以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図39を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、後述する突出動作ユニット400や複合動作ユニット500が動作されると、それらの相対変位部材450や従動部材560の少なくとも一部がセンターフレーム86の開口部内に張り出し、開口部を介して視認可能とされる。例えば、突出動作ユニット400は、第1動作により回転位置に配置されると(図14(a)参照)、相対変位部材450の先端部分がセンターフレーム86の開口部を介して視認可能とされ、第2動作により張出位置に配置されると(図15(b)参照)、相対変位部材450の略全体がセンターフレーム86の開口部を介して視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の上方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5及び図6を参照して、ユニット収納部材300について説明する。図5及び図6は、ユニット収納部材300の正面図であり、図5では各動作ユニット400〜800が退避位置に配置された状態が、図6では突出動作ユニット400及び複合動作ユニット500が張出位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図5及び図6に示すように、ユニット収納部材300は、正面視矩形の底壁板と、その底壁部の4辺の外縁から立設される外壁板とから正面側(図5紙面手前側)が開放された箱状に形成されるユニット収納部材300を備える。ユニット収納部材300の底面板には、その中央部分に正面視矩形の開口301が開口形成され、これにより、ユニット収納部材300が正面視矩形の枠状に形成される。なお、開口301は、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
ユニット収納部材300には、その内部空間に、突出動作ユニット400、複合動作ユニット500、回転動作ユニット600、出没動作ユニット700及び張出動作ユニット800がそれぞれ収納され、これにより動作ユニット200が1ユニットとして構成される。
突出動作ユニット400は、基側変位部材440及び相対変位部材450を備え、それら両変位部材440,450を、図5に示す退避位置と図6に示す張出位置との間で動作(変位)させる。図5に示す退避位置では、基側変位部材440及び相対変位部材450が前後方向(図5紙面垂直方向)で重ねられた状態を形成することで、退避位置に必要とされるスペースを抑制する一方、図6に示す張出位置では、相対変位部材450を基側変位部材440に対してスライド変位させ、全体を大型化することで、視認性を確保して、演出効果を高める。この突出動作ユニット400の動作については、図7から図17を参照して後述する。
複合動作ユニット500は、被駆動部材550(図20及び図21参照)及び従動部材560を備え、それら両部材550,560を、図5に示す退避位置と図6に示す張出位置との間で動作(変位)させる。この場合、複合動作ユニット500は、被駆動部材550には、所定位置を回転中心とする回転運動のみを行わせる一方で、その被駆動部材550に接続される従動部材560には、直線運動と回転運動とを組み合わせた運動を行わせることで、従動部材560の軌道に変化を付与して、演出効果を高める。この複合動作ユニット500の動作については、図18から図32を参照して後述する。
回転動作ユニット600は、同心に配設される第1回転体650及び第2回転体660を備え、それら両回転体650,660を回転させることで、両者の回転を遊技者に関連付けさせやすくして、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)をそれぞれ回転させるという演出の効果を発揮させる。この回転動作ユニット600の動作については、図33から図39を参照して後述する。
また、出没動作ユニット700はスライド変位可能に形成される出没部材710を、張出動作ユニット800は、回転可能に形成される張出部材810を、それぞれ備え、それら出没部材710及び張出部材810を、図5に示す退避位置と開口301(第3図柄表示装置81、図2参照)の正面(前面)に張り出した状態となる張出位置(図示せず)との間でスライド変位または回転により動作(変位)させる。
次いで、図7から図17を参照して、突出動作ユニット400について説明する。図7は、基側変位部材440及び相対変位部材450が退避位置に配置された状態における突出動作ユニット400の正面斜視図である。図8(a)は、突出動作ユニット400の分解正面斜視図であり、図8(b)は、連結ロッド460の背面斜視図である。
なお、図7及び図8では、突出動作ユニット400とケース体410を共用する出没動作ユニット700が突出動作ユニット400に併設された状態が図示される。また、突出動作ユニット400は、開口301の下方において出没動作ユニット700を挟んで左右に一対が配設されるところ(図5及び図6参照)、これら一対の突出動作ユニット400は左右対称に形成され、その構造は実質的に同一であるので、一方(正面視右側に配設されるもの)についてのみ説明し、他方(正面視左側に配設されるもの)についての説明は省略する。
図7及び図8に示すように、突出動作ユニット400は、その背面側において骨格をなすケース体410と、そのケース体410の正面側に配設される駆動モータ420と、その駆動モータ420の回転駆動力を伝達する複数の歯車(ピニオンギヤ431、中間ギヤ432及びクランクギヤ433)と、ケース体410に回転可能に軸支される基側変位部材440と、その基側変位部材440にスライド変位可能に配設される相対変位部材450と、その相対変位部材450及びクランクギヤ433の間を連結すると共にケース体410に回転可能に軸支される連結ロッド460と、を主に備えて構成される。
ケース体410は、樹脂材料からなり、そのケース体410の正面(前面)には、複数の歯車(各ギヤ431,432,433)に対応した外形を有する収納凹部411が凹設されると共に、その収納凹部411の側方(図8(a)右側)にロッド支持軸412が、収納凹部411の下方(図8(a)下側)に基側支持軸413が、それぞれ突設される。なお、各支持軸412,413は、真鍮材料からなり、各ギヤ431〜433の回転軸と平行な姿勢で配設される。
本実施形態では、基側変位部材440及び相対変位部材450が退避位置に配置されると、後述するように、各変位部材440,450と、連結ロッド460と、各ギヤ431,432,433とが前後方向に積層される構造であるところ(図13参照)、ケース体410の正面に収納凹部411を凹設し、その収納凹部411に各ギヤ431,432,433をそれぞれ収納する構造とすることで、その分、突出動作ユニット400の前後方向の小型化を図ることができる。
駆動モータ420の駆動軸には、ピニオンギヤ431が取着され、そのピニオンギヤ431には中間ギヤ432が、中間ギヤ432にはクランクギヤ433が、それぞれ歯合される。よって、駆動モータ420の駆動軸が回転駆動され、ピニオンギヤ431が回転されると、その回転が中間ギヤ432を介して、クランクギヤ433に伝達され、クランクギヤ433が回転される。
なお、中間ギヤ432及びクランクギヤ433は、ケース体410に軸支される。また、各ギヤ431〜433は、歯が回転軸と平行に外周面に刻設される平歯車としてそれぞれ形成される。この場合、クランクギヤ433は、その正面(軸方向端面)に放射状の装飾が形成されると共に、正面部分(軸方向端面)の直径が、外周面に刻設される歯の歯先円よりも大きくされ、正面視において遊技者から歯を遮蔽可能に形成される。
クランクギヤ433の正面(軸方向端面)には、そのクランクギヤ433の回転軸から偏心した位置にクランクピン433aが突設される。クランクピン433aは、連結ロッド460に連結される部位であり、クランクギヤ433の回転軸に平行な円柱状体として形成されると共に、連結ロッド460のロッド溝463内に摺動可能に挿通される(図9及び図10参照)。これにより、クランクギヤ433が回転されると、その回転が、クランクピン433aを介して、連結ロッド460へ伝達される。
基側変位部材440及び相対変位部材450は、退避位置から張出位置へ変位されることで演出を行うための演出部材であり(図5及び図6参照)、基側変位部材440(軸支孔442)がケース体410の基側支持軸413に回転可能に軸支されると共に、基側変位部材440の正面側に相対変位部材450がスライド変位可能に配設される。
ここで、相対変位部材450には、その正面側に装飾部454が形成される。装飾部454は、相対変位部材450の正面側を装飾するための部位であり、基端側(基側変位部材440が回転される際の回転中心側、図7及び図8の下側)から先端側(基端変位部材440が回転される際の回転先端側、図7及び図8の上側)へ向かうに従って幅が狭くなる正面視先細形状に全体が形成されると共に、装飾部454の正面には、第1部分454a、第2部分454b及び第3部分454cが長手方向に沿って列設される。
これら装飾部454の第1部分454a、第2部分454b及び第3部分454cは、装飾部454全体の先細形状に対応した大きさに形成される。即ち、先端側に位置する第1部分454aよりも中間に位置する第2部分454bが、中間に位置する第2部分454bよりも基端側に位置する第3部分454cが、それぞれ外形の大きな六角形に形成される。
この場合、第1部分454a、第2部分454b及び第3部分454cは、その前後方向の位置(図5紙面垂直方向の位置)をそれぞれ異なせて配置される。具体的には、先端側に位置する第1部分454aよりも中間に位置する第2部分454bが、中間に位置する第2部分454bよりも基端側に位置する第3部分454cが、それぞれ正面(前方)側(図5紙面手前側)に配置される。
これにより、相対変位部材450の装飾部454(即ち、相対変位部材450の正面)は、基端側(基側変位部材440の回転中心側、図7及び図8の下側)から先端側(基端変位部材440の回転先端側、図7及び図8の上側)へ向かうに従ってケース体410に近接する方向へ階段状(本実施形態では3段の階段状)に下降傾斜される。
これにより、後述するように、基側変位部材440を回転させる際には(図13及び図14参照)、装飾部材480(図16及び図17参照)との接触を防止しつつ、装飾部材480の背面側を両変位部材440,450が通過する態様を可能として、演出効果の向上を図ると共に、相対変位部材450を張り出させる際には(図15参照)、装飾部454を正面(前方)に位置させ、迫力の向上を図ることができる。
なお、基側変位部材440及び相対変位部材450の詳細構成については後述する(図11及び図12参照)。
連結ロッド460は、クランクギヤ433の回転を相対変位部材450へ伝達するための長尺板状の部材であり、長手方向一端側に円形の孔として穿設される軸支孔461と、その軸支孔461と反対側となる長手方向他端側に長手方向に沿って延設される長穴として穿設される接続孔462と、それら軸支孔461及び接続孔462の間において長手方向に沿って延設される凹溝として背面側に凹設されるロッド溝463と、を備えて形成される。
連結ロッド460は、軸支孔461にケース体410のロッド支持軸412が挿通されると共に、ロッド溝463にクランクギヤ433のクランクピン433aが挿通される状態で、ケース体410に取り付けられる。また、連結ロッド460の接続孔462には、相対変位部材450の接続ピン452が挿通される(図11及び図12参照)。これにより、後述するように、クランクギヤ433の回転に伴い、ロッド支持軸412を回転中心として連結ロッド460が回転されると共に(図9及び図10参照)、その連結ロッド460の回転に伴い、基側変位部材440及び相対変位部材450が回転(第1動作)及びスライド変位(第2動作)され(図12参照)、退避位置と張出位置との間で動作(変位)される。
この場合、本実施形態では、図7に示すように、ケース体410の正面(一面)側に駆動モータ420と基側変位部材440及び相対変位部材450とがそれぞれ配設されるので、例えば、ケース体410を挟んで、正面(一面)側に基側変位部材440及び相対変位部材450が、背面(他面)側に駆動モータ420が、それぞれ配設される場合と比較して、突出動作ユニット400の前後方向における寸法の小型化を図ることができる。
更に、基側変位部材440及び相対変位部材450は、その長手方向の延長線上に駆動モータ420が位置する姿勢で、退避位置に配設されるので(図13(a)参照)、これら駆動モータ420と基側変位部材440及び相対変位部材450とを直線状に配置できる。よって、ケース体410の正面側に退避位置として必要とされるスペースを効率的に抑制できる。
また、本実施形態では、駆動モータ420の回転駆動力を基側変位部材440及び相対変位部材450へ伝達するための伝達手段を、複数の歯車(各ギヤ431〜433)及びクランクギヤ433と共にクランク機構をなす連結ロッド460から構成し、後述するように、連結ロッド460(接続孔462及びロッド溝463)とクランクギヤ433のクランクピン433a及び相対変位部材450の接続ピン452とが接続される部分が、ケース体410のロッド支持軸411及び基側支持軸412の間となる領域内に配置されるように、伝達手段(各ギヤ431〜433及び連結ロッド460)及び各支持軸411,412の配置を設定する。
これにより、基側変位部材440及び相対変位部材450が退避位置に配設された状態において、これら基側変位部材440及び相対変位部材450に対して正面視において重なる領域内に伝達手段を配設することができる。即ち、退避位置に配設された基側変位部材440及び相対変位部材450の背面側に形成されるデッドスペースを、伝達手段の配設スペースとして有効に活用できる。その結果、上述した駆動モータ420と基側変位部材440及び相対変位部材450との位置関係による効果と共に、突出動作ユニット400の前後方向および正面視における外形の小型化を相乗的に達成することができる。
次いで、図9及び図10を参照して、伝達手段(ピニオンギヤ431、中間ギヤ432、クランクギヤ433及び連結ロッド460)の動作について説明する。図9及び図10は、正面視における伝達手段を模式的に図示した正面模式図であり、図9(a)ではクランクギヤ433が第1回転位置に配置された状態が、図9(b)ではクランクギヤ433が中間回転位置に配置された状態が、図10ではクランクギヤ433が第2回転位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
なお、図9及び図10では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、各ギヤ431〜433及び連結ロッド460の形状が模式的に図示される。また、図9及び図10には、クランクギヤ433が第1回転位置、中間回転位置および第2回転位置に配置された際の連結ロッド460の中心線の位置が位置P1,Pm,P2として二点鎖線を用いて模式的に図示される。
また、図9及び図10の説明においては、図13から図15を適宜参照する。図9(a)は、図13(a)及び図13(b)に示す状態に対応し、図9(b)は、図14(a)及び図14(b)に示す状態に対応し、図10は、図15(a)及び図15(b)に示す状態に対応する。
図9(a)に示すように、このクランクギヤ433が第1回転位置に配置され、連結ロッド460が位置P1に位置する状態では、基側変位部材440が退避位置に、相対変位部材450が基準位置に、それぞれ配置される(図12(a)及び図13参照)。この状態では、クランクギヤ433のクランクピン433aが、連結ロッド460のロッド溝463における上端(ロッド支持軸412側の端部)に位置する。
よって、クランクギヤ433が第1回転位置に配置された状態では、クランクギヤ433が図9(a)左回り(反時計回り)へ回転(即ち、基側変位部材440及び相対変位部材450を張出位置から退避位置へ退避させる方向へ回転)することを、クランクピン433aをロッド溝463の上端に当接させることで、規制できる。従って、基側変位部材440及び相対変位部材450を張出位置から退避位置へ配置する際に、例えば、電気的な要因により、駆動モータ420の制御不良が発生した場合であっても、機械的な機構(クランクピン433aをロッド溝463で規制するストッパ機構)により、基側変位部材440及び相対変位部材450が退避位置を越えて変位され、これら両変位部材440,450や連結ロッド460が他の部材に衝突することを未然に回避できる。
図9(a)に示す状態からクランクギヤ433が図9(a)右回り(時計回り)に回転されると、クランクギヤ433のクランクピン433aが、連結ロッド460のロッド溝463を下端(ロッド支持軸412と反対側の端部)へ向けて摺動され、連結ロッド460がロッド支持軸412を回転中心として図9(a)右回り(時計回り)に回転される。クランクギヤ433が更に回転され、図9(b)に示すように、中間回転位置に達すると、連結ロッド460が位置Pmに位置される。この状態では、基側変位部材440が回転位置に、相対変位部材450が基準位置に、それぞれ配置される(図12(b)及び図14参照)。
図9(b)に示す状態からクランクギヤ433が図9(a)右回り(時計回り)に回転されると、クランクギヤ433のクランクピン433aが、連結ロッド460のロッド溝463を下端(ロッド支持軸412と反対側の端部)へ向けて摺動した後に上端(ロッド支持軸412側の端部)へ向けて摺動され、連結ロッド460がロッド支持軸412を回転中心として図9(a)右回り(時計回り)に回転される。これにより、クランクギヤ433が、図10に示すように、第2回転位置に達すると、連結ロッド460が位置P2に位置される。この状態では、基側変位部材440が回転位置に、相対変位部材450が張出位置に、それぞれ配置される(図12(c)及び図15参照)。
なお、このクランクギヤ433が第2回転位置に配置された場合においても、図9(a)に示す第1回転位置に配置された場合と同様に、クランクギヤ433のクランクピン433aが、連結ロッド460のロッド溝463における上端(ロッド支持軸412側の端部)に位置する。
よって、クランクギヤ433が第2回転位置に配置された状態では、クランクギヤ433が図10右回り(時計回り)へ回転(即ち、基側変位部材440及び相対変位部材450を退避位置から張出位置へ張り出させる方向へ回転)することを、クランクピン433aをロッド溝463の上端に当接させることで、規制できる。従って、基側変位部材440及び相対変位部材450を退避位置から張出位置へ配置する際に、例えば、電気的な要因により、駆動モータ420の制御不良が発生した場合であっても、機械的な機構(クランクピン433aをロッド溝463で規制するストッパ機構)により、基側変位部材440及び相対変位部材450が張出位置を越えて変位され、これら両変位部材440,450や連結ロッド460が他の部材に衝突することを未然に回避できる。
次いで、図11及び図12を参照して、基側変位部材440及び相対変位部材450の構成およびその動作について説明する。図11は、基側変位部材440及び相対変位部材450の分解背面斜視図である。
図11に示すように、基側変位部材440は、長尺板状に形成される本体部441と、その本体部411の背面に円形の孔として開口される軸支孔442と、本体部441の長手方向(図11上下方向)に沿って延設される長穴として穿設される第1スライド孔443及び第2スライド孔444と、を主に備えて形成される。
軸支孔442は、ケース体410の基側支持軸413が挿通される孔であり、かかる挿通により、基側変位部材440は、基側支持軸413を回転中心として、ケース体410に回転可能に軸支される。即ち、基側変位部材440は、後述するように、退避位置(図12(a)及び図13参照)と回転位置(図12(b)、図12(c)、図14及び図15参照)との間で回転可能に軸支される。
この場合、軸支孔442は、本体部411の長手方向中央よりも下方側であって、本体部411の幅方向中央よりも一側(張出位置側)へ偏った位置に形成される。これにより、基側変位部材440及び相対変位部材450がケース体410の外縁から所定量(所定面積)だけ張り出すために基側変位部材440に必要とされる回転角度を小さくできるので、基側変位部材440を退避位置と回転位置との間で回転させるのに必要な時間を短縮でき、その結果、基側変位部材440及び相対変位部材450の変位による演出効果を高めることができる。
相対変位部材450は、長尺板状に形成される本体部451と、その本体部の背面から突出される接続ピン452と、本体部451の長手方向(図11上下方向)に沿って所定間隔を隔てつつ配置される一対のスライドピン453と、本体部451の正面に配設される装飾部454と、を主に備えて形成される。
接続ピン452及びスライドピン453は、基側変位部材440の第1スライド孔443及び第2スライド孔444にそれぞれ摺動可能に挿通される円柱状の部位であり、かかる挿通により、相対変位部材450が基側変位部材440に対しその長手方向に沿ってスライド変位可能に配設される。即ち、相対変位部材450は、後述するように、基準位置(図12(a)、図12(b)、図13及び図14参照)と張出位置(図12(c)及び図15参照)との間でスライド変位可能に基側変位部材440に配設される。
この場合、接続ピン452は、基側変位部材440の第1スライド孔443から突出される先端側が、連結ロッド460の接続孔462に摺動可能に挿通され、かかる挿通により、相対変位部材450が連結ロッド460を介してクランクギヤ433(図8参照)に接続される。
これにより、後述するように、クランクギヤ433の回転により、ロッド支持軸412を回転中心として連結ロッド460を回転させることで(図9参照)、基側支持軸413を回転中心とした基側相対変位部材450の回転(第1動作)を実行できると共に、基側変位部材440に対する相対変位部材450のスライド変位(第2動作)を実行できる(図12参照)。
ここで、接続ピン452とスライドピン453とは、相対変位部材450の長手方向(図11上下方向)に沿って位置を違えて(間隔を隔てて)配設される。よって、相対変位部材450が基側変位部材440に連結される箇所を長手方向に分散させることができるので、基側変位部材440に対する相対変位部材450の前後方向(ケース体410に近接離間する方向)の相対変位を抑制して、スライド変位を安定させることができる。
また、接続ピン452は、スライドピン453よりも相対変位部材450の長手方向先端側(図11上側)に配置される。これにより、相対変位部材450が連結ロッド460を介してケース体410に支持される箇所を、相対変位部材450の長手方向先端側に近づけることができる。換言すると、相対変位部材450が連結ロッド460を介してケース体410に支持される箇所を、基側変位部材440の軸支孔442から長手方向先端側(図11上側)へ遠ざけることができる。その結果、相対変位部材450の先端側が前後方向(ケース体410に近接離間する方向)に揺れることを抑制しやすくできる。
即ち、基側変位部材440の長手方向基側(軸支孔442)のみがケース体410の基側支持軸413に軸支され、その基側変位部材440に相対変位部材450が配設される構造であるため、両変位部材440,450の長手方向先端側が自由端となり、第1動作の最中に先端側が前後方向に揺れやすい。この揺れは、先端側を装飾部材480と接触させるおそれを生じる。そのため、連結ロッド460を介してケース体410に支持させる位置を長手方向先端側とする構造が有効となる。
接続ピン452及びスライドピン453には、カラーCが回転自在に外嵌される。接続ピン452及びスライドピン453の外周面と第1スライド孔443及び第2スライド孔444の内周面との間にカラーCが介在されることで、これら各スライド孔443,444に沿って各ピン452,453をスムーズに摺動させることができる。また、基側変位部材440の本体部441と相対変位部材450の本体部451及び連結ロッド460との間にカラーC(詳細には、カラーCの大径のフランジ部分)が介在されることで、これら基側変位部材440と相対変位部材450及び連結ロッド460との間の対向間隔を一定に保持することができる。
なお、接続ピン452は、その先端側の端面に円板状の円板Sがねじにより締結固定されることで、連結ロッド460からの抜け止めとされ、スライドピン453は、その先端側の端面に長尺平板状のスライドガイド470がねじにより締結固定され、基側変位部材440からの抜け止めとされる。
図12は、基側変位部材440及び相対変位部材450の背面斜視図である。なお、図12(a)は、図9(a)及び図13に図示する状態(即ち、クランクギヤ433が第1回転位置に、連結ロッド460が位置P1に、それぞれ配置された状態)に対応し、図12(b)は、図9(b)及び図14に図示する状態(即ち、クランクギヤ433が中間回転位置に、連結ロッド460が位置Pmに、それぞれ配置された状態)に対応する。また、図12(c)は、図10及び図15に図示する状態(即ち、クランクギヤ433が第2回転位置に、連結ロッド460が位置P2に、それぞれ配置された状態)に対応する。
図12(a)に示すように、連結ロッド460が位置P1に位置する状態では(図9(a)及び図13参照)、基側変位部材440の基側支持軸413を回転中心とする回転位置が、ロッド支持軸412に最も近接する位置である退避位置に、相対変位部材450の基側変位部材440に対するスライド位置が、基側変位部材440からの張り出し量が最少となる位置である基準位置に、それぞれ配置される。この状態では、相対変位部材450の接続ピン452が、連結ロッド460の接続孔462における上端(ロッド支持軸412側の端部)に位置する。
図12(a)に示す状態から、クランクギヤ433(図9(a)参照)の回転により、連結ロッド460がロッド支持軸412を回転中心として図12(a)左回り(反時計回り)に回転されると、相対変位部材450の接続ピン452が、連結ロッド460の接続孔462を下端(ロッド支持軸412と反対側の端部)へ向けて摺動され、基側変位部材440及び相対変位部材450が基側支持軸413を回転中心として、基側変位部材440が相対変位部材450と共に図12(a)右回り(時計回り)に回転される(第1動作)。連結ロッド460が更に回転され、図12(b)に示すように、中間位置Pmに達すると(図9(b)及び図14参照)、基側変位部材440の回転位置が、ロッド支持軸412から最も離間した位置である回転位置に配置される。
この場合、相対変位部材450の基側変位部材440に対するスライド位置は、基準位置に維持できる。即ち、連結ロッド460のロッド支持軸412を回転中心とする図12(a)左回り(反時計回り)の回転は、相対変位部材450の接続ピン452を、連結ロッド460の接続孔462を下端へ向けて摺動させるところ、この摺動の方向が基側変位部材440に対する相対変位部材450のスライド変位の方向にほぼ沿う方向であるため、相対変位部材450を基側変位部材440に対してスライド変位させる方向への力成分を発生させない。よって、基側変位部材440に対する相対変位部材450のスライド位置を維持しつつ(基準位置からのスライド変位の発生を規制しつつ)、基側支持軸413を回転中心とする基側変位部材440の回転のみを発生させることができる。
これにより、基側変位部材440からの相対変位部材450の張り出し量が最少に維持された状態で、これら両変位部材440,450を、基側支持軸413を中心として回転させることができるので、相対変位部材450の回転先端と駆動モータ420(図7参照)や装飾部材480(図16及び図17参照)との間の離間距離を小さくすることができる。その結果、突出動作ユニット400の小型化を図ることができると共に、装飾部材480の形状を規定する際の設計の自由度を高めることができる。
図12(b)に示す状態から、クランクギヤ433(図9(b)参照)の回転により、連結ロッド460がロッド支持軸412を回転中心として図12(b)左回り(反時計回り)に回転されると、相対変位部材450の接続ピン452が、連結ロッド460の接続孔462を上端(ロッド支持軸412側の端部)へ向けて摺動された後に下端(ロッド支持軸412と反対側の端部)へ向けて摺動され、基側変位部材440に対して相対変位部材450が長手方向(第1及び第2スライド孔443,444)に沿って伸長する方向へスライド変位される(第2動作)。これにより、連結ロッド460が、図12(c)に示すように、第2位置P2に達すると(図10及び図15参照)、相対変位部材450の基側変位部材440に対するスライド位置が、基側変位部材440からの張り出し量が最大となる位置である張出位置に配置される。
この場合、基側変位部材440の回転位置は、ロッド支持軸412から最も離間した位置である回転位置に維持できる。即ち、連結ロッド460のロッド支持軸412を回転中心とする図12(b)左回り(反時計回り)の回転は、相対変位部材450の接続ピン452を、連結ロッド460の接続孔462に沿って摺動させるところ、この摺動の方向が基側変位部材440に対する相対変位部材450のスライド変位の方向にほぼ直交する方向であるため、相対変位部材450を基側変位部材440に対してスライド変位させる方向への力成分のみを発生させ、基側支持軸413を回転中心として基側変位部材440を回転させる方向への力成分を発生させない。よって、基側支持軸413を回転中心とする基側変位部材440の回転を規制しつつ、基側変位部材440に対する相対変位部材450のスライド変位のみを発生させることができる。
これにより、基側変位部材440からの相対変位部材450の張り出し量が最少に維持された状態(相対変位部材450が基準位置に維持された状態)で、基側変位部材440を退避位置から回転位置へ回転させ(第1動作)、その第1動作が完了した後に、基側変位部材440の回転は規制した状態(基側変位部材440が回転位置に維持された状態)で、相対変位部材450を基側変位部材440に対して長手方向に沿って伸長させるスライド変位(第2動作)を行うことができる。即ち、回転動作とスライド動作とを分離して、それぞれを別々の動作として2段階で行うことができるので、これら回転動作およびスライド動作が同時に行われる場合と比較して、異なる態様の動作を遊技者に明確に認識させることができ、各変位部材440,450を変位させることによる演出効果を高めることができる。
以上のように構成された突出動作ユニット400の動作について、図13から図15を参照して説明する。
図13から図15は、突出動作ユニット400の正面図である。なお、上述したように、図13(a)及び図13(b)は、図9(a)及び図12(a)に示す状態に対応し、図14(a)及び図14(b)は、図9(b)及び図12(b)に示す状態に対応し、図15(a)及び図15(b)は、図10及び図12(c)に示す状態に対応する。また、図13(b)、図14(b)及び図15(b)では、基側変位部材440及び相対変位部材450が取り外された状態が図示される。
図13から図15に示すように、突出動作ユニット400によれば、上述したように、基側変位部材440が、図13(a)に示す退避位置と図14(a)及び図15(a)に示す回転位置との間で回転可能に形成されると共に、その基側変位部材440に配設される相対変位部材450が、図13(a)及び図14(a)に示す基準位置と図15(a)に示す張出位置との間でスライド変位可能に形成され、基側変位部材440を退避位置および回転位置の間で回転させる第1動作と、相対変位部材450を基側変位部材440に対して基準位置および張出位置の間で変位させる第2動作と、がそれぞれ実行可能とされる。
これにより、図13(a)及び図14(a)に示すように、退避位置にある基側変位部材440を第1動作により回転位置へ配置し、基準位置にある相対変位部材450を第2動作により張出位置へスライド変位させる(伸長させる)ことで、図15(a)に示すように、かかる相対変位部材450を基側変位部材440から外方へ張り出させることができる。よって、その分、基側変位部材440及び相対変位部材450を全体として大きくできるので、かかる両変位部材440,450を遊技者に十分に視認させ、その演出効果を十分に発揮させることができる。
特に、本実施形態では、図14(a)に示すように、基側変位部材440を第1動作により回転位置へ配置することで、相対変位部材450の先端部分(本実施形態では、装飾部454の第1部分454aの全体)をセンターフレーム86の開口部を介して遊技者に視認させることができ、図15(a)に示すように、相対変位部材450を第2動作により張出位置に配置することで、相対変位部材450の略全体(本実施形態では打装飾部454の第3部分454aの全体)をセンターフレーム86の開口部を介して遊技者に視認させることができる。
即ち、退避位置に退避され、センターフレーム86の開口部からは視認不能とされていた相対変位部材450を、まず、回転運動(第1動作)によりセンターフレーム86の開口部に側方から登場させ、その相対変位部材450の一部のみを遊技者に視認させると共に、次いで、直線運動(第2動作)によりセンターフレーム86の開口部の中央へ向けて張り出させて、相対変位部材450の略全体を遊技者に視認させるという演出を行うことができる。よって、登場時の運動形態(回転運動)とは異なる運動形態(直線運動)により相対変位部材450の視認面積を拡大させることができ、運動形態の変化による意外性と、直線運動により視認面積が拡大されることによるスピード感と、これらが組み合わされつつ連続して行われることによる複合動作の一体感とを遊技者に感じさせることができる。その結果、相対変位部材450が単に直線運動のみによりセンターフレーム86の開口部に対して出没する形態(退避位置と張出位置とを往復する形態)では奏し得ない演出効果を得ることができる。
一方、回転位置にある基側変位部材を第1動作により図13(a)に示す退避位置へ配置する際には、図14(a)及び図15(b)に示すように、張出位置による相対変位部材450を第2動作により基準位置にスライド変位させる(短縮させる)ことで、かかる相対変位部材450の基側変位部材440からの外方への張り出しを抑制できる。よって、その分、両変位部材440,450を全体として小さくできるので、退避位置において、両変位部材440,450を収容するために必要とされるスペースを抑制できる。その結果、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。
この場合、上述したように、相対変位部材450が基側変位部材440にスライド変位可能な状態で配設され、第2動作が、図14(a)及び図15(a)に示すように、相対変位部材440を基側変位部材450に対して基準位置および張出位置の間でスライド変位させる態様であるので、例えば、第2動作が、相対変位部材440を基側変位部材450に対して回転させる態様である場合と比較して、相対変位部材440を基準位置から張出位置まで変位させるのに必要なスペースを抑制することができ、その分、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。また、第1動作による基側変位部材450の変位の態様(回転)に対して、第2動作による相対変位部材450の変位の態様(スライド変位)を、異なる態様とすることができるので、第1動作および第2動作を連続して行うことによる演出効果を高めることができる。
特に、かかる第2動作は、そのスライド変位の方向が両変位部材440,450の互いの長手方向に沿った方向とされる。即ち、基側変位部材440に対して相対変位部材450が互いの長手方向を沿わせた姿勢で配設され、それら互いの長手方向に沿った方向にスライド変位されるので、両変位部材440,450を全体として効率的に伸長および短縮させることができる。よって、図15(a)に示すように、基側変位部材440が回転位置に配置された状態では、相対変位部材450のスライド変位(伸長)により、全体として大きくすることで、両変位部材440,450を遊技者に十分に視認させることができ、その演出効果を十分に発揮させることができる。一方、図13(a)に示すように、基側変位部材440が退避位置に配置された状態では、相対変位部材450のスライド変位(短縮)により、全体として小さくすることで、両変位部材440,450を収容するために必要とされるスペースを抑制でき、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。
また、突出動作ユニット400によれば、上述したように、駆動モータ420の回転駆動力を基側変位部材440及び相対変位部材450に伝達する伝達手段が、図13(a)、図14(b)及び図15(b)に示すように、複数の歯車(ピニオンギヤ431、中間ギヤ432及びクランクギヤ433)及び連結ロッド460からなり、クランクギヤ433と共にクランク機構を構成する連結ロッド460の接続孔462を、連結ロッド460の回転中心であるロッド支持軸411と基側変位部材440の回転中心である基側支持軸412との間となる領域内において、相対変位部材450の接続ピン452に接続するので、クランクギヤ433を回転させることで、基側変位部材440及び相対変位部材450による第1動作と第2動作とを、順に実行することができる。即ち、第1動作および第2動作という異なる2の動作を1の駆動モータ420のみにより行うことができるので、部品コストを削減して、その分、製品コストを削減することができる。
この場合、伝達手段としては、連結ロッド460のロッド支持軸412側に歯車を設け、その歯車にクランクギヤ433の歯を歯合させて、連結ロッド460を回転させる構造も考えられるが、かかる構造では、クランクギヤ433及び連結ロッド460が平面内で併設され、正面視における重なり代が形成されないため、その配設に必要なスペースが嵩む。これに対し、本実施形態によれば、連結ロッド460のロッド溝463にクランクギヤ433のクランクピン433aを挿通させるので、図13(a)、図14(b)及び図15(b)に示すように、クランクギヤ433と連結リンク460とを正面視において重なり代を常に有する状態で配設でき、その重なりの分、これらクランクギヤ433及び連結リンク460の配設に必要なスペースを抑制できる。
次いで、図16及び図17を参照して、基側変位部材440が回転(第1動作)される際における相対変位部材450と装飾部材470との関係について説明する。
図16は、突出動作ユニット400の正面斜視図である。図17(a)は、図16の矢印XVIIa方向視における突出動作ユニット400の側面図であり、図17(b)は、図17(a)の部分XVIIbにおける突出動作ユニット400の部分拡大側面図である。なお、図16及び図17では、突出動作ユニット400に装飾部材480が取着された状態が図示される。但し、図面を簡素化して、理解を容易とするために、相対変位部材400との関係の説明に必要な装飾部材480のみを図示する。
図16及び図17に示すように、突出動作ユニット400には、その上方(図16上側)に装飾部材480が配設される(図5及び図6参照)。装飾部材480は、装飾用の樹脂製部材であり、光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、装飾部材480を介して(透過させて)、その装飾部材480の背面側に位置する他の部材を遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、装飾部材480は、その一部が下方(図17(b)下側)へ張り出して形成されることで、図17(b)に示すように、正面視において基側変位部材440及び相対変位部材450との間に寸法Lの重なり代を有して形成される。これにより、基側変位部材440が退避位置から回転位置へ回転(第1動作)される際には(図13及び図14参照)、基側変位部材440及び相対変位部材450の回転軌跡を、正面視において装飾部材480の一部に重ならせることができる。
即ち、装飾部材480の背面側を通過させる状態で、基側変位部材440及び相対変位部材450を変位させることができるので、装飾部材480及び両変位部材440,450を交差させる動作が実行できると共に、その交差の際に装飾部材480を透過させて両変位部材440,450を視認可能とでき、その結果、両変位部材440,450を変位させることによる演出効果を高めることができる。特に、本実施形態では、装飾部材480から離間される基板変位部材440の先端側を、装飾部材480に近い相対変位部材450の先端側よりも突出させるので、装飾部材480との接触をし難くでき、その結果、重なり代である寸法Lをより大きくすることができる。よって、交差による演出効果を高めることができる。
この場合、相対変位部材450は、上述したように、その正面側(図17(b)右側)を形成する装飾部454が、基端側(基側変位部材440の回転中心側、図17(b)下側)から先端側(基端変位部材440の回転先端側、図17(b)上側)へ向かうに従ってケース体410に近接する方向(図17(b)左側)へ階段状に傾斜される。また、相対変位部材450の背面側(図17(b)左側)に配置される基側変位部材440の先端側を、相対変位部材450の先端側よりも突出させる。よって、基側変位部材440及び相対変位部材450全体において、その先端側ほどケース体410側(背面側、図17(b)左側)へ奥まった位置に配置される形状とすることができる。
これにより、基側変位部材440が退避位置から回転位置へ回転(第1動作)される際には(図13及び図14参照)、その回転軌跡を正面視において装飾部材480と重ならせて、演出効果の向上を確保しつつ、基側変位部材440及び相対変位部材450と装飾部材480とが接触することを抑制できる。
この場合、基側変位部材440は、その長手方向一側のみが基側支持軸413により軸支され、先端側が自由端となる構造であるため(図12(a)及び図12(b)参照)、第1動作の最中に先端側が前後方向(ケース体410側へ近接離間する方向、図5紙面垂直方向)に揺れやすく、装飾部材480と接触するおそれが生じやすい。そのため、本実施形態における構成(先端側ほどケース体410側となるように傾斜する形状)が特に有効となる。
一方で、相対変位部材450は、装飾部454の全体がケース体410側に近接されるのではなく、上述したように、先端側(基端変位部材440の回転先端側、図17(b)上側)よりも基端側(基側変位部材440の回転中心側、図17(b)下側)ほど正面(前方)側(図17(b)右側)に位置する形状とされる。即ち、装飾部454は、先端側から基端側へ向かうに従ってケース体410から離間する方向(図17(b)右側)へ階段状に上昇傾斜される。
これにより、相対変位部材450が基準位置から張出位置へスライド変位(第2動作)される際には(図14及び図15参照)、相対変位部材440をより正面(前方)側(即ち、遊技者に近い側)に配置して、迫力を高めることができる。特に、本実施形態では、正面(前方)側に配置される部分(第1部分454aよりも第2部分454b、第2部分454bよりも第3部分454c)ほど外形が大きくされるので、その迫力を高める効果をより発揮させることができる。
次いで、図18から図30を参照して、複合動作ユニット500について説明する。図18及び図19は、複合動作ユニット500の正面斜視図である。なお、図18では、従動部材560が退避位置(図5参照)に配置された状態が、図19では、従動部材560が張出位置(図5参照)に配置された状態が、それぞれ図示される。
ここで、複合動作ユニット500は、開口301の上方において回転動作ユニット600を挟んで左右に一対が配設されるところ(図5及び図6参照)、これら一対の複合動作ユニット500は左右対称に形成され、その構造は実質的に同一であるので、一方(正面視右側に配設されるもの)についてのみ説明し、他方(正面視左側に配設されるもの)についての説明は省略する。
図18及び図19に示すように、複合動作ユニット500は、駆動モータ530の駆動力により被駆動部材550を変位させると共に、その被駆動部材550の変位に伴って従動部材560を従動させることで、従動部材560を図18に示す退避位置と図19に示す張出位置との間で変位させる。この場合、従動部材560は、後述するように、回転およびスライド変位により被駆動部材550に対する相対位置を変化させつつ、被駆動部材550に従動される(図27から図29参照)。
これにより、被駆動部材550が所定位置(軸部553,554)を回転中心として一定の軌道を一定の速度で回転される場合であっても、この被駆動部材550とは異なる軌道で、従動部材560を変位させることができ、その従動部材560の変位の態様に変化を与えることができる。即ち、複合動作ユニット500によれば、駆動モータ530の出力を一定に維持しつつ、従動部材560の変位の態様に変化を付与可能とされる。かかる複合動作ユニット500の詳細構成について、以下に説明する。
図20及び図21は、複合動作ユニット500の分解正面斜視図である。また、図22(a)は、被駆動部材550及び従動部材560の正面図であり、図22(b)は、図22(a)の矢印XXIIb方向視における被駆動部材550及び従動部材560の側面図である。
なお、図20は、図18に図示される複合動作ユニット500を、図21は、図19に図示される複合動作ユニット500を、それぞれ分解した状態に対応する。また、図22(a)及び図22(b)は、図18及び図20に図示された状態における被駆動部材550及び従動部材560に対応する。
図20から図22に示すように、複合動作ユニット500は、その骨格をなす表ケース体510及び背面ケース体520と、背面ケース体520の背面側に配設される駆動モータ530と、その駆動モータ530の駆動軸531に取着されるクランク部材540と、そのクランク部材540を介して駆動モータ530の駆動力が伝達されて駆動される被駆動部材550と、その被駆動部材550に相対変位可能に接続される従動部材560と、を主に備えて構成される。
正面ケース体510及び背面ケース体520は、樹脂材料から平板状に形成され、所定間隔を隔てた状態で対向配置されると共に、ねじ(図示せず)によって互いが締結固定されることで、その対向面間に内部空間が形成される収容部材として構成される。これら正面ケース体510及び背面ケース体520の内部空間(対向面間)には、被駆動部材550(介設板部552)及び従動部材560(介設板部561)とクランク部材540とがそれぞれ変位可能な状態で収容される。
正面ケース体510は、軸支孔511と、挿通孔512と、第1案内溝513とを備える。軸支孔511は、被駆動部材540の軸部553を回転可能に軸支するための正面視円形の孔である。挿通孔512は、クランク部材540のクランクピン541が挿通される開口であり、クランクピン541の往復移動を許容可能な大きさに形成される。この挿通孔512を介して、クランクピン541を被駆動部材560(駆動軸561a)に接続できる。
第1案内溝513は、従動部材560の介設板部561における第1ピン561aが挿通される開口であり、円環形状の一部を取り出した形状(即ち、円弧状に湾曲する溝状、図27(a)から図29(a)参照)に形成される。第1案内溝513の溝幅は、第1ピン561aの直径と同等または若干大きな寸法に設定され、後述するように、かかる第1案内溝513の延設方向に沿って第1ピン561aを摺動させる(案内する)ことで、介設板部561(従動部材560)の姿勢(特に、被駆動部材550に対する相対回転位置)を規定できる(図27(a)から図29(a)参照)。
背面ケース体520は、軸支孔521と、挿通孔522と、第2案内溝523と、を備える。軸支孔521は、被駆動部材540の軸部554を回転可能に軸支するための正面視円形の孔であり、上述した正面ケース体510の軸支孔511と同心に配設される。即ち、正面ケース体510及び背面ケース体520は、それらの軸支孔511,521が被駆動部材550の軸部553,554をそれぞれ軸支することで、その被駆動部材550を回転可能に軸支できる。挿通孔522は、駆動モータ530の駆動軸531が挿通される開口であり、この挿通孔522を介して、駆動モータ530の駆動軸531をクランク部材540に接続できる。
第2案内溝513は、従動部材560の介設板部561における接続軸561bが挿通される開口であり、円環形状の一部を取り出した形状(即ち、円弧状に湾曲する溝状、図27(b)から図29(b)参照)に形成される。第2案内溝523の溝幅は、接続軸561bの直径と同等または若干大きな寸法に設定され、後述するように、かかる第2案内溝523の延設方向に沿って接続軸561bを摺動させる(案内する)ことで、介設板部561(従動部材560)の姿勢(特に、被駆動部材550に対する相対スライド位置)を規定できる(図27(b)から図29(b)参照)。
駆動モータ530の駆動軸531には、上述したように、クランク部材540が取着され、そのクランク部材540には、駆動モータ530により回転駆動される際の回転軸(駆動軸531)から偏心した位置にクランクピン541が配設される。クランクピン541は、被駆動部材550の駆動溝551aに挿通される。よって、駆動モータ530の回転駆動力によりクランク部材540を回転させることで、そのクランク部材540のクランクピン541を被駆動部材550の駆動溝551aに沿って摺動させ、被駆動部材550を回転させることができる(図30から図32参照)。
被駆動部材550は、上述したように、駆動モータ530の回転駆動力により回転されると共に、その回転に伴って従動部材560を変位させるための部材であり、その軸部553,554を軸支孔511,521に軸支させることで、正面ケース体510及び背面ケース体520に回転可能に保持される。ここで、被駆動部材550の詳細構成について、図23及び図24を参照して説明する。
図23(a)は、被駆動部材550の正面図であり、図23(b)は、被駆動部材550の背面部である。図24は、図23(a)の矢印XXIV方向視における被駆動部材550の側面図である。
図23及び図24に示すように、被駆動部材550は、長尺板状の正面板部551と、その正面板部551に対して正面視略直角に交差される長尺板状の介設板部552と、それら正面板部551及び介設板部552を接続する円柱状の軸部553と、その軸部553と同心となる位置において介設板部552の背面から突設される円柱状の軸部554とを主に備えて構成される。
正面板部551は、正面ケース体510の正面に配設される部材であり(図20及び図21参照)、その一端側(軸部553が接続される側と反対側)に正面視長円状の駆動溝551aが穿設される。駆動溝551aは、クランク部材540のクランクピン541(図20及び図21参照)が挿通される開口であり、正面板部551の長手方向に沿って延設される。駆動溝551aの溝幅は、クランクピン541の直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、駆動モータ530の回転駆動力によりクランク部材540を回転させることで、そのクランクピン541を駆動溝551aに沿って摺動させることができ、これにより、軸部553,554を回転中心として被駆動部材550を回転させることができる(図30から図32参照)。
介設板部552は、正面ケース体510及び背面ケース体520の内部空間(対向面間)に配設される部材であり(図20及び図21参照)、その一端側(正面胃体部551が接続される側と反対側)に正面視長円状の接続溝552aが穿設される。接続溝552aは、従動部材560の接続軸561b(図20及び図21参照)が挿通される開口であり、介設板部552の長手方向に沿って延設される。接続溝552aの溝幅は、接続軸561bの直径と同等または若干大きな寸法に設定される。よって、接続溝552aは、接続軸561bを回転可能かつスライド変位可能に保持できる。即ち、被駆動部材550には、従動部材560が、回転可能かつスライド変位可能な状態で接続される(図27から図29参照)。
ここで、接続溝552aは、被駆動部材550が軸部553,554を回転中心として回転される際に、背面ケース体520の第2案内溝523と正面視において重なる領域を有し、かつ、その領域内に接続軸561bが配置可能となるように構成される(図27(a)から図27(c)参照)。これにより、後述するように、被駆動部材550に対する従動部材560のスライド変位を、第2案内溝523の形状(輪郭)に基づいて規定できる。
被駆動部材550は、介設板部552と軸部553,554とが樹脂材料から一体に形成される一方、これら各部552〜554とは別部材として正面板部551が樹脂材料から形成され、正面板部551の基端側(駆動溝551aが穿設される側と反対側)の背面に軸部553の軸方向端面(介設板部552と反対側の端面)を当接させて、両者をねじにより締結固定することで組み立てられる。
この場合、軸部553の軸方向端面からは4本のピン553aが突設される一方、それら4本のピン553aをそれぞれ受け入れるための孔551bが正面板部551の基端側の4箇所に穿設されており、各ピン553aが各孔551bに受け入れられた状態で組み立てられる。これにより、ねじの本数を抑制して、部品コストを削減しつつ、平板部551と介設板部552とを確実に相対回転不能とできる。
図20から図23に戻って説明する。被駆動部材550における介設板部552の接続溝552aには、上述したように、従動部材560における介設板部561の接続軸561bが挿通され、これにより、駆動部材550に対して従動部材560が相対変位(回転およびスライド変位)可能に接続される。従動部材560は、上述したように、駆動部材550の変位に伴って従動される部材であり、介設板部561の接続軸561bを、被駆動部材550における介設板部552の接続溝552aに加え、背面ケース体520の第2案内溝523に挿通させることで、正面ケース体510及び背面ケース体520に回転可能かつスライド変位可能な状態で保持される。ここで、従動部材560の詳細構成について、図25及び図26を参照して説明する。
図25(a)は、従動部材560の正面図であり、図25(b)は、従動部材560の背面部である。図26は、図25(a)の矢印XXVI方向視における従動部材560の側面図である。
図25及び図26に示すように、従動部材560は、板状の介設板部561と、装飾用の形状が正面に形成される一対の長尺状の部分を有する装飾部562と、その装飾部562の側方に連設されると共に介設板部561の背面側に接続される背面板部563とを主に備えて構成される。
介設板部561は、正面ケース体510及び背面ケース体520の内部空間(対向面間)に配設される部材であり(図20及び図21参照)、その正面には、正面ケース体510の第1案内溝513(図20及び図21参照)に挿通される第1ピン561aが突設されると共に、背面には、第1ピン561aに対して偏心する位置に接続軸561bが突設される。接続軸561bは、上述したように、被駆動部材550(介設板部552)の接続溝552aと背面ケース体520の第2案内溝523とにそれぞれ挿通される(図20及び図21参照)。
よって、被駆動部材550が軸部553,5554を回転中心として回転されると、第1ピン561aが第1案内溝513に沿って摺動(案内)されることで、介設板部561(即ち、従動部材560)がその接続軸561bを回転中心として被駆動部材550及び背面ケース体520に対して相対回転されると共に(図27(a)から図29(a)参照)、接続軸561bが第2案内溝523に沿って摺動(案内)されることで、介設板部561(即ち、従動部材560)が被駆動部材550の接続溝552aに沿う方向をスライド方向として被駆動部材550に対して相対的にスライド変位される(図27(b)から図29(b)参照)。
ここで、従動部材560の接続軸561bは、被駆動部材550(介設板部552)の接続溝552aのみに挿通させ、介設板部561に別途設けたピンを、背面ケース体520の第2案内溝523に挿通することによっても、上述した場合と同様の作用を得ることはできる。
これに対し、本実施形態では、背面ケース体520の第2案内溝523と、被駆動部材550(介設板部552)の接続溝552aとの両者に、従動部材560の接続軸561bをそれぞれ挿通させ、かかる接続軸561bに、第2案内溝523に案内されることで従動部材560の背面ケース体520に対する変位を規定する(即ち、従動部材560を被駆動部材550に対してスライド変位させる)役割と、接続溝561bに挿通されることで従動部材560を被駆動部材550に相対変位(回転かつスライド変位)可能に接続する役割との両者を兼用させる。これにより、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができると共に、構造を簡素化して、可動部材としての信頼性と耐久性の向上を図ることができる。
背面板部563は、背面ケース体520の背面に配設される正面視円形の部材であり(図20及び図21参照)、その正面(図25(a)紙面手前側面)には当接部563aが突設される。当接部563aは、背面ケース体520の背面に当接される部位であり、接続軸561bに同心の正面視円環状に形成される。即ち、背面ケース体520の背面には、背面板部563のうちのその周縁部分(当接部562aの突設先端面)のみが当接される。
このように、背面板部563に接続軸561bに同心の当接部563を設けることで、接続軸561bが第2案内溝523に沿って摺動(案内)される際に、第1ピン561a及び第1案内溝523による回転作用によって、従動部材560が接続軸561bを回転中心として背面ケース体520に対して相対回転される場合であっても(図27から図29参照)、背面ケース体520の背面に対する当接状態を一定として、支持反力が変化することを抑制できる。その結果、従動部材560を安定した状態で変位させることができる。
従動部材560は、装飾部562と背面板部563とが樹脂材料から一体に形成される一方、これら各部562,563とは別部材として介設板部561が樹脂材料から形成され、背面板部563の正面に介設板部561の接続軸561bの軸方向端面を当接させて、両者をねじにより締結固定することで組み立てられる。なお、接続軸561bの軸方向端面から突設される複数のピン561cを、背面板部563の複数の孔563bにそれぞれ受け入れることで、両者を相対回転不能に連結する構造は、上述した被駆動部材550の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図20から図22に戻って説明する。複合動作ユニット500の組み立ては、次のように行うことができる。まず、正面ケース体510の軸支孔511に被駆動部材550の軸部553を挿通させ、被駆動部材550の介設板部561及び正面板部551どうしを締結固定する。これにより、正面ケース体510に被駆動部材550を回転可能な状態で組み付けることができる。この組み付けに際しては、被駆動部材550(介設板部552)の接続溝552に、従動部材560における介設板部561の接続軸561bを事前に挿通させておく。
次いで、背面ケース体520の挿通孔522を介して、駆動モータ530の駆動軸531にクランク部材540を装着すると共に、そのクランクピン541を正面ケース体510の挿通孔512を介して被駆動部材550(正面板部551)の駆動溝551aに挿通させる。併せて、背面ケース体520の第2案内溝523に従動部材560(介設板部561)の接続軸561bを挿通させ、従動部材560の介設板部561及び背面板部563どうしを締結固定する。これにより、従動部材560を、背面ケース体520に回転可能な状態で組み付けることができると共に、被駆動部材550に回転可能かつスライド変位可能な状態で接続でき、また、クランク部材540を介して駆動モータ530の回転駆動力を被駆動部材550へ伝達可能な状態を形成できる。
その後、正面ケース体510及び背面ケース体520どうしをねじ(図示せず)により締結固定する。これにより、駆動モータ530の回転駆動力により被駆動部材550を変位させ、その被駆動部材550の変位に伴って従動部材560を変位(従動)させることが可能な状態で、複合動作ユニット500を1の装置としてユニット化できる。このように、複合動作ユニット500によれば、正面ケース体510及び背面ケース体520に対し各構成要素を順に組み付けることで、組み立て可能であるので、その組立コストを削減できるだけでなく、ユニット化できることで、ユニット収納部材300(遊技機本体、図5及び図6参照)への組み付けを容易として、パチンコ機10の製造コストの削減を図ることができる。
次いで、図27から図32を参照して、複合動作ユニット500の動作について説明する。図27(a)、図28(a)及び図29(a)は、第1案内溝513との関係を示す被駆動部材550及び従動部材560の正面模式図であり、図27(b)、図28(b)及び図29(b)は、第2案内溝523との関係を示す被駆動部材550及び従動部材560の正面模式図である。
同様に、図30(a)、図31(a)及び図32(a)は、第1案内溝513との関係を示す被駆動部材550及び従動部材560の正面模式図であり、図30(b)、図30(b)及び図30(b)は、第2案内溝523との関係を示す被駆動部材550及び従動部材560の正面模式図である。
なお、図27及び図30は、従動部材560が退避位置に配置された状態(図18及び図20に示す状態)に対応し、図29及び図32は、従動部材560が張出位置に配置された状態(図19及び図20に示す状態)に対応する。また、図28及び図31に示す状態は、従動部材560が退避位置および張出位置の間に配置された状態に対応する。
図27及び図30に示すように、従動部材560が退避位置に配置された状態では、クランク部材540のクランクピン541が駆動モータ530の駆動軸531に対して正面視右側(図30(a)右側)に位置し、これにより、被駆動部材550は、正面板部551の先端側(駆動溝551aの形成部分)を正面視右側(図30(b)右側)に傾倒させると共に、介設板部552の先端側(接続溝552aの形成部分)を上方(図30(b)上側)に持ち上げた姿勢とされる。即ち、被駆動部材550が、軸部553,554(図20及び図21参照)を回転中心とする正面視時計回り(右回り)方向への回転終端となる回転位置に配置される。
一方、従動部材560は、上述したように、被駆動部材550が介設板部552の先端側を上方へ持ち上げた姿勢とされることで、接続軸561bが第2案内溝523の上端側(図27(b)上側)へ押し上げられた姿勢とされる。即ち、従動部材560が、上下方向(図30(b)上下方向)において最も上方となる位置に配置されると共に、左右方向(図30(b)左右方向)において最も左方となる位置に配置される。また、従動部材560は、介設板部561の第1ピン561aが第1案内溝513の上端側(図27(a)左上側)に位置することで、介設板部561の先端側(第1ピン561aの配設部分)を正面視左方(図27(a)左側)へ向けた水平姿勢とされる。即ち、従動部材560が、接続軸561bを回転中心とする正面視反時計回り(左回り)方向への回転終端となる回転位置に配置される。
図27及び図30に示す従動部材560が退避位置に配置された状態から、駆動モータ530の回転駆動力により、クランク部材540が駆動軸531を回転中として正面視反時計回り(左回り)に回転されると、クランク部材540のクランクピン541が被駆動部材550の正面板部551における駆動溝551aに沿って摺動されることで、被駆動部材550が軸部553,554(図20及び図21参照)を回転中心として正面視反時計回り(左回り)方向へ回転され、図28及び図31に示すように、従動部材560が退避位置と張出位置との略中間となる位置に配置される。
図28及び図31に示すように、従動部材560が退避位置と張出位置との略中間となる位置に配置されると、被駆動部材550は、正面板部551を略直立させると共に、介設板部552を略水平とする姿勢とされる。即ち、被駆動部材550が、軸部553,554(図20及び図21参照)を回転中心とする回転可能範囲における略中間となる回転位置に配置される。
一方、従動部材560は、被駆動部材550が介設板部552を略水平とする姿勢とされることで、その介設板部552の接続溝552aによって押し下げられた接続軸561bが、第2案内溝523の中間位置に配置された姿勢とされる。即ち、従動部材560が、上下方向(図31(b)上下方向)の変位可能範における略中間となる位置に配置されると共に、左右方向(図30(b)左右方向)において最も右方となる位置に配置される。また、従動部材560は、介設板部561の第1ピン561aが第1案内溝513の略中間となる位置に配置されることで、介設板部561の先端側(第1ピン561aの配設部分)を正面視左上方(図28(a)左上側)へ向けた傾斜姿勢とされる。即ち、従動部材560が、接続軸561bを回転中心とする回転可能範囲における略中間となる回転位置に配置される。
図28及び図31に示す状態から、駆動モータ530の回転駆動力により、クランク部材540が駆動軸531を回転中として正面視反時計回り(左回り)に更に回転されると、クランク部材540のクランクピン541が被駆動部材550の正面板部551における駆動溝551aに沿って摺動されることで、被駆動部材550が軸部553,554(図20及び図21参照)を回転中心として正面視反時計回り(左回り)方向へ回転され、図29及び図32に示すように、従動部材560が張出位置に配置される。
図29及び図32に示すように、従動部材560が張出位置に配置された状態では、クランク部材540のクランクピン541が駆動モータ530の駆動軸531に対して正面視左側(図32(a)左側)に位置し、これにより、被駆動部材550は、正面板部551の先端側(駆動溝551aの形成部分)を正面視左側(図32(b)左側)に傾倒させると共に、介設板部552の先端側(接続溝552aの形成部分)を下方(図32(b)下側)に落とし込んだ姿勢とされる。即ち、被駆動部材550が、軸部553,554(図20及び図21参照)を回転中心とする正面視反時計回り(左回り)方向への回転終端となる回転位置に配置される。
一方、従動部材560は、上述したように、被駆動部材550が介設板部552の先端側を下方へ落とし込んだ姿勢とされることで、接続軸561bが第2案内溝523の下端側(図29(b)下側)へ押し下げられた姿勢とされる。即ち、従動部材560が、上下方向(図32(b)上下方向)において最も下方となる位置に配置されると共に、左右方向(図32(b)左右方向)において最も左方となる位置に配置される。また、従動部材560は、介設板部561の第1ピン561aが第1案内溝513の下端側(図29(a)右下側)に位置することで、介設板部561の先端側(第1ピン561aの配設部分)を正面視上方(図29(a)上側)へ向けた直立姿勢とされる。即ち、従動部材560が、接続軸561bを回転中心とする正面視時計回り(右回り)方向への回転終端となる回転位置に配置される。
以上のように、複合動作ユニット500によれば、駆動モータ530の回転駆動力によって被駆動部材550を変位(回転)させると、その被駆動部材550の変位に伴って、従動部材560を、被駆動部材550に対して相対変位をさせつつ、従動させることができる。即ち、被駆動部材550の変位の態様が、軸部533,554を回転中心とする回転であり、一定の軌道で変位される場合であっても、その被駆動部材550とは異なる軌道(変位の態様)で従動部材560を変位させることができる。また、かかる変位の態様の変化は、被駆動部材550に対して従動部材560が相対変位することで形成されるので、被駆動部材550を一定の速度で変位(回転)させたとしても、その被駆動部材550とは異なる軌道(変位の態様)で従動部材560を変位させることができる。その結果、駆動モータ530の出力を一定としつつ、従動部材560の変位の態様に変化を付与できる。
この場合、本実施形態では、被駆動部材550に対して従動部材560を相対変位させる手段(変位規定手段)が、正面ケース体510及び背面ケース体520の第1案内溝513及び第2案内溝523と従動部材560の第1ピン561a及び接続軸561bとにより形成される。即ち、各案内溝513,523に沿って第1ピン561a及び接続軸561bが案内されることで、各ケース体510,520に対する従動部材560の変位を規定できる。これにより、各案内溝513,523の輪郭(形状)に応じて、被駆動部材550に対する従動部材560の相対変位を形成できる。その結果、変位規定手段が案内溝とそれに案内される軸状体という機械的要素により形成でき、その構造が簡素化されるので、製品コストの削減を図ることができる。また、簡素な機械的要素を採用できることから、可動部分としての信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
また、第1案内溝513及び第2案内溝523の輪郭(形状)を設定することで、被駆動部材550に対する従動部材560の相対変位の態様を任意に設定できるので、従動部材560の変位の態様を設定する際の設計の自由度を高めることができる。その結果、従動部材560に付与可能な変位の態様のバリエーションを確保しやすくできる。
特に、本実施形態では、従動部材560が被駆動部材550に回転可能かつスライド変位可能に接続されるところ、第1案内溝513及び第1ピン561aにより構成され主に回転を規定する第1の案内構造と、第2案内溝523及び接続軸561bにより構成され主にスライド変位を規定する第2の案内構造とを設ける。これにより、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができるだけでなく、被駆動部材550に対する従動部材560の変位が複数種類(回転およびスライド変位)となる場合でも、これら各変位を第1及び第2の案内構造によってそれぞれ適切に案内することができる。その結果、従動部材560の変位を安定化させることができ、可動部材としての信頼性の向上を図ることができる。
ここで、上述した第1の案内構造は、例えば、第1案内溝513を介設板部561又は背面板部563に、第1ピン561aを正面ケース体510又は背面ケース体520に、それぞれ形成する構成でも成立する。これに対し、本実施形態では、第1案内溝513を正面ケース体510に、第1ピン561aを介設板部561に、それぞれ形成する。これにより、第1案内溝513を形成するためのスペースを確保しやすくできる。
即ち、正面ケース体510及び背面ケース体520は、被駆動部材550及び従動部材560の変位スペースを確保しつつこれら両部材550,560を保持する必要があるため、比較的大きな外形に形成せざるを得ず、その板面にデッドスペースが形成される傾向がある。よって、第1案内溝部513の形成対象を正面ケース体510とすることで、デッドスペースを有効に利用して、第1案内溝513を形成するためのスペースを十分に確保できる。その結果、第1案内溝513の輪郭(形状)や延設長さの自由度を増加させること可能となり、その分、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができる。なお、第2の案内構造についても第1の案内構造の場合と同様であるので、その説明は省略する。
また、第1の案内構造および第2の案内構造は、第1案内溝513及び第2案内溝523の両者を背面ケース体520に形成する構成でも成立する。これに対し、本実施形態では、第1案内溝513を正面ケース体510に、第2案内溝523を背面ケース体520に、それぞれ形成するので、これら第1案内溝513及び第2案内溝523を互いに相手の形成位置を考慮することなく形成することができる。
即ち、第1案内溝513及び第2案内溝523の両者を背面ケース体520に形成する場合には、これら第1案内溝513及び第2案内溝523が交差しないように形成する必要があり、その輪郭(形状)や延設長さの設計の自由度が制限される。これに対し、本実施形態によれば、第1案内溝513及び第2案内溝523の両者において、その輪郭(形状)や延設長さを相手との位置関係を考慮することなく任意に設定できるので、その設計の自由度を増加させ、その分、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができる。
次いで、図33から図39を参照して、回転動作ユニット600について説明する。図33は、回転動作ユニット600の正面斜視図である。
図33に示すように、回転動作ユニット600は、球体液晶装置670に対し、その周囲を取り囲むように正面視円環状の第1回転体650が配置されると共に、その第1回転体650の背面側に正面視円環状の第2回転体660が同心に配置され、本実施形態では、これら第1回転体650及び第2回転体660が異なる回転速度で且つ互いに逆方向へ回転される。
ここで、複数の回転体を互いに離れた位置に配置される従来品では、それら複数の回転体の回転を関連づけて遊技者に認識させることが困難であった。即ち、従来品は、各回転体が他の回転体と関わり合わずに、それぞれが独立して回転される形態であり、そのため、複数の回転体を回転させることによる演出の効果を十分に発揮させることができなかった。
これに対し、本実施形態における回転動作ユニット600によれば、球体液晶装置670を中心として、第1回転体650と第2回転体660とが同心に配置され、これら二つの回転体が異なる回転態様(回転速度および回転方向を互いに異ならせる態様)で回転されるので、これらの回転を関連づけて遊技者に認識させやすくでき、複数の回転体を回転させることによる演出の効果を発揮することができる。かかる回転動作ユニット600の詳細構成について、以下に説明する。
図34は、回転動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図35は、回転動作ユニット600の分解背面斜視図である。また、図36は、回転動作ユニット600の縦断面図である。なお、図35及び図36では、球体液晶装置670の図示が省略される。また、図36に示す断面は、第1回転体650及び第2回転体660の回転中心を含む平面により切断された回転動作ユニット600の断面に対応する。
図34から図36に示すように、回転動作ユニット600は、その骨格をなす表ケース体610及び背面ケース体620と、背面ケース体620の背面側に配設される駆動モータ630と、その駆動モータ630の回転駆動力を伝達する伝達手段としての複数の歯車(第1〜第5収納ギヤ641〜645及び正面ギヤ646)と、それら複数の歯車を介して駆動モータ630の回転駆動力が伝達されて回転される第1回転体650及び第2回転体660と、それら第1回転体650及び第2回転体660の内周側に配設される球体液晶装置670と、正面ケース体610の正面に配設される発光装置680と、を主に備えて構成される。
正面ケース体610及び背面ケース体620は、樹脂材料から平板状に形成され、所定間隔を隔てた状態で対向配置されると共に、ねじ(図示せず)によって互いが締結固定されることで、その対向面間に内部空間が形成される収容部材として構成される。これら正面ケース体610及び背面ケース体620の内部空間(対向面間)には、第1〜第5収納ギヤ641〜645と、第1回転体650の収納フランジ部653とがそれぞれ収納される。
正面ケース体610及び背面ケース体620には、正面視円形の開口611,621がそれぞれ開口形成され、これら開口611,621は、組立状態において同心に配設される。正面ケース体610の正面側には、開口611,621と同心となる位置に、筒状の筒状部612が正面(前方)へ向けて突設される。正面ケース体610は、開口611及び筒状部612の内径寸法が同一の寸法に設定され、それら開口611及び筒状部612の内周側には、第1回転体610の本体部651が回転可能に支持される。また、筒状部612の外周側には、第2回転体620が回転可能に支持される。
このように、正面ケース体610の筒状部611の内周面および外周面により、第1回転体650(本体部651)及び第2回転体660を回転可能に支持することで、これら第1回転体650及び第2回転体660の配設位置を、それぞれ正面ケース体610を基準として規定できる。よって、後述するように、第1回転体650(収納フランジ部653)及び第2回転体660のそれぞれの外周面に刻設された歯車(第1及び第2外周ギヤ653a,661a)と、正面ケース体610に配設される第2収容ギヤ642及び正面ギヤ646との間の位置関係を、正面ケース体610を基準として規定できる。その結果、両回転体650,660の両外周ギヤ653a,661aと第2収容ギヤ642及び正面ギヤ646との歯合状態を安定化させることができるので、歯車の偏摩耗を抑制できると共に駆動抵抗の抑制を図ることができる。
駆動モータ630は、その駆動軸にピニオンギヤ631が取着され、背面ケース体620の背面に装着されることで、ピニオンギヤ631を、伝達手段を構成する複数の歯車のうちの第1収納ギヤ641に歯合させる。よって、駆動モータ420の回転駆動力を、ピニオンギヤ431を介して、伝達手段(複数の歯車)へ伝達することができ、その結果、後述するように、第1回転体650及び第2回転体660をそれぞれ回転させることができる。
第1〜第5収納ギヤ641〜645及び正面ギヤ646は、上述したように、駆動モータ630の回転駆動力を第1回転体650及び第2回転体660へ伝達するための歯車群であり、歯が回転軸と平行に外周面に刻設される平歯車としてそれぞれ形成される。第1〜第5収納ギヤ641〜645は、正面ケース体610の背面側に回転可能に軸支され、直列に連結(歯合)し合うことで、第1収納ギヤ641を先頭とし第5収納ギヤ645を後尾とする1のギヤトレーン(歯車列)を形成する。
正面ギヤ646は、第5収納ギヤ645に同期回転可能な状態で、正面ケース体610の正面側に回転可能に軸支される。即ち、正面ギヤ646及び第5収納ギヤ645は、正面ケース体610を貫通して配設される回転軸の一端および他端にそれぞれ固着され、これら両ギヤ645,646と回転軸とが一体となって回転される。
このように構成される歯車群によれば、駆動モータ630が回転駆動されると、その回転駆動力がピニオンギヤ631を介して第1収容ギヤ641に伝達され、第1収容ギヤ641が回転される。第1収容ギヤ641の回転は、ギヤトレーン(歯車列)の作用により第5収容ギヤ645まで伝達され、かかる第5収容ギヤ645が回転されることで、正面ギヤ646が回転される。
ここで、後述するように、第2収容ギヤ642には、第1回転体650(収納フランジ部653)の第1外周ギヤ653aが、正面ギヤ646には、第2回転体660の第2外周ギヤ661aが、それぞれ歯合されるので、駆動モータ630の回転駆動に伴い、第1回転体650及び第2回転体660をそれぞれ回転させることができる。即ち、1の駆動モータ630の回転駆動により、2の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)を同時に回転させることができる。
この場合、本実施形態では、第2収容ギヤ642と第5収容ギヤ645との間には、偶数個のギヤ(第3及び第4収容ギヤ643,644)が介在される。よって、第5収容ギヤ645に同期回転される正面ギヤ646と第2収容ギヤ642との間の回転速度を異なるせることができるだけでなく、第2収容ギヤ642と正面ギヤ646との間の回転方向を異ならせることもできる。その結果、後述するように、第1回転体650と第2回転体660との間の回転速度および回転方向をそれぞれ異ならせることができる。
また、本実施形態では、正面ケース体610の背面側に第2収納ギヤ642を含む歯車列が、正面ケースチア610の正面側に正面ギヤが、それぞれ配設され、正面ケース体610の正面側および背面側において、それぞれ第2収納ギヤ642及び正面ギヤ646を、第1回転体650の第1外周ギヤ653a及び第2回転体660の第2外周ギヤ651aに歯合させる。よって、例えば、正面ケース体610の正面側に第2収納ギヤ642及び正面ギヤ646の両者を配置し、これら両ギヤ642,646を、第1回転体650及び第2回転体660にそれぞれ歯合させる構造と比較して、駆動モータ630の回転駆動力を第1回転体650及び第2回転体660へ伝達する伝達構造だけでなく、第1回転体650及び第2回転体660自体の構造も簡素化できる。
更に、歯車列とその歯車列のうちの第2収納ギヤ642が歯合される第1回転体650の収納フランジ部653とが、正面ケース体610の背面側に配設されることで、回転動作ユニット600を正面視する遊技者に対して、歯車列および収納フランジ部653とを正面ケース体610により遮蔽することができる。即ち、歯車列および収納フランジ部653を視認不能に遮蔽するための遮蔽構造を、別部材を設けることを必要とせず、背面ケース体610を利用して簡素に形成することができる。
第1回転体650は、球体液晶装置670の周囲を回転することで演出を行うための演出部材であり(図33参照)、本体部651と、その本体部651の軸方向一側に一体に形成される正面演出部652と、本体部651の軸方向他側(軸方向端面)にねじにより締結固定される収納フランジ部653と、を主に備える。
本体部651は、樹脂材料から円筒状に形成される部位であり、正面ケース体610における開口611及び筒状部612の内周側に挿通される。即ち、第1回転体650は、本体部651を回転軸として、正面ケース体610(開口611及び筒状部612)に回転可能に保持される。ここで、本体部651の詳細構成について、図37を参照して説明する。
図37(a)は、本体部651の背面図であり、図37(b)は、図37(a)のXXXVII部分を拡大して示す本体部651の部分拡大背面図である。なお、図37(b)では、理解を容易とするために、第1突出部651a及び第2突出部651bの直径が実際よりも拡大して模式的に図示されると共に、第1突出部651a及び第2突出部651bの各頂部がそれぞれ内接される仮想の円である仮想円ISが二点鎖線を用いて図示される。
図37(a)及び図37(b)に示すように、本体部651には、第1突出部651a及び第2突出部651bが形成されると共に、第2突出部651bに対応する位置には、オフセット部651cが形成される。
第1突出部651a及び第2突出部651bは、本体部651の外周面および内周面のそれぞれから突出して形成されると共に本体部651の軸方向(図37(a)紙面垂直方向)に沿いつつ本体部651の全長にわたって延設される部位であり(図35参照)、周方向等間隔となる複数箇所(本実施形態では合計8箇所)であって、第1突出部651aと第2突出部651bとが周方向に交互に点在して配置されて形成される。
即ち、第1突出部651aは、本体部561の板厚寸法よりも大きな直径寸法を有する断面円形の円柱状体を本体部651と軸方向を一致させた姿勢で本体部651内に埋設し、この埋設された円柱状体のうちの本体部651の外周面および内周面から突出した部分(円柱状体の一部)により形成される。第2突出部651bについても、本体部651に埋設される円柱状体の直径が第1突出部651aよりも大径とされる点を除き、第1突出部651aと同様である。
このように、本体部651の外周面および内周面から突出される第1突出部651a及び第2突出部651bが軸方向に沿って本体部651の全長にわたって延設されることで、本体部651の剛性を高めることができる。
なお、第2突出部651bは、本体部651の軸方向端面(図37(b)紙面手前側面)から更に軸方向に沿って延設される。よって、後述するように、本体部651に収納フランジ部653がねじにより締結固定される際には、第2突出部651bの軸方向への延設部分が、収納フランジ部653の前面に凹設される凹部に内嵌されることで、本体部651及び収納フランジ部653を相対回転不能に強固に結合させることができる(図36参照)。
オフセット部651cは、本体部651における第2突出部651b形成部分の近傍を、板厚寸法を保持しつつ内周側にオフセットさせた部分であり、第2突出部651bの直径の略3倍の範囲(周方向)にわたって形成される。即ち、オフセット部651cは、図37(b)に示す本体部651の軸方向視において、本体部651と同心の円弧状に湾曲される。このように本体部651にオフセット部651cが形成されることで、後述するように第2突出部651bの軸心を軸心側にオフセットさせて位置させることができると共に、本体部651全体としての剛性を高めることができる。
複数(本実施形態では4個)の第1突出部651aは、本体部651の外周面からの突出量が互いに同一に設定され、複数(本実施形態では4個)の第2突出部652bは、本体部651の外周面からの突出量が互いに同一に設定されると共に、オフセット部651cによるオフセットにより第1突出部651aの突出量とも同一とされる。複数(本実施形態では8個)の第1突出部651a及び第2突出部652bは、本体部651の外周面からの突出量がそれぞれ同一に設定される。これにより、図37(b)に示すように、第1突出部651a及び第2突出部652bの各頂部が内接する仮想円ISを、本体部651の外周側に同心に設定することができる。この場合、仮想円ISの直径寸法は、正面ケース体610における開口611及び筒状部612の内径寸法と同等の寸法または若干大きな寸法に設定される。
よって、正面ケース体610の開口611及び筒状部612の内周側に第1回転体650の本体部651が挿通された状態では、それらの接触領域を第1突出部651a及び第2突出部651bの各頂部に限定できるので、接触抵抗を抑制して、開口611及び筒状部612の内周側で本体部651をスムーズに回転させることができる。
特に、第1突出部651a及び第2突出部651bは、軸方向視円弧状(詳細には、本体部651の軸方向に直交する平面で切断した断面の形状が外方へ凸となる円弧状)に湾曲されるので、接触面積を抑制できるだけでなく、正面ケース体610の開口611及び筒状部612の内周面に対して第1及び第2突出部651a,651bの頂部を滑らかに接触させることができるので、寸法公差に起因してがたつきを有する場合であっても、開口611及び筒状部612の内周側で本体部651をよりスムーズに回転させることができる。
第1突出部651a及び第2突出部651bは、上述したように、本体部651の外周面から突出されるだけでなく、本体部651の内周面からも突出される。これにより、本体部651を樹脂金型により成形する際には、本体部651の形状を外周面側および内周面側において均一化(対称形状化)して、その成形性を確保できる。
特に、本実施形態では、図37(b)に示す本体部651の軸方向視において、第1突出部651aは、本体部651の外周面から突出して形成される部分の突出寸法と本体部651の内周面から突出して形成される部分の突出寸法とが同一とされる。同様に、第2突出部651aは、オフセット部651cの外周面から突出して形成される部分の突出寸法とオフセット部651cの内周面から突出して形成される部分の突出寸法とが同一とされる。よって、本体部651の外周面側および内周面側における形状をより均一化(対称形状化)して、その成形性を更に確保できる。
また、第2突出部651bには、その軸方向に沿って穿設される断面円形の孔が全長にわたって穿設される(図36参照)。これにより、第1突出部651aに比較して大径とされる第2突出部651bにおける肉厚寸法を他の部分(本体部651やオフセット部651c、第1突出部651aなど)と均一化でき、その結果、本体部651の成形性を確保できる。
この場合、第2突出部651bに穿設される孔の内周面にはめねじが刻設され、収納フランジ部653を締結固定するためのねじが螺合可能とされる(図36参照)。このように、ねじを締結するためのねじ締結部を、比較的大径に形成される第2突出部651bが担うことで、ねじ締結部の強度を確保できる。特に、第2突出部651bはオフセット部651cに形成される部位であり、本体部651の剛性が強化されているので、本体部651と収納フランジ部653との連結部分を第2突出部651bが担うことで、両者を強固に連結できると共に、耐久性の向上を図ることができる。
図34から図36に戻って説明する。正面演出部652は、遊技者に演出部分として視認される部位であり、本体部651の外周面から径方向外方へフランジ状に張り出して形成される。正面演出部652の正面(前面、外観形成面)には、メッキが施され、光沢のある金属を模した外観が正面演出部652に付与される。なお、正面演出部652は、光透過性の樹脂材料からなるが、メッキが施されることで、正面演出部652を透かして発光装置680(発光素子681)が遊技者に視認されることを回避できる。
正面演出部652の正面視形状は、不定形状の山(第2部分)と谷(第1部分)とが周方向に沿って繰り返される鋸刃形状に形成され、本実施形態では、16個の山(谷)が周方向不等間隔(不等ピッチ)で配設される。後述するように、第1回転体650が回転されると、正面演出部652の山と谷とが発光装置680の発光素子681の正面側(前方)を順に通過することで、遊技者に発光素子681を断続的かつ選択的に視認させることができる(図39参照)。
収納フランジ部653は、正面ケース体610及び背面ケース体620の内部空間(対向面間)に収納される部位であり、正面視円環形状に形成されると共に、正面ケース体610の筒状部612に挿通された本体部651の軸方向端面に開口611を介して締結固定される。詳細には、収納フランジ部653に挿通されたねじを、上述したように、本体部651の第2突出部651bに螺合させることで、本体部651に収納フランジ部653が締結固定される。
収納フランジ部653は、その厚み寸法が、正面ケース体610及び背面ケース体620の対向面間隔と同等の寸法または若干小さな寸法に設定されると共に、外径寸法が、正面ケース体610及び背面ケース体620における開口611,621の内径寸法よりも大きな寸法に設定される。よって、第1回転体650は、収納フランジ部653の正面または背面を正面ケース体610の背面または背面ケース体620の正面に当接させることで、その第1回転体650の軸方向位置を規定できる。
収納フランジ部653の外周面には、第1外周ギヤ653aが刻設され、この第1外周ギヤ653aには、正面ケース体610の背面に配設される上述した歯車列のうちの第2収納ギヤ642が歯合される。よって、駆動モータ630の回転駆動力により歯車列が回転されると、その回転が、第2収納ギヤ642及び第1外周ギヤ653aを介して収納フランジ部653に伝達され、第1回転体650が回転される。
このように、第1回転体650は、収納フランジ部653の外周面に第1外周ギヤ653aを刻設し、正面ケース体610の開口511に周縁に沿って配設された歯車列のうちの第2収納ギヤ642を第1外周ギヤ653aに歯合させるので、駆動モータ630の回転駆動力を第1回転体650へ伝達するための伝達構造を簡素化できる。特に、第1回転体650は、筒状に形成され、その内周側に後述する球体液晶装置670の被投射面部671が配設されるため、内周面側にスペースを確保することが困難となる。そのため、第1回転体650の外周側に上述した伝達構造を配設できることが有効となる。
また、上述したように、第1回転体650(本体部651)は、正面ケース体610の筒状部611の内周面に回転可能に支持されるので、かかる第1回転体650の配設位置を、正面ケース体610を基準として規定できる。よって、第1回転体650(収納フランジ部653)の外周面に刻設された歯車(第1外周ギヤ653a)と、正面ケース体610に配設される第2収容ギヤ642との間の位置関係を、正面ケース体610を基準として規定できる。その結果、第1回転体650の第1外周ギヤ653aと第2収容ギヤ642との歯合状態を安定化させることができるので、歯車の偏摩耗を抑制できると共に駆動抵抗の抑制を図ることができる。
第2回転体660は、第1回転体650の背面側で回転することで演出を行うための演出部材であり(図33参照)、光透過性の樹脂材料から円筒状に形成される本体部661と、その本体部661の軸方向端面に一体に形成される正面演出部662と、を主に備える。
本体部661は、その内径寸法が正面ケース体610における筒状部612の外径寸法と同等の寸法または若干大きな寸法に設定され、筒状部612の外周側に外嵌されることで(即ち、本体部661の内周側に筒状部612を挿通させることで)、正面ケース体610(筒状部612)に回転可能に保持される。
本体部661の外周面には、第2外周ギヤ661aが刻設され、この第2外周ギヤ661aには、正面ケース体610の正面に配設される上述した正面ギヤ646が歯合される。よって、駆動モータ630の回転駆動力により上述した歯車列および正面ギヤ646が回転されると、その回転が、正面ギヤ646及び第2外周ギヤ661aを介して本体部661に伝達され、第2回転体660が回転される。
このように、第2回転体660は、その外周面に第2外周ギヤ661aを刻設し、正面ケース体610の正面に配設された正面ギヤ646を第2外周ギヤ661aに歯合させるので、駆動モータ630の回転駆動力を第2回転体660へ伝達するための伝達構造を簡素化できる。特に、第2回転体650は、筒状に形成され、正面ケース体610の筒状部612に外嵌されることで回転可能の保持される構造であるため、内周面側にスペースを確保することが困難となる。そのため、第2回転体660の外周側に上述した伝達構造を配設できることが有効となる。
また、上述したように、第2回転体660は、正面ケース体610の筒状部611の外周面に回転可能に支持されるので、かかる第2回転体660の配設位置を、正面ケース体610を基準として規定できる。よって、第2回転体660の外周面に刻設された歯車(第2外周ギヤ661a)と、正面ケース体610に配設される正面ギヤ646との間の位置関係を、正面ケース体610を基準として規定できる。その結果、第2回転体660の第2外周ギヤ661aと正面ギヤ646との歯合状態を安定化させることができるので、歯車の偏摩耗を抑制できると共に駆動抵抗の抑制を図ることができる。
本体部661は、その軸方向寸法が、正面ケース体610の正面と第1回転体650の正面演出部652の背面との対向間隔と同等の寸法または若干小さい寸法に設定される。よって、第2回転体660は、本体部661の軸方向一側の端面または軸方向他側の端面を第1回転体650の正面演出部652の背面または正面ケース体610の正面に当接させることで、その第2回転体650の軸方向位置を規定できる。
なお、本体部661は、その軸方向一側の端面および軸方向他側の端面に正面凸条661b及び背面凸条661cがそれぞれ突設される。正面凸条661bは正面視円環形状に形成されると共に、背面凸条661cは正面視円環形状を複数箇所で分断した形状に形成される。これにより、第1回転体660を回転させる際には、本体部661と正面ケース610及び第2回転体650(正面演出部652)との間の摩擦抵抗を低減して、駆動モータ630の負荷を抑制できる。
正面演出部662は、第1回転体650における正面演出部652の背面側に位置し、その演出部652と共に遊技者に演出部分として視認される部位であり、本体部661の外周面から径方向外方へフランジ状に張り出して形成される。正面演出部662は、不定形状の山と谷とが周方向に沿って繰り返される鋸刃形状に形成される外周側部分662aと、その外周側部分662aの内周側における正面視円環形状の部分である内周側部分662bとを備える。
正面演出部662の正面(前面、外観形成面)には、第1回転体650の正面演出部652の場合と同様に、メッキが施される。但し、上述した第1回転体650では、正面演出部652の全面(全範囲)にメッキが施されたが、第2回転体650では、正面演出部662のうちの外周側部分662aのみにメッキが施され、内周側部分662bにはメッキは施されない。
よって、後述するように、第1回転体650における正面演出部652の山(第2部分)と谷(第1部分)とを発光装置680における発光素子681の正面側(前方)で順に通過させて、発光素子681を遊技者に断続的かつ選択的に視認させる際には、かかる発光素子681を、正面演出部662の内周側部分662b(即ち、メッキが施されていない部分)を透かして、遊技者に視認させることが可能とされる(図39参照)。
球体液晶装置670は、光透過性材料から球殻として形成される被投射面部671と、その被投射面部671の球殻の内面に映像を投射する投射装置が内部に収納されたケース体672と、を主に備え、投射装置から投射され被投射面部671の外面に透過された映像を遊技者に視認させる。組立状態では、ケース体672が背面ケース体620の背面に締結固定され、被投射面部671が、その球殻の略半分を第1回転体650の正面演出部652の正面よりも前方へ突出させた姿勢で、第1回転体650の内周側に配設される(図33参照)。
発光装置680は、正面ケースの610の筒状部612に外嵌される正面視円環形状のケース体681と、そのケース体681に収納される回路基板と、その回路基板の正面(前面)側に配設(搭載)される複数(本実施形態では12個)の発光素子682と、を主に備え、組み立て状態において、第1回転体650及び第2回転体660の正面演出部652,662の背面側に配設される。
ケース体681の正面(前面)には、発光素子682よりも大きな外形を有する開口部が周方向等間隔となる12箇所に開口形成され、それら各開口部の開口位置に対応して各発光素子682が回路基板に搭載される。即ち、発光装置680は、その正面視において、ケース体681の開口部から発光素子682が露出され、発光素子682から発光された光をケース体681の開口部を介して正面側(第1回転体650及び第2回転体660の正面演出部652,662)へ向けて照射可能とされる。
発光装置680の正面(前面)側には、上述したように、第1回転体650及び第2回転体660の正面演出部652,662が配設され、第1回転体650の正面演出部652が回転されることで、発光素子682による発光を断続的かつ選択的に遊技者に視認させることが可能とされる。ここで、発光素子682の発光を断続的かつ選択的に遊技者に視認させる構造について、図38及び図39を参照して説明する。
図38は、回転動作ユニット600の正面図であり、図38(a)及び図38(b)では、第1回転体650が互いに異なる回転位置に配置された状態が図示される。図39(a)は、図38(a)のXXXIXa−XXXIXa線における回転動作ユニット600の断面図であり、図39(b)は、図38(b)のXXXIXb−XXXIXb線における回転動作ユニット600の断面図である。
なお、図38では、第1回転体650の正面演出部652と発光装置680の発光素子682との間の位相関係を明確とするために、回転動作ユニット600のうちの第1回転体650及び発光装置680のみが図示され、図39では、第1回転体650及び第2回転体660の正面演出部652,662と発光装置680の発光素子682との径方向位置の関係を明確とするために、図38に示す第1回転体650及び発光装置680に第2回転体660が追加された分解状態が模式的に図示される。
図38及び図39に示すように、第1回転体650における正面演出部652の正面視形状が、不定形状の山(第2部分)と谷(第1部分)とが周方向に沿って繰り返される鋸刃形状に形成されるところ、発光装置680における発光素子682の配設位置は、正面演出部652における谷底よりも径方向外側(図39(a)上側)であって正面演出部652における山頂よりも径方向内側(図39(a)下側)となる径方向位置(図39(a)上下方向位置)に設定される。
この場合、第2回転体660の正面演出部662における内周側部分662bには、上述したように、正面(前面)にメッキが施されず、光を透過可能に形成されるところ、かかる内周側部分662bの形成範囲(図39において二点鎖線で示す範囲)が、第1回転体650の正面演出部652における谷底と、発光装置680の発光素子682とを含む範囲に設定される。即ち、正面視において、第1回転体650の正面演出部652における谷の部分から、第2回転体660の正面演出部662における内周側部分662bを介して(即ち、透過させて)、発光装置680の発光素子682を遊技者に視認させることができる。
また、第2回転体660の正面演出部662における外周側部分662aには、上述したように、正面(前面)にメッキが施され、光沢のある金属を模した外観が付与されるところ、かかる外周側部分662aが、第1回転体650の正面演出部652の背面側に対向して配設される。即ち、正面視において、第1回転体650の正面演出部652における谷の部分から、第2回転体660の正面演出部662における外周側部分662aを遊技者に視認させることができる。
このように、回転動作ユニット600によれば、第1回転体650の正面演出部652には、正面視において発光装置680の発光素子682に重なる領域に、山と谷とが周方向交互に形成されるので、第1回転体650の回転に伴い、その正面演出部652の山と谷とが発光素子682の前方を交互に通過することで、発光素子682の発光を、第2回転体660の正面演出部682における内周側部分662bを介して、遊技者に断続的に視認させることができる。これにより、球体液晶装置670を中心とし、その周囲において、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)をそれぞれ回転させる演出を効果的に行うことができる。
また、第2回転体660の正面演出部662における外周側部分662aには、メッキが施され、光沢のある金属を模した外観が付与されるところ、その外周側部分662aの正面(前面)側には、第1回転体650の正面演出部652が配設される。よって、上述したように、第1回転体650と第2回転体660とが互いに逆方向へ回転される際には、第1回転体650の正面演出部652における谷の部分を介して、第2回転体660の正面演出部652における外周側部分662aが、第1回転体650の正面演出部652とは逆方向へ回転される態様を遊技者に視認させることができる。
即ち、回転動作ユニット600によれば、第1回転体650を正面視する遊技者に対し、正面演出部652の山谷形状における谷底側では、発光装置680の発光素子682を断続的に視認させると共に、正面演出部652の山谷形状における山頂側では、第2回転体660の正面演出部662(外周側部分662a)が第1回転体650の正面演出部652(山谷形状)と逆方向へ回転される態様を視認させることができる。これにより、第1回転体650の回転と第2回転体660の回転とを関連付けて遊技者に認識させやすくでき、その結果、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)をそれぞれ回転させる演出を効果的に行うことができる。
更に、回転演出ユニット600によれば、上述したように、第1回転体650の正面演出部652における谷が周方向16箇所に形成される一方で、発光装置680の発光素子682が周方向12箇所に配設されるので、それら12箇所に配設された発光素子682のうちから遊技者に特定の発光素子682のみを選択的に視認させることができる。
即ち、正面演出部652における谷の周方向間隔と、発光素子682の周方向間隔とが異なる間隔とされることで、例えば、図38(a)に示す状態では、上下左右の4箇所に配設された発光素子682が視認可能とされる一方で、図38(a)に示す状態から第1回転体650(正面演出部652)が所定の回転角度だけ回転されると、図38(b)に示すように、異なる発光素子682が選択され、右上、右下、左下および左上の4箇所に配設された発光素子682が視認可能とされる。
これにより、発光装置680の発光素子682を断続的に視認させるだけでなく、視認される発光素子682の位置を周方向へ変更することができるので、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)をそれぞれ回転させる演出をより効果的に行うことができる。
図34から図36に戻って、回転動作ユニット600の全体構造について説明する。上述したように、正面ケース体610に開口611及び筒状部612が形成され、第1回転体650が本体部651及び正面演出部652に対して収納フランジ部653が別体に形成される。よって、正面ケース体610の筒状部612の外周側に第2回転体660を装着し、正面ケース体610の筒状部612の内周側に第1回転体650の本体部651を挿通すると共に、その挿通した本体部651に収納フランジ部653を締結固定した後、正面ケース体610に背面ケース体620を締結固定することで、正面ケース体610及び背面ケース体620に第1回転体650及び第2回転体660を回転可能な状態で保持させることができる。
即ち、第1回転体650は、その本体部651が正面ケース体610の開口611及び筒状部612に挿通されることで、かかる正面ケース体610に回転可能に軸支される。この場合、第1回転体650の収納フランジ部653が正面ケース体610の背面および背面ケース体620の正面にそれぞれ当接可能とされ、これにより、両ケース体610,620に対する第1回転体650の正面側(前方)および背面側(後方)への変位を規制できる。
同時に、第2回転体660は、正面ケース体610の筒状部612に外嵌されることで、かかる正面ケース体610に回転可能に軸支される。この場合、第2回転体660(正面凸条661b及び背面凸条662c)が、第1回転体650の正面演出部652の背面および発光装置680のケース体681の正面にそれぞれ当接され、これにより、両ケース体610,620に対する第2回転体660の正面側(前方)および背面側(後方)への変位を規制できる。
このように、回転動作ユニット600によれば、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)を回転可能な状態で保持可能としつつ、回転体(第1回転体650)自身が第2回転体660の変位を規制する部位を兼用するため、その分、構造の簡素化を図ることができる。また、複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)を回転可能な状態で保持可能とする保持構造を、第1回転体650の本体部651に収納フランジ部653を締結固定するのみで形成できるので、組み立て工程を簡素化できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
また、回転動作ユニット600によれば、第1回転体650が筒状に形成されると共に、背面ケース体620に開口621が形成されるので、正面ケース体610及び背面ケース体620に複数の回転体(第1回転体650及び第2回転体660)を回転可能な状態で保持させた後は、背面ケース体620の背面側から球体液晶装置670を装着して締結固定するだけで、回転動作ユニット600の組み立てを完了することができる(図33参照)。即ち、各ケース体5610,620及び各回転体650,660の組立品に対して、球体液晶装置670を別工程にて後付けすることができる。よって、この点も、組み立て工程を簡素化して、製品コストを削減することに寄与できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態における突出動作ユニット400では、基側変位部材440に対して相対変位部材450がスライド変位可能に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、基側変位部材440に対して相対変位部材450が回転可能に配設されるものであって良い。即ち、第1動作を、上記実施形態の場合と同様に、基側変位部材440を退避位置(図13参照)及び回転位置(図14参照)の間で回転させるものとし、第2動作を、相対変位部材450を基側変位部材440に対して基準位置(図14参照)及び張出位置(図15参照)の間で回転させる構成を採用しても良い。
この構成によっても、退避位置にある基側変位部材450が第1動作により回転位置へ配置されると共に、基準位置にある相対変位部材450が第2動作により張出位置へ配置されることで、両変位部材440,450全体を遊技者に十分に視認させ、その演出効果を十分に発揮させることができる一方、張出位置にある相対変位部材450が第2動作により基準位置に回転されると共に、回転位置にある基側変位部材440が第1動作により退避位置へ配置されることで、両変位部材440,450全体を小さくして、変位部材を収容するために必要とされるスペースを抑制できる。
上記実施形態における突出動作ユニット400では、基側変位部材440が退避位置に配置された状態において(図17(b)参照)、基側変位部材450の先端側が相対変位部材450の先端側よりも装飾部材480側(図17(b)上側)へ突出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これとは逆に、相対変位部材450の先端側が基側変位部材450の先端側よりも装飾部材480側(図17(b)上側)へ突出される構成を採用しても良い。
この構成によっても、両変位部材440,450の回転軌跡を装飾部材480と交差させ、その交差の際に装飾部材480を透過させて両変位部材440,450を視認させることができるので、両変位部材440,450を変位させることによる演出効果を高めることができる。更に、この構成によれば、相対変位部材450を張り出させる際には(図15参照)、正面(前方)に位置する装飾部454の面積をより拡大することができ、迫力のより一層の向上を図ることができる。
上記実施形態における複合動作ユニット500では、被駆動部材550の接続溝552aが長穴形状に形成されることで、被駆動部材550(接続溝552a)に従動部材560(接続軸561b)が回転可能かつスライド変位可能な状態で接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、接続溝552aが円形状に形成されることで、被駆動部材550(接続溝552a)に対する従動部材560(接続軸561b)のスライド変位が不能とされる構成(即ち、回転のみが許容される構成)を採用しても良い。この構成によっても、被駆動部材550の変位に伴って従動部材560を相対変位させる際に、被駆動部材550に対する従動部材560の相対的な角度を変化させることができるので、従動部材560の軌道に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
なお、この場合には、第1案内溝513及び第1ピン561aにより構成される変位規定手段を、従動部材560に接続軸561bと同心に配設される歯車とその歯車に歯合されると共に被駆動部材550の駆動軸551aを中心とする円弧に沿って形成され正面ケース体510又は背面ケース体520に配設される湾曲したラックギヤとにより構成しても良い。これにより、被駆動部材550の変位に伴って従動部材560を相対変位させる際に、歯車がラックギヤを転動することで、被駆動部材550に対する従動部材560の相対的な角度を変化させることができる。
上記実施形態における複合動作ユニット500では、第1案内溝513及び第2案内溝523が正面ケース体510及び背面ケース体520に形成されると共に、これら両案内溝513,523にそれぞれ挿通される第1ピン561a及び接続軸561bが従動部材560に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これとは逆に、第1案内溝513及び第2案内溝523を従動部材560に設けると共に、それら両案内溝513,523に挿通される部位(第1ピン561a及び接続軸561bに相当する部材)を正面ケース体510及び(又は)背面ケース体520に設ける構成を採用しても良い。この構成によっても、被駆動部材550の変位に伴って、直線運動と回転運動とを組み合わせた運動を従動部材560に行わせることができるので、かかる従動部材560の軌道に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
上記実施形態における複合動作ユニット500では、第1案内溝513が正面ケース体510に穿設(開口形成)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる第1案内溝513が例えば断面コ字状の凹溝として形成されても良い。即ち、第1案内溝513は、その延設方向に沿って第1ピン561aを案内可能な形状であれば足りる趣旨である。
上記実施形態における複合動作ユニット500では、第1案内溝513及び第2案内溝523が湾曲して延設される一方、接続溝551aが直線状に延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これとは逆に、第1案内溝513及び第2案内溝523が直線状に延設される一方、接続溝551aが湾曲して延設される構成を採用しても良い。特に、第1案内溝513及び第2案内溝523については、曲率半径が一定の円弧形状に設定される場合を説明したが、これに限られるものではなく、複数の曲率半径の円弧形状を組み合わせた形状(例えば、S字状など)を採用することは当然可能である。これにより、従動部材560の軌道をより複雑に変化させることができるので、演出効果を高めることができる。
具体的には、例えば、第1案内溝513又は第2案内溝523を円弧形状に設定する場合、その円弧形状を、被駆動部材550が軸部553,554を中心とする回転方向の回転始端または終端およびその近傍に配置される状態では、半径を基準値よりも大きくする(曲率を小さくする)ことが好ましい。即ち、第1案内溝513又は第2案内溝523における始端およびその近傍の第1範囲または終端およびその近傍の第2範囲における半径を、基準値よりも大きくする、又は、第1範囲および第2範囲の間に位置する第3範囲における半径よりも大きくすることが好ましい。これにより、停止状態にある被駆動部材550の駆動モータ530による駆動を開始する初期段階において、負荷を低減して、駆動をスムーズに開始させることができる。
或いは、従動部材560が正面ケース体510によって視認不能とされている間は、第1案内溝513又は第2案内溝523の半径を基準値よりも大きな値に設定し、従動部材560の一部が正面ケース体510の領域外に露出され(視認可能とされ)始めてから従動部材560の全体が正面ケース体510の領域外に露出される(視認可能とされる)までの間は、第1案内溝513又は第2案内溝523の半径を基準値よりも小さな値に設定しても良い。これによれば、前者の場合には、従動部材560の動作は遊技者に視認されないため、演出効果に影響を与えることなく、駆動モータ530の負荷の軽減を可能とでき、後者の場合は、正面ケース体510に従動部材560の一部が遮蔽されている範囲において、従動部材560の動きを速くできるので、正面ケース体510から従動部材560が突然現れる演出や従動部材560が正面ケース体510の背面に素早く隠れる演出を行うことができる。
或いは、従動部材560が水平姿勢(接続軸561b方向視(図30参照)において、接続軸561bを通過する水平線に対して、上下に45度傾斜する一対の仮想線により区画される範囲内に装飾部562の重心位置が位置する姿勢)にある間は、第1案内溝513又は第2案内溝523の半径を基準値よりも大きな値に設定し、従動部材560が水平姿勢を越える間は、第1案内溝513又は第2案内溝523の半径を基準値よりも小さな値に設定しても良い。これによれば、従動部材560の自重(重力の作用)を駆動モータ530の駆動力に支える必要が比較的大きい領域では、半径を大きくして、各案内溝513,514でn摩擦抵抗や従動部材560の姿勢変化による慣性力の影響を低減して、駆動モータ530の負荷を低減できる一方、従動部材560の自重(重力の作用)を駆動モータ530の駆動力に支える必要が比較的小さい領域では、半径を小さくすることで、従動部材560の動作の変化を大きくして、演出効果を高めることができる。
上記実施形態における回転動作ユニット600では、第1回転体650において、本体部651及び正面演出部652が一体とされ、収納フランジ部653が別体とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本体部651及び収納フランジ部653が一体とされ、正面演出部652が別体とされることで、第1回転体650が形成される構成を採用しても良い。この構成によっても、上記実施形態の場合と同様に、複数の回転体を回転可能に保持する構造および組み立て工程を簡素化することができ、製品コストの削減を図ることができる。
上記実施形態における回転動作ユニット600では、第2回転体660の正面演出部662における内周側部分662bが、その正面(前面)を平坦面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その正面の一部または全部を平坦面に代えて他の形状としても良い。他の形状としては、例えば、複数の凹凸を有する面、断面波形に形成される面、傾斜面、湾曲面、或いは、これらを組み合わせた面などが例示される。これら他の形状を採用した場合には、発光素子682から発光され内周側部分662bを透過する光を乱反射や屈折させることができるだけでなく、第2回転体660の回転に伴い、その乱反射や屈折の方向に動きを持たせることができるので、その演出効果を高めることができる(図39参照)。
上記実施形態における回動動作ユニット600では、第2回転体660の正面演出部662の外径寸法が正面視において正面ギヤ646の一部のみに重なる大きさに設定される場合を説明したが(図36参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、第2回転体660の正面演出部662の外径寸法を、正面視において正面ギヤ646の全体と重なる大きさに設定しても良い。これにより、正面ギヤ646を正面演出部662により遮蔽できるので、正面ギヤ646を遊技者から視認不能とするための部材を別途設けることを不要とできる。なお、正面ギヤ646を遊技者から視認不能とできれば、かかる正面ギヤ646をより大径の歯車とできるので、ギヤ比の設定の自由度を高めることができる。よって、第1回転体650に対する第2回転体660の回転の変化を大きくできる。
上記実施形態における回動動作ユニット600では、第1回転体650及び第2回転体660の停止位置についての説明を省略したが、次のように構成しても良い。即ち、第1回転体650又は第2回転体660の正面演出部652,662の少なくとも一方または両方における山の形状を、正面視において正面ギヤ646を遮蔽可能な大きさに形成し、その山の形状の部分が正面ギヤ646の正面に配置される位相位置で、第1回転体650又は第2回転体660の回転を停止させるようにしても良い。これにより、第1回転体650又は第2回転体660の回転の停止時には正面ギヤ646を遊技者から視認不能とできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<突出動作ユニット400を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力により変位される変位部材と、を備えた遊技機において、前記変位部材は、退避位置および回転位置の間を回転可能に形成される基側変位部材と、その基側変位部材に配設されると共に基準位置およびその基準位置よりも前記基側変位部材から外方へ張り出す張出位置の間を変位可能に形成される相対変位部材と、を備え、前記基側変位部材を前記退避位置および回転位置の間で回転させる第1動作と、前記相対変位部材を前記基側変位部材に対して前記基準位置および張出位置の間で変位させる第2動作と、をそれぞれ実行可能とされることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、回転可能に軸支された基端側を中心として変位部材を回転させることで演出を行う遊技機が知られている(特開2011−92634号公報(例えば、段落0175〜0189、図83参照))。この遊技機によれば、変位部材を一の方向へ回転させることで、かかる変位部材の先端側を液晶表示装置の前面となる所定位置に配置する一方、変位部材を一の方向と逆方向となる他の方向へ回転させることで、変位部材を液晶表示装置の表示領域の外(退避位置)に退避させる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、変位部材の外形が小さいと、液晶表示装置の前面となる所定位置において、変位部材を遊技者に十分に視認させることが困難となり、演出効果を十分に発揮できない一方、変位部材の外形が大きいと、表示領域の外(退避位置)に大きなスペースが必要になるという問題点があった。遊技機A1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、退避位置に必要とされるスペースを抑制しつつ、所定位置において変位部材を遊技者に十分に視認させることができる遊技機を提供することを目的とする。
即ち、遊技機A1によれば、変位部材は、退避位置および回転位置の間を回転可能に形成される基側変位部材と、その基側変位部材に配設されると共に基準位置およびその基準位置よりも基側変位部材から外方へ張り出す張出位置の間を変位可能に形成される相対変位部材とを備え、基側変位部材を退避位置および回転位置の間で回転させる第1動作と、相対変位部材を基側変位部材に対して基準位置および張出位置の間で変位させる第2動作とをそれぞれ実行可能とされるので、退避位置にある基側変位部材を第1動作により回転位置へ配置する際には、基準位置にある相対変位部材を第2動作により張出位置へ配置することで、かかる相対変位部材を基側変位部材から外方へ張り出させることができる。よって、その分、変位部材を全体として大きくできるので、回転位置において、変位部材を遊技者に十分に視認させ、その演出効果を十分に発揮させることができる。
一方、回転位置にある基側変位部材を第1動作により退避位置へ配置する際には、張出位置による相対変位部材を第2動作により基準位置に配置することで、かかる相対変位部材の基側変位部材からの外方への張り出しを抑制できる。よって、その分、変位部材を全体として小さくできるので、退避位置において、変位部材を収容するために必要とされるスペースを抑制できる。その結果、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。
なお、第2動作は、少なくとも退避位置へ配置されるまでの間(即ち、第1動作が完了するまでの間)に行われれば良い。よって、第1動作の少なくとも一部と第2動作の少なくとも一部とが重複して実行されても良い。
遊技機A1において、前記変位部材の移動平面よりも前方に配置され開口部が形成される前方部材を備え、前記基側変位部材440が第1動作により回転位置に配置されると、前記相対変位部材の少なくとも一部が前記前方部材の開口部を介して遊技者に視認可能とされ、前記相対変位部材が第2動作により張出位置に配置されると、前記相対変位部材の前記前方部材の開口部を介して遊技者に視認可能な領域が拡大されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、退避位置に退避されていた相対変位部材を、まず、回転運動(第1動作)により前方部材の開口部に登場させ、その相対変位部材の一部のみを遊技者に視認させると共に、次いで、直線運動(第2動作)により前方部材の開口部を介して遊技者が相対変位部材を視認可能な領域を拡大させるという演出を行うことができる。
遊技機A2において、前記相対変位部材は、前記基側変位部材にスライド変位可能に配設され、前記第2動作は、前記相対変位部材を前記基側変位部材に対して前記基準位置および張出位置の間でスライド変位させることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、相対変位部材は、基側変位部材にスライド変位可能に配設され、第2動作は、相対変位部材を基側変位部材に対して基準位置および張出位置の間でスライド変位させるので、例えば、第2動作が相対変位部材を基側変位部材に対して回転させる態様である場合と比較して、相対変位部材を基準位置から張出位置まで変位させるのに必要なスペースを抑制することができ、その分、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。また、第1動作による基側変位部材の変位の態様に対して、第2動作による相対変位部材の変位の態様を異ならせることができるので、第1動作および第2動作を行うことによる演出効果を高めることができる。
遊技機A3において、前記相対変位部材は、前記基側変位部材に互いの長手方向を沿わせた姿勢で配設されると共に、前記スライド変位の方向が互いの長手方向に沿った方向とされることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、相対変位部材は、基側変位部材に互いの長手方向を沿わせた姿勢で配設されると共に、そのスライド変位の方向が互いの長手方向に沿った方向とされるので、基側変位部材に対する相対変位部材の長手方向に沿ったスライド変位により変位部材を全体として伸縮させることができる。よって、回転位置においては、変位部材を、伸長により全体として大きくすることで、遊技者に十分に視認させることができ、その演出効果を十分に発揮させることができる。一方、退避位置においては、変位部材を、短縮により全体として小さくすることで、変位部材を収容するために必要とされるスペースを抑制でき、他の部品や装置を配設するためのスペースを確保することができる。
また、遊技機A4によれば、退避位置に退避されていた相対変位部材を、まず、回転運動(第1動作)により前方部材の開口部に側方から登場させ、その相対変位部材の一部のみを遊技者に視認させると共に、次いで、直線運動(第2動作)により前方部材の開口部内へ向けて張り出させて、相対変位部材を遊技者が視認可能な領域を拡大させるという演出を行うことができる。よって、登場時の運動形態(回転運動)とは異なる運動形態(直線運動)により相対変位部材の視認面積を拡大させることができ、運動形態の変化による意外性と、直線運動により視認面積が拡大されることによるスピード感と、これらが組み合わされつつ連続して行われることによる複合動作の一体感とを遊技者に感じさせることができる。その結果、相対変位部材が単に直線運動のみにより前方部材の開口部に対して出没する形態(退避位置と張出位置とを往復する形態)では奏し得ない演出効果を得ることができる。
遊技機A4において、前記駆動手段の駆動力を前記変位部材へ伝達する伝達手段を備え、前記伝達手段は、前記退避位置に配設された前記変位部材と正面視において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力を変位部材へ伝達する伝達手段を備え、その伝達手段は、退避位置に配設された変位部材と正面視において重なる位置に配設されるので、退避位置に配設された変位部材の背面側に形成されるデッドスペースを、伝達手段の配設スペースとして有効に活用できる。
遊技機A5において、前記駆動手段、伝達手段および変位部材を保持する保持部材を備え、その保持部材の一面側に前記駆動手段および変位部材が配設されると共に、前記変位部材は、その長手方向の延長線上に前記駆動手段が位置する姿勢で、前記退避位置に配設されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、保持部材の一面側に駆動手段および変位部材が配設されるので、例えば、保持部材を挟んでその一面側および他面側に駆動手段および変位部材がそれぞれ配設される場合と比較して、保持部材の一面側および他面側を結ぶ方向における寸法の小型化を図ることができる。更に、変位部材は、その長手方向の延長線上に駆動手段が位置する姿勢で退避位置に配設されるので、これら変位部材および駆動手段を直線状に配置できる。よって、退避位置として必要とされるスペースを効率的に抑制できる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を前記変位部材へ伝達する伝達手段と、その伝達手段を保持する保持部材と、を備え、前記伝達部材は、前記駆動手段の駆動力を受けて回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一側位置および他側位置の間の所定位置が軸支されると共に前記一側位置が前記保持部材に回転可能に軸支され前記他側位置が前記変位部材の相対変位部材に接続されるリンク部材と、を備え、前記回転部材が第1回転位置と中間回転位置との間で回転されると、前記リンク部材の変位に伴い前記変位部材の相対変位部材を介して前記基側変位部材が回転されることで、前記第1動作が実行され、前記回転部材が中間回転位置と第2回転位置との間で回転されると、前記リンク部材の変位に伴い前記変位部材の相対変位部材が前記基側変位部材に対して変位され、前記第2動作が実行されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、リンク部材は、回転部材の回転中心から偏心した位置に一側位置および他側位置の間の所定位置を軸支させると共に、一側位置を保持部材に回転可能に軸支させ他側位置を変位部材の相対変位部材に接続させるので、回転部材を駆動手段の駆動力により回転させることで、その回転部材の回転を、リンク部材を介して変位部材の相対変位部材に伝達することができる。この場合、回転部材を第1回転位置と中間回転位置との間で回転させると、リンク部材の変位に伴い変位部材の相対変位部材を介して基側変位部材を回転させることができ、第1動作を実行できる。一方、回転部材を中間回転位置と第2回転位置との間で回転させると、リンク部材の変位に伴い変位部材の相対変位部材を基側変位部材に対して変位させることができ、第2動作を実行できる。即ち、遊技機A6によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、第1動作および第2動作の異なる2の動作を1の駆動手段により行うことができるので、部品コストを削減して、その分、製品コストを削減できる。
また、伝達手段は、リンク部材の一側位置に歯車を設け、その歯車に回転部材の外周に設けた歯車を歯合させて、リンク部材を変位させる構造も考えられるが、かかる構造では、回転部材およびリンク部材の配設に必要なスペースが嵩む。これに対し、遊技機A6では、リンク部材の一側位置および他側位置の間の所定位置を回転部材に軸支させるので、回転部材とリンク部材とを正面視において重なる状態で配設でき、その重なりの分、回転部材およびリンク部材の配設に必要なスペースを抑制できる。
更に、伝達部材を介して、相対変位部材と保持部材とが連結されるので、相対変位部材の揺れを、保持部材の剛性を利用して、抑制することができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記第1動作により前記変位部材の基側変位部材が回転される際の前記変位部材の変位軌跡と少なくとも一部が正面視において重なる位置に配設される装飾部材を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、第1動作により変位部材の基側変位部材が回転される際には正面視において変位部材と装飾部材とを少なくとも一部で交差させることができ、演出効果を高めることができる。
遊技機A8において、前記変位部材は、前記基側変位部材の長手方向一側が前記第1動作における回転中心とされると共に、前記相対変位部材が前記基側変位部材の正面側において互いの長手方向を沿わせつつスライド変位可能に配設され、前記第2動作は、前記相対変位部材を前記基側変位部材に対して前記基準位置および張出位置の間でスライド変位させ、前記装飾部材は、前記第1動作により前記基側変位部材が回転される際の前記変位部材の回転先端側における変位軌跡と少なくとも一部が正面視において重なる位置に配設されると共に、前記第1動作により前記基側変位部材が前記回転位置に配置されると前記変位部材との正面視における重なりが非形成とされ、前記相対変位部材は、前記回転先端側よりも回転中心側が正面側に位置する形状とされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、基側変位部材の正面側に配設される相対変位部材は、回転先端側よりも回転中心側が正面側に位置する形状、即ち、回転先端側が背面側に奥まって位置する形状とされるので、第1動作により基側変位部材が回転される際には、相対変位部材と装飾部材とが接触することを抑制できる。この場合、変位部材は、基側変位部材の長手方向一側が第1動作における回転中心とされるため、自由端となる回転先端側が第1動作の最中に前後に揺れやすく、装飾部材と接触するおそれが生じやすい。そのため、遊技機A9の構成が特に有効となる。
一方、第2動作により相対変位部材を基準位置から張出位置にスライド変位させる際には、基側変位部材の正面側に配設される相対変位部材が、回転先端側よりも回転中心側が正面側に位置する形状とされることで、その分、相対変位部材をより前方(遊技者に近い側)に配置して、迫力を高めることができる。
なお、遊技機A9において、相対変位部材の回転先端側よりも相対変位部材の回転中心側が正面側に位置する形状とは、回転先端側から回転中心側までの間の形状は任意であり、例えば、階段状に変化するものであっても良く、或いは、直線状または曲線状に連続して漸次変化するものであっても良い。
遊技機A6からA9のいずれかにおいて、前記基側変位部材または相対変位部材の一方に設けられるピン部材と、前記基側変位部材または相対変位部材の他方に設けられ前記ピン部材をスライド変位可能に受け入れて前記基側変位部材に対する相対変位部材のスライド変位を可能とするスライド溝とを備え、前記リンク部材の他側位置が前記相対変位部材に接続される位置が、前記ピン部材よりも前記相対変位部材のスライド方向先端側であることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A6からA9のいずれかの奏する効果に加え、リンク部材の他側位置が相対変位部材に接続される位置が、ピン部材よりも相対変位部材のスライド方向先端側であるので、相対変位部材がリンク部材を介して保持部材に支持される箇所を、相対変位部材のスライド方向先端側に近づけることができる。換言すると、相対変位部材がリンク部材を介して保持部材に支持される箇所を、基側変位部材が保持部材に軸支される箇所から遠ざけることができる。その結果、相対変位部材が前後方向に揺れることを抑制しやすくできる。
<複合動作ユニット500を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段が発生する駆動力により駆動されて変位される被駆動部材と、その被駆動部材を変位可能に保持する保持部材と、を備えた遊技機において、前記被駆動部材に変位可能に接続される従動部材と、その従動部材の前記保持部材に対する変位を規定する変位規定手段と、を備え、前記変位規定手段により前記従動部材の前記保持部材に対する変位が規定されることで、前記駆動手段の駆動力により前記被駆動部材が変位される際に、前記従動部材が前記被駆動部材に対して相対変位されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ここで、パチンコ機等の遊技機において、駆動手段からの駆動力により、例えば、液晶表示装置の前面となる張出位置とその張出位置から液晶表示装置の表示領域外となる方向へ退避される退避位置との間で変位部材を変位させることで演出を行う遊技機が知られている(特開2011−200790号公報(例えば、段落0095、図11から図15参照))。この遊技機によれば、駆動手段の出力方向を切り替える、或いは、出力を断続的とすることで、変位部材の変位の態様に変化を付与する。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段の出力を変化させる構成であるため、制御が複雑化するという問題点を有する一方で、変位部材は、駆動手段の出力の変化に応じて、変位速度が変化されるのみであり、変位方向は一定のままであるため、変位の態様に十分な変化が付与されないという問題点があった。遊技機B1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、駆動手段の出力を一定としつつ、変位部材の変位の態様に変化を付与できる遊技機を提供することを目的とする。
即ち、遊技機B1によれば、駆動手段の駆動力により駆動されて被駆動部材が変位されると、変位規定手段により従動部材の保持部材に対する変位が規定されることで、被駆動部材の変位に伴って、その被駆動部材に対して従動部材を相対変位させつつ従動させることができる。即ち、被駆動部材が例えば直線状や円弧状の一定の軌道を変位される場合でも、その被駆動部材とは異なる軌道で従動部材を変位させることができる。また、かかる変位の態様の変化は、被駆動部材に対して従動部材が相対変位することで形成されるので、被駆動部材を一定の速度で変位させたとしても、その被駆動部材とは異なる軌道で従動部材を変位させることができる。よって、駆動手段の出力を一定としつつ、従動部材の変位の態様に変化を付与できる。
遊技機B1において、前記変位規定手段は、前記従動部材または保持部材の一方に溝状に形成される第1溝部と、その第1溝部に沿って案内されると共に前記従動部材または保持部材の他方に形成される第1被案内部と、を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、変位規定手段が第1溝部および第1被案内部を備え、第1溝部に沿って第1被案内部が案内されることで、従動部材の保持部材に対する変位を規定できる。よって、駆動手段の駆動力により駆動されて被駆動部材が変位されることで、第1溝部の輪郭(形状)に応じて、被駆動部材に対する従動部材の相対変位を形成できる。即ち、第1溝部の輪郭(形状)を設定することで、被駆動部材に対する従動部材の相対変位の態様を任意に設定できる。このように、溝状の部位(第1溝部)とその部位に案内される部位(第1被案内部)とにより変位規定手段を構成するので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ると共に、可動部分としての信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
遊技機B1又はB2において、前記従動部材は、前記被駆動部材に少なくとも回転可能な状態で接続されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2において、従動部材は、被駆動部材に少なくとも回転可能な状態で接続されるので、被駆動部材の変位に伴って従動部材を相対変位させる際には、被駆動部材に対する従動部材の相対的な角度を変化させることができ、変位の態様の変化として強い印象の変化を遊技者に認識させることができる。
遊技機B3において、前記従動部材は、前記被駆動部材に回転可能かつスライド変位可能な状態で接続されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、従動部材は、被駆動部材に回転可能かつスライド変位可能な状態で接続されるので、被駆動部材の変位に伴って従動部材を相対変位させる際には、被駆動部材に対する従動部材の相対的な角度を回転により変化させることができるだけでなく、スライド変位により両者の相対位置を変化させることも同時に行うことができ、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができる。
遊技機B4において、前記変位規定手段は、前記従動部材または保持部材の一方に溝状に形成される第2溝部と、その第2溝部に沿って案内されると共に前記従動部材または保持部材の他方に形成される第2被案内部と、を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、変位規定手段が第2溝部および第2被案内部を備え、第2溝部に沿って第2被案内部が案内されることで、従動部材の保持部材に対する変位を規定できる。よって、駆動手段の駆動力により被駆動部材が変位されることで、第2溝部の輪郭(形状)に応じて、被駆動部材に対する従動部材の相対変位を形成できる。即ち、第2溝部の輪郭(形状)を設定することで、被駆動部材に対する従動部材の相対変位の態様を任意に設定できる。特に、従動部材が被駆動部材に回転可能かつスライド変位可能に接続される場合に、第1溝部および第1被案内部の組み合わせによる案内構造と、第2溝部および第2被案内部の組み合わせによる案内構造との両者を設けることで、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができるだけでなく、被駆動部材に対する従動部材の変位可能方向が多方向となる場合でも、かかる変位を2つの案内構造によって案内できるので、変位が不安定となることを抑制して、可動部材としての信頼性の向上を図ることができる。
なお、遊技機B5においても、上述した場合と同様に、溝状の部位(第2溝部)とその部位に案内される部位(第2被案内部)とにより変位規定手段を構成するので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ると共に、可動部材としての信頼性および耐久性の向上を図ることができる。
遊技機B5において、前記第2溝部が前記保持部材に形成されると共に、前記第2被案内部が従動部材に形成され、前記被駆動部材は、前記第2被案内部が回転可能かつスライド変位可能な状態で挿通される溝状の接続溝部を備え、前記接続溝部に前記第2被案内部が挿通されることで、前記従動部材が前記被駆動部材に回転可能かつスライド変位可能な状態で接続されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第2溝部が保持部材に形成されると共に、第2被案内部が従動部材に形成され、第2被案内部が被駆動部材の接続溝部に挿通されることで、従動部材が被駆動部材に回転可能かつスライド変位可能な状態で接続されるので、第2被案内部に、第2溝部に案内されることで従動部材の保持部材に対する変位を規定する役割と、接続溝部に挿通されることで従動部材を被駆動部材に相対変位可能に接続する役割との両者を兼用させることができる。これにより、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができると共に、構造を簡素化して、可動部材としての信頼性と耐久性の向上を図ることができる。
遊技機B6において、前記保持部材は、少なくとも前記第2溝部の形成される部分が、前記被駆動部材と従動部材との間に介設され、前記従動部材は、前記保持部材の前記第2溝部の周縁に当接される当接部を備えると共に、その当接部が、前記第2被案内部に同心の円形に形成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、従動部材は、保持部材の第2溝部の周縁に当接される当接部を備え、その当接部が、第2被案内部に同心の円形に形成されるので、従動部材が保持部材(第2溝部)に対して回転される場合でも、それら当接部と保持部(第2溝部の周縁)との間の当接面積を一定として、支持反力が変化することを抑制できる。その結果、従動部材を安定した状態で変位させることができる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記保持部材は、前記駆動手段の駆動力により前記被駆動部材が変位可能であって、かつ、その被駆動部材の変位に伴って前記従動部材が変位可能となる状態で、前記駆動手段、被駆動部材および従動部材を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、保持部材は、駆動手段の駆動力により被駆動部材が変位可能であって、かつ、その被駆動部材の変位に伴って従動部材が変位可能となる状態で、駆動手段、被駆動部材および従動部材を保持可能に形成されるので、これら駆動手段、被駆動部材および従動部材が保持部材に保持された1の装置としてユニット化できる。これにより、ユニット自体を組み立てる際の製造コストやそのユニットを遊技機本体へ組み付けて遊技機を組み立てる際の製造コストの削減を図ることができる。
遊技機B8において、前記第1溝部が前記保持部材に形成されると共に、前記第1被案内部が従動部材に形成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、第1溝部が保持部材に形成されると共に、第1被案内部が従動部材に形成されるので、第1溝部を形成するためのスペースを確保しやすくできる。即ち、駆動手段、被駆動部材および従動部材を保持してユニット化するために比較的大きな外形に形成せざる得ない保持部材のデッドスペースを利用して、第1溝部を形成するためのスペースを確保できる。これにより、第1溝部の輪郭(形状)や延設長さの自由度を増加させ、その分、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができる。
遊技機B9において、前記変位規定手段は、前記保持部材に溝状に形成される第2溝部と、その第2溝部に沿って案内されると共に前記従動部材に形成される第2被案内部と、を備え、前記保持部材は、前記被駆動部材を挟んで対向する第1対向部および第2対向部を備え、前記第1対向部または第2対向部の一方に前記第1溝部が形成されると共に、前記第1対向部または第2対向部の他方に前記第2溝部が形成されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、被駆動部材を挟んで対向する保持部材の第1対向部および第2対向部のうちの一方に第1溝部が形成されると共に他方に第2溝部が形成されるので、これら第1溝部および第2溝部を相手の形成位置を考慮することなく形成することができる。即ち、第1対向部および第2対向部のうちの一方に第1溝部および第2溝部の両者を形成する場合には、これら第1溝部および第2溝部を交差しないように形成する必要があり、自由度が制限される。これに対し、遊技機B10によれば、第1溝部および第2溝部の両者において、その輪郭(形状)や延設長さを相手との位置関係を考慮することなく設定することができるので、その自由度を増加させ、その分、変位の態様に付与できる変化のバリエーションを増やすことができる。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記第1溝および第2溝の少なくとも一方は、始端または終端における半径が基準値よりも大きくされることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、停止状態にある被駆動部材の駆動手段による駆動を開始する初期段階において、負荷を低減して、その駆動をスムーズに開始させることができる。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記従動部材を視認不能に遮蔽する遮蔽部材を備え、記第1溝および第2溝の少なくとも一方は、前記従動部材の一部が前記遮蔽部材の領域外に露出され始めてから従動部材の全体が前記遮蔽部材の領域外に露出されるまでの間に対応する領域における半径が基準値よりも小さくされることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、遮蔽部材に従動部材の一部が遮蔽されている範囲において、従動部材の動きを速くできるので、遮蔽部材から従動部材が突然現れる演出や従動部材が遮蔽部材に素早く隠れる演出を行うことができる。
<回転動作ユニット600を一例とする発明の概念について>
保持部材と、その保持部材に回転可能に配設される第1回転体および第2回転体と、それら第1回転体および第2回転体に回転駆動力を付与する駆動手段と、を備えた遊技機において、前記第2回転体が、円環状に形成されると共に、前記第1回転体に対して同心に外嵌されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数の回転体を回転させることで演出を行うものがある(特開2011−30847号公報(例えば、段落0162、図42から図46参照))。この遊技機によれば、左右に離れて配置される複数の回転体をそれぞれ同一方向へ同期して回転させ、演出に統一感を持たせる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の回転体が左右に離れて配置されるため、互いの回転を関連付けて遊技者に認識させることが困難であり、複数の回転体を回転させることによる演出の効果を十分に発揮させることができないという問題点があった。遊技機C1は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、複数の回転体の回転を互いに関連付けて遊技者に認識させやすくして、複数の回転体を回転させることによる演出の効果を十分に発揮させることができる遊技機を提供することを目的とする。
即ち、遊技機C1によれば、第2回転体が、円環状に形成されると共に、第1回転体に対して同心に外嵌されるので、これら第1回転体と第2回転体とを同心に回転させることができる。これにより、第1回転体の回転と第2回転体の回転とを関連付けて遊技者に認識させやすくでき、その結果、複数の回転体をそれぞれ回転させることによる演出の効果を十分に発揮させることができる。
遊技機C1において、前記第1回転体が筒状に形成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第1回転体が筒状に形成されるので、第1回転体の内周側に演出部材などを配設することができる。これにより、演出部材の周囲を取り囲む第1回転体と、更にその第1回転体の周囲を取り囲む第2回転体とを、演出部材を中心として、それぞれ回転させるという演出を行うことができる。その結果、複数の回転体をそれぞれ回転させるという演出をより効果的に行うことができる。
遊技機C1又はC2において、前記第1回転体は、前記保持部材に挿通される本体部と、その本体部の軸方向一側において外方へフランジ状に張り出す一側フランジ部と、その一側フランジ部とは反対側となる軸方向他側において外方へ張り出すと共に前記保持部材を挟んで前記一側フランジ部と対向される他側フランジ部と、を備え、前記第2回転体は、前記第1回転体の本体部に外嵌され、前記第1回転体の一側フランジ部と保持部材との間に配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1回転体が、保持部材に挿通される本体部と、その本体部の軸方向一側および他側にそれぞれ形成され保持部材を挟んで対向する一側フランジ部および他側フランジ部と、を備え、第2回転体が、第1回転体の本体部に外嵌され、第1回転体の一側フランジ部と保持部材との間に配設されるので、保持部材による第1回転体および第2回転体の保持構造を簡素化することができる。
即ち、上記構成によれば、第1回転体の本体部が保持部材に挿通されるので、第1回転体を保持部材によって回転可能に保持できる。また、第1回転体の他側フランジ部が保持部材に当接されることで、第1回転体の軸方向一方への変位を規制でき、第1回転体の一側フランジ部が第2回転体に当接され、その第2回転体が保持部材に当接されることで、第1回転体の軸方向他方への変位を規制できる。
更に、第2回転体が第1回転体の本体部に外嵌されるので、第1回転体の本体部を介して、第2回転体を保持部材に回転可能に保持できる。また、第2回転体が第1回転体の一側フランジ部に当接され、その第1回転体の他側フランジ部が保持部材に当接されることで、第2回転体の軸方向一方への変位を規制でき、第2回転体が保持部材に当接されることで、第2回転体の軸方向他方への変位を規制できる。
遊技機C3において、前記保持部材に配設されると共に前記駆動手段の回転駆動力を前記第1回転体および第2回転体にそれぞれ伝達する第1歯車および第2歯車を備え、前記第1回転体および第2回転体には、前記第1歯車および第2歯車が歯合される歯車がそれぞれ外周面に刻設されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、保持部材に配設されると共に駆動手段の回転駆動力を第1回転体および第2回転体にそれぞれ伝達する第1歯車および第2歯車を備え、第1回転体および第2回転体には、第1歯車および第2歯車が歯合される歯車がそれぞれ外周面に刻設されるので、これら第1歯車および第2歯車を介して駆動手段の回転駆動力を第1回転体および第2回転体へ伝達する構造を簡素化できる。特に、第1回転体の本体部を筒状に形成し、その本体部の内周側に演出部材などを配設する場合に、第1回転体および第2回転体の外周面に第1歯車および第2歯車に歯合させる構造が有効となる。
遊技機C4において、前記保持部材の一側に前記第2歯車が配設されると共に前記保持部材の前記一側と反対側となる他側に前記第1歯車が配設され、前記第1歯車が前記第1回転体の他側フランジ部の外周面に刻設された歯車に歯合されると共に、前記第2歯車が前記第2回転体の外周面に刻設された歯車に歯合されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、保持部材の一側に第2歯車が配設されると共に保持部材の前記一側と反対側となる他側に第1歯車が配設され、第1歯車が第1回転体の他側フランジ部の外周面に刻設された歯車に歯合されると共に、第2歯車が第2回転体の外周面に刻設された歯車に歯合されるので、例えば、保持部材の一側において第1歯車および第2歯車の両者を第1回転体および第2回転体にそれぞれ歯合させる場合と比較して、第1歯車および第2歯車を介して駆動手段の回転駆動力を第1回転体および第2回転体へ伝達する構造を簡素化できる。
また、第1歯車とその第1歯車が歯合される第1回転体の他側フランジ部とが、第1回転体の一側フランジ部および本体部と第2回転体とが配設される保持部材の一側と反対側となる他側に配設されることで、保持部材の一側を正面視する遊技者に対して、第1歯車と第1回転体の他側フランジ部とを保持部材により遮蔽することができる。即ち、第1歯車と第1回転体の他側フランジ部とを視認不能に遮蔽する構造を、保持部材を利用して簡素化することができる。
遊技機C4又はC5のいずれかにおいて、前記駆動手段の回転駆動力を前記第1歯車へ伝達する第1伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力を前記第2歯車へ伝達する第2伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、駆動手段の回転駆動力を第1歯車および第2歯車へそれぞれ伝達する第1伝達手段および第2伝達手段を備えるので、第1回転体および第2回転体を1の駆動手段によって回転させることができる。この場合、駆動手段の回転駆動力を、第1歯車へは第1伝達手段により、第2歯車へは第2伝達手段により、それぞれ別の伝達経路によって伝達することができる。よって、それぞれの伝達経路ごとに、例えば、歯車の個数や減速比を設定することで、1の駆動手段により2の回転体を回転させる場合であっても、それら2の回転体(第1回転体および第2回転体)の回転態様を異ならせることができる。その結果、複数の回転体をそれぞれ回転させるという演出をより効果的に行うことができる。
遊技機C4からC6のいずれかにおいて、前記保持部材は、筒状に形成されると共に前記一側へ突出される筒状部を備え、その保持部材の筒状部の内周側に前記第1回転体の本体部が、前記保持部材の筒状部の外周側に前記第2回転体が、それぞれ回転可能に配設されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C4からC6のいずれかの奏する効果に加え、保持部材が、筒状に形成されると共に一側へ突出される筒状部を備え、その保持部材の筒状部の内周側に第1回転体の本体部が、保持部材の筒状部の外周側に第2回転体が、それぞれ回転可能に配設されるので、第2回転体を、保持部材の筒状部を介して第1回転体の本体部に外嵌させることができる。即ち、第1回転体のみでなく、第2回転体も保持部材に保持させることができる。これにより、第1回転体および第2回転体の配設位置を、それぞれ保持部材を基準として規定できるので、第1回転体および第2回転体のそれぞれの外周面に刻設された歯車と、保持部材に配設される第1歯車および第2歯車との間の位置関係を、保持部材を基準として規定できる。よって、第1回転体および第2回転体のそれぞれの外周面に刻設された歯車と第1歯車および第2歯車との歯合を安定化させることができる。その結果、歯車の偏摩耗を抑制できると共に駆動抵抗の抑制を図ることができる。
遊技機C7において、前記第1回転体は、前記本体部の外周面から突出され前記本体部の軸方向に延設されると共に周方向に所定間隔を隔てて点在される複数の突出部を備えることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、第1回転体の本体部が、本体部の外周面から突出され本体部の軸方向に延設されると共に周方向に所定間隔を隔てて点在される複数の突出部を備えるので、第1回転体の本体部と保持部材の筒状部との間の接触領域を突出部に限定して、第1回転体の本体部を保持部材の筒状部の内周側でスムーズに回転させることができる。
なお、突出部は、本体部の軸方向に直交する平面で切断した断面の形状が外方へ凸となる円弧状に湾曲されることを好ましい。保持部材の筒状部の内周面との間の接触面積を抑制して、第1回転体の本体部を保持部材の筒状部の内周側で、よりスムーズに回転させることができるからである。
遊技機C8において、前記第1回転体の本体部は、筒状に形成され、前記第1回転体は、前記本体部の内周面から突出され前記本体部の軸方向に延設されると共に前記突出部と同位相となる位置に配設される複数の内側突出部を備えることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、第1回転体の本体部が筒状に形成され、第1回転体が、本体部の内周面から突出され本体部の軸方向に延設されると共に突出部と同位相となる位置(即ち、突出部が形成される領域の裏面側)に配設される複数の内側突出部を備えるので、第1回転体の本体部を樹脂金型により成形する際には、その第1回転体の本体部の形状を、外周面側および内周面側において均一化(対称形状化)して、その成形性を確保することができる。
遊技機C9において、前記第1回転体は、前記本体部が軸方向に分割されると共に、それら分割された部分どうしがねじにより締結固定され、前記ねじが前記突出部に対応する位置に締結されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、第1回転体は、本体部が軸方向に分割されると共に、それら分割された部分どうしがねじにより締結固定され、ねじが突出部に対応する位置に締結される、即ち、ねじを締結するためのねじ締結部を突出部が兼ねるので、ねじ締結部の強度を確保できる。
遊技機C1からC10のいずれかにおいて、前記保持部材の一側であって、正面視において前記第1回転体または第2回転体の少なくとも一方の回転軌跡に重なる位置に配設され発光可能に形成される発光手段を備えることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C1からC10のいずれかにおいて、保持部材の一側であって、正面視において第1回転体または第2回転体の少なくとも一方の回転軌跡に重なる位置に配設される発光手段を備えるので、第1回転体と第2回転体とを同心に回転させる際に、それら第1回転体または第2回転体の少なくとも一方の回転軌跡上で発光手段による発光を遊技者に視認させることができる。即ち、発光手段による発光と重なる位置において、第1回転体および第2回転体をそれぞれ回転させるという演出を行うことができ、その結果、複数の回転体をそれぞれ回転させるという演出をより効果的に行うことができる。
遊技機C11において、前記第1回転体または第2回転体の少なくとも一方には、回転軌跡が正面視において前記発光手段に重なる領域に、前記発光手段が視認可能に形成される第1部分と前記発光手段が視認不能に形成される第2部分とが周方向交互に配設されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、第1回転体または第2回転体の少なくとも一方には、回転軌跡が正面視において発光手段に重なる領域に、発光手段が視認可能に形成される第1部分と発光手段が視認不能に形成される第2部分とが周方向交互に配設されるので、第1回転体および第2回転体が回転される際には、第1部分および第2部分が発光手段の前方を交互に通過することで、発光手段の発光を遊技者に断続的に視認させることができる。即ち、第1回転体および第2回転体をそれぞれ回転させつつ、その回転に発光手段の断続的な発光を関連づけるという演出を行うことができ、その結果、複数の回転体をそれぞれ回転させるという演出をより効果的に行うことができる。
遊技機A1からA8,B1からB10,C1からC12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB10,C1からC12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB10,C1からC12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。