JP2009194168A - サーミスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トリップ前後の抵抗値の変化が小さいサーミスタを提供すること。
【解決手段】 好適な実施形態のサーミスタは、一対の電極と、この一対の電極間に配置されたサーミスタ層とを備え、サーミスタ層が、樹脂と、導電性粒子と、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤と、を含むサーミスタ組成物の硬化層であるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーミスタ及びその製造方法に関する。
温度上昇とともに抵抗値が増大する特性を有する正特性(PTC)サーミスタは、温度センサや過電流保護素子として用いられている。このような正特性サーミスタの一つとして、高分子化合物からなるマトリックス(高分子マトリックス)中に導電性フィラーが分散された材料を用いた有機質正特性サーミスタが知られている。この有機質正特性サーミスタにおいては、温度の増大に伴い高分子マトリックスが膨張し、これに伴って導電性フィラーによる導電経路が切断されることにより抵抗値が増大する。
従来、有機質正特性サーミスタにおいては、高分子マトリックスの構造を強くしてサーミスタの動作を安定させる観点から、高分子マトリックスに架橋剤を加えて架橋構造を形成することが行われている。例えば、下記特許文献1には、PTC挙動を示す導電性ポリマー組成物が、トリアリルイソシアヌレート等の架橋促進剤を含有することが記載されている。
特表2001−511598号公報
近年、有機質正特性サーミスタは、例えば車載用として用いられるなど、従来に比してより温度変化が大きい環境下で用いられる場合が増えてきている。ところが、このような用途においては、定常時と高温時との温度差が大きいため、上述したような従来の有機質正特性サーミスタの場合、いったん熱によって高分子マトリックスが膨張すると、温度を下げても加熱前と同じ形状に戻るのが困難な傾向にあった。こうなると、温度上昇とその後の温度低下(この温度履歴を以下、「トリップ」という)が生じるたびに定常時の抵抗値が変化(主に上昇)してしまい、徐々に動作条件が変動してしまうなど、安定した特性が得られなくなる結果となる。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、トリップ前後の抵抗値の変化が小さいサーミスタを提供することを目的とする。また、本発明は、このようなサーミスタの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定構造の官能基を組み合わせて有するイソシアヌレートを架橋剤として用いることで、サーミスタのトリップ前後の抵抗値の変化を小さくすることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のサーミスタは、一対の電極と、この一対の電極間に配置されたサーミスタ層とを備え、サーミスタ層は、樹脂と、導電性粒子と、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤とを含むサーミスタ組成物の硬化層であることを特徴とする。
上記本発明のサーミスタにおけるサーミスタ層を形成しているサーミスタ組成物は、グリシジル基とアリル基という架橋条件が異なる2つの架橋性を有する官能基を有している。そのため、サーミスタ組成物を硬化してサーミスタ層を形成する場合に、効率よく架橋構造が形成されて、構造的に安定なサーミスタ層が形成されるようになる。
かかる要因については必ずしも明らかではないが、以下のような要因が推定される。すなわち、従来は一定の条件で架橋を生じさせるために架橋性を有する官能基を一種類のみ有する架橋剤が用いられることが一般的であった。しかし、実際には、多数の官能基で架橋反応を生じさせるためにはある程度以上のエネルギーが必要となるため、通常の製造条件では効率よく架橋反応を生じさせるのが困難であったと推測される。
これに対し、本発明においては、上記のように架橋条件が異なる官能基を組み合わせて有する架橋剤を用いることで、例えばサーミスタ組成物の製造時等、硬化反応時以外においても一部で架橋反応を生じさせることができ、その結果として全体の架橋効率が高められることが要因であると考えられる。また、上記のようにグリシジル基及びアリル基を有する架橋剤は、それ自体の融点が高く安定であるため、サーミスタ層を形成する過程で失われることが少ないことも一因であると考えられる。ただし、本発明の作用は必ずしもこれに限定されない。
したがって、上記構成を有する本発明のサーミスタによれば、サーミスタ層に架橋構造が効率よく導入されて安定な構造を有するため、トリップ前後での変形を少なくでき、その結果、トリップ前後の抵抗値の変化を小さくすることが可能となる。
また、本発明のサーミスタの製造方法は、一対の電極と、この一対の電極間に配置されたサーミスタ層とを備えるサーミスタの製造方法であって、サーミスタ層を、樹脂、導電性粒子、並びに、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤を混練してサーミスタ組成物を得る混練工程と、サーミスタ組成物を成形してサーミスタ前駆体層を形成する成形工程と、サーミスタ前駆体層に架橋反応を生じさせてサーミスタ層を形成する架橋工程とを含む工程により形成することを特徴とする。
このような製造方法によれば、上記本発明のサーミスタを簡便に製造することができる。また、サーミスタ組成物を混練により製造しているが、かかる混練時の条件を適切に設定すれば、混練工程においてもグリシジル基による架橋反応を生じさせることができ、より効率よくサーミスタ層に架橋構造を形成させることもできるようになる。
本発明によれば、トリップ前後の抵抗値の変化が小さいサーミスタ及びその製造方法を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、好適な実施形態に係るサーミスタの断面構成を模式的に示す図である。図1に示すように、サーミスタ1は、一対の電極2間にサーミスタ層4が挟まれた構成を有している。
このサーミスタ1において、一対の電極2は、サーミスタの電極として機能し得る導電性材料で形成されている。導電性材料としては、ニッケル、銀、金、銅、アルミニウム等の金属や、これらの合金が挙げられる。なかでも、電極1の低抵抗化と低コスト化の観点からは、Niが好ましい。また、電極2は、これらの金属又は合金からなる金属箔により構成されると好ましく、その厚さは1〜100μmであると好ましく、軽量化の点からは、1〜50μmであるとより好ましい。
サーミスタ層4は、樹脂と、導電性粒子と、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤とを含むサーミスタ組成物の硬化層により構成されている。このサーミスタ組成物に含まれる樹脂としては、有機質正特性サーミスタのマトリックス樹脂として公知のものを適用でき、例えば、熱により膨張可能な熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適用できる。例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン(例えばポリエチレン)、1種又は2種以上のオレフィン(例えばエチレン、プロピレン)と極性基を含有する1種又は2種以上のオレフィン性不飽和モノマーとのコポリマー(例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマー)、ポリハロゲン化ビニル又はポリハロゲン化ビニリデン(例えばポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド)、ポリアミド(例えば12−ナイロン)、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンオキサイド、ポリアセタール、熱可塑性変性セルロース、ポリスルホン類、ポリメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂等の架橋性官能基を有するものが挙げられ、必要に応じてこれらの硬化剤を更に含有するものも適用できる。サーミスタ組成物に用いる樹脂としては、良好なPTC特性を発現できることから熱可塑性樹脂が好ましく、なかでも、ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
導電性粒子は、電気伝導性を有する導電性材料によって構成されるものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属、セラミック系導電性材料等からなる。金属粒子としては、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、銀、亜鉛、コバルトからなるものや、銅紛にニッケルめっきを施したもの等が挙げられる。セラミック系導電性材料としては、TiC及びWC等が挙げられる。
なかでも、サーミスタの抵抗変化率を十分に大きく維持しつつ、室温抵抗値をより低下させることができることから、金属粒子が好ましく、酸化され難い等の化学的安定性を有することから、ニッケル粒子が特に好ましい。導電性粒子としては、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、導電性粒子は、一次粒子や一次粒子が凝集した二次粒子等のいずれの形態であってもよく、必要に応じてスパイク状の突起を有する形状であってもよい。
さらに、サーミスタ組成物に含まれる架橋剤は、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなるものである。ここで、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートとは、イソシアヌレート環を有する化合物であって、分子中にアリル基及びグリシジル基を少なくとも1つずつ有している化合物のことをいう。アリル基及びグリシジル基は、イソシアヌレート環に直接結合していてもよく、イソシアヌレート環に結合した構造中に含まれていてもよい。
架橋剤としては、アリル基及びグリシジル基が、イソシアヌレート環の別々の部位にそれぞれ直接結合したイソシアヌレートが好ましい。この場合、アリル基及びグリシジル基は、それぞれイソシアヌレート環の窒素原子に結合することができる。
なかでも、架橋剤としては、イソシアヌレート環が有している3つの窒素原子のうち、1つ又は2つにグリシジル基が結合し、それ以外の窒素原子にアリル基が結合した構造を有するイソシアヌレートが好ましい。このようなイソシアヌレートは、下記化学式(1)又は(2)で表される。なお、下記化学式(1)及び(2)において、カルボニル結合と窒素原子が交互に結合してなる6員環構造が、「イソシアヌレート環」に該当する。
Figure 2009194168
このように、イソシアヌレート環における3つの窒素原子の1つ又は2つにグリシジル基が結合し、それ以外にアリル基が結合した構造を有していると、サーミスタ層の形成時に良好に架橋構造が形成される傾向にある。例えば、全ての窒素原子にアリル基が結合している場合、良好に架橋構造が形成されない等の要因により、サーミスタ層を形成したときにトリップ前後での抵抗値変化が大きくなる。また、全ての窒素原子にグリシジル基が結合していると、早い段階で架橋構造が過度に形成されてしまい、サーミスタ層の形成が困難となり易い傾向にある。
サーミスタ組成物は、上述した各成分に加えて、サーミスタ層4の特性を向上させる目的でその他の成分を更に含んでいてもよい。例えば、動作温度を調整する観点から、低分子有機化合物を更に含有していてもよい。
サーミスタ1におけるサーミスタ層4は、上述したサーミスタ組成物の硬化層であるが、このような硬化層は、上述した樹脂を構成する重合体に、架橋剤に由来する架橋構造が多数導入されたマトリックス構造と、かかるマトリックス構造中に分散された導電性粒子とを含む構造を主に有している。上記架橋構造は、例えば、架橋剤や架橋剤同士が反応して形成された構造が、樹脂を構成する重合体と複数箇所で結合することによって形成される。このような架橋構造が形成されているか否かは、例えば、サーミスタ組成物を有機溶媒等に溶解し、不溶分重量を測定することによって確認することができる。
次に、上述した構造を有するサーミスタ1の好適な製造方法について説明する。
サーミスタ1の製造においては、まず、サーミスタ組成物を形成する。サーミスタ組成物は、上述した樹脂、導電性粒子及び架橋剤を所定量ずつ混合することで得ることができる。この際、これらを混合した混合物(サーミスタ組成物)を一定時間混練する(混練工程)ことが好ましい。混錬は、ミル、加圧ニーダ、二軸押出機等の公知の方法で行うことができる。
混練条件は、混練温度を150〜250℃とすることが好ましく、170〜250℃とすることがより好ましく、200〜250℃とすることが更に好ましく、210〜230℃とすることが一層好ましい。また、混練時間は、好ましくは10分以上であり、より好ましくは15〜40分とする。これらの条件を満たすように混錬を行うことで、混練工程において、架橋剤のグリシジル基による架橋反応を一部で生じさせることができ、その結果、得られるサーミスタ層4の架橋効率を向上させることが可能となる。
次に、混練後のサーミスタ組成物を、所望とするサーミスタ層4の形状が得られるように、例えばシート状に成形して、サーミスタ前駆体層を形成する(成形工程)。それから、得られたサーミスタ前駆体層を、電極2を形成するための一対の導電性シート等で挟んだ後、熱プレス等を施すことにより、電極2間にサーミスタ前駆体層が挟まれた積層体を得る。
その後、この積層体におけるサーミスタ前駆体層に架橋反応(硬化反応)を生じさせ(架橋工程)、一対の電極2間においてサーミスタ組成物の硬化層であるサーミスタ層4を形成する。その結果、上述した構成を有するサーミスタ1が得られる。架橋反応は、架橋剤が有しているアリル基による架橋反応が効率よく生じる条件で行うことが好ましい。例えば、架橋反応は、加熱又は活性光線の照射等により生じさせることができ、効率のよい架橋が可能であることから、電子線照射により生じさせることが好ましい。この架橋反応では、上述した混練時に反応しなかったグリシジル基による架橋が生じる場合もある。
以上がサーミスタ1の好適な製造方法であるが、サーミスタ1を製造する方法は適宜変更することができる。例えば、サーミスタ前駆体層の架橋反応は、電極2となる導電性シート間に挟む前に行ってもよい。また、サーミスタ前駆体層の形成は、予めシート状に成形するのではなく、導電性シート間にサーミスタ組成物を注入して成形することにより行ってもよい。また、上記の例では、サーミスタ前駆体層を形成した後に架橋反応を生じさせたが、これに限定されず、サーミスタ組成物の成形を行いながら、架橋反応を生じさせてもよい。この場合、成形工程と架橋工程とは同時に行われることとなる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[サーミスタの製造]
(実施例1)
まず、樹脂としてポリフッ化ビニリデン樹脂(クレハ(株)KFポリマー)に、導電性粒子としてこのポリフッ化ビニリデン樹脂に対して35体積%となる量のフィラメント状Ni粒子(Inco社Ni#255)を加え、ドライブレンドで混合した。この混合物に、架橋助剤として、ポリフッ化ビニリデン樹脂に対して3重量%となる量のジアリルモノグリシジルイソシアヌレート(上記一般式(1)で表される化合物;DA−MGIC、四国化成社製)を加え、これを220℃に加熱しながらラボプラストミル(東洋精機製作所製)中で30分間混練して、ポリフッ化ビニリデン樹脂中にNi粒子が分散したサーミスタ組成物を得た。
次いで、この混練後のサーミスタ組成物を、200℃の熱プレスを行うことによって厚さ0.8mmのシート状に成形してサーミスタ前駆体層を得た。得られたサーミスタ前駆体層を、片面が粗面化された2枚のNi箔(厚さ0.4mm)で挟み(粗面がサーミスタ前駆体層側)、これを熱プレスすることにより全体を加熱及び加圧して、サーミスタ前駆体層に電極としてのNi箔が固定された積層体を得た。そして、この積層体を9.0×3.6mmのサイズに切り出した後、積層体に100KGyの条件で電子線を照射することでサーミスタ前駆体層に架橋反応を生じさせ、これにより一対の電極間にサーミスタ層が挟まれた構造のサーミスタを得た。
(実施例2〜4)
架橋剤であるジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの量を、ポリフッ化ビニリデン樹脂に対して5重量%(実施例2)、7重量%(実施例3)及び10重量%(実施例4)となるようにそれぞれ変化させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4のサーミスタをそれぞれ得た。
(比較例1)
架橋剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のサーミスタを得た。
(比較例2〜5)
架橋剤としてトリアリルイソシアヌレート(イソシアヌレート環の3つの窒素原子全て似にアリル基が結合した化合物)を用い、その量を、3重量%(比較例2)、5重量%(比較例3)、7重量%(比較例4)及び10重量%(比較例5)となるようにそれぞれ変化させたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2〜5のサーミスタをそれぞれ得た。
[特性評価]
実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた各サーミスタについて、アジレント社製デジタルマルチメーターを用いて、初期抵抗:各サーミスタの製造直後の抵抗値、及び、繰り返し動作後の抵抗:10回繰り返し動作させた後の抵抗値をそれぞれ測定した。なお、後者の条件においては、1回の動作につき、電圧12Vで20Aの電流を流すことによりサーミスタを動作させた。得られた結果を表1に示す。
Figure 2009194168
表1に示されるように、架橋剤としてジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを含むサーミスタ組成物を用いた実施例1〜4のサーミスタは、架橋剤を含まない比較例1のサーミスタ、及び、イソシアヌレート環にアリル基のみが置換されたサーミスタ組成物を用いた比較例2〜5のサーミスタのいずれに対しても、初期抵抗に対する繰り返し動作後の抵抗が極めて小さく、トリップ前後の抵抗値が安定であることが確認された。
好適な実施形態に係るサーミスタの断面構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1…サーミスタ、2…電極、4…サーミスタ層。

Claims (2)

  1. 一対の電極と、該一対の電極間に配置されたサーミスタ層と、を備え、
    前記サーミスタ層は、樹脂と、導電性粒子と、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤と、を含むサーミスタ組成物の硬化層である、
    ことを特徴とするサーミスタ。
  2. 一対の電極と、該一対の電極間に配置されたサーミスタ層と、を備えるサーミスタの製造方法であって、
    前記サーミスタ層を、
    樹脂、導電性粒子、並びに、アリル基及びグリシジル基を有するイソシアヌレートからなる架橋剤を含むサーミスタ組成物を混練する混練工程と、
    混練後の前記サーミスタ組成物を成形してサーミスタ前駆体層を形成する成形工程と、
    前記サーミスタ前駆体層に架橋反応を生じさせてサーミスタ層を形成する架橋工程と、を含む工程により形成する、
    ことを特徴とするサーミスタの製造方法。
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