋剤の当量数、前記コロイドの分散媒、前記生体分子の溶液の溶媒の種類・容量、及び反応温度等の反応条件については表面修飾が進行する限り特に制限はない。
前記表面修飾した後、前記コア‐シェル構造のシリカナノ粒子と前記シリカナノ粒子に結合ないし吸着していない前記生体分子との分離は、遠心分離または限外ろ過によって可能である。
前記生体分子により前記シリカナノ粒子を表面修飾した後は、前述の非特異的吸着をさらに防止する観点から、PEG、BSAなどの任意のブロッキング剤でブロッキング処理を施してもよい。
前記生体分子の表面修飾が出来たかどうかの確認は、混合液から遠心分離または限外ろ過で粒子を除去した溶液に含まれる前記生体分子を一般的なタンパク質定量法(例えば、UV法、Lowry法、Bradford法)で定量し、減少した前記生体分子の量を定量することで行うことができる。
本発明の標識試薬は、本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子を用いてなる。前記コア‐シェル構造のシリカナノ粒子を用いて、蛍光ないし吸光色素標識を付与することが好ましい。さらに前述のシリカナノ粒子の表面修飾により抗体やホルモンなどの標的生体分子を分子認識する物質でシリカ粒子表面を修飾し、光学特性を検出する装置又は目視によって前記標的生体分子が評価されるべき試料中に存在するか否か等の評価を可能にする標識試薬として利用することができる。
本発明の標識試薬の具体例としては、生体分子検出試薬、生体分子定量試薬、生体分子分離試薬、生体分子回収試薬または免疫染色用試薬が挙げられる。
前記標的生体分子を検出、定量、分離または回収する分析試薬とすることができる。また、前記標的生体分子との分子認識が、抗原−抗体反応である場合は、前記シリカナノ粒子を用いてなる免疫染色用試薬とすることができる。
実施例1(本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の調製)
1.工程(a)
4.0質量%のアンモニア水20体積%とエタノール80体積%のアンモニア水含有溶媒100mlに、MPS:TEOSの混合モル比1:9の混合液500μlとローダミンB色素(20mmol/lDMF溶液)10μmolを投入し、攪拌しながら室温(25℃)で4時間反応を行った。
反応終了後、得られたシリカ粒子を洗浄・分取することなく下記工程(b)に供したが、得られたシリカ粒子の一部については、緻密シリカシェル形成前の平均粒径及び蛍光強度を測定するため、洗浄・分取した。
具体的な洗浄操作としては、上記得られた反応混合液の一部を取り出し、遠心分離(5000×g)を30分行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去した。得られた沈殿物をエタノールに再分散させ、再度遠心分離(5000×g)を30分行い、粒子を沈降させた。同様のエタノール洗浄操作をさらに1回繰り返し、さらにエタノールの代わりに蒸留水を用いた以外は同様な洗浄操作を4回行い、余分なTEOS等を除去した。
得られた粒子の蛍光を測定した。測定は蛍光分光光度計FP−6500(商品名、日本分光社製)を用いて、前記シリカ粒子由来の蛍光強度、すなわち、555nmの励起光における580nmの蛍光強度を測定した。
測定値は、得られたシリカ粒子の質量で規格化し、単位をarbitrary unit(au:任意単位)として表した。以下同様である。
得られた蛍光強度は9.4auであったが、下記シェル形成後のシリカ粒子の蛍光強度46auと比較すると弱く、上記一連の洗浄操作により連通孔に内包されていたローダミンBがほとんど流出してしまったといえる。
上記得られたコアとなるシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOSを100μl添加し、さらに室温で18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、上記の洗浄操作と同様な操作により遠心分離を行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去し、得られた沈殿物をエタノールで2回、蒸留水で4回洗浄した。その結果、コア‐シェル構造のシリカ粒子コロイドが得られた。得られたシリカ粒子を実施例1のシリカ粒子とする。
SEM画像に写っている各粒子(100個以上)の直径を測定し、その平均値として平均粒径を算出したところ、緻密シリカシェル形成前(工程(b)前)に測定した平均粒径に対し、前記緻密シリカシェル分だけ平均粒径が増加し(約10nm)、平均粒径150nmのコア‐シェル構造のシリカナノ粒子が得られた。
また、上記一連の洗浄操作を行っても流出しないローダミンB色素が存在し、上記と同様に蛍光強度測定を行った結果、蛍光強度は46auと強く、平均粒径150nmのコア‐シェル構造のシリカナノ粒子1個の内部にローダミンB1万〜2万分子に相当する蛍光強度が得られた。
これにより、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の表面にローダミンBを透過させない程度に緻密なシェル構造が形成され、ローダミンBを閉じ込めていることが確認された。
1.工程(a)
アンモニア水含有溶媒100mlに添加するMPS/TEOS混合液の代わりに、MPSを混合させないTEOS500μlを用いた以外は実施例1と同様にして、シリカ粒子の調製を行った。
反応終了後、得られたシリカ粒子を洗浄・分取することなく下記工程(b)に供したが、得られたシリカ粒子の一部については、シリカシェル形成前の平均粒径及び蛍光強度を測定するため、実施例1と同様な洗浄操作により洗浄・分取後、実施例1と同様に蛍光強度を測定した。
上記洗浄操作によりローダミンBはほとんど流出してしまい、蛍光強度は2.7auと極めて弱いものであった。
続いて、上記得られたシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOS100μlを追加的に添加し、さらに18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、実施例1の洗浄操作と同様な操作によりシリカ粒子コロイドを得た。得られたシリカ粒子を比較例のシリカ粒子とする。
SEM画像に写っている各粒子(100個以上)の直径を測定し、その平均値として平均粒径を算出したところ、平均粒径150nmのシリカナノ粒子が得られた。
上記と同様に蛍光強度測定を行った結果、上記と同様な一連の洗浄操作を行うことでローダミンBはほとんど流出してしまい、蛍光強度は2auと極めて弱いものであった。
実施例1の蛍光強度の結果との比較からMPSを含有させないでTEOSのみからシリカ粒子を調製してもポーラスな構造が得られず粒子内部にローダミンBは殆ど取り込まれない。
工程(a)として、4.0質量%のアンモニア水の代わりに2.4質量%のアンモニア水を用いてのアンモニア水含有溶媒100mlを調製して用いたこと以外は実施例1と同様にして、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の調製を行った。
続いて工程(b)として、得られたシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOS100μlを追加的に添加し、さらに18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、実施例1の洗浄操作と同様な操作により遠心分離を行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去し、得られた沈殿物をエタノールで2回、蒸留水で4回洗浄した。その結果、コア‐シェル構造のシリカ粒子コロイドが得られた。
なお、上記一連の洗浄操作を行っても流出しないローダミンB色素が存在し、多孔性シリカ粒子の表面にローダミンBを透過させない程度に緻密なシェル構造が形成され、ローダミンBを閉じ込めていることを上記蛍光強度測定と同様な方法により確認した。
図1に得られたシリカナノ粒子のSEM画像を示す。なお、図1中のスケールバーは600nmを示す(倍率5万倍)。図中、白く見える球状物質が、得られたコア‐シェル構造のシリカナノ粒子である。
図2は、実施例2で得られたシリカナノ粒子の粒度分布のヒストグラムを示す図である。図2から明らかなように、得られたコア‐シェル構造のシリカナノ粒子は、平均粒径70nmでCV12.5%の粒度分布で粒径が揃っていることが分かる。緻密シリカシェル形成前(工程(b)前)に測定した平均粒径に対し、前記緻密シリカシェル分だけ平均粒径が増加した(約10nm)。
なお、前記平均粒径は、SEM画像に写っている各粒子(494個)の直径を測定し、その平均値を計算して求めたものである。
実施例1の結果との比較から反応混合液中のアンモニア濃度を低くすることで平均粒径の小さなシリカ粒子を調製できることがわかる。
工程(a)として、4.0質量%のアンモニア水の代わりに12質量%のアンモニア水を用いてのアンモニア水含有溶媒100mlを調製して用いたこと以外は実施例1と同様にして、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の調製を行った。
続いて工程(b)として、得られたシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOS100μlを追加的に添加し、さらに18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、実施例1の洗浄操作と同様な操作により遠心分離を行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去し、得られた沈殿物をエタノールで2回、蒸留水で4回洗浄した。その結果、コア‐シェル構造のシリカ粒子コロイドが得られた。
図3に得られたシリカナノ粒子のSEM画像を示す。なお、図3中のスケールバーは1.0μmを示す(倍率3万倍)。図中、白く見える球状物質が、得られたシリカナノ粒子である。
図4は、実施例3で得られたシリカナノ粒子の粒度分布のヒストグラムを示す図である。図4から明らかなように、平均粒径192nmでCV6.6%の粒度分布で粒径が揃っていることが分かる。
なお、前記平均粒径は、SEM画像に写っている各粒子(239個)の直径を測定し、その平均値を計算して求めたものである。
実施例1の結果との比較から反応混合液中のアンモニア濃度を高く設定することで平均粒径の大きなシリカ粒子を調製できることがわかる。
1.工程(a)
アンモニア水含有溶媒100mlに添加するMPS/TEOS混合液として、MPS:TEOSの混合モル比1:99の混合液500μlを用いた以外は実施例1と同様にして、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の調製を行った。
反応終了後、得られたシリカ粒子を洗浄・分取することなく下記工程(b)に供したが、得られたシリカ粒子の一部については、シリカシェル形成前の平均粒径及び蛍光強度を測定するため、実施例1と同様な洗浄操作により洗浄・分取後、実施例1と同様に蛍光強度を測定した。
上記洗浄操作によりローダミンBはほとんど流出してしまい、蛍光強度は1.1auと極めて弱いものであった。
続いて、上記得られたシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOS100μlを添加し、さらに18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、実施例1の洗浄操作と同様な操作によりコア‐シェル構造のシリカ粒子コロイドを得た。得られたシリカ粒子を実施例4のシリカ粒子とする。同様に蛍光強度測定を行った結果、上記と同様な一連の洗浄操作を行っても流出しないローダミンBが存在し、蛍光強度は5.5auを示した。
これにより、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の表面にローダミンBを透過させない程度に緻密なシェル構造が形成され、ローダミンBを閉じ込めていることが確認された。
実施例1の蛍光強度の結果との比較からMPSを多く取り込ませることでよりポーラスな構造のコアとなるシリカ粒子とし、より多くの色素を粒子内部に取り込ませることができることがわかる。
1.工程(a)
アンモニア水含有溶媒100mlに添加するMPS/TEOS混合液の代わりに、APS:TEOSの混合モル比1:99の混合液500μlを用いたこと以外は実施例1と同様にして、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の調製を行った。
反応終了後、得られたシリカ粒子を洗浄・分取することなく下記工程(b)に供したが、得られたシリカ粒子の一部については、シリカシェル形成前の平均粒径及び蛍光強度を測定するため、実施例1と同様な洗浄操作により洗浄・分取後、実施例1と同様に蛍光強度を測定した。
上記洗浄操作によりローダミンBはほとんど流出してしまい、蛍光強度は1auと弱いものであった。
2.工程(b)
続いて、上記得られたシリカ粒子が分散する前記アンモニア水含有溶媒中に、TEOSを100μl添加し、さらに18時間反応を行いシェル構造を形成した。反応終了後、実施例1の洗浄操作と同様な操作によりコア‐シェル構造のシリカ粒子コロイドを得た。得られたシリカ粒子を実施例5のシリカ粒子とする。上記と同様な一連の洗浄操作を行っても流出しないローダミンBが存在し、蛍光強度は24auと高かった。
これにより、コアとなる連通孔を有するシリカ粒子の表面にローダミンBを透過させない程度に緻密なシェル構造が形成され、ローダミンBを閉じ込めていることが確認された。
実施例1、4、5及び比較例の蛍光強度を下記表にまとめる。
さらにAPS:TEOSの混合モル比を1:9の混合液500μlを用いてシリカ粒子を調製するとシリカ粒子のζ電位は符号が反転してプラスとなった。この場合、負に帯電しているシラノール基(Si−OH)と正に帯電しているアミノプロピル基(C3H6−NH2)がシリカ粒子表面に混在していることになり、粒子間で相互引力が働いてコロイドがゲル化してしまった。これに対してMPSが有するメルカプトプロピル基は中性であるため粒子間の相互引力が働かず、実施例1のようにMPS:TEOSの混合モル比を1:9としてもζ電位はTEOSのみで調製されるシリカ粒子と同様、粒子は純水中で安定に分散し続けた。
工程(a)においては反応条件を50℃1時間とし、工程(b)においては反応条件を0℃8時間とする以外は実施例1と同様にしてシェル形成することにより多くのローダミンBを粒子内部に閉じ込められることを確認した。
また、非加水分解性置換基を有するMPS等のオルガノアルコキシシラン化合物は加水分解の反応速度がTEOSよりも遅く、前記アンモニア水含有溶媒に投入したMPS等のすべてがシリカ粒子に取り込まれるわけではなく、そのシリカ粒子への取り込み率はシリカ粒子調製時の温度条件に依存し、その取り込み率はシリカ粒子調製時の温度に対応して単調に増大することを確認している。
この結果から、工程(a)においては反応温度条件を高くしてMPS等のオルガノアルコキシシラン化合物を多く取り込ませることでよりポーラスな構造とし、工程(b)においては反応温度条件を低くしてシェル構造を緻密化させることでより多くのローダミンBを粒子内部に閉じ込められることがわかる。
(コア‐シェル構造のシリカナノ粒子のコロイドへの抗体の吸着)
遠心管に50mM KH2PO4(pH6.5)を1mLと、実施例2のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子のコロイド(10mg/mL)9mLを加えて軽く撹拌した。遠心管に抗hCG抗体(Anti−hCG clone codes/5008, Medix Biochemica社製)1mL(60μg/mL)を撹拌しながら加え、室温で1時間静置した。これに1質量%のPEG(ポリエチレングリコール、分子量20000、和光純薬工業社製)を0.55mL加え軽く撹拌し、更に10%BSAを1.1mL加え軽く撹拌した。
混合液を12,000×Gで15分間遠心分離し、上清を1mL程度残して取り除き、残した上清に沈殿を分散させた。この分散液に保存用バッファー(20mM Tris−HCl(pH 8.2), 0.05% PEG20,000, 1%BSA, 0.1%NaN3)を20mL加え、再度遠心分離し、上清を1mL程度残して取り除き、残した上清に沈殿を分散させた(コロイドA)。
続いて、前記抗hCG抗体を表面修飾したコア‐シェル構造のシリカナノ粒子のコロイド(コロイドA)100μlを96穴マイクロプレートのウェルの1つに入れた。次に、抗IgG抗体(Anti Mouse IgG、Dako社製)が1mg/mL含まれる溶液(10mMKH2PO4,pH7.0)を用意した。図5は、分子認識試験に用いたストリップ1の平面図である。一方の末端2から約15mmの位置3にライン状に、前記溶液を0.75μL/cmの塗布量(約1mm幅)で塗布したメンブレン4(Hi−Flow Plus120 membrane、MILLIPORE社製)を5mm幅にカットし、ストリップ1(丈25mm)とした。
前記ストリップ1の末端を前記96穴マイクロプレートのウェルの1つに入れた抗hCG抗体を表面修飾したコア‐シェル構造のシリカナノ粒子のコロイドに浸し、1時間放置した。
図5から明らかなように、抗IgG抗体がライン状に塗布された部分3が赤く発色し、前記抗hCG抗体を表面修飾したコア‐シェル構造のシリカナノ粒子が形成されていることが確認された。また、本発明のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子が分析試薬として好適であることが分かる。
Claims (11)
- 次の工程(a)及び(b)を含んでなることを特徴とするコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。
(a)下記一般式1で表されるオルガノアルコキシシラン化合物を下記一般式2で表されるテトラアルコキシシランとともにアンモニア水含有溶媒中で加水分解した後に縮重合させ、前記オルガノアルコキシシラン化合物に由来するオルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子を調製する工程、及び
(b)前記アンモニア水含有溶媒に機能性化合物をあらかじめ溶解させておき、前記工程(a)により前記連通孔を有する前記シリカ粒子を調製した後に、前記アンモニア水含有溶媒に下記一般式2で表されるテトラアルコキシシランを追加的に含有させ、前記シリカ粒子の表面上を包囲してなる緻密シリカのシェルを形成することにより、前記シリカ粒子内部の前記連通孔に前記機能性化合物を前記シェルにより閉じ込める工程。
一般式1
R1 nSi(OR2)4−n
(式中、R1はアンモニア水に対して非加水分解性の置換基を表す。OR2はアンモニア水に対して加水分解性の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。nは1〜3の整数を示し、R1が複数ある場合、各R1はたがいに同一であっても異なっていてもよく、OR2が複数ある場合、各OR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
一般式2
Si(OR3)4
(式中、OR3はアンモニア水に対して加水分解性の炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。各OR3はたがいに同一であっても異なっていてもよい。) - 前記オルガノアルコキシシラン化合物がγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン又はγ-アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記テトラアルコキシシランがテトラエトキシシランである請求項1に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。
- 前記工程(a)において、前記オルガノアルコキシシラン化合物と、前記テトラアルコキシシランとの混合モル比率が1:100〜1:5の範囲で反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。
- 前記機能性化合物が、蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。
- 前記連通孔を有する前記シリカ粒子を調製する工程(a)における前記粒子形成を20〜60℃の温度条件下で行い、前記工程(b)における前記シェルの形成を0〜20℃の温度条件下で8時間以上かけて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって得られたコア‐シェル構造のシリカナノ粒子。
- オルガノシロキサン成分を含有することにより連通孔を有するシリカ粒子をコアとし、前記シリカ粒子の表面上を緻密シリカのシェルが包囲してなるコア‐シェル構造のシリカナノ粒子であって、
前記連通孔が、前記機能性化合物を内包し得る孔径を有し、前記緻密シリカのシェルが、前記機能性化合物を透過させない程度に緻密であることにより、前記連通孔に前記機能性化合物を閉じ込めていることを特徴とするシリカナノ粒子。 - 前記機能性化合物が、蛍光色素化合物もしくは吸光色素化合物である請求項7に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子。
- 平均粒径が20〜100nmであり、かつ変動係数が15%以下であることを特徴とする請求項7〜8のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子。
- 平均粒径が100〜500nmであり、かつ変動係数が10%以下であることを特徴とする請求項7〜8のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子。
- 請求項7〜10のいずれか1項に記載のコア‐シェル構造のシリカナノ粒子を用いて調製される標識試薬。
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