JP7075267B2 - イオン交換樹脂の処理システム、及びイオン交換樹脂の処理方法 - Google Patents

イオン交換樹脂の処理システム、及びイオン交換樹脂の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、イオン交換樹脂の処理システム、及びイオン交換樹脂の処理方法に関する。
原子力発電所の一次冷却水には、不純物のほか、放射性物質(例えばコバルト、ニッケル)等の腐食生成物が含まれる。そのため、これらを除去することが好ましい。水中からの例えば放射性物質の除去は、例えば、イオン交換樹脂への水の通流により行うことができる。イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂のうちの少なくとも一種)への放射性物質の吸着により、水中の放射性物質を除去することができる。なお、ここでいう放射性物質とは、イオン性のものも含まれる。
放射性物質が吸着したイオン交換樹脂は、溶離液の通流によって吸着した放射性物質を溶離させた後、焼却等により処理される。一方で、放射性物質とともにイオン交換樹脂から排出された排出液については、放射性物質が濃縮された後に例えば固化処理され、放射性廃棄物として廃棄される。
イオン交換樹脂に吸着した放射性物質の溶離に関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、溶離液として硫酸水溶液を使用し、イオン交換樹脂に吸着した放射性物質の溶離を行うことが記載されている(特に、段落0026参照)。また、イオン交換樹脂と接触後の排出液から、硫酸イオンが膜分離されることが記載されている(特に、段落0027参照)。さらに、分離された硫酸イオンは硫酸水溶液としてイオン交換樹脂に供給されることが記載されている(特に、図1参照)。
特開2006-194623号公報
上記特許文献1に記載の技術について本発明者らが検討したところ、溶離液として硫酸を使用する溶離装置では、放射性廃棄物量及び処理時間の双方を大幅に削減することが出来ないことが分かった。具体的には、例えば放射性廃棄物量を削減するためには、膜分離する際の放射性物質の回収量を増やすことが考えられる。この場合、例えば低濃度の硫酸を使用したり通水速度を小さくしたりして、時間をかけて回収することが考えられる。しかし、この場合、使用される硫酸量が増加し易くなる。
一方で、処理時間を削減するためには、例えば高濃度の硫酸を使用したり通水速度を大きくしたりして、速やかに放射性物質を回収することが考えられる。しかし、この場合、放射性物質に接触する硫酸量が少なくなる結果、放射性物質の回収量が低下し易くなる。
従って、上記特許文献1に記載の技術では、放射性廃棄物量の削減と処理時間の削減とは、トレードオフの関係となる。
本発明の少なくとも一実施形態は、放射性廃棄物量及び処理時間の双方を従来よりも削減可能なイオン交換樹脂の処理システム、及びイオン交換樹脂の処理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムは、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂の処理システムであって、前記放射性物質を吸着した前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した前記放射性物質を含む排出液を得るための溶離装置と、前記放射性物質を含む前記排出液から硝酸イオンを膜分離するための膜分離装置と、前記硝酸イオンを含む水溶液を前記硝酸水溶液として前記溶離装置に供給するための硝酸水溶液系統と、塩酸水溶液及び硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を前記溶離装置に供給するための強酸系統とを備え、前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させることにより硝酸イオンが吸着した前記イオン交換樹脂に、前記強酸系統を介して前記溶離装置に供給された前記塩酸水溶液及び前記硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を通流させることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、硝酸水溶液によりイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させるため、溶離速度を速めることができる。これにより、処理時間を短くでき、さらには、硝酸水溶液の使用量を削減できる。また、膜分離装置において硝酸イオンを膜分離して回収するため、硝酸イオンの回収率を高めることができる。これにより、不足分を補うために使用される新たな硝酸水溶液の量を削減でき、放射性廃棄物量の削減を図ることができる。従って、放射性廃棄物量及び処理時間の双方を従来よりも削減できる。また、上記(1)の構成によれば、イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンを、塩化物イオン又は硫酸イオンのうちの少なくとも一方の強酸イオンに置換することができる。これにより、当該強酸イオンに置換後のイオン交換樹脂の取り扱い性及び保管性を高めることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)において、前記イオン交換樹脂の処理システムは、前記膜分離装置から排出され、前記硝酸イオン分離後の第2排出液であって、前記放射性物質を含む第2排出液を中和するための中和装置を備えることを特徴とする。
上記(2)の構成によれば、第2排出液を中和して、その後の廃液処理を行い易くすることができる。また、第2排出液を貯留して保管する場合には、中和により、保管し易くすることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)において、前記中和装置は、前記第2排出液に対して中和剤を供給するための中和剤系統に接続され、前記中和剤は、金属水酸化物であることを特徴とする。
上記(3)の構成によれば、金属水酸化物を用いて、中和剤供給後の第2排出液に含まれるpHを強酸性から中性に近づける(中性でもよい)ことで、保管容器の耐食性の観点から、放射性廃棄物を安定して長期間保管することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)において、前記中和剤は、水酸化ナトリウムを含むことを特徴とする。
上記(4)の構成によれば、水酸化ナトリウムによる中和により、水への溶解度が高い硝酸ナトリウムを生成させることができる。これにより、少ない水量でも硝酸ナトリウムを水溶液の状態にすることができ、水量を減らすことができる。この結果、廃液量及び放射性廃棄物量を減らすことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)において、前記中和剤は、水酸化マグネシウムを含むことを特徴とする。
上記(5)の構成によれば、硝酸の中和により、硝酸マグネシウムを生成させることができる。そして、硝酸マグネシウムは安定性に優れることから、中和後に得られる廃液を例えばセメント等として固化処理した場合に、セメント内部において硝酸マグネシウムを安定して存在させることができる。この結果、セメントの形状変化(例えばひび割れ等)を抑制でき、放射性廃棄物を安定して保管できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の何れか1において、前記膜分離装置は、陰イオン交換膜を備える拡散透析装置を含み、前記拡散透析装置は、前記排出液から前記陰イオン交換膜を透過した前記硝酸イオンを分離するように構成されたことを特徴とする。
上記(6)の構成によれば、陰イオン交換膜の両側を通流する水のイオン濃度差を利用して、硝酸イオンを分離することができる。このため、分離に使用される外部エネルギを削減でき、省エネルギ化を図ることができる。
)幾つかの実施形態では、上記(1)~()の何れか1において、前記イオン交換樹脂の架橋度が10%以上20%以下であることを特徴とする。
上記()の構成によれば、架橋度の高いイオン交換樹脂であっても、吸着した放射性物質を速やかに溶離させることができる。これにより、硝酸水溶液の使用量を削減して、廃液量及び放射性廃棄物量を削減することができる。
)幾つかの実施形態では、上記(1)~()の何れか1において、前記イオン交換樹脂の処理システムは、前記膜分離装置から排出され、前記硝酸イオン分離後の第2排出液であって、前記放射性物質を少なくとも含む第2排出液中の硝酸イオンを微生物分解するための微生物分解装置を備えることを特徴とする。
上記()の構成によれば、硝酸イオンを窒素ガスに還元して外部に排出することができる。これにより、硝酸イオンの残存量を減らすことができ、濃縮倍率を高めることができる。この結果、廃液の量を抑制し、放射性廃棄物量を減らすことができる。また、硝酸イオンの残存量を減らすことができるため、保管中の硝酸イオンの分解を抑制し、放射性物質の保管性を高めることができる。さらには、中和処理を行わなくても第2排出液のpHを中性に近づけることができ、中和処理に伴う中和剤イオンの発生を抑制できる。この結果、放射性物質の保管性を高めることができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理方法は、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂の処理方法であって、前記放射性物質を吸着した前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した前記放射性物質を含む排出液を得る溶離ステップと、前記放射性物質を含む前記排出液から硝酸イオンを膜分離する膜分離ステップと、前記硝酸イオンを含む水溶液を前記硝酸水溶液として前記イオン交換樹脂に供給する硝酸供給ステップと、塩酸水溶液及び硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を前記イオン交換樹脂に供給する強酸供給ステップとを含み、前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させることにより硝酸イオンが吸着した前記イオン交換樹脂に、前記塩酸水溶液及び前記硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を通流させることを特徴とする。
上記()の方法によれば、硝酸水溶液によりイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させるため、溶離速度を速めることができる。これにより、硝酸水溶液の使用量を削減でき、放射性廃棄物量の削減を図ることができる。また、膜分離装置において硝酸イオンを膜分離して回収するため、硝酸イオンの回収率を高めることができる。これにより、不足分を補うために使用される新たな硝酸水溶液の量を削減でき、この点でも、放射性廃棄物量の削減を図ることができる。また、上記(9)の方法によれば、イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンを、塩化物イオン又は硫酸イオンのうちの少なくとも一方の強酸イオンに置換することができる。これにより、当該強酸イオンに置換後のイオン交換樹脂の取り扱い性及び保管性を高めることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、放射性廃棄物量及び処理時間の双方を従来よりも削減可能なイオン交換樹脂の処理システム、及びイオン交換樹脂の処理方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムの系統図である。 本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムに備えられる膜分離装置の模式図である。 溶離液として硝酸水溶液を使用した場合(実施例)及び硫酸水溶液を使用した場合(比較例)における、イオン交換樹脂からの放射性物質の溶離速度の違いを示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理方法を示すフローチャートである。 本発明の二実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムの系統図である。 本発明の三実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムの系統図である。 本発明の四実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムの系統図である。 本発明の五実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システムの系統図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、以下に実施形態として記載されている内容又は図面に記載されている内容は、あくまでも例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。また、各実施形態は、2つ以上を任意に組み合わせて実施することができる。さらに、各実施形態において、共通する部材については同じ符号を付すものとし、説明の簡略化のために重複する説明は省略する。
また、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム100の系統図である。以下、イオン交換樹脂の処理システムのことを、単に「処理システム」という。処理システム100は、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂を処理するためのシステムである。ここでいうイオン交換樹脂とは、例えば上記原子力発電所での使用済み水に含まれる放射性物質が吸着したものである。
また、放射性物質とは、例えば陽イオン、陰イオンになっている放射性元素であり、具体的には例えば、60Co、137Cs、63Ni、129I等の放射性元素のイオンが挙げられる。放射性物質は1種が単独で含まれてもよく、2種以上が任意に比率及び組み合わせで含まれてもよい。なお、放射性元素の大部分は、水中で陽イオンとして存在する。そこで、以下の説明では、放射性物質として陽イオンの放射性元素を主に例示して、処理システム100の説明を行う。陰イオンの放射性元素は、例えば、最終的に外部に排水する際に、水中から除去される。
処理システム100は、図1に示すように、溶離装置10と、膜分離装置11と、中和装置12と、濃縮装置13とを備える。また、図1には、説明の便宜上、処理システム100により処理される使用済みイオン交換樹脂(放射性物質を吸着したイオン交換樹脂)を保管するための使用済みイオン交換樹脂タンク14が図示される。さらには、図1には、説明の便宜上、処理システム100によって放射性物質が除去された後のイオン交換樹脂を保管するための保管庫15と、放射性物質が除去された後のイオン交換樹脂を焼却するための焼却炉16とが図示される。
溶離装置10は、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂(使用済みイオン交換樹脂)に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した放射性物質を含む排出液を得るためのものである。溶離に使用される硝酸水溶液は、後記する硝酸水溶液系統23を通じて溶離装置10に供給されたものである。また、溶離装置10には、使用済みイオン交換樹脂タンク14に保管された使用済みイオン交換樹脂が供給される。そして、放射性物質を溶離した後のイオン交換樹脂は、保管庫15で保管された後、焼却炉16において焼却される。焼却により発生した燃焼灰は例えば埋め立て処理される。
溶離装置10は、例えば、使用済みイオン交換樹脂を収容可能に構成された槽型である。そして、溶離装置10に使用済みイオン交換樹脂を収容し、溶離装置10に硝酸水溶液に供給することで、使用済みイオン交換樹脂の内部に硝酸水溶液が通流する。この結果、使用済みイオン交換樹脂に吸着した放射性物質がイオン交換樹脂から溶離し、放射性物質及び硝酸水溶液(硝酸イオン)を含む排出液が排出される。排出された排出液は、排出液系統24を通じて、後記する膜分離装置11に供給される。
溶離装置10において放射性物質を溶離させる際、詳細は後記するが、放射性物質の溶離速度が従来よりも速くなっている。そのため、従来よりも架橋度が高く、多くの放射性物質が吸着しているイオン交換樹脂であっても、吸着した放射性物質を速やかに溶離させることができる。これにより、硝酸水溶液の使用量を削減して、廃液量及び放射性廃棄物量を削減することができる。
処理システム100において処理されるイオン交換樹脂の架橋度は、例えば10%以上20%以下であることが好ましい。このような高架橋度を有するイオン交換樹脂には、低架橋度のイオン交換樹脂よりも、多くの放射性物質を吸着させることができる。即ち、高架橋度のイオン交換樹脂を使用することで、単位体積当たりの吸着量を増加できる。また、硝酸水溶液を用いた溶離時には、上記のように溶離速度が速いため、放射性物質を速やかに溶離できる。この結果、硝酸水溶液の使用量を削減して、廃液量及び放射性廃棄物量を削減することができる。
なお、イオン交換樹脂の架橋度は、以下のようにして決定することができる。即ち、例えば、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体に対してイオン交換基(スルホン酸基、アミノ基等)を導入したイオン交換樹脂の場合、ポリスチレン同士を架橋させるジビニルベンゼンの量(全原料に対するジビニルベンゼンの原料比率)を、架橋度として用いることができる。他のイオン交換樹脂についても同様であり、全原料に対する架橋剤の原料比率を架橋度とすることができる。
膜分離装置11は、放射性物質を含む排出液から硝酸イオンを膜分離するためのものである。膜分離装置11に供給される排出液は、上記のように排出液系統24を通じ、上記の溶離装置10から供給されたものである。この排出液は、上記のように溶離装置10から排出されたものであり、硝酸水溶液を含む。そこで、膜分離装置11では、排出液から硝酸イオンが膜分離されるようになっている。
図2は、本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム100に備えられる膜分離装置11の模式図である。膜分離装置11は、陰イオン交換膜11cを備える拡散透析装置11Aを含むものである。そして、拡散透析装置11Aは、上記溶離装置10から供給された排出液から、陰イオン交換膜11cを透過した硝酸イオンを分離するように構成されている。
拡散透析装置11Aでは、陰イオン交換膜11cを堺にして、第1流路11aと第2流路11bとが形成される。これらのうち、第1流路11aの入口には、放射性物質及び硝酸水溶液(硝酸イオン)を含む排出液が供給される。また、第2流路11bの入り口には、純水系統31を通じて純水が供給される。さらに、第1流路11aでの通流方向と、第2流路11bの通流方向とは対向流となっている。
第1流路11aにおいて、排出液に含まれる硝酸イオンは陰イオン交換膜11cを透過して第2流路11bに至る。このとき、硝酸イオンは、排出液と純水との間のイオン濃度差を駆動力として、陰イオン交換膜11cを透過する。一方で、排出液に含まれる放射性物質(図2では図示の簡略化のために「M2+」として図示している)は、自身の電荷(プラス)によって陰イオン交換膜11cを透過できず、第1流路11aに残存する。この結果、第1流路11aの出口からは、残存する放射性物質と、陰イオン交換膜11cで分離回収されなかった硝酸イオンが排出される。排出された放射性物質及び硝酸イオンを含む第2排出液は、第2排出液系統25を通じて、後記する中和装置12に供給される。
また、第2流路11bを流れる純水には、上記のように陰イオン交換膜11cを透過した硝酸イオンが溶解する。これにより、第2流路11bの出口からは、硝酸イオンを含む硝酸水溶液が排出される。排出された硝酸水溶液は、硝酸イオンを含む硝酸水溶液を溶離装置10に供給するための硝酸水溶液系統23を通じて、溶離装置10に供給される。なお、溶離装置10には、膜分離装置11において膜分離された硝酸イオンを含む硝酸水溶液のほか、陰イオン交換膜11cを透過しなかった硝酸イオンを補うため、適宜新たな硝酸水溶液が供給される。
このように、膜分離装置11は拡散透析装置11Aを含み、拡散透析装置11Aの陰イオン交換膜11cによって硝酸イオンが分離回収されている。このような陰イオン交換膜11cを使用することで、陰イオン交換膜11cの両側を通流する水(排出液及び純水)のイオン濃度差を利用して、硝酸イオンを分離することができる。このため、分離に使用される外部エネルギを削減でき、省エネルギ化を図ることができる。
図1に戻って、中和装置12は、膜分離装置11から排出され、硝酸イオン分離後の第2排出液であって放射性物質を含む第2排出液を中和するためのものである。上記の図2を参照しながら説明したように、排出液中の硝酸イオンは陰イオン交換膜11cを透過する。しかし、全ての硝酸イオンを透過させることはできず、少量の硝酸イオンが第2廃液中に残存する。このため、第2排出液の液性は酸性となる。そこで、中和装置12では、酸性溶液の第2排出液の中和が行われる。中和装置12が備えられることで、第2排出液を中和して、その後の廃液処理を行い易くすることができる。また、第2排出液を貯留して保管する場合には、中和により、保管し易くすることができる。
中和装置12は、中和装置12に供給された第2排出液に対して中和剤を供給するための中和剤系統26に接続される。供給される中和剤は例えば金属水酸化物である。金属水酸化物を用いて、中和剤供給後の第2排出液に含まれるpHを強酸性から中性に近づける(中性でもよい)ことで、保管容器の耐食性の観点から、放射性廃棄物を安定して長期間保管することができる。
金属水酸化物の具体的種類は特に制限されないが、図1に示す例では、水酸化ナトリウム(ナトリウム水酸化物)が使用される。水酸化ナトリウムを含む中和剤を使用することで、水酸化ナトリウムによる中和により、水への溶解度が高い硝酸ナトリウムを生成させることができる。これにより、少ない水量でも硝酸ナトリウムを水溶液の状態にすることができ、水量を減らすことができる。この結果、廃液量及び放射性廃棄物量を減らすことができる。
なお、中和剤は、水酸化ナトリウム以外の中和剤を含んでいてもよい。例えば、中和剤としては、上記の金属水酸化物のほか、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。これらのうち、金属水酸化物としては、例えば上記の水酸化ナトリウムのほか、水酸化マグネシウム(図5を参照しながら後記する)、水酸化カルシウム等が挙げられる。さらに、金属酸化物としては、例えば、酸化カルシウム等が挙げられる。そして、金属炭酸塩としては、例えば炭酸カルシウム等が挙げられる。中和剤は、1種が単独で使用されてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで使用されてもよい。
濃縮装置13は、中和装置12において中和された第2排出液に含まれる水分を除去することで、第2排出液を濃縮するものである。濃縮の具体的方法は特に制限されないが、例えば、第2排出液の加熱、第2排出液の減圧等を採用することができる。従って、濃縮装置13は、例えば、加熱装置(ヒータ等)及び減圧装置(エバポレータ等)を備えて構成される。
濃縮装置13で濃縮される第2排出液には、硝酸イオンのほか、中和装置12において供給された水酸化ナトリウムに起因するナトリウムイオンが含まれる。そして、ナトリウムイオンと硝酸イオンとにより構成される硝酸ナトリウムは水への溶解度が高いため、少ない水であっても多くの硝酸ナトリウムを水中に溶解させることができる。そのため、濃縮装置13において、硝酸イオンを水中に溶解させたまま水を十分に減らして濃縮できるため、廃液の量を減らすことができる。この結果、放射性廃棄物の量を減らすことができる。
なお、濃縮装置13で発生した廃液は、図示はしないが適宜タンクに貯留される。そして、所定量が溜まったら、放射性物質を含む廃液は例えばセメント等によって固化処理される。そして、固化処理により得られた放射性廃棄物は、所定の保管場所において長期保管される。
ここで、本発明者らは、上記の図1に示す処理システム100において、以下に示す方法により、硝酸(実施例)及び硫酸(比較例)のそれぞれの溶離液を使用して、放射性物質の溶離試験を行った。まず、同じ架橋度を有するイオン交換樹脂を用い、溶離液を変えた場合の溶離速度の違いについて評価した。
実施例として、イオン交換樹脂としては、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体に対してスルホン酸基を導入した強酸性陽イオン交換樹脂(架橋度14%)を使用した。そして、このイオン交換樹脂1mLに対して、2.4mgのコバルトを吸着させた。なお、放射性コバルトと非放射性コバルトとは、いずれも、樹脂(イオン交換樹脂及びイオン交換膜)に対する特性は同一である。そこで、放射性廃棄物を発生させないために、ここでは非放射性コバルトを用いた。
コバルトを吸着したイオン交換樹脂をカラムを模した容器に入れ、溶離液として硝酸水溶液(濃度2N)を通流させた。このとき、硝酸水溶液の流量は0.38mL/分とした。通流中、硝酸水溶液の所定通流体積ごとに、ICP発光分光分析装置(ICP-AES)及びICP質量分析装置(ICP-MASS)を使用して排出液中の物質量を測定した。また、比較例として、硝酸水溶液に代えて硫酸水溶液(濃度2N)を使用したこと以外は上記実施例と同様にして測定を行った。これらの結果を図3に示す。
図3は、溶離液として硝酸水溶液を使用した場合(実施例)及び硫酸水溶液を使用した場合(比較例)における、イオン交換樹脂からの溶離速度の違いを示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、溶離装置10に収容したイオン交換樹脂の体積に対する硝酸水溶液の通流体積(液量体積比;Bed Volume)を表す。また、縦軸は、その時点までに排出された総物質量を、初めに吸着させた物質量で除して得られる値である溶離率(%)を表す。また、白抜きの丸(〇)で示すプロットは硝酸水溶液を使用した溶離(実施例)であり、白抜きの三角(△)で示すプロットは硫酸水溶液を使用した溶離(比較例)である。
このグラフに示すように、硝酸水溶液(〇)を使用することで、硫酸水溶液(△)を使用する場合と比べ、小さな液量体積比で溶離率を100%にできた。具体的には、硝酸水溶液を使用した場合(〇)、液量体積比が4のとき(点A)に、溶離率が100%になった。一方で、硫酸水溶液を使用した場合(△)、液量体積比が7のとき(点B)に、溶離率が100%になった。ここで、流量体積比の小ささは、イオン交換樹脂の体積に対する酸使用量が少ないことを表す。そのため、硝酸水溶液を使用して溶離を行うことで、硝酸水溶液の使用量をほぼ半分(4/7倍)に抑制しつつ、十分な溶離が可能となる。また、硝酸水溶液の使用量が少ないことで、溶離時間をほぼ半分(4/7倍)に短縮できる。従って、図3に示すように、硝酸水溶液を使用して溶離を行うことで、硫酸水溶液を使用した場合と比べ、溶離速度を速くすることができた。
なお、図示はしないが、架橋度が14%よりも小さなイオン交換樹脂の場合は、架橋度が14%のイオン交換樹脂よりも、イオン交換量が減少する。そのため、架橋度が14%よりも小さなイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させる際の溶離速度は、架橋度が14%のイオン交換樹脂よりも速くなると考えられる。
次に、架橋度が異なるイオン交換樹脂の溶離速度の違いを評価した。まず、実施例として、上記溶離試験と同じ条件で硝酸水溶液の通流を行い、コバルトが完全に溶離されるまでの時間を測定した。なお、ここでいう完全に溶離とは、コバルトの溶離量が検出限界以下となった状態をいう。この結果、完全に溶離されるまでの時間(溶離時間)は17.5時間であった。
また、比較例として、架橋度を8%に変更したこと以外は上記と同様のイオン交換樹脂を用い、かつ、硝酸水溶液に代えて硫酸水溶液(濃度2N)を使用したこと以外は上記の溶離試験と同様にして、コバルトが完全に溶離されるまでの時間を測定した。この結果、コバルトが完全に溶離されるまでの時間(溶離時間)は18.2時間であった。従って、硝酸水溶液を使用して架橋度14%のイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させる際の溶離速度と、硫酸水溶液を使用して架橋度8%のイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させる際の溶離速度とはほぼ同じであることがわかった。
上記のように、イオン交換樹脂の架橋度が小さくなれば、放射性物質の溶離速度は速まると考えられる。そのため、この試験結果によれば、架橋度が大きなイオン交換樹脂であっても、硝酸水溶液により溶離を行うことで、架橋度が小さなイオン交換樹脂からの溶離速度と同様に速い溶離速度で溶離を行うことができる。これにより、イオン交換樹脂に対する放射性物質の吸着量を増やしつつ、吸着した放射性物質を速やかに溶離させることができる。この結果、イオン交換樹脂及び溶離液(硝酸水溶液)の使用量を抑制しつつ、廃液量及び放射性廃棄物量を削減できる。
次に、上記の図2に示す拡散透析装置11Aにおいて、陰イオン交換膜11cに対する硝酸イオン(実施例)及び硫酸イオン(比較例)のそれぞれの透過率Rの違いを評価した。透過率R(%)は以下の式(1)で定義される値である。
Figure 0007075267000001
上記式(1)において、Cは、第1流路11aの出口から排出された第2排出液中の硝酸イオン濃度(mol/L)、Qは、第1流路11aの出口から排出された第2排出液の流量(L/分)である。また、Cは、第2流路11bの出口から排出された硝酸水溶液中の硝酸イオン濃度(mol/L)、Qは、第2流路11bの出口から排出された硝酸水溶液の流量(L/分)である。
まず、拡散透析装置11Aとして、AGCエンジニアリング社製 拡散透析槽 T-0を使用した。この拡散透析装置11Aは、上記陰イオン交換膜11cとして、AGCエンジニアリング社製陰イオン交換膜「DSV」を備えるものである。そして、拡散透析装置11Aの第1流路11aに対し、上記溶離試験において架橋度14%のイオン交換樹脂から硝酸水溶液により溶離して得られた処理液(完全溶離までの処理液の全量)を供給した。そして、第1流路11aの出口から排出された第2排出液について、含まれる硝酸イオンの濃度Cと、第2排出液の流量Qとを測定した。硝酸イオン濃度の測定は、イオンクロマトグラフ法に基づく測定装置を用いて行った。なお、これらの測定は25℃において行った。
一方で、十分量の純水を第2流路11bに流し、第2流路11bの出口から硝酸水溶液を得た。そして、第2流路11bの出口から排出された硝酸水溶液について、含まれる硝酸イオンの濃度Cと、硝酸水溶液の流量Qとを測定した。測定条件は、上記C及びQの測定と同条件とした。以上のようにして測定された値と、上記の式(1)とから硝酸イオンの透過率Rを算出したところ、硝酸イオンの透過率Rは96%であった。
また、拡散透析装置11Aの第1流路11aに対して供給する排出液として、上記処理液に代えて、上記溶離試験において架橋度14%のイオン交換樹脂から硫酸水溶液により溶離して得られた処理液(完全溶離までの処理液の全量)を用いたこと以外は同様にして、硫酸イオンの透過率Rを算出した。この結果、硫酸イオンの透過率Rは90%であった。
これらのように、硝酸イオン(実施例)の透過率と硫酸イオン(比較例)の透過率との間には、有意な差がみられた。特に、上記の処理システム100に示すように、硝酸イオンを循環させて繰り返し溶離を行うことから、溶離が繰り返されるごとにこの差はいっそう大きなものとなる。そして、本発明者らの検討によれば、硝酸イオンの透過率が硫酸イオンの透過率を大きく上回る理由として、陰イオン交換膜と硝酸イオンとの親和性(イオン交換平衡)に起因すると考えられる。
即ち、陰イオン交換膜と硝酸イオンとの親和性との親和性が高く、陰イオン交換膜に対して硝酸イオンが強くひきつけられる結果、硝酸イオンは陰イオン交換膜の内部に入り易くなる。この結果、内部に入った硝酸イオンは、反対側の純水との間のイオン濃度差によって純水側に移動し易くなる。これにより、硝酸イオンの透過率は、硫酸イオンの透過率よりも大きく上回ると考えられる。
そのため、硝酸水溶液による放射性物質の溶離を行って得られた排出液において、硝酸水溶液を回収することで、硝酸水溶液の回収率(上記の透過率Rに相当)を高めることができる。これにより、新たに使用する硝酸水溶液の量を低減でき、廃液量及び放射性廃棄物量を硫酸水溶液を使用した場合よりも削減できる。
次に、溶離装置10において硝酸水溶液(実施例)及び硫酸水溶液(比較例)のそれぞれの溶離液を使用した場合に、濃縮装置13での濃縮限界について評価した。
まず、硝酸イオンを含み、上記の透過率Rの算出時に得られた第2排出液について、水酸化ナトリウムによる中和を行った(実施例)。そして、中和後の第2排出液を、濃縮装置13において濃縮した。濃縮装置13は図示しない加熱装置を備えており、加熱装置により、第2排出液を加熱濃縮した。
ここで、この際の濃縮率を飽和溶解度で評価する、つまり析出限界まで濃縮できると仮定する。例えば、温度25℃で硝酸ナトリウムの溶解度は47.9質量%である。そして、硝酸イオンの透過率Rが上記の通り96%であるから、2N(2mol/L)の硝酸に対し、0.08mol/Lの硝酸イオンが残存したことになる。従って、水酸化ナトリウムでの中和によって生成した硝酸ナトリウムの濃度は0.7質量%(0.08mol/L)である。このため、硝酸ナトリウム濃度が0.7質量%の第2排出液を上記の析出限界まで濃縮できると仮定すると、中和後の第2排出液は68倍まで濃縮可能であることがわかった。
一方で、上記の硝酸イオンを含み、上記の透過率Rの算出時に得られた第2排出液に代えて、硫酸イオンを含み、上記の透過率Rの算出時に得られた第2排出液を使用したこと以外は同様にして、第2排出液の濃縮評価を行った(比較例)。
上記の実施例と同様に考えると、温度25℃で硫酸ナトリウムの溶解度は21.9質量%である。そして、硫酸イオンの透過率Rが上記の通り90%であるから、2N(1mol/L)の硫酸に対し、0.1mol/Lの硝酸イオンが残存したことになる。従って、水酸化ナトリウムでの中和によって生成した硝酸ナトリウムの濃度は1.4質量%(0.1mol/L)である。このため、硫酸ナトリウム濃度が1.4質量%の第2排出液を上記の析出限界まで濃縮できると仮定すると、中和後の第2排出液は15倍まで濃縮できるに過ぎないことがわかった。
これらの結果から、溶離液として硝酸水溶液を使用することで、第2排出液を十分に濃縮でき、廃液量を減らせることがわかった。従って、溶離液として硝酸数溶液を使用することで高濃縮化が可能となり、硫酸水溶液を使用して溶離を行う場合と比べて、廃液量及び放射性廃棄物量を削減できる。
以上の試験結果を具体的に挙げながら説明した上記の処理システム100によれば、硝酸水溶液によりイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させるため、溶離速度を速めることができる。これにより、処理時間を短くでき、さらには、硝酸水溶液の使用量を削減できる。また、膜分離装置11において硝酸イオンを膜分離して回収するため、硝酸イオンの回収率を高めることができる。これにより、不足分を補うために使用される新たな硝酸水溶液の量を削減でき、廃液量及び放射性廃棄物量の削減を図ることができる。従って、放射性廃棄物量及び処理時間の双方を従来よりも削減できる。
図4は、本発明の一実施形態に係るイオン交換樹脂の処理方法を示すフローチャートである。図4に示す処理方法は、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂の処理方法であって、上記の図1に示す処理システム100において行われる。そこで、図4の説明は、適宜図1を併せて参照しながら行う。
なお、図4に示す処理方法は、例えば、図示しない演算制御装置により実行することができる。演算制御装置は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(InterFace)、制御回路等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
まず、放射性物質が吸着したイオン交換樹脂を収容した溶離装置10に対して硝酸水溶液が供給される。これにより、放射性物質を吸着したイオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した放射性物質を含む排出液が得られる(ステップS1、溶離ステップ)。得られた排出液は、溶離装置10の後段に設置された膜分離装置11に供給される。そして、膜分離装置11では、溶離した放射性物質を含む排出液から硝酸イオンが膜分離される(ステップS2、膜分離ステップ)。
膜分離された硝酸イオンを含む水溶液は、硝酸水溶液として、上記の溶離装置10に供給される(ステップS3、硝酸供給ステップ)。このとき、上記のように、不足分の硝酸水溶液を補うために、新たな硝酸水溶液が適宜補充される。そして、図示しないセンサによって、排出液中の放射性物質の量が測定される。この場合、放射性物質の溶離が確認されたときには、少なくとも膜分離装置11で膜分離された硝酸イオンを含む硝酸水溶液により、再度の溶離が行われる(ステップS4のNo方向)。一方で、放射性物質の溶離が確認されない場合には、溶離が完了したとして、フローが終了する(ステップS4のYes方向)。
以上の処理方法によれば、硝酸水溶液によりイオン交換樹脂から放射性物質を溶離させるため、溶離速度を速めることができる。これにより、硝酸水溶液の使用量を削減でき、廃液及び放射性廃棄物量の削減を図ることができる。また、膜分離装置11において硝酸イオンを膜分離して回収するため、硝酸イオンの回収率を高めることができる。これにより、不足分を補うために使用される新たな硝酸水溶液の量を削減でき、この点でも、廃液量及び放射性廃棄物量の削減を図ることができる。
図5は、本発明の二実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム200の系統図である。図5に示す処理システム200では、上記の処理システム100とは異なり、中和装置12における中和剤として水酸化マグネシウムが使用されている。即ち、処理システム200では、処理システム100で使用した水酸化ナトリウムに代えて、水酸化マグネシウムが使用されている。なお、処理システム200において使用される中和剤は、水酸化マグネシウム以外の中和剤を含んでいてもよい。
上記の処理システム100において説明した濃縮限界について、水酸化マグネシウムを使用した処理システム200においても同様に評価した。この結果、溶離に使用した硝酸水溶液の体積の1/54の体積を有する廃液が得られた。従って、溶離液である硝酸水溶液は、25℃において54倍に濃縮されたことが確認された。なお、この廃液における硝酸マグネシウム濃度は56質量%(飽和濃度)であった。
処理システム200で生成した硝酸マグネシウムは、上記の処理システム100で生成する硝酸ナトリウムと比較して、水への溶解度がさらに高い。この結果、硝酸ナトリウムと比較してさらに少ない水に対して十分に溶解させることができる。これにより、さらなる高濃縮化が可能であり、廃液量及び放射性廃棄物量をさらに低減できる。また、中和剤として水酸化マグネシウムを使用することで、硝酸の中和により、硝酸マグネシウムを生成させることができる。そして、硝酸マグネシウムは安定性に優れることから、中和後に得られる廃液を例えばセメント等として固化処理した場合に、セメント内部において硝酸マグネシウムを安定して存在させることができる。この結果、セメントの形状変化(例えばひび割れ等)を抑制でき、放射性廃棄物を安定して保管できる。
図6は、本発明の三実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム300の系統図である。処理システム300では、上記の処理システム100に対し、溶離装置10に硫酸水溶液を供給するための強酸系統27が備えられている。即ち、処理システム300の溶離装置10は、イオン交換樹脂に硫酸水溶液を通流させるための強酸系統27をさらに備えている。
溶離装置10において、放射性物質の溶離が行われた後のイオン交換樹脂には、通流させた硝酸水溶液に由来する硝酸イオンが吸着している。そこで、処理システム300では、溶離が完了した後の溶離装置10に対し、硫酸タンク17から強酸系統27を通じて硫酸水溶液が供給される。これにより、硝酸イオンが吸着したイオン交換樹脂に硫酸水溶液が通流し、イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンが硫酸イオンに置換される。これにより、取り扱い性及び保管性に優れたイオン交換樹脂が得られる。
また、硫酸水溶液を通流させると、イオン交換樹脂に吸着していた硝酸イオンは硝酸水溶液として排出される。そして、排出された硝酸水溶液は硝酸タンク18に貯留される。硝酸タンク18に貯留された硝酸水溶液は、上記の硝酸水溶液系統23に適宜補充される硝酸水溶液として使用可能である。なお、硫酸水溶液の通流を停止させるタイミングによっては、硝酸タンク18に硫酸水溶液が混入する可能性がある。しかし、硝酸タンク18に混入した硫酸水溶液は、溶離装置10において溶離に使用されることで、含まれる硫酸イオンをイオン交換樹脂に吸着させることができる。そのため、このような硫酸水溶液の混入は通常は許容される。
硫酸水溶液の通流は、例えば、イオン交換樹脂からの硝酸イオンの溶離が完了するまで行うことが好ましい。具体的には例えば、溶離装置10の下流側に硝酸イオン量を検出するためのセンサ(例えば電気伝導率測定センサ)を設けるほか、下流側を通流する液体の一部を抜き出して例えばIR吸収スペクトルを測定することで、硝酸イオンの溶離完了を把握することができる。このようにすることで、過剰な硫酸水溶液の通流を抑制し、硫酸使用量の抑制を図ることができる。
このような強酸系統27を備えることで、イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンを、硫酸イオンに置換することができる。これにより、硫酸イオンに置換後のイオン交換樹脂の取り扱い性及び保管性を高めることができる。
なお、図6に示す例では、強酸系統27を通流させる酸として硫酸水溶液を例示したが、塩酸水溶液であってもよい。また、硫酸水溶液と塩酸水溶液との混合酸であってもよい。
図7は、本発明の四実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム400の系統図である。図7に示す処理システム400では、濃縮装置13での廃液の濃縮に伴い生じた気体の硝酸を、上記の硝酸水溶液系統23に戻すための硝酸戻し系統28が備えられる。
上記のように、濃縮装置13は加熱装置及び減圧装置を備えることができるが、例えば加熱及び減圧により、気体成分である硝酸が蒸発する。ここでの加熱は、例えば、減圧下における硝酸の沸点以上水の沸点以下の温度とすることができる。そして、蒸発した硝酸(即ち気体の硝酸)は、図示しない溶解装置において水に溶解され、硝酸水溶液が生成する。そして、生成した硝酸水溶液は、硝酸戻し系統28を通じて硝酸水溶液系統23に戻される。これにより、新たに使用する硝酸水溶液の量を抑制でき、廃液量及び放射性廃棄物量を抑制できる。
図8は、本発明の五実施形態に係るイオン交換樹脂の処理システム500の系統図である。処理システム500では、上記の処理システム100~400に備えられていた中和装置12に代えて、微生物分解装置19が備えられる。微生物分解装置19は、膜分離装置11から排出され、硝酸イオン分離後の第2排出液であって、放射性物質を少なくとも含む第2排出液中の硝酸イオンを微生物分解するためのものである。
微生物分解装置19は、図示しない微生物反応槽を備える。微生物反応槽の内部には、硝酸イオンを生物分解するための脱窒微生物(例えばPseudomonas属細菌)を含む汚泥が収容される。そして、微生物分解装置19に供給された第2排出液に含まれる硝酸イオンは、汚泥により還元され、窒素ガスが生成する。このとき、硝酸イオンの還元に伴って水素イオンが消費されることから、第2排出液のpHを大きくできる。これにより、中和装置12による中和を行わなくても、後段の濃縮装置13に供給される第2排出液のpHを中性に近づけることができる。
このような微生物分解装置19が備えられることで、硝酸イオンを窒素ガスに還元して外部に排出することができる。これにより、硝酸イオンの残存量を減らすことができ、濃縮率を高めることができる。この結果、廃液の量を抑制できる。また、硝酸イオンの残存量を減らすことができるため、保管中の硝酸イオンの分解を抑制し、放射性物質の保管性を高めることができる。さらには、中和処理を行わなくても第2排出液のpHを中性に近づけることができ、中和剤に由来する中和剤イオンの発生を抑制できる。この結果、放射性物質の保管性を高めることができる。
10 溶離装置
11 膜分離装置
11A 拡散透析装置
11a 第1流路
11b 第2流路
11c 陰イオン交換膜
12 中和装置
13 濃縮装置
14 使用済みイオン交換樹脂タンク
15 保管庫
16 焼却炉
17 硫酸タンク
18 硝酸タンク
19 微生物分解装置
23 硝酸水溶液系統
24 排出液系統
25 第2排出液系統
26 中和剤系統
27 強酸系統
28 硝酸戻し系統
31 純水系統
100,200,300,400,500 処理システム

Claims (9)

  1. 放射性物質を吸着したイオン交換樹脂の処理システムであって、
    前記放射性物質を吸着した前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した前記放射性物質を含む排出液を得るための溶離装置と、
    前記放射性物質を含む前記排出液から硝酸イオンを膜分離するための膜分離装置と、
    前記硝酸イオンを含む水溶液を前記硝酸水溶液として前記溶離装置に供給するための硝酸水溶液系統と、
    塩酸水溶液及び硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を前記溶離装置に供給するための強酸系統と
    を備え
    前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させることにより硝酸イオンが吸着した前記イオン交換樹脂に、前記強酸系統を介して前記溶離装置に供給された前記塩酸水溶液及び前記硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を通流させることを特徴とする、イオン交換樹脂の処理システム。
  2. 前記イオン交換樹脂の処理システムは、前記膜分離装置から排出され、前記硝酸イオン分離後の第2排出液であって、前記放射性物質を含む第2排出液を中和するための中和装置を備えることを特徴とする、請求項1に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  3. 前記中和装置は、前記第2排出液に対して中和剤を供給するための中和剤系統を備え、
    前記中和剤は、金属の水酸化物であることを特徴とする、請求項2に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  4. 前記中和剤は、水酸化ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項3に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  5. 前記中和剤は、水酸化マグネシウムを含むことを特徴とする、請求項3に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  6. 前記膜分離装置は、陰イオン交換膜を備える拡散透析装置を含み、
    前記拡散透析装置は、前記排出液から前記陰イオン交換膜を透過した前記硝酸イオンを分離するように構成されたことを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  7. 前記イオン交換樹脂の架橋度が10%以上20%以下であることを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  8. 前記イオン交換樹脂の処理システムは、前記膜分離装置から排出され、前記硝酸イオン分離後の第2排出液であって、前記放射性物質を少なくとも含む第2排出液中の硝酸イオンを微生物分解するための微生物分解装置を備えることを特徴とする、請求項1~の何れかに記載のイオン交換樹脂の処理システム。
  9. 放射性物質を吸着したイオン交換樹脂の処理方法であって、
    前記放射性物質を吸着した前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させて、溶離した前記放射性物質を含む排出液を得る溶離ステップと、
    前記放射性物質を含む前記排出液から硝酸イオンを膜分離する膜分離ステップと、
    前記硝酸イオンを含む水溶液を前記硝酸水溶液として前記イオン交換樹脂に供給する硝酸供給ステップと、
    塩酸水溶液及び硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を前記イオン交換樹脂に供給する強酸供給ステップと
    を含み、
    前記イオン交換樹脂に対して硝酸水溶液を通流させることにより硝酸イオンが吸着した前記イオン交換樹脂に、前記塩酸水溶液及び前記硫酸水溶液のうちの少なくとも一方を通流させることを特徴とする、イオン交換樹脂の処理方法。
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