JP2009193003A - 閃光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メインコンデンサへの過充電電圧の印加を防止するとともに、閃光装置を構成する電子部品の劣化を防止する。
【解決手段】本発明の閃光装置(1,21)は、電源電圧を昇圧し、昇圧電圧を出力する昇圧部(3,23)と、該昇圧電圧により充電されるメインコンデンサ(MC)と、前記メインコンデンサ(MC)に蓄積された電荷を放電させて閃光発光を実施する閃光発光部(9,29)と、前記メインコンデンサ(MC)の充電電圧が所定の放電電圧である第1電圧へ到達したことを検知する第1電圧検知部(5,25)と、前記第1電圧検知部(5,25)により、前記充電電圧の前記第1電圧への到達が検知されたときに、前記メインコンデンサ(MC)に蓄積された電荷を放電させる抵抗部(6,26)と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ撮影に同期して閃光発光を実施する閃光装置に関する。
従来の閃光装置は、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧に到達した場合、その検知信号を受けて制御回路が昇圧回路の昇圧動作を断続的にし、又は昇圧回路の昇圧動作を停止し、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧を越えないように制御している。
しかし、このような閃光装置では、上述のメインコンデンサの充電電圧が所定電圧に到達したことを示す信号を制御回路に伝達するための信号線や、あるいは、昇圧回路に対し、制御回路から、昇圧停止を指示する信号を伝達するための信号線の断線等の故障により、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧に到達したことを検知できない場合、あるいは検知できても昇圧回路の昇圧動作を停止できない場合、メインコンデンサの充電電圧が必要以上に上昇し、定格を超える可能性がある。このような問題を解決するために、メインコンデンサを保護する安全回路を有する閃光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この種の閃光装置において安全回路は、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧より高い電圧に到達したときに放電管を閃光発光させることで、メインコンデンサに蓄積された電荷を放電させている。これにより、メインコンデンサへの過充電電圧の印加、すなわちメインコンデンサの充電電圧の定格超過が防止される。
特開平10−333226号公報
上述の閃光装置では、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧より高い電圧に到達した場合に放電管を閃光発光させ、メインコンデンサに蓄積された電荷を一旦放電させている。しかし、この特許文献1の装置において上述の信号線の断線等の故障により昇圧回路の昇圧動作が停止できなかった場合には、昇圧回路は昇圧動作を継続することになるため、メインコンデンサは再度充電される。その結果、メインコンデンサの充放電が繰り返されることになる。このため、閃光装置の異常状態が使用者に認識されない場合、閃光装置で閃光動作を行う際に使用される電子部品(放電管、昇圧回路、電源電池等)がメインコンデンサの充放電の繰り返しにより徐々に発熱し、劣化し、電気回路全体が故障する可能性がある。また上述の信号線の断線以外にも、昇圧の制御を行う制御回路が、電気ノイズやバグ等により、暴走(異常動作)をしてしまった場合にも、上述と同様の問題が発生する可能性がある。
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、メインコンデンサへの過充電電圧の印加を防止するとともに、閃光装置の閃光動作に使用される電子部品の劣化を防止することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、電源電圧を昇圧し、昇圧電圧を出力する昇圧部(3,23)と、前記昇圧電圧により充電されるメインコンデンサ(MC)と、前記メインコンデンサ(MC)に蓄積された電荷を放電させて閃光発光を実施する閃光発光部(9,29)と、前記メインコンデンサ(MC)の充電電圧が所定の放電電圧である第1電圧へ到達したことを検知する第1電圧検知部(5,25)と、前記第1電圧検知部(5,25)により、前記充電電圧の前記第1電圧への到達が検知されたときに、前記メインコンデンサ(MC)に蓄積された電荷を放電させる抵抗部(6,26)と、を備えていることを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の閃光装置(1,21)であって、前記メインコンデンサ(MC)の充電電圧が、前記第1電圧よりも低い第2電圧へ到達したことを検知する第2電圧検知部(4,24)と、前記第2電圧検知部(4,24)により、前記充電電圧の前記第2電圧への到達が検知されたときに、前記昇圧部(3,23)の昇圧動作を停止させる制御部(11,31)と、を更に有し、前記抵抗部(6,26)は、前記メインコンデンサ(MC)の電圧が、少なくとも前記第2電圧以下の安全電圧に到達したときに放電を停止することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の閃光装置(1,21)であって、前記第1電圧検知部(5,25)により前記充電電圧が前記第1電圧に到達したことが検知されると、前記制御部(11,31)を介さずに前記昇圧部(3,23)の昇圧動作を停止させる昇圧停止回路(7)を更に有することを特徴とする閃光装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の閃光装置(1,21)であって、前記抵抗部(6,26)における放電中は、前記昇圧部(3,23)の昇圧を停止することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の閃光装置(1,21)であって、前記抵抗部(6,26)における放電が停止したときに、前記昇圧部(3,23)の昇圧を開始することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の閃光装置(1,21)であって、前記制御部(11,31)は、前記第1電圧検知部(5,25)によって前記第1電圧への到達が所定回数連続して検知された場合は、前記昇圧動作の再開を禁止することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の閃光装置(1,21)であって、前記抵抗部(6,26)は、メインコンデンサ(MC)の充電電圧が少なくとも前記第2電圧以下の安全電圧になるまで放電を継続させるタイマー回路(5c)を有することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の閃光装置(1,21)であって、前記メインコンデンサの充電電圧が、前記第1電圧よりも低い第2電圧へ到達したことを検知する第2電圧検知部(4)と、前記第2電圧検知部により前記充電電圧が前記第2電圧に到達したことが検知されると、前記昇圧部の昇圧動作を停止させる制御部(11)と、前記第1電圧検知部により前記充電電圧が前記第1電圧に到達したことが検知されると、前記制御部を介さずに前記昇圧部の昇圧動作を停止させる昇圧停止回路(7)と、を更に有することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の閃光装置(1,21)であって、前記充電電圧の前記第1電圧への到達が検知されたときに、警告を表示する表示部(12,32)を備えることを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の閃光装置(1,21)であって、前記表示部(12,32)は、前記第1電圧検知部(5,25)によって前記第1電圧への到達が所定回数連続して検知された場合に、前記警告を表示することを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の閃光装置(1,21)であって、前記表示部は、前記抵抗部と兼用されていることを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の閃光装置(1,21)であって、前記第1電圧検知部(5,25)は、閾値を上回ると出力がLOWレベルに変化する過電圧検知素子(5a)を含むことを特徴とする閃光装置(1,21)である。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の閃光装置(1,21)であって、前記第1電圧検知部(5,25)は、閾値を下回ると出力がLOWレベルに変化する低電圧検知素子を含むことを特徴とする閃光装置(1,21)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、メインコンデンサへの過充電電圧の印加を防止するとともに、閃光装置の閃光動作に使用される電子部品の劣化を防止することができる。
[第1実施形態]
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の閃光装置1の第1実施形態を示す回路ブロック図である。図2は、図1の回路構成図である。閃光装置1は、電源電池2、昇圧回路3、第1電圧検知回路5、第2電圧検知回路4、放電回路6、昇圧禁止回路7、メインコンデンサMC、閃光発光回路9、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)制御回路10、昇圧及び発光制御回路11及び表示部12等を備える。
昇圧回路3は、フォワード他励式の昇圧回路であってDC−DCコンバータを備える。後述する昇圧及び発光制御回路11から供給される昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転信号f−の活性化に応答して、電源電池2から供給される電源電圧を直流高電圧に変換し、昇圧電圧として出力する。昇圧トランスはプッシュプル方式を採用し、FET1とFET2の交互ON/OFFをすることにより高電圧出力側はダイオードD1〜D4により構成されるダイオードブリッジを通して直流に変換し、メインコンデンサMCを充電する。
閃光装置1は上述のように、第1電圧検知回路5と第2電圧検知回路4との2つの電圧検知回路を備える。便宜上、第2電圧検知回路4から説明する。第2電圧検知回路4は、抵抗R1と抵抗R2を備え、メインコンデンサMCの両端に接続されている。第2電圧検知回路4は、昇圧過程においてメインコンデンサMCの充電電圧を監視して、メインコンデンサMCの充電電圧が閃光装置1の放電に適する所定電圧(第2電圧)に到達したときに、第2電圧検知信号bを活性化させる。この第2電圧検知信号bが、信号ラインL1を介して制御回路11に入ると、制御回路11は、昇圧許可信号aと駆動周波数f及びその反転信号f−をともに非活性化して昇圧回路3の昇圧動作を停止させる。何ら異常(たとえば信号ラインL1の断線など)が生じていない場合には、この昇圧動作の制御により、正常な電圧値に維持されることになる。
第1電圧検知回路5は、第2電圧検知回路4と同様にメインコンデンサMCの両端に接続されている。第1電圧検知回路5は、抵抗R3、R4及び電圧検知(ボルテージディテクター)素子5aを備える。この電圧検知素子5aはいわゆるリセットICの一種であり、上述の第2電圧より高い異常電圧である第1電圧を検知する素子である。第1電圧検知回路5において、抵抗R3とR4によってメインコンデンサMCの充電電圧が分圧されて、電圧検知素子5aに入力される。具体的には、メインコンデンサMCの充電電圧が、上記第1電圧に到達すると、電圧検知素子5aの入力電圧VDDが上昇し、出力OUTがLOWに変化する。その出力OUTの変化に応じて、第1電圧検知回路5から放電回路6にHIGHレベルの出力信号sが出力される。
放電回路6は、電界効果トランジスタFET4、トランジスタQ1、抵抗R5〜R7によって構成されるもので、メインコンデンサMCの電圧を、熱に変換しながら放電するものである。放電回路6の一端はメインコンデンサMCの正極に接続し、抵抗R5〜R7の等価抵抗値でメインコンデンサMCを放電させる。放電が停止される電圧である放電回路停止電圧は、放電回路6の定数によって決められるものであるが、メインコンデンサMCの安全電圧領域に入る、少なくとも、前述の第2電圧以下の電圧である。
放電回路6によるメインコンデンサMCの放電時間はR5〜R7の等価抵抗値RとメインコンデンサMC容量CのRC放電時定数により自動的に決められる。放電特性は、以下の式で定義される。

Vc1=Van×exp(−t/τ)=Van×exp(−t/(R・C))
式(1)

ここで、Vc1は、メインコンデンサMCの印加電圧を示している。Vanは、異常電圧を示している。τは、時定数を示している。時定数τは、メインコンデンサMCの最終放電停止電圧及び放電持続時間によって自由に設定できる。最終放電停止電圧Vc2は、以下の式で定義される。

Vc2=(1+R6/R7)×Vbe又はVc2=(1+R5/Rs)×Vge
式(2)

ここで、VbeはトランジスタQ1のエミッタ〜ベース間電圧、VgeはFET4のゲートON電圧を指している。また、RsはFET4のゲート〜ソース間に接続されている等価的抵抗値を示している。なお、放電持続時間については、メインコンデンサMCヘの再充電回数を減らし、電池の消耗や昇圧回路3の温度上昇を抑えるためには、できるだけ長めに設定すると良い。これを実現させるには、抵抗R5と抵抗R6の抵抗値を大きくすれば良い。そうすることによって、電力やサイズの小さい抵抗が使用可能になる。なお、最終放電停止電圧を一定化させるために、トランジスタQ1のVbeの温度係数を打ち消せるようなツェナーダイオードを選び、エミッタ端子とメインコンデンサMC正電極間に接続することもできる。
この第1電圧を検出する電圧検知素子5aは、一般に検出精度が±1%であり、温度係数も±100ppm/℃である。すなわち電圧検知素子5aは、使用環境温度による検出値の変動が十分に小さく、且つ十分な検出精度が実現できるものであるため、第2電圧により近い値で第1電圧の設定ができる。そのため内光装置に異常が生じた場合に検出されるべき電圧である、メインコンデンサMCに印加される第1電圧を、より低く抑えることができる。
また、電圧検知素子5aは消費電流が約1μAと極めて少ないため、抵抗R3と抵抗R4の設定によって、第1電圧の測定誤差への影響は無視できる。更に、電圧検知素子5aの出力にはFET4とトランジスタRQ1が接続され、電圧検知素子5aが駆動できるようにトランジスタRQ1の抵抗値を選べば、電池からの電源供給がなくても、正常に作動でき、後段の放電回路6をトリガすることができる。そのため、基板上の部品配置は容易にできる。
前述のHIGHレベルの出力信号sは、上述したように放電回路6に出力されると共に、禁止回路7にも出力されている。昇圧禁止回路7は、上述のトランジスタRQ1を備える。第1電圧検知回路5の出力信号sに応じて、トランジスタRQ1が作動し、出力信号a’をLOWに変化させる。このLOWの出力信号a’は昇圧回路3につながっている2つのAND回路の入力端子に直接(制御回路11を介さずに)入力される。このAND回路への出力信号a’の入力により、昇圧回路3は強制的に停止される。そして放電回路6が作動している間は、トランジスタRQ1からの出力信号a’がLOWレベルに固定されるので、その結果、放電回路6の放電動作中は電源電池2から昇圧回路3への供給電流はゼロになり、電池や昇圧回路3の発熱は全く生じない。
ところで、制御回路11が、その動作について十分に信用のおける(異常動作を行う可能性が極めて低い)回路である場合には、図中一点鎖線で示した信号ラインL2を設けると共に、LOWレベルの出力信号a’を昇圧回路3につながるAND回路に直接入力するのではなく、昇圧及び発光制御回路11にラインL2を介して入力せしめるように構成し、この信号a’によって制御回路11が昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転のf−を積極的にOFFし、昇圧を停止させるように構成しても良い。更にこの場合、制御回路11は昇圧停止と同時に、このLOWの信号a’を受けて、表示部12に、閃光装置1に異常が生じていること(例えば、信号ラインL1に不具合が生じており、修理に出すことを促す警告表示)を表示させるよう制御することもできる。
なお、上述のLOWの信号a’を、制御回路11を介さずに、表示部12にダイレクトに伝達する信号ライン(不図示)を設け、これにより、表示部12に上述の異常表示を行わせるように構成しても良い。閃光発光回路9は、トリガ回路9a、倍電圧回路9b及び放電管9cを含む。また、IGBT制御回路10は、昇圧及び発光制御回路11から供給される発光許可信号dの活性化に応答して、駆動素子IGBTがオンする電圧を駆動素子IGBTのゲートに印加する。なお、このIGBTがオンする電圧は、制御回路11から上述の信号dが供給される以前において、その制御回路11から供給されるIGBT駆動電圧生成信号cに応じて、IGBT駆動電圧生成回路10aにて生成される。
昇圧及び発光制御回路11は、図示しないカメラ等からの充電開始要求に応答して、前述したように、昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転信号f−を活性化し、昇圧回路3に昇圧電圧を生成させる。また、第2電圧検知回路4により第2電圧検知信号bが活性化された場合には、昇圧回路3による昇圧を停止させる。更に、カメラからの発光開始要求に応答して発光許可信号dを活性化させる。
次に閃光装置1の動作を、正常時と異常時とに分けて説明する。まず、正常時について説明する。昇圧及び発光制御回路11はカメラからの充電供給に応答して、昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転信号f−を活性化させる。昇圧回路3は、これら昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転信号f−の活性化に応答して、昇圧動作を開始し、メインコンデンサMCの充電電圧は上昇し始める。
第2電圧検知回路4は、昇圧過程においてメインコンデンサMCの充電電圧を監視して、メインコンデンサMCの充電電圧が所定電圧(第2電圧)に到達したときに、第2電圧検知信号bを活性化させる。昇圧及び発光制御回路11は第2電圧検知信号bに応答して、昇圧許可信号a、駆動周波数f及びその反転信号f−を非活性化させ、これにより昇圧回路3は昇圧を停止する。これにより、メインコンデンサMCの充電は完了する。
昇圧及び発光制御回路11はカメラからの発光開始要求に応答して発光許可信号dを活性化させる。IGBT制御回路10は発光許可信号dの活性化により、駆動素子IGBTがオンする電圧を駆動素子IGBTのゲートに印加する。駆動素子IBGTのオンにより、閃光発光回路9が作動して放電管9cが発光動作を開始する。
例えば、カメラ側の調光回路(図示せず)は、放電管9cの発光動作の開始後、調光動作を実施する。カメラ(調光回路)は、被写体への照射光量が適正量に達すると、閃光装置1(昇圧及び発光制御回路11)に放電管9cの発光動作の停止を要求する。昇圧及び発光制御回路11は、カメラからの発光停止要求に応答して、発光許可信号dを非活性化させる。発光制御回路15aは、発光許可信号dの非活性化に応答して、駆動素子IGBTをオフさせる。駆動素子IGBTのオフにより、放電管9cは、発光動作を停止する。
次に、例えば、昇圧回路3が閃光装置内部の故障(例えば既述したような信号線の断線やコネクタ部の不良等の不具合)により、昇圧動作を停止できない異常時の閃光装置の動作について説明する。昇圧回路3の昇圧動作により、メインコンデンサMCの充電電圧が第2電圧に達すると、第2電圧検知回路4は、検知信号bを出力するが、信号ラインL1の不具合により、制御回路11は信号bを受けることができない。このため制御回路11は昇圧動作を停止させるための、昇圧許可信号aや上述のf、f−の非活性化を実施することができず、昇圧動作を停止できない。昇圧回路3は昇圧動作を継続するため、メインコンデンサMCの充電電圧は、引き続き上昇する。
図3は、ラインL1に不具合が生じている場合の第1実施形態の回路動作の説明図である。(a)はメインコンデンサMCの電圧の値を示し、(b)は第1電圧検知回路5の出力信号sを示し、(c)はトランジスタRQ1の出力信号(昇圧制御信号)a’を示す。(a)で示すようにメインコンデンサMCの充電電圧が、第1電圧に到達すると、電圧検知素子5aの入力電圧が上昇し、その電圧検知素子5aの出力がLOWに変化する。その出力の変化に応じて、(b)で示すように、放電回路6にHIGHレベルの出力信号sが出力される。
この出力信号sにより、放電回路6のFET4がオンになり、抵抗R7,抵抗R6がグランドに接続され、メインコンデンサMCに蓄えられた電荷は、放電回路である抵抗R7及び抵抗R6を通ることで熱に変換されながら放電されつつグランドに流れ、これによりメインコンデンサMCの電圧が下がる。そしてメインコンデンサMCの電圧が第2電圧以下の所定の安全電圧になると、FET4は自動的にオフになる。つまりこの放電回路6は、メインコンデンサMCの電圧が、前述の所定の安全電圧に達したか否かを検知する検知回路としての機能も兼ね備えている。そして、このFET4のオフにより、トランジスタRQ1はオフとなり、LOWレベルだった出力信号a’は、HIGHレベルに切替る。制御回路11は、上述の信号a、f、f−を活性化したままであるので、この出力信号a’のHIGHレベルへの切替りによって、再度メインコンデンサMCの充電が開始される。
一方、昇圧禁止回路7は、第1電圧検知回路5の出力信号sに応じて、トランジスタRQ1が作動し、(c)で示すLOWレベルの出力信号a’により昇圧回路3は強制的に停止される。既述したように放電回路6が作動している間には、出力信号a’はLOWのまま維持されるので、電源電池2から昇圧回路3への供給電流はゼロになり、電池や昇圧回路3の発熱は全く生じない。したがって、メインコンデンサMCヘ繰り返される充放電を防止でき、電池や関連部品の発熱による故障や被害の拡大は避けられる。すなわち、メインコンデンサMCの安全性を向上することができる。なお、既述したようにLOWレベルの信号a’に応じて、表示部12が既述の如き警告表示を行うことで、使用者に閃光装置の修理を促すことができる。
[第2実施形態]
図4及び図5は、本発明の第2実施形態の閃光装置21を示すブロック図と詳細回路図である。本実施形態においても、信号ラインL1に不具合が生じているものとして説明を進める。第2実施形態が第1実施形態と異なる第1の点は、昇圧回路としてフォワード自励方式の昇圧回路23を使用する点である。なお、フォワード自励方式の昇圧回路23は、一般的な構成を有するものであるため、動作の原理は省略する。また、第2実施形態が第1実施形態と異なる第2の点は、電圧検知素子として低電圧検知素子25aを用いる点である。昇圧回路23にダイレクトに(制御回路31を介さずに)、信号a’を出力する点は、第1実施形態と同様である。
なお、この第2実施形態の場合も第1実施形態と同様に、低電圧検知素子25aの出力信号sに応答してメインコンデンサMCを放電回路26により放電させる。放電中は、第1電圧検知回路25の出力信号sに応答して発生した、出力信号a’を用いて、制御回路31を介さずに、トランジスタQ2のべ一ス電極をLOWに固定することによって、昇圧及び発光制御回路31を通さず強制的に昇圧回路23を停止する。そして第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、メインコンデンサMCヘ繰り返される充放電を防止できる。なお、第2実施形態においても、信号a’を制御回路31に伝達する信号ラインL3a、およびその信号a’をAND回路に伝達する信号ラインL3bを設けておき、昇圧及び発光制御回路31に昇圧禁止信号a’を伝達し、昇圧信号aを無効化することもできる。
以上、第1及び第2実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の閃光装置1,21では、メインコンデンサMCの充電電圧が、何らかの不具合により通常の充電電圧以上の第1電圧に到達した場合、放電回路6,26の抵抗を通じて電荷を放電させることにより、メインコンデンサMCに過充電電圧が印加されることを防止できる。したがって、電池や関連部品の発熱による故障等を避けることができ、メインコンデンサMCの安全性を向上することができる。また、放電管、IGBT、トリガコイル、倍電圧回路等の部品に対して、過剰なスペックを求めることがなく、部品選定がしやすくなる。
(2)閃光装置1,21における放電停止電圧や放電持続時間は、放電回路6,26の抵抗値を選ぶことによって、自由に設定でき、メインコンデンサMCヘの繰り返し充電を最小限に抑えることが可能である。例えば放電持続時間を長くすることで、従来方式において生じる高速充放電の繰り返しによるメインコンデンサMCの発熱が回避でき、メインコンデンサMCの安全性を向上することができる。
(3)放電回路6,26による放電停止電圧を第2電圧よりわずか低いが閃光発光可能な電圧値とすることにより、異常時において放電回路2,26により放電を行った後であっても、閃光発光を可能にすることができる。
(4)電圧検知素子5a,25aを用いることによって、第1電圧の検出精度を向上させ、温度による変化も抑えられる。また、電池からの電源供給は不要のため、基板上の部品配置を容易にすることができる。
(変形形態)
また、上述の実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の第1実施形態の場合においても、第1電圧検知回路における電圧検知素子5aの変わりに、第2実施形態で用いたような低電圧検知素子5bを用いてもよい。図6は、第1電圧検知回路の第1変形形態の第1電圧検知回路5’を示す。低電圧検知素子5bは、入力電圧が所定の検出電圧値を下回ると、出力がLOWになり、入力電圧が所定の解除電圧を上回ると、出力がHIGH又はオープンドレインに変化するものである。解除電圧は一般に検出電圧の数パーセンテージより高く設定される。
(2)上述の第1、第2実施形態において、第1電圧検知回路に、タイマー回路5cを設けてもよい。図7は、第1電圧検知回路の第2変形形態の第1電圧検知回路5’’を示した図である。タイマー回路5cは、第1電圧検知素子5a’’の出力に応答して起動され、且つ、放電回路6による放電時間が、予め設定されている所定の放電時間に達したか否かを計時するものである。そして、タイマー回路5cの出力に応答して、メインコンデンサMCを放電抵抗R6を通して放電を行う構成となっている。また、タイマー回路5cの出力に応じてLOWレベルの出力信号(昇圧禁止信号)a’を出力し(タイマー回路が所定の放電時間を計時するまでLOWレベルの信号a’を維持し)、昇圧回路3の昇圧動作を強制的に停止させることによって、メインコンデンサMCの安全性を確保することができる。また、タイマー回路5cを使うことによって、第1実施形態で用いていたような、比較的高価な高耐圧部品(抵抗R)を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
(3)上述の第1、第2実施形態において、昇圧禁止回路7,27にカウンタを配置し、昇圧禁止信号a’が所定回数連続して検知された場合、すなわち第1電圧検知回路5によって第1電圧への到達が所定回数連続した場合に、昇圧回路3,23における昇圧動作の再開を禁止するようにすることもできる。所定回数連続して発生した場合は、高い確立で閃光装置1,21のいずれかの部分に異常が発生していると思われるため、この場合は昇圧回路3,23における昇圧動作を禁止させることで無用な電源の消耗を防止することができる。また、昇圧動作のみならず、閃光装置1,21全体を動作不能とすることもできる。
(4)本実施形態では、閃光発光回路9と別に、放電回路において抵抗RによるRC放電を行ったが、本発明はこれに限定されず、閃光発光以外の放電素子であれば、例えばネオン管を設けてネオン管により放電させてもよい。この場合、ネオン管は、第1電圧を放電させる抵抗体としての機能と、異常を警告する表示部としての機能も有し、ネオン管で放電させることにより、閃光装置に異常が生じていることを使用者に認識させることができる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
本発明の閃光装置の第1実施形態を示すブロック回路図である。 図1の閃光装置を詳細に示した回路構成図ある。 第1実施形態の回路動作の説明図である。 本発明の閃光装置の第2実施形態を示すブロック回路図である。 図4の閃光装置を詳細に示した回路構成図である。 第1電圧検知回路の第1変形形態である。 第1電圧検知回路の第2変形形態である。
符号の説明
1,21:閃光装置、3,23:電源電池、4,24:第2電圧検知回路、5,25:第1電圧検知回路、6,26:放電回路、10,30:閃光発光回路、11,31:昇圧及び発光制御回路、12,32:表示部

Claims (13)

  1. 電源電圧を昇圧し、昇圧電圧を出力する昇圧部と、
    前記昇圧電圧により充電されるメインコンデンサと、
    前記メインコンデンサに蓄積された電荷を放電させて閃光発光を実施する閃光発光部と、
    前記メインコンデンサの充電電圧が所定の放電電圧である第1電圧へ到達したことを検知する第1電圧検知部と、
    前記第1電圧検知部により、前記充電電圧の前記第1電圧への到達が検知されたときに、前記メインコンデンサに蓄積された電荷を放電させる抵抗部と、
    を備えていることを特徴とする閃光装置。
  2. 請求項1に記載の閃光装置であって、
    前記メインコンデンサの充電電圧が、前記第1電圧よりも低い第2電圧へ到達したことを検知する第2電圧検知部と、
    前記第2電圧検知部により、前記充電電圧の前記第2電圧への到達が検知されたときに、前記昇圧部の昇圧動作を停止させる制御部と、を更に有し、
    前記抵抗部は、前記メインコンデンサの電圧が、少なくとも前記第2電圧以下の安全電圧に到達したときに放電を停止することを特徴とする閃光装置。
  3. 請求項2に記載の閃光装置であって、
    前記第1電圧検知部により前記充電電圧が前記第1電圧に到達したことが検知されると、前記制御部を介さずに前記昇圧部の昇圧動作を停止させる昇圧停止回路を更に有することを特徴とする閃光装置。
  4. 請求項2又は3に記載の閃光装置であって、
    前記抵抗部における放電中は、前記昇圧部の昇圧を停止することを特徴とする閃光装置。
  5. 請求項4に記載の閃光装置であって、
    前記抵抗部における放電が停止したときに、前記昇圧部の昇圧を開始することを特徴とする閃光装置。
  6. 請求項5に記載の閃光装置であって、
    前記制御部は、前記第1電圧検知部によって前記第1電圧への到達が所定回数連続して検知された場合には、前記昇圧動作の再開を禁止することを特徴とする閃光装置。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の閃光装置であって、
    前記抵抗部は、メインコンデンサの充電電圧が少なくとも前記第2電圧以下の安全電圧になるまで放電を継続させるタイマー回路を有することを特徴とする閃光装置。
  8. 請求項1に記載の閃光装置であって、
    前記メインコンデンサの充電電圧が、前記第1電圧よりも低い第2電圧へ到達したことを検知する第2電圧検知部と、
    前記第2電圧検知部により前記充電電圧が前記第2電圧に到達したことが検知されると、前記昇圧部の昇圧動作を停止させる制御部と、
    前記第1電圧検知部により前記充電電圧が前記第1電圧に到達したことが検知されると、前記制御部を介さずに前記昇圧部の昇圧動作を停止させる昇圧停止回路と、を更に有することを特徴とする閃光装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の閃光装置であって、
    前記充電電圧の前記第1電圧への到達が検知されたときに、警告を表示する表示部を備えることを特徴とする閃光装置。
  10. 請求項9に記載の閃光装置であって、
    前記表示部は、前記第1電圧検知部によって前記第1電圧への到達が所定回数連続して検知された場合に、前記警告を表示することを特徴とする閃光装置。
  11. 請求項9又は10に記載の閃光装置であって、
    前記表示部は、前記抵抗部と兼用されていることを特徴とする閃光装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の閃光装置であって、
    前記第1電圧検知部は、閾値を上回ると出力がLOWレベルに変化する過電圧検知素子を含むことを特徴とする閃光装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の閃光装置であって、
    前記第1電圧検知部は、閾値を下回ると出力がLOWレベルに変化する低電圧検知素子を含むことを特徴とする閃光装置。
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