JP2005023788A - ポンプ - Google Patents

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JP2005023788A
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Fumio Mikoshiba
文夫 御子柴
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JIGYO KYODO KUMIAI SIV SHIMOSUWA
Kohoku Kogyo Co Ltd
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JIGYO KYODO KUMIAI SIV SHIMOSUWA
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Abstract

【課題】複数のピストン部により動作させるポンプにおいて、モータを高速回転させたときに全体が安定した回転をするようにし、振動や騒音の問題を低減すること。
【解決手段】モータ1によって回転される回転軸3と、該回転軸3に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される複数のピストン部23,24とを備えてなるポンプにおいて、上記回転偏心体14,15を上記複数のピストン部に対応させて複数設けるとともに、上記複数のピストン部が同一工程となるように軸対称関係に設け、上記複数の回転偏心体を、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体がバランサとして作用するように一体化して上記回転軸に取り付けたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストン部の往復動に伴って流体を吸入・排出するポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータによって回転される回転軸を回転させ、該回転軸によってピストンロッドに連結された2つのピストンを往復動させるようにしたポンプが知られている。例えば、特開平7−310651号公報には、両端に駆動シャフトが突設された電動モータと、この電動モータの両端側に配設され、シリンダ内にピストンが往復移動可能に配設された2つのピストンポンプとを備え、駆動シャフト及びピストンがコンロッドを介して連結され、上記ピストンポンプの一方がバキュームポンプとして、他方がコンプレッサとしてそれぞれ機能するピストンポンプユニットにおいて、上記両ピストンポンプのピストンが同位相に設定されているピストンポンプユニットが開示されている。
【0003】
上記公報におけるピストンポンプユニットは、上記両ピストンポンプのピストンが同位相に設定されているため、両往復動ポンプの往復動体が上死点から下死点に移動する時には、バキュームポンプとして機能する往復動ポンプから駆動源に作用する負荷が大きく、コンプレッサとして機能する往復動ポンプからは負荷がほとんど作用しない。また、往復動体が下死点から上死点に移動する時には、コンプレッサとして機能する往復動ポンプから駆動源に作用する負荷が大きく、バキュームポンプとして機能する往復動ポンプからは負荷がほとんど作用しない。このため、両往復動ポンプから駆動源への負荷がほぼ均等に作用し、負荷変動が小さくなり、駆動源に高負荷が作用せず、駆動源の温度上昇を防止でき、安定した運転を実現できるというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−310651号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の技術は、2つのピストンポンプのピストンを同位相に設定し、ピストンポンプの一方がバキュームポンプとして、他方がコンプレッサとしてそれぞれ機能するようにして、駆動源への負荷がほぼ均等に作用するように構成したものである。この技術では、それぞれの駆動シャフト及びピストンとの配置は、電動モータの両端側にそれぞれ配設されているものであるから、2つのピストンポンプがそれぞれ別個に設けてある状態と同じであり、また、電動モータの両端において、偏心した回転軸が、その偏心した状態で高速回転しながら、負荷が交互にかかる状態となるので、電動モータを高速回転させたときに振動や騒音の問題を生じてしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、複数のピストン部を駆動する場合に、偏心回転体の一つに対して残りの偏心回転体がバランサとして作用するように構成して、モータを高速回転させたときに全体が安定した回転をするようにし、振動や騒音の問題を低減したポンプを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明におけるポンプは、モータによって回転される回転軸と、該回転軸に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される複数のピストン部とを備えてなるポンプにおいて、上記回転偏心体を上記複数のピストン部に対応させて複数設けるとともに、上記複数のピストン部が同一工程となるように軸対称関係に設け、上記複数の回転偏心体を、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体がバランサとして作用する位置関係となるように上記回転軸に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
ここで、ピストン部が2つの場合、回転偏心体の数も2個であり、これら2つのピストン部は、軸を中心とする180゜の位置に設けられ、上記回転偏心体の偏心方向は180゜異なる位置関係に設定されるが、ピストン部が3つの場合、回転偏心体の数も3個となり、これら3つのピストン部は、軸対称関係となるように軸を中心としてそれぞれ120゜の位置に設けられ、上記回転偏心体の偏心方向もそれぞれ120゜異なる位置関係に設定される。このような位置関係に回転偏心体の偏心方向が設定されれば、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体はバランサとして作用する位置関係とすることができる。なお、ピストン部の数は4個以上でもよく、4個の場合はそれぞれ90°の位置関係に設定される。
【0009】
上記本発明によれば、複数のピストンに対応させて複数設けた回転偏心体を、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体がバランサとして作用する位置関係となるように上記回転軸に取り付けたものであるから、モータにより回転軸を高速回転させても、回転軸に取り付けた回転偏心体による回転は安定して行われ、振動や騒音を抑えることができる。
【0010】
また、前述の従来技術のように、それぞれの回転偏心体をそれぞれ別個に形成した場合、回転時のバランスを安定させるためにはそれぞれの回転偏心体に近接させてバランサを設ける必要が生ずる。このように、それぞれの回転偏心体に対してバランサを設けると、回転駆動する負荷が大きくなるから、それを駆動するためのモータも大型にしなければならなくなる。しかしながら、本発明においては、それぞれの回転偏心体用のバランサは別の回転偏心体となっており、専用のバランサは設けていないと見なすことができるので、回転駆動用のモータは、小型の出力の小さいものであっても適用することができるものとなる。
【0011】
上記発明において、上記複数の回転偏心体は軸方向に並列して設けると共に、上記複数の回転偏心体の間に上記複数の回転偏心体と一体のスペーサ部を設けてなる一体化回転偏心体として構成することが好ましい。このように、複数の回転偏心体がスペーサ部を介して一体化されていると、それぞれの回転偏心体は回転軸を介して一体化されているのではなく、一つの回転偏心体が別の回転偏心体に対して回転軸よりも径の大きいスペーサ部を介して直接にバランサとして一体化されていることになるので、バランサとしての作用を向上させることができる。
【0012】
なお、一体化回転偏心体が好ましいが、一体化回転偏心体として構成していなくても、複数の回転偏心体が近接して配置されておれば、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体をバランサとして作用させることができる。
【0013】
また、上記発明におけるポンプは、上記複数の回転偏心体が間に位置するように上記回転軸を回転支持する2つの軸受と、該2つの軸受を保持するフレームと、上記回転軸がその間に位置するように上記フレームに設けられた前記ピストン部をそれぞれ移動可能に収納する複数のシリンダ部とを備えているように構成することが好ましい。このように構成すれば、上記回転軸は、上記複数の回転偏心体が間に位置する状態で2つの軸受によりフレームに保持されるから、より安定した回転を行うことができ、また、そのフレームを用いてシリンダ部を構成又は取り付けできるから、全体構成を簡単にすることができる。
【0014】
また、上記のように複数の回転偏心体が一体化回転偏心体として構成されておらず、分離された状態で回転軸に取り付けられていたとしても、回転軸は2つの軸受により支持されているので、軸ぶれ等の発生を防止することができ、安定した回転を行うことができる。
【0015】
上記発明において、上記ピストン部を、平板状のシールパッキンと、互いに同方向の曲面部を有する2つのピストン部材とを用い、上記2つのピストン部材の上記曲面部間に上記平板状のシールパッキンを挟み込むことにより外周部が曲面形状のシールパッキン部材となるように構成すれば、平板状のシールパッキンを用いて、曲面形状のシールパッキン部材を非常に容易に構成することができ、そのシールパッキン部材の外周部がシリンダ室の内周面を摺動するように構成することができる。
【0016】
また、本発明におけるポンプは、モータによって回転される回転軸と、該回転軸に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される2つのピストン部とを備えてなるポンプにおいて、上記回転偏心体を上記2つのピストン部に対応させて2つ設けるとともに、2つの回転偏心体の位相を180°ずらせて上記回転軸に取り付けるとともに、上記ピストン部及び該ピストン部を収納するシリンダ部を180°対向させて設けることにより、それぞれのピストン部が同一工程の動作となるように配置し、且つ、上記2つの回転偏心体を一体部品として構成することにより、一方の回転偏心体が他方の回転偏心体に対してバランサとして作用することを特徴とする。
【0017】
上記本発明によれば、2つの回転偏心体の位相を180°ずらせて上記回転軸に取り付けるとともに、上記ピストン部及び該ピストン部を収納するシリンダ部を180°対向させて設けることにより、それぞれのピストン部が同一工程の動作となるように配置し、且つ、上記2つの回転偏心体を一体部品として構成することにより、一方の回転偏心体が他方の回転偏心体に対してバランサとして作用するようにしたものであるから、モータにより回転軸を高速回転させた場合、180°ずらせて配置した2つの回転偏心体が一体部品として構成されていることにより、一方の回転偏心体が他方の回転偏心体に対してバランサとして作用させることができ、回転軸に取り付けた回転偏心体による回転は安定して行われ、振動や騒音を抑えることができる。
【0018】
上記発明において、前記2つの回転偏心体は同一形状の回転偏心体を用いることが好ましく、また、上記シリンダ部は、吸入弁を備える吸入孔と、排出弁を備える排出孔と、該排出孔の外側に蓄圧タンクに接続される逆止弁付の接続孔が設けられているように構成してもよい。
【0019】
既に説明したように、本発明においては、それぞれの回転偏心体に対して、それぞれ専用のバランサは設けておらず、その結果、モータは小型の出力の小さいものであっても適用することができる。このように出力の小さいモータを使用した場合、モータの始動時に蓄圧タンク側の圧力が排出孔の排出弁に直接かかっていると、モータの始動がしにくくなる場合がある。このような不具合を防止するためには、排出孔の外側に蓄圧タンクに接続される逆止弁付の接続孔を設けておくようにし、蓄圧タンク側の圧力が排出孔の排出弁に直接かからないようにしておくことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るポンプの全体構成を示す一部断面図である。ポンプを駆動するためのモータ1は、ポンプ全体の基台となるフレーム2に取り付けられており、このフレーム2には、モータ1によって回転駆動される回転軸3が軸受4,5を介して回転自在に保持されている。フレーム2の回転軸3を中心とした図における左右には側板部6,7が形成されている。この側板部6,7において、回転軸3の軸方向に位置をずらせた2ヶ所には、シリンダ室8,9を構成するための開口部が形成されている。
【0021】
フレーム2の側板部6,7を連結する部分には、回転軸3の上下両側を支持するための軸受4,5が取り付けられている。フレーム2に対してモータ1の回転軸10と同じ側に突出した回転軸3には、駆動プーリ11が一体固着されており、モータ1の回転軸10に固着されたモータプーリ12とベルト13を介して回転伝達されている。
【0022】
軸受4,5によりフレーム2に回転自在に保持された回転軸3の中央部には、2つの回転偏心体14,15をスペーサ部16を介して一体化してなる一体化回転偏心体17が固着されている。
【0023】
一体化回転偏心体17は、図2にその平面図、図3にその側断面図を示すように、ひとつの部品として構成されたものであり、回転軸3を挿通する中心孔18を有している。図2,図3に示すように、中心孔18に対して右側に偏心した回転偏心体14と左側に偏心した回転偏心体15とは、同一形状であるが180°回転偏心体の位相がずれた状態となっており、また、回転偏心体14と回転偏心体15との間に形成されたスペーサ部16は、中心孔18と同心の円形状に形成されている。従って、一体化回転偏心体17は回転方向に関してバランスがとれた状態となる。この一体化回転偏心体17は、図示しない適宜の固着手段により、回転軸3に固着される。このように、2つ、又は、複数の回転偏心体がスペーサ部を介して一体化されていると、それぞれの回転偏心体は回転軸を介して一体化されているのではなく、一方の回転偏心体が他方の回転偏心体に対して直接にバランサとして一体化されていることになるので、バランサとしての作用を向上させることができる。なお、一体化回転偏心体17は、回転偏心体14、回転偏心体15、スペーサ部16を個々に製造しておき、それらを一体化して構成してもよい。
【0024】
それぞれの回転偏心体14,15には、軸受19,20を介してロッド21,22が連結され、ロッド21,22の他端側はピストン部23,24と連結されている。
【0025】
図4は、ロッド21,22の構成を説明するための図で、ロッド22の側面図を示す。既に説明したように、回転軸3には回転偏心体15が固着されており、この回転偏心体15の外周部には軸受20を介してロッド22が、回転軸3に対して偏心運動可能に取り付けられている。ロッド22は、軸受20の外輪に取り付けられる円環状のリング部と、後述するピストン部24と連結される直線状の連結部とを備えている。ロッド21もロッド22と同一構成を有している。
【0026】
ピストン部23,24も同一構成であり、一方のピストン部23の構成を、図5を参照して説明する。ピストン部の構成は、従来公知の機構を採用することができるが、本実施の形態においては、以下に説明するようにピストン部を構成している。
【0027】
ピストン部23は、本来は平板状であるとともにオイルレスタイプの材料からなるシールパッキン25と、互いに同方向の曲面部26,27を有する2つのピストン部材23A,23Bとから構成される。
【0028】
上記ピストン部材23Aのシールパッキン側端面には、全周にわたり凹形状の曲面部26が形成されており、また、ピストン部材23Bのシールパッキン側端面には、上記ピストン部材23Aの曲面部26と基本的に同一曲率である凸形状の曲面部27が全周にわたり形成されている。従って、シールパッキン25は本来平板状をしているが、ピストン部材23Aとピストン部材23Bとでシールパッキン25を挟み込むと、シールパッキン25は、ピストン部材23A側の凹形状の曲面部26とピストン部材23Bの凸形状の曲面部27とで挟み込まれるので、シールパッキン25はその外周部が、凹形状の曲面部26と凸形状の曲面部27とにより強制的に変形させられ、曲面部26と曲面部27とでガイドされた、湾曲した曲面形状を有するシールパッキン部材に構成することができる。
【0029】
上記のように構成するため、ピストン部材23A、シールパッキン25、ピストン部材23Bのそれぞれには、これら3つの部品を一体化するためのネジ穴28,29,30が設けられている。従って、ピストン部材23A側から、ピストン部材23Aのネジ穴28、シールパッキン25のネジ穴29、ピストン部材23Bのネジ穴30に固定ネジ31を挿入してネジ締め固定すれば、図6に示すように、平板状のシールパッキン25を、湾曲した曲面形状を有するシールパッキン部材としたピストン部23を構成することができる。
【0030】
この時のシールパッキン部材の外周端部は、シリンダ室9の内径よりも大きく設定されているので、このピストン部23をシリンダ室9に装着したときには、このシールパッキン部材の外周部は、更にシリンダ室9の内壁によって撓ませられることになる。従って、このピストン部23が、回転偏心体14の偏心した回転によりシリンダ室9の軸心に対して若干揺動しながら往復運動を繰り返したとしても、シールパッキン部材の外周部はシリンダ室9の内壁と確実に密着できることとなり、シール性を充分確保することができる。
【0031】
この点について、図4を参照して更に説明すると、回転軸3が回転して回転偏心体15が回転すると、ピストン部24はシリンダ室8内を、図において左右に往復移動しながら同時に上下にも向きを変えながら移動する。この時、シールパッキン25は、湾曲した曲面形状を有するシールパッキン部材となっており、このシールパッキン部材の外周部は、更にシリンダ室8の内壁によって撓ませられるようになっているから、上下に向きを変えながら移動するピストン部24に対しても確実にシールパッキン部材の外周部はシリンダ室8の内壁と密着でき、シール性を確実なものとすることができる。
【0032】
図5,図6において、32は、回転偏心体14の偏心回転をピストン部23に伝達するためのロッド21の端面に設けた固定ネジ31の頭部収納用の凹部である。また、ピストン部23とロッド21の中央には、前述のように構成したピストン部23をロッド21に固定するためのネジ孔が設けられており、固定ネジ33により、ピストン部23はロッド21に一体化される。
【0033】
このピストン部24、及び、回転偏心体15の偏心回転をピストン部24に伝達するためのロッド22の構成は、前述のピストン部23とロッド21との構成と同じであるので、その説明は省略する。また、以下に説明する給排気弁ケース38、排気ケース39、逆止弁41付の接続孔42についても、シリンダ室8,9について同様である。
【0034】
図1,図7に示すように、シリンダ室9の外側、即ち、回転軸3とは逆側には、空気が導入される側である吸入弁34を備える吸入孔35と、ピストン部23により圧縮された空気が排出される側である排出弁36を備える排出孔37とを有する給排気弁ケース38がフレーム2の側板部7に固定されている。吸入孔35と排出孔37とは、それぞれシリンダ室9に連通しており、空気が導入されるときには吸入弁34が開いてシリンダ室9内に空気が導入され、また、圧縮空気が排出されるときには排出弁36が開くようになっている。
【0035】
上記給排気弁ケース38の外側には排気ケース39が取り付けられており、排出孔37から排出弁36を介して送られた圧縮空気は、排気ケース39に設けられた排出孔40の外側に取り付けられた接続孔42を介して図示しない蓄圧タンクに接続されている。
【0036】
排出孔40と接続孔42との間には逆止弁41が設けられている。この逆止弁41は、回転駆動用のモータ1として小型の出力の小さいものを用いた場合、蓄圧タンク側の圧力が直接排出弁36にかかり、ポンプの始動がしにくくなることを防止するために設けたものである。従って、モータ1の出力が大きいものを用いている場合には、逆止弁41は用いなくてもよい。
【0037】
なお、43は、給排気弁ケース38の排出孔37内にその先端が突出した圧力調整ねじであり、圧力調整ねじ43先端の排出孔37内への突出量を調節することにより、圧力を調整することができる。
【0038】
以上のように構成されたポンプの動作について、次に説明する。図1は、それぞれのシリンダ室8,9において、それぞれのピストン部23、24が排気状態にある図である。
【0039】
この図1に示す状態において、モータ1を回転させると、ベルト13を介して駆動プーリ11が回転され、回転軸3が回転する。回転軸3が回転すると、回転軸3に固着された一体化回転偏心体17が回転し、回転偏心体14,15、ロッド21,22を介してピストン部23,24が左右に移動する。
【0040】
ここで、回転偏心体14,15は、同一形状の2つの回転偏心体14,15の位相を180°ずらせて上記回転軸3に取り付けているから、ピストン部23,24は、同一工程となる。即ち、図1の状態から、どちらのピストン部23,24も回転軸3側に移動し、吸気行程が行われる。
【0041】
ピストン部23が回転軸3側に移動すると、即ち、下死点から上死点に向かう過程では、図7において、吸入弁34が開き吸入孔35を介して空気がシリンダ室9内に吸入され、また、ピストン部23が上死点から下死点に向かう過程では、シリンダ室9内の空気が圧縮され、吸入弁34が閉じるとともに排出弁36が開き、圧縮空気が圧力調整ねじ43の先端が突出している排出孔37を介して排気ケース39に供給され、更に、排出孔40、接続孔42を介して蓄圧タンクにその圧縮空気が供給される。
【0042】
また、ピストン部24も、ピストン部23と同一工程の動作をするから、上記ピストン部23と同様に動作する。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、その形状や構成等について、本発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々変更することが可能である。
【0044】
例えば、上記実施の形態においては、モータ1の回転を、モータプーリ12、ベルト13を介して駆動プーリ11に伝達し、回転軸3を回転させるようにしているが、モータ1により直接回転軸3を回転するように構成したり、回転軸3がモータ1の回転軸であるように構成してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明におけるポンプは、モータによって回転される回転軸と、該回転軸に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される複数のピストン部とを備えてなるポンプにおいて、上記回転偏心体を上記複数のピストン部に対応させて複数設けるとともに、上記複数のピストン部が同一工程となるように軸対称関係に設け、上記複数の回転偏心体を、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体がバランサとして作用する位置関係となるように上記回転軸に取り付けたものであるから、モータにより回転軸を高速回転させても、回転軸に取り付けた回転偏心体による回転は安定して行われ、振動や騒音を抑えることができる。
【0046】
また、本発明におけるポンプは、それぞれの回転偏心体に近接させてバランサを設けてあるものではなく、それぞれの回転偏心体専用のバランサは設けていないと見なすことができるものであるので、回転駆動用のモータとして大型のモータを用いる必要もなくなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポンプの全体構成を示す一部断面図である。
【図2】図1に示すポンプに用いられる一体化回転偏心体の平面図である。
【図3】図1に示すポンプに用いられる一体化回転偏心体の側断面図である。
【図4】図1に示すポンプに用いられるロッドの構成を説明するための側面図である。
【図5】ピストン部の構成を示す分解側断面図である。
【図6】組立後のピストン部の構成を示す側面図である。
【図7】ピストン部の動作を説明するための側断面図である。
【符号の説明】
1 モータ
2 フレーム(基台)
3 回転軸
4,5 軸受
8,9 シリンダ室
14,15 回転偏心体
16 スペーサ部
17 一体化回転偏心体
21,22 ロッド
23,24 ピストン部
23A,23B ピストン部材
25 シールパッキン
34 吸入弁
35 吸入孔
36 排出弁
37 排出孔
38 給排気弁ケース
39 排気ケース
40 排出孔
41 逆止弁
42 接続孔

Claims (7)

  1. モータによって回転される回転軸と、該回転軸に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される複数のピストン部とを備えてなるポンプにおいて、
    上記回転偏心体を上記複数のピストン部に対応させて複数設けるとともに、上記複数のピストン部が同一工程となるように軸対称関係に設け、上記複数の回転偏心体を、一つの回転偏心体に対して残りの回転偏心体がバランサとして作用する位置関係となるように上記回転軸に取り付けたことを特徴とするポンプ。
  2. 前記複数の回転偏心体を軸方向に並列に設けると共に、上記複数の回転偏心体の間に上記複数の回転偏心体と一体のスペーサ部を設け、上記複数の回転偏心体を一体化回転偏心体として構成したことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  3. 前記複数の回転偏心体が間に位置するように前記回転軸を回転支持する2つの軸受と、該2つの軸受を保持するフレームと、上記回転軸がその間に位置するように上記フレームに設けられた前記ピストン部をそれぞれ移動可能に収納する複数のシリンダ部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  4. 前記ピストン部は、平板状のシールパッキンと、互いに同方向の曲面部を有する2つのピストン部材とを備え、上記2つのピストン部材の上記曲面部間に上記平板状のシールパッキンを挟み込むことにより外周部が曲面形状のシールパッキン部材を構成し、該シールパッキン部材の外周部がシリンダ室の内周面を摺動するように構成したことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  5. モータによって回転される回転軸と、該回転軸に固定された回転偏心体と、該回転偏心体により往復移動される2つのピストン部とを備えてなるポンプにおいて、
    上記回転偏心体を上記2つのピストン部に対応させて2つ設けるとともに、2つの回転偏心体の位相を180°ずらせて上記回転軸に取り付けるとともに、上記ピストン部及び該ピストン部を収納するシリンダ部を180°対向させて設けることにより、それぞれのピストン部が同一工程の動作となるように配置し、且つ、上記2つの回転偏心体を一体部品である一体化回転偏心体として構成することにより、一方の回転偏心体が他方の回転偏心体に対してバランサとして作用することを特徴とするポンプ。
  6. 前記2つの回転偏心体は、同一形状の2つの回転偏心体の偏心方向が180°異なる位置関係に設定されたひとつの部品から構成されてなるものであることを特徴とする請求項5記載のポンプ。
  7. 前記シリンダ部は、吸入弁を備える吸入孔と、排出弁を備える排出孔と、該排出孔の外側に蓄圧タンクに接続される逆止弁付の接続孔が設けられていることを特徴とする請求項5記載のポンプ。
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