JP2009190978A - 球状ポリマー微粒子被覆板状粉体およびそれを含有する化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトフォーカス機能および光学異方性機能を有する球状ポリマー微粒子被覆板状粉体と、その微球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】板状粉体の存在下で、一般式(1)にて示される化合物を溶液中に分散させた後、ラジカル重合性モノマーを添加し、分散重合することにより、外側にポリエチレングリコールの殻を有する球状ポリマー微粒子を板状粉体表面に被覆させる。
【化4】
Figure 2009190978

【選択図】なし

Description

本発明は、球状ポリマー微粒子を板状粉体表面に被覆させてなる球状ポリマー微粒子被覆板状粉体とその板状粉体を含有する化粧料に関するものである。
従来、パウダーファンデーションに代表される粉体化粧料においては、皮膚のしみやそばかす等を見えにくくし、皮膚色を整えるために、隠蔽力の高い顔料、例えば二酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、有機色素といった屈折率の大きな顔料や、着色力の高い顔料を配合することが行われている。
しかしながら、上記従来の粉体化粧料の化粧仕上がりは、肌の欠点をカバーできるものの、艶がなくマットな仕上がりとなり、不自然な感じの化粧肌になるという問題点があった。そこで、雲母チタンなどの強い光沢を有するパール顔料を適量配合し、艶を付与する方法が採られてきたが、パール顔料独特の正反射方向の強い光沢のため、外観上てかてかしたり、肌の光沢とは異質な不自然な仕上がりになる傾向にあった。
このようなことから、皮膚のしみやそばかすといった肌の欠点をカバーし、素肌に近い自然な仕上がりを持つメイクアップ化粧料の開発が強く望まれている。
一方、雲母チタン等のパール顔料を球状粉体で被覆することにより、強い光沢を抑制する試みがなされている。例えば特許文献1においては、アクリル樹脂の微細粒子を分散させたスラリーをスプレードライすることによって、雲母チタン等のパール顔料表面にアクリル樹脂の球状微細粒子を付着させるようにした技術が提案されている。また、特許文献2においては、板状粉体と有機球状粉体を機械的にドライブレンドして、板状粉体を有機球状粉体で被覆するようにした技術が提案されている。
しかしながら、これらいずれの文献に記載のものも、球状微細粒子がパール顔料表面に付着しているだけであるため、付着性が弱いという欠点がある。
特開平9−48707号公報 特開平9−12430号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、分散重合法によって、板状粉体表面にポリエチレングリコールの殻を有する球状ポリマー微粒子を被覆することにより、ソフトフォーカス機能および光学異方性機能を有する球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を提供し、併せてその微球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を含有する化粧料を提供することを第1の目的とするものである。
本発明は、また、ビニル基やメタクリロキシ基などの重合可能な官能基を有するシランカップリング剤をメタクリル酸メチルなどのラジカル重合性モノマーと共重合させることで、球状メタクリル酸メチル微粒子の板状粉体への密着性を上げた球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を提供し、併せてその微球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を含有する化粧料を提供することを第2の目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、板状粉体に下記一般式(1)にて示される高分子アゾ開始剤を溶液中で吸着させ、さらにメタクリル酸メチルなどのラジカル重合性モノマーを添加し、分散重合することにより得られる球状ポリマー微粒子被覆板状粉体が前記目的を達成することを見出し、本発明を完成させるに至った。
要するに、第1発明による球状ポリマー微粒子被覆板状粉体は、
板状粉体の存在下で、一般式(1)にて示される化合物を溶液中に分散させた後、ラジカル重合性モノマーを添加し、分散重合することにより、外側にポリエチレングリコールの殻を有する球状ポリマー微粒子を板状粉体表面に被覆させてなることを特徴とするものである。
Figure 2009190978
第1発明において、前記板状粉体を予め重合性シランカップリング剤で前処理するのが好ましい(第2発明)。あるいは、前記ラジカル重合性モノマーと同時に重合性シランカップリング剤を添加するのが好ましい(第3発明)。
第4発明による化粧料は、前記第1発明〜第3発明のいずれかの球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を含有してなることを特徴とするものである。
第1発明によれば、溶液中で板状粉体に高分子アゾ開始剤を吸着させ、ラジカル重合性モノマーを添加し、Nガスを吹き込みながら重合を開始させると、サブミクロンサイズの比較的粒径の揃った外側にポリエチレングリコールの殻を有する球状ポリマー微粒子を板状粉体表面に被覆させることが可能となる。こうして、ソフトフォーカス効果に優れた球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を得ることができる。
第2,3発明によれば、板状粉体を、重合性官能基を有するシランカップリング剤で前処理し、得られた板状粉体と共に高分子アゾ開始剤、ラジカル重合性モノマーを溶液中に添加し、Nガスを吹き込みながら重合を開始させる(第2発明)か、あるいは溶液中に板状粉体、高分子アゾ開始剤、ラジカル重合性モノマーと重合性官能基を有するシランカップリング剤とを同時に添加し、Nガスを吹き込みながら重合を開始させる(第3発明)と、板状粉体に化学結合したシランカップリング剤によって、板状粉体と表面に被覆される球状ポリマー微粒子との密着性を上げることができる。
第4発明によれば、化粧料に球状ポリマー微粒子被覆板状粉体が配合されているので、透明感があり、感触が良く、かつソフトフォーカス機能および光学異方性機能のある化粧料を得ることができる。
次に、本発明による球状ポリマー微粒子被覆板状粉体およびそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
本発明の球状ポリマー微粒子被覆板状粉体は次の手順によって作製される。
1)溶媒中に、下記一般式(1)にて示されるポリエチレングリコール(PEG)含有マクロアゾ重合開始剤を完全に溶解させた後、板状粉体を分散させ、ポリエチレングリコール(PEG)含有マクロアゾ重合開始剤を板状粉体に吸着させる。
Figure 2009190978
2)所定温度にてラジカル重合性モノマーを添加し、Nガスを吹き込んで重合を開始させ、攪拌を続ける。
3)必要に応じて水洗、ろ過する。
本発明で用いられる板状粉体としては、天然もしくは人工粘土鉱物からなる板状粉体であって、例えばセリサイト、タルク、マイカ、板状硫酸バリウム、雲母チタン等が挙げられる。
また、本発明で用いられる前記一般式(1)に示される化合物の例としては、和光純薬工業(株)から市販されている商品名VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601が挙げられる。
本発明で用いられるラジカル重合性モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、スチレン、アクリル酸エステルなど、通常のラジカル重合で用いられるモノマーを使用することができる。
ポリエチレングリコール含有マクロアゾ開始剤および疎水性ビニル系モノマーを用いて、水を混合したアルコール中で分散重合させることにより球状ポリマー微粒子を作製する手法は、特開2006−257139号公報において既に発表されている。本発明は、ポリエチレングリコール含有マクロアゾ開始剤を板状粉体に吸着させ、ラジカル重合性モノマーを添加し分散重合させて、球状のポリマー微粒子を板状粉体に吸着させることを可能にしたものである。
また、本発明においては、ポリエチレングリコール含有マクロアゾ開始剤以外の界面活性剤を含まない系における分散重合法を用いられており、当該開始剤自身が重合開始部位を有しているため、別途水溶性重合開始剤を使用する必要がなく、一般的な乳化重合法のように界面活性剤を取り出す必要もない。ここで、分散重合の媒体としては、水およびアルコールが用いられる。水は、塩を含まないイオン交換水を用いるのが好ましい。また、アルコールとしては、エタノール、メタノール、n−プロパノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコールを用いるのが好適である。なお、好ましい媒体としては、水を主成分とするものが良く、水とアルコールとの体積比(水/アルコール)を、95/5〜20/80程度、より好ましくは90/10〜30/70程度の混合媒体とするのが良い。
本発明において、モノマーとしてメタクリル酸メチルを用いる場合、メタクリル酸メチルに対して、上記一般式(1)で示されるポリエチレングリコール含有マクロアゾ開始剤のモル比(一般式(1)のポリエチレングリコール部分のモル数/メタクリル酸メチルのモル数)は1/20〜1/500の範囲が好ましく、より好ましくは1/50〜1/300の範囲である。このモル比の分母が500より大きくなると、ポリエチレングリコール鎖の界面活性剤としての影響が劣るため、ポリメタクリル酸メチル微粒子にならない懸念がある。また、この分母が20より小さくなると、溶媒への溶解性が良くなるため、ポリメタクリル酸メチル微粒子にならない懸念がある。また、ポリメタクリル酸メチル微粒子の被覆量は母体の板状粉体に対して、1〜100%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜40%の範囲である。ポリメタクリル酸メチル微粒子の被覆量を多くした場合には、母体の板状粉体に被覆されないポリメタクリル酸メチル微粒子が遊離の状態で多く存在するため、生産性が悪くなる。
板状粉体に被覆されるポリメタクリル酸メチルなどのポリマー微粒子の粒子サイズは電子顕微鏡により確認でき、直径50nm〜500nm程度の比較的粒子径の揃った球状あるいは半球状ポリマー微粒子が、板状粉体表面に被覆されている。
本発明による球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を製造する手法としては、分散重合法のほかに懸濁重合法を用いることができる。球状ポリマー微粒子の粒子サイズは、分散重合法では直径1μm以下、懸濁重合法では直径1μm〜500μmに調節することができる。
本発明による球状ポリマー微粒子被覆板状粉体において、被覆されている球状のポリマー微粒子の分子量の測定は、ゲルバーミエーショングロマトグラフ(GPC)を用いて行うのが好ましい。
本発明によるビニル基、メタクリロキシ基などを有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。これらは、加水分解・重縮合により無機板状粉体のOH基と化学結合を生じるとともに、メタクリル酸メチルなどのモノマーとも重合反応が可能である。
本発明において、ソフトフォーカス機能の評価方法として、ヘーズ・透過率計、変角分光測色システム、三次元変角光度計を挙げることができるが、ヘーズ・透過率計により透過光率、拡散透過光率を測定する方法を用いるのが好ましい。
本発明において、球状ポリマー微粒子被覆板状粉体には、さらにそれ自体公知の各種の表面処理を施すことができる。この表面処理の例としては、以下の処理が挙げられる。なお、これらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
a)フッ素化合物処理・・・パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理など。
b)シリコーン処理・・・メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理など。
c)ペンダント処理・・・気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法。
d)シランカップリング剤処理
e)チタンカップリング剤処理
f)アルミニウムカップリング剤処理
g)油剤処理
h)N−アシル化リジン処理
i)ポリアクリル酸処理
j)金属石鹸処理・・・ステアリン酸塩処理やミスチリン酸塩処理など
k)アクリル樹脂処理
l)金属酸化物処理
本発明の球状ポリマー微粒子被覆板状粉体は、化粧料に配合することにより、使用感が良く、透明感や肌と同じような質感があり、肌の凹凸、小じわ、しみを目立たなくする効果のある化粧料を得ることができる。この場合、配合量としては、0.1〜100質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜60質量%である。化粧料の剤型としては、二層状、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、ジェル状、スプレー、ムース状、油性、固形状等の従来公知の剤型を使用することができる。勿論、本発明の化粧料を得るのに、他の公知の着色顔料、体質顔料、樹脂粉体、光輝性粉体、またはそれらの粉体の表面処理粉体と、界面活性剤、油剤を組み合わせることができるのは言うまでもない。
次に、本発明による球状ポリマー微粒子被覆板状粉体およびそれを含有する化粧料の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
(粉体調製実施例1)
ジムロート冷却管、温度計、Nガス導入管を備えた200ml四つ口フラスコ中に、エタノール40mlと和光純薬工業(株)からVPE−0201の名称で市販されているポリエチレングリコール含有マクロアゾ重合開始剤0.35gを添加し溶解させた後、三信鉱工(株)からセリサイトFSEの名称で市販されているセリサイト6gを加え、一晩静置した。この後、水60mlとメタクリル酸メチル5.3mlとを添加し、Nガスを吹き込んで、75℃で重合を開始させ、15時間撹拌を続けた。撹拌終了後セリサイトFSEを沈降させ、上澄液を除去して35℃で減圧乾燥させ、球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子被覆セリサイトを得た。
(粉体調製実施例2)
粉体調製実施例1におけるセリサイトFSEを、メルク社からTimiron Starluster MP−115(粒子サイズ10μm程度)の名称で市販されているチタン雲母に変更した以外は実施例1と同様にして、球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子被覆チタン雲母を得た。
(粉体調製実施例3)
粉体調製実施例1におけるセリサイトFSEを、ECKART社からPRESTAGE Bright Gold(粒子サイズ15〜70μm程度)の名称で市販されているチタン雲母に変更した以外は実施例1と同様にして、球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子被覆チタン雲母を得た。
(粉体調製実施例4)
ジムロート冷却管、温度計、Nガス導入管を備えた200ml四つ口フラスコ中に、エタノール40mlと和光純薬工業(株)からVPE−0201の名称で市販されているポリエチレングリコール含有マクロアゾ重合開始剤0.35gを添加し溶解させた後、三信鉱工(株)からセリサイトFSEの名称で市販されているセリサイト6gを加え、一晩静置した。この後、水60mlとメタクリル酸メチル5.3mlとメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン1.0mlを同時に添加し、Nガスを吹き込んで、75℃で重合を開始させ、15時間撹拌を続けた。撹拌終了後セリサイトFSEを沈降させ、上澄液を除去して35℃で減圧乾燥させ、球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子被覆セリサイトを得た。
(粉体調製比較例1)
ジムロート冷却管、温度計、Nガス導入管を備えた200ml四つ口フラスコ中に、エタノール/水=2:3(体積比)混合溶媒100mlと重合開始剤である2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)0.05gを添加し溶解させた後、三信鉱工(株)からセリサイトFSEの名称で市販されているセリサイト6gを加え、1時間撹拌した。この後、メタクリル酸メチル5.3mlを添加し、Nガスを吹き込んで、75℃で重合を開始させ、15時間撹拌を続けた。撹拌終了後セリサイトFSEを沈降させ、上澄液を除去して35℃で減圧乾燥させ、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)被覆セリサイトを得た。
表1には、上記粉体調製実施例1,4および粉体調製比較例1について、全透過光率Tt(%)、拡散透過光率Td(%)およびへーズ値H(%)の各値を比較した結果が示されている。
ここで、ヘーズ値は、次のようにして測定した。すなわち、得られた粉体0.4gを、東レ・ダウコーニング社からSF8417の名称で市販されているシリコーン1.6gに分散させ、フーバーマーラ(100rpm×3回)を用いてペーストを作製する。そして、ガラス板にペーストの膜厚が25μmになるように塗布した試料をヘーズ・透過率計を用いて測定する。ヘーズ値は、次式
ヘーズ値(H)=拡散透過光率(Td)/全透過光率(Tt)×100
で表わされ、全透過光率(Tt)の値が大きいほど透過光の量が多いため、透明感があることを示し、拡散透過光率(Td)の値が大きいほど散乱光が多いため、ぼかし効果が高いことを示し、ヘーズ値(H)の値が大きいほどソフトフォーカス効果があることを示す。
Figure 2009190978
表1の結果から、ポリエチレングリコール含有マクロアゾ重合開始剤を含む粉体調製実施例1の全透過光率Ttの値は90.0%であり、粉体調製比較例1の89.1%と比較して高い値になっており、透明感に優れていることがわかる。また、粉体調製実施例1の拡散透過光率Tdの値についても58.6%であり、粉体調製比較例1の44.3%と比較して高い値になっており、小じわやしみをぼかす効果に優れていることがわかる。さらに、粉体調製実施例1のへーズ値Hについても65.2%であり、粉体調製比較例1の49.7%と比較して高い値になっており、ソフトフォーカス感に優れていることがわかる。これは、粉体調製比較例1では、ポリメタクリル酸メチルの皮膜が板状粉体表面に被覆されるのに対し、粉体調製実施例1では、比較的粒子の揃った球状のポリメタクリル酸メチル微粒子が粉体表面に被覆されるため、ソフトフォーカス効果に優れていることによるものと考えられる。また、メタクリル酸メチルと共に重合性官能基を有するシランカップリング剤を加えて共重合させることで、密着性を改善させた粉体調製実施例4のへーズ値Hは66.5%であり、粉体調製比較例1の49.7%と比較して更に高い値になっており、よりソフトフォーカス感に優れていることがわかる。
(化粧料調製実施例1)
表2に示す処方にしたがってパウダーファンデーションを得た。
Figure 2009190978
(化粧料調製実施例2)
表3に示す処方にしたがってパウダーファンデーションを得た。
Figure 2009190978
(化粧料調製実施例3)
表4に示す処方にしたがってパウダーファンデーションを得た。
Figure 2009190978
(化粧料調製比較例1)
上記化粧料調製実施例1において、球状PMMA被覆セリサイトFSEを、55質量%セリサイトFSE、5質量%球状PMMAに変更した以外は、化粧料調製実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(化粧料調製比較例2)
上記化粧料調製実施例2において、球状PMMA被覆チタン雲母を、8質量%チタン雲母(Timiron Starluster MP−115)、2質量%球状PMMAに変更した以外は、化粧料調製実施例2と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(化粧料調製比較例3)
上記化粧料調製実施例3において、球状PMMA被覆チタン雲母を、8質量%チタン雲母(Timiron Starluster MP−115)、2質量%球状PMMAに変更した以外は、化粧料調製実施例3と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
(パウダーファンデーションの評価)
女性パネラー10名に上記各パウダーファンデーションを使用してもらい、上記化粧料調製実施例1および化粧料調製比較例1の各パウダーファンデーションについては、透明感およびソフトフォーカス感を、また、上記化粧料調製実施例2,3および化粧料調製比較例2,3の各パウダーファンデーションについては、透明感、ぎらつき感のなさおよびソフトフォーカス感を、それぞれアンケート形式で回答してもらった。評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数で評価結果を得た。これらの評価結果が表5、表6に示されている。これらの表において、点数が高いほど評価が優れていることを示している。
Figure 2009190978
Figure 2009190978
表5の結果から、球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子被覆セリサイトFSEをパウダーファンデーションに配合した化粧料調製実施例1は、化粧料調製比較例1と比較して、透明感、ソフトフォーカス効果共に優れていることがわかる。
また、表6の結果から、粉体調製実施例2,3の球状ポリメタクリル酸メチル(PMMA)被覆雲母チタンをパウダーファンデーションに配合した化粧料調製実施例2,3は、化粧料調製比較例2,3と比較した場合、パール顔料特有のぎらつき感を抑え、自然な化粧仕上がりになる効果があることがわかり、透明感、ソフトフォーカス感もあることから、小じわやしみを目立たなくし、素肌に近い化粧仕上がりになる効果もあることがわかった。化粧料調製比較例3で配合されたチタン雲母は比較的粒子サイズが大きいため、パウダーファンデーションに配合した場合、ぎらぎらした感じが強く、不自然な化粧仕上がりになるのに対して、化粧料調製実施例3の場合には、適度な艶があり、パール顔料特有のぎらぎら感が抑えられているため、自然な仕上がりになることがわかる。

Claims (4)

  1. 板状粉体の存在下で、一般式(1)にて示される化合物を溶液中に分散させた後、ラジカル重合性モノマーを添加し、分散重合することにより、外側にポリエチレングリコールの殻を有する球状ポリマー微粒子を板状粉体表面に被覆させてなることを特徴とする球状ポリマー微粒子被覆板状粉体。
    Figure 2009190978
  2. 前記板状粉体が予め重合性シランカップリング剤で前処理される請求項1に記載の球状ポリマー微粒子被覆板状粉体。
  3. 前記ラジカル重合性モノマーと同時に重合性シランカップリング剤が添加される請求項1に記載の球状ポリマー微粒子被覆板状粉体。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の球状ポリマー微粒子被覆板状粉体を含有してなることを特徴とする化粧料。
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