JP2009189263A - 豚肉の熟成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】豚肉の長期にわたる熟成を、腐敗を生じさせずに行なうことができるようにすることを課題とし、しかも、その際に、真空包装処理といった手間の掛かる処理を行なわずに済むようにすることを課題とする。
【解決手段】豚肉の表面に食用植物と糖類との混合物の発酵組成物を水で希釈した希釈液を塗布したうえで拭き取り、その後、−1.5±0.5℃の温度条件で庫内に7日〜40日間おく。
【選択図】なし

Description

本発明は豚肉の熟成方法に関する。
動物は死ぬと間もなく筋肉(骨格筋)が硬くなる。これは死後硬直と称されているものである。しかし、さらに時がたつと軟らかくなる。この軟らかくなるときの生化学的変化は、筋肉中の蛋白質分解酵素によると考えられる。食肉の場合は、このように軟らかくすることで美味になり、このようになることは「熟成」と称されている。
豚肉は、死後硬直の後、通常12時間ほどで解硬もしくは硬直融解の状態になり、熟成により完全に解硬すれば、と畜直後の軟らかさまで戻る。豚肉のみならず食肉一般は、と畜後の死後硬直の状態でも食することが可能であるが、通常は熟成させたものが食肉として市販されている。豚肉の場合は、一般的には、0〜2℃の条件で3〜7日位の熟成期間をとることが行なわれている。それ以上熟成すると、腐敗が始まって、食用に供することができなくなる。
このため、たとえば7日を超える長期間にわたって熟成すればよりいっそう美味になると予想できる場合であっても、現実的にはそれ以上の長期の熟成を行なうことは困難である。
このような課題を解決するために、たとえば特許文献1には、豚肉の腐敗を防止するために真空包装を施して、4℃で10日〜30日間貯蔵することが提案されている。
特開平8−98644号公報([0006])
本発明は、豚肉の長期にわたる熟成を、腐敗を生じさせずに行なうことができるようにすることを課題とし、しかも、その際に、真空包装処理といった手間の掛かる処理を行なわずに済むようにすることを課題とする。
この課題を解決するために本発明は、豚肉の表面に食用植物と糖類との混合物の発酵組成物を水で希釈した希釈液を塗布したうえで拭き取り、その後、−1.5±0.5℃の温度条件で庫内に7日〜40日間おくことを特徴とする。
このようにすると、理由は定かではないが、豚肉を、腐敗を起こすことなしに、従来よりも長期にわたって、具体的には10日以上、好ましくは30日以上にわたって、熟成することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、次の通りである。
まず、食用植物と糖類との混合物の発酵組成物を準備する。本発明者は、発酵組成物として、万田発酵社から市販されている商品名「万田酵素」を用いることによって、良好な結果を得ている。同社のパンフレットによると、この「万田酵素」は、黒糖類をベースに、果実類、根菜類、穀類、海藻類を使用し、3年3ケ月以上をかけて発酵、熟成を繰り返したものとのことである。この発酵組成物の詳細は、特許第2979432号明細書に記載されている。
豚肉を熟成する際には、まず、と畜後3日以内の豚肉、例えばロース肉を、肉塊の状態のまま、庫内温度を0℃に調整された冷蔵庫に24時間保管する。
また、上述の発酵組成物(「万田酵素」)のたとえば1グラムを1リットルの水に希釈した希釈液を用意する。この希釈の度合いは、上記のように1グラムを1リットルの水に希釈したものが最良であるが、0.35〜2グラムを1リットルの水に希釈したものでも所望の効果を得ることができる。0.35グラム未満では、所望の効果を得ることができない。また2グラムを超えて使用しても、効果に差が無く無駄である。
次に、冷蔵庫から豚肉を取り出し、その表面全体に適量の希釈液を塗布し、その後しばらくしてから、濡れた状態で無くなるように、ペーパータオルなどを用いて液を軽く拭き取る。塗布の方法としては、スプレーすることが好適である。あるいは、スプレーする代わりに、希釈液中に豚肉を浸漬させたうえで取り出しても良い。
このように希釈液で処理した豚肉を、その後に紙で包み、乾燥をふせぐための袋に入れて、熟成庫の中に入れる。熟成庫は、庫内温度を−1.5±0.5℃に調整する。そして、このように温度調整した熟成庫の中に豚肉をおいて、7日〜40日間経過させる。すなわち、この期間を熟成期間とする。熟成期間を30日以上とすると、きわめて美味な豚肉を得ることができる。希釈液で処理することで、真空包装などの特別の手段を講じなくても、豚肉を、腐敗させずに、長期にわたって熟成させることができる。
なお、庫内温度は、上述のように、−1.5±0.5℃、すなわち−2〜−1℃の範囲とすることが必要である。−2℃よりも低温であると、豚肉の凍結が起こる。反対に−1℃よりも高温であると、豚肉内に残留していた血液から腐敗が起こり始める。
豚肉の表面に塗布された希釈液が、この豚肉の熟成に際して具体的にどのように作用するのかについては、明らかではない。すなわち、どのような理由によって、豚肉が腐敗せずに熟成が行なわれるのかについては、明らかではない。
しかし、何らかの理由によって、外因による微生物の繁殖が抑制されるためと推察することができる。また、豚肉内に残留していた血液や体液が肉内の自由水と混合した状態で処理前に肉の表面付近に現れるが、それを除去することができるためと推察することができる。
上記のようにして、豚肉を、腐敗させずに、たとえば30日以上の長期にわたって熟成させることが可能であるが、このような長期間の熟成を行なうことで、肉質が上質に変化する。すなわち、肉質は、軟らかく艶があり、適度な脂肪交雑の分布が起こり、つまりいわゆる霜降り状態となり、多汁性に富み、赤身は弾力を持ち、脂肪は白い状態を保ったものとなる。人間の指先で脂肪の部分を摘むと、スッととけていく。
また、熟成によって香りが良くなる。具体的にはミルク臭あるいはヨーグルト臭に似た香りとなり、これらは人間の鼻で知覚できるものである。熟成によって風味も向上し、食する際に口中で咀嚼しながら知覚することができる香りも良好なものとなる。
味も格段に向上する。これは、熟成によって、また希釈液に含まれる発酵組成物が豚肉に作用することによって、豚肉において遊離アミノ酸が多量に増え、これが水溶性の呈味成分となるためであると推察される。
(実施例1)[最も好ましい例]
万田発酵社から商品名「万田酵素」として市販されている、食用植物と糖類との混合物を原料としたペースト状の発酵組成物1グラムを、1リットルの上水で希釈し、得られた液を処理液とした。
と畜後3日目の豚ロースの肉塊(質量約4.5kg)を、庫内温度が0℃に設定された冷蔵庫に24時間保管した。
次に、冷蔵庫から取り出した豚肉塊の表面の全体に、上記の処理液をスプレーして20cc程度塗布した。その後、約1分間放置してから、豚肉の表面が濡れた状態でなくなるように、市販のキッチンペーパーを用いて拭き取った。
そして、豚肉塊を市販のキッチンペーパーで包み、乾燥を防ぐためにポリプロピレン製の袋に入れて、庫内温度を−1.5℃に設定した熟成庫で30日間熟成させた。
そうしたところ、肉質が、軟らかく、艶があり、赤身は弾力を持ち、多汁性に富み、霜降り状態となり、脂肪は白い状態であるというように、上質に変化した。
(実施例2)[熟成期間を長めに変更した例]
実施例1に比べて、熟成期間を40日間に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、肉質が、実施例1以上に軟らかくなり「ぽってり感」を有する上質に変化した。
(実施例3)[熟成期間を短めに変更した例]
実施例1に比べて、熟成期間を20日間に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、肉質が、艶があり、多汁性に富み、赤身は弾力を持ち、脂肪は白くしっかりとした状態であるというように、上質に変化した。
(実施例4)[熟成温度を低めに変更した例]
実施例1に比べて、庫内温度を−2.0℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、肉質が、実施例1と同様の上質に変化した。
(実施例5)[熟成温度を高めに変更した例]
実施例1に比べて、庫内温度を−1.0℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、肉質が、実施例1と同様の上質に変化した。
(実施例6)[液濃度を薄く変更した例]
実施例1に比べて、万田発酵社から商品名「万田酵素」として市販されているペースト状の発酵組成物0.35グラムを1リットルの上水で希釈して得られた処理液に変更した。
そうしたところ、肉質が、実施例1と同様の上質に変化した。
(実施例7)[液濃度を濃く変更した例]
実施例1に比べて、万田発酵社から商品名「万田酵素」として市販されているペースト状の発酵組成物2グラムを1リットルの上水で希釈して得られた処理液に変更した。
そうしたところ、肉質が、実施例1と同様の上質に変化した。
(比較例1)[熟成期間が極端に短い例]
実施例1に比べて、熟成期間を6日間に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、熟成期間が短すぎたため、肉内の酵素の働きが不十分であり、このため筋繊維が強く、肉質に硬さを感じるものであった。
(比較例2)[熟成期間が極端に長い例]
実施例1に比べて、熟成期間を50日間に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、熟成期間が長すぎたため、肉おける適度な「しまり」がなくなってしまい、香りもほとんどなく、味も淡白であった。
(比較例3)[熟成温度が低すぎた例]
実施例1に比べて、庫内温度を−3℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、庫内温度が低すぎたため、豚肉が凍結してしまい、熟成は進行しなかった。
(比較例4)[熟成温度が高すぎた例]
実施例1に比べて、庫内温度を0℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同様にして熟成を行なった。
そうしたところ、庫内温度が高すぎたため、豚肉内に残留していた血液から腐敗が起こり始めて、腐敗臭が発生し、また肉の表面が赤黒く変色してしまった。

Claims (1)

  1. 豚肉の表面に食用植物と糖類との混合物の発酵組成物を水で希釈した希釈液を塗布したうえで拭き取り、その後、−1.5±0.5℃の温度条件で7日〜40日間おくことを特徴とする豚肉の熟成方法。
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