JP2007105627A - 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置 - Google Patents

硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007105627A
JP2007105627A JP2005298932A JP2005298932A JP2007105627A JP 2007105627 A JP2007105627 A JP 2007105627A JP 2005298932 A JP2005298932 A JP 2005298932A JP 2005298932 A JP2005298932 A JP 2005298932A JP 2007105627 A JP2007105627 A JP 2007105627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitrate
nitrogen
waste liquid
treatment
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005298932A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Ogawa
尚樹 小川
Kazuhisa Tamura
和久 田村
Osamu Kohanawa
治 小華和
Atsushi Kinugasa
敦志 衣笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2005298932A priority Critical patent/JP2007105627A/ja
Publication of JP2007105627A publication Critical patent/JP2007105627A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Abstract

【課題】廃液中の硝酸塩を窒素ガスに還元できる、簡便で安価な硝酸塩廃液の処理方法および処理装置を提供する。
【解決手段】廃液中の硝酸塩を還元分解して、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下とする硝酸塩還元工程を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法であって、該硝酸塩還元工程が、廃液中の硝酸塩にヒドラジン又はその塩を接触させて亜硝酸塩に還元するヒドラジン還元段階と、該亜硝酸塩にアンモニアを接触させて窒素に還元するアンモニア還元段階を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、硝酸を大量に使用する工場等から排出される硝酸塩を含有する廃液の処理方法および処理装置に関する。
廃液中に含まれる硝酸塩の処理方法としては、イオン交換法、逆浸透法、電気透析法等の物理化学的処理方法、触媒の存在下に硝酸塩を還元する化学的処理方法等がある。
物理化学的処理方法は、廃液中の硝酸塩を分離、濃縮する方法であるため、濃縮された硝酸塩廃液、使用済みイオン交換樹脂等、2次廃棄物の処理が問題となる。特に核燃料再処理工場のように高濃度の硝酸廃液が発生し、さらに該硝酸廃液中に高濃度の放射能を有する場合、濃縮廃液や使用済みイオン交換樹脂は、セメント固化体等の形で固定し、地層処分等を行う必要があるため、2次廃棄物の発生を少なくする必要がある。
化学的処理方法としては、ヒドラジンを用いて触媒の存在下に硝酸塩を亜硝酸塩に還元し、さらにヒドラジンを用いて別の触媒の存在下に亜硝酸塩を窒素に還元する方法が報告されている(特許文献1)。本方法は上記物理化学的手法と異なり、2次廃棄物の発生量は少なくすることができるが、ヒドラジンやパラジウム触媒が必要であり、コスト面で問題がある。
最近、電気分解を利用した電気化学的な方法も報告されている(特許文献2)
特開2003−126872号 特開2003−230883号
本発明は、廃液中の硝酸塩を窒素ガスに還元できる、簡便で安価な硝酸塩廃液の処理方法および処理装置を提供する。
本発明は、廃液中の硝酸塩を還元分解して、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下とする硝酸塩還元工程を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法であって、該硝酸塩還元工程が、廃液中の硝酸塩にヒドラジン又はその塩を接触させて亜硝酸塩に還元するヒドラジン還元段階と、該亜硝酸塩にアンモニアを接触させて窒素に還元するアンモニア還元段階を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法を提供する。
また、本発明は、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素とそれらの混合物とからなる一群から選ばれる硝酸系窒素の合計濃度で10,000ppm以下を、窒素に還元するための微生物処理工程を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法を提供する。
さらに、本発明は、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素とそれらの混合物とからなる一群から選ばれる硝酸系窒素の合計濃度で10,000ppm以下を得るために、廃液中の硝酸塩を還元分解する硝酸塩還元槽、希釈槽、またはそれらの組み合わせを備え、該10,000ppm以下の硝酸系窒素を微生物を用いて窒素に還元して窒素を放出する微生物処理槽と、該微生物処理槽で処理された処理物を微生物含有汚泥と処理水に分離する固液分離槽を備えてなる硝酸塩廃液の処理装置を提供する。
なお、硝酸態窒素とは、化合物内で硝酸塩の形で存在している窒素のことであり、濃度は溶液に対する窒素原子の重量比率で表す。亜硝酸態窒素とは、化合物内で亜硝酸塩として存在している窒素のことであり、濃度は溶液に対する窒素原子の重量比率で表す。脱窒、硝化等の窒素処理においては、処理の途中段階で窒素の形態が変化するため、各存在形態(硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウム塩、他)そのものの重量では処理状況の把握が困難なため、窒素の重量に着目することが一般的である。
本明細書では、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を含めて硝酸系窒素と呼ぶこととする。
本発明によれば、廃液中に含まれる硝酸塩を簡単に窒素にまで還元処理でき、硝酸塩濃度の変化に応じて安定な処理が可能であって、高濃度から低濃度の硝酸塩を効果的に処理することができる。
本発明は、10,000ppmを超える硝酸塩を含有する廃液の処理に関する。特に好ましくは、核燃料の再処理工場から排出される、高濃度の硝酸塩を含有し、pH12以上の廃液である。
硝酸塩還元工程では、廃液中の硝酸塩を還元分解して、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下とする。硝酸塩還元工程として、好ましくは、ヒドラジン還元段階とアンモニア還元段階の組み合わせである。
ヒドラジン還元段階は、硝酸塩を含む廃液に、触媒の存在下、ヒドラジン又はその塩を添加し、下記に示すように硝酸塩を亜硝酸塩に還元する。
NO3 - + 1/2N24 → NO2 - + 1/2N2 + H2
廃液は、好ましくはpH8以上、より好ましくはpH12に調整する。廃液のpHが8未満では、硝酸塩の還元反応の速度が低下する場合がある。廃液のpHの調整には、水酸化ナトリウム、硫酸等を用いることができる。
ヒドラジン又はその塩としては、ヒドラジンの一水和物、硫酸ヒドラジン等が挙げられる。ヒドラジン又はその塩は、好ましくは、廃液中の硝酸塩に対して1.25〜3倍当量添加される。1.25倍当量未満では還元が不充分となる場合があり、3倍当量を超えるとコストが高くなる。
触媒としては、好ましくは、スポンジ銅触媒等が挙げられる。
スポンジ銅触媒は、銅とアルミニウムの合金からアルミニウムを溶出することによって得られる。
ヒドラジン還元段階は、廃液を加圧する必要がない点から、好ましくは常圧で行うことができる。
アンモニア還元段階では、下記式に示すように、亜硝酸塩を窒素に還元することができる。
NO2 - + NH3 → N2 + OH- + H2O …(1)
アンモニアは、アンモニアガスまたはアンモニア水として添加してよく、好ましくは、亜硝酸塩に対して1.1〜1.5倍当量を添加することができる。アンモニアの添加量が高い程、亜硝酸の分解速度は向上するが、過剰に添加したアンモニアは窒素としてカウントされるため、処理液中に窒素が残存することになり、放流規制値を満足できなくなる場合が生じる。そのため、本工程では、添加するアンモニア量を亜硝酸との当量近傍に制御し、過剰なアンモニアの添加を抑える必要がある。本反応は温度が高い程反応速度が高いため、加温条件で実施することが望ましいが、大気圧条件で実施することを考え、反応温度は80℃が好ましい。なお、本還元反応速度はヒドラジン還元に比べて遅いため、反応時間は2〜10時間が好適である。
ヒドラジン還元段階とアンモニア還元段階は、バッチ式でも連続式でも良い。還元剤として安価なアンモニアを用いることで運転費用が低減できる。
硝酸塩還元工程として、ヒドラジン還元段階とアンモニア還元段階の組み合わせが好ましてが、これに限定されるものではなく、廃液中の硝酸塩を還元分解して、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下とする工程であればよい。例えば、硝酸塩還元工程として、特許文献2に記載の電気分解を利用してもよい。
本発明によれば、合計濃度で10,000ppm以下である硝酸系窒素は、廃液中の硝酸塩を還元分解する硝酸塩還元工程、または合計濃度で10,000ppmを超える硝酸系窒素を希釈する希釈工程、またはそれらの組み合わせによって得ることができる。
本発明によれば、好ましくは10,000ppm以下、より好ましくは1000〜3000ppmとなった硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を窒素に還元するための微生物処理工程を含むことができる。反応効率が低下する低濃度の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を、運転費用の低い微生物で処理することにより、運転コストの低減が可能となる。
微生物処理工程は、好ましくは、嫌気性脱窒菌と水素供与体とを投入され、撹拌機を備えた脱窒槽で行われる。
脱窒菌は、硝酸塩と亜硝酸塩を還元できる公知の微生物であり、水素供与体の存在下では、窒素とともに水を生成する。
水素給与体としては、微生物の栄養である炭素源にもなる、メタノール、エタノール等のアルコール、グルコース、スクロース等の糖類、酢酸、酢酸ナトリウム等の有機酸又はその塩等が挙げられるが、その後の処理の容易さの点から好ましくはメタノールである。
脱窒菌とメタノールを用いて亜硝酸塩の窒素への変換は、下記式で表される。
NO2 - + 1/3CH3OH → 1/2N2 + 1/2CO2 + 1/2H2O + OH- …(2)
脱窒菌とメタノールを用いると、硝酸塩も窒素に変換できる。
メタノールは、好ましくはメタノールと窒素分の重量比(C/Nと記載)で3.0となるように添加されるが、処理の状況に応じて添加量を増減させることができる。脱窒槽内における廃液の滞留時間は、好ましくは1〜24時間である。反応温度は脱窒菌が死滅しない範囲である、好ましくは5〜40℃、より好ましくは15〜35℃である。また、被処理水中のリンの含有量が少ない場合には、脱窒菌の生育に必要な栄養塩として、リン酸ナトリウム等のリン酸塩を添加する。
微生物処理工程は、好ましくは、槽内硝酸態窒素濃度の異なる少なくとも二つの微生物処理槽を用いて行われる。
硝酸塩から窒素への変換速度と微生物濃度との関係を図1に示すが、亜硝酸から窒素への変換速度と微生物との関係も図1と同様である。硝酸態窒素濃度100ppmに対応する微生物濃度までは、変換速度は微生物濃度とともに増加するが、硝酸態窒素濃度100〜10,000ppmでは、変換速度が一定となる。
例えば、10,000ppmの硝酸態窒素を、100ppmの硝酸態窒素濃度で生育されている第1微生物槽に投入して100ppmの硝酸態窒素として排出し、これを10ppmの硝酸態窒素濃度で生育されている第2微生物槽に投入して10ppmの硝酸態窒素として排出できる。これは、10,000ppmの硝酸態窒素を、10ppmの硝酸態窒素濃度で生育されている微生物槽に投入して10ppmの硝酸態窒素として排出する場合に比べて、硝酸塩から窒素への変換を加速できる。
100ppmの硝酸態窒素濃度で生育されている第1微生物処理槽と10ppmの硝酸態窒素濃度で生育されている第2微生物処理槽とについて例示したが、これに限定されるものではない。
好ましい濃度の組み合わせとしては、第1微生物処理槽として100〜1000ppm、微生物処理槽が二つのときの第2微生物処理槽、又は微生物槽が三つ以上のときの最終微生物処理槽として放流規制値として要求される窒素濃度、例えば10〜120ppmである。微生物処理による脱窒反応は、90〜95%の除去率で運転することがメタノールの添加量、装置の大きさ等から経済的であることから、各槽の除去率が上記範囲に入るような組合せが望ましい。
本発明によれば、図1に示す微生物濃度と窒素への変換速度との関係、微生物処理工程以前の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の濃度等に基づき、微生物処理槽の数や微生物濃度が決定できる。硝酸塩還元工程での処理は短時間であるが、処理量に比例して薬品等の使用量が増大するため、コスト重視の際には、低濃度域で効率的に処理できる微生物処理が適する。微生物処理の対象となる硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度は、微生物処理が可能となる10,000ppmである。ただし、コストより装置の大きさを小さくすることや処理速度が重要な場合には硝酸塩還元工程での処理を優先し、微生物処理の対象となる濃度は1,000〜3,000ppmに設定することが望ましい。また、硝酸塩還元工程としてヒドラジン還元工程とアンモニア還元工程を組み合わせた場合には、微生物処理工程を用いることなく、10ppm程度の低濃度域まで廃液の処理が可能である。本発明により、硝酸塩廃液処理をスペックに合わせて柔軟に対応できる。
脱窒槽を出た廃液は、好ましくは脱窒処理槽の後段に設置した曝気槽によって余剰な有機物を分解した後、固液分離工程において微生物含有汚泥と処理液に分離される。固液分離手段としては、特に限定されないが、好ましくは、沈殿槽、膜分離槽が用いられる。沈殿槽では、重力沈降により汚泥が沈降して微生物含有汚泥と処理液に分離される。
固液分離工程で得られた微生物含有汚泥は、好ましくは、硝酸塩還元工程前の廃液に溶解され、得られた溶解液は、微生物処理工程に供給できる。この溶解液は、微生物処理工程に用いる水素供与体として利用することができるため、二次廃棄物量の低減と、メタノール等の水素供与体の低減が可能となる。
本発明の硝酸廃液の処理装置の一例を図2に示す。
硝酸塩を含む廃液は、撹拌機7を備えたヒドラジン還元槽1に送られ、その後、撹拌機17とヒータを備えたアンモニア還元槽11に送られて、窒素を放出するとともに、硝酸塩と亜硝酸塩の合計濃度で10,000ppm以下の廃液とする。図2では、ヒドラジン還元槽1とアンモニア還元槽11を示したが、電気分解法を用いるのであれば、これらの槽に代えて電解槽を用いればよい。また、工業用水、水道水等により希釈することで硝酸態窒素濃度を10,000ppm以下の廃液として供給することも可能である。
硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下の廃液は、撹拌機27を備え、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で100〜1000ppmで生育されている微生物処理槽21に導かれ、脱窒菌によって嫌気性条件で、窒素に還元分解されて大気へ放出される。また、微生物の増殖に必要なメタノールをポンプ24によって注入する。pHコントローラ25に基づき、必要であれば酸をポンプ26によって注入する。なお、メタノールは炭素源かつ水素供与体として機能するため、メタノールのみの添加を示したが、炭素源と水素供与体が別物質であれば、それぞれ別々のポンプを介して注入してよい。
微生物処理槽21で処理された廃液は、撹拌機37を備え、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で放流水として要求される窒素濃度に設定した微生物処理槽31に導かれ、脱窒菌によって嫌気性条件で、窒素に還元分解されて大気へ放出される。また、微生物の増殖に必要なメタノールをポンプ34によって注入する。pHコントローラ35に基づき、必要であれば酸をポンプ36によって注入する。なお、メタノールは炭素源かつ水素供与体として機能するため、メタノールのみの添加を示したが、炭素源と水素供与体が別物質であれば、それぞれ別々のポンプを介して注入してよい。
なお、図2では、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で100〜1000ppmと10ppmに設置した二つの微生物処理槽21と31を示したが、一つの微生物処理槽としてもよいし、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度の異なる三つ以上の微生物処理槽としてもよい。また、濃度計は、図示されていないが、例えば、アンモニア還元槽11、微生物処理槽21と31の処理水出口側に設置することができ、アンモニア還元槽11と微生物処理槽21の間の処理水、微生物処理槽21と31の間の処理水、微生物槽31と暴露槽41の間の処理水の濃度を測定する。
微生物処理槽31からの被処理物は、曝気槽41において、ブロワ42から散気装置43を介して空気泡を発生させ、余剰に加えられたメタノールを分解する。
固液分離槽51では、曝気槽41からの被処理物を微生物含有汚泥と被処理液に分離する。微生物含有汚泥は、汚泥返送ポンプ54を用いて、pHコントローラ65と撹拌機67を備える汚泥可溶化槽61に運ばれ、ポンプ66を介して加えられるアルカリにより溶解される。なお、対象となる廃液がアルカリ性の場合は、アルカリの代わりに廃液を加えて汚泥を溶解させることができる。得られた汚泥溶解液は、微生物処理槽21に戻される。得られた汚泥溶解液は、微生物処理槽31に戻してもよい。
固液分離槽としては、特に限定されないが、沈殿槽や膜分離槽が挙げられる。
微生物含有汚泥の一部を直接、微生物処理槽に戻すことにより、槽内の汚泥量を維持し、性能を保持することができる。アルカリ処理した溶解汚泥液は微生物の栄養源として活用できるだけなく、余剰汚泥の発生量を低減することができる。すなわち廃棄物の少ない硝酸塩廃液処理とすることができる。なお、汚泥可溶化槽で加えられたアルカリが硝化槽1に添加されるため、硝化槽1にポンプ6を介して加えられるアルカリの量は減少する。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:硝酸のヒドラジン、アンモニア分解試験
高濃度硝酸塩廃液の還元例を示す。試験装置としてマグネチックスターラーの上に容量1Lのビーカーを設置し、攪拌しながら反応できるようにした。1Lのビーカーに硝酸態窒素濃度が40,000ppmの硝酸ナトリウム溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを12に調整した溶液を500mL投入した。
次に、触媒としてパラジウム粉末を1g投入し、スターラーで攪拌を行った。攪拌は反応終了まで連続的に実施した。ヒドラジンを一気に添加すると反応熱によりビーカー内の水分が突沸し危険であることから、攪拌されている溶液中にヒドラジンを徐々に添加し、硝酸とヒドラジンを反応させた。ヒドラジンの添加量はビーカーに投入された硝酸モル濃度の0.8倍とした(モル当量として1.6倍)。反応後2時間経過後の液の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、ヒドラジン濃度を測定した。試験結果を表1に示した。表1よりヒドラジンによって硝酸態窒素は亜硝酸態窒素に還元できることが確認された。
Figure 2007105627
次に、上記試験で生成した亜硝酸をアンモニアにより還元する試験を実施した。
上記と同じ装置であるが、反応温度を60℃にするため、ビーカーを水浴中で60℃に保持したものを用いた。上記試験で得られた反応液500mLをビーカーに投入する。本反応液の亜硝酸態窒素濃度は39,000ppmであった。そこにアンモニア水を反応モル当量の1.0倍となるように徐々に添加して亜硝酸を反応させた。8時間後の反応液を採取し、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素濃度を測定した。試験結果を表2に示した。表2より、処理水の亜硝酸態窒素濃度は1,000ppm以下になることを確認した。本試験結果では、未反応のアンモニアが残存していたが、反応温度を高くするか、反応時間をより長く取ることによって、残存アンモニアと亜硝酸が反応し、より低濃度まで処理することができる。
Figure 2007105627
実施例2:硝酸の微生物分解試験
実験1:第1微生物処理槽の性能確認試験
脱窒菌を用いた微生物処理による硝酸塩の還元例を示す。
図3に示した有効容量500mlの脱窒槽に攪拌機を設置し、70〜140rpmで攪拌した。脱窒槽には下水処理場から採取した活性汚泥を、硝酸ナトリウム6gを水道水1Lの割合で溶解した模擬廃液と炭素源としてメタノールを用いて、嫌気条件下で脱窒性能および、槽内の硝酸態窒素濃度が1000ppmで生育していることを確認できるまで馴致した汚泥を使用した。
本試験では第1微生物処理槽を模擬するため、硝酸ナトリウム6g(硝酸態窒素濃度として10,000ppm)、リン酸ナトリウム440mgを水道水1Lに溶解して調製した原水を模擬原水1として用いた。
メタノールは模擬原水1から流入する窒素濃度に対する比率が3.0となるように脱窒槽に直接投入した。脱窒槽の反応温度は室温(約25℃)とし、原水は100mL/dの割合で連続的に脱窒槽に通水した。この時の脱窒槽の容積負荷は2kg−N/m3・d(容積窒素負荷、2kg/m3・d)であった。約1ヶ月間連続通水した結果を表3に示した。表3より、微生物処理によって、硝酸態窒素濃度10,000ppmの廃液が1,000ppmまで処理できることを確認した。
Figure 2007105627
実験2:第2微生物処理槽の性能確認試験
次に同じ装置および活性汚泥を用いて、第2微生物処理槽を模擬するため、硝酸態窒素濃度を1,000ppmに調製した模擬原水2を用いて、同様の試験を実施した。試験に用いた汚泥は槽内の硝酸態窒素濃度が10ppmで生育可能となるように馴致した汚泥を用いた。窒素投入量に合わせて、メタノールの投入量はC/N=3.0となるように調整した。ただし、脱窒槽の容積負荷を前回の試験と同じにするため、模擬原水2の流量は、1L/dとした。模擬原水2を用いた試験の結果を表4に示した。表4より、微生物処理によって、1,000ppmの硝酸態窒素が10ppmまで処理できることを確認した。
Figure 2007105627
実験3:微生物処理槽の連結による性能確認試験
上記2つの試験結果より、10,000ppmの硝酸態窒素は10ppmにまで処理できることが示唆されたが、上記装置を連結して処理性能の確認を実施した。図3に示す装置を2組準備した。ただし、1組の脱窒槽容量は各槽の脱窒負荷を同一にするため50mLとした。容量500mLの装置の処理水出口を容量50mLの装置の原水入口に連結し、容量500mLの装置の入口に上記模擬原水1を100mL/dの流量で投入した。各脱窒槽の容積負荷は2kg−N/m3dであるので、それに合わせてそれぞれの槽のメタノール投入量をC/N=3.0となるように調整した。他の処理条件は実験1、実験2と同様とし、連続通水時の原水、処理水の硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、pHを測定して、評価した。試験結果を表5に示した。表5より、微生物処理槽を2段連結することにより、10,000ppmの硝酸態窒素を含む廃液を10ppmまで処理できることが確認された。
Figure 2007105627
硝酸塩から窒素への変換速度と微生物濃度との関係を示すグラフである。 本発明の硝酸廃液の処理装置の一例を示す。 脱窒試験装置を示す。
符号の説明
1 ヒドラジン還元槽
24,34,54 ポンプ
25,35,65 pHコントローラ
26,36,66 ポンプ
7,17,27,37,47,67 撹拌機
11 アンモニア還元槽
21 微生物処理槽
31 微生物処理槽
41 曝気槽
42 ブロワ
43 散気装置
51 固液分離槽
61 汚泥可溶化槽

Claims (10)

  1. 廃液中の硝酸塩を還元分解して、硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計濃度で10,000ppm以下とする硝酸塩還元工程を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法であって、該硝酸塩還元工程が、廃液中の硝酸塩にヒドラジン又はその塩を接触させて亜硝酸塩に還元するヒドラジン還元段階と、該亜硝酸塩にアンモニアを接触させて窒素に還元するアンモニア還元段階を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法。
  2. 上記アンモニア還元工程の後に、合計濃度で10,000ppm以下となった硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を窒素に還元するための微生物処理工程を含んでなる請求項1に記載の硝酸塩廃液の処理方法。
  3. 硝酸態窒素と亜硝酸態窒素とそれらの混合物とからなる一群から選ばれる硝酸系窒素であって合計濃度で10,000ppm以下の硝酸系窒素を窒素に還元するための微生物処理工程を含んでなる硝酸塩廃液の処理方法。
  4. 上記合計濃度で10,000ppm以下である硝酸系窒素が、廃液中の硝酸塩を還元分解する硝酸塩還元工程、合計濃度で10,000ppmを超える硝酸系窒素を希釈する希釈工程、またはそれらの組み合わせによって得られる請求項3に記載の硝酸塩廃液の処理方法。
  5. 上記微生物処理工程が、微生物濃度の異なる少なくとも二つの微生物処理槽を用いて行われる請求項2〜4のいずれかに記載の硝酸塩廃液の処理方法。
  6. 上記微生物処理工程の後に、微生物含有汚泥と処理液に分離する固液分離工程を含んでなる請求項2〜5のいずれかに記載の硝酸塩廃液の処理方法。
  7. 上記固液分離工程で分離された微生物含有汚泥を、上記硝酸塩還元工程前の廃液に溶解し、得られた溶解液を上記微生物処理工程に供給する請求項6に記載の硝酸塩廃液の処理方法。
  8. 硝酸態窒素と亜硝酸態窒素とそれらの混合物とからなる一群から選ばれる硝酸系窒素の合計濃度で10,000ppm以下を得るために、廃液中の硝酸塩を還元分解する硝酸塩還元槽、希釈槽、またはそれらの組み合わせを備え、該10,000以下の硝酸系窒素を微生物を用いて窒素に還元して窒素を放出する微生物処理槽と、該微生物処理槽で処理された処理物を微生物含有汚泥と処理水に分離する固液分離槽を備えてなる硝酸塩廃液の処理装置。
  9. 上記微生物処理槽が、微生物濃度の異なる少なくとも二つの微生物処理槽である請求項7に記載の硝酸塩廃液の処理装置。
  10. 上記微生物含有汚泥を上記硝酸塩還元工程で処理される前の廃液に溶解する微生物汚泥溶解槽を備えてなり、得られた溶解液を上記微生物処理槽に供給する請求項8又は請求項9に記載の硝酸塩廃液の処理装置。
JP2005298932A 2005-10-13 2005-10-13 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置 Withdrawn JP2007105627A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005298932A JP2007105627A (ja) 2005-10-13 2005-10-13 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005298932A JP2007105627A (ja) 2005-10-13 2005-10-13 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007105627A true JP2007105627A (ja) 2007-04-26

Family

ID=38031901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005298932A Withdrawn JP2007105627A (ja) 2005-10-13 2005-10-13 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007105627A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009099208A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 放射性硝酸塩廃液処理装置及び方法
WO2009099207A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 硝酸塩廃液処理方法及び装置
WO2009099209A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 放射性硝酸塩廃液処理装置
JP2011507691A (ja) * 2007-12-28 2011-03-10 メルコスール コマーシャル エリテーデーアー. 嫌気的消化によって不純物を除去する工程で微生物コロニーの濃度を増加させる方法
JP2012148219A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Sumitomo Metal Mining Engineering Co Ltd 硝酸性窒素含有排水の処理方法及びその処理方法に用いるスポンジ銅触媒
JP2012187490A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Kinki Univ 亜硝酸性窒素の浄化方法
WO2018155436A1 (ja) * 2017-02-24 2018-08-30 株式会社カネカ 脱窒処理方法および脱窒処理装置
JP2020189284A (ja) * 2019-05-24 2020-11-26 Jfeスチール株式会社 排水の処理方法および排水の処理設備

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011507691A (ja) * 2007-12-28 2011-03-10 メルコスール コマーシャル エリテーデーアー. 嫌気的消化によって不純物を除去する工程で微生物コロニーの濃度を増加させる方法
EP2242061A4 (en) * 2008-02-08 2015-04-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd APPARATUS AND METHOD FOR TREATING A RADIOACTIVE NITRATE SALTED LIQUID
US8696892B2 (en) 2008-02-08 2014-04-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Apparatus for treating radioactive nitrate waste liquid
JP2009186437A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射性硝酸塩廃液処理装置
JP2009186438A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 硝酸塩廃液処理方法及び装置
EP2239742A1 (en) * 2008-02-08 2010-10-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method and apparatus for treating nitrate waste liquid
EP2242061A1 (en) * 2008-02-08 2010-10-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Apparatus and method for treatment of radioactive nitrate salt liquid waste
JP4625508B2 (ja) * 2008-02-08 2011-02-02 三菱重工業株式会社 硝酸塩廃液処理方法及び装置
JP4774120B2 (ja) * 2008-02-08 2011-09-14 三菱重工業株式会社 放射性硝酸塩廃液処理装置及び方法
EP2239742A4 (en) * 2008-02-08 2015-04-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd METHOD AND DEVICE FOR PROCESSING A NITRATE WASTE FLUID
WO2009099208A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 放射性硝酸塩廃液処理装置及び方法
WO2009099207A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 硝酸塩廃液処理方法及び装置
US8409438B2 (en) 2008-02-08 2013-04-02 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Apparatus and method for treating radioactive nitrate waste liquid
US8465646B2 (en) 2008-02-08 2013-06-18 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method and apparatus for treating nitrate waste liquid
WO2009099209A1 (ja) 2008-02-08 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 放射性硝酸塩廃液処理装置
JP2012148219A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Sumitomo Metal Mining Engineering Co Ltd 硝酸性窒素含有排水の処理方法及びその処理方法に用いるスポンジ銅触媒
JP2012187490A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Kinki Univ 亜硝酸性窒素の浄化方法
JPWO2018155436A1 (ja) * 2017-02-24 2019-12-12 株式会社カネカ 脱窒処理方法および脱窒処理装置
WO2018155436A1 (ja) * 2017-02-24 2018-08-30 株式会社カネカ 脱窒処理方法および脱窒処理装置
JP7398692B2 (ja) 2019-05-24 2023-12-15 Jfeスチール株式会社 排水の処理方法および排水の処理設備
JP2020189284A (ja) * 2019-05-24 2020-11-26 Jfeスチール株式会社 排水の処理方法および排水の処理設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007105627A (ja) 硝酸塩含有廃液の処理方法と処理装置
US8465646B2 (en) Method and apparatus for treating nitrate waste liquid
CN104609665A (zh) 草甘膦生产废水处理集成化工艺
CN102272059A (zh) 超纯水制备方法和装置
TWI568683B (zh) 水處理方法以及超純水製造方法
CN108949569B (zh) 一种培养厌氧氨氧化菌的方法
JP5914964B2 (ja) 超純水製造方法
JP2009066505A (ja) 好気性グラニュールの形成方法、水処理方法及び水処理装置
JP5149717B2 (ja) 脱窒処理方法及び脱窒処理装置
JP5702221B2 (ja) エタノールアミンおよびヒドラジン含有排水の処理方法ならびに処理装置
JP2008114215A (ja) 汚泥処理方法および処理装置
CN105712564A (zh) 一种草甘膦生产废水处理设备
JP2004230338A (ja) 廃水からのアンモニア性窒素化合物の除去方法
JP5149728B2 (ja) 脱窒処理方法及び脱窒処理装置
WO2012128212A1 (ja) 水処理方法及び超純水製造方法
JP2012011376A (ja) 汚水処理方法および装置
JPH08141597A (ja) 窒素及びフッ素含有排水の処理装置
JP5149736B2 (ja) 脱窒処理方法及び脱窒処理装置
JP5516874B2 (ja) 水処理方法及び超純水製造方法
JP2019217481A (ja) 水処理方法
CN110759607B (zh) 一种印染废水的总氮去除工艺
CN112979095A (zh) 一种酮连氮法合成水合肼废水的处理方法
CN112292355B (zh) 水处理方法和水处理装置
JP2007098279A (ja) 微生物を用いる排水処理装置及び排水処理方法
WO2008068040A1 (en) Process and apparatus for the biological treatment of waste water

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090106