JP4982687B2 - 標識分子含有シリカ球の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検出試薬として有用な標識分子含有シリカ球の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、穏和な条件で、標識分子をシリカ球に安定にまた効率的に固定できる、標識分子含有シリカ球の調製方法に関する。さらに本発明はかかる方法によって得られる標識分子含有シリカ球に関する。
近年、検出試薬として蛍光色素を含む微粒子を利用した生化学的検査手法が各種研究されており、例えば、パッカード社によりアルファスクリーン技法が商品化されている(非特許文献1、特許文献1〜7)。これは、直径250nmのラテックス製のドナービーズ(登録商標)とアクセクタービーズ(登録商標)を使用したものであり、ドナービーズとアクセクタービーズが結合した後、ドナービーズをレーザーで励起すると、内部の蛍光分子からの蛍光で一重項酸素分子が生成し、これがアクセクタービーズ中の蛍光物質と化学反応して化学発光を生じ、これを観測するというものである。
また、上記のビーズ(微粒子)としてシリカ球を用いた検出試薬も研究されており、内部に蛍光色素分子を入れたシリカ球の製法も各種提案されている。かかるシリカ球は、内部に保持した蛍光色素分子をシリカで囲った形態を備えており、その結果、外部因子による消光(例えば生化学的高分子等による励起エネルギーの吸収)を抑制することができるため、高感度な検出試薬として各種の検査に応用されることが期待されている。
この代表的な試薬の調製方法として、予め3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS:3-(aminopropyl)triethoxysilane〕に直接フルオレセインイソチオシアネート〔FITC:fluorescein isothiocyanate〕を結合させたAPS−FITC〔N-1-(3-triethoxysilylpropyl)-N’-fluoresceyl thiourea〕を、アンモニアを含むエタノール水溶液中でN-tris(hydroxylmethyl)methyl-2-aminoethane sulfonic acid(TES)と反応させる方法がある(非特許文献2)。この方法によると、高濃度の蛍光色素分子(FITC)をシリカ球内部に保持させることができるが、その一方で、その最大濃度では、シリカ球内部で消光が起こることも報告されている(非特許文献2)。また、本発明者らが検討した結果、上記の方法では、FITCとAPSの結合性は余り高くなく、製造効率が悪いと共に、得られるシリカ球の粒子サイズが単一であって、しかも数百ナノメーターと比較大きいことがわかった。
US 4918200 A WO 917087 A1 EP 502060 A1 特開平5-501611号公報 US 5252743 A US 5451683 A US 5482867 A Analytica Chimica Acta 1998, 367, 159 A.Imhof, et al., "Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres", J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、所望の標識分子を含有する標識分子含有シリカ球を、効率的にまた安定して調製するための新規な方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の標識分子含有シリカ球を所望の大きさに調整し製造する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、上記方法によって得られる標識分子含有シリカ球を提供するとともに、その検出試薬としての用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために日夜鋭意検討していたところ、エステル結合(-CO-O-)を介して、標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応させると、スクシンイミジルエステル化合物(1)のカルボニル基とシリカ化合物(2)のアミノ基がアミド結合(-NH-CO-)して、標識分子を含有するシリカ化合物(標識分子含有シリカ化合物)(3)が得られること、そして当該標識分子含有シリカ化合物(3)を更にシリカ化合物(4)と反応させることにより、標識分子を安定して含有するシリカ球が効率的に調製できること、またその大きさ(粒径)も自由に調整できることを見いだした。さらに、標識分子含有シリカ化合物(3)との反応に使用するシリカ化合物(4)の種類に応じて、シリカ球の表面に各種の所望の基(例えば、OH基、SH基、アミン基、SCN基、エポキシ基、CNO基など)を導入することができること、そしてかかるシリカ球は、これらの基をアクセプター基として、各種の機能性分子を結合することができ、多様な反応に適用可能な反応試薬として有効に使用できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。本発明は、下記に掲げる態様を含むものである:
項1.(a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応して、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(b)(a)の工程で得られる標識分子含有シリカ化合物(3)を、1種または2種以上組み合わせて、シリカ化合物(4)と反応する工程
を有する、標識分子含有シリカ球(5)の調製方法。
項2.上記アミノ基を有するシリカ化合物(2)として、3-(アミノプロピル)トリエトキシシランまたは3-[2-(2-アミノエチルアミノ) エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを用いることを特徴とする、項1記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
項3.上記シリカ化合物(4)として、テトラエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つのシリカ化合物を用いることを特徴とする、項1または2に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
項4.(b)の工程を、水、アルコール、及びアンモニアの存在下で行うことを特徴とする、項1乃至3のいずれかに記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
項5.水とアルコールの容量比が1:0.5〜1:8であることを特徴とする項4に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
項6.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
項7.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、標識分子含有シリカ球の調製方法。
項8.項7に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
項9.項6または8に記載する標識分子含有シリカ球の表面に、ペプチド、蛋白質、遺伝子、微生物、カップリング剤、ビオチン、アビジン、または標識分子が結合してなるシリカ球。
項10.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに
(c)必要に応じて、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、及び
(d)標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、標識分子含有シリカ球同士を結合させる工程
を有する、標識分子含有シリカ球の多重結合物を調製する方法。
項11.項10に記載する方法によって得られる標識分子含有シリカ球の多重結合物。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)標識分子含有シリカ球の調製方法
本発明の標識分子含有シリカ球の調製方法は、下記(a)及び(b)の工程を有することを特徴とする。
(a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応させて、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(b)(a)で得られた標識分子含有シリカ化合物(3)を、シリカ化合物(4)と反応させて標識分子含有シリカ球(5)を形成する工程。
上記(a)の工程において使用されるスクシンイミジルエステル化合物(1)としては、下記の一般式で示される化合物を例示することができる。
Figure 0004982687
ここで、Rは標識分子を意味する。より詳細には、Rは、下式に示すように、エステル結合(-CO-O-)を介してスクシンイミドと結合することができるものである。
Figure 0004982687
(式中、Rは標識分子、R’は水素原子または任意の基を意味する。)
具体的には、Rとしては、上記式に示すように、側鎖として-COOR’基(R’は水素原子または任意の基を意味する)を結合することによってカルボン酸またはその誘導体を形成するものを挙げることができる。上記において化合物(0)として示されるカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、5-カルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-フルオレセイン、5(6)-カルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,7,7’-テトラクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、5-カルボキシ-ローダミン、6-カルボキシ-ローダミン、5(6)-カルボキシ-ローダミン、Alexa Fluor 350 カルボン酸、Alexa Fluor 405 カルボン酸、Alexa Fluor 430 カルボン酸、Alexa Fluor 488 カルボン酸、Alexa Fluor 500カルボン酸、Alexa Fluor 514カルボン酸、Alexa Fluor 532 カルボン酸、Alexa Fluor 546カルボン酸、Alexa Fluor 555カルボン酸、Alexa Fluor 568 カルボン酸、Alexa Fluor 594 カルボン酸、Alexa Fluor 610 カルボン酸、Alexa Fluor 633カルボン酸、Alexa Fluor 647カルボン酸、Alexa Fluor 660カルボン酸、Alexa Fluor 680 カルボン酸、Alexa Fluor 700 カルボン酸、Alexa Fluor 750 カルボン酸、ビオチン等の色素;3-carboxy TEMPO (4-carboxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxy)、3-carboxy PROXYL [3-(carboxy)-2,2,5,5-tetramethyl-1-piperidinyloxy)等のフリーラジカル;ethylenediaminetetraacetic acid, iron(III) sodium salt hydrate、ethylenediaminetetraacetic acid, iron(II) acetate等を挙げることができる。
なお、本発明の工程(a)で用いるスクシンイミジルエステル化合物(1)は、上記式に示すように、カルボン酸またはその誘導体〔化合物(0)〕とN−ヒドロキシスクシンイミドとを定法に従ってエステル化反応することによって調製することができる。但し、簡便には商業的に入手することも可能である。
スクシンイミジルエステル化合物(1)として具体的には、上記カルボン酸またはその誘導体〔化合物(1)〕に対応して、5-スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、5(6)- スクシンイミジルエステル-フルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-2’,4,7,7’-テトラクロロフルオレセイン、6-スクシンイミジルエステル-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、5-スクシンイミジルエステル-ローダミン、6-スクシンイミジルエステル-ローダミン、5(6)-スクシンイミジルエステル-ローダミン、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 350、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 405、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 430、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 488、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 500、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 514、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 532、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 546、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 555、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 568、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 594、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 610、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 633、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 647、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 660、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 680、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 700、スクシンイミジルエステル-Alexa Fluor 750 、スクシンイミジルエステル-ビオチン; 3-スクシンイミジルエステル-TEMPO、3-スクシンイミジルエステル- PROXYL;N-succinimidyl ester- ethylenediaminetetraacetic acid, iron(III) sodium salt hydrate、N-succinimidyl ester- ethylenediaminetetraacetic acid, iron(II) acetate等を挙げることができる。
アミノ基を有するシリカ化合物(2)としては、特に制限されないが、例えば3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン、3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
スクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)との反応は、DMSOや水等の溶媒に溶解した後、室温条件下で攪拌しながら反応することによって行うことができる。反応に使用するスクシンイミジルエステル化合物(1)とシリカ化合物(2)との割合は特に制限されないが、好適にはスクシンイミジルエステル化合物(1):シリカ化合物(2)=1:0.5〜4(モル比)の範囲、より好適には1:1〜2(モル比)の割合を挙げることができる。
斯くして、スクシンイミジルエステル化合物(1)のカルボニル基と、アミノ基を有するシリカ化合物(2)のアミノ基とが、アミド結合(-NH-CO-)して、標識分子含有シリカ化合物(3)が生成する。すなわち当該標識分子含有シリカ化合物(3)は、アミド結合を介して標識分子とシリカ化合物が結合してなる態様を有している。
次いで工程(b)で、当該標識分子含有シリカ化合物(3)をシリカ化合物(4)と反応させる。ここで使用されるシリカ化合物(4)としては、特に制限はされないが、テトラエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを挙げることができる。
標識分子含有シリカ化合物(3)とシリカ化合物(4)の割合は、特に制限されないが、標識分子含有シリカ化合物(3)1モルに対するシリカ化合物(4)のモル比として、100〜40000、好ましくは300〜20000、より好ましくは500〜10000、さらに好ましくは600〜7000を挙げることができる。
この反応は、アルコール、水及びアンモニアの存在下で行われる。ここでアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の低級アルコールを挙げることができる。
かかる反応系における水とアルコールの割合は、特に制限されないが、好ましくは水1容量部に対してアルコールを0.5〜8容量部、好ましくは1〜5容量部、より好ましくは1〜2容量部の範囲を挙げることができる。アンモニアの量も特に制限されないが、例えば、反応させる標識分子含有シラン化合物1モルに対して、モル比で、200〜250000、好ましくは400〜150000、より好ましくは2500〜25000の割合を挙げることができる。
この反応は室温で行うことができ、また攪拌しながら行うことが好ましい。通常、数十分〜数十時間の反応で、目的の標識分子を含有するシリカ球(5)を調製することができる。
なお、当該工程(b)において、使用するシリカ化合物(4)の濃度を調整したり、反応時間を調整することにより、調製するシリカ球の大きさ(直径)を適宜調節することができる。使用するシリカ化合物(4)の濃度を多くしたり、また反応時間を長くすることにより、より大きいシリカ球を調製することができる(例えば、Blaaderen et al., “Synthesis and Characyerization of Monodisperse Collidal Organo-silica Spheres”, J. Colloid and Interface Science 156, 1-18.1993参照)。また工程(b)を複数回、繰り返し行うことによっても、より大きなシリカ球を調製することができる。このように本発明の方法によれば、得られる標識分子含有シリカ球のサイズ(直径)を、所望の大きさに、例えばnmオーダーからμmオーダーへと自在に調整することができる。具体的には、本発明の方法によれば、後述の実施例1に示すように、数〜数十nmサイズ、具体的には3〜30nmといった微小な大きさを有する標識分子含有シリカ球を調製することも可能である。また必要に応じて、その後の処理により希望する粒子径分布となるように調整することもでき、斯くして所望の粒子径分布範囲にあるシリカ球を得ることもできる。
このようにして得られる標識分子含有シリカ球は、必要に応じて、限界濾過膜などの慣用の方法を利用して共存イオンや共存する不要物を除いて精製してもよい。
後述する実施例1に示すように、本発明の方法を用いて標識分子をシリカ球内に固定若しくは包含させると、フリーの標識分子よりも感度を上げることができる。また、本発明の方法によると、標識分子として蛍光色素分子を使用した場合でも、自己消光を起こすことなく、多くの標識分子(蛍光色素分子)をシリカ球内に固定もしくは包含させることができる。このため、本発明の方法によると、微小な領域でも使用可能な、高感度な検出試薬を提供することが可能である。
(2)標識分子含有シリカ球
シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られている。上記(1)で説明した方法で調製される本発明の標識分子含有シリカ球もまた、容易に所望の分子を表面に結合させることが可能であり、またその表面をメソポーラスや平滑状にすることもできる。
具体的には、本発明の標識分子含有シリカ球の調製方法によれば、上記工程(b)で使用するシリカ化合物(4)の種類に応じて、所望の分子と結合可能なアクセプター基を表面に有する標識分子含有シリカ球(表面修飾−標識分子含有シリカ球)を提供することができる。反応に使用するシリカ化合物(4)と、それによって得られる標識分子含有シリカ球の表面に形成されたアクセプター基との関係を表1に示す。
Figure 0004982687
なお、上記(1)の方法によって得られる標識分子含有シリカ球(5)について、反応に使用したシリカ化合物(4)によって表面に導入されるアクセプター基とは異なるアクセプター基を導入したい場合には、当該標識分子含有シリカ球(5)を、さらに工程(b)で使用したシリカ化合物(4)とは異なるシリカ化合物で処理する。この処理は、工程(b)で使用したシリカ化合物(4)とは異なるシリカ化合物を用いて、上記工程(b)と同様な操作を行うことにより実施することができる。
このような方法により調製される本発明の標識分子含有シリカ球(表面修飾−標識分子含有シリカ球)は、表面に有するアクセプター基の種類に応じて所望の分子〔例えば、ペプチド、蛋白質、遺伝子(RNA、DNAなどのポリ若しくはオリゴヌクレオチド)、微生物、カップリング剤、ビオチンやアビジン、標識分子など〕を表面に結合させることができる。その一例を示せば、例えば、OH基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、シラン結合(-Si-O-Si-)を介して、その表面に各種のシリカ化合物〔例えば、上記シリカ化合物(4)など〕を;SH基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、ジスルフィド結合(-S-S-)、チオエステル結合、またはチオール置換反応を介した結合を介して、その表面にペプチド、蛋白質、遺伝子などを:NH基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、アミド結合やチオウレア結合を介して、その表面にペプチドや蛋白質等を;SCN基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、チオウレア結合を介して、その表面にペプチドや蛋白質等を;エポキシ基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、アミド結合を介して、その表面にペプチドや蛋白質等を;CNO基を有する表面修飾−標識分子含有シリカ球は、アミド結合を介して、その表面にペプチドや蛋白質等を、それぞれ結合することができる。
このため、例えば溶液中に拡散して低濃度で存在する分子であっても、本発明の標識分子含有シリカ球(表面修飾−標識分子含有シリカ球)によれば、その表面に結合させて濃縮することができ、こうすることでシリカ球上でこれらの分子を高感度に検出することが可能となる。
このようにして修飾標識分子含有シリカ球に結合したペプチド、蛋白質、または遺伝子などの分子は、更にそれ自体がアクセプター分子となって、例えば抗原−抗体反応、ビオチン−アビジン反応、塩基配列の相同性を利用したハイブリダイゼーションなどの特異的な反応を利用して、更に所望の分子を結合させることもできる。
このような方法により調製される本発明の標識分子含有シリカ球(表面修飾−標識分子含有シリカ球)は、その微小な形状、包容性、表面修飾特性から、各種の応用技術へのより多様な適用が可能となる。
例えば、その微小な形状から、ウイルスや細菌といった微生物、動物の細胞の模擬物を構成することが可能である。例えばウイルス等の表面蛋白を本発明の標識分子含有シリカ球の表面に結合させることによって、外殻はそのウイルスと類似するが、遺伝子を持たない「偽ウイルス」を作成することができる。これはアジュバンドなどを必要とすることなく、動物の免疫化やワクチンの調製に応用できる可能性がある。また、内部に蛍光を含有させた「偽ウイルス」と、国際公開公報(WO 03/060519)に記載の「凝集反応の測定方法」の技術を用いて抗体価の測定を行うことも可能である。
更に、ウイルスの臓器特異的感染能を用いて「偽ウイルス」をドラッグデリバリーの手段として用いることも可能である。
また、本発明の標識分子含有シリカ球の表面に抗体やT細胞レセプターを結合させることにより、B細胞やT細胞と類似した「免疫シリカ球」を作成することも可能である。これは単に研究のみならず、癌や免疫疾患に対する診断や治療にも応用することができる。更に、本発明の標識分子含有シリカ球においてレセプターやシグナル分子、遺伝子発現システムの再構成が可能になれば、インスリンを分泌する膵臓β細胞を人工的に再現した細胞など「シリカ(β)細胞」にも利用できると考えられる。
本発明の標識分子含有シリカ球は、その表面修飾特性(アクセプター基)に基づいて、任意の蛋白質や遺伝子などの物質を結合し、そして、その機能を表面に提示するという性質を有することができる。かかる結合特性は、単に所望の分子を結合させることによって機能が付加できるという側面に留まらず、任意の蛋白質や遺伝子などの物質をシリカ球の表面に濃縮できるという面においても有用である。例えば、多段階反応を触媒する多種の酵素をシリカ球上に結合させ、且つ濃縮させることによって反応効率を向上させることも可能であるし(反応強化シリカ球)、また抗体をシリカ球上にて多重化させることにより結合特性を向上させることも可能である(結合強化シリカ球)。また、抗原で表面修飾した本発明の標識分子含有シリカ球に抗体を結合させて濃縮する方法、アビジンを表面修飾した本発明の標識分子含有シリカ球を用いて、ビチオン化蛋白を結合させて濃縮する方法も例示できる。
さらに、元来、共役が困難な2種類以上の物質であっても、本発明の標識分子含有シリカ球を介することによれば、両者を共役させることも可能である。例えば、後述する実施例9に示すSH基表層修飾シリカ球をローダミン標識グルタチオン-S-トランスフェラーゼとGreen fluorescein protein(GFP)の混合液と反応させると、ローダミン標識グルタチオン-S-トランスフェラーゼとGreen fluorescein protein(GFP)の両方の蛍光を観察することが可能となる。また、表面にアビジンを結合させた標識分子含有シリカ球を二種類のビオチン化蛋白質を含む混合液と反応させると、シリカ球の表面に二種類のビオチン化蛋白質を結合させることができる。
また、別の応用技術として、例えば、バーコード標識手法が考えられる。多種の機能付加を行ったシリカ球(例えば多様な抗体やぺプチドを表面に提示させライブラリーとしたもの等)において、それらを速やかに区別することは機能性シリカ球の応用に多大な利便性をもたらすと考えられ、その方法の一つとしてバーコード標識が挙げられる。具体的には、2種あるいはそれ以上の蛍光色素分子で標識された蛍光色素分子含有シリカ化合物を種々の配合比で混合し、蛍光色素分子含有シリカ球を作成することにより多様な蛍光特性を持つバーコード標識シリカ球が作成でき、フローサイトメトリーや蛍光顕微鏡で区別し得る。更に、上記表面修飾技術を用いて表層に色素、もしくは色素で標識した蛋白質や遺伝子等を多様な配合比で修飾することによってもバーコード標識化することができる。特に近年、遺伝子配列解読技術が簡便化されつつあるため、特定の遺伝子配列をシリカ球表面に結合させておき、必要に応じてPCRなどで増幅し塩基配列を読むことにより識別することも可能となる。
(3)標識分子含有シリカ球の多重結合物の調製
本発明は、標識分子含有シリカ球が有する標識分子の強度を高める方法として、標識分子含有シリカ球の多重結合物の調製方法を提供する。当該方法は、上記の方法で得られた標識分子含有シリカ球に、標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、さらに標識分子含有シリカ球を結合させることによって行うことができる(工程(d))。また、標識分子含有シリカ球のアクセプター基を、当初のアクセプター基とは異なる所望のものに変更する場合には、工程(d)の前に、前述する工程(b)で用いたシリカ化合物(4)とは異なる、所望のアクセプター基を有するシリカ化合物(4)での処理を実施してもよい〔工程(c)〕。
ここで使用できるカップリング剤としては、標識分子含有シリカ球が表面に有するアクセプター基に応じて、表2に記載するものを挙げることができる。
Figure 0004982687
カップリング剤との反応は、カップリング剤の存在下で、本発明の標識分子含有シリカ球を反応することによって行うことができる。通常、室温下で数十分〜数十時間攪拌反応する方法を用いることができる。
使用するカップリング剤の割合は、標識分子含有シリカ球1モルに対して、モル比で300〜6000部、好ましくは600〜5400部、より好ましくは2100〜3000部である。
斯くして本発明の標識分子含有シリカ球は、カップリング剤を介して多重的に結合する。かかる方法は、標識分子含有シリカ球に由来する標識分子(例えば、蛍光色素やラジカル)の強度を高める手段として有効に利用することができる。なお、多重結合によって形成される粒状物は、特に制限されないが、粒径60〜150nmの範囲の大きさを有することができる。
実施例1で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球Aの蛍光減衰曲線を示す図である。 実施例2に記載するシリカ球の表層処理を示す模式図を示す。 スペクトルA:実施例1で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球A(1st Growth)(直径:20nm)の水溶液中の吸収スペクトル、スペクトルB:実施例2(1)で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(2nd Growth)(直径:230nm)の水溶液中の吸収スペクトルをそれぞれ示す図である。 実施例1で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(直径:20nm)(1st Growth)のTEM写真(×90,000)の画像を示す図である。 実施例2(1)で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(直径:230nm)(2nd Growth)のTEM写真(×15,000)の画像を示す図である。 実施例4に記載する標識分子含有シリカ球のNH基修飾と、カップリング剤を用いたシリカ球同士の結合を示す模式図を示す。 実施例5で調製した蛍光色素分子(フルオレセイン)含有シリカ球(SH基表層修飾シリカ球)の蛍光顕微鏡の所見(図a)、及び当該シリカ球にローダミン標識GSTを付着させたシリカ球の所見(図b)を示す(×400)(原本はカラー図)。 実施例7で調製したローダミン(標識分子)含有シリカ球の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(×10,000)(図a)と蛍光顕微鏡像(図b)を示す(原本はカラー図)。 蛍光色素分子を含有していないシリカ球上にローダミン標識GSTを付着させた所見(a)、その後、FITC標識抗GST抗体を結合させた所見(b)を示す図である(×400)(原本はカラー図)。
以下、本発明を詳細に説明するために、実施例を記載する。但し、本発明はこれらの実施例に何等限定されるものではない。
フルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物の調製、及びこれを用いたシリカ球(フルオレセイン含有シリカ粒子)の調製
(1)フルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、標識分子としてフルオレセインを含有するシリカ化合物(3)を調製した。
Figure 0004982687
〔式中、Rはフルオレセイン(標識分子)を意味する。またR中、*はエステル基との結合部を意味する。〕
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介して通じてフルオレセイン(標識分子:式中、Rで示す)とスクシンイミドとが結合してなる、5(6)-Carboxyfluorescein-N-hydroxysuccinimide ester(以下、「FLUOS」ともいう)(1)(約3.3mg)を1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔3-(aminopropyl)triethoxysilane:以下、「APS」ともいう)〕(2)を上記FLUOSと等モルになるように加え、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物〔FLUOS(1)〕のカルボニル基とシリカ化合物〔APS(2)〕のアミノ基がアミド結合してなるフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)を調製した。最初、黄色を呈していたFLUOS(1)のDMSO溶液が、APS(2)を加えると、オレンジ色に変化した。
(2)標識分子含有シリカ球の調製
次いで、下式に従って、フルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)からフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(5)を調製した。
Figure 0004982687
具体的には、上記で得られたフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)を含む反応溶液から50μlを採取し、エタノール3.95mlに加えた。これに、さらにシリカ化合物としてテトラエトキシシラン(Tetraethylorthosilicate:以下、「TEOS」ともいう)(4)50μl、蒸留水1ml、及び27重量%のアンモニア水溶液を約100μl加えて、スターラーピースを用いて室温で約24時間撹拌して反応した。このとき、反応液中のエタノールと蒸留水の容量比が4:1となるようにした。得られた溶液は、反応前の混合液の黄色とは明らかに異なる黄緑色を呈しており、反応が生じていることが確認された。
得られた反応終了液を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、2mlのサンプル溶液Aを得た(フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(5)を含む。このシリカ球を「シリカ球A」という)。またここで得られたろ過液を、さらに限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM-3ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):3kDa〕を用いてろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、3mlのサンプル溶液Bを得た(フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(5)を含む。このシリカ球を「シリカ球B」という)。
(3)得られた標識分子含有シリカ球(5)のラベル率(標識分子含有率)
(3-1) 上記の反応液(24時間反応前)に含まれるフルオレセイン分子の濃度は、計算上、67.7μmol/lとなる〔FLUOS(分子量473.4)0.165mg(3.3mg x 50μl/1000μl)を、最終反応液(約5.15ml)に使用〕。実際に、全成分を混合した直後の反応液の10倍希釈溶液について吸収スペクトル(光路長さ1cmの角セル使用)を測定し、それからピーク吸光度を求めたところ、0.510であった。FLUOSの分子吸光係数は7.5x104であることから、当該反応液中のフルオレセイン分子の濃度を計算すると、68μmol/lとなり、上記の計算値と一致した。
一方、その反応液を24時間反応させた後の反応終了液(黄緑色)を、上記反応液(反応前の全成分混合液)と同様に10倍希釈して吸収スペクトルを測定したところ、ピークの吸光度は0.607だった。FLUOSの分子吸光係数(7.5x104)から、反応終了液中に含まれるフルオレセイン分子の濃度を計算すると、80.9μmol/lであり、反応前の混合液中に含まれるフルオレセイン分子の濃度に比して約1.2倍大きな値になっていた。この結果から、シリカ粒子(ナノ粒子)内のフルオレセインの分子吸光係数が当初の7.5x104から8.9x104に変化したと判断された。このため、以下のラベル率(標識分子含有率)の計算では、分子吸光係数として後者の分子吸光係数値(8.9x104)を使用した。
反応前の混合液と反応後の反応終了液について、それぞれ蛍光スペクトル(スリット幅(Ex/Em)=1.5nm/1.5nm、Low sensitivity)を測定した。励起波長は、それぞれ発光ピークの励起スペクトルのピークから決定した。反応前の混合液と反応後の反応終了液について、蛍光強度(励起波長496nm、発光波長520nm)を測ったところ、それぞれ17.06(反応前の混合液)と33.95(反応終了液)であり、反応によって約2倍蛍光強度が増加したことがわかった。
(3-2) フィルターとしてUFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWLを用いた限外濾過により得られた2mlのサンプル溶液Aから0.1ml採取し蒸留水で10倍に希釈して吸収スペクトルを測定し、吸光度を求めた(吸光度0.285)。上記で求めたFLUOSの分子吸光係数(8.9x104)を用いて算出した値(32μmol/l)から、フルオレセイン分子の量を計算すると、32μmol/l x 473.4 x 2/1000=0.0303mgとなった。最初に加えたフルオレセイン分子の量が0.165mg(正確にはFLUOSの量)であることから、サンプル溶液Aにおけるシリカ球Aのラベル率は0.0303/0.165x100=18.4%であると判断された。
同様に、フィルターとしてUFディスク YM-3ウルトラセルRC100K NMWLを用いた限外濾過により得られた3mlのサンプル溶液Bから0.1ml採取して蒸留水で10倍に希釈して、吸収スペクトルを測定し、吸光度を求めた(吸光度0.482)。FLUOSの分子吸光係数(8.9x104)を用いて算出した値(54.2μmol/l)から、フルオレセイン分子の量を計算すると、54.2μmol/lx473.4x3/1000=0.077mgとなった。最初に加えたフルオレセイン量が0.165mg(正確にはFLUOSの量)であることから、サンプル溶液Bにおけるシリカ球Bのラベル率(標識分子含有率)は0.077/0.165x100=46.7%と判断された。
以上のことから、上記の方法によって調製されたシリカ球A及びシリカ球Bは、それぞれ18.4%及び 46.7%の割合で標識分子(フルオレセイン)が結合しており(ラベル化)、反応に使用したFLUOSのフルオレセイン分子の利用率は65.1%であることがわかった。シリカ球A及びシリカ球Bのラベル率はいずれもImhofらの論文(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)で報告されているの最大ラベル率13%を上回っていた。
(4)1粒子当たりの蛍光分子数
(1)で調製された、サンプル溶液A中のシリカ球A及びサンプル溶液B中のシリカ球Bを、透過型電子顕微鏡(徳島大学医学部)及び超高圧電子顕微鏡(大阪大学超高圧電子顕微鏡センター)で観察したところ、それぞれ直径約20nm及び約4nmの粒子像が観察された。この結果から、シリカ球Aの直径は約20nm、シリカ球Bの直径は約4nmであると判断された。なお、Imhofらの方法で得られているシリカ球の直径は184-305nmである(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)。
シリカ球B(直径4nm)1粒子に含まれるフルオレセイン分子の数を1個と仮定して、シリカ球の直径をもとにして、シリカ球A(直径20nm)1粒子に含まれるフルオレセイン分子の数を求めた。その結果、シリカ球A(直径20nm)1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は、97分子/SiO2粒子であった〔シリカ球B(直径4nm)1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は、1分子/SiO2粒子〕。
(5)1粒子あたりの蛍光強度
シリカ球A1粒子の蛍光強度は2.0x10-11(サンプル溶液A 2ml中に含まれるシリカ球Aの数は4.72x1014個/2ml:サンプル溶液A 0.03mlの蛍光強度は143.38)、及びシリカ球B1粒子の蛍光強度は2.2x10-13(サンプル溶液B 2ml中に含まれるシリカ球Bの数は1.16x1017個/2ml:サンプル溶液B 0.03mlの蛍光強度は255.10)である。
一方、フリーのフルオレセイン1分子の蛍光強度は、1.8x10-13である〔0.0029mmol/lのサンプル10mlで蛍光強度が957.562である。このサンプル中に含まれるフルオレセイン分子の数は5.25x1015個であるから、1分子当たりの蛍光強度は1.8x10-13となる〕。
このことから、シリカ球A1粒子の蛍光強度はフルオレセイン1分子の蛍光強度の111倍、シリカ球B1粒子の蛍光強度はフルオレセイン1分子の蛍光強度の1.2倍であることがわかる。
(6)1粒子内のフルオレセイン分子の濃度
シリカ球A1粒子(粒子径20nm)の体積は4.2x10-18cm3であり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は97分子/SiO2粒子であることから、シリカ球A1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l (97/6.02 x 1023/4.2 x 10-18x1000 = 38.4mmol/l)である。このことから、シリカ球Aは、1粒子内に、フルオレセイン分子を97分子(フルオレセイン分子の濃度:38.4mmol/l)の割合で含むものの、111分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。一方、シリカ球B1粒子(粒子径4nm)の体積は3.4x10-20cm3であり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数を1分子/SiO2粒子としたことから、シリカ球B1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、48.9mmol/l (1/6.02 x 1023/3.4 x 10-20x 1000 = 48.9mmol/l)である。このことから、シリカ球Bは、1粒子内に、フルオレセイン分子を1分子(フルオレセイン分子の濃度:48.9mmol/l)の割合で含むものの、1.2分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。
なお、Imhofらの方法で得られたシリカ球1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、31mmol/lである(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)。このことからシリカ球Bが1粒子内に含むフルオレセイン分子の濃度(48.9mmol/l)は、その1.58倍量である。
(7)自己消光の有無
上記で得られたシリカ球A(直径20nm)について、蛍光寿命を測定した。具体的には、励起波長(494nm)で励起する際に定常光ではなく、パルス光〔ナノ秒(nsec)オーダー〕を使用して、試料(シリカ球Aの水溶液)を照射し、その1回のパルス光で励起され発光した蛍光ピークの強度を測定した。時間を横軸に、発光ピークの強度を縦軸に示した結果(蛍光減衰曲線)を図1に示す。この結果は、同様にして測定したFLUOSの水溶液(フルオレセインをシリカで被覆していないもの)の結果とほぼ同じであったことから(蛍光寿命:3.8nsec)、シリカ球A(直径20nm)は、自己消光を起こしていないことがわかった。
(8)まとめ
以上のことから、(1)の方法により、ラベル率(標識分子含有率)がそれぞれ18.4%及び46.7%の粒子径20nm及び4nmのフルオレセイン(標識分子)含有シリカナノ粒子(粒子径:数〜数十nm)が調製できることが示された。1粒子あたりのフルオレセイン分子の数は、それぞれ1個及び97個で、計算で算出される1粒子あたりのフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l及び48.9mmol/lであった。また、1粒子あたりのフルオレセイン分子の蛍光強度は、フリーのフルオレセイン分子1個と比較した場合の、それぞれ111倍と1.2倍であった。このことから、1粒子のSiO2分子内に1分子のフルオレセイン分子を封じ込める(言い換えれば、1分子のフルオレセイン分子をSiO2分子で覆う)ことによって、フルオレセイン分子の蛍光強度が1.2倍程増加することがわかる。
また上記の反応により形成されたフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球の表面は、反応に用いたシリカ化合物(テトラエトキシシラン)(4)に基づいて、アクセプター基としてOH基を有していた(OH基表層修飾シリカ球)。
(1)実施例1で調製したシリカ球A〔フルオレセイン(標識分子)含有シリカ粒子(直径20nm)〕(1st Growth)の水溶液1mlに対して、エタノール4ml、テトラエトキシシラン(TEOS) 50μl、27重量%のアンモニア水50μlを混合し、次いで室温で24時間、磁気撹拌を行った。その後、限外濾過(フィルター:UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)を行い蒸留水で数回洗浄して2nd Growthのフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球として取り出した。当該シリカ球の直径は230nmであり、シリカ球Aの直径(20nm)の約10倍大きくなっていた。なお、さらにシリカ層を厚くしたい場合は、上記の反応によって増加したシリカ層の厚みの割合を考慮して、上記の反応操作を繰り返すことで所望の大きさのシリカ球を調製することができる。
図2は、上記の反応を模式的に示したものである。図中、Rはフルオレセイン(標識分子)を、R’は水素原子を意味する。
(2)実施例1で調製したシリカ球A(直径20nm)(1st Growth)及び上記(1)で調製したシリカ球(2nd Growth)(直径230nm)の水溶液中の吸収スペクトルを、図3にそれぞれスペクトルA及びBとして示す。この結果からわかるように、実施例1のシリカ球A(直径20nm)(1st Growth)及び上記(1)で調製したシリカ球(直径230nm)(2nd Growth)はいずれも490nmに典型的な吸収ピークを観測することができた。上記(1)で調製したシリカ球(直径230nm)(2nd Growth)の吸収スペクトルは、短波長側に向かって吸収が増大する傾向が観測された。これは粒子が大きくなることに基づいて生じる散乱効果によるものと考えられた。
また結果は示さないが、いずれのシリカ球もフルオレセイン(標識分子)に基づく蛍光スペクトルを示した。シリカ球A(直径20nm)を含む水溶液(3mL)のフルオレセインの濃度は0.075mMであった〔フルオレセインの分子吸光係数;7.5x104として計算〕。
シリカ球A(直径20nm)(1st Growth)の水溶液は濃い黄色を呈しており、1ヶ月を経ても安定であった。一般にフルオレセイン分子はアルカリ条件下で、安定で強い蛍光を発することが知られている。シリカ球の調製に使用する溶液は強アルカリ性であることから、上記で得られた結果(強く安定した蛍光性)は、調製されたシリカ球の内部がアルカリ性になっていることに起因するものと考えられる。
(3)実施例1で調製したシリカ球A(直径:20nm)及び上記(1)で調製したシリカ球(直径:230nm)を、透過型電子顕微鏡で観察した。シリカ球Aの透過型電子顕微鏡画像を図4に、(1)で調製したシリカ球の透過型電子顕微鏡画像を図5に示す。実施例1で調製したシリカ球A(直径:20nm)(1st Growth)(図4)は表面に凹凸がありメソポーラス様を呈しているのに対し、(1)で調製したシリカ球(直径:230nm)(2nd Growth)(図5)は表面が滑らかであった。
表面にNH基を有する標識分子含有シリカ球の作製と修飾特性
実施例1で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球A(粒径20nm)の分散水溶液0.5mlを、4.5mlの4mM 3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS〕とともに、室温下で一晩反応させた。これにより、シリカ球にAPSを付着させて表面にアクセプター基としてNH基を有するシリカ球(NH基表層修飾シリカ球)を作製することができた。
a)蛋白修飾
蛍光顕微鏡下で、上記で得られたNH基表層修飾シリカ球5μgを0.5μg/mlのGreen fluorescein protein(GFP)5μlと混和した。すると、混和直後より、NH基表層修飾シリカ球がGFPの緑色の蛍光を発することを確認することができた。この結果から、上記NH基表層修飾シリカ球はその表面にGFP(蛋白質)を付着することがわかった。
b)遺伝子修飾
蛍光顕微鏡下で、上記で得られたNH基表層修飾シリカ球5μgを、20mMの蛍光標識DNA〔PCR用プライマー:FITC-GST-AS(FITC-5’-GGCAGATCGTCAGTCAGTCAC-3’):配列番号1〕(Invitrogen社製)を5μlと混和した。すると、混和直後よりNH基表層修飾シリカ球がFITCの蛍光を発することを確認することができた。この結果から、上記NH基表層修飾シリカ球はその表面にDNAを付着することがわかった。
NH基表層修飾シリカ球の作製とフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球同士の結合(1)実施例1で調製したサンプル溶液B(シリカ球B:粒径4nm)2mlに、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」ともいう)で10倍希釈した3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS〕溶液2μlを加えて、室温で1時間撹拌した。これにより、シリカ球B〔フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球〕の表面に、アクセプター基としてAPSに由来するNH基を有するシリカ球(NH基表層修飾シリカ球)を作製することができた。
その後、この混合溶液0.1mlを1.5ml容量の反応チューブに加えて、これに40μlのグルタールアルデヒド(カップリング剤)を添加して室温で撹拌した(本発明試料)。なお、当該グルタールアルデヒドの使用割合は、上記NH基表層修飾シリカ球1モルに対して2190モル、APS1モルに対して329モルである。また、対照試験として、上記40μlのグルタールアルデヒドに代えて40μlの蒸留水を用いて、同様に攪拌反応を行った(対照試料)。
本発明試料と対照試料の蛍光強度を測定したところ、対照試料では、蛍光強度145(励起波長503nm、発光波長520nm)であったのに対し、本発明試料は、蛍光強度9.8(励起波長484nm、発光波長515nm)であり、対照試料の蛍光強度の約1/15と、明らかにグルタールアルデヒドで処理した本発明試料の蛍光強度が減少していた。この蛍光強度の減少(消光現象)から、グルタールアルデヒドを加えることで、NH基表層修飾シリカ球が集まって集合体(シリカ球の多重結合物)が形成されたことがうかがわれた。すなわち、上記の蛍光強度の減少は、シリカ球が集まることによって励起する光や発光する光が干渉し合うことによって生じているものと推測された。
図6に、上記の反応を模式的に示す。
(2)この溶液(本発明試料)にさらに、シリカ球B、DMSO及びAPSの混合溶液を0.1ml加えると、蛍光強度が25になり、最初の蛍光強度(約10)に比べて約15に相当する蛍光が増えた。一方、上記の対照試料にさらに混合溶液を0.1ml加えて0.2mlとした場合は、当初145あった蛍光強度が72.5(実測)になった。このことから、72.5-15=57.5の蛍光強度に相当する粒子が、上記においてシリカ球の多重結合物の調製に使われたと考えられる。
上記の本発明試料にさらに混合溶液を0.1ml(合計0.3ml)加えると、蛍光強度は70になり、上記の蛍光強度25に比べて約45(蛍光強度:70-25=45)に相当する蛍光が増えた。一方、上記の対照試料にさらに蒸留水を0.1ml加えて0.3mlとした場合は、3倍希釈になるので48(実測)となった。この値は、上記蛍光増加分45とほぼ等しいことから、最後に本発明試料に添加した混合溶液0.1mlは、シリカ球の多重結合に関わっていないと思われた。これらのことから、本発明試料に混合溶液を所定の量まで(ここでは0.2ml)配合することによって、すなわち配合する混合溶液の量を調整することによって、シリカ球を互いに結合させて大きな粒子の塊(多重結合物)を作ることができることがわかる。
以上のことから、シリカ球をアミノプロピルトリエトキシシラン(シリカ化合物)で処理することによりシリカ球の表面にアクセプター基としてNH基を導入し、次いでカップリング剤としてグルタールアルデヒドで処理することで、シリカ球がお互いに結合し、シリカ球の塊(多重結合物)を形成することができることがわかった。すなわち、上記の反応によりさらなる大きなフルオレセイン(標識分子)含有シリカ粒子が調製できることがわかる。
表面にSH基を有する標識分子含有シリカ球の作製
(1)実施例1(1)で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)50μlを、水3ml、エタノール10ml、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPS) 0.15ml、及び27重量%アンモニア水溶液1mlと混合して、室温下で24時間攪拌反応させた。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球を調製した。斯くして得られたシリカ球は、その表面に上記反応に使用したシリカ化合物(MPS)に由来するSH基を有している(SH基表層修飾シリカ球)。このシリカ球を蛍光顕微鏡で観察したところ、フルオレセインの蛍光が観察できた(図7a)。
(2)次いで、このSH基表層修飾シリカ球10μlに、1.0mg/mlのローダミンで標識したグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(ローダミン標識GST)の水溶液を10μlに加え、蛍光顕微鏡で観察を行ったところ、ローダミンの蛍光が観察された(図7b)。このことからシリカ球(SH基表層修飾シリカ球)の表面に、ローダミン標識GSTを付着させることができることが確認できた。
ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物の調製、及びこれを用いたシリカ球〔ビオチン(標識分子)含有シリカ球〕の調製
(1)ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物(7)を調製した。
Figure 0004982687
〔式中、Rはビオチン(標識分子)を意味する。また、R中、*はエステル基との結合部位を意味する。〕
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を通じてビオチン(標識分子)(式中、Rで示す)とスクシンイミドが結合してなるD-Biotin-N-hydroxysuccinimide ester(6)(Roshe Molecular Biochemicals)(約50mg)をDMSO溶液(約1ml)に溶解(終濃度146mM)した後、その35μlとアミノ基を有するシリカ化合物として5.7Mの3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS〕(2) 1μl及びDMSO 5mlを混合して、約1時間攪拌して反応させて、ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物(7)を調製した。
(2)シリカ球(標識分子としてビオチンとフルオレセインを含有するシリカ球)の調製 次いで、下式に従って、標識分子としてビオチンとフルオレセインを含有するシリカ粒(8)を調製した。
Figure 0004982687
(なお式中、Rはフルオレセイン分子、Rはビオチン分子を示す。またR及びR中、*はいずれもエステル基との結合部位を意味する。)
具体的には、上記で得られた反応溶液〔ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物〕(7)2.5mlと実施例1(1)で得られたフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)を含む反応溶液2.5mlを混合し、これにエタノール20ml、水6 ml、テトラエトキシシラン(TEOS)0.3 ml、27重量%のアンモニア水2mlを加えてスターラーを用いて室温にて24時間攪拌した。反応終了後、得られた反応終了液を限外濾過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を用いて洗浄した。これによって、標識分子としてビオチン及びフルオレセインを含有するシリカ球〔ビオチン-フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球〕(8)が調製できた。
次いで得られたビオチン-フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(8)5μlを、0.5 mg/ml アビジン溶液 5 μlと混合したところ、蛍光顕微鏡並びに電子顕微鏡にて凝集像が認められた。一方、対照実験として実施例1(1)及び(2)の方法で調製されるビオチンを含まないフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(5)を用いて上記と同条件でアビジン溶液と混合したところ、この場合には凝集像は認められなかった。
このことから、ビオチン-フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(8)は、内部にビオチンが取り込まれているだけでなく、表層部にビオチンが露出した形で存在しており、これによってアビジンと反応することがわかった。よってビオチン-フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(8)は、ビオチン−アビジン反応を利用した検出の蛍光試薬として有用である。
ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物の調製、及びこれを用いたシリカ球〔ローダミン(標識分子)含有シリカ球〕の調製
(1)ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物を調製した。
Figure 0004982687
〔式中、Rはローダミン(標識分子)を意味する。R中、*はエステル基との結合部を意味する。〕
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介してローダミン(標識分子)とスクシンイミドが結合してなる5-carboxyltetramethylrhodamine succinimidyl ester(9)(Molecular Probes社製)約5mgを、1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APS)(2) を、上記スクシンイミジルエステル化合物(9)と等モルになるようにDMSOで51.2μl加えて、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物(9)のカルボニル基とシリカ化合物(2)のアミノ基がアミド結合してなるローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)を調製した。
(2)シリカ球の調製
下式に従って、ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)からローダミン(標識分子)含有シリカ球(12)を調製した。
Figure 0004982687
〔式中、Rはローダミン(標識分子)を意味する。〕
具体的には、上記で得られた反応溶液〔ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)〕のDMSO溶液5mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)0.3ml、水6ml及びエタノール20mlを加えて(エタノール:水=4:1、容量比)、これに約30%のアンモニア水2mlを加えて、一日撹拌しながら室温条件下に放置した。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、ローダミン(標識分子)含有シリカ球(11)を調製した。このものの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(×10,000)と蛍光顕微鏡像を図8a、図8bに示す。
表面にSH基を有する標識分子含有シリカ球の作製、及びその性質
(1)実施例7の(1)に記載する方法で調製したローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)の分散水溶液1mlに、エタノール4ml、テトラエチルオルソシリケート(TEOS) 60μl、水1.2ml、27重量%のアンモニア水0.4mlを加えて室温で一晩反応してローダミン(標識分子)含有シリカ球(11)を調製した。反応終了液を限外濾過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕にて洗浄した。
(2)洗浄を行ったシリカ球含有液 0.1 mlを、 5.8 mM MPS(γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン)水溶液1mlに加え、室温下にて一晩反応させた。これにより、ローダミン(標識分子)含有シリカ球(11)の表面にMPSを付着させて、表面にアクセプター基としてSH基を有するシリカ球(SH基表層修飾シリカ球)を作製することができた。
(3)次いで、遠心分離機を用いて蒸留水にて洗浄を行った。得られたシリカ球(SH基表層修飾シリカ球)含有液2μlと、34μg/mlの割合でGreen fluorescein protein(GFP)を含む生理的食塩水溶液3 μlとを混合し、蛍光顕微鏡で観察したところ、混和直後より、SH基表層修飾シリカ球がGFPの緑色の蛍光を発することを確認することができた。この結果から、上記SH基表層修飾シリカ球は他の特殊な試薬を必要とすることなく蛋白質を含む溶液と混合するだけでその表面に蛋白質を吸着することがわかった。
水3ml、エタノール10ml、5.7 Mのγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPS)0.15 ml、27重量%のアンモニア水1 mlを混合し、一日撹拌しながら放置して、シリカ球を調製した。このシリカ球はその表面にアクセプター基としてMPSに由来するSH基を有している(SH基表層修飾シリカ球)。次いで、遠心機分離機を用いてエタノール、水、生理的食塩水にて当該シリカ球を洗浄した。
得られたSH基表層修飾シリカ球10μlに、1.0mg/mlのローダミン標識したグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(ローダミン標識GST)の水溶液を10μlに加え、蛍光顕微鏡で観察を行った。その結果、ローダミンの蛍光が観察された(図9a)。次に1.0mg/mlウシ血清アルブミンでブロッキングを行った後、遠心分離機を用いて洗浄した。洗浄したローダミン標識GSTを結合させたSH基表層修飾シリカ球を、0.2mg/mlのフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で蛍光標識した抗GST抗体5μlと混合し、蛍光顕微鏡にて観察を行った。その結果、図9bに示すように、シリカ球にFITCの蛍光を認めた。このことから、シリカ球上で抗GST抗体が抗原であるGSTと結合していることが確認できた。
以上、実施例3(1)、実施例8及び9の結果から、本発明のシリカ球によれば、その表面に有するアクセプター基を介して蛋白質を付着させることができ、これによりシリカ球表面で抗原-抗体反応を行うことが可能であることが示された。

Claims (11)

  1. (a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応して、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
    及び
    (b)(a)の工程で得られる標識分子含有シリカ化合物(3)を、1種または2種以上組み合わせて、シリカ化合物(4)と反応する工程
    を有する、標識分子含有シリカ球(5)の調製方法。
  2. 上記アミノ基を有するシリカ化合物(2)として、3-(アミノプロピル)トリエトキシシランまたは3-[2-(2-アミノエチルアミノ) エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを用いることを特徴とする、請求項1記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
  3. 上記シリカ化合物(4)として、テトラエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つのシリカ化合物を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
  4. (b)の工程を、水、アルコール、及びアンモニアの存在下で行うことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
  5. 水とアルコールの容量比が1:0.5〜1:8であることを特徴とする請求項4に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、標識分子含有シリカ球の調製方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
  9. 請求項6または8に記載する標識分子含有シリカ球の表面に、ペプチド、蛋白質、遺伝子、微生物、カップリング剤、ビオチン、アビジン、または標識分子が結合してなるシリカ球。
  10. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ粒子を、さらに(c)工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、及び
    (d)標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、標識分子含有シリカ球同士を結合させる工程
    を有する、標識分子含有シリカ球の多重結合物を調製する方法。
  11. 請求項10に記載する方法によって得られる標識分子含有シリカ球の多重結合物。
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