JP2000188206A - 重合体ptc組成物及びptc装置 - Google Patents

重合体ptc組成物及びptc装置

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JP2000188206A
JP2000188206A JP11324412A JP32441299A JP2000188206A JP 2000188206 A JP2000188206 A JP 2000188206A JP 11324412 A JP11324412 A JP 11324412A JP 32441299 A JP32441299 A JP 32441299A JP 2000188206 A JP2000188206 A JP 2000188206A
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Liren Zhao
ツァオ リレン
Prasad S Khadikikar
エス カダキカール プラサド
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    • C08L101/12Compositions of unspecified macromolecular compounds characterised by physical features, e.g. anisotropy, viscosity or electrical conductivity
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    • H01C7/027Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material having positive temperature coefficient consisting of conducting or semi-conducting material dispersed in a non-conductive organic material

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いPTC効果を示し、低い初期抵抗を有
し、電気的及び熱的安定性を有し、110〜130VA
Cの非常に高い電圧に耐えることができる重合体PTC
組成物及びPTC装置を提供する。 【解決手段】 重合体組成物は少なくとも104〜105
の高いPTC効果及び100Ωcm以下、好ましくは1
0Ωcm以下の25℃に於ける低い初期抵抗率を有し、
これによりPTC装置は500mΩ以下、好ましくは
7.5〜200mΩ、典型的には約10〜100mΩの
25℃に於ける抵抗を有する。本発明の装置は切換わり
温度に到達した後にも少なくとも4時間、好ましくは2
4時間以上に亘り損傷することなく110〜130VA
Cの電圧に耐えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正の温度係数(P
TC)の重合体組成物及びPTC電気装置に係り、より
詳細には、耐高電圧能力を有すると共に例えば家庭の交
流電源の如き110〜130Vの交流電圧に於いて動作
することができる重合体PTC電気装置に係る。かかる
PTC装置は過剰温度サージや過電流サージにより惹起
される損傷の如き損傷より交流電動機を保護するための
自己リセット可能なセンサとして有用である。
【0002】
【従来の技術】正の温度係数(PTC)効果を示す導電
性重合体組成物を含む電気装置は、電子工業に於いてよ
く知られており、定温ヒータ、熱センサ、過電流制御装
置、低電力回路の保護装置としての使用を含む多くの用
途に用いられている。典型的な導電性重合体PTC組成
物は、カーボンブラック、チョップド黒鉛繊維、ニッケ
ル粒子、銀フレークの如き導電性充填材を含有する結晶
質又は半晶質の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン)又
は非晶質の熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂)を含ん
でいる。更に金属酸化物、発火防止剤、安定化剤、酸化
防止剤、オゾン化防止剤、架橋剤、分散助剤の如き非導
電性充填材を含有する組成物もある。
【0003】重合体PTC組成物は、室温の如き低温度
に於いては電流のための導電経路を与える連続的な構造
を有し、低い抵抗率を示す。しかしかかる組成物を含む
PTC装置が加熱されたり過電流によりPTC装置が或
る転移温度まで自己加熱せしめられると、大きい熱膨張
の結果として重合体の構造の規則性が低下し、高い抵抗
率を示すようになる。例えばPTC電気装置に於いて
は、この高い抵抗率は負荷電流を制限し、電流を遮断す
る。本発明の説明に於いては、「PTC効果」(抵抗率
の急激な増大)が生ずる「切換わり」温度を示すものと
してTsが使用される。抵抗−温度曲線で見た場合の抵
抗率の変化の急激さは「矩形度」と呼ばれる。即ちTs
に於ける曲線が鉛直に近ければ近いほど、抵抗率が低い
値から最大値まで変化する温度範囲がより小さくなる。
PTC装置が低温度まで冷却されると、抵抗率は理論的
にはその以前の値に戻る。しかし実際には重合体PTC
組成物の低温度の抵抗率は、低−高−低の温度サイクル
の回数が増えるに従って次第に増大し、「ラチェッティ
ング(ratcheting)」として知られている電
気的不安定性が生じる。従って電気的安定性を改善すべ
く、化学物質若しくは放射線の照射による導電性重合体
の架橋や無機充填材又は有機添加剤の添加が一般に行わ
れる。
【0004】導電性PTC重合体組成物の製造に於いて
は、処理温度が重合体の融点を20℃以上越えることが
多く、そのため重合体が成形工程中に或る程度分解した
り酸化せしめられることがある。更にPTC装置のなか
には、高温度又は高電圧に於いて熱的不安定性を示し、
そのため重合体の経時劣化が生じるものがある。従って
熱的安定性を改善すべく、無機充填材や抗酸化剤などが
使用されることがある。
【0005】重合体PTC組成物は過剰温度サージや過
電流サージにより惹起される損傷より装置を保護するた
めの自己制御ヒータや自己リセット可能なセンサの如き
種々の用途を有している。回路の保護については、重合
体PTC装置は、一般に、自己リセット可能であり、2
5℃に於いて低い抵抗率(10Ωcm以下)を有し、多
くの用途に於ける16〜20Vの直流(DC)電圧に耐
えるよう適度に高いPTC効果(103倍以上)を有し
ていることが必要である。ポリオレフィン、特にポリエ
チレン(PE)をベースとする導電性の材料がこれらの
低直流電圧の用途に於いて広く研究され採用されてい
る。しかし有効交流電圧が直流電圧156〜184Vに
匹敵するピーク値を有する交流電源に於ける110〜1
30交流電圧(VAC)(電源電圧)の如き遥かに高い
電圧に於いて動作することができる重合体PTCセンサ
装置は現在販売されていない。110〜130VACに
耐える重合体PTC装置は、過剰温度サージや過電流サ
ージにより惹起される損傷より交流電動機を保護するた
めの自己リセット可能なセンサとして非常に有用であ
る。特にかかる耐高電圧能力を有する重合体PTC装置
は皿洗い機、洗濯機、冷蔵庫等の如き家庭用機器の電動
機を保護するのに有用である。
【0006】重合体マトリックスがポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド(ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、
ナイロン−11)、ポリエステル、エポキシを含む種々
の導電性材料が直流電圧の用途に於いて調査されたが、
これらの重合体の殆どは非常に高い電圧より機器を保護
するための装置として機能するに十分なほど高いPTC
効果及び所要の低い抵抗率を有してはいない。例えば米
国特許第4,304,987号公報に記載された導電性
ナイロン−11組成物はその切換わり温度(Ts)に於
いて1桁未満の抵抗の変化しか示さなかった。米国特許
第5,580,493号及び同第5,582,770号
公報に記載された高密度ポリエチレンとエチレン及びブ
チルアクリレート(EBA)の共重合体との重合体混合
物を含む導電性PTC組成物が、低い抵抗率(1Ωc
m)及び100Vまでの直流電圧に耐える能力を示す
が、110〜130VACの典型的な電源電圧に耐える
所要の能力を有してはいない。
【0007】本願出願人は最近になってそれぞれ199
6年10月8日及び1998年3月24日に出願された
米国特許出願第08/729,822号及び09/04
6,853号(それぞれ特願平9−254114号及び
特願平11−78130号に対応)に於いて、ナイロン
−12、ナイロン−11をベースとする導電性材料を含
む高温用重合体PTC組成物及びPTC電気装置を開示
した。これらの特許出願に記載された事項が参照により
本明細書に組み込まれたものとする。これらのナイロン
−12及びナイロン−11をベースとする重合体PTC
組成物はそれぞれ125℃、150℃よりも高い非常に
高い切換わり温度(Ts)及び25℃に於ける抵抗率の
少なくとも103倍、一般的には104倍よりも大きい温
度Tsに於ける抵抗率を有する。これらの組成物の多く
は160℃よりも高い切換わり温度を示した。更にこれ
らの組成物及びこれらの組成物にて製造された装置のな
かには、約1Ωcmの低い抵抗率を有すると共に、損傷
することなく1サイクルに亘り直流約100Vの高電圧
に耐える能力を有するものがあった。
【0008】以上の点に鑑みれば、重合体PTC組成物
及び該組成物を含むPTC装置であって、高いPTC効
果を示し、低い初期抵抗を有し、実質的な電気的安定性
及び熱的安定性を有し、家庭用機器等の機器に使用され
る交流電動機を保護し得るよう110〜130VACの
如き非常に高い電圧に耐えることができる重合体PTC
組成物及び該組成物を含むPTC装置が必要とされてい
る。
【0009】
【発明の概要】本発明は110〜130VAC以上の高
電圧に耐えることのできる重合体PTC組成物及びPT
C電気装置を提供するものである。特に重合体組成物は
高いPTC効果(Tsに於ける抵抗率は25℃に於ける
抵抗率の少なくとも104〜10 5倍である)及び25℃
に於ける低い初期抵抗率(好ましくは10Ωcm以下、
更に好ましくは5Ωcm以下)を有する。これらの重合
体PTC組成物を含むPTC電気装置は、25℃に於い
て500mΩ以下(好ましくは約5〜500mΩ、より
好ましくは約7.5〜200mΩ、典型的には約10〜
100mΩ)の抵抗を有すると共に望ましい形態を有
し、またTsに到達した後にも少なくとも4時間、好ま
しくは24時間以上の時間に亘り110〜130VAC
又はそれ以上の電圧に耐えることができる。
【0010】上述の特徴を有する本発明の重合体PTC
組成物は、結晶質又は半晶質の重合体と、粒状の導電性
充填材と、熱的安定性、機械的安定性、電気的安定性を
改善するための無機添加剤及び随意の酸化防止剤とを含
んでいる。また組成物は本発明のPTC電気装置に使用
される前又は使用された後に於ける電気的安定性を改善
すべく架橋されてもよく、また架橋されなくてもよい。
組成物の重合体成分は100〜200℃の融点(Tm)
を有し、PTC組成物はTm〜Tm−10℃の範囲の温度
に於いて4.0×10-4〜2.0×10-3cm/cm℃
の熱膨張係数を有していることが好ましい。
【0011】導電性を有する粒状充填材は後に説明する
如くカーボンブラック、黒鉛粒子、金属粒子、又はこれ
らの混合物であってよい。無機添加物は酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、三
水酸化アルミニウム等であることが好ましい。
【0012】本願発明者は、組成物の重合体成分として
例えばナイロン−12若しくはナイロン−11を含むP
TC組成物が上述の基準を満たすこと、即ち高電圧に耐
える能力を示す重合体組成物の特徴である高いPTC効
果及び低い初期抵抗率を有することを見出した。更にナ
イロン−12若しくはナイロン−11組成物を含むPT
C電気装置は、約5〜500mΩ、好ましくは約7.5
〜200mΩ、より好ましくは約10〜100mΩの2
5℃に於ける望ましい装置抵抗を有し、また電気装置は
切換わり温度Tsに到達した後の24時間までの時間に
亘り損傷することなく110〜130VAC以上の電圧
に耐えることができる。
【0013】本発明のPTC電気装置は電源電圧にて動
作する装置を過熱サージ若しくは過電流サージより保護
し得るよう高い電圧に耐える能力を有する。本発明のP
TC電気装置は皿洗い機、洗濯機、冷蔵庫等の家庭用機
器の電動機の如き交流電動機のための自己リセット式の
センサとして特に有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の高電圧に耐える能力を有
する重合体PTC装置は、結晶質又は半晶質の重合体
と、粒状の導電性充填材と、無機添加物と、随意の酸化
防止剤とを含む導電性重合体組成物を含んでいる。高電
圧に耐える能力を有する重合体組成物の基準は、(i)
高いPTC効果、(ii)25℃に於ける低い初期抵抗
率、(iii)電気的安定性及び熱的安定性を維持しつ
つ110〜130VAC以上の電圧に耐える能力であ
る。本願に於ける「高いPTC効果」は室温(便宜的に
は25℃)に於ける組成物の抵抗率の少なくとも104
〜105倍のTsに於ける組成物の抵抗率を意味する。組
成物がその抵抗率の高い状態に切換わる温度Tsについ
ての特定の要件は存在しない。即ちPTC効果の大きさ
は温度Tsよりも重要であることが判っている。
【0015】また本願に於ける「低い初期抵抗率」は、
100Ωcm以下、好ましくは10Ωcm以下、より好
ましくは5Ωcm以下、特に2Ωcm以下の25℃に於
ける組成物の初期抵抗率を意味し、これにより以下に更
に説明する如く適当な形態及び大きさを有するPTC装
置の25℃に於ける抵抗が約500mΩ以下、好ましく
は約5〜500mΩ以下、より好ましくは約7.5〜2
00mΩ以下、典型的には約10〜100mΩ以下の低
い値であることを意味する。
【0016】本発明の組成物の好ましい重合体成分(即
ちナイロン−12若しくはナイロン−11)が前述の米
国特許出願第08/729,822号及び同第09/0
46,853号の明細書に記載されている。これらの米
国特許出願の明細書に記載されたナイロン−12及びナ
イロン−11をベースとする導電性の組成物は、非常に
高い切換わり温度(125℃よりも高いTs、好ましく
は140℃と200℃との間、典型的には150℃と1
95℃との間のTs)を有する。更にこれらの組成物の
多くは25℃に於ける100Ωcm以下、特に10Ωc
m以下の初期抵抗率の104倍よりも大きい高いPTC
効果を示し、これにより適当な形態及び大きさについて
見て約500mΩ以下、好ましくは約5〜500mΩ、
より好ましくは約7.5〜200mΩ、典型的には約1
0〜100mΩの低い抵抗を有するPTC装置が得られ
る。
【0017】導電性重合体組成物のTsは、一般的に、
重合体マトリックスの融点(Tm)よりも僅かに低いこ
とが知られている。重合体の熱膨張係数がTm近傍に於
いて十分に高ければ、高いPTC効果が生ずる。更に重
合体の結晶化度が高ければ高いほど、抵抗率の急激な上
昇が生ずる温度範囲は小さくなることが知られている。
かくして結晶質の重合体は、抵抗率−温度曲線に於いて
より高い「矩形度」、即ち電気的安定性を示す。
【0018】本発明の導電性重合体組成物に於ける好ま
しい結晶質又は半結晶質の重合体成分は、20〜70
%、好ましくは25〜60%の範囲の結晶化度を有す
る。高いPTC効果を有する組成物を得るためには、重
合体は100〜200℃の温度範囲に融点(Tm)を有
し、Tm〜Tm−10℃の範囲の温度に於いて約4.0×
10-4〜2.0×10-3cm/cm℃の高い熱膨張係数
を有していることが好ましい。また重合体は実質的にT
mよりも少なくとも20℃高い処理温度、好ましくは1
20℃以下高い処理温度に於いて分解に耐え得るもので
あることが好ましい。
【0019】本発明に於いて使用されるのに適したナイ
ロン−12をベースとする重合体が、アメリカ合衆国ペ
ンシルバニア州、フィラデルフィア所在のエルフ・アト
ケミ・ノース・アメリカ社(Elf Atochem North Americ
a, Inc.)、アメリカ合衆国サウスカロライナ州、サム
ター所在のイー・エム・エス・アメリカン・グリロン社
(EMS American Grilon, Inc.)、アメリカ合衆国ニュ
ージャージー州、ソマーセット所在のヒュルズ・アメリ
カン社(Huls American Inc.)よりそれぞれAesno-TL、
Grilamid L20G、Vestamid L1940及びVestamid L2140な
る商品名にて販売されている。本発明に於いて使用され
るのに適したナイロン−11をベースとする重合体がエ
ルフ・アトケミ・ノース・アメリカ社よりBesno-TLなる
商品名にて販売されている。各ナイロン重合体は25%
以上の結晶化度及び170℃以上のTmを有している。
これらの重合体の25℃に於ける熱膨張係数(γ)及び
Tm〜Tm−10℃の範囲に於ける熱膨張係数(γ)が下
記の表1に示されている。
【0020】また組成物の半結晶質重合体成分は、その
第一の重合体に加えて0.5〜20vl%の第二の半結晶
質重合体を含む重合体混合物を含んでいてもよく、第二
の半結晶質重合体はポリオレフィン又はポリエステルを
ベースとする熱可塑性エラストマであることが好まし
い。第二の重合体は、100〜200℃の温度範囲に融
点Tmを有し、Tm〜Tm−10℃の範囲の温度に於いて
25℃に於ける熱膨張係数の値よりも少なくとも4倍大
きい高い熱膨張係数を有していることが好ましい。
【0021】ナイロン−12若しくはナイロン−11と
共に重合体混合物を形成するのに適した熱可塑性エラス
トマは、ポリオレフィン又はポリエステルをベースとす
るものであり、アメリカ合衆国オハイオ州、アクロン所
在のアドバンスト・エラストマ・システムズ社(Advanc
ed Elastomer Systems)及びアメリカ合衆国デラウェア
州、ウィルミントン所在のデュポン・エンジニアリング
・ポリマーズ社(DuPont Engineering Polymers)より
それぞれSantoprene及びHytel G-4074なる商品名にて販
売されている。これらのエラストマの25℃に於ける熱
膨張係数及びTm〜Tm−10℃に於ける熱膨張係数が下
記の表1に示されている。
【0022】粒状の導電性充填材はカーボンブラック、
黒鉛粒子、金属粒子又はこれらの組合せであってよい。
金属粒子はニッケル粒子、銀フレーク、又はタングステ
ン合金、モリブデン合金、金合金、白金合金、鉄合金、
アルミニウム合金、銅合金、タンタル合金、亜鉛合金、
コバルト合金、クロム合金、鉛合金、チタニウム合金、
スズ合金の粒子、又はこれらの混合物であってよいが、
これらに限定されるものではない。導電性重合体組成物
に使用されるかかる金属充填材は当技術分野に於いて知
られたものである。
【0023】中程度乃至高度の規則的な組織を有し比較
的低い抵抗率を有するカーボンブラックを使用すること
が好ましい。カーボンブラックの例はSterling SO N55
0、Vulcan XC-72 及びBlack Pearl 700(何れもアメリ
カ合衆国ジョージア州、ノークロス所在のキャボット・
コーポレーション(Cabot Corporation)より入手可
能)である。Sterling SO N550の如き好適なカーボンブ
ラックは、約0.05〜0.08μの粒径を有し、ジブ
チルフタレート(DBP)吸収によって測定された典型
的な粒子凝集球径が0.25〜0.5μである。重合体
成分に対する粒状導電性充填材の体積比は、10:90
〜70:30、好ましくは20:80〜60:40、よ
り好ましくは30:70〜50:50の範囲である。
【0024】結晶質又は半結晶質の重合体成分及び粒状
の導電性充填材に加えて、導電性重合体組成物は電気的
安定性、機械的安定性及び熱的安定性を向上させるため
の添加物を含んでいてよい。電気的安定性及び機械的安
定性を向上させるに好適な無機添加物として酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム
などの金属酸化物、又は炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、アルミナ三水和物、水酸化マグネシウムの如き他
の物質、又はこれらの混合物がある。かかる無機添加物
は1〜15wt%、より好ましくは2〜7.5wt%の量に
て組成物中に存在していてよい。有機酸化防止剤も熱的
安定性を向上させるために組成物に随意に添加されてよ
い。多くの場合これらの酸化防止剤は、フェノール若し
くは芳香族アミン系の熱安定化剤、例えばN,N’−
1,6−ヘキサネジルビス(3,5−ビス(1,1−ジ
メチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼン)プロパン
アミド(商品名Irganox-1098、シバ・スペシャルティ・
ケミカル・コーポレーション(Ciba Specialty Chemica
ls Corp.、アメリカ合衆国ニューヨーク州、タリトン所
在))、N−ステアロイル−4−アミノフェノール及び
N−ラウロイル−4−アミノフェノール、重合化1,2
−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンである。
組成物中の有機酸化防止剤の割合は0.1〜15wt%、
好ましくは0.5〜7.5wt%の範囲である。導電性重
合体組成物は他の不活性な充填材、核形成剤、オゾン分
解防止剤、難燃剤、安定化剤、分散助剤、架橋剤又はそ
の他の成分を含んでいてよい。
【0025】電気的安定性を向上させるべく、導電性重
合体組成物は、有機過酸化物質などの化学物質により、
又は高エネルギ電子ビーム、紫外線若しくはガンマ放射
線の如く当技術分野に於いて公知の放射線の照射により
架橋されてよい。架橋は重合体成分及び用途に依存する
が、通常の架橋の程度は、1〜50Mrad、好ましくは2
〜20Mrad、例えば2.5Mradの放射線量によって達成
されるものと等しい。架橋が放射線の照射により行われ
る場合には、組成物は電極を取付ける前又は後の何れに
於いて架橋されてもよい。
【0026】本発明の実施形態に於いて、本発明の高温
度PTC装置は、図1に示されたPTCチップと、以下
に記載され図2に模式的に示されている如き電気端子1
2及び14とを含んでいる。図1に示されている如く、
PTCチップ1は金属電極3の間に挟まれた本発明の導
電性重合体組成物2を含んでいる。電極3及びPTC組
成物2は、好ましくは厚さT及びL×Wの面積を有し、
W/Tが少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に
少なくとも10であるチップ1のPTC組成物を通って
その面積L×Wに亙り電流が流れるよう構成される。ま
たチップ即ちPTC装置の電気抵抗は厚さに依存し、以
下に説明する如く寸法W、L及びTは好ましい抵抗を達
成するために変更されてよい。例えば典型的なPTCチ
ップは一般に0.05〜5mm、好ましくは0.1〜
2.0mm、より好ましくは0.2〜1.0mmの厚さ
を有している。チップ/PTC装置の概形は、例示の実
施形態のものであってよく、或いは好ましい抵抗を達成
する寸法を有する任意の形状のものであってよい。
【0027】一般に、一定の厚さの平坦なPTC重合体
組成物の側面に互いに対向して配置された同一面積の二
つの平面電極を使用することが好ましい。電極用の材料
は特に限定されるものではなく、銀、銅、ニッケル、ア
ルミニウム、金等より選択されてよい。また電極材料は
これらの金属の組合せ、ニッケルめっきされた銅、スズ
めっきされた銅等より選択されてもよい。電極は好まし
くはシートの形態にて使用される。シートの厚さは約1
mm未満、好ましくは0.5mm未満、より好ましくは
0.1mm未満である。
【0028】PTC装置10の一つの実施形態が図2に
示されており、図1に示されたPTCチップに端子12
及び14が取付けられている。交流電流又は直流電流が
PTC装置に通電されると、PTC装置は25℃に於い
て約500mΩ以下、好ましくは約200mΩ以下の初
期抵抗を示す。PTCチップ即ちPTC装置の25℃に
於ける抵抗(R25)に対するピーク抵抗(Rpeak)の比
率は、少なくとも10 4〜105である。尚Rpeakは図3
及び図4に示されている如く温度の関数として抵抗をプ
ロットした抵抗−温度曲線のピークに於ける抵抗であ
る。Tsは、PTCチップ即ちPTC装置の抵抗の対数
と温度との関係の実質的に直線的な部分、即ち傾斜の急
激な変化を示す部分の両側の部分の延長線の交点に於け
る温度として図3に示されている。図4は前述の米国特
許出願に記載されている如き導電性ナイロン−12のP
TC装置の典型的な抵抗−温度曲線を示している。
【0029】下記の如く圧縮成形又は押出し及びラミネ
ート化により製造され架橋された組成物を含む高温度P
TC装置は電気的安定性を示す。「電気的安定性」を示
す装置は、25℃に於いて初期抵抗Roを有すると共に
切換わり温度と25℃との間のX回の温度サイクルに付
された後の25℃に於いて抵抗Rxを有し、25℃に於
ける初期抵抗に対するX回の温度サイクルに付された後
の抵抗の増大率である比(Rx−Ro)/Roの値はRoの
3倍未満である。25℃より切換わり温度まで上昇され
た後25℃まで戻される一回の温度サイクルが図5に示
されている。「電気的安定性及び熱的安定性」を示す装
置は25℃に於いて初期抵抗Roを有すると共に110
〜130VACにY分間維持された後に於いて抵抗Ry
を有し、比(Ry−Ro)/Roの値はRoの1.5倍未満
である。維持試験について以下に説明する。
【0030】本発明の導電性重合体組成物は当技術分野
に於いて公知の方法により製造される。一般に、重合体
又は重合体混合物、導電性充填材及び添加物(もし適当
ならば)は、重合体又は重合体混合物の溶融温度よりも
少なくとも20℃高いが120℃ほど高くはない温度に
於いて混合される。混合温度は混合物の流動特性によっ
て決定される。一般に、充填材(例えばカーボンブラッ
ク)の含有量が高ければ高いほど、混合に使用される温
度は高くなる。混合後に均質な組成物がペレットの如き
任意の形状にて得られる。次いで組成物はホットプレス
又は押出し/ラミネート化処理に付され、これにより薄
いPTCシートに加工される。
【0031】圧縮成形によってPTCシートを製造する
際には、PTC組成物の均質なペレットが成形装置内に
配置され、その上面及び下面は金属箔(電極)にて覆わ
れる。次いで組成物及び金属箔のサンドイッチは加圧さ
れることによりPTCシートにラミネート化される。圧
縮成形工程のパラメータは変化されてよく、PTC組成
物に依存する。例えば充填材(例えばカーボンブラッ
ク)の含有量が高ければ高いほど、成形温度は高くな
り、使用される圧力も高くなり、成形時間も長くなる。
温度、圧力、時間のパラメータを制御することにより種
々の厚さの種々のシート材が得られる。
【0032】押出し法によりPTCシートを製造する際
には、温度プロフィール、ヘッド圧力、回転速度及び押
出し装置のスクリュー構造の如き処理パラメータは、製
造されるPTCシートのPTC特性を制御する上で重要
である。一般に、充填材含有量が高ければ高いほど、2
〜20rpmの範囲の回転速度にて13.8〜41.4M
Pa(2000〜6000psi)の範囲にヘッド圧力
を維持するために使用される処理温度は高くなる。例え
ば43vl%カーボンブラック、57vl%ナイロン−12
(Aesno-TL)の材料を押出し加工する場合に、265℃
程度の金型温度が採用された。直線状貫通式のスクリュ
ーがPCTシートの製造に好ましい。この種のスクリュ
ーに於いては、処理中の剪断力及び機械的エネルギが低
くなるので、カーボンブラックの凝集体を破壊させる虞
れが低減され、その結果低い抵抗率を有するPTCシー
トが得られる。押出し成形されるシートの厚さは、一般
に、金型の間隙及びラミネータのローラ間の間隙により
制御される。重合体混合物の層の上面及び下面の双方を
覆う金属箔の形態をなす金属電極は、押出し工程中に組
成物に層状に重ねられる。下記の例に於いて説明される
組成物の如き組成物であって、ナイロン−12(又はナ
イロン−11)、カーボンブラック、酸化マグネシウム
等を種々の割合にて含有する組成物が押出し及びラミネ
ート化により処理される。
【0033】例えば圧縮成形又は押出しにより製造され
たPTCシートは、その後切断され、予め定められた寸
法を有し金属電極の間に挟まれた導電性重合体組成物を
含むPCTチップが形成される。組成物はもし必要なら
ばシートを切断してPTCチップにする前に放射線の照
射などによって架橋されてよい。次いで電気端子が各チ
ップにろう付けされ、これによりPTC電気装置が形成
される。
【0034】適当なろうによれば、25℃に於いて端子
とチップとの間に良好な結合状態が与えられ、またPT
C装置の切換わり温度に於いて良好な結合状態が維持さ
れる。結合部は剪断強度によって特徴づけられる。2c
m×1cmのPTC装置については、一般に剪断強度が
25℃に於いて250Kg以上であれば許容される。ま
たろうは、その溶融温度に於いてPTC装置の表面を均
一に覆う良好な流動特性を示すものである必要がある。
一般的に使用されるろうは、PTC装置の切換わり温度
より10℃、好ましくは20℃高い溶融温度を有してい
る。本発明の高温度PTC装置に使用するのに適したろ
うの例は、63%Sn−37%Pb(融点:183
℃)、96.5%Sn−3.5%Ag(融点:221
℃)及び95%Sn−5%Sb(融点:240℃)(こ
れらは全てルーカス−ミルハウプ社(Lucas-Milhaupt,
Inc.、アメリカ合衆国ウイスコンシン州、キュダヒー所
在)から入手可能)、或いは96%Sn−4%Ag(融
点:230℃)及び95%Sn−5%Ag(融点:24
5℃)(イー・エフ・ディ社(EFD, Inc.、アメリカ合
衆国ロードアイランド州、イーストプロヴィデンス所
在)より販売されている)である。
【0035】以下の例は本発明の耐高電圧導電性重合体
組成物及びPTC電気装置の実施例を示している。しか
し望ましい電気的特性及び熱的特性を達成する組成物及
びPTC装置を製造する他の方法が当業者により決定さ
れてよいので、以下の実施例は本発明を限定するもので
はない。組成物、PTCチップ及びPTC装置は、下記
の如く抵抗−温度(R−T)試験によって直接的にPT
C特性について検査され、また切換わり試験、過電圧試
験、サイクル試験によって間接的にPTC特性について
検査された。各チップのバッチから検査されたサンプル
の数が以下に示されており、表2及び図面に報告された
試験の結果は各サンプルについての値の平均である。
【0036】PTCチップ及びPTC装置の抵抗は、四
線式標準法を用いて±0.01mΩの精度を有するケイ
スリー580マイクロオームメータ(Keithley 580 mic
ro-ohmmeter(Keithley Instruments、アメリカ合衆国
オハイオ州、クリーヴランド所在))にて測定される。
25℃に於ける平均抵抗値を測定すべく、各PTC組成
物について少なくとも20個のチップ及び装置の抵抗が
測定される。
【0037】抵抗率は測定された抵抗とチップの面積及
び厚さとより計算される。PTC効果を求めるべく、抵
抗−温度(R−T)曲線が生成される。装置のサンプル
が典型的にはオイル浴(例えば約2℃/分の一定の加熱
速度を有するオイル浴)中に浸漬することによって加熱
される。各サンプルの温度及び抵抗が同時にコンピュー
タのデータ取得プログラムにて記録される。PTC効果
は、表2に示されている如く、Rpeak/R25の値によっ
て計算された。
【0038】PTC装置を構成するPTC組成物のTs
は、定電圧切換わり試験、例えば130V及び13Aに
てPTC装置に直流電流又は交流電流を通すことによっ
て通常行われる試験により測定された。高い電流によっ
て惹起される自己加熱により、PTC装置は速やかにT
sに到達し、電圧が一定のままで電流が急激に或る低い
値(細流電流)まで降下する。PTC装置は、もし特定
の条件(例えば130VAC及び13A)に於いて少な
くとも180秒間Tsに留まって安定化することができ
れば、所望のPTC効果を示す。PTC装置の故障は、
装置が180秒間Tsに於いて安定化することができず
若しくは「熱的暴走」をすることによって示される。
【0039】PTC効果とPTC装置が電圧に耐える能
力との間の関係は下記の式により表される。 S=KVk/PoR
【0040】ここにSはPTC効果を示し、Rは25℃
に於けるPTC装置の抵抗(Ω)を示し、VkはPTC
装置の耐電圧(V)であり、Poはトリップされた状態
にあるPTC装置より逸散した電力(W)であり、Kは
装置定数である。切換わり試験中には、コンピュータの
データ取得プログラムが自動的に初期電圧、初期電流、
細流電流、切換わり温度、切換わり時間を記録する。少
なくとも四つのサンプルの大きさがこの試験に使用され
た。
【0041】冷熱サイクル試験は切換わり試験と同様の
要領にて行われる。但し切換わりパラメータ(電圧及び
電流)は25℃より温度Tsまで加熱された後25℃に
戻される特定の回数の切換わり試験用冷熱サイクル中一
定である。PTC装置の抵抗は特定の回数の冷熱サイク
ル前及び後の25℃に於いて測定される。25℃に於け
る初期抵抗はRoにて示され、X回の冷熱サイクル後の
抵抗はRx、例えばR10 0にて表される。抵抗の増大比は
(Rx−Ro)/Roである。PTC装置は、それが或る
回数の冷熱サイクルに付された後に300%未満の抵抗
の増大比を示す場合に実質的に良好な電気的安定性を有
するものとみなされる。冷熱サイクル試験のサンプルの
大きさは実質的に5種類である。
【0042】過電圧試験の性能は重合体PTCスイッチ
装置の電気的安定性を評価するための他の一つの手段で
ある。過電圧試験はPTC装置がその切換わり温度Ts
まで加熱される際に切換わり条件が或る一定の条件、例
えば130VAC及び13Aであるよう行なわれる。切
換わりが生じた後に、高電圧の動作条件が例えば4時
間、8時間、16時間、又は24時間の如き或る一定の
時間(維持時間)維持される。維持時間の終了時点に於
いて電力が解除され、PTC装置は25℃にまで冷却さ
れる。次いでPTC装置の抵抗がその元の抵抗と比較さ
れるよう25℃に於いて測定される。この過電圧試験の
サンプルの大きさは実質的に5種類である。
【0043】
【実施例】例1 表2に示された組成の比を使用して、カーボンブラック
(Sterling N-550)及び酸化マグネシウム(MgO)が
乾燥状態にて混合され、250℃に加熱された2ロール
式のBrabenderミル内にて30分間に亘りナイロン−1
2(Aesno TL)と混合された。この組成物に於けるカー
ボンブラックに対するナイロン−12の体積比は60:
40(40vl%)である。次いでかくして形成された均
一な混合物が冷却されペレット状に切断された。次いで
ペレット状のナイロン−12及びカーボンブラック混合
物は押出し装置/ラミネータ内に導入された。押出し装
置内の金型温度及びラミネータのローラ温度はそれぞれ
270℃、215℃に制御された。この処理により上層
及び下層がニッケルにて被覆された銅フォイルにて覆わ
れたPTC材料のサンドイッチ状のストリップが形成さ
れた。
【0044】かくして形成されたPTCストリップ材料
は表2に示された照射レベルにてγ放射線にて照射処理
された。次いでストリップ材料は2cm×1cmの寸法
を有し表2に示された平均厚さ及び抵抗を有するPTC
チップに切断された。チップは銅端子を取り付けるべく
96.5%Sn−3.5%Agのろう及び約300℃に
加熱された炉を使用してろう付けされた。
【0045】ろう付け工程後にPTC装置は約50〜5
5mΩの抵抗を有していた。図4に示されたR-T曲線
より計算された典型的なPTC効果は3.5×104
ある。このPTC材料の熱膨張挙動が図6に示されてい
る。1.3×10-3の大きい正の熱膨張係数が温度Ts
に近い温度に於いて観察された。この熱膨張挙動は観察
された高いPTC効果と一致するものである。
【0046】この例のPTC装置は優れたPTC挙動を
示すので、切換わり試験中損傷することなく110〜1
30VACまでの高電圧に耐えた。耐電圧能力試験の結
果が図7に示されている。しかしこの材料は十分に高い
電気的安定性を示さなかった。例えば過電圧試験又は切
換わり試験の後のPTC装置の抵抗増大比は許容し得る
範囲内にあったが(図9及び図10参照)、PTC装置
の残存率は過電圧時間の増大につれて低下した(図8参
照)。
【0047】例2 カーボンブラックに対するナイロン−12の組成比が5
7:43(43vl%)に設定され、酸化防止剤(Irgano
x 1098)が組成物に添加され、押出し工程に於いて僅か
に低い金型温度が採用され、組成物が低いレベル(2.
5Mrads)のγ線にて照射された点を除き、例1の場合
と同一の要領にてPTC組成物及びPTC装置が形成さ
れた。ラミネート状の材料は0.7mmの厚さ及び3
0.6mΩのチップ抵抗を有していた。ろう付け工程後
に於けるPTC装置の抵抗は約52.3mΩであった。
【0048】この装置に対する交流電圧の変化に伴う切
換わり時間の変動が図11に示されている。50〜13
0VACの試験された電圧範囲に於いては、PTC装置
は30秒未満の切換わり時間を示した。切換わり時間は
PTC装置を変化させるべく10Aの一定の電流が与え
られた状態にて25℃に於いて交流電圧が昇圧されるに
つれて増大した。更にこのPTC装置は例1の装置より
も僅かに低いPTC効果(3.2×104)及び僅かに
低い耐交流電圧能力を有していたが(図7参照)、この
PTC装置は110〜130VACの電源電圧範囲に於
いても耐交流電圧能力を示した。
【0049】このPTC装置の電気的安定性は高いこと
が認められた。図8及び図9に示されている如く、この
PTC装置は24時間に亘る過電圧試験の間健全であ
り、試験後にも低い抵抗増大比を有していた。
【0050】例3 例2の組成を有するPTC装置が120VACにて動作
する皿洗い機の電動機の電動機回路に直列に組み込まれ
た。PTC装置は1cm×1cmの寸法を有し、25℃
に於いて110.2mΩの抵抗を有していた。このPT
C装置を試験した結果が図12に示されている。約7.
8Aの異常回路電流を創成すべく皿洗い機のロータが停
止せしめられた。この時点に於いてPTC装置は自己加
熱し、高い抵抗の状態に切換わり、電流は急激に低いレ
ベル(0.075A)まで低下した。切換わり工程が完
了するのに約4.8秒を要した。切換わり後にPTC装
置は約360秒(6分)に亘りラチェット化された状態
にて安定になった。次いで15秒間に亘り電力の供給が
停止され、2回目の切換わり工程が行われた。PTC装
置は損傷することなく少なくとも180秒(3分)の間
安定になった。
【0051】以上に於いては、本発明を好ましい実施形
態について説明したが、本発明はここに開示されたもの
に限定されるものではない。また本発明はその範囲及び
概念を逸脱しない全ての変更及び他の形態を含むもので
ある。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】二つの金属電極の間にサンドイッチ状に挾まれ
た本発明による重合体PTC組成物を含むPTCチップ
の斜視図である。
【図2】二つの端子が取り付けられた図1のPTCチッ
プを含む本発明によるPTC装置の一つの実施形態を示
す斜視図である。
【図3】抵抗−温度曲線のピークに於ける抵抗をRpeak
とし、25℃に於ける抵抗をR 25として、例4の35vl
%のカーボンブラックを含有する組成物を含むPTC装
置のPTC挙動を示すグラフである。
【図4】導電性ナイロン−12が使用された装置の典型
的な抵抗−温度曲線を示すグラフである。
【図5】導電性ナイロン−12が使用された装置の加熱
及び冷却中に於ける典型的な抵抗−温度曲線を示すグラ
フである。
【図6】導電性ナイロン−12が使用された装置の熱膨
張挙動を示すグラフである。
【図7】交流(AC)電圧の関数として例1及び例2の
装置の残存率を示すグラフである。
【図8】130VACに於ける過電圧試験時間の関数と
して例1及び例2の装置の残存率を示すグラフである。
【図9】130VACに於ける過電圧試験時間の関数と
して例1及び例2の装置の抵抗増大比を示すグラフであ
る。
【図10】130VACに於ける切換わりサイクル数の
関数として例1及び例2の装置の抵抗増大比を示すグラ
フである。
【図11】例2の装置に対する交流電圧の関数として切
換わり時間の長さを示すグラフである。
【図12】例3の装置により保護される皿洗い機用電動
機の電流プロフィールを示すグラフである。
【符号の説明】 1…PCTチップ 2…導電性重合体組成物 3…電極 10…PTC装置 12、14…端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リレン ツァオ アメリカ合衆国 44907 オハイオ州 マ ンスフィールド レキシントン アヴェニ ュー 1632 アパートメント ナンバー 14 (72)発明者 プラサド エス カダキカール アメリカ合衆国 44273 オハイオ州 セ ヴィル ブルー スプルース コート 200

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶質又は半結晶質の重合体と、粒状の導
    電性充填材と、無機添加物と、随意の酸化防止剤とを含
    み、100Ωcm以下の25℃に於ける抵抗率及び25
    ℃に於ける抵抗率の少なくとも104〜105倍の切換わ
    り温度に於ける抵抗率を有し、電気的安定性及び熱的安
    定性を維持しつつ110〜130VAC以上の電圧に耐
    えることができることを特徴とする重合体PTC組成
    物。
  2. 【請求項2】前記重合体はナイロン−12又はナイロン
    −11又はそれらの混合物又はそれらの共重合体より選
    択されていることを特徴とする請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】前記重合体は100〜200℃の融点Tm
    を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記重合体はTm〜Tm−10℃の範囲の温
    度に於いて4.0×10-4〜2.0×10-3cm/cm
    ℃の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項3に記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】前記重合体は10Ωcm以下の25℃に於
    ける抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】前記重合体は5Ωcm以下の25℃に於け
    る抵抗率を有することを特徴とする請求項5に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】前記重合体は2Ωcm以下の25℃に於け
    る抵抗率を有することを特徴とする請求項6に記載の組
    成物。
  8. 【請求項8】前記粒状の導電性充填材はカーボンブラッ
    ク、黒鉛粒子、金属粒子、及びこれらの混合物よりなる
    群より選択されていることを特徴とする請求項1に記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】前記金属粒子はニッケル粒子、銀フレー
    ク、タングステン合金粒子、モリブデン合金粒子、金合
    金粒子、白金合金粒子、鉄合金粒子、アルミニウム合金
    粒子、銅合金粒子、タンタル合金粒子、亜鉛合金粒子、
    コバルト合金粒子、クロム合金粒子、鉛合金粒子、チタ
    ニウム合金粒子、スズ合金粒子、及びこれらの混合物よ
    りなる群より選択されていることを特徴とする請求項8
    に記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記無機添加物は酸化マグネシウム、酸
    化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、炭酸カル
    シウム、炭酸マグネシウム、アルミナ三水和物、水酸化
    マグネシウム及びこれらの混合物よりなる群より選択さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】前記酸化防止剤はフェノール又は芳香族
    アミンを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の
    組成物。
  12. 【請求項12】前記酸化防止剤はN,N’−1,6−ヘ
    キサネジルビス(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチ
    ル)4−ヒドロキシ−ベンゼン)プロパンアミド、N−
    ステアロイル−4−アミノフェノール、N−ラウロイル
    −4−アミノフェノール、重合化1,2−ジヒドロ−
    2,2,4−トリメチルキノリン及びこれらの混合物よ
    りなる群より選択されていることを特徴とする請求項1
    に記載の組成物。
  13. 【請求項13】実質的に10〜70vl%の粒状導電性充
    填材を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の組
    成物。
  14. 【請求項14】実質的に20〜60vl%の粒状導電性充
    填材を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の
    組成物。
  15. 【請求項15】実質的に30〜50vl%の粒状導電性充
    填材を含んでいることを特徴とする請求項14に記載の
    組成物。
  16. 【請求項16】実質的に1〜15wt%の無機充填材を含
    んでいることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】実質的に2〜7.5wt%の無機充填材を
    含んでいることを特徴とする請求項16に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】前記随意の酸化防止剤は実質的に0.1
    〜15wt%存在することを特徴とする請求項1に記載の
    組成物。
  19. 【請求項19】前記随意の酸化防止剤は実質的に0.5
    〜7.5wt%存在することを特徴とする請求項18に記
    載の組成物。
  20. 【請求項20】前記重合体組成物は化学物質の補助又は
    放射線の照射により架橋されることを特徴とする請求項
    1に記載の組成物。
  21. 【請求項21】前記組成物は更に実質的に0.5〜20
    vl%の第二の半晶質重合体を含んでいることを特徴とす
    る請求項1に記載の組成物。
  22. 【請求項22】前記第二の重合体は実質的に100〜2
    00℃の融点Tmを有していることを特徴とする請求項
    21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】前記第二の重合体はTm〜Tm−10℃の
    範囲の温度に於いて25℃に於ける熱膨張係数の少なく
    とも4倍よりも大きい熱膨張係数を有することを特徴と
    する請求項22に記載の組成物。
  24. 【請求項24】前記第二の重合体はポリオレフィンをベ
    ースとする熱可塑性エラストマ又はポリエステルをベー
    スとする熱可塑性エラストマ又はこれらの混合物又はこ
    れらの共重合体より選択されていることを特徴とする請
    求項21に記載の組成物。
  25. 【請求項25】PTC挙動を示す電気装置にして、 (a)結晶質又は半晶質の重合体と、粒状の導電性充填
    材と、無機添加剤と、随意の酸化防止剤とを含む導電性
    重合体組成物であって、25℃に於いて100Ωcm以
    下の抵抗率を有し、切換わり温度に於いて25℃に於け
    る抵抗率の少なくとも104〜105倍の抵抗率を有する
    導電性重合体組成物と、 (b)電圧を印加することによって前記導電性重合体組
    成物に直流電流又は交流電流を通すことができるよう前
    記重合体と電気的に接触する少なくとも二つの電極と、
    を含み、前記電気装置は望ましい形態に於いて500m
    Ω以下の25℃に於ける抵抗を有し、前記電気装置は前
    記切換わり温度に到達した後の少なくとも4時間に亘り
    損傷することなく110〜130VAC以上の電圧に耐
    えることができることを特徴とする電気装置。
  26. 【請求項26】前記電気装置はその切換わり温度に到達
    した後の少なくとも8時間に亘り前記電圧に耐えること
    ができることを特徴とする請求項25に記載の電気装
    置。
  27. 【請求項27】前記電気装置はその切換わり温度に到達
    した後の少なくとも16時間に亘り前記電圧に耐えるこ
    とができることを特徴とする請求項26に記載の電気装
    置。
  28. 【請求項28】前記電気装置はその切換わり温度に到達
    した後の少なくとも24時間に亘り前記電圧に耐えるこ
    とができることを特徴とする請求項27に記載の電気装
    置。
  29. 【請求項29】前記電気装置は実質的に7.5〜200
    mΩの25℃に於ける抵抗を有することを特徴とする請
    求項25に記載の電気装置。
  30. 【請求項30】前記電気装置は実質的に10〜100m
    Ωの25℃に於ける抵抗を有することを特徴とする請求
    項29に記載の電気装置。
  31. 【請求項31】前記重合体はナイロン−12又はナイロ
    ン−11又はそれらの混合物又はそれらの共重合体を含
    んでいることを特徴とする請求項25に記載の電気装
    置。
  32. 【請求項32】前記電気装置は更に前記組成物の前記切
    換わり温度より少なくとも10℃高い融点を有するろう
    により電極にろう付けされた電気端子を含んでいること
    を特徴とする請求項25に記載の電気装置。
  33. 【請求項33】前記ろうは実質的に180℃以上の融点
    を有することを特徴とする請求項32に記載の電気装
    置。
  34. 【請求項34】前記ろうは実質的に220℃以上の融点
    を有することを特徴とする請求項33に記載の電気装
    置。
  35. 【請求項35】前記組成物は更に実質的に0.5〜20
    vl%の第二の半晶質重合体を含んでいることを特徴とす
    る請求項25に記載の電気装置。
  36. 【請求項36】前記第二の重合体はポリオレフィンをベ
    ースとする熱可塑性エラストマ又はポリエステルをベー
    スとする熱可塑性エラストマより選択されていることを
    特徴とする請求項35に記載の電気装置。
  37. 【請求項37】前記電気装置は圧縮成形により製造され
    ることを特徴とする請求項25に記載の電気装置。
  38. 【請求項38】前記電気装置は押出し及びラミネート化
    により製造されることを特徴とする請求項25に記載の
    電気装置。
  39. 【請求項39】前記電気装置は25℃に於いて初期抵抗
    Roを有し、110〜130VACにY分間維持された
    後の25℃に於いて抵抗Ryを有し、(Ry−Ro)/Ro
    の値はRoの1.5倍未満であることを特徴とする請求
    項25に記載の電気装置。
  40. 【請求項40】前記電気装置は25℃に於いて初期抵抗
    Roを有し、切換わり温度と25℃との間の温度サイク
    ルにX回付された後の25℃に於いて抵抗Rxを有し、
    (Rx−Ro)/Roの値はRoの3倍未満であることを特
    徴とする請求項25に記載の電気装置。
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