[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ機10に係る一実施形態を、図1〜図16に基づいて説明する。本実施形態のパチンコ機10は、遊技場の遊技島に取り付けられる枠体と、枠体から脱着可能な遊技機本体81(図3参照)とに区分することができる。まずは、遊技機本体81について説明すると以下の通りである。
遊技機本体81は、図3に示す遊技盤11に種々の部品を組み付けてなる遊技盤側アッシと、同図に示した機構板75に種々の部品を組み付けてなる機構板側アッシの2つのアッシよりなる。遊技盤側アッシを構成する各部品に関して説明すると、遊技盤11は、図3に示すように、木製の概矩形板材で構成されている。また、図1に示すように、遊技盤11の前面には、ガイドレール12が取り付けられ、ガイドレール12の内側が、遊技領域R1となっている。遊技領域R1のほぼ中央部には、表示装置13が設けられ、表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち表示装置13、及び始動入賞口14等を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18及び風車19、一般入賞口20,21が設けられ、ガイドレール12に沿った両側部には、サイドランプ22,22が設けられている。さらに、これら入賞口等以外に、遊技領域R1には、図示しない複数の釘が起立している。
各部位の詳細は、以下のようである。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチによって検出される。そして、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示部24Bの図柄が変動表示される。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。そして、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り易い状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が上皿27Aに払い出されると共に、表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技の当否判定結果が「当たり」となり、パチンコ機10が「大当たり状態」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能な大当たり遊技が実行される。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。そして、大当たり遊技は、最大で、例えば15ラウンドまで継続して行われる。
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサが遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。
前記表示装置13は、例えば、液晶表示装置であって、遊技盤11に貫通形成された開口部11K(図3を参照)に対し、遊技盤11の前面側から取り付けた装飾枠23と、遊技盤11の後面側から取り付けた液晶モジュールとで構成されている。そして、遊技盤11の前面側から、装飾枠23を介して、液晶モジュールに備えた表示部24を見ることができる。
表示部24には、特別図柄表示部24Aと普通図柄表示部24Bとが設けられている。特別図柄表示部24Aでは通常、3つの左、中、右の特別図柄が横並びに表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが、特別図柄表示部24Aに確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定され、3つの特別図柄が、上下方向にスクロールして変動表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄が停止表示される。このとき、例えば、当否判定の結果が当たりで全ての特別図柄が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になり、可動扉15Tが開かれる。
表示部24のうち、特別図柄表示部24Aの左下隅には、普通図柄表示部24Bが設けられている。普通図柄表示部24Bは、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動スイッチが遊技球の通過を検出したときに当否判定され、例えば、「0」〜「9」までの数字から構成される普通図柄を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、前記始動入賞口14に設けた前記可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示部24Bで表示する普通図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
図3には示されていないが、遊技盤11の後面には、表示制御回路、ランプ制御回路、音声制御回路が取り付けられ、これら各制御回路の後側に重ねてメイン制御回路が取り付けられている。
以上が、遊技盤側アッシを構成する各部品の説明である。次いで、機構板側アッシについて説明すると、機構板75は、合成樹脂で構成され、図3に示すように、全体として遊技盤11より縦方向に長い矩形状をなす。機構板75には、図示しない矩形窓が形成され、機構板75が、遊技盤11の後面に重ねられると、遊技盤11の後面に取り付けられたメイン制御回路、表示制御回路、ランプ制御回路、音声制御回路等の制御回路が、矩形窓内に配置される。また、矩形窓の縁部には、前記各制御回路を収容する筐体状のカバー76が着脱可能に取り付けられている。
図2に示すように、機構板75のうちカバー76より下方には、払出装置72を制御する払出制御装置59と電源装置58とが横並びにして取り付けられている。
図3に示すように、機構板75のうちカバー76より上側には遊技球を貯留する遊技球タンク75Tが設けられ、カバー76の側方部分には遊技球を払い出すための払出装置72が設けられている。遊技球タンク75Tと払出装置72との間は、遊技球誘導レール75Rにより連絡されている。
機構板75のうち、遊技球タンク75Tの側方には、パチンコ機10の外部から電力を受ける受電基板73が備えられている。受電基板73は、サージ吸収素子等を備え、全体が樹脂製カバーによって覆われている。受電基板73からは電源コード74が延びており、この電源コードが、パチンコホール備えたAC24V電源に接続されている。
図3に示すように、機構板75のうち払出装置72が配された側の側部には、上下方向に1対のヒンジピン71,71が取り付けられ、これらヒンジピン71,71が、枠体に備えた後述する前面枠90の一側部に係合し、機構板75が前面枠90に対して回動可能に組み付けられる。
以上、遊技機本体81に関する説明であり、次に枠体の構成について説明する。枠体は、例えば、ボルトによって遊技島に固定された外枠82に前面枠90を回動可能に備えてなる。外枠82は、4つの木製の長板83を縦長矩形状に接合して構成されており、外枠82のうち両側辺を構成する長板83の下端部の間には、前面板84が差し渡され、その前面板84の下縁部が、下辺を構成する長板83に接合されている。
外枠82のうち一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片85,85が取り付けられている。また、外枠82のうちヒンジ片85と反対側の側辺を構成する長板83には、その上端寄りと下端寄りの内面の2箇所に、1対の被係止部86,86が取り付けられている。なお、外枠82のうちヒンジ片85を備えた側の外側面には、図1に示すように、プリペイドカードユニット99が取り付けられている。
前面枠90は、例えば、合成樹脂で構成され、外枠82の前面のうち前面板84より上方部分に対応した矩形構造をなす。前面枠90の一方の側辺には、その上下の2箇所に、金属製のヒンジ片91,91が備えられ、これら各ヒンジ片91と前記外枠82に設けた各ヒンジ片85とを重ねて、ヒンジピン92を貫通させてある。これにより、前面枠90が、外枠82に対して開閉可能となる。
図4に示すように、前面枠90には、遊技窓90Wが形成されており、前面枠90の前面には、ガラス枠95(図1を参照)が遊技窓90Wに重ねて設けられている。ガラス枠95は、前面枠90のうちヒンジ片91側の側縁部に回動可能に取り付けられており、遊技窓90Wより一回り小さな略円形の窓95Wを備えて、そこにガラス板が張られている。図1に示すように、ガラス枠95の前面のうち窓95Wの縁部には、前方に膨出した装飾ランプ96が備えられている。また、前面枠90のうち窓95Wよりも上側には、左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
図1に示すように、前面枠90のうちガラス枠95の下方には、パチンコ機10の前方に向かって膨出した上皿27Aが設けられている。また、上皿27Aを挟むようにして左右に1対のスピーカ59S,59Sが設けられている。
前面枠90のうち、上皿27Aよりも下側には、下皿ユニット50が取り付けられている。下皿ユニット50は横長形状をなし、前面枠90に対して開閉可能に取り付けられている。
下皿ユニット50の前面中央には、パチンコ機10の前方に膨出した下皿27Bが備えられている。下皿27Bには、上皿27Aから移動した遊技球や、ファール球等が貯留される。下皿27Bの左側方には、灰皿51が設けられている。なお灰皿51は、下皿ユニット50に対して着脱可能となっており、図5には、灰皿51が取り外された状態が示されている。
図1に示すように、下皿27Bの右側方には、操作ノブ28が取り付けられ、操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が発射装置70から遊技盤11上に向けて弾き出されるようになっている。
図5に示すように、下皿ユニット50のうち、操作ノブ28が取り付けられる部分には、操作ノブ装着筒52が設けられている。操作ノブ装着筒52は、円筒形状をなし、下皿ユニット50の前面からパチンコ機10の前方に突出している。この操作ノブ装着筒52に操作ノブ28の基端部が挿入されて保護されると共に、螺子によって操作ノブ28が操作ノブ装着筒52に固定されている。以上が、前面枠90の前面についての説明であって、後面は以下のようになっている。
図3に示すように、前面枠90の後面のうちヒンジ片91と反対側の側縁部には、1対の係止爪97,97が上下に備えられ、この係止爪97,97を外枠82の被係止部86,86に係止して、前面枠90が閉止状態に施錠される。
前面枠90の後面には、遊技窓90Wを囲むように囲壁93が起立している。そして、この囲壁93の内部に前記遊技盤11が嵌合され、囲壁93に備えた複数の係止レバー98にて遊技盤11が前面枠90に係脱可能に固定される。
前面枠90の後面のうち、ヒンジ片91と反対側の側縁部の下端位置には、発射装置取付部54が設けられ、ここに、次述する発射装置70が螺子止めされている(図3を参照)。発射装置取付部54には、異形孔54Aが貫通形成されている。異形孔54Aは、前記した下皿ユニット50の操作ノブ装着筒52に連通している(図5を参照)。そして、前面枠90の前面側から、操作ノブ装着筒52(図5を参照)に取り付けられた操作ノブ28は、異形孔54Aを介して、前面枠90の後面に取り付けられた発射装置70と連結されている。なお、異形孔54Aの側方には、発射装置70を前面枠90に取り付けたときに、発射装置70を構成する部品と前面枠90とが干渉するのを避けるための円形孔54Bが貫通形成されている。以上が、枠体の構成についての説明である。
次に発射装置70について説明する。図6に示すように、発射装置70は台板65の前後面に種々の部品を組み付けてなる。ここで、台板65の前面とはパチンコ機10の前面側(図6における紙面手前側)のことであり、後面とはパチンコ機10の背面側(図6における紙面奥側)のことである。
台板65の後面側には、打撃槌67が配されている。打撃槌67は、略帯板状の本体の先端から打撃部67Sを突出させた構造をなし、打撃部67Sには、打撃用コイルバネが固定されている。打撃部67Sは、発射レール48に形成された打撃窓48Wに臨んでおり、打撃槌67の基端寄り位置に一端を固定された軸体69が、図示しないベアリングにより台板65に回転可能に軸支されることで、打撃槌67が回動し、打撃部67Sが打撃窓48Wに進退する。
台板65の後面のうち、打撃槌67の側方位置には発射モータ68が配設されている。また、軸体69を挟んだ上下位置には、ストッパ47,47が備えられ、打撃槌67の回り過ぎを防止している。なお、図6には、上側のストッパ47のみが示されている。
台板65の後面には、打撃槌67、発射モータ68、ストッパ47,47等を後側から覆うようにして、基板収納ケース49が取り付けられている。基板収納ケース49は、扁平の箱形状をなし、内部には発射モータ68を駆動制御する発射制御基板(図示せず)が収納されている。なお、基板収納ケース49は、基板収納ケース49に一体形成された複数の脚部36を台板65に螺子止めすることで取り付けられている。
図6に示すように、台板65の前面には、前記軸体69が貫通した弾発エレメント62が取り付けられている。弾発エレメント62は、台板65の前面に敷設された回動リング63と、軸体69の先端に固定された円筒キャップ64との間に、ねじりバネ66を挟んでなる。ねじりバネ66は、円筒キャップ64又は回動リング63から延びた図示しない筒部の周りに巻回されている。そして、ねじりバネ66の一方の端部が円筒キャップ64に係止されかつ、他方の端部が回動リング63に係止されている。
回動リング63は、軸体69に対して回動可能となっており、この回動リング63と台板65の前面に固定された操作ノブ装着部28Tとがワイヤ46によって連結されている。詳細には、ワイヤ46の一端部は、回動リング63の周面に固定され、他端部は、台板65に回動可能に軸支された滑車45を介して、シャフト固定盤40に固定されている。シャフト固定盤40は、略半円板形状をなし、操作ノブ装着部28Tの内部にて台板65に回動可能に軸支されている。操作ノブ装着部28Tに操作ノブ28を装着する(図6の状態)と、操作ノブ28に備えた回動シャフト100がシャフト固定盤40の回動中心に固定され、操作ノブ28と回動リング63とがシャフト固定盤40及びワイヤ46によって連結される。操作ノブ28が回動操作されるとシャフト固定盤40が回動し、ワイヤ46がシャフト固定盤40の周面に巻き取られる。すると、ワイヤ46に引っ張られて回動リング63が回動し、ねじりバネ66の一方の端部の位置が変更されるようになっている。
円筒キャップ64からは、操作ノブ装着部28T側に向かってトルクアーム41が突出しており、トルクアーム41の先端から台板65に向かって摺動ボス41Bが突出している。そして、この摺動ボス41Bと、台板65のうち弾発エレメント62と操作ノブ装着部28Tとの間に設けた回転盤42と、この摺動ボス41Bとが摺動する。
回転盤42は、歯車42Aの前面にカム42Bを一体形成してなり、台板65に回転可能に取り付けられている。また、台板65の後面に固定された発射モータ68の回転軸が、台板65の前面のうち歯車42Aの近傍に突出しており、その発射モータ68の回転軸に固定された小ギヤ43が、歯車42Aに噛合している(図7を参照)。そして、発射モータ68を駆動することで、回転盤42の全体が一方に回転するようになっている。
また、カム42Bは、半円形をなして歯車42Aに偏在しており、回転盤42が回転することで、カム42Bの曲面とトルクアーム41の摺動ボス41Bとが摺接し、ねじりバネ66に抗して円筒キャップ64が一方向に回転される。そして、カム42Bの曲面が摺動ボス41Bを通過したときに、ねじりバネ66の弾発力によって円筒キャップ64が逆方向に一気に回転する。これにより、円筒キャップ64と共に打撃槌67が往復回動し、発射レール48にセットされた遊技球と打撃槌67の打撃部67Sとが打撃窓48Wにて衝突して、遊技球が発射レール48に案内されて遊技領域R1へ向かって弾き出される。
なお、発射モータ68は、例えば、1分間に100回転するように構成されている。つまり、1分間に100球の遊技球を打ち出すことが可能となっている。また、弾発エレメント62の回動リング63とねじりバネ66との係止位置を回動リング63の周方向にずらすことで、ねじりバネ66の初期捻り量を変化させて、発射強度の調整が可能な構成としてもよい。
さて、操作ノブ28は以下のような構成となっている。図8に示すように、操作ノブ28は、ハンドル31を挟むようにしてハンドル前面装飾部材30(以下、「ハンドル装飾部材」という)とシャフト装飾部材32とを備えてなる。シャフト装飾部材32には、一端を発射装置70(詳細には、シャフト固定盤40)に固定された回動シャフト100が貫通しており、この回動シャフト100の他端が、ハンドル31に連結されている。また、シャフト装飾部材32とハンドル装飾部材30は、ハンドル31を挟んだ状態で一体に固定されている。そして、ハンドル31が回動シャフト100の軸線回り(例えば、図1における時計回り方向)で、シャフト装飾部材32及びハンドル装飾部材30に対して相対回動すると、回動シャフト100が一体回動して、ハンドル31の回動操作力が発射装置70に伝達されるようになっている。即ち、ハンドル31の回動量に応じて、前記弾発エレメント62に備えたねじりバネ66の捻り量が変化して、遊技球の発射強度が変化するようになっている。ここで、ハンドル31は、発射装置70に備えたねじりバネ66による付勢力によって一方向(例えば、図1における反時計回り方向)に付勢されており、常には、図1に示す初期位置で停止している。
操作ノブ28を構成する各部について詳説する。なお、説明の便宜上、適宜、操作ノブ28のうちハンドル装飾部材30側(図9における上方)を前方といい、シャフト装飾部材32側(図9における下方)を後方ということとする。また、以下の説明において、ハンドル31の「回動」とは、「回動シャフト100の軸線回り方向における回動」のことである。
図6に示すように、シャフト装飾部材32は、操作ノブ28のうち、最も発射装置70に近い側に設けられている。シャフト装飾部材32は、筒体部25と、筒体部25から段付き状に拡径したカップ部26とから構成される。筒体部25は、外筒体25Gの内側に内筒体25Nを備えた二重構造となっている。また、筒体部25の周面の一部には、操作ノブ28を下皿ユニット50に備えた操作ノブ装着筒52に螺子で固定するための固定部61が設けられている。
シャフト装飾部材32のうち、カップ部26は、前方に開放している。カップ部26の中心部にはシャフト支持孔39が形成され、ここに回動シャフト100が遊嵌されている。なお、シャフト支持孔39は、筒体部25の内筒体25Nに連通しており、回動シャフト100は、これらシャフト支持孔39及び内筒体25Nを通ってシャフト装飾部材32を軸方向に貫通している。換言すれば、回動シャフト100のほぼ全体が、シャフト装飾部材32によって覆われている。
図10に示すように、カップ部26の内側には、複数(例えば、3つ)の装飾部材固定部33が設けられている。装飾部材固定部33は、円筒形状をなし、カップ部26の底壁34から前方に向かって起立している。装飾部材固定部33は、シャフト支持孔39の上方位置に2つ並んで設けられ、シャフト支持孔39の真下位置に1つ設けられている。また、装飾部材固定部33は、カップ部26の開放端よりも前方へ突出している(図11を参照)。
図10に示すように、カップ部26の内側には、発射切替スイッチ89が収容されている。発射切替スイッチ89は、スイッチ本体89Hと、スイッチ操作部材89Sとから構成されており、スイッチ操作部材89Sを操作することでスイッチ本体89Hが、発射装置70による遊技球の発射を許容したオン状態と、遊技球の発射を禁止したオフ状態とに切り替わる。なお、カップ部26の周面の一部には、スイッチ操作部89Sの先端部を、シャフト装飾部材32の外部に露出させるための切り欠き26Cが形成されている。以上がシャフト装飾部材32の説明である。
図8に示すように、操作ノブ28のうち、上記シャフト装飾部材32の前方には、ハンドル31が備えられている。図10に示すように、ハンドル31は、扁平な円筒形状をなした外側構成部31Aの内側に、外側構成部31Aよりも小さい略円板形状の内側構成部31Bを備え、これら外側構成部31Aと内側構成部31Bとの間を2つのリブ31C,31Cで繋いだ構造をなしている。また、外側構成部31Aと内側構成部31Bとの間には、円弧形状の開口部37,37が形成されている。
ハンドル31は、例えば、合成樹脂製であり、表面全体に金属メッキが施されている。また、ハンドル31には、発射制御基板に接続されたアース線(図示せず)が接続されている。このアース線によって、ハンドル31に遊技者が触れたときに微弱な電流が発射制御基板に流れ、発射制御基板における電圧レベルが変化する。そして、電圧レベルの変化に基づいて、発射制御基板が発射装置70(詳細には、発射モータ68)を駆動する。
外側構成部31Aには、ハンドル31を回動操作するときに遊技者が指を掛けるための山形凸部35が一体形成されている。山形凸部35は、外側構成部31Aの外周面から突出し、ほぼ等間隔で例えば、4つ設けられている。
図10に示すように、ハンドル31に形成された開口部37,37には、シャフト装飾部材32から起立した装飾部材固定部33が貫通し、ハンドル31の前面よりも前方へ突出している。
さて、ハンドル31のうち、内側構成部31Bの前面は平坦面をなしている。これに対し、図13に示すように、内側構成部31Bの後面中央からは、収容体150が起立している。また、内側構成部31Bの後面周縁部には、収容体150を囲んだ周壁31Sが起立しており、収容体150と周壁31Sとが複数のリブ31Rで連結されている。
収容体150は、内側構成部31Bの後面から起立した円柱体の端面に軸受凹所151を陥没形成してなる。軸受凹所151の内部空間は、半球体形状をなしている(図13参照)。即ち、軸受凹所151の内面151Nは半球面状をなしている。収容体150の端面のうち、軸受凹所151を挟んで互いに180°離れた位置には、1対のピン連結孔152,152が形成されている。この収容体150に、回動シャフト100が連結されている。
回動シャフト100は、全体として略マッチ棒形状をなしている。詳細には、回動シャフト100は、断面「D」字形状をなした非円形軸部101の先端部に、球状の接合体102を備えてなる。接合体102の径は、前記収容体150に形成された軸受凹所151の内径と略同一となっている。そして、図9に示すように、接合体102の先端側半分が、軸受凹所151内に収容されかつ、その収容された部分の外面102G全体が軸受凹所151の内面151Nに摺動可能に面接触している。これにより、回動シャフト100と直交する軸線方向へのハンドル31の直動が規制される。即ち、軸受凹所151内における接合体102の位置ずれが防止され、ハンドル31が回動シャフト100に直交する軸方向に直動してハンドル31ががたつくことが防止されている。なお、上記した「直動」とは「真っ直ぐ移動する」ことであり、「ハンドル31が回動シャフト100に直交する軸線方向へ直動する」とは、例えば、図1における上下方向、左右方向等、図1における紙面に平行な全ての方向への移動のことをいう。
ここで、軸受凹所151の内面151Nは、本発明の「摺動内面」に相当し、接合体102の外面102Gは、本発明の「摺動外面」に相当する。また、軸受凹所151と接合体102とで本発明の「自在継手部」が構成されている。即ち、軸受凹所151と接合体102とは、本発明における「連結手段」の一部を構成している。
図12に示すように、回動シャフト100には、接合体102側から順に弾性リング110(本発明の「板状弾性体」に相当する)、固定リング120、Eリング130が重ねて装着されている。
弾性リング110は、例えばゴム製であり、図13に示すように、扁平な円筒形状をなしている。詳細には、弾性リング110の外径は、収容体150の外径とほぼ同じであり、肉厚は接合体102の半径よりも小さくなっている(図9を参照)。弾性リング110の中心部に形成されたシャフト挿通孔111は円形をなし、その径は、回動シャフト100の非円形軸部よりも大きくかつ接合体102の径よりも若干小さくなっている。弾性リング110は、回動シャフト100のうち、接合体102の外面102Gに装着され、一端面が収容体150の端面に突き当たっている。
ここで、弾性リング110のうち、シャフト挿通孔111を中心にして互いに180°離れた位置には1対のピン挿通孔112,112が形成され、このピン挿通孔112,112が、収容体150に形成された1対のピン連結孔152,152と整合している(図9を参照)。
固定リング120は以下のようである。固定リング120は、例えば、合成樹脂製であり、図13に示すように扁平な円筒状をなす。固定リング120は、回動シャフト100の接合体102と非円形軸部101との境界部分に装着されている。固定リング120は、弾性リング110の端面に突き当てられており、収容体150との間で弾性リング110を挟持している(図9を参照)。
固定リング120の外径は、収容体150の外径とほぼ同じとなっている。固定リング120の中心部分には、回動シャフト100の周面に対応した形状のシャフト挿通孔121が形成されている。即ち、シャフト挿通孔121のうち、接合体102寄り部分の内面121Aは、接合体102の外面102Gと面接触するように球面の一部で構成されている。また、シャフト挿通孔121のうち非円形軸部101寄り部分は、非円形軸部101の断面形状に対応して、「D」字形状をなしている(図9を参照)。そして、回動シャフト100の非円形軸部101に固定リング120が嵌合することで、固定リング120と回動シャフト100とが、回動シャフト100の軸線E回りに一体回動可能となっている。なお、この回動シャフト100の軸線Eが、本発明の「発射力調節用の回動軸」に相当する。
固定リング120のうち、シャフト挿通孔121を挟んで互いに180°離れた位置には、1対の連結ピン122,122が形成されている。連結ピン122は、固定リング120の端面からハンドル31側に向かって起立しており、弾性リング110のピン挿通孔112を貫通して収容体150のピン連結孔152に挿入されている。ここで、連結ピン122はピン連結孔152の内側に遊嵌している。
これにより、接合体102が軸受凹所151内で回動シャフト100の軸線E回りに摺動回転することが禁止される一方、回動シャフト100に直交した軸回りに摺動回転することが許容される。即ち、ハンドル31と回動シャフト100とが、回動シャフト100の軸線E回りに一体回動可能となると共に、ハンドル31が回動シャフト100に直交する軸線回りに揺動可能となる。ここで、接合体102の外面102G及び軸受凹所151の内面151Nが共に球面の一部で構成されているので、ハンドル31は、回動シャフト100に直交する任意の軸線回りに揺動可能である。
ここで、収容体150と固定リング120とが弾性リング110を挟持しているので、収容体150と固定リング120とは、本発明の「1対の弾性体挟持壁」に相当する。また、回動シャフト100に形成された非円形軸部101と、非円形軸部101に嵌合された固定リング120と、固定リング120から突出した連結ピン122,122と、収容体150のピン連結孔152,152とで、本発明の「回動操作力伝達部」が構成されている。また、以下の説明において、ハンドル31の「揺動」とは、「回動シャフト100に直交する軸線回り方向における揺動」のことである。
回動シャフト100には、前記した弾性リング110及び固定リング120を、収容体150の端面との間で挟持したEリング130が装着されている。Eリング130は、非円形軸部101の周面に形成された係合溝103に係合されている。このEリング130により、弾性リング110と固定リング120の回動シャフト100からの抜け止めがなされている。
ここで、係合溝103は、非円形軸部101と接合体102との境界部分の近傍に形成され、非円形軸部101の円弧形状をなした面にのみ形成されている。また、係合溝103の溝幅は、Eリング130の厚さよりも若干大きくなっているので、Eリング130は、その溝幅の範囲で回動シャフト100の軸方向にスライド可能となっている。
なお、Eリング130は、工具を用いて回動シャフト100から取り外すことが可能なので、回動シャフト100に装着された固定リング120や弾性リング110を取り外すことが可能である。
以上がハンドル31及び回動シャフト100に関する説明であって、次にハンドル装飾部材30について説明する。ハンドル装飾部材30は、中空の略半球体形状をなしており(図9を参照)、内部に、例えば、キャラクター図柄や文字等が描かれたセル板が視認可能に収容されている。詳細には、半球形状のドーム部材30Dの開口部を円板形状の底板部材30Tで塞いだ構造をなす。なお、ハンドル装飾部材30を略半球体形状とすることで、遊技者が操作ノブ28を握り易くなっている。
図14に示すように、底板部材30Tには、円形の段付き凹所55が形成されている。また、段付き凹所55よりも外側には、装飾部材固定部56が設けられている。装飾部材固定部56は、円筒形状をなし底板部材30Tから後方(ハンドル31側)に向かって起立している。また、装飾部材固定部56は、ハンドル装飾部材30の周縁部30Sよりも後方に突出している(図10を参照)。そして、この装飾部材固定部56が、シャフト装飾部材32に備えられた装飾部材固定部33の内側に嵌め込まれて(図9を参照)、これら装飾部材固定部33,56同士が螺子止めされている。これにより、ハンドル装飾部材30とシャフト装飾部材32とがハンドル31を回動シャフト100の軸線方向で挟んだ状態で連結固定されている。
図14に示すように、底板部材30Tの段付き凹所55には、ハンドル接触壁57が設けられている。ハンドル接触壁57は、円弧状に湾曲しており、底板部材30Tからハンドル31側に向かって起立している。
図9に示すように、ハンドル接触壁57は、ハンドル装飾部材30の周縁部30Sよりもハンドル31側に突出しており、ハンドル31の内側構成部31Bの前面に当接している。これにより、ハンドル31とハンドル装飾部材30の周縁部30Sとの間に、若干の隙間60が形成されている。
ここで、本実施形態では、ハンドル接触壁57が、底板部材30Tに対して着脱可能となっている。そして、突出量を異ならせた複数種類のハンドル接触壁57が予め用意されており、ハンドル接触壁57を取り替えることでハンドル接触壁57の突出量を変更し、ハンドル31とハンドル装飾部材30の周縁部30Sとの間に形成される隙間60の大きさを変更可能な構成となっている。
以上が、本実施形態のパチンコ機10の構成の説明であって、以下動作について説明する。パチンコ機10において遊技球を発射する場合には、操作ノブ28に備えたハンドル31を回動シャフト100の軸回りに回動操作する。このとき、回動シャフト100に嵌合しかつ、ハンドル31に連結された固定リング120により、ハンドル31と回動シャフト100との相対回転が禁止され、回動シャフト100がハンドル31と一体回動する。即ち、ハンドル31の回動操作力が回動シャフト100によって発射装置70に伝達され、発射装置70に備えたねじりバネ66の捻り量が変化して、ハンドル31(回動シャフト100)の回動角度に応じた発射強度で遊技球が遊技領域R1に弾き出される。
ところで、図15に示すように、ハンドル31とハンドル装飾部材30との間に異物190を挟み込む等の行為により、ハンドル31に、回動シャフト100と直交する軸回りの力がかかると、ハンドル31に備えた軸受凹所151の内面151Nが、回動シャフト100に備えた接合体102の外面102Gに摺動して、ハンドル31が揺動する。詳細には、ハンドル31は、接合体102の中心を通りかつ回動シャフト100に直交する軸(例えば、図15において紙面に直交する軸R)回りに揺動する。
ここで、ハンドル31が揺動すると、収容体150と固定リング120との相対位置が変化する。即ち、図9に示すように、ハンドル31が揺動していない通常姿勢の場合には、収容体150の端面と固定リング120の端面とが互いに平行となっている。このとき、ハンドル31と回動シャフト100とがなす角度は略直角である。これに対し、図15に示すように、ハンドル31が揺動した揺動姿勢の場合には、収容体150の端面が弾性リング110の端面から僅かに浮き上がり、収容体150のピン連結孔152が連結ピン122から離脱するように移動し(図15を参照)、収容体150の端面が固定リング120の端面に対して傾く。すると、収容体150と固定リング120とに挟持された弾性リング110の一部が、収容体150により固定リング120側に押し付けられて弾性変形(圧縮変形)する(図16を参照)。
ハンドル31は、ハンドル31の外側構成部31Aがハンドル装飾部材30の周縁部30Sに接触するまで揺動可能であり、ハンドル装飾部材30に接触することで、それ以上の揺動が制限される。ここで、本実施形態では、ハンドル31の揺動角度が、係合溝103内でのEリング130のスライド移動等による、軸受凹所151と接合体102との連結部分におけるハンドル31の最大揺動角度に至る前に、ハンドル31がハンドル装飾部材30に接触するように構成されているので、ハンドル31が過剰に揺動して、ハンドルと回動シャフト100との連結部分(弾性リング110、固定リング120等)に不具合が生じることが防止できる。
また、ハンドル31の揺動可能角度を変更する場合には、ハンドル31とハンドル装飾部材30との間の隙間60の大きさを変更する。即ち、ハンドル接触壁57の突出量を変更することで、ハンドル31の揺動可能角度を変更することが可能である。
ハンドル31とハンドル装飾部材30との間に挟み込まれた異物190が取り除かれると、弾性変形(圧縮変形)した弾性リング110の弾性力により、収容体150が押し戻され、ハンドル31が揺動姿勢(図15の状態)から通常姿勢(図9の状態)に戻される。
このように、本実施形態によれば、ハンドル31に、回動シャフト100の軸線Eと直交する軸回りの力がかかると、ハンドル31に備えた軸受凹所151の内面151Nと回動シャフト100に備えた接合体102の外面102Gとが互いに摺動してハンドル31が回動シャフト100の軸線Eと直交する軸回りに揺動するので、ハンドル31と回動シャフト100との連結部分にかかる負荷を軽減することができ、連結部分の破損やその他の不具合を防止できる。しかも、ハンドル31は、回動シャフト100の軸線Eと直交する軸方向への直動が規制されているので、ハンドル31と回動シャフト100との連結部分のがたつきが防止され、ハンドル31の回動操作をスムーズに行うことが可能となる。
また、ハンドル31の収容体150の端面と、回動シャフト100に嵌合された固定リング120の端面との間に弾性リング110を挟持したことで、ハンドル31の姿勢を常には、通常姿勢に付勢することができかつ、ハンドル31を揺動姿勢から通常姿勢に戻すことができる。
さらに、接合体102の外面102Gと軸受凹所151の内面151Nとを、互いに略同一な球面の一部で構成したので、接合体102と軸受凹所151とを互いに面接触させつつ、ハンドル31を回動シャフト100の軸方向と直交する任意の直交軸回りに揺動させることが可能となる。これにより、ハンドル31の揺動方向の自由度が高めることができる。また、回動シャフト100の軸線方向と直交する任意の直交軸回り方向に揺動可能なように、回動シャフト100の一端がハンドル31に連結されたことにより、ハンドル31にかかる回動シャフト100の軸線と直交する任意の直交軸回り方向の力が微小であっても、ハンドル31を揺動させることが可能であり、連結部分への負荷をより確実に軽減することが可能となっている。
[第2実施形態]
第2実施形態のパチンコ遊技機はハンドルと回動シャフトとの連結構造が上記第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の回動シャフト200に備えた接合体202は、楕円球状をなす。即ち、長軸P(図19を参照)に直交する平面による切断面が円形をなし、短軸Qに直交する平面による切断面が楕円形をなす。そして、接合体202の外面202Gは、全体が、楕円をその軸(短軸又は長軸)回りに回転させた楕円面で構成されている。また、接合体202は、その長軸Pが回動シャフト200(非円形軸部101)の軸線Eに直交するように設けられている。
一方、ハンドル31の収容体250に形成された軸受凹所251は以下のようである。軸受凹所251の内部空間は、接合体202と略同一の楕円球をその長軸を含む平面で切断した形状をなす。即ち、軸受凹所251の内面251Nは、接合体202の長軸Pを含む平面による切断面と略同一の楕円を、その軸回りに回転した楕円面の一部で構成されている。
そして、図17に示すように、軸受凹所251内に接合体202が突入し、接合体202の先端側部分が軸受凹所251内に収容されかつ、接合体202の外面202Gと軸受凹所251の内面251Nとが面接触している。この構成により、軸受凹所251と接合体202との回動シャフト200の軸線E回りにおける相対回転が不可能となる。
図18に示すように、弾性リング210に形成されたシャフト挿通孔211は、接合体202を短軸Qに直交する平面で切断した切断面と略同一の楕円形状をなす。
固定リング220に形成されたシャフト挿通孔221のうち、非円形軸部101に嵌合される部分は、非円形軸部101の軸方向における断面形状と略同一の「D」字形状をなす一方、接合体202に装着される部分は、接合体202の、短軸Qに直交する平面による切断面と略同一の楕円形状をなす。また、接合体202に装着される部分の内周面221Aは、接合体202の外面202Gと面接触するように、楕円面の一部で構成されている。
ここで、図18に示すように、本実施形態の固定リング220には、接合体202が軸受凹所251内で回動シャフト200の軸線E回りに摺動回転することを禁止するための連結ピンが設けられておらず、弾性リング210及びソケット250にも、連結ピンを挿入するためのピン挿通孔及びピン連結孔は形成されていない。従って、固定リング220を装着する際に、連結ピンをピン挿通孔及びピン連結孔に挿入する手間が省け、固定リング220の回動シャフト200への装着作業が比較的容易となる。
次に作用及び効果について説明する。上記したように、接合体202が軸受凹所251内で回動シャフト200の軸線回りに摺動回転することが禁止されているので、ハンドル31が回動シャフト200の軸線E回りに回動された場合には、ハンドル31と回動シャフト200とが一体回動する。
これに対し、ハンドル31に回動シャフト200の軸線Eと直交する軸回りの力がかかると、軸受凹所251の内面251Nと接合体202の外面202Gとが摺動し、ハンドル31が回動シャフト200と直交する一の直交軸、即ち、接合体202の長軸P回りに揺動する。これにより、上記第1実施形態と同様に、ハンドル31が揺動された場合に、ハンドル31と回動シャフト200との連結部分にかかる負荷が軽減され、連結部分における不具合が防止される。
[第3実施形態]
第3実施形態のパチンコ機は、ハンドルと回動シャフトとの連結構造が上記第1及び第2実施形態とは異なる。以下、第1及び第2実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図20に示すように、本実施形態のハンドル31は、内側構成部31Bの後面(シャフト装飾部材32に対向した面)が平坦面をなしている。内側構成部31Bの中心部には、ボルト嵌合孔360が貫通形成されており、ハンドル31の前方から挿入されたボルト361の基端部が嵌合している。
回動シャフト300は、非円形軸部101の先端部に収容体301を備え、その収容体301に形成された陥没凹所302内に、前記ボルト301でハンドル31に固定された接合体310を収容している。
ここで、接合体310の外周面312は、陥没凹所302の内周面303に面接触している。また、接合体310の一方の端面311は、収容体301の前端面301Tから突出してハンドル31の後面に当接している。これにより、収容体301の前端面301Tとハンドル31の後面との間には隙間330が形成され、この隙間330に、本発明の「板状弾性体」としてのゴム製の弾性部材(図示せず)が配置されている。なお、接合体310の他方の端面311は、陥没凹所302の底面304から浮いている。
以下、接合体310及び収容体301について詳説する。
接合体310は、図22に示すように、楕円をその軸(長軸又は短軸)回りに回転してなる楕円球体を、短軸に直交しかつ長軸を挟んで対向した1対の平面で切断した構造をなす。即ち、接合体310の外周面312は、楕円を軸回りに回転した楕円面の一部で構成され、接合体310の両端面311,311は、楕円形の平坦面をなしている(図23の(a)を参照)。
ここで、図20に示すように、接合体310を長軸に直交する平面で切断した切断面(図23(a)におけるY−Y’切断面)において、外周面312は、円弧状をなす。また、図23の(b)に示すように、接合体310を短軸に直交する平面で切断した切断面(図23(a)におけるX−X’切断面)において、外周面312は楕円弧状をなす。
図20に示すように、接合体310のうち、一方の端面311の中央には、螺子孔313が形成されている。そして、接合体310のうち、螺子孔313が形成された端面311をハンドル31(詳細には、内側構成部31B)の後面に突き当てて、ハンドル31を貫通したボルト301をこの螺子孔313に螺合することで、ハンドル31と接合体310とが一体に固定されている。
次に、収容体301について説明する。収容体301は、矩形ブロック形状をなし、その中央部に、上記接合体310を収容した陥没凹所302を備える。陥没凹所302は前方(ハンドル31側)に開放しており、その内周面303は、接合体310の外周面312と略同一形状の楕円面で構成されている。これにより、陥没凹所302に収容された接合体310が、収容体301に対して回動シャフト300の軸線E回りに摺動回転することが禁止されている。
ここで、図20に示すように、陥没凹所302を、陥没凹所302の長軸に直交する平面で切断した切断面(図24(a)におけるY−Y’切断面)において、陥没凹所302の内周面303は円弧状をなす。また、図24の(b)に示すように、陥没凹所302を、陥没凹所302の短軸に直交する平面で切断した切断面(図24(a)におけるX−X’切断面)において、陥没凹所302の内周面303は楕円弧状をなす。また、陥没凹所302の底面304は、楕円形の平坦面となっている。
図20に示すように、収容体301のうち、陥没凹所302の開放端には、収容体301の前端面301Tから段付き状に陥没した段差部305が形成され、ここに保持部材320が嵌合されている。図22に示すように、保持部材320は、扁平な楕円リング状をなす。保持部材320の周方向における複数箇所(例えば、2箇所)には、固定片321が突設され、螺子により段差部305に螺子止めされている。これにより、保持部材320が、段差部305に嵌合した状態で固定されている。ここで、段差部305に嵌合された保持部材320の端面は、収容体301の前端面301Tと面一となっている。また、保持部材320の内周面は、接合体310の外面310Gに面接触するように、楕円面の一部で構成されている(図20を参照)。
次に本実施形態の作用について説明する。
接合体310は収容体301に対して回動シャフト300の軸線E回りに摺動回転することが禁止されているので、ハンドル31を回動シャフト300の軸線回りに回動操作すると、ハンドル31と回動シャフト300とが一体回動する。これにより、ハンドル31の回動操作力が発射装置70に伝達され、発射装置70に備えたねじりバネ66の捻り量が変化して、ハンドル31(回動シャフト300)の回動角度に応じた発射強度で遊技球が遊技領域R1に弾き出される。
これに対し、ハンドル31に回動シャフト300の軸線Eに直交する軸回りの力がかかった場合には、図25に示すように、接合体310の外周面312と陥没凹所302の内周面303とが摺動して、ハンドル31が揺動する。具体的には、ハンドル31が回動シャフト300と直交した接合体202の長軸P回りに揺動する。これにより、ハンドル31と回動シャフト300との連結部分にかかる負荷を軽減することができ、連結部分における破損やその他の不具合を防止できる。
また、ハンドル31が揺動したときに、収容体301とハンドル31との間で弾性部材が圧縮変形するので、回動シャフト300に対して揺動したハンドル31を、弾性部材の弾性力によって回動シャフト300に対して略直角な元の姿勢に戻すことができ、また、ハンドル31が常には一定の姿勢となるように付勢することができる。これにより、ハンドル31の回動操作がし易くなる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1〜第3実施形態では、パチンコ機に本発明を適用していたが、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に備えてもよい。
(2)前記第2実施形態では、接合体の外面及び軸受凹所の内面を、楕円面としていたが、長円面、円柱面、円錐面、その他、球面以外の回転円弧面の少なくとも一部で構成してもよい。
(3)前記第1及び第2実施形態では、軸受凹所の内面を、接合体の外面と面接触するような球面また楕円面の一部で構成していたが、例えば、図26に示すように、軸受凹所151の内面を接合体102の外面に点接触するような平坦面としてもよい。
(4)前記第1及び第2実施形態では、回動シャフトに嵌合した固定リングにより、回動シャフトとハンドルとが連結されていたが、非円形軸部101と一体回動可能でかつ非円形軸部101に直交する一の直交軸方向へ移動可能な固定リング410により、回動シャフト100とハンドル31とを連結してもよい。
具体的には、図27及び図28(a)に示すように、固定リング410に備えたシャフト挿通孔411の形状を、非円形軸部101に直交する一の直交軸方向(図27における左右方向)で非円形軸部101を挟持し、かつ、非円形軸部101に直交する他の直交軸方向(図27における上下方向)で、非円形軸部101の周面との間に隙間412が形成されるような形状とすればよい。
上記構成において、ハンドル31が回動シャフト100に直交する一の直交軸(図28における紙面に直交する軸線)回りに揺動した場合には、図28(b)に示すように弾性リング110及び固定リング410がハンドル31と一体に揺動するので、第1実施形態のように収容体150の端面が弾性リング110の端面から浮き上がることがない。
(7)前記第1実施形態では、連結ピン122を固定リング120に設けピン連結孔152を収容体150に設けていたが、連結ピンを収容体150の端面から起立させ、ピン連結孔を固定リング120に貫通形成してもよい。
(8)前記第1及び第2実施形態では、弾性リング110,210を、収容体150,250の端面と、固定リング120,220の端面との間に挟持していたが、例えば、弾性リングを、シャフト装飾部材32のカップ部26の開口端に敷設してもよい。このようにすれば、ハンドル31が揺動したときに、弾性リングがハンドル31の後面とシャフト装飾部材32の開口端との間で押圧されて弾性変形し、その弾性力により、ハンドル31を揺動姿勢から通常姿勢に戻すことができる。ここで、ハンドル31が通常姿勢のとき、即ち、ハンドル31とシャフト装飾部材32の開口端とが平行となったときに、弾性リングとハンドル31との間に隙間を設けるようにすれば、ハンドル31の回動シャフトの軸線回りへの回動がスムーズに行える。なお、このとき、ハンドル31及びシャフト装飾部材32が、本発明の「1対の弾性体挟持壁」に相当する。
[上記実施形態の構成のまとめ]
上記実施形態には、以下の(1)〜(13)の構成が含まれている。
(1)遊技球を流下させる遊技領域と、前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置と、回動位置に応じて前記発射装置の発射力を変更可能な回動シャフトと、前記回動シャフトを回動操作可能なハンドルとを備えた遊技機において、前記ハンドルと前記回動シャフトとの間には、それらハンドルと回動シャフトとを連結し、前記回動シャフトの軸回り方向に前記ハンドルと前記回動シャフトとを一体に回動させ、かつ、前記回動シャフトの軸方向と直交する軸回り方向に前記ハンドルの揺動を許容する連結手段を設けたことを特徴とする遊技機。
(2)前記連結手段には、前記ハンドル又は前記回動シャフトの発射力調節用の回動軸の回りを囲む摺動内面を有した収容体と、その収容体の内部に収容されかつ前記摺動内面に摺動可能な摺動外面を有した接合体とからなり、前記摺動内面と前記摺動外面の少なくとも一方が球面の一部で構成され、前記ハンドルを前記回動シャフトの軸方向と直交する任意の軸回りに揺動可能とする自在継手部と、前記ハンドルが受けた回動操作力を前記回動シャフトに伝達するための回動操作力伝達部とが備えられたことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記摺動内面と前記摺動外面とが、互いに略同一の球面の一部で構成されたことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記回動操作力伝達部には、前記回動シャフトに形成されかつ断面が非円形の非円形軸部と、前記非円形軸部に嵌合されて一体回動可能な一体回動リングと、前記一体回動リングと前記ハンドルとの何れか一方から他方に向かって突出したトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材が内側に挿入可能な連結孔とが備えられたことを特徴とする(2)又は(3)に記載の遊技機。
(5)前記回動操作力伝達部には、前記回動シャフトに形成されかつ断面が非円形の非円形軸部と、前記非円形軸部に一体回動可能に嵌合されかつ前記非円形軸部の軸方向と直交する方向への移動が許容された一体回動リングと、前記一体回動リングと前記ハンドルとの間を固定するための連結固定部材とを備えてなることを特徴とする請求項(2)又は(3)に記載の遊技機。
(6)遊技球を流下させる遊技領域と、前記遊技領域に遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置の発射力を調節するための回動シャフトと、前記回動シャフトを回動操作可能なハンドルとを備えた遊技機において、前記ハンドルと前記回動シャフトとの間には、それらハンドルと回動シャフトとを連結し、前記回動シャフトの軸回り方向に前記ハンドルと前記回動シャフトとを一体に回動させ、かつ、前記回動シャフトの軸方向に対して直交する一の直交軸回り方向に前記ハンドルの揺動を許容する連結手段を設けたことを特徴とする遊技機。
(7)前記連結手段は、前記ハンドル又は前記回動シャフトの発射力調節用の回動軸の回りを囲む収容体と、その収容体の内部に収容された接合体とからなり、前記収容体の内面と前記接合体の外面の少なくとも一方は、前記一の直交軸を中心軸とした楕円面、長円面、円柱面、円錐面、その他、球面以外の回転円弧面の少なくとも一部で構成されたことを特徴とする(6)に記載の遊技機。
(8)前記ハンドルを、前記回動シャフトに対して揺動可能な範囲における所定の位置に位置決めしかつ付勢する揺動角度位置決付勢手段を備えたことを特徴とする(1)乃至(7)の何れかに記載の遊技機。
(9)前記揺動角度位置決付勢手段は、前記ハンドルと、前記回動シャフト又は前記回動シャフトの周りを装飾するシャフト装飾部材とに設けられて、互いに前記回動シャフトの軸方向を向いて対向した1対の弾性体挟持壁と、前記1対の弾性体挟持壁の間に挟持された板状弾性体とを備えてなり、前記ハンドルの揺動に伴って前記1対の弾性体挟持壁の相互の角度が変わることで、前記板状弾性体が弾性変形するように構成されたことを特徴とする(8)に記載の遊技機。
(10)前記1対の弾性体挟持壁が平行になったときに、それら弾性体挟持壁と前記板状弾性体との間に隙間が形成されるように構成したことを特徴とする(9)に記載の遊技機。
(11)前記回動シャフトの周りを装飾するシャフト装飾部材と、前記シャフト装飾部材との間で前記回動シャフトの軸方向で前記ハンドルを挟んだハンドル前面装飾部材と、前記ハンドルを回動可能とした状態で、前記シャフト装飾部材と前記ハンドル前面装飾部材とを連結固定した装飾部材固定部とを備えたことを特徴とする(1)乃至(10)の何れかに記載の遊技機。
(12)前記連結手段は、前記ハンドルが、前記連結手段により前記回動シャフトに対する揺動を許容された最大揺動角度に至る前に、前記ハンドルが前記シャフト装飾部材又は前記ハンドル前面装飾部材に接触して前記ハンドルの揺動角度が制限されるようにしたことを特徴とする(11)に記載の遊技機。
(13)前記ハンドル前面装飾部材から前記ハンドル側に突出し、前記ハンドルに接触可能であると共に、突出量を変更することで前記ハンドルとの間の隙間を変更可能としたハンドル接触壁を設けたことを特徴とする(12)に記載の遊技機。