JP2009186438A - 硝酸塩廃液処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硝酸塩廃液11中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽12Aと、該脱窒槽12Aで処理された脱窒処理液24を活性汚泥と曝気混合する再曝気槽14とを有する硝酸塩廃液処理装置であって、脱窒槽12AにpH調整剤21、種類の異なる第一の炭素源22Aと第二の炭素源22B、及び窒素ガス(N2)を供給し、第一の固液分離膜25により固形分と脱窒処理液24とに分離し、再曝気槽14において前記活性汚泥で処理された脱窒処理液24を再曝気処理し、第二の固液分離膜28により固形分と再曝気処理液27とに分離する。
【選択図】図1
Description
また、化学還元法では、発熱反応、アンモニアの発生等の問題を有している。
図7に示すように、従来の硝酸塩廃液処理装置100は、図示しない原子力施設から発生する硝酸塩廃液101中の硝酸を窒素ガスに還元処理する脱窒槽102と、脱窒された脱窒液103を活性汚泥と曝気混合する再曝気槽104と、該再曝気槽104から排出された再曝気液105を沈澱した汚泥106と処理液107とに分離する沈澱槽108とを有するものである。
この時、脱窒槽102には、炭素源121として例えばメタノールと、pH調整剤120が供給される。また、脱窒槽102内は攪拌機110により攪拌されている。
NO3 -+5/6CH3OH→1/2N2+5/6CO2+7/6H2O+OH-・・・(1)
さらに、説明に使用する以降の図面の符号については、同一機能の構成を持つものには同一符号を付して、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の実施例1に係る硝酸塩廃液処理装置を示す概念図である。
本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置10Aは、硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液11中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽12Aと、該脱窒槽12Aで処理された脱窒処理液24を活性汚泥と曝気混合する再曝気槽14とを有する硝酸塩廃液処理装置であって、脱窒槽12Aが、硝酸塩廃液11のpHを調整するpH調整剤21を供給するpH調整手段(図示せず)と、脱窒槽12Aに種類の異なる第1の炭素源22Aと第2の炭素源22Bとを供給する炭素源供給手段(図示せず)と、前記活性汚泥で処理された脱窒液23を、汚泥(余剰汚泥26A)を含む固形分と処理液とに分離する第一の固液分離手段である第一の固液分離膜25と、該第一の固液分離膜25の下部側に設けられ、脱窒槽12A内に酸素を含まないガス(例えば、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(CO2)の何れか一方又は両方)を供給するガス供給手段30とを有すると共に、再曝気槽14が、前記活性汚泥で処理された脱窒処理液24を再曝気処理し、再曝気液29を余剰汚泥26Bと再曝気処理液27とに更に分離する第二の固液分離手段である第二の固液分離膜28と、該第二の固液分離膜28の下部側に設けられ、前記再曝気槽14内に空気をブロワ35により供給する空気供給手段34とを有するものである。
また、前記第一の固液分離膜25と第二の固液分離膜28の下部には、各々ガス供給手段30と空気供給手段34とを有し、供給ガスの上昇に伴って、活性汚泥混合液が分離膜表面を通過する際に、液のみが膜を透過して固液分離が行われる。膜の表面には分離された後の活性汚泥が付着するが、膜表面は前記供給ガス流によって常に洗浄されるため、膜表面に付着した活性汚泥は洗浄除去され、常に清浄な膜表面で固液分離を行うことが出来る。なお、図1中、符号P1は脱窒処理液24を再曝気槽14に供給する脱窒処理液供給ポンプ、符号P2は再曝気処理液27を送出する再曝気処理液供給ポンプを図示する。
性質の異なる種類の炭素源を混合して投入することにより、脱窒性能を維持したまま、汚泥発生量を低減することができる。
また、酢酸の混合比が50%程度では脱窒性能が100%程度と良好であり、汚泥発生量が約50%程度であることを確認した。
本実施例に係る装置を用い、原水硝酸態窒素濃度が6700〜9200mg/L(塩濃度:4.0〜5.5%)のものを、炭素源としてメタノールと酢酸を用いて、試験温度20〜25℃(室温)で脱窒試験を行った。
図2に示すように、本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置10Bは、脱窒槽12Bにおいて、前記嫌気性微生物が脱窒液23中の前記硝酸と反応することにより生成される窒素ガス(N2)及び二酸化炭素ガス(CO2)を脱窒槽12B内に循環させるようにしたものである。
このように脱窒槽12B内の微生物反応で発生した窒素ガス(N2)、二酸化炭素ガス(CO2)を再循環させて脱窒槽12B内で再利用することにより、図1に示すような酸素を含まないガスを供給する窒素ガス供給手段を別途設ける必要がなくなる。この結果、窒素ガス供給手段及びガス購入費を削減することができる。
よって、本実施例によれば、脱窒槽12Bで発生した窒素ガス(N2)及び二酸化炭素ガス(CO2)を用いているため、ガスの効率的な自己消費を行うこととなり、ガスの供給設備、ガス購入費を削減することができる。
図3に示すように、本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置10Cは、脱窒槽12Cに供給するガスを窒素ガス(N2)に代えて空気とし、さらに、脱窒槽12Cにおいて生成される窒素ガス、二酸化炭素ガスを脱窒槽12Cに循環させるガス循環ラインを有するものである。
即ち、本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置10Cは、図1に示す実施例1に係る硝酸塩廃液処理装置10Aの脱窒槽に供給するガスを窒素ガスに代えて空気とする空気供給ライン41と、図2に示す実施例2に係る硝酸塩廃液処理装置10Bの脱窒槽において生成される窒素ガス(N2)、二酸化炭素ガス(CO2)を脱窒槽12Cに循環させるガス循環ライン31Bとを有するものである。
図4に示すように、本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置10Dは、図1に示す実施例1に係る硝酸塩廃液処理装置10Aの脱窒槽12Aの上流側に、硝酸塩廃液(原水:塩濃度30〜40%)50を供給する調整槽51を設けており、調整槽51には、電気伝導度を測定する電気伝導計(EC計)52と、工業用水導入ライン53と、該工業用水導入ライン53に前記電気伝導計(EC計)52の測定値に基づいて希釈する水の流量を調整する工業用水供給量調整バルブ54とを有するものである。
具体的には、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が高い場合には、工業用水供給量調整バルブ54を開き、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が低い場合には、工業用水供給量調整バルブ54を閉じる。
具体的には、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が高い場合には、硝酸塩廃液供給ポンプP3を停止して硝酸塩廃液の原液50を調整槽51に供給するのを停止し、電気伝導計(EC計)52により計測されるEC値が低い場合には、硝酸塩廃液供給ポンプP3を稼働して硝酸塩廃液50を調整槽51に供給する。
本実施例に係る硝酸塩廃液処理装置は、前記図1〜4に示した実施例1〜4に係る硝酸塩廃液処理装置を用いることができ、説明は省略する。
本実施例に係る生物処理システム60は、図5に示すように、硝酸塩廃液(原液)50を工業用水61で希釈する希釈装置62と、希釈された硝酸塩廃液11中の硝酸イオンを微生物処理して窒素還元すると共に、再曝気する生物処理装置(実施例1〜4の硝酸塩廃液処理装置)63と、生物処理装置63で処理された生物処理液から汚泥65と処理液70とを分離し、分離した汚泥65中の水分を脱水する汚泥脱水装置67と、脱水汚泥68を焼却する焼却装置69とからなる。
また、汚泥脱水装置67は、生物処理装置63の脱窒槽と再曝気槽とから排出される余剰汚泥を脱水するものであり、焼却装置69は、汚泥脱水装置67から排出される2次廃棄物である脱水汚泥68を焼却し、焼却灰71としている。
よって、希釈装置62で用いる工業用水61の一部を脱水時の洗浄に使用するため、追加の工業用水61を用いる必要がない。また、付着水の塩濃度を下げることで、2次廃棄物量(焼却灰)を約1/2程度にまで低減することができる。
11 硝酸塩廃液
12A、12B、12C 脱窒槽
14 再曝気槽
21 pH調整剤
22A 第一の炭素源
22B 第二の炭素源
23 脱窒液
24 脱窒処理液
25 第一の固液分離膜
26A、26B 固形分(余剰汚泥)
27 再曝気処理液
28 第二の固液分離膜
29 再曝気液
30 ガス供給手段
31A ガス排出ライン
31B ガス循環ライン
32、35 ブロワ
33 圧力弁
34 空気供給手段
50 硝酸塩廃液(原液)
51 調整槽
52 電気伝導計(EC計)
53 工業用水導入ライン
54 工業用水供給量調整バルブ
55 硝酸廃液供給ライン
61 工業用水
62 希釈装置
63 生物処理装置
65 汚泥
67 汚泥脱水装置
68 脱水汚泥
69 焼却装置
70 処理液
71 焼却灰
72 洗浄水
P1 脱窒処理液供給ポンプ
P2 再曝気処理液供給ポンプ
P3 硝酸塩廃液供給ポンプ
Claims (9)
- 硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を利用して硝酸塩廃液の還元処理を行なう硝酸塩廃液処理方法であって、
前記硝酸塩廃液を収容する脱窒槽で、前記硝酸塩廃液のpHを調整しつつ、前記微生物が増殖し易い第一の炭素源と前記微生物が増殖し難い第二の炭素源とを供給して活性汚泥処理し、前記活性汚泥で処理された脱窒液を、汚泥を含む固形分と脱窒処理液とに分離する第一の固液分離手段を有し、該第一の固形分離手段で分離する際に、酸素を含まないガスを供給して嫌気性微生物の還元処理を促進すると共に、固液分離手段に付着する活性汚泥をガス洗浄する第一の分離処理工程と、
前記第一の分離処理工程で処理された脱窒処理液を収容し、活性汚泥と曝気混合する再曝気槽で、前記第一の分離処理工程で処理された脱窒処理液を、汚泥を含む固形分と再曝気処理液とに分離する第二の固液分離手段を有し、該第二の固液分離手段で更に分離する工程とを含むことを特徴とする硝酸塩廃液処理方法。 - 請求項1において、
前記微生物が増殖し易い第一の炭素源が、有機酸、糖類のいずれか一方又は両方であると共に、前記微生物が増殖し難い第二の炭素源が、アルコールであることを特徴とする硝酸塩廃液処理方法。 - 請求項1又は2において、
第一の炭素源の供給割合が、40〜90%であることを特徴とする硝酸塩廃液処理方法。 - 硝酸と放射性物質とを含む硝酸塩廃液中の該放射性物質を吸着または吸収すると共に、前記硝酸を窒素ガスに還元する嫌気性微生物が生育する活性汚泥を収容する脱窒槽と、
該脱窒槽で処理された脱窒処理液を、好気性微生物が生育する活性汚泥と曝気混合する再曝気槽とを有する硝酸塩廃液処理装置であって、
前記脱窒槽が、
前記硝酸塩廃液のpHを調整するpH調整剤を供給するpH調整手段と、
前記脱窒槽に二つの種類の炭素源を供給する第一及び第二の炭素源供給手段と、
前記活性汚泥で処理された脱窒液を、汚泥を含む固形分と脱窒処理液とに分離する第一の固液分離手段と、
該第一の固液分離手段の下部側に設けられ、前記脱窒槽内に酸素を含まないガスを供給するガス供給手段とを有すると共に、
前記再曝気槽が、
前記活性汚泥で処理された脱窒処理液を、汚泥を含む固形分と処理液とに更に分離する第二の固液分離手段と、
該第二の固液分離手段の下部側に設けられ、前記再曝気槽内に空気を供給する空気供給手段と、
を有することを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。 - 請求項4において、
第一の炭素源は、前記微生物が増殖し易い炭素源であると共に、第二の炭素源は前記微生物が増殖し難い炭素源であることを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。 - 請求項5において、
前記微生物が増殖し易い第一の炭素源が、有機酸、糖類のいずれか一方又は両方であると共に、前記微生物が増殖し難い第二の炭素源が、アルコールであることを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。 - 請求項4乃至6のいずれか一つにおいて、
第一の炭素源の供給割合が、40〜90%であることを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。 - 請求項4乃至7のいずれか一つにおいて、
前記脱窒槽の処理液のpHが、7.0〜10.0であることを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。 - 請求項4乃至8のいずれか一つにおいて、
前記脱窒槽の活性汚泥処理によって生成する窒素ガス及び二酸化炭素を、ガス循環ラインによって前記脱窒槽に循環させることを特徴とする硝酸塩廃液処理装置。
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