JP2009193674A - 透明導電膜の製造方法およびそれに従って製造される透明導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明導電酸化物は、抵抗を低く設定するためには膜厚を大きくする必要があり、そのため光線透過率が犠牲になり、「高光線透過率」「低抵抗」を同時に達成することができなかった。
【解決手段】 酸化亜鉛透明導電酸化物層を予め所望の膜厚よりも厚めに製膜し、メタンと水素を含むガスを用いてプラズマ処理することで、酸化亜鉛透明導電酸化物層のエッチングおよび粒径の巨大化が起こり、その結果「高光線透過率」「低抵抗」を同時に達成することが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主としてタッチパネルやPDP、LCDやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ材料、太陽電池の透明電極や裏面電極、ハイブリッド型太陽電池の透明中間層、化合物半導体高速デバイスに用いる低誘電率膜、表面弾性波素子、赤外線カットなどを目的とした窓ガラスコーティング、ガスセンサー、非線形光学を活用したプリズムシート、透明磁性体、光学記録素子、光スイッチ、光導波路、光スプリッタ、光音響材料への活用、高温発熱ヒーター材料において、低抵抗かつ高光線透過率を達成可能な透明導電膜の製造方法及びそれに従って製造される透明導電膜に関するものである。
タッチパネルやディスプレイ材料、太陽電池などに使用される透明導電膜は、その透明導電層としてインジウム錫複合酸化物(ITO)や酸化錫、酸化亜鉛などが広く使用されている。このような透明導電酸化物層はマグネトロンスパッタリング法やモレキュラービームエピタキシー法などの物理気相堆積法(PVD法)や熱CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法)などにより形成されるほか、無電解法により形成される方法が知られている。中でもITOは透明導電材料として非常に優れた材料であり、現在広く透明導電層に使用されている。しかしながら、原料のインジウムが枯渇する可能性があり、資源的にもコスト的にもITOに替わる材料の探索が急務となっている。
さらに、透明導電膜を使用した製品の高性能化に伴い、透明導電膜の透明性を従来よりも高くする技術が必要とされている。
ITOに替わる材料としては酸化亜鉛(ZnO)が代表として挙げられる。ZnOはITOに比べて結晶性の薄膜を形成しやすい材料であり、低温で製膜した場合にも結晶性の透明導電性薄膜を形成することは容易である。しかし、ZnOはITOに比べて水分や熱に対する安定性に劣ることが非特許文献1に記載されており、その原因はZnO透明導電酸化物層表面や結晶粒界に水分子や酸素原子などが付着し、導電性を低下させることが考えられる。その対策の一つとして結晶粒径を大きくすることが上げられるが、一般的にZnOは膜厚が大きくなるに従い結晶粒径が大きくなる傾向があり、単純にこの方法で表面抵抗の制御が困難となり、用途に応じた透明導電膜の製造には適していない。また、製膜時の基板の温度を上げることでも結晶粒径が大きくなる傾向があるが、この場合、例えば熱可塑性樹脂からなるフィルム材料を基板とした場合には、そのガラス転移温度以上の温度を必要とする場合が想定され、実質的に使用が不可能となる。
高光線透過率と低抵抗を両立するための手段として、特許文献1には「基板/透明導電酸化物/低屈折率層/透明導電酸化物」の積層により可能としている報告がされている。この手法では、高屈折率材料である透明導電酸化物と低屈折率層を交互に積層することで反射を防止し、効果的に高光線透過率を可能とすることができるが、多数の積層構造はその分装置が大きくなり、コスト的に不利となる。また、特許文献2には、透明電極の液相からの形成にプラズマ放電を利用する方法が記載されている。また特許文献3には、ガリウム添加酸化亜鉛透明電極の結晶性向上の手法として500℃でのアニール処理があるが、この手法ではフィルムなどの耐熱性のない基板上では透明電極が作製できない。一方、特許文献4にはITOにマイクロ波を照射し結晶化を促進する手法が報告されている。
本発明は、多層の積層構造を必要とせずに高光線透過率を達成し、フィルム基板などの耐熱性の低い基板にも適用可能な技術として見出されたものである。
透明導電膜、6ページより(シーエムシー出版) 特開2007−213866号公報 特開平4−308616号公報 特開平6−187833号公報 特開2005−141981号公報
上記課題を解決する為に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛透明導電酸化物層に、メタンと水素の混合ガスからなるプラズマ放電により酸化亜鉛透明導電酸化物層をエッチングし、同時に粒径を大きくすることが可能であることを見出した。
すなわち本発明は、透明基板上に酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層が形成された透明導電膜の製造方法であって、酸化亜鉛透明導電酸化物層が、最終的に必要な膜厚よりも大きな膜厚の酸化亜鉛透明導電酸化物層を製膜後にメタン・水素の混合ガスを、メタンの流量をV(CH)、水素の流量をV(H)とした時に、式1の関係を満足するように混合ガスを調整し、
0.01≦V(CH)/(V(CH)+V(H))≦0.1 (式1)
酸化亜鉛透明導電酸化物層の表面にプラズマ処理を施すことを特徴とする透明導電膜の製造方法(1)。であり、その製造方法で作製される透明導電膜であり、酸化亜鉛透明導電酸化物層の膜厚をdとし、酸化亜鉛透明導電酸化物の走査型電子顕微鏡で観察し、その画像内に見られる結晶粒径の平均結晶粒径をrとした時に、r/dが式2の関係を満足することを特徴とする透明導電膜(2)。
0.67≦r/d≦1.50 (式2)
酸化亜鉛透明導電酸化物層の空気面または/及び空気面と透明基板と酸化亜鉛透明導電酸化物層との間にカーボン膜が形成されていることを特徴とする(2)に記載の透明導電膜(3)。に関するものである。
本発明により、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス電極基板、太陽電池などで特に重要な要素である「導電性」「透明性」において良好な特性を示す透明導電膜を形成することが可能となる。
本発明は「透明基板上に酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層が形成された透明導電膜の製造方法であって、上記酸化亜鉛透明導電酸化物層が、最終的に必要な膜厚よりも過剰な膜厚の酸化亜鉛透明導電酸化物層を製膜後にメタン・水素の混合ガスを、メタンの流量をV(CH)、水素の流量をV(H)とした時に、式1の関係を満足するように混合ガスを調整し、
0.01≦V(CH)/(V(CH)+V(H))≦0.1 (式1)
酸化亜鉛透明導電酸化物層の表面にプラズマ処理を施すことでエッチングと同時に結晶粒径の巨大化を達成することを特徴とする、透明導電膜の製造方法および該製造方法によって得られる透明導電膜」に関するものである。
本発明におけるエッチング処理は水素を含むガスのプラズマが必須となるので、水素原子や水素アニオン(ヒドリドイオン)により還元されやすいインジウムや錫などの金属は使用できない。一方、酸化亜鉛はプラズマ耐性が強く、還元されないために、本発明の手法に適した材料である。また、本発明ではアニール処理などの熱処理を必要としないため、フィルム基板などへの適用も可能である。
以下、本発明によって製造される透明導電膜の代表的な態様を説明する。上記透明基板については、少なくとも可視光領域において透明な基板であれば、硬質または軟質材料は特に限定されない。硬質材料であれば、アルカリガラスやホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスなどのガラス基板がその代表例であるが、サファイヤ基板なども使用できる。ガラス基板の厚みは使用目的により任意に選択することができるが、取り扱いと重量のバランスを加味して、0.5mm〜4.5mmまで使用できる。薄すぎるガラス基板は強度が不足するために、衝撃により割れやすい。また厚すぎるガラス基板は重量が重くなることと、機器の厚みに影響を及ぼすことから、ポータブル機器への利用は困難となる。また厚い基板は透明性とコストの面からも好ましくない。一方、軟質な材料としては、アクリル樹脂やポリエステル、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂や、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂からなるフィルムが代表例であるが、特に優れた光学等方性と水蒸気遮断性に優れているポリシクロオレフィンを主成分とするフィルムが有効に使用できる。ポリシクロオレフィンフィルムとしては、ノルボルネンの重合体やノルボルネンとオレフィンとの共重合体、シクロペンタジエンなどの不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。水蒸気遮断性の観点から、フィルム構成分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示す官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシル基、を含まないことが好ましい。これらの基板の厚みは使用目的により任意に選択することができるが、0.03mm〜3.0mm程度であれば取り扱いが容易である。薄いフィルムはハンドリングが困難であることと、強度が不足する点が課題となる。また厚いフィルムは透明性とコストに課題があり、機器の厚みも増すことから、ポータブル機器には使用が困難である。
上記基板としてフィルム基板を用いる場合は、基板フィルムを延伸して位相差を付与することができる。位相差を付与することで、偏光板との組み合わせにより低反射パネルを作製することが可能であり、画像の視認性が大幅に向上することが期待される。
上記基板への位相差付与の方法について説明する。位相差付与には既知の手法を用いることで可能となる。例えば一軸延伸や二軸延伸などの延伸や配向処理により可能である。この際フィルムにガラス転移温度近くの温度をかけることで、ポリマー骨格の配向を促進することが可能となる。レタデーション値の好ましい範囲は、目的とする機能によりことなるが、反射防止機能を付与する場合には50〜300nmの範囲で選択する事が好ましく、人間が最も強く認識する波長である約550nmに対して1/4となる137nm付近がより好ましい。
本発明における透明導電酸化物層には透明導電酸化物の中でも、透明性の高さとカーボン膜の製膜時に発生する水素プラズマに対して還元反応が起こらないという点から酸化亜鉛が用いられる。上記透明導電酸化物には抵抗制御や安定性を目的としてドーピング剤を添加することができる。ドーピング剤としては例えば、アルミニウムやガリウム、ホウ素を含む化合物やリン、窒素を含む化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
透明導電酸化物層の形成方法としては、均一な薄膜が形成される手段であれば特に限定されない。例えば、スパッタリングや蒸着などのPVD法や、各種CVD法などの気相堆積法などの他に、透明導電酸化物層の原料を含む溶液をスピンコート法やロールコート法、スプレー塗布やディッピング塗布などにより塗布した後に加熱処理などで透明導電酸化物層を形成する方法が挙げられるが、ナノメートルレベルの薄膜を形成しやすいという観点から気相堆積法が好ましい。
気相堆積法で透明導電酸化物層を形成する場合、基板の温度は、基板の軟化温度により変化するが、室温〜基板のガラス転移温度以下が好ましく、さらに好ましくは室温〜基板のガラス転移温度より30℃程度低温が好ましい。基板の温度が低すぎると、結晶性が悪くなり、透明性や導電性が目的を達成できない可能性がある。基板の温度が高すぎると基板に付与した位相差が損失する可能性がある。透明導電酸化物層の形成には必要に応じてプラズマ放電を利用することができる。プラズマのパワーには特に制限はないが、生産性や結晶性の観点から10W〜600Wが好ましい。低すぎる場合には製膜されない可能性がある。高すぎる場合には基板へのダメージや装置へのダメージが懸念される。透明導電酸化物層の形成に使用するキャリアガスは一般的な気相堆積法に使用されるガスを使用することができる。例えばアルゴンや水素、酸素や窒素ガスを使用することができる。
酸化亜鉛透明導電酸化物層の表面には、保護層の役割を目的としてカーボン膜を積層することができる。カーボン膜は構造中に水素を含むハイドロカーボンが好ましく、物理的強度や透明性の観点から、アモルファスハイドロカーボンやテトラヘドラルアモルファスハイドロカーボンがより好ましく使用される。これらのカーボン膜は、CVD法やスパッタ法、イオンプレーティング法や蒸着法など公知の技術により形成されるのが一般的であるが、本発明に係るカーボン膜は高周波プラズマCVD法でのみ得ることが可能である。使用する高周波電源には、RF・VHF・マイクロ波などの種類があるが、どの電源を用いても所望のカーボン膜を得ることができる。高周波プラズマCVD法でカーボン膜を形成する場合、原料は通常使用されるものを使用でき、所望するカーボン膜の構造によりメタンガスのみの場合や、水素により希釈して製膜する場合がある。
カーボン膜3は上記のように酸化亜鉛透明導電酸化物層2の表面だけでなく、透明基板1と透明導電酸化物層2との間にも形成されても良く、これにより酸化亜鉛透明導電酸化物層の保護の効果が向上する。
酸化亜鉛透明導電酸化物層のエッチング処理について説明する。処理に使用するガスはメタンと水素を使用する。また、メタンと水素の比率は、メタンの流量をV(CH)、水素の流量をV(H)とした時に、
0.01≦V(CH)/(V(CH)+V(H))≦0.1 (式1)
の関係を満足するように混合ガスを調整することで本発明に適した酸化亜鉛透明導電層を形成することができる。メタンが多すぎる場合には、酸化亜鉛透明導電酸化物層のエッチングが起こらず、カーボン膜が堆積するのみとなり、粒径の巨大化の観点から好ましくない。一方メタンが少なすぎる場合には、水素プラズマ処理のみが起こり、キャリア濃度が変化することはあるが、本発明に必要な透過率の向上や粒径の巨大化は困難である。処理に使用する電源は高周波電源を用いることができる。高周波電源のパワー密度は0.05W/cm〜5.00W/cmとすることで良好な処理条件となる。パワー密度が大きすぎると、エッチング速度が速くなりすぎて膜質の制御が困難となる。一方パワー密度が小さすぎると、エッチングが起こらず、表面にカーボン膜が堆積するために透過率の向上や粒径の巨大化が困難となる。
酸化亜鉛透明導電酸化物層の膜厚dと結晶粒径rとの関係は、
0.67≦r/d≦1.50 (式2)
となることが、本発明での重要な技術である。非特許文献2によれば、物理気相堆積により形成された酸化亜鉛透明導電酸化物層の膜厚はr/dに当てはめると0.10〜0.15の範囲となる。酸化亜鉛薄膜の膜厚が大きくなるほどに結晶粒径が大きくなることが一般的であるが、結晶粒径を大きくするために酸化亜鉛薄膜の膜厚を大きくすると、特に透明性に課題を生じる。本発明ではメタン/水素の混合プラズマ処理により、酸化亜鉛透明導電酸化物層の膜厚を大きくすることなく、結晶粒径を大きくすることができる点で優れている。特に、メタン/水素の混合ガスにおいて、メタンガス濃度が低いほどr/dの値が大きくなりやすい。これは、水素ガス大きくなることにより、酸化亜鉛透明導電酸化物層に対してエッチングモードが働きやすくなることが原因と予想される。
八百隆文監修、ZnO系の最新技術と応用、86ページ(シーエムシー出版、2007年)
以下に、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、透明導電酸化物層の粒径の評価は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡や、原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)などの超高分解能顕微鏡で行うことができる。どの顕微鏡を使用しても同じ結果を得ることができるが、本発明の評価は走査型電子顕微鏡JSM−6390(日本電子製)を用いて実施した。平均粒径は、SEMの80万倍画像に納められた結晶粒の大きさを定規を用いて測定し、その平均を算出した。透明導電酸化物層の膜厚は、粒径測定点をエリプソメトリー法で測定したデータをフィッティングすることで得た。エリプソメトリー測定は、分光エリプソメーターVASE(ジェイ・エー・ウーラム社製)を使用した。透明導電膜の表面抵抗は、JISK7194に記載されている四探針圧接測定で測定した。表面抵抗の値は、使用されるアイテムによって異なるが、本発明の手法を用いれば、何れの抵抗値を示すことも可能である。550nmの波長での光線透過率は、JISK7105に記載されている積分球式光線透過率測定装置を用いて測定した。表面抵抗測定は低抵抗率計ロレスタGP(MCP−T610)(三菱化学社製)を使用した。光線透過率測定は分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ社製)を使用した。
(実施例1)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃、キャリアガスとしてアルゴンガスを20sccm使用し、8Paの圧力で200WのDCパワーをかけ、10分間製膜することで、500Åの酸化亜鉛透明導電酸化物層を作製した。この酸化物透明導電酸化物層を高周波プラズマCVD法でエッチング処理した。処理条件は、基板温度を200℃とし、メタンガス、水素ガスをそれぞれ10sccm、400sccm流しながら、70Paの圧力に調圧した後、200WのRFパワーをかけ、20分間処理を実施した。このようにして作製した透明導電膜の膜厚は300Åであり、平均粒径は250Åであり、r/dの値は0.83となった。表面抵抗は290Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は91%であった。(図1)
(実施例2)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、メタン、水素の流量を10sccm、90sccmとする以外は実施例1と同様に透明導電膜を作製した。このようにして作製した透明導電膜の膜厚は300Åであり、平均粒径は250Åであり、r/dの値は0.83となった。表面抵抗は150Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は90%であった。
(実施例3)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、メタン、水素の流量を10sccm、990sccmとする以外は実施例1と同様に透明導電膜を作製した。このようにして作製した透明導電膜の膜厚は200Åであり、平均粒径は250Åであり、r/dの値は1.25となった。表面抵抗は360Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は93%であった。
(比較例1)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、酸化亜鉛をスパッタ製膜した。製膜条件は、基板温度を200℃、キャリアガスとしてアルゴンガスを20sccm使用し、8Paの圧力で200WのDCパワーをかけ、5分間製膜することで、300Åの酸化亜鉛透明導電酸化物層を作製した。このようにして作製した透明導電膜の平均粒径は125Åであり、r/dの値は0.42となった。表面抵抗は310Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は85%であった。(図2)
(比較例2)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、プラズマCVDの条件を、メタン50sccmとする以外は実施例1と同様に透明導電膜を作製した。このようにして作製した透明導電膜の膜厚は500Åであり、平均粒径は125Åであった。またr/dの値は0.42となった。表面抵抗は250Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は90%であった。
(比較例3)
無アルカリガラス(商品名OA−10、膜厚0.7mm、日本電気硝子社製)に、メタン、水素の流量を10sccm、1200sccmとする以外は実施例1と同様に透明導電膜を作製した。このようにして作製した透明導電膜の膜厚は450Åであり、平均粒径は125Åであった。またr/dの値は0.28となった。表面抵抗は240Ω/□であり、550nmの波長での光線透過率は88%であった。
今回の結果から、酸化亜鉛透明導電酸化物層をメタンと水素の混合ガスを用いてプラズマ処理することで、高光線透過率と低抵抗を同時に可能とする透明導電膜を製造することが可能であることが分かった。
実施例1の酸化亜鉛透明導電酸化物層表面 比較例1の酸化亜鉛透明導電酸化物層表面

Claims (3)

  1. 透明基板上に酸化亜鉛を主成分とする透明導電酸化物層が形成された透明導電膜の製造方法であって、酸化亜鉛透明導電酸化物層が、最終的に必要な膜厚よりも大きな膜厚の酸化亜鉛透明導電酸化物層を製膜後にメタン・水素の混合ガスを、メタンの流量をV(CH)、水素の流量をV(H)とした時に、式1の関係を満足するように混合ガスを調整し、
    0.01≦V(CH)/(V(CH)+V(H))≦0.1 (式1)
    該酸化亜鉛透明導電酸化物層の表面にプラズマ処理を施すことを特徴とする、透明導電膜の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法で作製される透明導電膜であり、前記酸化亜鉛透明導電酸化物層の膜厚をdとし、前記酸化亜鉛透明導電酸化物の走査型電子顕微鏡で観察し、その画像内に見られる結晶粒径の平均結晶粒径をrとした時に、r/dが式2の関係を満足することを特徴とする透明導電膜。
    0.67≦r/d≦1.50 (式2)
  3. 酸化亜鉛透明導電酸化物層の空気面、または/及び、空気面と透明基板と酸化亜鉛透明導電酸化物層との間に、カーボン膜が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜。
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