JP4982687B2 - 標識分子含有シリカ球の調製方法 - Google Patents
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Description
項1.(a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応して、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(b)(a)の工程で得られる標識分子含有シリカ化合物(3)を、1種または2種以上組み合わせて、シリカ化合物(4)と反応する工程
を有する、標識分子含有シリカ球(5)の調製方法。
項2.上記アミノ基を有するシリカ化合物(2)として、3-(アミノプロピル)トリエトキシシランまたは3-[2-(2-アミノエチルアミノ) エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを用いることを特徴とする、項1記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
項3.上記シリカ化合物(4)として、テトラエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つのシリカ化合物を用いることを特徴とする、項1または2に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
項4.(b)の工程を、水、アルコール、及びアンモニアの存在下で行うことを特徴とする、項1乃至3のいずれかに記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
項5.水とアルコールの容量比が1:0.5〜1:8であることを特徴とする項4に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
項6.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
項7.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、標識分子含有シリカ球の調製方法。
項8.項7に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
項9.項6または8に記載する標識分子含有シリカ球の表面に、ペプチド、蛋白質、遺伝子、微生物、カップリング剤、ビオチン、アビジン、または標識分子が結合してなるシリカ球。
項10.項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに
(c)必要に応じて、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、及び
(d)標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、標識分子含有シリカ球同士を結合させる工程
を有する、標識分子含有シリカ球の多重結合物を調製する方法。
項11.項10に記載する方法によって得られる標識分子含有シリカ球の多重結合物。
(1)標識分子含有シリカ球の調製方法
本発明の標識分子含有シリカ球の調製方法は、下記(a)及び(b)の工程を有することを特徴とする。
(a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応させて、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(b)(a)で得られた標識分子含有シリカ化合物(3)を、シリカ化合物(4)と反応させて標識分子含有シリカ球(5)を形成する工程。
具体的には、Rとしては、上記式に示すように、側鎖として-COOR’基(R’は水素原子または任意の基を意味する)を結合することによってカルボン酸またはその誘導体を形成するものを挙げることができる。上記において化合物(0)として示されるカルボン酸またはその誘導体としては、例えば、5-カルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-フルオレセイン、5(6)-カルボキシ-フルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,4’,5’,7,7’-ヘキサクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-2’,4,7,7’-テトラクロロフルオレセイン、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、5-カルボキシ-ローダミン、6-カルボキシ-ローダミン、5(6)-カルボキシ-ローダミン、Alexa Fluor 350 カルボン酸、Alexa Fluor 405 カルボン酸、Alexa Fluor 430 カルボン酸、Alexa Fluor 488 カルボン酸、Alexa Fluor 500カルボン酸、Alexa Fluor 514カルボン酸、Alexa Fluor 532 カルボン酸、Alexa Fluor 546カルボン酸、Alexa Fluor 555カルボン酸、Alexa Fluor 568 カルボン酸、Alexa Fluor 594 カルボン酸、Alexa Fluor 610 カルボン酸、Alexa Fluor 633カルボン酸、Alexa Fluor 647カルボン酸、Alexa Fluor 660カルボン酸、Alexa Fluor 680 カルボン酸、Alexa Fluor 700 カルボン酸、Alexa Fluor 750 カルボン酸、ビオチン等の色素;3-carboxy TEMPO (4-carboxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxy)、3-carboxy PROXYL [3-(carboxy)-2,2,5,5-tetramethyl-1-piperidinyloxy)等のフリーラジカル;ethylenediaminetetraacetic acid, iron(III) sodium salt hydrate、ethylenediaminetetraacetic acid, iron(II) acetate等を挙げることができる。
シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られている。上記(1)で説明した方法で調製される本発明の標識分子含有シリカ球もまた、容易に所望の分子を表面に結合させることが可能であり、またその表面をメソポーラスや平滑状にすることもできる。
本発明は、標識分子含有シリカ球が有する標識分子の強度を高める方法として、標識分子含有シリカ球の多重結合物の調製方法を提供する。当該方法は、上記の方法で得られた標識分子含有シリカ球に、標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、さらに標識分子含有シリカ球を結合させることによって行うことができる(工程(d))。また、標識分子含有シリカ球のアクセプター基を、当初のアクセプター基とは異なる所望のものに変更する場合には、工程(d)の前に、前述する工程(b)で用いたシリカ化合物(4)とは異なる、所望のアクセプター基を有するシリカ化合物(4)での処理を実施してもよい〔工程(c)〕。
(1)フルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、標識分子としてフルオレセインを含有するシリカ化合物(3)を調製した。
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介して通じてフルオレセイン(標識分子:式中、R1で示す)とスクシンイミドとが結合してなる、5(6)-Carboxyfluorescein-N-hydroxysuccinimide ester(以下、「FLUOS」ともいう)(1)(約3.3mg)を1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔3-(aminopropyl)triethoxysilane:以下、「APS」ともいう)〕(2)を上記FLUOSと等モルになるように加え、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物〔FLUOS(1)〕のカルボニル基とシリカ化合物〔APS(2)〕のアミノ基がアミド結合してなるフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)を調製した。最初、黄色を呈していたFLUOS(1)のDMSO溶液が、APS(2)を加えると、オレンジ色に変化した。
次いで、下式に従って、フルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)からフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球(5)を調製した。
(3-1) 上記の反応液(24時間反応前)に含まれるフルオレセイン分子の濃度は、計算上、67.7μmol/lとなる〔FLUOS(分子量473.4)0.165mg(3.3mg x 50μl/1000μl)を、最終反応液(約5.15ml)に使用〕。実際に、全成分を混合した直後の反応液の10倍希釈溶液について吸収スペクトル(光路長さ1cmの角セル使用)を測定し、それからピーク吸光度を求めたところ、0.510であった。FLUOSの分子吸光係数は7.5x104であることから、当該反応液中のフルオレセイン分子の濃度を計算すると、68μmol/lとなり、上記の計算値と一致した。
(1)で調製された、サンプル溶液A中のシリカ球A及びサンプル溶液B中のシリカ球Bを、透過型電子顕微鏡(徳島大学医学部)及び超高圧電子顕微鏡(大阪大学超高圧電子顕微鏡センター)で観察したところ、それぞれ直径約20nm及び約4nmの粒子像が観察された。この結果から、シリカ球Aの直径は約20nm、シリカ球Bの直径は約4nmであると判断された。なお、Imhofらの方法で得られているシリカ球の直径は184-305nmである(A.Imhof, et al., “Spectroscopy of Fluorescein (FITC) Dyed Colloidal Silica Spheres”, J. Phys. Chem. B 1999,103, 1408-1415)。
シリカ球A1粒子の蛍光強度は2.0x10-11(サンプル溶液A 2ml中に含まれるシリカ球Aの数は4.72x1014個/2ml:サンプル溶液A 0.03mlの蛍光強度は143.38)、及びシリカ球B1粒子の蛍光強度は2.2x10-13(サンプル溶液B 2ml中に含まれるシリカ球Bの数は1.16x1017個/2ml:サンプル溶液B 0.03mlの蛍光強度は255.10)である。
シリカ球A1粒子(粒子径20nm)の体積は4.2x10-18cm3であり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数は97分子/SiO2粒子であることから、シリカ球A1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l (97/6.02 x 1023/4.2 x 10-18x1000 = 38.4mmol/l)である。このことから、シリカ球Aは、1粒子内に、フルオレセイン分子を97分子(フルオレセイン分子の濃度:38.4mmol/l)の割合で含むものの、111分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。一方、シリカ球B1粒子(粒子径4nm)の体積は3.4x10-20cm3であり、1粒子あたりに含まれるフルオレセイン分子の数を1分子/SiO2粒子としたことから、シリカ球B1粒子内のフルオレセイン分子の濃度は、48.9mmol/l (1/6.02 x 1023/3.4 x 10-20x 1000 = 48.9mmol/l)である。このことから、シリカ球Bは、1粒子内に、フルオレセイン分子を1分子(フルオレセイン分子の濃度:48.9mmol/l)の割合で含むものの、1.2分子量のフルオレセイン分子に相当する蛍光強度を有しているといえる。
上記で得られたシリカ球A(直径20nm)について、蛍光寿命を測定した。具体的には、励起波長(494nm)で励起する際に定常光ではなく、パルス光〔ナノ秒(nsec)オーダー〕を使用して、試料(シリカ球Aの水溶液)を照射し、その1回のパルス光で励起され発光した蛍光ピークの強度を測定した。時間を横軸に、発光ピークの強度を縦軸に示した結果(蛍光減衰曲線)を図1に示す。この結果は、同様にして測定したFLUOSの水溶液(フルオレセインをシリカで被覆していないもの)の結果とほぼ同じであったことから(蛍光寿命:3.8nsec)、シリカ球A(直径20nm)は、自己消光を起こしていないことがわかった。
以上のことから、(1)の方法により、ラベル率(標識分子含有率)がそれぞれ18.4%及び46.7%の粒子径20nm及び4nmのフルオレセイン(標識分子)含有シリカナノ粒子(粒子径:数〜数十nm)が調製できることが示された。1粒子あたりのフルオレセイン分子の数は、それぞれ1個及び97個で、計算で算出される1粒子あたりのフルオレセイン分子の濃度は、38.4mmol/l及び48.9mmol/lであった。また、1粒子あたりのフルオレセイン分子の蛍光強度は、フリーのフルオレセイン分子1個と比較した場合の、それぞれ111倍と1.2倍であった。このことから、1粒子のSiO2分子内に1分子のフルオレセイン分子を封じ込める(言い換えれば、1分子のフルオレセイン分子をSiO2分子で覆う)ことによって、フルオレセイン分子の蛍光強度が1.2倍程増加することがわかる。
実施例1で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ球A(粒径20nm)の分散水溶液0.5mlを、4.5mlの4mM 3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS〕とともに、室温下で一晩反応させた。これにより、シリカ球にAPSを付着させて表面にアクセプター基としてNH2基を有するシリカ球(NH2基表層修飾シリカ球)を作製することができた。
蛍光顕微鏡下で、上記で得られたNH2基表層修飾シリカ球5μgを0.5μg/mlのGreen fluorescein protein(GFP)5μlと混和した。すると、混和直後より、NH2基表層修飾シリカ球がGFPの緑色の蛍光を発することを確認することができた。この結果から、上記NH2基表層修飾シリカ球はその表面にGFP(蛋白質)を付着することがわかった。
蛍光顕微鏡下で、上記で得られたNH2基表層修飾シリカ球5μgを、20mMの蛍光標識DNA〔PCR用プライマー:FITC-GST-AS(FITC-5’-GGCAGATCGTCAGTCAGTCAC-3’):配列番号1〕(Invitrogen社製)を5μlと混和した。すると、混和直後よりNH2基表層修飾シリカ球がFITCの蛍光を発することを確認することができた。この結果から、上記NH2基表層修飾シリカ球はその表面にDNAを付着することがわかった。
(1)実施例1(1)で調製したフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)50μlを、水3ml、エタノール10ml、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPS) 0.15ml、及び27重量%アンモニア水溶液1mlと混合して、室温下で24時間攪拌反応させた。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球を調製した。斯くして得られたシリカ球は、その表面に上記反応に使用したシリカ化合物(MPS)に由来するSH基を有している(SH基表層修飾シリカ球)。このシリカ球を蛍光顕微鏡で観察したところ、フルオレセインの蛍光が観察できた(図7a)。
(1)ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物(7)を調製した。
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を通じてビオチン(標識分子)(式中、R2で示す)とスクシンイミドが結合してなるD-Biotin-N-hydroxysuccinimide ester(6)(Roshe Molecular Biochemicals)(約50mg)をDMSO溶液(約1ml)に溶解(終濃度146mM)した後、その35μlとアミノ基を有するシリカ化合物として5.7Mの3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン〔APS〕(2) 1μl及びDMSO 5mlを混合して、約1時間攪拌して反応させて、ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物(7)を調製した。
具体的には、上記で得られた反応溶液〔ビオチン(標識分子)含有シリカ化合物〕(7)2.5mlと実施例1(1)で得られたフルオレセイン(標識分子)含有シリカ化合物(3)を含む反応溶液2.5mlを混合し、これにエタノール20ml、水6 ml、テトラエトキシシラン(TEOS)0.3 ml、27重量%のアンモニア水2mlを加えてスターラーを用いて室温にて24時間攪拌した。反応終了後、得られた反応終了液を限外濾過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を用いて洗浄した。これによって、標識分子としてビオチン及びフルオレセインを含有するシリカ球〔ビオチン-フルオレセイン(標識分子)含有シリカ球〕(8)が調製できた。
(1)ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物の調製
下式に従って、ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物を調製した。
具体的には、まずスクシンイミジルエステル化合物として、エステル結合を介してローダミン(標識分子)とスクシンイミドが結合してなる5-carboxyltetramethylrhodamine succinimidyl ester(9)(Molecular Probes社製)約5mgを、1mlのDMSO溶液に溶解した後、アミノ基を有するシリカ化合物として3-(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APS)(2) を、上記スクシンイミジルエステル化合物(9)と等モルになるようにDMSOで51.2μl加えて、約1時間スターラーピースを用いて攪拌して反応させて、スクシンイミジルエステル化合物(9)のカルボニル基とシリカ化合物(2)のアミノ基がアミド結合してなるローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)を調製した。
下式に従って、ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)からローダミン(標識分子)含有シリカ球(12)を調製した。
具体的には、上記で得られた反応溶液〔ローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)〕のDMSO溶液5mlに、テトラエトキシシラン(TEOS)0.3ml、水6ml及びエタノール20mlを加えて(エタノール:水=4:1、容量比)、これに約30%のアンモニア水2mlを加えて、一日撹拌しながら室温条件下に放置した。得られた溶液(反応終了液)を、限外ろ過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕を使用してろ過し、蒸留水を使用したろ過洗浄を数回繰り返して、ローダミン(標識分子)含有シリカ球(11)を調製した。このものの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(×10,000)と蛍光顕微鏡像を図8a、図8bに示す。
(1)実施例7の(1)に記載する方法で調製したローダミン(標識分子)含有シリカ化合物(10)の分散水溶液1mlに、エタノール4ml、テトラエチルオルソシリケート(TEOS) 60μl、水1.2ml、27重量%のアンモニア水0.4mlを加えて室温で一晩反応してローダミン(標識分子)含有シリカ球(11)を調製した。反応終了液を限外濾過装置〔アミコン(登録商標)攪拌式セル〕(フィルター;UFディスクYM100ウルトラセルRC100K NMWL)(販売会社:MILLIPORE)〔Nominal Molecular Weight Limit(NMWL):100 kDa〕にて洗浄した。
Claims (11)
- (a)エステル結合(-CO-O-)を介して標識分子とスクシンイミドとが結合してなるスクシンイミジルエステル化合物(1)とアミノ基を有するシリカ化合物(2)とを反応して、標識分子含有シリカ化合物(3)を生成する工程、
及び
(b)(a)の工程で得られる標識分子含有シリカ化合物(3)を、1種または2種以上組み合わせて、シリカ化合物(4)と反応する工程
を有する、標識分子含有シリカ球(5)の調製方法。 - 上記アミノ基を有するシリカ化合物(2)として、3-(アミノプロピル)トリエトキシシランまたは3-[2-(2-アミノエチルアミノ) エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランを用いることを特徴とする、請求項1記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
- 上記シリカ化合物(4)として、テトラエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシランよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つのシリカ化合物を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
- (b)の工程を、水、アルコール、及びアンモニアの存在下で行うことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の標識分子含有シリカ球の調製方法。
- 水とアルコールの容量比が1:0.5〜1:8であることを特徴とする請求項4に記載する標識分子含有シリカ球の調製方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ球を、さらに、工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、標識分子含有シリカ球の調製方法。
- 請求項7に記載の方法によって得られる標識分子含有シリカ球。
- 請求項6または8に記載する標識分子含有シリカ球の表面に、ペプチド、蛋白質、遺伝子、微生物、カップリング剤、ビオチン、アビジン、または標識分子が結合してなるシリカ球。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法で得られた標識分子含有シリカ粒子を、さらに(c)工程(b)で用いたシリカ化合物(4)と異なるシリカ化合物(4)で処理する工程を有する、及び
(d)標識分子含有シリカ球のアクセプター基に応じたカップリング剤を用いて、標識分子含有シリカ球同士を結合させる工程
を有する、標識分子含有シリカ球の多重結合物を調製する方法。 - 請求項10に記載する方法によって得られる標識分子含有シリカ球の多重結合物。
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