JP2009185789A - 往復動圧縮機及び酸素濃縮装置 - Google Patents

往復動圧縮機及び酸素濃縮装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率化、長寿命化、小型軽量化、さらには低騒音・低振動を実現可能とする。
【解決手段】往復動圧縮機1は、モータ軸2sを有するモータと、モータ軸2sの軸方向に対して直交する方向に沿うように配置される4つのシリンダ4と、4つのシリンダ4のそれぞれに往復動可能に嵌合されたピストンヘッド部5hと、モータ軸2sに固定された偏心軸17に回転可能に嵌合されたロッド部5Rとがそれぞれ一体になっている4つのピストン5とを有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、4つのシリンダを有する往復動圧縮機、及び、その往復動圧縮機を備えた酸素濃縮装置に関する。
従来の酸素濃縮器等に用いられる小型ピストンポンプの一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたポンプは、2つのシリンダを有する2ヘッド式往復動圧縮機であり、ドライブシャフト(モータ軸)を有するモータと、ドライブシャフトの軸方向に対して直交する方向に沿うように配置される2つのシリンダと、2つのシリンダのそれぞれに往復動可能に嵌合されたピストンヘッド部とモータ軸に固定された偏心軸に回転可能に嵌合されたロッド部とがそれぞれ一体になっている2つのピストンとを有している。この2ヘッド式往復動圧縮機においては、2つのピストンのピストンヘッド部がそれぞれ180度の位相差を維持しながら、シリンダ内の圧縮室での吸気圧縮工程が行われる。
特開2004−211708号公報
しかしながら、上述した特許文献1の2ヘッド式往復動圧縮機では、性能を落とさずに、具体的には、回転数及び吐出流量を保ちつつ、ピストンロッド5P(図28(b)参照)を小さくして小型化を図ろうとすると、ピストンの揺動角θ(図28(a)参照)が大きくなり、圧縮室の気密性を確保し難いという問題がある。また、ピストンの揺動角が大きくなることによって、ピストンのピストンヘッド部の摺動距離も大きくなるため、ピストンヘッド部に取り付けられたシール部材が早期に磨耗して製品寿命が短くなるという問題もある。
そこで、本発明の目的は、高効率化、長寿命化、小型軽量化、さらには低騒音・低振動が実現可能な往復動圧縮機、及び、その往復動圧縮機を有する酸素濃縮装置を提供することである。
第1の発明に係る往復動圧縮機は、モータ軸を有するモータと、前記モータ軸の軸方向に対して直交する方向に沿うように配置される4つのシリンダと、前記4つのシリンダのそれぞれに往復動可能に嵌合されたピストンヘッド部と、前記モータ軸に固定された偏心軸に回転可能に嵌合されたロッド部とがそれぞれ一体になっている4つのピストンとを有することを特徴としている。
この往復動圧縮機では、シリンダの数を2つから4つに増やすことで、各ピストンの回転数及び全体の吐出流量を保ちながらストロークを小さくすることができるので、ピストンロッドを短くしても、ピストンの揺動角度を維持することができる。これより、圧縮室の気密性を確保しつつ、圧縮機の小型化が可能となる。また、ストロークを小さくすることができることで、ピストンヘッド部の揺動距離が小さくなるので、ピストンヘッド部に配置されたシール部材のシール性を長期間確保することができる。さらに、シリンダが4つになることで、放熱面積が大幅に拡大し、圧縮室の温度上昇を抑制できるため、圧縮効率を大きく向上させることができる。
第2の発明に係る往復動圧縮機は、第1の発明に係る往復動圧縮機であって、前記4つのシリンダは、平面視において、前記モータ軸の中心を通過する直線上に配置された2つのシリンダと、前記直線と直交し且つ前記モータ軸の中心を通過する直線上に配置された2つのシリンダであることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、平面視において、モータ軸の中心を通過する直線上と、その直線と直交し且つモータ軸の中心を通過する直線上とにそれぞれシリンダを2つずつ配置することで、円周方向において隣接する2つのシリンダの全ての間隔を小さくすることができる。また、隣接する2つのピストンのピストンヘッド部間で干渉が生じにくくなるので、ピストンロッドをさらに短くすることができる。従って、圧縮機をさらに小型化することができる。
第3の発明に係る往復動圧縮機は、第1または2の発明に係る往復動圧縮機であって、前記4つのピストンのピストンヘッド部は、それぞれ90度の位相差を維持しながら吸気圧縮工程を行うことを特徴としている。
この往復動圧縮機では、4つのピストンの吸気圧縮工程がそれぞれ90度の位相差を維持しながら行われることで、圧縮工程の際、4つのピストンのピストンヘッド部に掛かる力が相殺されて、モータ軸の回転トルクが変動するのを抑制することができる。これより、圧縮効率を大きく向上させることができる。また、4つの圧縮室から発生する吸排気音も相殺されて、低騒音及び低振動化が可能となる。
第4の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜3のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記偏心軸は、1つであることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、4つのピストンが嵌合する偏心軸を1つにすることで、モータ軸方向におけるピストンのロッド部の間隔を小さくすることができる。また、あるピストンの圧縮工程から吸気工程に移る際の力を他のピストンの運動を助ける力として有効に伝達できることで、力の伝達ロスを小さくすることができる。これより、圧縮効率をさらに向上させることができる。
第5の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜4のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記モータ軸を収容するケーシングを備え、前記ケーシングには、第1位置決め部が形成され、前記4つのシリンダには、前記第1位置決め部に対応するように配置された第2位置決め部がそれぞれ形成されており、前記4つのシリンダは、前記ケーシングに対して、前記4つのシリンダのそれぞれの軸中心と前記4つのピストンのピストンヘッド部のそれぞれの軸中心とが一致するように、前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部によって位置決めされることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、ケーシングが第1位置決め部を有し、4つのシリンダがそれぞれ第1位置決め部に対応する第2位置決め部を有していることで、4つのシリンダのそれぞれの軸中心とピストンのピストンヘッド部の軸中心とを一致するように4つのシリンダのそれぞれをケーシングに対して位置決めさせることができるので、シール部材が偏磨耗するのを抑制することができる。
第6の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜5のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記モータ軸の軸方向において、前記4つのピストンのロッド部間には、前記ロッド部の位置を調整するための調整部材が配置されることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、モータ軸の軸方向において、4つのピストンのロッド部間に調整部材を配置することで、ロッド部の位置を調整することができる。従って、シリンダの軸中心とピストンのピストンヘッド部の軸中心とを確実に一致させることができるので、シール部材が偏磨耗するのを抑制することができる。
第7の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜6のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記4つのシリンダは、前記シリンダ軸方向に沿う筒状の本体部と、前記本体部の一端とボルト締結により固定される板状の平板部とを有しており、前記本体部と前記平板部との間には、弾性部材が挟まれていることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、4つのシリンダのそれぞれの本体部と平板部との間に弾性部材が挟まれることで、本体部と平板部とを締結するボルトのトルク管理による調節だけで、4つのピストンのそれぞれのピストンヘッド部の上死点におけるシリンダとの隙間を小さくすることができる。従って、圧縮機の性能が安定し、圧縮効率をさらに向上させることができる。
第8の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜7のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記ピストンヘッド部と、ボルト締結により固定される押さえ板との間には、弾性を有するスペーサが挟まれることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、4つのピストンのそれぞれのピストンヘッド部と押さえ板との間にスペーサが挟まれることで、ピストンヘッド部と押さえ板とを締結するボルトのトルク管理による調節だけで、4つのピストンのそれぞれのピストンヘッド部の上死点におけるシリンダとの隙間を小さくすることができる。従って、圧縮機の性能が安定し、圧縮効率をさらに向上させることができる。
第9の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜8のいずれかの発明に係る往復動圧縮機であって、前記ピストンヘッド部に取り付けられたシール部材とを備え、前記4つのピストンが下死点にあるときにおいて、前記モータ軸の中心および前記偏心軸の中心を含む基準平面に対して、前記シール部材に沿ったシール平面が非直角であることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記ピストンが下死点にあるときにおいて、上記回転軸の中心および偏心軸の中心を含む基準平面に対して、上記シール部材に沿ったシール平面が非直角であるので、上記基準平面に垂直な平面に対するシール平面の傾きの絶対値を、吸入行程等のPV値の小さなシール部材の低負荷時よりも、圧縮行程等のPV値の大きなシール部材の高負荷時において小さくすることが可能である。
したがって、上記シール部材に対する高負荷時に、シール部材がシリンダの内面と均一に接触するようにして、シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダとシール部材との間の隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第10の発明に係る往復動圧縮機は、第9の発明に係る往復動圧縮機であって、前記4つのピストンが下死点にあるときにおいて、前記基準平面に対して、前記シール部材の前記シール平面である前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面が非直角であることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記ピストンのピストンヘッド部の天面が上記シール部材の上記シール平面であるから、上記ピストンのピストンヘッド部の天面の傾斜角を、圧縮行程等のPV値の大きなシール部材の高負荷時において吸入工程等の低負荷時よりも小さくすることが可能である。
したがって、上記シール部材がシリンダの内面と均一に接触するようにして、シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダとシール部材との間に隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第11の発明に係る往復動圧縮機は、第9または10の発明に係る往復動圧縮機であって、前記4つのピストンが下死点にあるときにおいて、前記基準平面に関して、前記偏心軸の中心の移動方向と反対側において、前記基準平面に対して、前記シール平面が鋭角であることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記基準平面に垂直な平面に対するシール平面の傾きの絶対値を、吸入行程等のPV値の小さなシール部材の低負荷時よりも、圧縮行程等のPV値の大きなシール部材の高負荷時において小さくなる。
したがって、上記シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダとシール部材との間に隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第12の発明に係る往復動圧縮機は、第10の発明に係る往復動圧縮機であって、前記シール部材の一部が、前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面と、押さえ板との間に挟まれて固定されていることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記押さえ板によって、上記シール部材をピストンのピストンヘッド部の天面に取り付けているので、上記ピストンの天面の傾斜角を調整して、シール平面の傾きを簡単に設定することができる。
第13の発明に係る往復動圧縮機は、第10または12に係る往復動圧縮機であって、前記4つのピストンが上死点にあるときにおいて、前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面と前記4つのシリンダの圧縮室の天面とが略平行であることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記ピストンが上死点にあるときにおいて、上記ピストンのピストンヘッド部の天面と上記シリンダの圧縮室の天面とが略平行であるから、ピストンの上死点において、上記ピストンのピストンヘッド部の天面とシリンダの圧縮室の天面との間のデッドスぺースを少なくして、圧縮効率を向上することができる。
第14の発明に係る往復動圧縮機は、第9〜13のいずれかに係る往復動圧縮機であって、前記基準平面に垂直な平面に対する前記シール平面の傾斜角の絶対値は、吸入工程においてよりも圧縮行程において小さくなっていることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、上記基準平面に垂直な平面に対する上記シール平面の傾斜角の絶対値は、吸入工程においてよりも圧縮行程において小さくなっているから、シール部材の高負荷時においてシール部材がシリンダの内面と略均一に接触して、シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダとシール部材との間に隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第15の発明に係る往復動圧縮機は、第9〜14のいずれかに係る往復動圧縮機であって、シール部材のPV値が最大になる前記モータ軸の回転角の近傍において、前記基準平面に対して、前記シール平面が直角になることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、シール部材のPV値が最大になる上記回転軸の回転角の近傍において、上記基準平面に対して、上記シール平面が直角になって、最大負荷時に、シール平面の傾きがなくなることになるから、シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第16の発明に係る往復動圧縮機は、第1〜15のいずれかに係る往復動圧縮機であって、前記モータ軸を収容するケーシングを備え、前記ケーシング及び前記4つのシリンダの少なくとも一方の内部に配置された排出ガス流路と、前記排出ガス流路の内部に冷却用媒体を吸入する冷却用吸入口と、前記排出ガス流路から前記冷却用媒体を排出する冷却用排出口とを備えていることを特徴としている。
この往復動圧縮機では、冷却用媒体を、排出ガス流路を介して冷却用吸入口から往復動圧縮機の内部に導いた後に冷却用排出口から外部に出すことによって、往復動圧縮機の密閉構造を保ちつつ、往復動圧縮機のシール部材やベアリングなどを冷却することが可能となる。これによって、往復動圧縮機のシール部材やベアリングの耐久性を向上でき、さらに圧縮室の温度上昇を抑制できるため、圧縮効率を向上させることができる。
第17の発明に係る酸素濃縮装置は、第16の発明に係る往復動圧縮機と、前記往復動圧縮機により圧縮された空気が供給され、その空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤が収納された吸着容器と、前記吸着容器内から酸素濃縮ガスを取り出す酸素濃縮ガス取出部と、前記酸素濃縮ガス取出部を介して前記吸着容器からの前記酸素濃縮ガスを溜める酸素タンクと、前記吸着容器内を減圧することにより上記吸着剤から脱着された窒素を含むガスを前記吸着容器内から排出するガス排出部とを備え、前記冷却用媒体は、前記ガス排出部により前記吸着容器から排出された窒素を含むガスであることを特徴としている。
この酸素濃縮装置では、上記ガス排出部により吸着容器から排出された窒素を含むガスを、排出ガス流路を介して往復動圧縮機の密閉容器内部に導いた後に外部に出すことによって、往復動圧縮機の密閉構造を保ちつつ、往復動圧縮機の密閉容器内のシール部材やベアリングなどを冷却することが可能となる。これによって、往復動圧縮機のシール部材やベアリングの耐久性を向上でき、冷却ファンの小型化、低回転化により省エネルギー化と静音化が図れ、さらに圧縮効率を向上でき、酸素濃縮ガスの酸素濃度の低下を防止できる。
また、上記吸着容器から排気された窒素を含むガスを、排出ガス流路を介して偏心軸及びピストンヘッド部に導いた後に外部に排出することによって、往復動圧縮機の密閉容器内の偏心軸及びピストンヘッド部が冷却され、特に高熱が発生する偏心軸のベアリング及びピストンヘッド部に取り付けられたシール部材の耐久性を向上できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1〜8の発明では、シリンダの数を2つから4つに増やすことで、各ピストンの回転数及び全体の吐出流量を保ちながらストロークを小さくすることができるので、ピストンロッドを短くしても、ピストンの揺動角度を維持することができる。これより、圧縮室の気密性を確保しつつ、圧縮機の小型化が可能となる。また、ストロークを小さくすることができることで、ピストンヘッド部の揺動距離が小さくなるので、ピストンヘッド部に配置されたシール部材のシール性を長期間確保することができる。それから、シリンダが4つになることで放熱面積が大幅に拡大し、圧縮室の温度上昇を抑制できるため、圧縮効率を大きく向上させることができる。さらに、4つの圧縮室がそれぞれ90度の位相差を維持しながら吸気圧縮工程を行うことで、モータ軸に掛かる力が相殺されて回転トルクの変動が抑制できるので、圧縮効率を向上させることができ、また吸排気音も相殺されるので、低騒音及び低振動化が可能となる。
第9〜15の発明では、上記ピストンが下死点にあるときにおいて、上記回転軸の中心および偏心軸の中心を含む基準平面に対して、上記シール部材に沿ったシール平面が非直角であるので、上記基準平面に垂直な平面に対するシール平面の傾きの絶対値を、吸入行程等のPV値の小さなシール部材の低負荷時よりも、圧縮行程等のPV値の大きなシール部材の高負荷時において小さくすることが可能である。したがって、上記シール部材に対する高負荷時に、シール部材がシリンダの内面と均一に接触するようにして、シール部材の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダとシール部材との間の隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
第16及び17の発明では、冷却用媒体を、排出ガス流路を介して冷却用吸入口から往復動圧縮機の内部に導いた後に冷却用排出口から外部に出すことによって、往復動圧縮機の密閉構造を保ちつつ、往復動圧縮機のシール部材やベアリングなどを冷却することが可能となる。これによって、往復動圧縮機のシール部材やベアリングの耐久性を向上でき、圧縮効率を向上させ、冷却ファンの小型化、低回転化により省エネルギー化と静音化が図れ、酸素濃縮ガスの酸素濃度の低下を防止できる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機を示す斜視概略図である。図2は、図1の往復動圧縮機の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)はY矢視側面視概略図である。図3は、図2(c)のA−A矢視断面概略図である。図4は、図2(a)のB−B矢視断面概略図である。図5は、図2(a)のC−C矢視断面概略図である。図6は、図2(c)のD−D矢視断面概略図である。図7は、図3のE−E矢視断面概略図である。図8は、往復動圧縮機を示す、図1のZ矢視概略斜視図である。図9は、図1のケーシングにおける第2部材を示す斜視概略図である。図10は、図9の第2部材の概略図であり、(a)は(b)のT−U−V組合せ断面図、(b)は上面視概略図、(c)はX矢視側面概略図、(d)はY矢視側面概略図、(e)はJ−J断面図である。図11は、図1のケーシングにおける第1部材を示す斜視概略図である。図12は、図11の第1部材の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)は底面視概略図、(d)はY矢視側面概略図、(e)はH−H矢視断面図である。図13は、図11の第1部材の断面図であり、(a)は図12のF−F断面概略図であり、(b)は図12のG−G断面概略図である。図14は、図1の軸受支持部材を示す斜視概略図である。図15は、図14の軸受支持部材の概略図であり、(a)は底面視概略図、(b)はN−N矢視断面概略図、(c)はM−M矢視断面概略図である。図16は、図14の軸受支持部材の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はO−O矢視断面概略図である。図17は、図1のシリンダの概略図であり、(a)は(b)のX矢視側面概略図、(b)は正面視概略図、(c)はK−K矢視断面概略図である。図18は、図1のシリンダに取り付けられる部品をシリンダと共に示す斜視説明図である。図19は、図1のヘッドカバーを示す斜視概略図である。図20は、図19のヘッドカバーの概略図であり、(a)は内面概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)は外面概略図、(d)はL−L矢視断面概略図である。図21は、図1の往復動圧縮機の内部のピストンを示す分解説明図であり、(a)は4つのピストンを説明する図、(b)は1つのピストンを説明する図である。図22は、図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、ケーシングの取り付けを説明するための斜視概略図である。図23は、図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、ピストンの取り付けを説明するための斜視説明図である。図24は、図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、シリンダ等の取り付けを説明するための斜視説明図である。図25は、図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、シリンダのケーシングに対する位置決めを説明するための斜視説明図である。図26は、図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、軸受支持部、ケーシングカバー等の取り付けを説明するための斜視説明図である。図27は、図1の往復動圧縮機における、軸領域及びその周辺領域を説明するための説明概略図である。図28は、ピストンロッドを説明する図であり、(a)は往復動圧縮機の上面視概略図、(b)はピストンの上面視概略図である。図29は、ピストンの揺動角及び摺動距離を説明する図であり、(a)は偏心距離が一定の場合のモデル図、(b)は偏心距離が一定でない場合のモデル図である。図30は、シリンダの数を変化させた場合におけるモータ軸の回転トルクの変動を説明する図である。図31は、図1の往復動圧縮機を備える酸素濃縮装置のブロック図である。図32は、図1の往復動圧縮機内における空気の流れを説明する図であり、図32(a)は冷却用吸入口を説明する縦断面図であり、図32(b)は冷却用排出口を説明する縦断面図である。なお、図3乃至5においては、モータについては側面図を示し、モータ以外の部分を断面で示している。
(全体構成)
まず、本実施形態にかかる往復動圧縮機1の全体構成について説明する。本実施形態において、往復動圧縮機1は、高濃度の酸素を発生させるための酸素濃縮器等において、ガス流体(空気)を吸入して圧縮するコンプレッサーとして用いられる。図示は省略するが、酸素濃縮器は、取り入れた空気をこの往復動圧縮機1を用いて圧縮し、排出された当該圧縮空気を、合成ゼオライト(窒素吸着機能を有する)に接触させることで高濃度の酸素を排出するように構成される。
往復動圧縮機1は、モータ2と、ケーシング3と、4つのシリンダ4と、4つのピストン5と、複数の吸入流路6と、複数の排出流路7と、統合吸入流路9と、統合排出流路8と、軸受支持部10と、を含んで構成されている。そして、取り入れられた空気は、統合吸入流路9、吸入流路6を通って4つのシリンダ4へ流入し、そこで圧縮された後、排出流路7、統合排出流路8を通り、最終的に往復動圧縮機1から外へ排出される。以下、各部の構成について説明する。
(モータ)
モータ2は、モータ軸2sと、本体部2bとを有して構成されている(図3参照)。往復動圧縮機1のモータの数は一つであり、一つのモータ2により、4つのピストン5を駆動することになる(詳細については後述する)。モータ軸2sは、モータ2の出力軸であり、図3に示すように、軸ホルダ2hにより支えられている。そして、モータ軸2sは、ケーシング3の内側に取り付けられたベアリング22aと、モータ軸2sの軸端部2tに配置され、軸受支持板10に支持されたベアリング22bとにより回転自在に支持されている。また、モータ2には、モータ軸2sを収容するケーシング3の第1部材3f(後述)が取り付けられる。
(ケーシング)
また、ケーシング3は、モータ軸2s等を収容するものであり、アイフランジ16を介して一端にモータ2が取り付けられる。ケーシング3は、第1部材3fと、第2部材3sとを含んでいる(図22、23参照)。第1部材3fと第2部材3sとは別体として形成され、且つ、第2部材3sの熱伝導率よりも、第1部材3fの熱伝導率の方が高い。具体的には、第1部材3fは金属製であり、第2部材3sは樹脂製である。なお、第1部材3f及び第2部材3sはこのような材料には限られない。例えば、第2部材3sは、第1部材3fよりも熱伝導率が低い金属製部材であってもよく、また、第1部材3fと第2部材3sとは同じ材料であってもよい。また、第1部材3fよりも第2部材3sの熱伝導率が高くてもよい。以下、第1部材3f及び第2部材3sについて説明する。
(第1部材)
第1部材3fは一般的なケーシングとして機能する。上記のように、第1部材3fは金属製であり、往復動圧縮機1において、モータ軸2s周りの骨格部材として機能する。また、第1部材3fは、4つの補強部3wを有して構成されており。補強部3wは、モータ軸方向に沿って伸びるように形成されている(図11〜13参照)。より具体的には、第1部材3fは、モータ2に取り付けられたときのモータ軸方向に沿って伸びる四角筒において、4つの壁部のそれぞれに、モータ軸方向に沿った4つの溝部3rを形成した形状となっており、その結果、第1部材3fの各壁部は、正面視においてU字状となり、また、第1部材3fの4つ角部には、モータ軸方向に沿って伸びる補強部3wが形成されている。4つの補強部3wの間に形成された4つの溝部3rのそれぞれには、4つのピストン5における連結部5c(図21参照)、及び、軸受支持部10の突出部10z、10w(後述)が嵌るようになっている(図15、16参照)。また、モータ2のモータ軸2s等が貫通するためのモータ用貫通孔3dが、第1部材3fの底板部3qの、平面視(図12(a)、(c))における中央部に形成されている。さらに、第1部材3fの内部には、複数の排出流路7の一部が形成されている(詳細は後述する)。そして、第1部材3fには、ベアリング22aが取り付けられる。
また、複数の排出流路7のそれぞれは、モータ軸2sの軸方向に沿った第1平行部7fを有する(図13、図4、図6参照)。そして、第1平行部7fは、ケーシング3の内部に形成されている。また、第1部材3fには、4つのシリンダ4のそれぞれに対応する、計4つの排出用入口3xが形成されており、この4つの排出用入口3xが、4つのシリンダ4のそれぞれの内部に対して接続されている(図4、7参照)。また、第1部材3fにおいて、第1平行部7fは二つ形成されており、これらは、モータ軸2sを挟んで互いに対向するように、隣り合わない二つの角部に配置されている(図6参照)。一つの第1平行部7fに対しては、二つの排出用入口3xが設けられている。すなわち、一つの第1平行部7fは、二つのシリンダ4から排出された空気の共通の流路となる。具体的には、図6で説明すると、上及び左の二つのシリンダ4の内部と接続されているのが、左上の第1平行部7fであり、右及び下の二つのシリンダ4の内部と接続されているのが、右下の第1平行部7fとなっている。また、第1部材3fの4つ角部において、二つの第1平行部7fは図6における左上及び右下に配置されており、図6における右上及び左下部分にも二つの流路106fが形成されているが(図5参照)、これは本実施形態では使用されない。なお、図11〜13においては、計4つある排出用入口3xにおいて、各図間における対応関係を明確にするため、そのうち特に二つの排出用入口に、3x(a)、3x(b)の符号を付している。
それぞれのシリンダ4において圧縮されて排出された空気は、それぞれのシリンダ4に対応して設けられた排出用入口3xを通って、第1平行部7fへと送り込まれる(図4等参照)。なお、本実施形態のように、ケーシング3の骨格となる補強部3wの内部に流路を形成することにより、ケーシングの補強的機能を確保しつつ大型化を防止して、ケーシングを有効に利用できる。そして、外部冷却装置(ブロア、又はファン等)でヘッドの放熱をする場合に、図4に示すように、4つのシリンダ4のそれぞれに対応して設けられた4つの排出用入口3xが対角2箇所に配置されることで、4つのシリンダ4をそれぞれ冷却しなくても良いので、効率よく冷却することが可能となる
さらに、第1部材3fの側部には、冷却用排出口3jが形成されている(図11及び図12参照)。冷却用排出口3jは、後述する排出ガス流路Z(図32参照)から冷却用媒体を排出するためのものである。
(第2部材)
第2部材3sは、上記のように樹脂製であり、環状部3t、並びに、環状部3tに対して取り付けられた二本の柱状部3v、及び、吸入用突出部3uを有して構成されている(図9、10参照)。二本の柱状部3v及び吸入用突出部3uは、モータ2に取り付けられた状態におけるモータ軸2sの軸方向に沿って伸びるように形成されている(図10(a)参照)。二本の柱状部3vの内部には、複数の吸入流路6の一部が形成されており(詳細は後述する)、環状部3tの内部には、統合吸入流路9が形成されている(図10(a)、(b)、図3等参照)。また、吸入用突出部3uには、吸入口3zが形成されており、吸入口3zから入った空気は、統合吸入流路9へと送られる(図4、図10(c)等参照)。
また、複数の吸入流路6のそれぞれは、モータ軸2sの軸方向に沿った第2平行部6fを有する(図10、図5〜7参照)。また、第2部材3sには、4つのシリンダ4のそれぞれに対応する、計4つの吸入用出口3yが形成されている。そして、この吸入用出口3yが、4つのシリンダ4のそれぞれの内部に対して接続されている(図6、10(b)等参照)。また、第2部材3sにおいて、第2平行部6fは二つ形成されており、これらは、モータ軸2sを挟んで互いに対向するように配置されている(図6、10(b)等参照)。一つの第2平行部6fに対しては、二つの吸入用出口3yが設けられている。すなわち、一つの第2平行部6fは、二つのシリンダ4へ供給する空気の共通の流路となる(図10(b)の吸入流路6を示す一点鎖線部参照)。具体的には、図6で説明すると、上及び右の二つのシリンダ4の内部と接続されているのが、右上の第2平行部6fであり、左及び下の二つのシリンダ4の内部と接続されているのが、左下の第2平行部6fとなっている。また、二つの第2平行部6fは、第1部材3fの角部に面して位置しているが、第1部材3fの4つ角部において、二つの第1平行部7fのある角部(図6における左上及び右下の角部)とは異なる角部(図6における右上及び左下の角部)に面して位置している。これにより、吸入流路6と排出流路7とが離隔するので、排出流路7の熱が吸入流路6に伝わることを抑止できる。
また、往復動圧縮機1においては、第2部材3sの柱状部3vは、モータ軸2sの周方向に関して、平面視において90度ずつすらして配置された4つのシリンダ4の間の位置(図6における角部分)に配置されている(図6、7参照)。また、柱状部3vのモータ軸2s中心からの最大距離は、ヘッドカバー4hのモータ軸2s中心からの最大距離にほぼ等しい。そして、平面視において4つのヘッドカバー4hの外表面に沿った直線により構成される四角形(図6のT参照)の中に柱状部3vが収まるために、シリンダ4間のスペースを有効に利用して、ケーシングの大型化を防止できる。
(統合吸入流路)
環状部3tの内部に形成された統合吸入流路9は、複数の吸入流路6を統合するためのものである。統合吸入流路9は、モータ軸2sの軸方向に沿った軸領域31を中心とする環状流路として形成されている(図27参照)。そして、統合吸入流路9は、モータ軸2sの軸方向に沿った軸領域31の周辺領域32と重なるように配置されている(図27参照)。この配置の詳細については後述する。また、統合吸入流路9は、第2部材3sと、後述するアイフランジ16との組合せにより閉じられた空間となる(図3〜5参照)。なお、統合吸入流路は、環状流路でなくてもよく、例えば、塊状に形成されていてもよい。また、本実施形態では、統合吸入流路9の円中心が、モータ軸2sの中心と一致しており、これにより、小型化の観点において、モータ軸2sを中心としたバランスのよい配置が可能となるが、統合吸入流路が環状である場合に、統合吸入流路の円中心が、モータ軸の中心と一致していなくても良く、中心がずれていてもよい。
(シリンダ)
本実施形態においては、シリンダは4つ設けられている。そして、4つのシリンダ4のそれぞれは、シリンダ軸方向(図6の矢印方向)が、モータ軸2sの軸方向に対して直交する方向に沿うように配置されると共に、平面視において、2つのシリンダ4がモータ軸2sの中心を通過する直線上に配置され、他の2つのシリンダ4がその直線と直交し且つモータ軸2sの中心を通過する直線上に配置される(図6、図28等参照)。4つのシリンダ4のそれぞれは、圧縮室4j(シリンダ内部)を有する(図17等参照)。また、シリンダ4は、シリンダ軸方向に沿う筒状の本体部4aと、本体部4aの一端と固定される板状の平板部4pとを有して構成されている。平板部4pの一部は、圧縮室4jに面する壁部の一部となる(図17(c)参照)。本体部4aと平板部4pとは、ヘッドカバー4h(後述)がシリンダ4に取り付けられる際の6つのボルト締結により固定される。そして、本体部4aと平板部4pとの間には、弾性部材4Aが挟まれている(図3参照)。なお、本体部4aと平板部4pとの間には、環状の弾性部材4Aが挟まれていなくてもよく、また、弾性部材4Aは、環状でなくても良い。そして、平板部4pには、4つの貫通孔4b、4c、4f、4gが形成されている。また、平板部4pには、溝部4mが形成されている(図17等参照)。そして、本体部4aは、内径(ボア径)Xを有している(図28(a)参照)。
シリンダ4には、図18に示すような各構成部品が取り付けられる。具体的には、排出弁4w、排出弁押さえ4z、吸気弁4vが、固定ねじ20a、座金20bにより取り付けられる。吸気弁4vは、シリンダ4内側の圧縮室4j側に取り付けられ、排出弁4w及び排出弁押さえ4zは、シリンダ4の外側に取り付けられる(図18、図6参照)。吸気弁4vは、通常は閉状態になっており、貫通孔4cを通る空気の圧力が所定の大きさ以上になると撓んで開状態になる。また、排出弁4wは、通常は閉状態になっており、貫通孔4fを通る圧縮空気の圧力が所定の大きさ以上になると、(排出弁押さえ4zに最大撓み角度を制限されつつ)撓んで開状態になる。
また、それぞれのシリンダ4に対しては、ヘッドカバー4hが6つのボルト締結により取り付けられる(図19、20参照)。ヘッドカバー4hには、内部空間と、仕切り部4sとが形成されており、ヘッドカバー4hの内部空間は仕切り部4sによって、第1の部屋4nと、第2の部屋4kとに分離される。ここで、第1の部屋4nは、圧縮室4jに供給される前の空気が通る空間であり、第2の部屋4kは、圧縮室4jから排出された空気が通る空間である。また、ヘッドカバー4hは、仕切り部4sの先端部がシリンダ4の溝部4mに嵌るように形成されたシリンダパッキン20e(図24参照)を挟んでシリンダ4に取り付けられており、シリンダ4にヘッドカバー4hが取り付けられた状態においては、仕切り部4sと溝部4mとがシリンダパッキン20eによって密封され、ヘッドカバー4hの内部において、ヘッドカバー4hと平板部4pとにより、第1の部屋4n、第2の部屋4kが(排出弁4w又は吸気弁4vが開状態のときを除き)閉じられた空間として形成される(図7参照)。
以下は、シリンダ4にヘッドカバー4hが取り付けられた状態について説明する。貫通孔4bは、第2部材3sの吸入用出口3yに接続され、第2平行部6fを通ってきた空気は、吸入用出口3y、貫通孔4bを通って第1の部屋4nへと供給される(図6参照)。貫通孔4cは、貫通孔4bを通って導入された空気が通る孔であり、第1の部屋4nの空気は、貫通孔4cを通って圧縮室4jへと送られる(図6参照)。また、貫通孔4fは、圧縮室4jから排出される圧縮空気が通る孔であり、圧縮空気は、貫通孔4fを通った後、第2の部屋4k内部において、貫通孔4gへと送られる(図18参照)。貫通孔4gは、第1部材3fの排出用入口3xに接続されており、排出された圧縮空気は、貫通孔4g、排出用入口3xを通って、第1平行部7fへと送られる(図7参照)。また、ヘッドカバー4hの内部空間(平板部4pの外側)は、吸入流路6、排出流路7の一部を構成する。そして、ヘッドカバー4hの内部空間(平板部4pの外側)における、吸入流路6、排出流路7における空気の流れは、図18の一点鎖線に示すようなものとなる。そして、上記のように構成されるシリンダ4の内部において、吸気、圧縮、排気が行なわれる。
(ピストン)
4つのピストン5は、4つのシリンダ4のそれぞれの内部に配置される(図3〜7等参照)。本実施形態にかかる往復動圧縮機1においては、4つのシリンダ4に対応して4つのピストン5が設けられている。それぞれのピストン5は、図21に(a)に示すように、4つのシリンダ4のそれぞれに往復動可能に嵌合されたピストンヘッド部5hと、モータ軸2sに固定された偏心軸17に回転可能に嵌合されたロッド部5Rとがそれぞれ一体になっている。そして、ロッド部5Rは、連結部5cとリング部5rとから構成されている。ピストンヘッド部5hに配置されたシール部材28と押さえ板27との間には、図21(b)に示すように、スペーサ30が挟まれて、1つのボルト29により締結されて固定されている。なお、偏心軸17には、ロッド部5Rの内部に配置されるベアリング17bが設けられている。
そして、4つのピストン5のそれぞれにおいて、図28(a)及び図28(b)に示すように、ピストンヘッド部5hの中心軸に対応する直線であるピストンロッド5Pは、押さえ板27の端面27sからピストン5のリング部5rの中心までの長さLを有している。ピストン5の揺動角は、図28(a)に示すように、平面視においてシリンダ軸に対するピストンロッド5Pの傾斜角θで表され、本実施例では、モータ軸2sが90度回転した際に最も大きくなる。そして、4つのピストン5は、それぞれ90度の位相差を維持しながら、シリンダ4内で摺動して吸気圧縮工程を行う。
そして、4つのピストン5は、図23のような状態に組み立てられる。具体的には、図21(a)に示すように、1つの偏心軸17に、4つのピストン5のリング部5rが順番に挿入され、バランスウェイト18がさらに挿入される。このとき、モータ軸2sの軸方向において、ピストン5の位置を調整するために、4つのピストン5のリング部5r間に3つの調整部材34がそれぞれ配置される。
(軸受支持部)
図14〜16に示す軸受支持部10は、モータ軸2sの軸端部2tに配置される(図3〜5、図26参照)。軸受支持部10は、モータ軸2sを、ベアリング22bを介して回転自在となるように支持するものであり、当該軸受支持部10には、統合排出流路8が形成されている(図14〜16参照)。軸受支持部10の中央部には、軸受孔10kが形成されており、モータ軸2sの軸端部2tは、この軸受孔10kに嵌るようになっている(図3参照)。また、軸受支持部10の側部には、互いに対向する位置に、(往復動圧縮機1として組み立てられた状態において)モータ軸2sの軸方向に沿って伸びる突出部10w、10zが形成されており、この突出部10w、10zのそれぞれには、排出口10hと、冷却用吸入口10jとが形成されている(図14〜16参照)。統合排出流路8において統合された圧縮空気は、最終的に排出口10hから排出される(図16(a)参照)。冷却用吸入口10jは、後述する排出ガス流路Z(図32参照)の内部に冷却用媒体を吸入するためのものである。軸受支持部10の角部分には、二つの排出用流入口10iが形成されており、この排出用流入口10iは、排出流路7の一部を構成する。また、二つの排出用流入口10iは、それぞれ、統合排出流路8へと接続されるように形成されており、排出流路7は、排出用流入口10iを経て統合排出流路8へと連続するようになっている(図4、16等参照)。
(統合排出流路)
軸受支持部10の内部に形成された統合排出流路8は、複数の排出流路7を統合するためのものであり、モータ軸2sの軸方向に沿った軸領域31を中心とする環状流路として形成されている(図27参照)。そして、統合排出流路8は、モータ軸2sの軸方向に沿った軸領域31の周辺領域32と重なるように配置されている。この配置の詳細については後述する。また、環状流路として形成された統合排出流路8は、モータ軸2sの軸方向に垂直な平面33に沿って平面的に広がるように形成されている(図14、27参照)。また、統合排出流路8は、軸受支持部10と、後述するケーシングカバー15との組合せにより閉じられた空間となる(図3〜5参照)。なお、統合排出流路は、環状流路でなくてもよい。また、本実施形態では、統合排出流路8の円中心が、モータ軸2sの中心と一致しており、これにより、小型化の観点において、モータ軸2sを中心としたバランスのよい配置が可能となるが、統合排出流路が環状である場合に、統合吸入流路の円中心が、モータ軸の中心と一致していなくても良く、中心がずれていてもよい。また、本実施形態において、環状流路として形成された統合排出流路8は、モータ軸2sの軸方向に垂直な平面33に沿って平面的に広がるように形成されているが、このようなものには限られず、平面33に対して傾いた平面に沿って平面的に広がるように形成されていてもよく、また、平面的に広がるように形成されず、例えば軸方向に伸びるように形成されていてもよい。また、統合排出流路は、軸受支持部に形成されていなくてもよく、例えば、軸受支持部のような部材とは異なる統合排出流路用の部材を別途設けてもよい。本実施形態のように軸受支持部10に統合排出流路8を設けることで、部品点数の増加を防止できる。
なお、本実施形態においては、軸受支持部10に統合排出流路8のみが形成されているが、統合排出流路、及び、統合吸入流路の少なくともいずれか一方が軸受支持部に形成されていればよく、このような構成には限られない。例えば、統合吸入流路のみが軸受支持部に形成されていてもよいし、統合排出流路、及び、統合吸入流路の両方が軸受支持部に形成されていてもよい。
(統合吸入流路及び統合排出流路の位置関係について)
次に、図27等を参照しながら、統合吸入流路9及び統合排出流路8の位置関係について説明する。まず、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8は、モータ軸の軸方向に関して、4つのシリンダ4を挟んだ両側に配置されている(図3〜5参照)。そして、モータ軸2sの軸方向に関して、統合排出流路8は、モータ軸2sの軸端部2t側に配置され、統合吸入流路9は、本体部2b側に配置されている。
また、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8は、環状に形成されており、これらの円中心は、モータ軸2sの円中心と一致する。また、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8の両方は、モータ軸の軸方向に沿った軸領域31、及び、その周辺領域32の少なくともいずれかと重なるように配置されている。ここで、“重なる”とは、図27に示すように、統合吸入流路9又は統合排出流路8が、軸領域31及び周辺領域32からなる領域内に収まるように配置されることを意味している。そして、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8は、径方向に関して、軸領域31及び周辺領域32からなる領域の幅(図27の幅W1参照)に収まっている。本実施形態において、W1は、ほぼアイフランジ16の径の大きさである。また、統合吸入流路、統合排出流路は、モータ2の本体部2bの幅(図27の幅W2参照)に収まっていることがさらに望ましい。本実施形態にかかる統合排出流路8はこの幅に収まっており、このようにすることで、軸方向とは垂直な径方向に関して、圧縮機の大型化を抑止できる。また、統合吸入流路9、統合排出流路8が、軸方向位置に関して、モータ軸2sと重複する部分を有している。このため、軸方向に関しても、圧縮機の大型化を抑止できる。
なお、本実施形態では、統合排出流路8は、モータ軸2sの軸端部2t側に配置され、統合吸入流路9は本体部2b側に配置されているが、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8のいずれか一方は、モータ軸2sの軸端部2t側に配置され、他方は、本体部2b側に配置されていればよく、この配置は逆であってもよい。また、統合排出流路及び統合吸入流路は、シリンダ4を挟んだ両側に配置されていなくてもよく、シリンダ4を挟まずに、モータ軸2sの軸方向に関して、シリンダ4に対して同じ側に統合排出流路及び統合吸入流路が配置されてもよい。
また、本実施形態においては、統合吸入流路9、及び、統合排出流路8の両方が周辺領域32の内部に配置されているが、統合吸入流路、及び、統合排出流路の少なくともいずれか一方が、モータ軸の軸方向に沿った軸領域31、及び、その周辺領域32の少なくともいずれかと重なるように配置されていればよく、例えば、統合排出流路及び統合吸入流路のいずれか一方のみが、軸領域31及び周辺領域32からなる領域内(径方向に関して、幅W1の範囲内)に収まり、且つ、他方が、軸領域31及び周辺領域32からなる領域内に収まらず、はみ出るように構成されていてもよいし、また、環状でない統合排出流路又は統合吸入流路が、モータ軸方向に関してモータ軸2sと重複せず、且つ、軸領域31及び周辺領域32と重なるように(径方向に関して、幅W1の範囲内に収まるように)配置されていてもよい。
(吸入流路)
次に、複数の吸入流路6について説明する。上記のように、複数の吸入流路6は、第2部材3sの内部を通るように形成されており、複数の吸入流路6は、その内部を流体が流通可能となるように形成されている。また、複数の吸入流路6は、4つのシリンダ4のそれぞれの内部(圧縮室4j)に対して接続されている(図6の吸入流路6を示す一点鎖線部参照)。
まず、空気は第2部材3sの吸入口3zから第2部材3sの内部に入り、そこから統合吸入流路9へと流入する(図4、図10参照)。以下、それぞれの吸入流路6、すなわち、シリンダ4内部(圧縮室4j)までの流路について説明する。第2部材3sの内部は、統合吸入流路9が二つの第2平行部6fへと連続するように形成されており、統合吸入流路9内の空気は、二つの第2平行部6fへと送られる(図5、10参照)。そして、それぞれの第2平行部6fを通った空気は、吸入用出口3yから貫通孔4bを通って第1の部屋4nへと送られる(図6、10等参照)。そして、第1の部屋4nの空気は、貫通孔4cを通って圧縮室4jへと送られる。一つの吸入流路6は上記のように構成される。
(排出流路)
次に、複数の排出流路7について説明する。上記のように、複数の排出流路7は、第1部材3fの内部を通るように形成されており、複数の排出流路7は、その内部を流体(本実施形態においては空気)が流通可能となるように形成されている。また、複数の排出流路7は、4つのシリンダ4のそれぞれの内部(圧縮室4j)に対して接続されている(図4の排出流路7を示す一点鎖線部参照)。
以下、それぞれの排出流路7、すなわち、シリンダ4内部(圧縮室4j)から排出口10hまでの流路について説明する。まず、シリンダ4の内部の圧縮室4jで圧縮された空気は、貫通孔4fを通り、第2の部屋4k内部を通って、貫通孔4gに入る(図18参照)。そして、貫通孔4gを通った圧縮空気は、第1部材3fの排出用入口3xへと送られ、そこから第1平行部7fへと送られる(図7参照)。そして、圧縮空気は第1平行部7fを通って、軸受支持部10の排出用流入口10iに入る(図4参照)。一つの排出流路7は上記のように構成される。そして、複数(4つ)の排出流路7から流入してきた圧縮空気は、排出用流入口10iを経て統合排出流路8へと流入し(図16参照)、最終的に、排出口10hから排出される。
なお、本実施形態においては、往復動圧縮機1が、4つの排出流路7、及び、4つの吸入流路6を有して構成される。ここで、上記のように、4つの排出流路7において、第1平行部7fは二つの排出流路7に共通の流路であり、4つの吸入流路6において、第2平行部6fは二つの吸入流路6に共通の流路である。このように、複数の排出流路7、及び、複数の吸入流路6は、それぞれ、一部に共通の流路を有しているが、排出流路7、及び、吸入流路6の数については、それぞれ4つとして扱うものとする。
また、4つの排出流路7は、重力方向に沿った分岐路7sを有している(図4参照)。そして、分岐路7sには、粘着剤7Aが配置されている。これより、ピストン5の揺動運動によって生じたシール部材28の磨耗粉は、粘着剤7Aに吸着されることで、往復動圧縮機1の外部に排出されるのを防止することができる。なお、本実施の形態では、第1平行部7fは、分岐路7sと同様に重力方向に沿っており、粘着剤7Aが配置されること(図4参照)で、磨耗粉が往復動圧縮機1の外部に排出されるのを防止することができる。
(往復動圧縮機の組み立てについて)
次に、往復動圧縮機1の組み立てについて説明する。まず、モータ2に、アイフランジ16、及び、ケーシング3(第1部材3f、第2部材3s)を取り付ける(図22参照)。ここで、アイフランジ16と第2部材3sとの間には、空気の気密性を確保するためのゴム製のOリング20c、20dを取り付ける(図22、図3〜5参照)。なお、アイフランジ16は、モータ2とケーシング3とを組み付けるとともに、酸素濃縮器のハウジングへ往復動圧縮機1を取り付ける際の固定支持部とするために設けられているものである。そのため、本実施形態のように、第2部材3sの環状部3tをアイフランジ16のサイズに合わせて構成することにより、固定支持部としての必要なサイズを確保した上で、圧縮機の大型化を抑止できる。
次に、4つのピストン5を取り付ける(図23参照)。ここで、4つのピストン5は、図21(a)のようにして、バランスウェイト18及び調整部材34と共に偏心軸17に挿入された状態のものである。従って、4つのピストン5のそれぞれのロッド部5Rの位置を調整部材34によって調整できることで、シリンダ4の軸中心とピストン5のピストンヘッド部5hの軸中心とを容易に一致させることができる。これより、シール部材28が偏磨耗するのを抑制することができる。
次に、4つのシリンダ4を取り付ける(図24参照)。具体的には、それぞれのピストン5を覆うようにシリンダ4を取り付け、シリンダ4には、ヘッドカバー4hを取り付ける。また、ここでのシリンダ4は、図18で説明した、吸気弁4v、排出弁4wが取り付けられた状態のものであり、また、シリンダ4とヘッドカバー4hとの間には、気密性を確保するためのシリンダパッキン20eを取り付ける。また、ヘッドカバー4hは、シリンダ4に対して、複数の固定ボルト20h、20iを用いて装着する。また、排出用入口3xには、気密性確保のためのOリング20fを取り付ける。なお、図24では一つのシリンダ4のみを示している。
ここで、図25に示すように、ケーシング3に、第1位置決め部3Bが形成され、4つのシリンダ4に、第1位置決め部3Bに対応するように配置された第2位置決め部4Bがそれぞれ形成される場合には、4つのシリンダ4は、ケーシング3に対して、4つのシリンダ4のそれぞれの軸中心と4つのピスト5ンのピストンヘッド部5hのそれぞれの軸中心とが一致するように、第1位置決め部3B及び第2位置決め部4Bによって位置決めされる。
次に、軸受支持部10、ケーシングカバー15等を取り付ける(図26参照)。具体的には、モータ軸2sに対して軸ホルダー21を挿入し、軸ホルダー21に対してベアリング22bを挿入し、軸受支持部10、ケーシングカバー15を、複数の固定ボルト20pを用いて、第1部材3fに対して取り付ける。ここで、第1部材3fの第1平行部7fと軸受支持部10の排出用流入口10iとの間には、気密性確保のためのOリング20jを二つ取り付け、軸受支持部10とケーシングカバー15との間には、気密性確保のためのパッキン20m及びOリング20nを取り付ける。なお、図26では、三つのシリンダ4が取り付けられ、一つのシリンダ4がまだ取り付けられていない状態を示している。そして、図1に示す往復動圧縮機1は、以上のようにして組み立てられる。
(ピストンの揺動角とピストンロッドの長さとの関係)
図29(a)に示すように、偏心軸17の中心Cとモータ軸2sの中心Oとの偏心距離eを一定とする場合に、ピストンロッド5Pの長さLが短くなって長さL´になると、ピストンの揺動角、すなわち、ピストンロッド5Pの傾斜角θは、大きくなって傾斜角θ´となる。従って、ピストンロッド5Pの長さLが短くなると、ピストンヘッド部5hのシリンダ4に対する傾きが大きくなることで、ピストンヘッド部5hとシリンダ4との隙間は大きくなる。
一方、図29(b)に示すように、偏心軸17の中心Cとモータ軸2sの中心Oとの偏心距離eを小さくする場合に、ピストンロッド5Pの長さLが短くなって長さL´になると、ピストンロッド5Pの傾斜角θは、ほぼ同じの傾斜角θに維持される。従って、ピストンロッド5Pの長さLが短くなると、ピストンヘッド部5hのシリンダ4に対する傾きがほぼ同じとなることで、ピストンヘッド部5hとシリンダ4との隙間は維持される。これより、シリンダ4内の圧縮室4jの気密性を確保しつつ、圧縮機1の小型化が可能となる。
(ピストンの摺動距離とピストンロッドの長さとの関係)
図29(a)に示すように、偏心軸17の中心Cとモータ軸2sの中心Oとの偏心距離eを一定とする場合に、ピストンロッド5Pの長さLが短くなって長さL´になると、ピストン5の摺動距離、すなわち、ピストンヘッド部5hの中心aとシリンダ4との距離Hは、上述したように、ピストンロッド5Pの傾斜角θが大きくなって傾斜角θ´となることで、ピストンヘッド部5hのシリンダ4に対する傾きが大きくなるため、距離H´となり大きくなる。
一方、図29(b)に示すように、偏心軸17の中心Cとモータ軸2sの中心Oとの偏心距離eを小さくする場合に、ピストンロッド5Pの長さLが短くなって長さL´になると、ピストン5の摺動距離、すなわち、ピストンヘッド部5hの中心aとシリンダ4との距離Hは、上述したように、ピストンロッド5Pの傾斜角θがほぼ同じに維持されることで、ピストンヘッド部5hのシリンダ4に対する傾きがほぼ同じとなるため、距離Hに維持される。これより、ピストンロッド5Pの長さLを短くしてもピストン5の摺動距離を一定に保つことができるので、ピストン5に配置されたシール部材28のシール性を長期間確保することができる。
(モータ軸の回転トルク) 複数のシリンダを有する往復動圧縮機1において、ピストンの回転数、圧力、及びストロークを固定とした場合に、総排出流量が同じになるように、ピストンの内径(ボア径)Xを変更させる。このとき、図30に示すように、シリンダの数が1つ、2つ、及び3つの場合には、モータ軸2sの回転トルクは、それぞれ、モータ軸2sの回転に伴って波動曲線を描くように変動し、回転角度が約100度の時点で最大となり、回転角度が約200度の時点で最小となる。一方、シリンダの数が4つである本実施の形態では、4つのピストン5がそれぞれ90度の位相差を維持しながら吸気圧縮工程を行うことでピストン5の圧縮工程時にピストンヘッド部5hに掛かる力が相殺されるので、モータ軸2sの回転トルクは、モータ軸2sの回転に伴ってほとんど変動せず、ほぼ直線を描く。これより、4つのシリンダを有する往復動圧縮機では、1つ、2つ、及び3つのシリンダを有する往復動圧縮機よりも回転トルクの変動を大幅に抑制することができる。
(酸素濃縮装置)
次に、本実施形態に係る往復動圧縮機を備える酸素濃縮装置について説明する。酸素濃縮装置は、呼吸器疾患患者等に対して高濃度酸素を提供する在宅酸素療法において用いられる。なお、本実施形態に係る往復動圧縮機を備える酸素濃縮装置では、図32に示すように、密閉容器330は、ケーシング3と、ケーシング3に取り付けられたシリンダ4と、シリンダ4を覆うヘッドカバー4hと、ケーシング3の上端に配置される軸受支持部10と、軸受支持部10に取り付けられるケーシングカバー15とを有している。
酸素濃縮装置100には、図31に示すように、ガス排出部303c、303dにより吸着容器304A、304Bから排出された窒素を含むガス(冷却用媒体)を、往復動圧縮機1の密閉容器330内部に導いた後に外部に排出するための排出ガス流路Zが配置されている。
具体的には、酸素濃縮装置100は、外部から吸い込む空気中の塵を除去するための防塵フィルタ311と、防塵フィルタ311を介して吸い込んだ空気を圧縮する往復動圧縮機1と、往復動圧縮機1の圧縮空気が吐出される側のガス流路に配設された制御弁303と、制御弁303を介して往復動圧縮機1から圧縮空気が供給され、その圧縮空気中の窒素を吸着する吸着剤が収納された吸着容器の一例としての第1吸着筒304Aと、第1吸着筒304Aの下流側のガス流路に配設された逆止弁305Aと、制御弁303を介して往復動圧縮機1から供給された空気中の窒素を吸着する吸着剤が収納された吸着容器の一例としての第2吸着筒304Bと、第2吸着筒304Bの下流側のガス流路に配設された逆止弁305Bと、第1、第2吸着筒304A、304Bの下流側のガス流路間に配設されたパージ弁306と、第1、第2吸着筒304A、304Bに逆止弁305A、305Bを介して接続された酸素タンク307と、酸素タンク307からの酸素濃縮ガスを減圧する減圧弁308と、酸素タンク307から減圧弁308を介して供給する酸素濃縮ガスの流量を調整するための流量調整器309と、流量調整器309により流量が調整された酸素濃縮ガスを人に提供するためのカニューラ(図示せず)が接続される吐出口カプラ310とを備えている。
往復動圧縮機1は、防音ボックス322内に配置されており、その防音ボックス322の側面に冷却用のファン323を取り付けている。この冷却用のファン323により防音ボックス322内の往復動圧縮機1を冷却する。また、酸素濃縮装置100は、制御弁303とパージ弁306および冷却用のファン323等を制御する制御部320とを備えている。制御部320により、往復動圧縮機1内のモータ2(図3参照)を駆動する。
また、制御弁303は、一端が往復動圧縮機1の圧縮空気流路に接続され、他端が第1吸着筒304Aに接続された第1ポート303aと、一端が往復動圧縮機1の圧縮空気流路に接続され、他端が第2吸着筒304Bに接続された第2ポート303bと、一端が往復動圧縮機1の排出ガス流路Zに接続され、他端が第1吸着筒304Aに接続された第3ポート303cと、一端が往復動圧縮機1の排出ガス流路Zに接続され、他端が第2吸着筒304Bに接続された第4ポート303dとを有する。
また、制御部320は、マイクロコンピュータと入出力回路等からなり、パージ弁306およびファン323を制御する。制御部320は、第1切換部と第2切換部を制御する切換制御部の機能を備えている。
上記構成の酸素濃縮装置100において、制御部320により、制御弁303の第1ポート303aと第4ポート303dを開き、第2ポート303bと第3ポート303cを閉じて、往復動圧縮機1を運転する(第1吸着筒304Aの加圧工程、第2吸着筒304Bの減圧工程)。そして、往復動圧縮機1は、防塵フィルタ311を介して吸い込んだ空気を圧縮する。往復動圧縮機1により圧縮された空気は、制御弁303の第1ポート303aを通って第1吸着筒304Aにおいて加圧され、空気中の窒素を吸着剤に吸着させて高濃度酸素を生成する。第1吸着筒304Aで生成された高濃度酸素は、逆止弁305Aを通って酸素タンク307に貯留する。そうして、酸素タンク307に溜めた酸素濃縮ガスは、減圧弁308により減圧した後、流量調整器309により流量が調整されて吐出口カプラ310から吐出される。
このとき、第2吸着筒304B側は、減圧により吸着剤から窒素を脱着させて、脱着させた窒素を含むガスを、制御弁303の第4ポート303dと往復動圧縮機1を介して外部に排気する。
ここで、第1吸着筒304Aの加圧工程中に、第2吸着筒304Bには、第1吸着筒304Aで生成された高濃度酸素の一部がパージ弁306を介して供給され、第2吸着筒304B内の圧力を少し上げた状態で、制御部320により、制御弁303の第2ポート303bと第3ポート303cを開き、第1ポート303aと第4ポート303dを閉じて、第2吸着筒304Bの加圧工程に切り換える。このようにして、第1、第2吸着筒304A、304B内の吸着剤を用いた窒素の吸着と脱着を交互に行うサイクルが繰り返される。
このとき、往復動圧縮機1において、図32(a)に示すように、モータ軸2sに対して直交し、軸受支持部10の側部(図32(a)における右側)に形成された冷却用吸入口10jに、窒素を含むガスが流入するようにチューブ361の一端を接続している。そして、図32(b)に示すように、ケーシング3の側部(図32(b)における右側)に形成された冷却用排出口3jと排出口324とを排出チューブ362により接続している。なお、本実施の形態では、冷却用吸入口10jが形成された軸受支持部10の側部と、冷却用排出口3jが形成されたケーシング3の側部とは、モータ軸2sに対して周方向に隣接している。
そして、チューブ361と軸受支持部10及び排出チューブ362とケーシング3によって、図31に示す酸素濃縮装置100の第1、第2吸着筒304A、304Bから排気された窒素を含むガスを、制御弁303の第3ポート303cと第4ポート303dを介して往復動圧縮機1の密閉容器330内部に導いた後に外部に排出する排出ガス流路Zを形成している。このとき、排出ガス経路Zは、ケーシング3及び4つのシリンダ4の少なくとも一方の内部に配置されている。
上記構成の酸素濃縮装置100において、酸素濃縮装置100の第1、第2吸着筒304A、304Bから排気された窒素を含むガスは、チューブ361を介して往復動圧縮機1の密閉容器330内に流入した後、排出ガス流路Zを形成することで、偏心軸17のベアリング17b、ベアリング22a、22b、ピストン5等の各部品を冷却して外部に排出される。本実施の形態では、排出ガス流路Zは、図32に示すように、往復動圧縮機1の密閉容器330内において上方から下方に形成されている。また、排出ガス流路Zは、4つのシリンダ4間の隙間、偏心軸17とベアリング17bとの隙間等、密閉容器330内に配置された各部品間の隙間にも形成されている。
[本発明の特徴]
本実施形態にかかる往復動圧縮機1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の往復動圧縮機1では、シリンダ4の数を2つから4つに増やすことで、各ピストン5の回転数及び全体の吐出流量を保ちながらストロークを小さくすることができるので、ピストンロッド5Pを短くしても、ピストン5の揺動角度θを維持することができる。これより、圧縮室4jの気密性を確保しつつ、圧縮機の小型化が可能となる。また、ストロークを小さくすることができることで、ピストンヘッド部5hの揺動距離が小さくなるので、ピストンヘッド部5hに配置されたシール部材28のシール性を長期間確保することができる。さらに、シリンダ4が4つになることで放熱面積が大幅に拡大し、圧縮室4jの温度上昇を抑制できるため、圧縮効率を大きく向上させることができる。
また、平面視において、モータ軸2sの中心を通過する直線上と、その直線と直交し且つモータ軸2sの中心を通過する直線上とにそれぞれシリンダ4を2つずつ配置することで、円周方向において隣接する2つのシリンダ4の全ての間隔を小さくすることができる。また、隣接する2つのピストン5のピストンヘッド部5h間で干渉が生じにくくなるので、ピストンロッド5Pをさらに短くすることができる。従って、圧縮機をさらに小型化することができる。
また、4つのピストン5の吸気圧縮工程がそれぞれ90度の位相差を維持しながら行われることで、圧縮工程の際、4つのピストン5のピストンヘッド部5hに掛かる力が相殺されて、モータ軸2sの回転トルクが変動するのを抑制することができる。これより、圧縮効率を大きく向上させることができる。また、4つの圧縮室から発生する吸排気音も相殺されて、低騒音及び低振動化が可能となる。
また、4つのピストン5が嵌合する偏心軸17を1つにすることで、モータ軸2s方向におけるピストン5のロッド部5Rの間隔を小さくすることができる。また、あるピストン5の圧縮工程から吸気工程に移る際の力を他のピストン5の運動を助ける力として有効に伝達できることで、力の伝達ロスを小さくすることができる。これより、圧縮効率をさらに向上させることができる。
また、ケーシング3が第1位置決め部3Bを有し、4つのシリンダ4がそれぞれ第1位置決め部3Bに対応する第2位置決め部4Bを有していることで、4つのシリンダ4のそれぞれの軸中心とピストン5のピストンヘッド部5hの軸中心とが一致するように4つのシリンダ4のそれぞれをケーシング3に対して位置決めさせることができるので、シール部材28が偏磨耗するのを抑制することができる。
また、モータ軸2sの軸方向において、4つのピストン5のロッド部5R間に調整部材34を配置することで、ロッド部5Rの位置を調整することができる。従って、シリンダ4の軸中心とピストン5のピストンヘッド部5hの軸中心とを確実に一致させることができるので、シール部材28が偏磨耗するのを抑制することができる。
また、4つのシリンダ4のそれぞれの本体部4aと平板部4pとの間に弾性部材4Aが挟まれることで、本体部4aと平板部4pとを締結するボルトのトルク管理による調節だけで、4つのピストン5のそれぞれのピストンヘッド部5hの上死点におけるシリンダ4との隙間を小さくすることができる。従って、圧縮機の性能が安定し、圧縮効率をさらに向上させることができる。
また、4つのピストン5のそれぞれのピストンヘッド部5hと押さえ板27との間にスペーサ30が挟まれることで、ピストンヘッド部5hと押さえ板27とを締結するボルトのトルク管理による調節だけで、4つのピストン5のそれぞれのピストンヘッド部5hの上死点におけるシリンダ4との隙間を小さくすることができる。従って、圧縮機の性能が安定し、圧縮効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態の酸素濃縮装置100によれば、密閉型の往復動圧縮機1内を冷却することにより耐久性を向上でき、冷却用のファン323の小型化、低回転化により省エネルギー化と静音化が図れる。また、往復動圧縮機1の内部温度を下げることにより、第1、第2吸着筒304A、304Bに供給される圧縮空気の温度上昇が抑えられるので、第1、第2吸着筒304A、304B内の吸着剤への窒素の吸着効率の低下を防いで、酸素濃縮ガスの酸素濃度の低下を防止することができる。
また、上記第1、第2吸着筒304A、304Bから排気された窒素を含むガスは、排出ガス流路Zを形成することで、特に高熱が発生するピストンヘッド部5hのシール部材28の耐久性を向上できる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる往復動圧縮機の第2実施形態について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については図に同一の符号を付してその説明を省略する。図33は、本発明の第2実施形態に係る往復動圧縮機を示す概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はY矢視側面視概略図である。図34は、図33(b)のP−P矢視断面概略図である。図35は、図34のQ−Q矢視断面概略図である。図36は、図33(a)のR−R矢視断面概略図である。図37は、図33(a)のS−S矢視断面概略図である。
本実施形態にかかる往復動圧縮機101では、上記の第1部材3fに相当する金属製部材の内部に、第1平行部7f及び第2平行部106fが形成されている。そして、ケーシング103が上記の実施形態とは異なることに伴い、シリンダ104についても、貫通孔の位置等が変更されている(図示は省略する)。
往復動圧縮機101における複数の排出流路7のそれぞれは、モータ軸2sの軸方向に沿った第1平行部7fを有している(上記の実施形態と同様。図33(a)、図36参照)。また、複数の吸入流路106のそれぞれは、モータ軸の軸方向に沿った第2平行部106fを有している(図33(a)、図37参照)。
そして、一対の第1平行部7f、及び、一対の第2平行部106fが、ケーシング103の内部に形成されており、一対の第1平行部7fはモータ軸2sを挟んで対向して配置されており(図33(a)の破線部参照)、且つ、一対の第2平行部106fはモータ軸2sを挟んで対向して配置されている(図33(a)の一点鎖線部参照)。そして、一対の第1平行部7f、及び、一対の第2平行部106fは、第1平行部7fと第2平行部106fとが隣り合うように配置されている(図33(a)、図36、34参照)。
また、ケーシング103は、上記の実施形態とは異なり、4つの吸入用出口103yを、上記の実施形態における第1部材に相当するケーシング103に有している(図37参照)。そして、統合吸入流路109が、ケーシング103内部の、モータ軸方向に関して、ピストン5よりも本体部2b側のスペースに形成されている(図34〜34参照)。そして、この統合吸入流路109への吸入口103zは、ケーシング103の外壁部に形成されている(図35参照)。
このように構成される往復動圧縮機101においては、排出流路7については上記の実施形態とほぼ同様であるが、吸入流路106が上記の実施形態とは異なる。複数の吸入流路106は、ケーシング103の内部を通るように形成されており、具体的には、第2平行部106fが、ケーシング103の内部に形成されている。複数の吸入流路106は、複数のシリンダ104のそれぞれの内部(圧縮室4j)に対して接続されている(図37の吸入流路106を示す一点鎖線部参照)。
空気は、まず、ケーシング103に形成された吸入口103zからケーシング103の内部に入り、そこから統合吸入流路109へと流入する(図35参照)。以下、それぞれの吸入流路106、すなわち、シリンダ104内部(圧縮室4j)までの流路について説明する。ケーシング103の内部は、統合吸入流路109が二つの第2平行部106fへと連続するように形成されており、統合吸入流路109内の空気は、二つの第2平行部106fへと送られる(図37参照)。そして、それぞれの第2平行部106fを通った空気は、吸入用出口103yから、貫通孔(上記の実施形態における貫通孔4bに相当するもの)を通って第1の部屋へと送られる。そして、第1の部屋の空気は、貫通孔4cを通って圧縮室4jへと送られる。一つの吸入流路106は上記のように構成される。
上記のように、本実施形態の往復動圧縮機101では、複数の排出流路7のそれぞれは、モータ軸2sの軸方向に沿った第1平行部7fを有し、複数の吸入流路106のそれぞれは、モータ軸2sの軸方向に沿った第2平行部106fを有し、一対の第1平行部7f、及び、一対の第2平行部106fが、ケーシング103の内部に形成されており、一対の第1平行部7fはモータ軸2sを挟んで対向して配置されており、且つ、一対の第2平行部106fはモータ軸2sを挟んで対向して配置されている。このように、排出流路7の第1平行部7f及び吸入流路106の第2平行部106fの両方をケーシング103の内部に形成することで、ケーシング103を無駄なく有効に活用して、さらに効率的に大型化を抑止しつつ複数シリンダ間の流路を統合できる。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる往復動圧縮機の第3実施形態について説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については図に同一の符号を付してその説明を省略する。図38は、本発明の第3実施形態に係る往復動圧縮機を説明する模式図である。図39は、図38の往復動圧縮機の動作説明図である。図40は、図38の往復動圧縮機の回転角度とPV値とヘッド傾斜角との関係を示す図である。図41は、従来の往復動圧縮機の縦断面図である。
本実施形態にかかる往復動圧縮機は、図38に示すように、4つのピストン5が下死点にあるときにおいて、モータ軸2sの中心O及び偏心軸17の中心Cを含む基準平面Rに対してシール部材228に沿ったシール平面Sが非直角である。
シリンダ204は、図38に示すように、本体部204aと平板部204pとを有しており、本体部204aに平板部204pを固定して、圧縮室204jを形成している。このシリンダ204の本体部204aと平板部204pとの間は、弾性部材204Aでシールしている。シリンダ204はケーシング(図示せず)に固定されている。
一方、シリンダ204内には、ピストン205を配置している。このピストン205は、ピストンヘッド部205hとロッド部205Rとが一体になっており、ピストンヘッド部205hをシリンダ204内で揺動及び往復動自在に配置している。ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、すなわち、シール平面Sには、環状のシール部材228の一部を載置し、この一部をピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sと押さえ板227とで挟んで固定している。このシール部材228の他の一部は、ピストンヘッド部205h及び押さえ板227から突出してシリンダ204の内面に接触して、シールを行う。そして、押さえ板227は、ピストンヘッド部205hにビス230で固定している。
図38に示すように、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、すなわち、環状のシール部材228に沿ったシール平面Sは、ピストン205が下死点にあるときにおいて、モータ軸2sの中心Oおよび偏心軸17の中心Cを含む基準平面Rに対して、非直角になっている。より詳しくは、ピストン205が下死点にあるときにおいて、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、すなわち、環状のシール部材228に沿ったシール平面Sは、上記基準平面Rに対して、88.5°傾斜している。すなわち、ピストン205が下死点にあるときにおいて、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S(シール平面S)は、基準平面Rに垂直な平面に対して、1.5°傾斜していて、シリンダ204の中心軸に垂直な平面に対して、1.5°の傾斜角を有する。これにより、図40に示すように、PV値が略最大になるモータ軸2sの回転角約135°の近傍の約149°において、基準平面Rに垂直な平面に対する傾斜角、つまり、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sの傾斜角が零になるようになっている。
シリンダ204の圧縮室204jの天面241は、ピストン205が下死点及び上死点にあるときにおいて、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sに平行になっている。つまり、シリンダ204の圧縮室22の天面241は、シリンダ204の中心軸に垂直な平面に対して、1.5°傾斜している。これにより、ピストン205が上死点にあるときに、シリンダ204の圧縮室22の天面241と押さえ板227の上面との間にデッドスペースが生じないようにして、圧縮効率を高くしている。
上記構成の往復動圧縮機の動作を、図38、図39及び図40を参照しながら説明する。
図40において、横軸は、モータ軸2sの回転角度を表し、右側の縦軸は、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sのシリンダ204の中心軸に垂直な平面に対する傾斜角を表し、左側の縦軸はPV値を表す。
往復動圧縮機において、図38に示す状態から、モータ2の駆動により、モータ軸2sが時計回りに回転すると、ピストン205は、図39の(イ)〜(チ)に示すように、揺動しながら往復動を行って、空気等のガスの吸気・圧縮を行う。
このとき、図40において曲線Mで示すように、下死点(モータ軸の回転角0°)及び上死点(モータ軸2sの回転角180°)において、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、すなわち、環状のシール部材228に沿ったシール平面Sは、基準平面Rに垂直な平面(シリンダ204の中心軸に垂直な平面)に対して、1.5°傾斜している。そして、モータ軸2sの回転につれて、図39及び図40に示すように、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、すなわち、環状のシール部材228に沿ったシール平面Sの傾斜角(ヘッド傾斜角)が変化する。
図40の曲線Mから分かるように、この実施形態では、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sの傾斜角、つまり、シール平面Sの傾斜角の絶対値は、曲線M´で示される従来の図41のピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sの傾斜角よりも、圧縮行程において、小さく、吸入工程において大きくなっている。
このように、PV値が大きくてシール部材228に対する負荷が大きい圧縮行程において、この実施形態のシール平面Sの傾斜角の絶対値(図40の曲線M)が、図41の従来例のシール平面Sの傾斜角の絶対値(図40の曲線M´)よりも小さくなるから、シール部材228がシリンダ204の内面と略均一に接触して、シール部材228の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダ204とシール部材228との間の隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
なお、吸入工程においては、圧縮行程よりも、PV値が全体的に小さくて、シール部材228に対する負荷が比較的小さいから、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sの傾斜角、つまり、シール平面Sの傾斜角の絶対値が大きくなっても、シール部材228の局所的な摩耗や漏れ等の不都合は殆ど生じない。
また、上記実施形態では、基準平面Rに垂直な平面に対するシール平面Sの傾斜角の絶対値は、吸入工程においてよりも圧縮行程において小さくなっているので、シール部材228の高負荷時においてシール部材228がシリンダの内面と略均一に接触して、シール部材228の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、シリンダ204とシール部材228との間に隙間を少なくして、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
また、上記実施形態では、PV値が最大になるモータ軸2sの回転角約135°の近傍において、基準平面Rに対して、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面S、つまり、シール平面Sが直角になって、最大負荷時に、シリンダ204の中心軸に対してシール平面Sの傾きがなくなることになるから、シール部材228の局所磨耗を防止して長寿命を達成でき、かつ、空気漏れを防止して圧縮効率を向上できる。
また、上記実施形態では、押さえ板227によって、シール部材228をピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sに取り付けているので、ピストンヘッド部205hの天面Sの傾斜角を調整して、シール平面Sの傾きを簡単に設定することができる。
また、上記実施形態では、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sとシリンダ204の圧縮室204jの天面241とが平行であり、押さえ板227の上面とシリンダ204の圧縮室204jの天面241との間のデッドスぺースを小さくして、圧縮効率を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態においては、統合吸入流路、及び、統合排出流路の両方が設けられているが、これらは少なくともいずれか一方が設けられていればよく、例えば、統合吸入流路及び統合排出流路の一方はなくてもよい。
また、上記の実施形態においては、排出流路が、モータ軸の軸方向に沿った第1平行部を有し、吸入流路が、モータ軸の軸方向に沿った第2平行部を有しているが、排出流路、及び、吸入流路には、第1平行部、第2平行部はなくてもよい。また、排出流路、及び、吸入流路において、第1平行部及び第2平行部のいずれか一方のみが形成されていてもよい。
また、上記の実施形態においては、ピストンヘッド部5hと、ボルト締結により固定される押さえ板27との間には、シール部材28及びスペーサ30が挟まれているが、シール部材28がスペーサ30の役割をする場合には、シール部材28のみが挟まれてもよい。
また、上述の実施の形態においては、冷却用吸入口10jが形成された軸受支持部10の側部と冷却用排出口3jが形成されたケーシング3の側部とは、モータ軸2sに対して周方向に隣接して配置されているが、モータ軸2sに対してどのような位置関係で配置されてもよく、例えば、モータ軸2sに対して対向して配置されてもよい。
また、上述の実施の形態においては、冷却用吸入口10jは、軸受支持部10の側部に形成されていたが、排出ガス流路Zの内部に冷却用媒体を吸入できれば往復型圧縮機のどうような位置に形成されてもよい。また、冷却用排出口3jは、ケーシング3の側部に形成されていたが、排出ガス流路Zから冷却用媒体を排出できれば往復型圧縮機のどうような位置に形成されてもよい。
また、上記の実施形態においては、往復動圧縮機に吸入される流体を空気としているが、往復動圧縮機では、これ以外のガス流体(例えば、窒素、酸素、二酸化炭素、冷媒等)を吸入し、圧縮するように構成されていてもよい。
また、上記の第3実施形態においては、シール部材228を押さえ板227でピストン205のピストンヘッド部205hに固定したが、押さえ板を用いないで、図示しないピストンのピストンヘッド部にシリンダの中心軸に垂直な平面に対して傾斜した面に沿った溝を設け、この溝に環状のシール部材を嵌合してもよい。要は、環状のシール部材に沿ったシール平面が、ピストンの上死点及び下死点において、シリンダの中心軸に垂直な平面に対して傾斜していればよい。
また、上記の第3実施形態においては、ピストン205のピストンヘッド部205hの天面Sのシリンダ204の中心軸に垂直な平面に対する傾斜角は、1.5°であるが、1.5°に限らないことは、勿論である。
また、上記の実施形態においては、図示しないが、偏心軸として、クランク軸のクランクピンを用いてもよい。
また、上記の第4実施形態においては、2つの第1、第2吸着筒を備えた酸素濃縮装置100について説明したが、1または3以上の吸着筒を備えた酸素濃縮装置100にこの発明を適用してもよい。しかしながら、吸着容器として2以上の吸着筒を備えて、複数の吸着筒を切り換えて交互に吸着と脱着を繰り返すことにより連続して脱着された窒素を含むガスが排気されるので、密閉型の往復動圧縮機内を効率よく冷却することができる。
また、上記の第4実施形態では、呼吸器疾患患者等に対して在宅酸素療法を行うために用いる酸素濃縮装置100について説明したが、酸素濃縮装置100はこれに限らず、高濃度の酸素を提供する全ての分野にこの発明を適用してもよい。
本発明を利用すれば、高効率化、長寿命化、小型軽量化、さらには低騒音・低振動が実現可能となる。
本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機を示す斜視概略図である。 図1の往復動圧縮機の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)はY矢視側面視概略図である。 図2(c)のA−A矢視断面概略図である。 図2(a)のB−B矢視断面概略図である。 図2(a)のC−C矢視断面概略図である。 図2(c)のD−D矢視断面概略図である。 図3のE−E矢視断面概略図である。 往復動圧縮機を示す、図1のZ矢視概略斜視図である。 図1のケーシングにおける第2部材を示す斜視概略図である。 図9の第2部材の概略図であり、(a)は(b)のT−U−V組合せ断面図、(b)は上面視概略図、(c)はX矢視側面概略図、(d)はY矢視側面概略図、(e)はJ−J断面図である。 図1のケーシングにおける第1部材を示す斜視概略図である。 図11の第1部材の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)は底面視概略図、(d)はY矢視側面概略図、(e)はH−H矢視断面図である。 図11の第1部材の断面図であり、(a)は図12のF−F断面概略図であり、(b)は図12のG−G断面概略図である。 図1の軸受支持部材を示す斜視概略図である。 図14の軸受支持部材の概略図であり、(a)は底面視概略図、(b)はN−N矢視断面概略図、(c)はM−M矢視断面概略図である。 図14の軸受支持部材の概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はO−O矢視断面概略図である。 図1のシリンダの概略図であり、(a)は(b)のX矢視側面概略図、(b)は正面視概略図、(c)はK−K矢視断面概略図である。 図1のシリンダに取り付けられる部品をシリンダと共に示す斜視説明図である。 図1のヘッドカバーを示す斜視概略図である。 図19のヘッドカバーの概略図であり、(a)は内面概略図、(b)はX矢視側面概略図、(c)は外面概略図、(d)はL−L矢視断面概略図である。 図1の往復動圧縮機の内部のピストンを示す分解説明図であり、(a)は4つのピストンを説明する図、(b)は1つのピストンを説明する図である。 図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、ケーシングの取り付けを説明するための斜視概略図である。 図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、ピストンの取り付けを説明するための斜視説明図である。 図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、シリンダ等の取り付けを説明するための斜視説明図である。 図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、シリンダのケーシングに対する位置決めを説明するための斜視説明図である。 図1の往復動圧縮機の組み立てにおける、軸受支持部、ケーシングカバー等の取り付けを説明するための斜視説明図である。 図1の往復動圧縮機における、軸領域及びその周辺領域を説明するための説明概略図である。 ピストンロッドを説明する図であり、(a)は往復動圧縮機の上面視概略図、(b)はピストンの上面視概略図である。 ピストンの揺動角及び摺動距離を説明する図であり、(a)は偏心距離が一定の場合のモデル図、(b)は偏心距離が一定でない場合のモデル図である。 シリンダの数を変化させた場合におけるモータ軸の回転トルクの変動を説明する図である。 図1の往復動圧縮機を備える酸素濃縮装置のブロック図である。 図1の往復動圧縮機内における空気の流れを説明する図であり、図32(a)は冷却用吸入口を説明する縦断面図であり、図32(b)は冷却用排出口を説明する縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る往復動圧縮機を示す概略図であり、(a)は上面視概略図、(b)はY矢視側面視概略図である。 図33(b)のP−P矢視断面概略図である。 図34のQ−Q矢視断面概略図である。 図33(a)のR−R矢視断面概略図である。 図33(a)のS−S矢視断面概略図である。 本発明の第3実施形態に係る往復動圧縮機を説明する模式図である。 上記実施形態の動作説明図である。 上記実施形態の回転角度とPV値とヘッド傾斜角との関係を示す図である。 従来の往復動圧縮機を説明する模式図である。
符号の説明
1、101 往復動圧縮機
2 モータ
2b 本体部
2s モータ軸
2t 軸端部
3、103 ケーシング
3B 第1位置決め部
3j 冷却用排出口
3d モータ用貫通孔
3f 第1部材
3r 溝部
3s 第2部材
3t 環状部
3u 吸入用突出部
3v 柱状部
3w 補強部
3x 排出用入口
3y、103y 吸入用出口
3z、103z 吸入口
4、104、204 シリンダ
4a、204a 本体部
4p、204p 平板部
4h、104h ヘッドカバー
4j、204j 圧縮室
4A、204A 弾性部材
4B 第2位置決め部
5、205 ピストン
5h、205h ピストンヘッド部
5R、205R ロッド部
6、106 吸入流路
6f、106f 第2平行部
7 排出流路
7f 第1平行部
7s 分岐路
7A 粘着剤
8 統合排出流路
9、109 統合吸入流路
10 軸受支持部
10h 排出口
10i 排出用流入口
10j 冷却用吸入口
15 ケーシングカバー
16 アイフランジ
17 偏心軸
18 バランスウエイト
21 軸ホルダー
22a、22b ベアリング
27、227 押さえ板
28、228 シール部材
29 ボルト
30 スペーサ
31 軸領域
32 周辺領域
33 軸方向に垂直な平面
100 酸素濃縮装置
303 制御弁
304A 第1吸着筒
304B 第2吸着筒
305A、305B 逆止弁
306 パージ弁
307 酸素タンク
308 減圧弁
309 流量調整器
310 吐出口カプラ
311 防塵フィルタ
320 制御部
322 防音ボックス
323 ファン
324 排出口
361 チューブ
362 排出チューブR 基準平面
S シール平面
Z 排出ガス流路

Claims (17)

  1. モータ軸(2s)を有するモータ(2)と、
    前記モータ軸の軸方向に対して直交する方向に沿うように配置される4つのシリンダ(4)と、
    前記4つのシリンダのそれぞれに往復動可能に嵌合されたピストンヘッド部(5h)と、前記モータ軸に固定された偏心軸(17)に回転可能に嵌合されたロッド部(5R)とがそれぞれ一体になっている4つのピストン(5)とを有することを特徴とする往復動圧縮機。
  2. 前記4つのシリンダは、平面視において、前記モータ軸の中心を通過する直線上に配置された2つのシリンダと、前記直線と直交し且つ前記モータ軸の中心を通過する直線上に配置された2つのシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の往復動圧縮機。
  3. 前記4つのピストンのピストンヘッド部は、それぞれ90度の位相差を維持しながら吸気圧縮工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の往復動圧縮機。
  4. 前記偏心軸は、1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  5. 前記モータ軸を収容するケーシング(3)を備え、
    前記ケーシングには、第1位置決め部(3B)が形成され、
    前記4つのシリンダには、前記第1位置決め部に対応するように配置された第2位置決め部(4B)がそれぞれ形成されており、
    前記4つのシリンダは、前記ケーシングに対して、前記4つのシリンダのそれぞれの軸中心と前記4つのピストンのピストンヘッド部のそれぞれの軸中心とが一致するように、前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部によって位置決めされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  6. 前記モータ軸の軸方向において、前記4つのピストンのロッド部間には、前記ロッド部の位置を調整するための調整部材(34)が配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  7. 前記4つのシリンダは、
    前記シリンダ軸方向に沿う筒状の本体部(4a)と、
    前記本体部の一端とボルト締結により固定される板状の平板部(4p)とを有しており、
    前記本体部と前記平板部との間には、弾性部材(4A)が挟まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  8. 前記ピストンヘッド部と、ボルト締結により固定される押さえ板(27)との間には、弾性を有するスペーサ(30)が挟まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  9. 前記ピストンヘッド部(205h)に取り付けられたシール部材(228)とを備え、
    前記4つのピストン(205)が下死点にあるときにおいて、前記モータ軸の中心(O)および前記偏心軸の中心(C)を含む基準平面(R)に対して、前記シール部材に沿ったシール平面(S)が非直角であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  10. 前記4つのピストンが下死点にあるときにおいて、前記基準平面に対して、前記シール部材の前記シール平面である前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面(S)が非直角であることを特徴とする請求項9に記載の往復動圧縮機。
  11. 前記4つのピストンが下死点にあるときにおいて、前記基準平面に関して、前記偏心軸の中心の移動方向と反対側において、前記基準平面に対して、前記シール平面が鋭角であることを特徴とする請求項9または10に記載の往復動圧縮機。
  12. 前記シール部材の一部が、前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面と、押さえ板(227)との間に挟まれて固定されていることを特徴とする請求項10に記載の往復動圧縮機。
  13. 前記4つのピストンが上死点にあるときにおいて、前記4つのピストンのピストンヘッド部の天面と前記4つのシリンダの圧縮室(204j)の天面とが略平行であることを特徴とする請求項10または12に記載の往復動圧縮機。
  14. 前記基準平面に垂直な平面に対する前記シール平面の傾斜角の絶対値は、吸入工程においてよりも圧縮行程において小さくなっていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  15. シール部材のPV値が最大になる前記モータ軸の回転角の近傍において、前記基準平面(R)に対して、前記シール平面(S)が直角になることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  16. 前記モータ軸を収容するケーシング(3)を備え、
    前記ケーシング及び前記4つのシリンダの少なくとも一方の内部に配置された排出ガス流路(Z)と、
    前記排出ガス流路の内部に冷却用媒体を吸入する冷却用吸入口(10j)と、
    前記排出ガス流路から前記冷却用媒体を排出する冷却用排出口(3j)とを備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の往復動圧縮機。
  17. 請求項16に記載の往復動圧縮機(1、101)と、
    前記往復動圧縮機により圧縮された空気が供給され、その空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤が収納された吸着容器(304A、304B)と、
    前記吸着容器内から酸素濃縮ガスを取り出す酸素濃縮ガス取出部(305A、305B)と、
    前記酸素濃縮ガス取出部を介して前記吸着容器からの前記酸素濃縮ガスを溜める酸素タンク(307)と、
    前記吸着容器内を減圧することにより上記吸着剤から脱着された窒素を含むガスを前記吸着容器内から排出するガス排出部(303c、303d)とを備え、
    前記冷却用媒体は、前記ガス排出部により前記吸着容器から排出された窒素を含むガスであることを特徴とする酸素濃縮装置。
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