JP2020144087A - センサ素子およびガスセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
このようなセンサ素子の一例として、検知電極と基準電極との間に微小電流を通電して、検知電極から基準電極に酸素をポンピングする(汲み入れる)ことで、基準電極の酸素濃度を一定濃度にするように構成されたセンサ素子が知られている(特許文献1)。このセンサ素子は、基準電極の酸素濃度を基準として、検知電極に接する被測定ガスの酸素濃度の変化に応じて変動する検知信号を出力する。
センサセルは、板状の固体電解質体と、第1電極と、第2電極と、を備える。センサセルは、第1電極から第2電極に酸素を汲み入れる。第1電極は、固体電解質体のうち第1面に形成される。第2電極は、固体電解質体のうち第2面に形成される。通気部は、第1電極を覆うとともに、被測定ガスが第1電極に到達可能な多孔質状に構成されている。緻密層は、第2電極を覆うとともに、被測定ガスおよび大気が通過不可能な緻密な材料で構成されている。
センサセルは、板状の固体電解質体と、第1電極と、第2電極と、を備える。センサセルは、第1電極から第2電極に酸素を汲み入れる。第1電極は、固体電解質体のうち第1面に形成される。第2電極は、固体電解質体のうち第2面に形成される。通気部は、第1電極を覆うとともに、被測定ガスが第1電極に到達可能な多孔質状に構成されている。緻密層は、第2電極を覆うとともに、被測定ガスおよび大気が通過不可能な緻密な材料で構成されている。
このセンサ素子は、通気部の気孔率が上記のように特定されているため、検知電極への酸素供給量が不足することを抑制できるとともに、通気部の物理的な強度を一定値以上に維持できる。よって、このセンサ素子は、検出精度の低下を抑制できるとともに、通気部の破損を抑制できる。
このセンサ素子は、通気部の厚さ寸法が上記のように特定されているため、検知電極への酸素供給量が不足することを抑制できるとともに、通気部の物理的な強度を一定値以上に維持できる。よって、このセンサ素子は、検出精度の低下を抑制できるとともに、通気部の破損を抑制できる。
なお、以下に示す実施形態では、ガスセンサの一種である酸素センサのうち全領域空燃比センサ(以下単に、空燃比センサともいう)を例に挙げる。具体的には、自動車や各種内燃機関における空燃比フィードバック制御に使用するために、測定対象となる排ガス中の特定ガス(酸素)を検出するガスセンサ素子(検出素子)が組み付けられるとともに、内燃機関の排気管に装着される空燃比センサを例に挙げて説明する。
[1−1.全体構成]
本実施形態のガスセンサ素子が使用される空燃比センサの全体の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、空燃比センサの内部構成を表す断面図である。なお、図1の下方を空燃比センサの先端側とし、その反対側を後端側として説明する。
主体金具9は、その外周に雄ねじ部14を備えており、雄ねじ部14を内燃機関の排気管に形成された雌ねじ孔部(図示せず)に締着することにより、主体金具9自身が排気管に固定される。
プロテクタ13は、内側プロテクタ19および外側プロテクタ21を備えた2重壁構造となっている。
セラミックホルダ33は、アルミナ製であり、金属カップ31内に嵌め込まれている。滑石リング35は、金属カップ31の内部及び主体金具9の内部の一部にわたり充填されている。スリーブ37は、アルミナ製であり、滑石リング35を後端側から押さえるように、主体金具9に嵌装されている。
セパレータ55は、アルミナを用いて構成されており、センサ素子7の後端部を覆っている。セパレータ55は、内部に4つの接続端子(図1では2つの接続端子59、61のみを示す)を保持している。4つの接続端子は、空燃比センサ1の外部に引き出される4本の被覆導線(図1では2本の被覆導線63、65のみを示す)と各電極パッド47〜53とをそれぞれ電気的に接続している。なお、セパレータ55は、自身の外周面と外筒11の内周面との間に嵌装された保持部材67により保持されている。
次に、空燃比センサ1の要部であるセンサ素子7について、図2および図3に基づいて説明する。
一方、センサ素子7の後端側には、その表面及び裏面に、上述した電極パッド47〜53が形成されている(図2では表面の電極パッド47、49のみを示す)。
ヒータ部材73は、一対の絶縁層103、105と、ヒータ107と、を備えている。一対の絶縁層103、105は、それぞれ、例えばアルミナで構成されている。ヒータ107は、一対の絶縁層103、105の間に挟持されており、多孔質体を用いて構成されている。
次に、センサ素子7の製造方法について、図3に基づいて説明する。
まず、センサセル71に関しては、例えば特開2008−14764号公報に記載の様に、従来と同様な手法(例えばドクターブレード法)によって、センサセル71の製造に使用する絶縁層83や固体電解質体77のグリーンシートを作製する。例えばアルミナを主成分とする材料を用いて絶縁層83となるグリーンシートを作製し、部分安定化ジルコニアを主成分とする材料を用いて固体電解質体77となるグリーンシートを作製する。このとき、グリーンシートにおいて、焼成後にスルーホール部91、101、115、117や中空部83aとなる部分に、それぞれに応じた大きさの孔を形成する。
次に、ヒータ部材73に関しては、従来と同様な手法(例えばドクターブレード法)によって、ヒータ部材73の製造に使用する絶縁層103、105のグリーンシートを作製する。例えばアルミナを主成分とする材料を用いて絶縁層103、105となるグリーンシートを作製する。
[1−4.測定結果]
本開示のセンサ素子7を用いて、電極保護層85の気孔率と、電極保護層85の厚さ寸法と、センサ起電力EMFが450mVとなる時の内燃機関の空燃比(以下、特定空燃比sλともいう)と、の相関関係を測定した測定結果について説明する。なお、センサ起電力EMFは、センサ素子7のセンサ出力であり、電極パッド47、49の間に生じる電圧である。
以上説明したように、本実施形態の空燃比センサ1(センサ素子7)においては、電極保護層85の厚さ寸法は400μmであり、電極保護層85の気孔率は65%である。つまり、電極保護層85の気孔率は、45%以上80%未満の範囲内であり、電極保護層85の厚さ寸法は、10μmより大きく、400μmより小さい。
ここで、文言の対応関係について説明する。
空燃比センサ1がガスセンサの一例に相当し、センサ素子7がセンサ素子の一例に相当する。センサセル71がセンサセルの一例に相当し、検知電極87が第1電極の一例に相当し、基準電極95が第2電極の一例に相当し、電極保護層85が通気部の一例に相当し、絶縁層103が緻密層の一例に相当する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
Claims (5)
- 被測定ガスに含まれる酸素を検出するセンサ素子であって、
板状の固体電解質体と、前記固体電解質体のうち第1面に形成される第1電極と、前記固体電解質体のうち第2面に形成される第2電極と、を備え、前記第1電極から前記第2電極に酸素を汲み入れるセンサセルと、
前記第1電極を覆うとともに、前記被測定ガスが前記第1電極に到達可能な多孔質状の通気部と、
前記第2電極を覆うとともに、前記被測定ガスおよび大気が通過不可能な緻密な材料で構成された緻密層と、
を備え、
前記通気部の気孔率は、45%以上80%未満の範囲内であり、
前記通気部のうち前記第1電極に当接する面から反対側の面までの厚さ寸法は、10μmより大きく、400μmより小さい、
センサ素子。 - 被測定ガスに含まれる酸素を検出するセンサ素子であって、
板状の固体電解質体と、前記固体電解質体のうち第1面に形成される第1電極と、前記固体電解質体のうち第2面に形成される第2電極と、を備え、前記第1電極から前記第2電極に酸素を汲み入れるセンサセルと、
前記第1電極を覆うとともに、前記被測定ガスが前記第1電極に到達可能な多孔質状の通気部と、
前記第2電極を覆うとともに、前記被測定ガスおよび大気が通過不可能な緻密な材料で構成された緻密層と、
を備え、
前記通気部の気孔率は、55%以上80%未満の範囲内であり、
前記通気部のうち前記第1電極に当接する面から反対側の面までの厚さ寸法は、10μmより大きく、600μm以下である、
センサ素子。 - 請求項1または請求項2に記載のセンサ素子であって、
前記通気部の気孔率は、55〜75%の範囲内である、
センサ素子。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のセンサ素子であって、
前記通気部の前記厚さ寸法は、30μm〜100μmの範囲内である、
センサ素子。 - 測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するセンサ素子を備えるガスセンサであって、
前記センサ素子として、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のセンサ素子を備える、
ガスセンサ。
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WO2023243582A1 (ja) * | 2022-06-17 | 2023-12-21 | 日本碍子株式会社 | センサ素子およびガスセンサ |
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JP2001281207A (ja) * | 2000-03-30 | 2001-10-10 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 積層型ガスセンサ素子の製造方法及びこれにより得られる積層型ガスセンサ素子、並びにこれを備えるガスセンサ |
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JP2014052363A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-03-20 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサ |
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