JP2009194169A - 積層コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な静電容量を確保しつつ、ESLの増加を抑え且つESRを大きくすることが可能な積層コンデンサを提供する。
【解決手段】積層コンデンサ1は、誘電体層9が積層された積層体4と、積層体4の側面に配置された第1及び第2の端子電極5,6と、積層体4の側面に配置された第1及び第2の接続導体7,8と、積層体4内に配置された第1〜第4の内部導体10〜40とを備えている。第1及び第4の内部導体10,40は第1の端子電極5と第1及び第2の接続導体7,8とに接続され、第2及び第3の内部導体20,30は第2の端子電極6に接続されている。第1の内部導体10は第2の内部導体20と同じ層に配置され、第1の端子電極5の第1の部分12の幅は第2の内部導体20の主電極部21の幅よりも狭くなっている。第3の内部導体30は第1及び第4の内部導体10,40と重なりを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層コンデンサに関する。
この種の積層コンデンサとして、互いに対向する長方形状の一対の主面と、一対の主面間を連結するように一対の主面の長手方向に伸び且つ互いに対向する一対の側面と、一対の主面間を連結するように一対の主面の短手方向に伸び且つ互いに対向する一対の端面とを有する直方体状のコンデンサ素体と、一対の側面にそれぞれ配置される複数の端子電極と、を備え、コンデンサ素体が、一対の主面の対向方向に積層された複数の誘電体層と、複数の誘電体層のうち少なくとも一つの誘電体層を挟んで対向するように交互に配置されると共に対応する端子電極に接続される複数の内部導体と、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された積層コンデンサでは、一対の側面にそれぞれ配置される端子電極の間隔が短いことから、該積層コンデンサにおける電流経路が比較的短くなり、等価直列インダクタンス(ESL)を小さくすることが可能となる。
特開平09−148174号公報
ところで、積層コンデンサにあっては、その用途により、等価直列抵抗(ESR)を大きくしたいという更なる要求がある。例えば、積層コンデンサをデカップリングコンデンサとして用いる場合には、以下のような要求がある。デジタル電子機器に搭載されている中央処理装置(CPU)に供給用の電源においては低電圧化が進む一方で負荷電流は増大している。負荷電流が急激に変化すると、動作電源電圧が不安定になりやすい。そこで、この電源電圧を安定させ、かつノイズを低減させるため、デカップリングコンデンサと呼ばれる積層コンデンサを電源に接続し、負荷電流の過渡的な変動時にこの積層コンデンサからCPUに電流を供給して電源電圧の変動を抑えノイズを低減するようにしている。
近年、CPUの動作周波数の更なる高周波数化に伴って、負荷電流は高速でより大きなものとなっており、デカップリングコンデンサに用いられる積層コンデンサについては、充分な静電容量を確保しつつESRを大きくしたいという要求がある。
しかしながら、特許文献1に記載された積層コンデンサでは、ESRを大きくするための検討は行っていない。
本発明は、充分な静電容量を確保しつつ、ESLの増加を抑え且つESRを大きくすることが可能な積層コンデンサを提供することを課題とする。
本発明の積層コンデンサは、複数の誘電体層が積層された直方体状の積層体と、積層体の側面のうち、誘電体層の積層方向および積層体の長手方向に沿って伸びる第1の側面に配置された第1の端子電極と、積層体の側面のうち、第1の側面と対向する第2の側面に配置された第2の端子電極と、積層体の側面のうち、誘電体層の積層方向および積層体の短手方向に沿って伸びる第3の側面に配置された第1の接続導体と、積層体の内部に配置され、第1及び第3の側面に引き出されて第1の端子電極及び第1の接続導体に接続された第1の部分を有する第1の内部導体と、積層体の内部において第1の内部導体と同一の層に配置され、第2の側面に引き出されて第2の端子電極に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第2の内部導体と、積層体の内部において誘電体層を介して第2の内部導体と隣り合うように配置され、第3の側面に引き出されて第1の接続導体に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第3の内部導体と、積層体の内部において、第3の内部導体から見たときに第2の内部導体とは反対側に位置すると共に第3の内部導体と誘電体層を介して隣り合うように配置され、第2の側面に引き出されて第2の端子電極に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第4の内部導体と、を備え、誘電体層の積層方向から見たときに、第3の内部導体の主電極部は第2及び第4の内部導体の主電極部と重なり、第1の部分の幅は、積層体の長手方向での第2の内部導体の主電極部の長さ及び積層体の短手方向での第2の内部導体の主電極部の長さよりも小さいことを特徴とする。
本発明に係る積層コンデンサでは、第1の内部導体の第1の部分の幅を狭めている。これにより第1の内部導体に細い部分が形成されることになるため、第1の内部導体の抵抗値が増し、積層コンデンサのESRを高めることができる。第3の内部導体の主電極部と第2及び第4の内部導体の主電極部とが重なるので、第3の内部導体と第2の内部導体との間に静電容量を発生させると共に、第3の内部導体と第4の内部導体との間にも静電容量を発生させることができる。よって静電容量成分を形成する領域が複数形成されることになるため、積層コンデンサの静電容量を充分に確保することが可能となる。第2の内部導体を第1の内部導体と同一の層に配置しているので、積層数を増やすことなく、高ESR化及び静電容量の確保を実現することができる。第2の端子電極を第2の側面に配置しているので、第2の端子電極を例えば第3の側面に配置した場合と比べて、第2の端子電極から第2及び第4の内部導体の端部までの長さを短くすることができる。これにより第2の端子電極から第2及び第4の内部導体の端部に至る電流経路が短くなるので、低ESL化を図ることができる。
好ましくは、第3の内部導体において、引き出し部の幅は、積層体の長手方向での主電極部の長さ及び積層体の短手方向での主電極部の長さよりも小さい。
この場合、第3の内部導体の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることになるため、積層コンデンサのESRを更に高めることができる。
好ましくは、第1の内部導体は、第1の側面に沿って伸びると共に側部が第1の側面から露出した第2の部分を有し、第1の部分と第2の部分とは連結されている。
この場合、第1の内部導体を第1の側面から多く露出させることができるので、第1の内部導体と第1の側面に配置された第1の端子電極との接触面積を増やすことができる。その結果、第1の内部導体と第1の端子電極との間における接続不良を防止することができる。
好ましくは、積層体の側面のうち、第3の側面と対向する第4の側面に配置された第2の接続導体を更に備え、第1の内部導体は、第1及び第4の側面に引き出されて第1の端子電極及び第2の接続導体に接続された第3の部分を更に有し、第3の内部導体は、第4の側面に引き出されて第2の接続導体に接続された他の引き出し部を更に有し、第3の部分の幅は、積層体の長手方向での第2の内部導体の長さ及び積層体の短手方向での第2の内部導体の長さよりも小さい。
この場合、第1の内部導体では第1の部分に加えて第3の部分も細くなる。よって、第1の内部導体の抵抗値が更に増すため、積層コンデンサのESRを更に高めることができる。
好ましくは、第2の内部導体を複数備え、複数の第2の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なる。
この場合、第2の内部導体と第3の内部導体とにより、静電容量成分を形成する領域が複数形成されることになる。第2の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なるので、複数形成された領域のうち、少なくとも2つについては静電容量値が異なることになる。これにより積層コンデンサは少なくとも2つの共振周波数を持つことになるため、広帯域にわたってインピーダンスを低い積層コンデンサを得ることができる。このような積層コンデンサを用いることにより、広い周波数帯域でノイズを効果的に低減することが可能となる。
好ましくは、第4の内部導体を複数備え、複数の第4の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なる。
この場合、第3の内部導体と第4の内部導体とにより、静電容量成分を形成する領域が複数形成されることになる。第4の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なるので、複数形成された領域のうち、少なくとも2つについては静電容量値が異なることになる。その結果、積層コンデンサは少なくとも2つの共振周波数を持つことになるため、広帯域にわたってインピーダンスが低い積層コンデンサを得ることができる。
好ましくは、積層体の内部において第4の内部導体と同一の層に配置され、第1及び第3の側面に引き出されて第1の端子電極及び第1の接続導体に接続された第4の部分を有する第5の内部導体を更に備え、第5の内部導体において、第4の部分の幅は、積層体の長手方向での第4の内部導体の長さ及び積層体の短手方向での第4の内部導体の長さよりも小さい。
この場合、第5の内部導体に細い部分が形成されることとなるため、積層コンデンサのESRを更に高めることができる。第5の内部導体を第4の電極と同一の層に配置するので、積層数を増やすことなくESRを高めることが可能となる。
本発明によれば、充分な静電容量を確保しつつ、ESLの増加を抑え且つESRを大きくすることが可能な積層コンデンサを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の分解斜視図である。図3は、第1実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。図4は、第1実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。
積層コンデンサ1は、図1に示されるように、積層体4と、積層体4の側面に配置された第1及び第2の端子電極5,6と、積層体4の側面に配置された第1及び第2の接続導体7,8とを備えている。
積層体4は直方体状であって、側面4a〜4fを有している。側面4aは側面4bと対向し、側面4c(第2の側面)は側面4d(第1の側面)と対向し、側面4e(第3の側面)は側面4f(第4の側面)と対向している。側面4a,4bは長方形状を呈しており、側面4c,4dは、側面4a,4bを連結するように側面4a,4bの長辺方向(積層体の長手方向)に沿って伸びている。側面4e,4fは、側面4a,4bを連結するように側面4a,4bの短辺方向(積層体の短手方向)に沿って伸びている。
第1の端子電極5は、積層体4の側面4dを覆うように配置されている。第2の端子電極6は、積層体4の側面4cを覆うように配置されている。第1の接続導体7は、積層体4の側面4eの略中心に配置され、両端部が側面4a,4bにかかっている。第2の接続導体8は、積層体4の側面4fの略中心に配置され、両端部が側面4a,4bにかかっている。第1及び第2の端子電極5,6と第1及び第2の接続導体7,8とは、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを積層体4の対応する側面に付与し、焼き付けることによって形成される。なお必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層が形成されることもある。
積層体4は、図2に示されるように、複数(本実施形態では4層)の誘電体層9が積層されたものである。先述した積層体4の側面4c〜4fは誘電体層9の積層方向に沿って伸びる面であり、側面4a,4bは誘電体層9の積層方向と直交する方向に伸びる面である。各誘電体層9は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサ1において、各誘電体層9は、誘電体層9の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
積層コンデンサ1は、積層体4内に第1の内部導体10、第2の内部導体20、第3の内部導体30、及び第4の内部導体40を備えている。第1〜第4の内部導体10,20,30,40は、導電性ペーストの焼結体から構成される。
第1の内部導体10は、第1の部分12と、第2の部分11と、第3の部分13とからなっている。
第1の部分12は、積層体4の側面4d,4eに引き出されて第1の端子電極5及び第1の接続導体7に接続されている。より具体的には、第1の部分12はL字状であり同一の幅(太さ)をもって伸びている。第1の部分12の一端部の端面は、側面4dから露出して第1の端子電極5に電気的且つ物理的に接続されている。第1の部分12の他端部の端面は、側面4eから露出して第1の接続導体7に電気的且つ物理的に接続されている。第1の部分12の幅W1は、積層体4の側面4a,4bの長辺方向における第2の内部導体20の主電極部21の長さW3よりも小さくなっている。また、第1の部分12の幅W1は、積層体4の側面4a,4bの短辺方向における第2の内部導体20の主電極部21の長さW4よりも小さくなっている。
第2の部分11は、積層体4の側面4dに沿って伸びている。第2の部分11の側部は側面4dから露出している。第2の部分11の一端部は第1の部分12に接続され、第2の部分11の他端部は第3の部分13に電気的且つ物理的に接続されている。
第3の部分13は、積層体4の側面4d,4fに引き出されて第1の端子電極5及び第2の接続導体8に接続されている。より具体的には、第3の部分13はL字状であり同一の幅(太さ)をもって伸びている。第3の部分13の一端部の端面は、側面4dから露出して第1の端子電極5に電気的且つ物理的に接続されている。第3の部分13の他端部の端面は、側面4fから露出して第2の接続導体8に電気的且つ物理的に接続されている。第3の部分13の幅W2は、積層体4の側面4a,4bの長辺方向における第2の内部導体20の主電極部21の長さW3よりも小さくなっている。また、第3の部分13の幅W2は、積層体4の側面4a,4bの短辺方向における第2の内部導体20の主電極部21の長さW4よりも小さくなっている。
第2の内部導体20は、第1の内部導体10と同一の層に配置されている。第2の内部導体20は、主電極部21と引き出し部22とからなっている。
主電極部21は、誘電体層9を挟んで第3の内部導体30の主電極部31と重なり合う部分である。主電極部21と主電極部31とが誘電体層9を挟んで重なり合うことにより、静電容量成分が形成される。主電極部21は、側面4a,4bの長辺方向及び側面4a,4bの短辺方向に沿って広がっている。
引き出し部22は、主電極部21に連結されている。また引き出し部22は、積層体4の側面4cに引き出されて第2の端子電極6に接続されている。より具体的には、引き出し部22は主電極部21から側面4cに向かって伸び、引き出し部22の端面は側面4cから露出して第2の端子電極6に電気的且つ物理的に接続されている。
第3の内部導体30は、誘電体層9を介して第2の内部導体20と隣り合うように配置されている。第3の内部導体30は、主電極部31と引き出し部32,33とからなっている。
主電極部31は、誘電体層9を挟んで第2の内部導体20の主電極部21と重なり合う部分である。また主電極部31は、誘電体層9を挟んで第4の内部導体40の主電極部41とも重なり合う。主電極部31と主電極部41とが誘電体層9を挟んで重なり合うことにより静電容量成分が形成される。主電極部31は、側面4a,4bの長辺方向及び側面4a,4bの短辺方向に沿って広がっている。
引き出し部32は、主電極部31に連結されている。また引き出し部32は、積層体4の側面4eに引き出されて第1の接続導体7に接続されている。より具体的には、引き出し部32は主電極部31から側面4eに向かって伸び、引き出し部32の端面は側面4eから露出して第1の接続導体7に電気的且つ物理的に接続されている。
引き出し部33は、主電極部31に連結されている。また引き出し部33は、積層体4の側面4fに引き出されて第2の接続導体8に接続されている。より具体的には、引き出し部33は主電極部31から側面4fに向かって伸び、引き出し部33の端面は側面4fから露出して第2の接続導体8に電気的且つ物理的に接続されている。
引き出し部32,33が伸びる方向に直交する方向での引き出し部32,33の幅W5,W6は、側面4a,4bの長辺方向での主電極部31の長さW7及び側面4a,4bの短辺方向での主電極部31の長さW8よりも小さくなっている。
第4の内部導体40は、第3の内部導体30から見たときに、第2の内部導体20とは反対側に配置されている。第4の内部導体40は、誘電体層9を介して第3の内部導体30と隣り合うように配置されている。第4の内部導体40は、主電極部41と引き出し部42とからなっている。
主電極部41は、誘電体層9を挟んで第3の内部導体30の主電極部31と重なり合う部分である。引き出し部42は、主電極部41に連結されると共に、側面4cに引き出されている。より具体的には、引き出し部42は主電極部41から側面4cに向かって伸び、引き出し部42の端面は側面4cから露出して第2の端子電極6に電気的且つ物理的に接続されている。主電極部41は、側面4a,4bの長辺方向及び側面4a,4bの短辺方向に沿って広がっている。
図4に積層コンデンサ1の等価回路図を示す。第1の内部導体10の第1の部分12と第2の部分11とによって抵抗R1が形成される。第1の内部導体10の第2の部分11と第3の部分13とによって抵抗R2が形成される。第2の内部導体20の主電極部21と第3の内部導体30の主電極部31とによって形成される静電容量成分と、第3の内部導体30の主電極部31と第4の内部導体40の主電極部41によって形成される静電容量成分とによって、静電容量成分C1が形成される。また一般的に、コンデンサには残留インダクタンスと残留抵抗が存在するため、これらによってインダクタンスL1及び抵抗R3が形成される。
以上述べた構成を有する第1実施形態に係る積層コンデンサ1によれば、抵抗R2を形成する第1の内部導体10の幅W1,W2が第2の内部導体20の長さW3,W4よりも小さくなっている。よって第1の内部導体10に細い部分が形成されることになるため、抵抗R2の値が増し、積層コンデンサのESRを高めることができる。また、ESRが高まることによって、共振周波数での急激なインピーダンスの低下が防止されるため、広帯域化が可能となる。静電容量成分C1は、第3の内部導体30と第2の内部導体20とによって形成される静電容量成分と、第3の内部導体30と第4の内部導体40とによって形成される静電容量成分とを、合計したものである。静電容量成分を形成する領域が複数存在するため、積層コンデンサ1の静電容量を充分に確保することが可能となる。第2の内部導体20を第1の内部導体10と同一の層に配置しているので、積層数を増やすことなく、高ESR化及び静電容量の確保を実現することができる。第2の端子電極6を側面4cに配置しているので、第2の端子電極6を側面4e,4fに配置した場合と比べて、第2の端子電極6から第2及び第4の内部導体20,40の端部までの長さを短くすることができる。これにより第2の端子電極6から第2及び第4の内部導体20,40の端部に至る電流経路が短くなるので、低ESL化を図ることができる。
また、第1実施形態に係る積層コンデンサ1によれば、第3の内部導体30の引き出し部32,33の幅W5,W6が第3の内部導体30の長さW7,W8よりも小さくなっている。よって第3の内部導体30の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることになるため、積層コンデンサのESRを更に高めることができる。
また、第1実施形態に係る積層コンデンサ1によれば、第1の内部導体10の第2の部分11は、積層体4の側面4dに沿って伸びると共に、側部が側面4dから露出している。第2の部分11の長手方向に伸びる側部が側面4dから露出しているので、第1の内部導体10と側面4dに配置された第1の端子電極5との接触面積を増やすことができる。その結果、第1の内部導体10と第1の端子電極5との間における接続不良を防止することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサ1と同じく、略直方体の積層体4と、第1及び第2の端子電極5,6と、第1及び第2の接続導体7,8とを備えている。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、図5に示されるように、第2の内部導体及び第4の内部導体を複数有している点で、第1実施形態に係る積層コンデンサと異なる。より具体的には、第2実施形態に係る積層コンデンサは、複数(本実施形態では3つ)の第2の内部導体20a,20b,20cと、複数(本実施形態では3つ)の第4の内部導体40a,40b,40cと、を備えている。
3つの第2の内部導体20a,20b,20cは、第1実施形態に係る積層コンデンサにおける第2の内部導体20を3分割したものである。第2の内部導体20a,20b,20cの大きさは、それぞれ異なっている。
第2の内部導体20aは、主電極部23と引き出し部24とからなっている。第2の内部導体20bは、主電極部25と引き出し部26とからなっている。第2の内部導体20cは、主電極部27と引き出し部28とからなっている。主電極部23,25,27は、誘電体層9を挟んで第3の内部導体30の主電極部31と重なり合う部分である。主電極部23,25,27と主電極部31とが誘電体層9を挟んで重なり合うことにより、3つの静電容量成分が形成される。引き出し部24,26,28は、主電極部23,25,27に連結されている。また引き出し部24,26,28は、積層体4の側面4cに引き出されて第2の端子電極6に接続されている。
3つの第4の内部導体40a,40b,40cは、第1実施形態に係る積層コンデンサにおける第4の内部導体40を3分割したものである。4の内部導体40a,40b,40cの大きさは、それぞれ異なっている。
第4の内部導体40aは、主電極部43と引き出し部44とからなっている。第4の内部導体40bは、主電極部45と引き出し部46とからなっている。第4の内部導体40cは、主電極部47と引き出し部48とからなっている。主電極部43,45,47は、誘電体層9を挟んで第3の内部導体30の主電極部31と重なり合う部分である。主電極部43,45,47と主電極部31とが誘電体層9を挟んで重なり合うことにより、3つの静電容量成分が形成される。引き出し部44,46,48は、主電極部43,45,47に連結されている。また引き出し部44,46,48は、積層体4の側面4cに引き出されて第2の端子電極6に接続されている。
図6に第2実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図を示す。第1の内部導体10の第1の部分12と第2の部分11とによって抵抗R1が形成される。第1の内部導体10の第2の部分11と第3の部分13とによって抵抗R2が形成される。第2の内部導体20aの主電極部23及び第3の内部導体30の主電極部31によって形成される静電容量成分と、第3の内部導体30の主電極部31及び第4の内部導体40aの主電極部43によって形成される静電容量成分とによって、静電容量成分C2が形成される。第2の内部導体20bの主電極部25及び第3の内部導体30の主電極部31によって形成される静電容量成分と、第3の内部導体30の主電極部31及び第4の内部導体40bの主電極部45によって形成される静電容量成分とによって、静電容量成分C3が形成される。第2の内部導体20cの主電極部27及び第3の内部導体30の主電極部31によって形成される静電容量成分と、第3の内部導体30の主電極部31及び第4の内部導体40cの主電極部47によって形成される静電容量成分とによって、静電容量成分C4が形成される。また一般的に、コンデンサには残留インダクタンスと残留抵抗が存在するため、これらによってインダクタンスL2〜4及び抵抗R4〜6が形成される。
第2実施形態に係る積層コンデンサによれば、第2の内部導体20a,20b,20cと第3の内部導体30とにより、静電容量成分を形成する領域が3つ形成される。第2の内部導体20a,20b,20cは大きさがそれぞれ異なっているため、かかる3つの領域では静電容量値が互いに異なることになる。第4の内部導体40a,40b,40cと第3の内部導体30とにより、静電容量成分を形成する領域が3つ形成される。第4の内部導体40a,40b,40cは大きさがそれぞれ異なっているため、かかる3つの領域では静電容量値が互いに異なることになる。これらの結果、積層コンデンサは静電容量値が異なる3つの静電容量成分C2〜C4を有することになる。これにより、積層コンデンサは3つの共振周波数を持つことになる。
図7に、第2実施形態に係る積層コンデンサの周波数に関するインピーダンス特性を表すグラフを示す。図7に示したグラフの横軸は周波数(Hz)を表し、縦軸はインピーダンス(Ω)を表す。例えば、静電容量成分C2単体のインピーダンス特性は、グラフG11で表され、共振周波数fにのみインピーダンスが極小となる点を有する。静電容量成分C3単体のインピーダンス特性は、グラフG12で表され、共振周波数fにのみインピーダンスが極小となる点を有する。静電容量成分C4単体のインピーダンス特性は、グラフG13で表され、共振周波数fにのみインピーダンスが極小となる点を有する。積層コンデンサは静電容量成分C2〜C4を有しているため、積層コンデンサとしてのインピーダンス特性はグラフG14で表されるものとなる。このように、第2実施形態に係る積層コンデンサによれば、1つの静電容量をもつ場合と比べ、広い周波数帯域にわたってインピーダンスを低くすることが可能となる。したがって、積層コンデンサをより広帯域にわたってインピーダンスが低いものとすることができる。このような積層コンデンサを用いることにより、広い周波数帯域でノイズを効果的に低減することが可能となる。
続いて、図8に基づいて、第2実施形態の変形例について説明する。図8は、第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。本変形例に係る積層コンデンサでは、第1の内部導体10及び第3の内部導体30の形状が第2実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部導体10は、第1の部分12と第2の部分11とからなっている。本変形例の第1の内部導体10は、先の実施形態において第1の内部導体10が有していた第3の部分13を有していない。本変形例の第3の内部導体30は、主電極部31と引き出し部32とからなっている。本変形例の第3の内部導体30は、先の実施形態において第3の内部導体30が有していた引き出し部33を有していない。
このような積層コンデンサでも、第2実施形態に係る積層コンデンサと同じ効果を得ることができる。なお、第1及び第3の内部導体10,30が第3の部分13及び引き出し部33を有していないことから、積層コンデンサ1は第2の接続導体8を備えていなくてもよい。
続いて、図9に基づいて、第2実施形態の変形例について説明する。図9は、第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。本変形例に係る積層コンデンサでは、第1の内部導体10及び第3の内部導体30の形状が第2実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部導体10は、第2の部分11と第3の部分13とからなっている。本変形例の第1の内部導体10は、先の実施形態において第1の内部導体10が有していた第1の部分12を有していない。本変形例の第3の内部導体30は、主電極部31と引き出し部33とからなっている。本変形例の第3の内部導体30は、先の実施形態において第3の内部導体30が有していた引き出し部32を有していない。
このような積層コンデンサでも、第2実施形態に係る積層コンデンサと同じ効果を得ることができる。なお、第1及び第3の内部導体10,30が第1の部分12及び引き出し部32を有していないことから、積層コンデンサ1は第1の接続導体7を備えていなくてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨が逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第4の内部導体40と同じ形状の内部電極と第3の内部導体30と同じ形状の内部電極とをそれぞれ複数備え、これらの内部電極を誘電体層9を介して交互に積層させるとしてもよい。この場合、積層コンデンサの静電容量を更に増加させることが可能となる。
また、第1の実施形態において、第1の内部導体10は第1〜第3の部分12,11,13を有するとしたが、第1及び第2の部分12,11のみを有するとしてもよい。また、第1の内部導体10は第2及び第3の部分11,13のみを有するとしてもよい。第1及び第2の部分12,11のみを有する場合、積層コンデンサ1は第2の接続導体8を備えていなくてもよい。第2及び第3の部分11,13のみを有する場合、積層コンデンサ1は第1の接続導体7を備えていなくてもよい。
また、第4の内部導体40と同一の層に第5の内部導体を備えるとしてもよい。図10に示される第5の内部導体50は、第4の部分52と、第5の部分51と、第6の部分53とからなっている。第4の部分52は、積層体4の側面4dから側面4eに向かって伸びており、第1の端子電極5と第1の接続導体7とに接続されている。第5の部分51は積層体4の側面4dに沿って伸び、側部が側面4dから露出している。第6の部分53は、積層体4の側面4dから側面4fに向かって伸びており、第1の端子電極5と第2の接続導体8とに接続されている。第4及び第6の部分52,53の幅W11,W12は、側面4a,4bの長辺方向での主電極部41の長さW13及び側面4a,4bの短辺方向での主電極部41の長さW14よりも小さくなっている。このように細い部分を有する第5の内部導体50を更に備えることで、積層コンデンサのESRをいっそう高めることができる。
また、第2実施形態において、積層コンデンサは3つの第2の内部導体20a,20b,20cと3つの第4の内部導体40a,40b,40cとを備えているとしたが、第2及び第4の内部導体の数はこれに限られない。
第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。 第1実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。 第1実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。 第1実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサの等価回路図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサのインピーダンス特性を表す図表である。 第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。 第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える積層体の断面図である。 第5の内部導体を示す図である。
符号の説明
1…積層コンデンサ、4…積層体、4a〜4f…側面、5…第1の端子電極、6…第2の端子電極、7…第1の接続導体、8…第2の接続導体、9…誘電体層、10…第1の内部導体、20,20a,20b,20c…第2の内部導体、30…第3の内部導体、40,40a,40b,40c…第4の内部導体、50…第5の内部導体。

Claims (7)

  1. 複数の誘電体層が積層された直方体状の積層体と、
    前記積層体の側面のうち、前記誘電体層の積層方向および前記積層体の長手方向に沿って伸びる第1の側面に配置された第1の端子電極と、
    前記積層体の側面のうち、前記第1の側面と対向する第2の側面に配置された第2の端子電極と、
    前記積層体の側面のうち、前記誘電体層の積層方向および前記積層体の短手方向に沿って伸びる第3の側面に配置された第1の接続導体と、
    前記積層体の内部に配置され、前記第1及び第3の側面に引き出されて前記第1の端子電極及び前記第1の接続導体に接続された第1の部分を有する第1の内部導体と、
    前記積層体の内部において前記第1の内部導体と同一の層に配置され、前記第2の側面に引き出されて前記第2の端子電極に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第2の内部導体と、
    前記積層体の内部において前記誘電体層を介して前記第2の内部導体と隣り合うように配置され、前記第3の側面に引き出されて前記第1の接続導体に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第3の内部導体と、
    前記積層体の内部において、前記第3の内部導体から見たときに前記第2の内部導体とは反対側に位置すると共に前記第3の内部導体と前記誘電体層を介して隣り合うように配置され、前記第2の側面に引き出されて前記第2の端子電極に接続された引き出し部と、当該引き出し部に連結された主電極部とを有する第4の内部導体と、
    を備え、
    前記誘電体層の積層方向から見たときに、前記第3の内部導体の前記主電極部は前記第2及び第4の内部導体の前記主電極部と重なり、
    前記第1の部分の幅は、前記積層体の長手方向での前記第2の内部導体の前記主電極部の長さ及び前記積層体の短手方向での前記第2の内部導体の前記主電極部の長さよりも小さいことを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 前記第3の内部導体において、前記引き出し部の幅は、前記積層体の長手方向での前記主電極部の長さ及び前記積層体の短手方向での前記主電極部の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサ。
  3. 前記第1の内部導体は、前記第1の側面に沿って伸びると共に側部が前記第1の側面から露出した第2の部分を有し、前記第1の部分と前記第2の部分とは連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
  4. 前記積層体の側面のうち、前記第3の側面と対向する第4の側面に配置された第2の接続導体を更に備え、
    前記第1の内部導体は、前記第1及び第4の側面に引き出されて前記第1の端子電極及び前記第2の接続導体に接続された第3の部分を更に有し、
    前記第3の内部導体は、前記第4の側面に引き出されて前記第2の接続導体に接続された他の引き出し部を更に有し、
    前記第3の部分の幅は、前記積層体の長手方向での前記第2の内部導体の長さ及び前記積層体の短手方向での前記第2の内部導体の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
  5. 前記第2の内部導体を複数備え、複数の前記第2の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
  6. 前記第4の内部導体を複数備え、複数の前記第4の内部導体のうち少なくとも2つは大きさが異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
  7. 前記積層体の内部において前記第4の内部導体と同一の層に配置され、前記第1及び第3の側面に引き出されて前記第1の端子電極及び前記第1の接続導体に接続された第4の部分を有する第5の内部導体を更に備え、
    前記第5の内部導体において、前記第4の部分の幅は、前記積層体の長手方向での前記第4の内部導体の長さ及び前記積層体の短手方向での前記第4の内部導体の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の積層コンデンサ。
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