JP2009188032A - 電力変換装置 - Google Patents

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豊重 坂口
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Abstract

【課題】製造時に受ける機械力の低減やコスト低減に配慮しつつ、全体としての熱抵抗を低減して放熱特性の向上を実現する電力変換装置を提供する。
【解決手段】パワー回路モジュール20が有する金属ベース基板24の他方の面に金属製の放熱フィン60を配置し、放熱フィン60にレーザビームを照射して接合部62を形成することにより、金属ベース基板24の上に放熱フィン60を直接溶融接合して、放熱能力を向上させた電力変換装置100とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気機器を制御するため、電源から供給される電力を変換する電力変換装置に関する。
電力変換装置は、家庭用エアコン、冷蔵庫などの民生機器から、インバータ、サーボコントローラなどの産業機器や電気自動車等まで、広範囲にわたって適用されている。
このような電力変換装置の構造について図を参照しつつ説明する。図4は従来技術の電力変換装置の構造図である。図5は電力変換装置の説明図であり、図5(a)は制御回路基板の説明図、図5(b)は制御回路モジュールおよびパワー回路モジュールの説明図、図5(c)は組立体の説明図である。図6は放熱フィン構造の説明図であり、図6(a)はアルミダイキャストフィンの説明図、図6(b)はカシメ式フィンの説明図、図6(c)はスカイブフィンの説明図である。
図4に示す電力変換装置は、様々な産業分野で用いられるようになっている代表的なインバータの構成であり、パワー回路モジュールとこのパワー回路モジュールを駆動・制御する制御回路モジュールとをケース内に収容するケース方式の電力変換装置である。
電力変換装置100’は、制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20、ケース30、放熱グリース40、放熱フィン50を備えている。
制御回路モジュール10は、図5(a),(b)で示すように、プリント配線板11、電子部品12、絶縁樹脂13、接続部14を備える。
プリント配線板11は詳しくは両面プリント配線板であり、両面に電子部品12が実装される。両面プリント配線板は例えば、FR4と呼ばれるガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸させた絶縁材と銅箔を張り合わせた銅張り積層板である。FR4の代わりにCEM3やFR5などを使用してもよい。
電子部品12は抵抗、コンデンサ、インダクタなどの機能を有した表面実装用のチップである。なお、樹脂でパッケージングされた半導体なども電子部品12として搭載することができる。両面のプリント配線板11に所定の回路を形成してこれら電子部品12をはんだ付けすることで制御回路を完成させ、図5(a)で示すような制御回路基板10’を形成する。
絶縁樹脂13は、例えば、制御回路基板10’の表裏両面にポリウレタン系やシリコーン系の液状樹脂をスプレーや刷毛塗りによって厚さ10〜100μm程度にコーティングし、乾燥硬化させて形成したものである。このようにして形成された絶縁樹脂13により、塵埃と吸湿による絶縁性低下を防ぎ、また、硫化水素などの腐食性ガスによる電子部品12の電極の腐食を防ぐ。このように制御回路基板10’に絶縁樹脂13をコーティングして絶縁樹脂13内に電子部品12を埋封し、図5(b)に示すような制御回路モジュール10を形成する。
このような制御回路モジュール10は、パワー回路モジュール20に搭載されたパワー半導体27を駆動・制御する機能を有し、ドライバーICや抵抗、コンデンサなどの各種電子部品12により制御回路が形成される。
パワー回路モジュール20は、外囲器21、リード端子22、封止材23、金属ベース基板24、樹脂絶縁層25、パワー回路基板26、パワー半導体27、アルミワイヤー28をえている。
パワー回路モジュール20は、電源から供給される電力を変換する機能を有している。パワー半導体27は消費電力が大きく高温になることが一般的であり、パワー回路モジュール20では、冷却性に優れた金属を材料とする金属ベース基板24から下側へ放熱するようになされている。例えば、この金属ベース基板24は、アルミニウム金属のような基板を採用することができる。この金属ベース基板24の周縁に、リード端子22が外界に引き出された状態で、プラスチックケース枠などの外囲器21が固着されて収容空間が形成されており、この収容空間内にパワー半導体27・抵抗・コンデンサという一または複数の各種の電子部品によるパワー回路基板26を載置し、熱伝導性が高いシリコーンゲルやエポキシ樹脂などの封止材23でパワー回路基板26を埋封して構成されており、冷却性能を高めている。
パワー回路モジュール20の製造方法は、金属ベース基板24の一方の面に熱伝導率が良好な樹脂絶縁層25を形成し、この樹脂絶縁層25の上にパワー回路基板26を固着する。パワー回路基板26の上には所定の回路が形成されており、さらにパワー半導体27などを実装する。続いて、金属ベース基板24に外囲器21をシリコーン接着材などで接合する。この外囲器21にはリード端子22がインサートされて一体に形成されており、外囲器21の接合時にパワー回路基板26の端子部とリード端子22とが電気的に接続される。続いて、アルミワイヤー28でパワー回路基板26とパワー半導体27とを超音波接合により電気的に接続してパワー回路を完成させる。最後にシリコーンゲルやエポキシ樹脂などの封止材23を注型しパワー半導体27などの周辺を絶縁・保護する。
ケース30は、例えばプラスチックなどから形成されており、図5(c)で示すように制御回路モジュール10とパワー回路モジュール20を一体に組み合わせてなる組立体を覆うが、金属ベース基板24の裏面は外界に露出した状態とする。
放熱グリース40は、パワー回路モジュール20の金属ベース基板24と、放熱フィン50と、の間に設けられ、両者間における熱伝導性を向上させる。
放熱フィン50は、放熱グリース40と接触した状態で金属ベース基板24にネジなどを用いて固着される。パワー回路モジュール20で発生した熱が樹脂絶縁層25、金属ベース基板24、放熱グリース40を経て放熱フィン50へ伝達し、放熱フィン50が放熱する。
放熱フィン50は各種の形態がある。図6(a)のアルミダイキャストフィンは、一般的に生産性が高い。図6(b)のカシメ式フィンは、アルミダイキャストフィンに比べてフィンを高くすることができるため伝熱面積を大きくすることが可能であり、また、フィンのピッチを小さくすることが可能であるため、アルミダイキャストフィンと比べて体積当たりの放熱面積を大きくすることができる。図6(c)のスカイブフィンは、金属塊からフィンを切り起こして製造されるものであり、ベース板とフィンが一体となっているので熱伝導のロスを最小限にできる。これらの種類の放熱フィン50はコスト面や放熱特性の面で一長一短があるのでこれらを考慮して適用される。
続いて電力変換装置100’の製造について説明する。これら制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20、ケース30、放熱グリース40、放熱フィン50を組み合わせて電力変換装置100’を組み立てる。
まず、制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20を組み合わせて、図5(c)で示すような組立体を構成する。
図5(b)で示すように、パワー回路モジュール20のリード端子22を、制御回路モジュール10のスルーホールである接続部14に挿通させ、例えばはんだにより電気的に接続して制御回路・パワー回路を接続して全体回路を完成させ、また機械的に制御回路モジュール10とパワー回路モジュール20とを密着させて一体化構成とする。この場合、パワー回路モジュール20の金属ベース基板24は外界へ露出している。
続いて、プラスチックなどからなるケース30をパワー回路モジュール20の外囲器21や金属ベース基板24に固着し、ケース30で周囲を覆って外界から隔離する。そしてパワー回路モジュール20の金属ベース基板24に放熱グリース40を塗布し、放熱フィン50を、放熱グリース40が塗布された金属ベース基板24にネジ止めなどにより強固に固着する。放熱フィン50は、放熱グリース40により金属ベース基板24との熱伝導性が確保される。ケース方式の電力変換装置100’はこのようなものである。
また、このような電力変換装置に係る他の従来技術としては、例えば、特許文献1(特開平8−204294号公報,発明の名称:放熱フィン一体形プリント配線基板)に記載されたものが知られている。この電力変換装置は、放熱フィンに直接絶縁層や回路パターンを形成して放熱能力を高めたものである。
特開平8−204294号公報(図1〜図7)
図4,図5で示した従来技術の電力変換装置100’において、金属ベース基板24上の樹脂絶縁層25としては、エポキシ樹脂に無機フィラー(酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素からなるフィラー群の1種類以上)を充填して熱伝導率を向上させたものを採用している。しかしながら、現状では熱伝導率は3〜4W/m・Kが限度であり、冷却性に限界がある。したがって、放熱フィン50による冷却性能を向上させる必要があった。
また、熱伝導率を向上させるために、金属ベース基板24に代えて酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウムなど焼結体であるセラミックス製の配線板(セラミックス基板)を用いる場合もあるが、この場合、コストが金属ベース基板より増大するという問題点があった。
また、金属ベース基板24の樹脂絶縁層25の熱伝導率を向上させたり放熱特性の良好な放熱フィン50を適用したとしても、その間に存在する放熱グリース40の熱抵抗が加わるため、放熱フィン50により熱を逃すまでにはトータルとしてなお熱抵抗が高いという問題があった。
また、特許文献1に記載の従来技術のように、放熱フィンに樹脂絶縁層を介して直接回路を形成する電力変換装置では、図6(a)〜(c)で示したようなアルミダイキャストフィン、カシメ式フィン、スカイブフィンのベース板に、樹脂絶縁層、回路パターンを形成し回路素子を搭載することが考えられる。
しかしながら、この従来技術の場合、例えば回路素子を搭載する際にはフィン一体で行うこととなるためハンダリフロー装置を大型化する必要が生じ、またハンダリフロー作業時に温度管理の困難さが伴う。カシメ式フィンでは、あらかじめ樹脂絶縁層、回路パターン、回路素子一式をベース板に形成してからフィンをかしめて形成する方法があるが、フィン形成時に比較的大きな機械力を受けるので現実には困難さを伴う。
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造時に受ける機械力の低減やコスト低減に配慮しつつ、全体としての熱抵抗を低減して放熱特性の向上を実現する電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明の電力変換装置は、
電源から供給される電力を変換する機能を有する電力変換装置であって、
一方の面に樹脂絶縁層が形成されてなる金属ベース基板と、
この樹脂絶縁層の上に形成される回路パターンにパワー半導体などの1個または複数個の回路素子が搭載されるパワー回路基板と、
金属ベース基板の他方の面に設けられる金属製の放熱フィンと、
金属ベース基板と放熱フィンとをレーザビームの照射により溶融接合する接合部と、
を備えることを特徴とする。
この際、レーザビームは、YAGレーザを用いるようにすると良い。また、金属ベース基板や放熱フィンは、アルミニウムまたはアルミニウム合金にすると良い。
以上のような本発明によれば、金属ベース基板に放熱フィンを直接形成することにより、従来技術で用いていた放熱グリースを不要として熱を効率よく放熱フィンに伝えることができる。また、YAGレーザにより短時間で金属ベース基板とフィンとを溶融し接合するため、パワー回路基板に搭載されたパワー半導体などの回路素子にダメージを与えることがない。また、材料としてレーザ溶接に良好なアルミニウムまたはアルミニウム合金を採用するため、この点でも短時間で金属ベース基板とフィンとを溶融して接合することができる。
総じて、本発明によれば、製造時に受ける機械力の低減やコスト低減に配慮しつつ、全体としての熱抵抗を低減して放熱特性の向上を実現する電力変換装置を提供することができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しつつ以下に説明する。図1は本形態の電力変換装置の構造図、図2は電力変換装置の製造を説明する説明図、図3はテストピースによる溶接と引張り強度測定方法を示す説明図である。ここで図2には放熱フィンを取り付けるための設備を含めて図示している。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
この電力変換装置100は、制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20、ケース30、放熱フィン60、を備えている。本形態では従来技術と比較すると、放熱グリース40を不要とするような放熱フィン60を採用した点に特徴がある。この放熱フィン60は従来技術とは相違するが、他の制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20、ケース30については従来技術と同じ構造であるものとして同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。
放熱フィン60は、複数のフィン片61と、金属ベース基板24にフィン片61を固着するための複数の接合部62と、を備えるものである。ここで金属ベース基板24は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている。金属ベース基板24にフィン片61が一枚づつ固着され、これら複数のフィン片61により放熱フィン60を構成する。フィン片61は、短冊状のアルミニウムまたはアルミニウム合金による金属片をL字状に折り曲げ加工して形成したものである。本形態では金属ベース基板24に直接接するようにフィン片61が固着されているため、熱伝導率を向上させている。また、フィン片61は機械的に簡単な構造であるため、製造が容易であり、低コストにできるという利点がある。
続いてこのような電力変換装置100の製造方法について説明する。ここに制御回路モジュール10、パワー回路モジュール20、ケース30の組み立て方は従来技術と同じであるため、重複する説明を省略し、ここでは放熱フィン60を金属ベース板24に固定する方法について重点的に説明する。放熱フィン60を取り付けるための製造装置および複数のフィン片61を準備する。この製造装置は、図2に示すように、YAGレーザ発振器1、光ファイバ2、出射ユニット3、不活性ガス噴射器4を備える。
取付としてはL字状のフィン片61の折り曲げ部を金属ベース基板24に重ねて溶接して固着するものであり、いわゆる重ね接合により取り付ける。YAGレーザ発振器1でレーザが発振され、YAGレーザ発振器1からYAGレーザビームが出力される。このYAGレーザビームは、光ファイバ2を経て出射ユニット3へ出力される。この出射ユニット3では集光レンズ(図示せず)によりYAGレーザビームを集光させてレーザビーム5をL字状のフィン片61の接合箇所に向けて出射させる。
このレーザビーム5は地上垂直方向に対してやや斜め方向(例えば水平面から角度80°)から出射する。これはフィン片61によりレーザビームが散乱するためである。この際、酸化を防止するために不活性ガス噴射器4から溶接部位へ不活性ガスを吹き付けながら溶接する。レーザビーム5の先端付近にあるビームスポットでは高温となっており、レーザが照射されたフィン片61の接合箇所では、レーザのエネルギーによって溶融して接合する。さらに、熱伝導によって金属ベース基板24の接合部位もともに溶融する。
そしてYAGレーザ発振器1からのYAGレーザビームの出力を停止させると、溶融していた接合部位が硬化して互いに接合され、接合部62が形成される。この際、金属ベース基板24やフィン片61は何れもアルミニウムまたはアルミニウム合金であるため、接合部62では金属ベース基板24とフィン片61とが融合して確実に固着される。
一枚のフィン片61につき、等間隔で多点(例えば10点)のスポット溶接を行う。そして、図2の右側から矢印A方向(図2では右側から左方向)に向かって順に等間隔でフィン片61を垂直に立てていき溶接により接合する。そして、最終的に放熱フィン60が形成される。製造はこのようになる。
続いて材料について説明する。金属ベース基板24および放熱フィン60のフィン片61は、上記したように、ともにアルミニウム材料またはアルミニウム合金材料により形成される。これらアルミニウム材料またはアルミニウム合金材料は、YAGレーザによる溶接性が良好な、型番A1000系の型番1050,1060,1100,1200などの純アルミニウム、型番A1000系の型番1070,1080,1085などの高純度アルミニウム、型番A3000系の3003,3004,3005などのMn添加系アルミニウム合金、型番A5000系の型番5052,5056,5083などのMg添加系アルミニウム合金が望ましい。
そして、好ましくは、平板材として広く市場に流通している型番A1000系の型番1050,1100、型番A5000系の型番5052のアルミニウム材料またはアルミニウム合金材料を選択すると良い。金属ベース基板24の金属および放熱フィン60のフィン片61の金属であるアルミニウム材料またはアルミニウム合金材料は、同じ型番同士はもちろんのこと、異なる型番を用いても良い。これは放熱用途としては充分な強度を確保することができるためである。なお、これらアルミニウム材料のより具体的な選択については後述する。
なお、上記製造方法では重ね溶接法を用いるものとして説明したが、重ね溶接法以外の他の方法で溶接してもよい。例えば、放熱フィンとなるアルミニウム平板を金属ベース基板に対して垂直に立て、平板と金属ベース基板の金属基板の接点に向けてレーザビームを照射し接合するという、すみ肉接合による方法でもよい。
続いて各種の数値を特定した具体的な製造方法について以下に説明する。
実施例1では、YAGレーザを用いて、750Wタイプの電力変換装置100の金属ベース基板24にフィン片61を12枚溶接・接合して放熱フィン60を形成した。以下、製造方法について説明する。金属ベース基板24のアルミニウム金属基板は型番がA5052で、大きさは120mm×80mm、厚さが2mmである。放熱フィン60のフィン片61となるアルミニウム平板は型番がA1100で、形状は図1に示したようなL字状に加工されたもので、奥行き110mm、高さ70mm、厚さが0.8mm、金属ベース基板24と接する面の幅は5mmである。
この放熱フィン60のL字状のフィン片61を、図2に示したように図面右側からA方向(左方向)へ向けて順に等間隔で金属ベース基板24に対して垂直に立てていき、接合部位に向けてレーザビーム5を照射してそれぞれ12枚を図面右方向から順に溶接接合した。この溶接を行う際に酸化防止のため、シールドガスとしてCOガスを1L/minで溶接部位へ吹き付けながら溶接した。レーザビームは角度80°の斜め方向から接合部位に向けて照射した。レーザビームのエネルギー条件は、1スポット当たり単発で65ジュール/パルスである。フィン片61の一枚当たり、等間隔で10点スポット溶接を行い、計120点でスポット溶接を行って接合し、120個の接合部62を形成した。
続いて接合強度について説明する。図3に示すように、あらかじめ、80mm×15mmの大きさで、それぞれ前記した厚さ、型番のテストピース200を作製し、それぞれ前記したシールドガス条件、レーザビームのエネルギー条件で溶接して接合部201を形成し、図示したような方向の引張り強度を測定した。
その結果、テストピース200による引張り強度は1スポットの接合部201当たり約80Nであり、充分な強度であることを確認した。なお、本テストピース200ではレーザビームのエネルギー条件を変えて引張り強度を測定した。エネルギー条件として40ジュール/パルスでレーザビームの場合、型番がA1100で厚さが0.8mmのアルミニウム板の照射側が溶接できたのみで、型番がA5052で厚さが2mmの基板側と接合できなかった。一方、エネルギー条件80ジュール/パルスでは、双方の板が溶接、蒸発してしまい接合できなかった。
実施例1の方法で、金属ベース基板24のアルミニウム金属基板の型番をA1100として、フィン片61を溶接接合した。テストピース200による引張り強度は1スポットの接合部201当たり約90Nであり、充分な強度であることを確認した。
実施例1の方法で、フィン片61となるアルミニウム平板の型番をA5052として、フィン片61を溶接接合した。テストピース200による引張り強度は1スポットの接合部201当たり約70Nであり、充分な強度であることを確認した。
実施例1の方法で、フィン片61となるアルミニウム平板の型番をA3003として、フィン片61を溶接接合した。テストピース200による引張り強度は1スポットの接合部201当たり約80Nであり、充分な強度であることを確認した。
実施例1の方法で、フィン片61となるアルミニウム平板の厚さの1.5mmとし、エネルギー条件80ジュール/パルスで放熱フィンを溶接接合した。テストピース200による引張り強度は1スポット当たり約75Nであり、充分な強度であることを確認した。
厚さ2mmの基板側と、厚さ0.8mmのレーザビーム照射側基板のテストピース200により、4種類のアルミニウム型番で溶接接合し引張り強度を測定した。型番はA1050,A1100,A3003,A5052とし、それぞれ基板側用、レーザビーム照射側基板用を作製し、全16の組合せ条件で、エネルギー条件65ジュール/パルスで溶接接合した。いずれの組合せも溶接可能であり、また、充分な引張り強度であることを確認した。
図4に示した従来技術のように放熱グリース40を介して放熱フィン50をネジ止めした電力変換装置100’と、実施例1の方法で作製した電力変換装置100と、にそれぞれ一定電力を通電してパワー回路モジュール20に搭載されたパワー半導体27であるIGBTの表面温度を赤外線映像装置で観測した。
ここに実施例1の電力変換装置100のフィン片61は表面積および体積が、従来の電力変換装置100’の表面積1800cm、体積110cmと同じになるように大きさを調整した。
定格電圧600V、定格電流30AのIGBTに、無風状態で一定電力10Wを通電した。赤外線映像装置で観測するため、プラスチックケース枠、制御用プリント配線板、シリコーンゲルを取り除いた。その結果、30分通電しIGBTの表面温度が飽和・安定したときの温度はそれぞれ90℃前後に達したが、従来技術の放熱グリース40を介して放熱フィン50をネジ止めした電力変換装置100’に比し、実施例1の方法で作製した電力変換装置100のIGBTの表面温度は約7℃低い値が得られた。つまり、本発明による電力変換装置100では放熱フィン60まで効率的に熱が伝達されて、放熱能力を高めたものとなっていることが確認された。
以上、本発明の電力変換装置について説明した。この電力変換装置によれば、金属ベース基板の樹脂絶縁層を形成しない一方の面にフィン片を配し、レーザビーム(例えばYAGレーザビーム)を照射して金属ベース基板に複数のフィン片を溶融接合して、金属ベース基板に放熱フィンを直接形成したものである。このため、従来の電力変換装置の放熱フィンのように放熱グリースを介在させないものとなっており、パワー半導体モジュールの発生熱を効率よく放熱フィンに伝えることができる。このため、放熱フィンの表面積、体積を従来技術よりも小型化することが可能となり、電力変換装置全体を小型化することが可能となった。
本発明を実施するための最良の形態の電力変換装置の構造図である。 電力変換装置の製造を説明する説明図である。 テストピースによる溶接と引張り強度測定方法を示す説明図である。 従来技術の電力変換装置の構造図である。 電力変換装置の説明図であり、図5(a)は制御回路基板の説明図、図5(b)は制御回路モジュールおよびパワー回路モジュールの説明図、図5(c)は組立体の説明図である。 放熱フィン構造の説明図であり、図6(a)はアルミダイキャストフィンの説明図、図6(b)はカシメ式フィンの説明図、図6(c)はスカイブフィンの説明図である。
符号の説明
100:電力変換装置
10:制御回路モジュール
10’:制御回路基板
11:プリント配線板
12:電子部品
13:絶縁樹脂
14:接続部
20:パワー回路モジュール
21:外囲器
22:リード端子
23:封止材
24:金属ベース基板
25:樹脂絶縁層
26:パワー回路基板
27:パワー半導体
28:アルミワイヤー
30:ケース
40:放熱グリース
60:放熱フィン
61:フィン片
62:接合部
1:YAGレーザ発振器
2:光ファイバ
3:出射ユニット
4:不活性ガス噴射器
5:レーザビーム

Claims (4)

  1. 電源から供給される電力を変換する機能を有する電力変換装置であって、
    一方の面に樹脂絶縁層が形成されてなる金属ベース基板と、
    この樹脂絶縁層の上に形成される回路パターンにパワー半導体などの1個または複数個の回路素子が搭載されるパワー回路基板と、
    金属ベース基板の他方の面に設けられる金属製の放熱フィンと、
    金属ベース基板と放熱フィンとをレーザビームの照射により溶融接合する接合部と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記レーザビームは、YAGレーザであることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記金属ベース基板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を材料とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記放熱フィンは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を材料とすることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電力変換装置。
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