JP2009194336A - 磁性素子 - Google Patents

磁性素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2009194336A
JP2009194336A JP2008036515A JP2008036515A JP2009194336A JP 2009194336 A JP2009194336 A JP 2009194336A JP 2008036515 A JP2008036515 A JP 2008036515A JP 2008036515 A JP2008036515 A JP 2008036515A JP 2009194336 A JP2009194336 A JP 2009194336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
hole
transformer
bobbin
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008036515A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5204507B2 (ja
Inventor
Naoki Sasaki
尚樹 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumida Corp
Original Assignee
Sumida Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumida Corp filed Critical Sumida Corp
Priority to JP2008036515A priority Critical patent/JP5204507B2/ja
Publication of JP2009194336A publication Critical patent/JP2009194336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5204507B2 publication Critical patent/JP5204507B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】耐熱性および耐衝撃性を向上させた磁性素子を提供すること。
【解決手段】第1巻線が巻回される第1巻線部32a、およびこれとは間隙35を有して並設され第2巻線32bが巻回される第2巻線部32bとが巻軸に沿って設けられると共に、巻軸に沿いかつ第1巻線部32aおよび第2巻線部32bの巻回中心側に位置する貫通孔31を有し、さらに間隙35に位置すると共に貫通孔31と交差する凹部38を備えるボビン3と、貫通孔31に挿入される挿入部21bを有すると共に、少なくとも2つ以上設けられるコア2と、を有していて、2つのコア2の挿入部は、貫通孔31のうち凹部38との交差部位で、凹部38から充填される接着剤によって固定されている磁性素子1としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に実装する磁性素子であって、耐熱性および耐衝撃性が向上した磁性素子に関する。
従来より、巻線が巻回されたボビンを、一対のE字型コアの中央脚部に嵌めこむようにして形成されるトランスが、スイッチング回路等に用いられている。
また、そのE字型コアをボビンに固定するために、一対のE字型コアとボビンとを接着剤で接着するという案がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特開平8−17648号公報(請求項1等) 実公平5−28736号公報(第3図等)
上述の特許文献1の方法は、E字型コアとボビンとを、外側に露出している2箇所の接合面を接着することで、E字型コアとボビンとを固定するものである。しかし、E字型コアの熱膨張係数は、ボビンの熱膨張係数と異なるため、E字型コアとボビンとを2点以上で固定すると、熱衝撃下において接着部分に応力が生じ、接着部分で剥離あるいは破壊を生じるという問題がある。さらに、接着部分がトランスの重心位置から離れているため、振動下においてより大きな荷重が接着に加わる。そのため、接着部分にクラックが生じやすいという問題がある。さらに、接着部分が露出するため、外観がよくないという問題もある。
また、特許文献2の方法は、接着剤を流入させるための切溝をE字型コアの内脚に沿って設けるものとしている。そのため接着箇所が外側に露出せず、トランスの重心に近い位置で接着できる。しかし、切溝部分の壁部が薄くなるために、切溝部分の強度が低下し、耐衝撃性の低いトランスになる。
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、耐熱性および耐衝撃性を向上させた磁性素子を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、第1巻線が巻回される第1巻線部、およびこれとは間隙を有して並設され第2巻線が巻回される第2巻線部とが巻軸に沿って設けられると共に、巻軸に沿いかつ第1巻線部および第2巻線部の巻回中心側に位置する貫通孔を有し、さらに間隙に位置すると共に貫通孔と交差する凹部を備えるボビンと、貫通孔に挿入される挿入部を有すると共に、少なくとも2つ以上設けられるコアと、を有していて、2つのコアの挿入部は、貫通孔のうち凹部との交差部位で、凹部から充填される接着剤によって固定されている磁性素子としている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、間隙は、第1巻線部と第2巻線部とを隔てるためのセパレータを有し、セパレータの実装面に略水平な面の少なくとも一方に、凹部を有するものとしている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、凹部に挿入される突起を設けたカバーを有する磁性素子としている。
本発明によれば、耐熱性および耐衝撃性を向上させた磁性素子を提供できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の磁性素子の第1の実施の形態に係るトランス1について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、下方側とは、基板に実装される側、すなわちZ方向を指し、上方側とは、これとは逆側、すなわちZ方向を指す。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るトランス1の全体の構成を示す斜視図である。また、図の簡略化のために、各図において後述の巻線の図示を省略している。また、図2は、トランス1のコア2を取り外した状態の分解斜視図であり、図3は、トランス1からコア2を取り外した状態の下面図、図4は、トランス1からコア2を取り外した状態でY方向に見た場合の正面図である。図5は、図1のトランス1からコア2を取り外した状態でX方向に見た場合の右側面図である。
本実施の形態のトランス1は、いわゆるEE型のトランス1であり、2つのE字型のコア2、ボビン3、ボビン3に巻回される巻線および接続用端子5から主に構成されている。
コア2は、角柱状の本体脚21aと、本体脚21aから突出する3つの角柱状の脚を有する。3つの脚としての内脚21bおよび2本の外脚21cは、所定の間隔(絶縁距離)だけ離れて、互いに平行かつ同一方向に本体脚21aから突出している。また、外脚21cは、本体脚21aの両端から同一方向に突出し、挿入部としての内脚21bは、外脚21cと同一方向に、かつ、2本の外脚21cの中間より突出している。そのため、コア2は、いわゆるE字型状の平面構造を形成している。コア2は、例えば、フェライトやパーマロイ、センダスト、鉄カルボニル等の材料を用いて形成されている。
ボビン3は、合成樹脂を成型したもので、Y軸方向に貫通孔31を有する略四角筒形の基体部を有する。ボビン3の基体部は、第1巻線部32aおよび第2巻線部32bを有している。第1巻線部32aと第2巻線部32bとは、第1巻線部32a側のセパレータ34aおよび第2巻線部側のセパレータ34bにより仕切られている。セパレータ34aおよびセパレータ34bは、間隙35を隔てて形成されている。第1巻線部32aのセパレータ34aが形成されている側と逆の端部には、鍔部33aが形成されている。一方、第2巻線32bのセパレータ34bが形成されていない側の端部には、鍔部33bが形成されている。本実施の形態において、鍔部33aと鍔部33bとのほぼ中間部分に、セパレータ34aとセパレータ34bに挟まれた間隙35が存在する。
第1巻線部32aおよび第2巻線部32bは、ほぼ同じ外周を有する。また、鍔部33a、鍔部33b、セパレータ34aおよびセパレータ34bは、第1巻線部32aおよび第2巻線部32bの外周よりも大きい外周を有し、ボビン3外側へ突出している。そのため、第1巻線部32aに巻回された巻線(以後、第1巻線という。)と、第2巻線部32bに巻回された巻線(以後、第2巻線という。)は、それぞれ隔てられている。
鍔部33aおよび鍔部33bの下部には、それぞれ台座部36aおよび台座部36bが設けられている。台座部36aおよび台座部36bは、X方向に長い略長方形形状である。また、台座部36aは、鍔部33aの下からY方向に突出している。同様に、台座部36bは、鍔部33bの下からY方向に突出している。また、台座部36aおよび台座部36bのX方向に延出する辺のうち、Y方向外側かつ下側の角は、面取りされて面取り部37aおよび37bが形成されている。さらに、第1巻線部32a側の面であって鍔部33aから台座部36aの底面まで、および第2巻線部32b側の面であって鍔部33bから台座部36bの底面までには、案内溝37が形成されている。案内溝37は、第1巻線および第2巻線を接続用端子5へ引き出すために、略長方形の凹部として形成されている。
セパレータ34aおよびセパレータ34bが形成する間隙35には、貫通孔31まで基体部を貫通し、貫通孔31と交差部位を形成する、凹部としての孔38が形成されている。本明細書において、貫通孔31まで貫通する凹部とは、溝あるいは孔等を含むものであり、その陥没している部分が、貫通孔31まで貫通して、交差領域を形成するものである。本実施の形態において、孔38と貫通孔31との交差部位は、2つのコア2の内脚21b同士が当接する部分であり、また、トランス1の重心部分あるいはその重心部分に近い部位である。なお、本明細書において、重心とは、トランス1の全体として、トランスの各部分に働く万有引力の合力の作用点である。
接続用端子5は、プリント基板に表面実装するための端子であり、金属等で形成される導電性の部材である。台座部36aに形成された接続用端子5には、第1巻線の端部が接続され、台座部36bに形成された接続用端子5には、第2巻線の端部が接続される。接続用端子5は、台座部36aおよび台座部36bの下面部から下方に向かって延出する配置部51と、配置部51からL字型に屈曲させて構成された底面部52から構成される。そのため、トランス1が基板に実装された状態では、接続用端子5の底面部52が基板の導電部分に接触し、第1巻線および第2巻線は基板に対して確実に導電可能となる。
本実施の形態では、接続用端子5は、ボビン3の台座部36aの下面側に3つ、および台座部36bの下面側に3つ配置されている。また、接続用端子5のそれぞれは、台座部36aおよび台座部36bの下面に対して略垂直に配置部51の一部が埋設され、固定されている。また、底面部52の下面は、同一平面状になり、かつ、トランス1のY方向外側に末端を向けて配置されている。具体的には、台座部36a側に配置された接続用端子5は、Y方向に底面部52の末端を向けて配置されており、台座部36b側に配置された接続用端子5は、Y方向に底面部52の末端を向けて配置されている。
本実施の形態では、それぞれのE字型のコア2の内脚21bは、ボビン3の孔38と貫通孔31とが合流する部分にて、他方のコア2の内脚21bに当接している。また、E字型コア2の外脚21cは、ボビン3のX方向外側およびX方向外側で、他方のE字型のコア2の外脚21cに当接している。すなわち、E字型のコア2の内脚21bおよび外脚21cは、それぞれもう1つのE字型のコア2の内脚21bおよび外脚21cにそれぞれ対向した状態でボビン3に配置されている。
ボビン3と2つのコア2を固定するための接着剤9は、孔38に充填される。また、この孔38は、貫通孔31に到達しているため、接着剤9は、2つのコア2の内脚21bの末端部分に到達する。そのため、接着剤9は、ボビン3と、コア2の内脚21b部分とを接着できる。
本実施の形態のトランス1は、コア2とボビン3とを、当該トランス1のY方向の中央部の1箇所のみで固定するものである。ここで、コア2の熱膨張係数とボビン3の熱膨張係数とが異なっているが、上記のようにコア2とボビン3とが1箇所のみで固定されているので、コア2およびボビン3の両端側は、自由端となる。さらに、中央部から両端の間の部分も接合されていないので、周囲温度が変化しても接着部分に張力を生じることがない。そのため、周囲温度の変化が大きい部位で使用しても、接着部分が剥離あるいは破壊されにくいものとなる。
また、重心に近い場所でコア2とボビン3とを接着するため、耐振動性および耐衝撃性を向上させたトランス1となる。なぜなら、振動あるいは衝撃を与えた場合に、重心に近い位置では、振動幅が小さいものとなるためである。一方、重心から遠い位置では、慣性モーメントが大きく振動幅が大きくなる。そのため、重心から遠い位置にある接着部分には、より大きな応力が作用する。
本明細書において、耐振動性とは、振動に対する耐久性である。X方向、Y方向およびZ方向に加振できる振動試験機に試験片を固定して、振幅、周波数および振動方向を変化させた場合の、振動に対する耐久性にて耐振動性を評価できる。また、耐衝撃性とは、衝撃に対する耐久性である。衝撃試験機に固定した試験片にX方向、Y方向およびZ方向から衝撃を加えた場合の、衝撃加速度に対する耐久性にて耐衝撃性を評価できる。また、耐熱衝撃性とは、温度環境の変化に対する耐久性である。熱衝撃試験機で試験片を急熱あるいは急冷した場合の耐久性にて耐熱衝撃性を評価できる。
以上のような構成を有するトランス1の製造方法について、以下に説明する。まず、金属プレートを打ち抜き、L字状になるように折り曲げ等の加工を行い、接続用端子5を形成する。具体的には、接続用端子5用の金属プレートは、配置部51と、配置部51に略垂直に折り曲げられて底面部52とを折り曲げ加工により形成される。
次に、ボビン3を作成する。具体的には、接続用端子5を、ボビン3の台座部36aおよび台座部36bに、接続用端子5の折り曲げ加工部がY方向内側に向き、かつ、配置部51の一部を埋め込まれるように、ボビン3の形状を形成するための金型へ配置する。接続用端子が配置された金型を用いて、モールド成型等によってポリエステル等の合成樹脂を成形し、接続用端子5を備えるボビン3を得ることができる。
次に、巻線を第1巻線部32aおよび第2巻線部32bに所定の巻き数だけ巻回させる。第1巻線および第2巻線の端末は、所定だけ引き出しておく。そして、第1巻線の端末は、台座部36aに設けられた接続用端子5に絡げ、第2巻線の端末は、台座部36bに設けられた接続用端子5に絡げて、絡げた部分をそれぞれ半田等で電気的に接続する。
また、ボビン3の作製とは別に、磁性体材料を、E字型の形状に、例えばプレス成型等によって成形し、成形後の磁性体材料を焼結することで、E字型のコア2が生成される。
次に、貫通孔31のそれぞれの開口側から、コア2の内脚21bをそれぞれ挿入し、E字型のコア2を配置する。これにより、2つのE字型のコア2は、貫通孔31内部で内脚21bが当接し、かつ、外脚21cがそれぞれ他方の外脚21cとボビン3のX方向外側で当接する。
次に、トランス1の底面を上側に置き、ボビン3の孔38に、シリンジにて接着剤を流入し、固化させる。接着剤としては、エポキシ系の接着剤を好適に用いることができる。
以上のようにして、トランス1が形成される。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係るトランス1Aについて説明する。図6は、第2の実施の形態に係るトランス1Aの斜視図である。図7は、図6のトランス1AをA−A線を含むZ―X平面で切断した場合に、その断面をY方向に見た場合の平面図である。なお、第1の実施の形態と同じ要素の説明は省略し、同じ要素には、同じ符号を付して説明する。
第2の実施の形態に係るトランス1Aは、2つのE字型コア2、ボビン3A、接続用端子5および裏蓋6から主に構成される。
第2の実施の形態に係るトランス1Aのボビン3Aでは、第1の実施の形態においてボビン3が有するセパレータ34a、間隙35、セパレータ34bが存在しない。その代わり、間隙35が配置されていた部分に、セパレータ34cが存在する。セパレータ34cのX方向の長さ寸法は、第1の実施の形態における間隙35のX方向の長さ寸法とほぼ同じである。また、セパレータ34cの下方側の面には、貫通孔31まで貫通する孔38が設けられている。
カバーとしての裏蓋6は、トランス1Aの下面に配置される部品である。裏蓋6は、板部61と、板部61のほぼ中央の位置から突出する凸部62から構成されている。凸部62は、孔38に挿入される部分であり、セパレータ34cの下方側の面から、貫通孔31まで達するだけの長さ寸法を有している。裏蓋6は、板部61がセパレータ34cの下面に当接するまで、凸部62を孔38のZ方向に挿入する。
次に、第2の実施の形態に係るトランス1Aの製造方法について説明する。
第2の実施の形態に係るトランス1Aの製造方法は、第1の実施の形態に係るトランス1の製造方法と、E字型のコア2を配置する工程まで同様であるので、その説明を省略する。
E字型のコア2を配置した後に、トランス1Aの底面を上側に置き、セパレータ34cに形成された孔38より接着剤9を流し込む。そして、裏蓋6の凸部62を孔38に挿入しながら、裏蓋6を所定の位置に配置する。
第2の実施の形態に係るトランス1Aでは、裏蓋6の凸部62が孔38に挿入されることにより、確実に接着剤9を貫通孔31部分まで注入させることができる。そのため、粘度の高い接着剤等のように、流れの悪い接着剤を使用しても、確実に接着剤を接着位置に注入させることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は、上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、一方のコア2の内脚21bが他方のコア2の内脚21bに当接するものとしているが、間隙が形成されていてもよい。あるいは、内脚21bの間に、スペーサーを設けるような形態であっても良い。
また、上述の各実施の形態では、接着剤を流し込むために、貫通孔31まで到達する孔38を1箇所設けるものとしているが、このような形態に限らない。例えば、X方向に長い溝としてもよいし、セパレータ34aとセパレータ34bとの間あるいはセパレータ34cに数箇所設けてもよい。
また、上述の各実施の形態では、接着剤を流入するために、孔38をボビン3の下面側に設けるものとしているが、このような形態に限らない。例えば、図8に示すように、上面側に孔38を設けたボビン3Bとしてもよい。また、孔38を2面以上の面に設けることで、空気の通りを向上させて、接着剤が流入しやすいものとしてもよい。
また、図8に示す上面側に孔38を設けたボビン3Bを採用する場合には、図9に示すように、ボビン3Bを保護するための保護部材7に、接着剤9を流入するための凸部71を設けるような形態としてもよい。その場合には、保護部材7のうち、ボビン3Bの貫通孔31と対向する部分に、コア2の内脚21bが通る穴部(不図示)あるいは溝部(不図示)を設け、ボビン3Bに保護部材7を取り付けた後、保護部材7に覆われたボビン3Bにコア2を配置するようなトランス1としてもよい。保護部材7を配置した後にコア2を配置する場合には、孔38と貫通孔31との交差領域に保護部材7の凸部71が接着剤9を流し入れた後、内脚21bを配置するため、内脚21bの突合せ部分に接着剤9を均一に塗布できる。図9は、そのような保護部材7を採用した場合のトランス1Bの孔38部分をXY平面で切断した場合の断面図である。
また、図7および図9では、貫通孔31および孔38は、X方向の幅が同一であるが、このような形態に限らない。例えば、孔38は、貫通孔31よりもX方向の幅が小さいものであってもよい。孔38が細い筒状であることで、トランス1およびトランス1Aの機械的強度が向上する。しかし、孔38が太い筒状である場合には、接着剤9が流入しやすいという効果がある。
また、上述の各実施の形態では、鍔部33aおよび鍔部33bの下部に、案内溝37を有するものとしているが、案内溝37は、必須ではない。また、各実施の形態では、案内溝37は長方形の凹部としているが、このような形態に限らない。たとえば、各接続用端子5につき凹部が1箇所ずつ存在してもよいし、凹部の代わりに、X方向内側に突出する凸部が形成されているような形態でも良い。
また、上述の各実施の形態では、トランス1、トランス1Aあるいはトランス1B(以後、トランス1、1A、1Bと言う。)の重心に近い位置の一箇所でコア2とボビン3、ボビン3Aあるいはボビン3B(以後、ボビン3、3A、3Bと言う。)とを接着するものとしているが、重心に近い位置でコア2とボビン3、3A、3Bとを接着することに加えて、他の部位でもそれらを接着することを妨げるものではない。
また、上述の実施の形態では、ボビン3、3A、3Bの材料を合成樹脂としているが、このような形態に限らない。また、コア2はニッケル系のフェライトコアから成るものとしているが、コア2の材質を、ケイ素鋼板、パーマロイ、ダスト・コア、あるいは、マンガン系フェライトコア等の他の磁性体材料としても良い。
また、上述の実施の形態では、磁性材料をE字型のコア2の形状に成形することで、コア2を得ることとしているが、このような形態に限らない。磁性材料の成形段階では、略長方角形に成形し、その後E字型コア2の形状になるように切削して成形しても良い。
また、上述の実施の形態に係るトランス1、1A、1Bは、孔38を中心に点対称であるため、孔38は、鍔部33aと鍔部33bとのほぼ中間部分に設けられている。しかし、このような形態に限らずに、例えば、トランス1、1A、1Bが点対称ではない場合、例えば、コア2の3つの脚の間隙が一定ではない場合には、トランス1、1A、1Bの重心は、鍔部33aと鍔部33bとの中間部分ではない。また、重心位置でボビン3、3A、3Bとコア2とが接着されていることが耐衝撃性を向上させるために最も好ましいが、重心に近い位置であれば、他の位置でボビン3、3A、3Bとコア2とを接着してもよい。また、重心でない位置であっても、コア2の内脚21b同士が対向している部分で接着することにより、耐熱性が向上するものとなる。
また、上述の各実施の形態では、孔38に注入するための接着剤9としてエポキシ系接着剤を用いているが、他の接着剤を用いてもよい。例えば、アクリル系、ウレタン系あるいはシリコン系の接着剤等を用いてもよい。しかし、本発明に係るトランス1およびトランス1Aでは、重心位置あるいは重心に近い位置1点でコア2とボビン3とが接着されているので、熱膨張によるボビン1、1A、1Bとコア2との相対的な位置のずれを接着部分が許容する必要がない。そのため、接着後の硬度が高く、耐熱性に優れるエポキシ系接着剤を用いて接着することが可能である。
また、上述の各実施の形態では、接続用端子5の材料として金属を採用しているが、これに限定されることなく、接続用端子5として非導電性の部材の外側に導電性の被膜が形成された部材を採用しても良いし、メッキあるいはスッパタリング等により、台座部36aおよび36bに接続用端子5の役割を有する導電部を作製しても良い。
次に、本発明のトランスの振動、衝撃および熱衝撃に対する耐久性を測定した。図10は、各比較例および実施例のトランスを上面側から見た場合の概略図である。比較例1から比較例4までの従来技術に係るトランスには、図10の点線で囲まれた領域であって、トランスの外側に露出している部分にてE字型コアとボビンとを接着した。本発明に係る実施例(以後、本発明品と言う。)では、重心部分に接着剤を挿入するための孔を設けて、2つのE字型コアが当接している部分にて、E字型コアとボビンとを接着した。
その結果、各比較例すべてのコアとボビンとが剥離等してしまった後にも、本発明品のコアとボビンとは、最後まで接着された状態であった。すなわち、本発明品は、従来技術品と比較して、耐衝撃性が高いと言える。
本発明は、特に車載用のトランスに適する。
本発明の実施の形態に係るトランスの一例を示す斜視図である。 図1に示すトランスの分解斜視図である。 図1に示すトランスのコアを装着していない状態の下面図である。 図1に示すトランスのコアを装着していない状態の正面図である。 図1に示すトランスのコアを装着していない状態の側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るトランスの分解斜視図である。 図6のトランス裏蓋が孔に挿入された状態で、孔を含むXY平面で切断した場合の断面図である。 本発明の変形例として、セパレータの上面側に孔を有するトランスの斜視図である。 本発明の変形例として、カバーを有するトランスの孔を含むXY平面で切断した場合の断面図である。 本発明の実施例において、各比較例と実施例のトランスのコアとボビンの接着位置を説明するための説明図である
符号の説明
1、1A、1B…トランス(磁性素子)
2…コア
3、3A、3B…ボビン
5…接続用端子
6…裏蓋(カバー)
7…保護部材(カバー)
9…接着剤
21b…内脚(挿入部)
31…貫通孔
32a…第1巻線部
32b…第2巻線部
34a、34b、34c…セパレータ
35…間隙
38…孔(凹部)

Claims (3)

  1. 第1巻線が巻回される第1巻線部、およびこれとは間隙を有して並設され第2巻線が巻回される第2巻線部とが巻軸に沿って設けられると共に、上記巻軸に沿いかつ上記第1巻線部および上記第2巻線部の巻回中心側に位置する貫通孔を有し、さらに上記間隙に位置すると共に上記貫通孔と交差する凹部を備えるボビンと、
    上記貫通孔に挿入される挿入部を有すると共に、少なくとも2つ以上設けられるコアと、を有していて、
    2つの上記コアの上記挿入部は、上記貫通孔のうち上記凹部との交差部位で、当該凹部から充填される接着剤によって固定されている、
    ことを特徴とする磁性素子。
  2. 前記間隙は、前記第1巻線部と前記第2巻線部とを隔てるためのセパレータを有し、
    上記セパレータの実装面に略水平な面の少なくとも一方に、前記凹部を有することを特徴とする、請求項1に記載の磁性素子。
  3. 前記凹部に挿入される突起を設けたカバーを有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の磁性素子。
JP2008036515A 2008-02-18 2008-02-18 磁性素子 Expired - Fee Related JP5204507B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008036515A JP5204507B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 磁性素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008036515A JP5204507B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 磁性素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009194336A true JP2009194336A (ja) 2009-08-27
JP5204507B2 JP5204507B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=41076048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008036515A Expired - Fee Related JP5204507B2 (ja) 2008-02-18 2008-02-18 磁性素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5204507B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236128A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 Tdk株式会社 コイル装置
CN108269679A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 致茂电子(苏州)有限公司 变压器结构
CN108847338A (zh) * 2018-07-06 2018-11-20 河南森源电气股份有限公司 一种变压器

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH034506A (ja) * 1989-06-01 1991-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型トランス
JPH0423110U (ja) * 1990-06-19 1992-02-26
JPH06176937A (ja) * 1992-12-04 1994-06-24 Kijima:Kk 小形巻線部品
JPH07192934A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Taiyo Yuden Co Ltd コイル部品及びその製造方法
JPH07220659A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Sony Corp バランスコイル
JPH0945550A (ja) * 1995-07-27 1997-02-14 Tokin Corp 高周波トランス
JPH10149932A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Hitachi Ferrite Electronics Ltd 高圧トランス
JP2000049021A (ja) * 1998-07-29 2000-02-18 Toshiba Tec Corp 電磁機器
JP2006173356A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Sumida Corporation 高圧トランス

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH034506A (ja) * 1989-06-01 1991-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型トランス
JPH0423110U (ja) * 1990-06-19 1992-02-26
JPH06176937A (ja) * 1992-12-04 1994-06-24 Kijima:Kk 小形巻線部品
JPH07192934A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Taiyo Yuden Co Ltd コイル部品及びその製造方法
JPH07220659A (ja) * 1994-01-28 1995-08-18 Sony Corp バランスコイル
JPH0945550A (ja) * 1995-07-27 1997-02-14 Tokin Corp 高周波トランス
JPH10149932A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Hitachi Ferrite Electronics Ltd 高圧トランス
JP2000049021A (ja) * 1998-07-29 2000-02-18 Toshiba Tec Corp 電磁機器
JP2006173356A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Sumida Corporation 高圧トランス

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236128A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 Tdk株式会社 コイル装置
CN108269679A (zh) * 2016-12-30 2018-07-10 致茂电子(苏州)有限公司 变压器结构
CN108847338A (zh) * 2018-07-06 2018-11-20 河南森源电气股份有限公司 一种变压器
CN108847338B (zh) * 2018-07-06 2024-03-26 河南森源电气股份有限公司 一种变压器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5204507B2 (ja) 2013-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4781223B2 (ja) インダクタンス素子
JP2006173572A (ja) プレート部材、このプレート部材を用いた磁性素子および磁性素子の製造方法
EP2455952B1 (en) Magnetic element
JP2013004887A (ja) コイル部品
JP2002043136A (ja) リアクトル
JP2018006676A (ja) コイル装置
JP6798824B2 (ja) コア及びコイルのモールド構造及びその製造方法
JP5204507B2 (ja) 磁性素子
JP4290160B2 (ja) コイル部品及びコイル部品の製造方法
JP2017163095A (ja) コイル装置
JP7268638B2 (ja) インダクタ部品
JP5154960B2 (ja) 磁性素子およびその製造方法
JP2008053455A (ja) コイル部品及びコイル部品の製造方法
JP6153900B2 (ja) リアクトル
JPH08203751A (ja) 電子機器用コイル部品
JP2008098506A (ja) コイル部品及びコイル部品の製造方法
JP2014063782A (ja) コイル素子、および、コイル素子の製造方法
KR100578708B1 (ko) 면 실장형 코일 부품 및 그 제조 방법
JP5321336B2 (ja) 磁性素子
JP2015220312A (ja) コイル装置
JP5941717B2 (ja) 樹脂モールドコイル装置
JP2005285901A (ja) 電子部品および電子部品の製造方法
JP2008004740A (ja) 磁性素子
EP3796007B1 (en) Current transducer
EP1185140A2 (en) Electroacustic transducer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5204507

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees