JP2009192518A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて応答性の向上を図ることのできるガスセンサ素子及びガスセンサを提供する。
【解決手段】固体電解質体11と、この固体電解質体11を介して互いに対向するように当該固体電解質体11に設けられた基準電極132及び検知電極131とを備えたガスセンサ素子100である。検知電極131は、Ptからなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、当該検知電極131の平均厚みが8μm以上とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスセンサ素子及びそれを具備したガスセンサに係り、内燃機関の排気系統やボイラーの排気系統等の各種の排気系統の排気ガスなどの被測定ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適なガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来から、各種の排気系統、例えば自動車の排気ガス中の特定ガス、例えば酸素、NOx等のガス濃度、或いは空燃比を検出するための各種のガスセンサ素子及びガスセンサが知られている。
ところで、例えば自動車に搭載した内燃機関の排気系統から排出される排気ガスは、未燃焼ガス成分を含むことが多い。このため、この排気ガス中の未燃焼ガス成分に対する濃度規制が年々厳しくなってきている。
特に、未燃焼ガスの濃度は、内燃機関の始動時において高くなる傾向があることから、この内燃機関の始動時における未燃焼ガス成分の排出を低減したいという要請が強い。このため、未燃焼ガスを検出するためのガスセンサとしては、この要請に応えるように、特に低温における応答性を高めることが要求されている。
上記のようなガスセンサに用いるガスセンサ素子としては、固体電解質体と、この固体電解質体を介して互いに対向するように当該固体電解質体に設けられた基準電極及び検知電極とを備えた構造のものが知られている。また、このようなガスセンサ素子において、検知電極を触媒金属(Pt)とZrO2を主成分とした多孔質サーメット電極として、かつZrO2を単斜晶、あるいは部分安定化ZrO2として、応答性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平4−166757号公報
しかしながら、ガスセンサ素子及びガスセンサにおいては、さらに応答性を高めることが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、従来に比べて応答性の向上を図ることのできるガスセンサ素子及びそれを具備したガスセンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のガスセンサ素子は、固体電解質体と、この固体電解質体上に設けられると共に、被測定ガスに晒される検知電極と、前記固体電解質体を介して前記検知電極に対向するように当該固体電解質体上に設けられる基準電極とを備えたガスセンサ素子であって、前記検知電極はPtからなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、その平均厚みが8μm以上とされていることを特徴とする。
固体電解質体と、この固体電解質体を介して互いに対向するように当該固体電解質体に設けられた基準電極及び検知電極とを備えたガスセンサ素子においては、ガスの拡散を考慮すると、応答性を向上させるためには、検知電極等の厚み(平均厚み)は薄い方が良いと考えられていた。しかし、本発明者等が詳査したところ、Ptに単斜晶ZrO2を添加したサーメット電極では、検知電極の厚みが薄すぎると逆に応答性が低下する傾向があり、平均厚みを8μm以上とすることにより、8μm未満(例えば平均厚み7.6μm)とした場合に比べて格段に応答性を向上させることができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、本発明によれば、従来に比べて応答性の向上を図ることのできるガスセンサ素子及びガスセンサを提供することができる。
なお、上記のようにPtに単斜晶ZrO2を添加したサーメット電極からなる検知電極の平均厚みを8μm未満としたガスセンサ素子の応答性が悪いのは、Ptに単斜晶ZrO2を添加したサーメット電極で形成される3相界面が応答性に優れた反応場であり、検知電極が薄い場合、応答性に劣る固体電解質とPtで形成される3相界面が、Ptと単斜晶ZrO2とで形成される3相界面に対して相対的に増加するためであると推測される。また、このような検知電極の平均厚みを必要以上に厚くすると、使用するPt等の材料の量が増大し、ガスセンサ素子のコストが向上するため、平均厚みは130μm以下程度とすることが好ましい。
また、本発明のガスセンサ素子は、固体電解質体と、この固体電解質体上に設けられると共に、被測定ガスに晒される検知電極と、前記固体電解質体を介して前記検知電極に対向するように当該固体電解質体上に設けられる基準電極とを備えたガスセンサ素子であって、前記検知電極は、Ptを少なくとも含む貴金属成分からなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、当該検知電極の平均厚みが8μm以上とされていることを特徴とする。
上記のように、本発明のガスセンサ素子では、検知電極を、Ptを少なくとも含む貴金属成分からなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、当該検知電極の平均厚みが8μm以上とされている構成としてもよい。すなわち、検知電極は、PtとPt以外の貴金属成分(例えばPd等)からなるものであってもよい。このような構成としても、従来に比べて応答性の向上を図ることのできるガスセンサ素子及びガスセンサを提供することができる。
上記のガスセンサ素子の場合、検知電極に占める貴金属成分と単斜晶ZrO2との合計を75体積%以上とすることが好ましい。検知電極に占める貴金属成分と単斜晶ZrO2との合計が75体積%未満となり、他の成分が多くなると、表面抵抗の増大等を招く可能性があるからである。また、このようなガスセンサ素子の場合においても、検知電極の平均厚みを必要以上に厚くすると、使用するPt等の材料の量が増大するため、平均厚みは130μm以下程度とすることが好ましい。
上記構成のガスセンサ素子を用いてガスセンサを構成することができる。このようなガスセンサによれば、従来に比べて応答性の向上を図ることができる。
本発明によれば、従来に比べて応答性の向上を図ることのできるガスセンサ素子及びガスセンサを提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る積層型のガスセンサ素子100を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の積層型ガスセンサ素子100の長手方向に直交する向きの横断面(後述する検知電極131を含む横断面)を示すもので、その断面形状は、約90度をなす角部3を4個有する矩形状である。図2は、図1の積層型ガスセンサ素子100において、多孔質保護層4を除いた素子本体Aの構造を示す分解斜視図を示すものであり、この素子本体Aは酸素濃淡電池素子1と、ヒータ2とから構成されている。
酸素濃淡電池素子1は、例えば、イットリアを安定化剤として添加したジルコニア80質量%とアルミナ20質量%とから構成された固体電解質体11を備え、固体電解質体11のヒータ2と面する側に多孔質状の基準電極132が形成されると共に、固体電解質体11自身を介して基準電極132と反対側に位置する面に排ガス等の被測定ガスに晒されると共に多孔質状をなす検知電極131が形成されている。本実施形態において、この検知電極131は、Ptからなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、その平均厚みが8μm以上、例えば、15〜30μmとされている。ここで、平均厚みとは、検知電極131及び固体電解質層11を含む断面において、5箇所において検知電極131の厚みをSEM等を用いて測定した数値を平均した値のことを示している。また、上記検知電極131は、Ptを少なくとも含む貴金属成分からなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、その平均厚みが8μm以上、例えば、15〜30μmとされている構成としてもよい。なお、基準電極132は、本実施形態において、Ptからなり、Pt100質量部に対して5.5mol%Y23を15質量部含み、その平均厚みを15μm程度とした。
また、上記検知電極131及び基準電極132には、固体電解質体11の長手方向に沿って導体リード部133及び134がそれぞれ延設されている。導体リード部133の末端は、外部回路接続用の外部端子(図示せず)と接続される。また、導体リード部134の末端は、固体電解質体11を貫通するスルーホール15に形成される導体を介して、外部端子と接続されるための信号取出し用端子14と接続される。
また、検知電極131の表面上には、検知電極131自身を被毒から防護するための多孔質状の電極保護層5が形成され、導体リード部133の表面上には、その外部端子と接続される部分を除いて、固体電解質層11を保護するための強化保護層52が形成されている。
一方、ヒータ2は、貴金属であるPtを主体に構成される抵抗発熱体21を備え、この抵抗発熱体21は、絶縁性に優れるアルミナを主体に構成される第1基体22及び第2基体23に挟持されている。この抵抗発熱体21は、蛇行状に形成される発熱部212と、この発熱部212の端部とそれぞれ接続され、長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部213とを有している。また、このヒータリード部213の発熱部212と接続される側とは反対側の端部211は、第2基体23を貫通する2つのスルーホール231に形成される導体を介して、外部回路接続用の外部端子と接続される一対のヒータ通電端子232とそれぞれ電気的に接続されている。
図3は、上述したガスセンサ素子100が組み込まれたガスセンサであり、具体的には内燃機関の排気管に取り付けられ、排ガス中の酸素濃度の測定に使用されるガスセンサ300の一例を示した全体断面図である。
図3に示す主体金具30は、ガスセンサ300を排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角部32とを有している。また、主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、この金具側段部33はガスセンサ素子100を保持するための金属ホルダ34を支持している。そしてこの金属ホルダ34の内側にはガスセンサ素子100を所定位置に配置するセラミックホルダ35、滑石36が先端側から順に配置されている。
この滑石36は、金属ホルダ34内に配置される第1滑石37と、金属ホルダ34の後端に渡って配置される第2滑石38とからなる。そして第2滑石38の後端側には、アルミナ製のスリーブ39が配置されている。このスリーブ39は多段の円筒状に形成されており、軸線に沿うように軸孔391が設けられ、内部にガスセンサ素子100を挿通している。そして、主体金具30の後端側の加締め部301が内側に折り曲げられており、ステンレス製のリング部材40を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
また、主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するガスセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔241を有する金属製のプロテクタ24が溶接により取り付けられている。このプロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には後端部421の外径が先端部422の外径よりも大きく形成された有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
一方、主体金具30の後端側には、外筒25の先端側が挿入されている。この外筒25は、先端側の拡径した先端部251を主体金具30にレーザ溶接等により固定されている。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。この保持部材51は、後述するセパレータ50の突出部501に係合し、外筒25を加締めることによりセパレータ50を後端側に付勢すると共に、ゴムキャップ52の先端面との間でセパレータ50を挟持する機能を果たす。
また、セパレータ50には、ガスセンサ素子100のリード線111〜114を挿入するための挿通孔502が先端側から後端側にかけて貫設されている(なお、リード線114は図示せず。)。挿通孔502内には、リード線111〜114とガスセンサ素子100の外部端子とを接続する接続端子116が収容されている。各リード線111〜114は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線111〜114とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線111〜114は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて被覆した構造を有している。
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部252を閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線111〜114を挿入するための挿通孔521が先端側から後端側にかけて貫設されている。
次に、上記構成のガスセンサ素子及びガスセンサの実施例の応答性を調査した実験結果について説明する。
単斜晶ZrO2を、白金粉末100質量部に対して15質量部(外配合で15質量%)含有する白金粉末を、粉末総量に対して0.2質量部の分散材、8質量部のエトセル、20質量部のブチルカルビードルとともに混合、混練して電極ペーストを得た。また、正方晶および立方晶が混在したZrO2用(比較例)として、5.5mol%Y23添加ZrO2を、白金粉末100質量部に対して15質量部含有する白金粉末を、粉末総量に対して0.2質量部の分散材、8質量部のエトセル、20質量部のブチルカルビードルとともに混合、混練して電極ペーストを得た。得られた電極ペーストをスクリーン印刷により、固体電解質シートに印刷した。検知電極の電極厚みを変えるために、スクリーン印刷に用いたマスクの乳剤厚及び印刷回数を変更した。そして、これらの試料を焼成することによって、試料No.1〜19のガスセンサ素子を得た。なお、試料No.1,2は、正方晶および立方晶からなるZrO2を含む比較例である。
また、上記の電極ペーストとして、単斜晶ZrO2を、白金粉末100質量部に対して20質量部含有する白金粉末とした点以外は、上記の試料と同様にして、検知電極の電極厚みを変えた試料No.20〜27のガスセンサ素子を得た。さらに、上記の電極ペーストとして、貴金属成分としての白金粉末85質量部とパラジウム粉末15質量部を含み、単斜晶ZrO2を12質量部(白金の質量部を100として。)含有する点以外は、上記の試料と同様にして、検知電極の電極厚みを変えた試料No.44,45のガスセンサ素子を得た。
ガスセンサ素子の応答性評価は、ガスセンサ素子を上述した形態のガスセンサに組み込んだ上で、公知のバーナー測定装置によるバーナー測定法を用いて行った。この応答性評価では、メインプロパンガス及びメイン空気でもって、理論空燃比、即ち空燃比λ=1の雰囲気を生成し、上記バーナー測定装置内に供給する。このような状態から、バイバスプロパン及びバイパス空気でもって、空燃比λ=0.9(リッチ)及びλ=1.1(リーン)に切り替える。
上記の条件のもと、ガスセンサ素子を約330℃にて、上記バーナー測定装置内の燃焼ガス雰囲気に晒すことで、応答性評価を行った。その結果を表1に示す。ここで、応答時間TR⇒Lは、空燃比をλ=0.9(リッチ)からλ=1.1(リーン)に切り替えた際、ガスセンサ素子出力が600mVから300mVへ変化するのに必要な時間とした。
Figure 2009192518
表1に示された試料No.1〜19において、試料No.1〜4は、比較例、残りの試料No.5〜19が実施例である。また、表1に示された試料No.20〜27において、試料No.20は、比較例、残りの試料No.21〜27が実施例である。さらに、試料No.44,45は実施例である。表1に示されるように、試料No.1,2と、試料No.6は、検知電極に用いたZrO2の種類のみが異なり、ZrO2の添加量や検知電極の平均厚み(表1に示された焼成後の電極厚み)は略同じであるが、単斜晶ZrO2を用いた試料No.6の方が、正方晶および立方晶からなるZrO2を用いた試料No.1,2と比べて明らかに応答時間が短く、応答性が優れていた。
また、単斜晶ZrO2の添加量が15質量部の場合でも20質量部の場合でも、検知電極の平均厚み(表1に示された焼成後の電極厚み)が8μm未満である試料No.3,4,20は応答性が悪く、応答時間が300ms以上であった。これに対して、検知電極の平均厚みを8μm以上とした試料No.5〜19,21〜27は、応答性が優れており、応答時間が100ms以下であった。さらに、貴金属成分として、白金と白金以外の貴金属であるパラジウムを含む試料No.44,45も、上記のように貴金属成分として白金のみを含む場合と同様に、応答性が優れていた。
表2に示す試料No.28〜39は、単斜晶ZrO2の含有量と応答性の関係を調べた結果を示すものである。なお、これらの試料において、焼成後の検知電極の平均厚みは15〜30μmとした。
Figure 2009192518
上記表2に示すように、Ptが100質量部に対して、単斜晶ZrO2の含有量を5質量部以上とした試料No.32〜39では、応答性が優れており、応答時間が100ms以下であった。これに対して、Ptが100質量部に対して、単斜晶ZrO2の含有量を5質量部未満とした試料No.28〜31では、応答時間が200ms以上であり、応答性が悪かった。なお、単斜晶ZrO2の含有量は、Ptが100質量部に対して10質量部以上とすることが応答性の向上の観点からさらに好ましい。
表3に示す試料No.40〜43は、単斜晶ZrO2の含有量と電極表面抵抗の関係を調べた結果を示すものである。なお、これらの試料において、焼成後の検知電極の平均厚みは15〜30μmとした。表面抵抗の測定は、図4に示すように、直径2mmの2つの円形部401,402を幅Wが0.5mmの直線部403で接続した形状であって全体の長さLが6mmの電極を基体上に形成した試料片を別途に用意し、この電極に対して、その円形部401,402の略中央に探針411,412を接触させ、抵抗計410で抵抗値を測ることにより行った。
Figure 2009192518
上記表3に示すように、単斜晶ZrO2の含有量を増大させると、電極表面抵抗が増大する傾向があり、単斜晶ZrO2の含有量を、Ptが100質量部に対して30質量部を超え、34.6質量部となると、電極表面抵抗が無限大となってしまった。このため、単斜晶ZrO2の含有量は、Ptが100質量部に対して30質量部以下とすることが好ましい。
表4に示す試料No.A〜Rは、第3成分を含むPt/単斜晶ZrO2サーメット電極において、Pt/単斜晶ZrO2サーメット電極の体積分率と応答性の関係を調べた結果を示すものである。なお、これらの試料において、焼成後の検知電極の平均厚みは、15〜30μmとした。
Figure 2009192518
表4に示すように、Pt/単斜晶ZrO2サーメット電極の体積分率が75vol%(75体積%)以上であり、残部の成分がAl23である試料No.A〜Fは、応答性が優れており、応答時間が100ms以下であった。また、Pt/単斜晶ZrO2サーメット電極の体積分率が75vol%以上であり、残部の成分がZnOである試料No.I,J、残部の成分がMoO3である試料No.K,L、残部の成分がCr23である試料No.M,N、残部の成分が正方晶及び立方晶ZrO2である試料No.O〜Rも、応答性が優れており、応答時間が100ms以下であった。これに対して、Pt/単斜晶ZrO2サーメット電極の体積分率が72vol%であり、残部の成分がAl23である試料No.G,Hは、電極表面抵抗が無限大となり、応答性評価を行うことができなかった。したがって、第3成分を含むPt/単斜晶ZrO2サーメット電極では、Pt/単斜晶ZrO2サーメット電極の体積分率を75vol%以上とすることが好ましい。
なお、表4に示す試料No.O〜Rについては、電極共素地としてY23を添加したZrO2を用いた。この場合、Y23の量によって、単斜晶ZrO2の割合を制御することができる。試料No.O及びPは、電極共素地として1mol%Y23添加ZrO2を用い、その添加量はPt質量部100に対して14質量部とした。この時のPtに対する単斜晶ZrO2量は12.2質量部となった。試料No.Q及びRは、電極共素地として2mol%Y23添加ZrO2を用い、その添加量はPt質量部100に対して14質量部とした。この時のPtに対する単斜晶ZrO2量は7.8質量部となった。
上記した表4中の単斜晶ZrO2量は、X線回折(XRD)を用いて、次式から算出した。ここで、Mは、単斜晶ZrO2の割合、Im(‐111)は単斜晶ZrO2(‐111)面のXRDピーク強度、Im(111)は単斜晶ZrO2(111)面のXRDピーク強度、Ict(111)は立方晶ZrO2と正方晶ZrO2の(111)面のXRDピーク強度である。
M={[Im(‐111)+Im(111)]/[Im(‐111)+Im(111)+Ict(111)]}×100
なお、上記の実施形態では、本発明を酸素濃度を測定するガスセンサ素子及びセンサに適用した場合について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、他のガスを測定するガスセンサ素子及びガスセンサ、例えば、NOx濃度を測定するガスセンサ素子及びガスセンサについても同様にして適用することができる。また、上記の実施形態では、検知電極をPtに単斜晶ZrO2を加えて構成したものと、Ptと単斜晶ZrO2とこれら以外の成分を加えて構成したものとで説明したが、本発明にてもたらされるガス濃度変化に対する応答性向上の効果を得つつ、所望の電極表面抵抗を有する範囲で、Ptと単斜晶ZrO2を主成分としつつ、実施例で示した成分以外の他の成分を含有させても良い。
本発明の一実施形態に係るガスセンサ素子の要部断面概略構成を示す図。 図1のガスセンサ素子の構造を示す分解斜視図。 図1のガスセンサ素子を用いたガスセンサの断面概略構成を示す図。 電極表面抵抗の測定方法の概略構成を説明するための図。
符号の説明
1……酸素濃淡電池素子、2……ヒータ、11……固体電解質体、100……ガスセンサ素子、131……検知電極、132……基準電極。

Claims (7)

  1. 固体電解質体と、この固体電解質体上に設けられると共に、被測定ガスに晒される検知電極と、前記固体電解質体を介して前記検知電極に対向するように当該固体電解質体上に設けられる基準電極とを備えたガスセンサ素子であって、
    前記検知電極は、Ptからなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、当該検知電極の平均厚みが8μm以上とされていることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 請求項1記載のガスセンサ素子であって、
    前記検知電極の平均厚みが130μm以下とされていることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 請求項1又は2記載のガスセンサ素子を具備したことを特徴とするガスセンサ。
  4. 固体電解質体と、この固体電解質体上に設けられると共に、被測定ガスに晒される検知電極と、前記固体電解質体を介して前記検知電極に対向するように当該固体電解質体上に設けられる基準電極とを備えたガスセンサ素子であって、
    前記検知電極は、Ptを少なくとも含む貴金属成分からなり、Ptが100質量部に対して5質量部以上の単斜晶ZrO2を含み、当該検知電極の平均厚みが8μm以上とされていることを特徴とするガスセンサ素子。
  5. 請求項4記載のガスセンサ素子であって、
    前記検知電極に占める貴金属成分と単斜晶ZrO2との合計が75体積%以上であることを特徴とするガスセンサ素子。
  6. 請求項4又は5記載のガスセンサ素子であって、
    前記検知電極の平均厚みが130μm以下とされていることを特徴とするガスセンサ素子。
  7. 請求項4〜6いずれか1項記載のガスセンサ素子を具備したことを特徴とするガスセンサ。
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