JP2014167276A - ロータリ式シリンダ装置 - Google Patents

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洋志 小川
Fumito Komatsu
文人 小松
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Abstract

【課題】ガイド軸受の当接部にピストン本体と異なる緩衝材を用いることで、耐久性を向上させ、振動や騒音の発生やポンプ性能が低下するのを抑えたロータリ式シリンダ装置を提供する。
【解決手段】ガイド軸受1cが当接しながら往復動する金属製ピストン組9,10の当接部には、当該ピストン本体と材質の異なる緩衝材19が一体に組み付けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シャフトの回転運動とシリンダ内のピストンの直線往復運動を相互に変換可能なロータリ式シリンダ装置、より具体的には圧縮機、真空ポンプなど様々な駆動装置に適用可能なロータリ式シリンダ装置に関する。
本件出願人は、シャフトを中心に回転する第一クランク軸に偏心して連繋するピストン複合体に組み付けられて直線往復運動するピストン組のピストンヘッド部がシリンダの摺動面から受ける反力の影響を軽減することで、摩擦損失が少なく、省エネルギー化を実現した小型のロータリ式シリンダ装置を提案した。
シャフトを中心に第一クランク軸が回転し、当該第一クランク軸を中心に偏芯カムが回転することで、当該偏心カムに組み付けられた複数のピストン組がシャフトを中心とする第二仮想クランク軸の半径2rの転がり円の径方向(内サイクロイドの軌跡)に沿った直線往復運動をガイドするガイド軸受を具備している(特許文献1参照)。これにより各ピストン組のピストンヘッド部がシリンダ摺動面から受ける反力をいずれか一方側のガイド軸受で受け止めてピストンヘッド部とシリンダとの摺動抵抗を軽減することができる。
特開2011−190780号公報
上述した特許文献1のロータリ式シリンダ装置において、複数ピストン組のピストンのン本体は金属製(例えばアルミ材;生材若しくはアルマイト処理材等)でありこれに金属製(スチール製等)のガイド軸受が当接しながら往復動を繰り返す。実験によれば、ピストン本体のガイド軸受の当接面に走行痕が発生し、かかる走行痕が経時的に侵食されて走行溝が形成されピストン組にガタつきが生じて振動や騒音が発生し、ポンプ性能が低下する(流量低下、無駄な消費電力発生等)という問題が生じていた。
本発明の目的は、ガイド軸受の当接部にピストン本体と異なる緩衝材を用いることで、耐久性を向上させ、振動や騒音の発生やポンプ性能が低下するのを抑えたロータリ式シリンダ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は次の構成を有する。
交差配置されたシリンダ内を往復運動するピストンとシャフトの回転運動を相互に変換可能なロータリ式シリンダ装置であって、前記シャフトの軸心に対して偏心して組み付けられ、当該シャフトを中心に半径rの第一仮想クランクアームを介して回転可能に組み付けられた第一クランク軸と、前記第一クランク軸に同心状に嵌め込まれた第一筒体と該第一筒体の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸を軸心とする第二筒体が連続して形成された偏心カムと、前記第二筒体に互いに交差したまま組み付けられ、前記第一クランク軸を中心に半径rの第二仮想クランクアームを介して相対的に回転可能に嵌め込まれた複数のピストン組と、前記第一クランク軸の両端部に各々組み付けられ、前記シャフトを中心とする回転部品間の回転バランスをとる第一,第二バランスウェイトと、前記シャフトを回転可能に軸支し、当該シャフトを中心に回転する前記第一クランク軸及び前記第一,第二バランスウェイト、並びに前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムを回転可能に収容するケース本体と、前記ケース本体に設けられ、前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムが回転することで、前記第二筒体に交差して組み付けられた前記複数のピストン組が相対的に回転しながら内サイクロイドの軌跡に沿って行われる直線往復運動をガイドするガイド軸受と、を具備し、前記ガイド軸受が当接しながら往復動する前記金属製ピストン組の当接部には、当該ピストン本体と材質の異なる緩衝材が一体に組み付けられていることを特徴とする。
ここで、第一仮想クランクアームとは、シャフトと第一クランク軸の軸芯間を連結する部位を言い、部品単体でクランクアームが存在しなくても構造上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランクアームとは、第一クランク軸と第二仮想クランク軸の軸芯間を連結する部位をいい、クランクアームが省略されていても機構上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランク軸とは、機構上のクランク軸が存在しなくとも回転中心となる軸芯の存在が仮想上認められるクランク軸を言う。また、ピストン組とは、ピストン単体のピストンヘッド部にシールカップ及びシールカップ押さえ部材やピストンリングなどのシール材が一体に組み付けられたものを言う。
上記構成によれば、金属製ピストン本体の当接部に当該ピストン本体と材質の異なる緩衝材が用いられるので、ガイド軸受が緩衝材に当接しながらピストン組が往復動してもガイド軸受が当接する緩衝材の当接面に走行痕が発生することはなく、かかる走行痕が経時的に侵食されてピストン組にガタつきが生じて振動や騒音が発生することも防げる。よって、ポンプ性能が安定し耐久性の向上を図ることができる。
前記各ピストン組のピストン本体にはその長手方向に沿ってガイド孔が各々穿設されており、前記ガイド軸受は各ガイド孔の対向する孔壁面を覆う前記緩衝材に当接して各ピストン組の直線往復運動をガイドするようにしてもよい。
これにより、複数ピストン組の往復移動がラジアル方向(長手方向)及びスラスト方向にガタがなくガイド軸受によりガイドされるのでピストン組の移動動作が安定する。また、長孔によりピストン本体の重量も軽くなり、しかもガイド軸受がピストン本体の一対の長孔に対応して一組設ければ足りるので、少ない部品点数で、安定したポンプ性能を実現できる。
また、前記緩衝材は樹脂材であり、前記各ピストン本体に対して、圧入、接着、一体成形のいずれかにより一体に組み付けられていてもよい。
これにより、樹脂成形品を圧入、接着するか、金型で一体成形するなど、簡易な構成でピストン本体に緩衝材を一体に組み付けることができ、製造コストも低廉にすることが可能になる。
本発明に係るロータリ式シリンダ装置を用いれば、金属製ピストン組の当接部には、当該ピストン本体と材質の異なる緩衝材が一体に組み付けられていることで、耐久性を向上させ、振動や騒音の発生やポンプ性能が低下するのを抑えることができる。
ロータリ式シリンダ装置の外観斜視図である。 ロータリ式シリンダ装置のケース本体から第二ケースを取り外した状態の斜視図である。 真空ピストン組の分解斜視図である。 緩衝材の正面図、矢印U−U断面図、平面図、左上方斜視図、右上方斜視図である。 図1のロータリ式シリンダ装置のシリンダヘッドを取り外した側面図、第二ケースを取り外した状態で軸方向からみた平面図、矢印V−V方向断面図である。 偏心カムの正面図、右側面、左側面図及び矢印W−W方向断面図である。 駆動軸を中心とする第一クランク軸の回転軌道、第一クランク軸を中心とする第二仮想クランク軸の回転軌道とピストン組の直線往復運動の関係を示す模式図である。 加圧ピストン組の斜視図、右側面図、平面図、矢印X−X方向断面図、右側面図、底面図である。 真空ピストン組の正面図、平面図、矢印X−X方向断面図、右側面図である。 他例に係る緩衝材を接着にて組み付けられた加圧ピストン組の斜視図、平面図及び矢印X−X断面図である。 他例に係る緩衝材を接着にて組み付けられた真空ピストン組の斜視図、平面図及び矢印X−X断面図である。 図10の加圧ピストン組及び図11の真空ピストン組の緩衝材を取り外した分解斜視図である。
以下、発明を実施するための一実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1乃至図9を参照して一例として圧縮機、酸素濃縮装置等にポンプとして用いられるロータリ式シリンダ装置を中心として説明する。ロータリ式シリンダ装置は、シリンダに対するピストンの直線往復運動とシャフトの回転運動とが相互に変換されて出力される装置を想定している。
図1において、第一ケース1と第二ケース2とで構成される筐体状のケース本体3に駆動軸4a,4b(シャフト;図2,図5(C)参照)が回転可能に軸支されている。第一ケース1と第二ケース2とは、ボルト3aにより四隅をねじ嵌合させて一体に組み付けられる。このケース本体3の四方側面には、対向する一対の加圧シリンダヘッド部5と一対の真空シリンダヘッド部6が交差するように組み付けられている。
一対の加圧シリンダヘッド部5のうち一方には外気を取り込む加圧吸込み口5aが設けられており加圧連通路5bを通じて各加圧シリンダ室に空気が供給され加圧される。また、他方には加圧シリンダ室で加圧された圧縮空気を図示しない装置側に送り出す吐出口5cが設けられている。
同様に一対の真空シリンダヘッド部6の一方には装置側より排気を吸込む真空吸込み口6aが設けられており真空連通路6bを通じて各真空シリンダ室に吸い込まれた排気が圧縮される。各真空シリンダ室で圧縮された排気は、これらより容積の大きいケース本体3内に設けられた貯留部3b(空間部;図5(B)(C)参照)へ膨張したまま一時的に貯留されることで脈動が吸収され、ケース本体3に設けられた排気通路(図示せず)を通じて外部へ排気されるようになっている。
また、ケース本体3内には、第一クランク軸7(図5(C)参照)を中心に筒状の偏心カム8(図6参照)が回転可能に組み付けられている。偏心カム8には後述するように軸受を介して加圧ピストン組9及び真空ピストン組10が交差して相対的に回転可能に収容されている。以下、具体的に説明する。
図5(C)において、第一クランク軸7は、駆動軸4aの軸心に対して偏心して連結される。本実施形態では、駆動軸4aは、第一バランスウェイト11と一体に組み付けられ、駆動軸4bは第二バランスウェイト12と一体に組み付けられる。尚、第一,第二バランスウェイト11,12は各駆動軸4a,4bと一体に形成されていてもよい。第一,第二バランスウェイト11,12は第一クランク軸7の両軸端部に各々挿入して組付けられている。
第一バランスウェイト11に連結された駆動軸4aは第一軸受13aにより第一ケース1に回転可能に軸支されており、第二バランスウェイト12に連結された駆動軸4b(図2参照)は第二軸受13bにより第二本体ケース2に回転可能に軸支されている。第一,第二バランスウェイト11,12は、駆動軸4a,4bの周りに組み付けられ、後述するように第一クランク軸7及び偏心カム8を含む駆動軸4a,4bを中心とした回転部品間の質量バランスをとるために設けられている。
また、図6(A)〜(D)に示すように、偏心カム8は、第一クランク軸7の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸14a,14bを有する。本実施形態では、交差するピストン組が2本であるため、第二仮想クランク軸14a,14bは第一クランク軸7を中心として180度位相がずれた位置に形成されている。
加圧ピストン組9及び真空ピストン組10は第二仮想クランク軸14a,14bの軸直角方向に互いに交差して偏心カム8に組み付けられている。具体的には、偏心カム8は、図6(A)〜(D)に示すように、回転中心となる第一クランク軸7が挿通する第一筒体8aと、該第一筒体8aに対して偏心した第二筒体8bが軸心方向両側に各々連続して形成されている。第一筒体8aには内側軸受15a,15bを介して第一クランク軸7が同心状に一体に嵌め込まれ、偏心カム8の回転中心となる(図6(C)参照)。また、第二筒体8bの軸心は、第一クランク軸7(第一筒体8a)の軸心に対して偏心した第二仮想クランク軸14a,14bと一致するようになっている。第二筒体8bの外周部には、軸受保持部8dが設けられている。偏心カム8は、例えばステンレススチール系の金属材が用いられ、MIM(メタルインジェクションモールド)により一体成形される。
図6(C)の仮想線に示すように、第一筒体8aの筒孔8cには、内側軸受15a,15bが複数(例えば2個ずつ)軽嵌合され、外周側の軸受保持部8dには外側軸受16a,16bが各々圧入される。内側軸受15a,15bは、第一クランク軸7を中心に偏心カム8が相対的に回転可能(自由回転可能)に支持する。また、外側軸受16a,16bは、加圧ピストン組9,真空ピストン組10が第二筒体8bに対して互いに交差(直交)して嵌め込まれたまま相対的に回転可能に組み付けられる(図2参照)。
以上の構成により、第一クランク軸7と第二仮想クランク軸14a,14bを結ぶ第二仮想クランクアームの長さを第二円筒体8bの回転半径rとなるように設定することで、第一クランク軸7を中心として偏心カム8及び加圧ピストン組9及び真空ピストン組10を軸方向及び径方向にコンパクトに組み付けることができる(図7(A)参照)。
また、図8(A)〜(F)に示す加圧ピストン組9において、加圧ピストン本体9aの長手方向両端部には、加圧ピストンヘッド部9bが起立形成されている。加圧ピストンヘッド部9bには、リング状のシールカップ9c、シールカップ押さえ部材9dが各々ボルト17より組み付けられている。同様に図9(A)〜(D)に示す真空ピストン組10おいて、真空ピストン本体10aの長手方向両端部には、真空ピストンヘッド部10bが起立形成されている。加圧ピストンヘッド部9b,真空ピストンヘッド部10bには、リング状のシールカップ10c、シールカップ押さえ部材10dが各々ボルト17より組み付けられている。シールカップ9c,10cは、オイルフリーのシール材(例えば、フッ素系樹脂材(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂材等)が用いられる。加圧ピストン本体9aや真空ピストン本体10aには金属材(アルミニウム材)が用いられ、耐食性を向上させるため表面処理(陽極酸化皮膜形成)されているのが好ましい。尚、図8に示す加圧ピストンヘッド部9bの外径は、図9に示す真空ピストンヘッド部10bの外径より小さく形成されている。このため、図8(D)(E)に示すように加圧ピストン本体9aにバランサー部9fを設けて真空ピストン本体10aとのバランス取りが施されている。
また、図5(B)において、ケース本体3(第一ケース1及び第二ケース2)の側面部(4面)に設けられた開口部には、シリンダ18が各々組み付けられている。図5(C)に示すように、真空ピストンヘッド部10b(加圧ピストンヘッド部9b)は、外周面を覆うシールカップ10c(9c)によって、シリンダ18の内壁面18aとのシール性を保ちながら摺動するようになっている。
また、図5(C)において、第一ケース1の内底部1aにはシリンダ18に近傍にボス部1bが4か所に設けられている(図5(B)参照)。ガイド軸受1cはボス部1bの軸端に夫々2個ずつ重ね合わせた状態で、当該ボス部1bの軸孔にピン1dが嵌め込まれて組み付けられる。図8(C)(D)に示すように、加圧ピストン本体9aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)9eが両側に各々穿孔されている。同様に、図9(B)(C)に示すように、真空ピストン本体10aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)10eが両側に各々穿孔されている。各ガイド軸受1cは、ガイド孔9e,10eに嵌め込まれて、第二筒体8bに組み付けられた加圧ピストン組9,真空ピストン組10の直線往復運動を加圧ピストン本体9a,真空ピストン本体10aと重なり合う位置でガイドする(図2参照)。
図8(C)(F)に示すように、ガイド軸受1cが当接しながら往復動する加圧ピストン組9の当接部(ガイド孔9e)には、当該ピストン本体(金属製)と材質の異なる緩衝材19が一体に組み付けられている。同様に図9(B)に示すように、ガイド軸受1cが当接しながら往復動する真空ピストン組10の当接部(ガイド孔10e)には、当該ピストン本体(金属製;アルミニウム材)と材質の異なる緩衝材19が一体に組み付けられている。具体的には、ガイド孔9eの対向する当接部となる孔壁面は、樹脂材(例えばフィラーが混入されていないPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂材)が組み付けられている。PPS樹脂材は、耐熱性、高温特性に優れ、高い機械的強度を有し、耐薬品性、寸法安定性に優れていることから、ガイド軸受1cが当接しながら往復動しても走行痕が残らず傷も付き難いという利点がある。特に、PPS樹脂材はピストン本体9a,10aを構成するアルミニウム材と熱膨張係数が近く成形性が良いことから、本実施例では、加圧ピストン本体9a,真空ピストン本体10aに対してアウトサート成形により一体に組み付けられる。
図4(A)〜(E)に示すように、緩衝材19は平面視でトラック形状をした筒体に形成されている。ガイド軸受1cからサイドフォースを受ける短手方向に相対する外壁面19aには、厚肉状の補強リブ19bが外側に突出して各々形成されている。また、筒体の両端部には、端面が幅広に形成されたフランジ部19cが補強リブ19bの長手方向両端で挟み込むように形成されている。筒体の両端部にフランジ部19cが形成されているので、ガイド孔9e,10eから緩衝材19が脱落するのを防ぐことができる。また、フランジ部19cの対向面には、半球状凸部19dが複数形成されている。この半球状凸部19dにより、緩衝材19の対向面19aにサイドフォースを受けても面倒れするのを防いでいる。
また、図3に示すように、真空ピストン組10(加圧ピストン組9も同様)に緩衝材19が組み付けられるガイド孔10e(9eも同様)の対向壁面10fには、上記補強リブ19bに対応するリブ凹部10g、フランジ部19cに対応するフランジ凹部10h、突部19dに対応する半球状凹部10iが形成されている。真空ピストン本体10aに形成されたガイド孔10eの凹部に樹脂材(PPS樹脂材)をアウトサート成形することで、緩衝材19が一体に組み付けられる。
図2及び図5(B)に示すように、ガイド孔9e,10eにはガイド軸受1cが挿入されて、緩衝材19と当接する。そして駆動軸4a,4bの回転に伴う第一クランク軸7の回転により、偏心カム8に組み付けられた加圧ピストン組9,真空ピストン組10が直線往復運動をするのを緩衝材19によりガイドする。
図5(C)において、ロータリ式シリンダ装置の組立構成の一例を示す。
偏心カム8の第一筒体8aの筒孔8cに内側軸受15a,15bを組み付ける(図6参照)。また、内側軸受15a,15bの中心孔に第一クランク軸7を嵌め込む。また、加圧,真空ピストン本体9a,10aの加圧,真空ピストンヘッド部9b,10bに、シールカップ9c,10c及びシールカップ押さえ部材9d,10dをボルト17にて一体に組み付ける。更に、加圧,真空ピストン組9,10を外側軸受16a,16bが嵌まり込むように組み付ける。そして、上記加圧,真空ピストン組9,10を第二筒体8bに外側軸受16a,16bを介して交差するように嵌め込む。
また、第一クランク軸7の両端部に第一,第二バランスウェイト11,12を嵌め込む。第一,第二バランスウェイト11,12に両側から駆動軸4a,4bを各々嵌め込んで、ピン11a,11bをピン孔に嵌め込み、ボルト12a,12bをねじ嵌合させて一体に組み付ける。また、第一ケース1に第一軸受13a、第二ケース2に第二軸受13bを各々嵌め込む。また第一ケース1の内底部1aに突設されたボス部1bに軸受1cを組み付ける。そして、第一軸受13aに駆動軸4aを嵌め込み、第二軸受13bに駆動軸4bを嵌め込むようにして、第一ケース1と第二ケース2をボルト3aにて締め付けて組み合わせる。これにより、偏心カム8とこれに交差して組み付けられた加圧,真空ピストン組9,10がケース本体3内に収容される(図2参照)。最後に、ケース本体3の側面(4面)に形成される開口部23(図5(C)参照)にシリンダ18を嵌め込んで、加圧シリンダヘッド部5,真空シリンダヘッド部6が各シリンダ18の開口部18aを閉塞するようにボルト25により組み付けられて、ロータリ式シリンダ装置が組み立てられる(図1参照)。
図5(A)において、加圧ピストン組9の軸心と真空ピストン組10の軸心は、駆動軸4a,4bの軸方向で僅かにずれた状態で偏心カム8に組み付けられている。しかしながら、加圧ピストン本体9aと外側軸受16aの軸心、真空ピストン本体10aと外側軸受16bの軸心は一致して組み付けられているため(図6(B)参照)、偏心カム8が第一クランク軸7を中心として回転しても当該回転による振動を抑えることができる。
上述のように組み立てられたロータリ式シリンダ装置は、加圧,真空ピストン組9,10の第二仮想クランク軸14a,14bを中心とした第一の回転バランス、偏心カム8及び加圧,真空ピストン組9,10の第一クランク軸7を中心とする第二の回転バランス及び第一クランク軸7、偏心カム8及び加圧,真空ピストン組9,10の駆動軸4a,4bを中心とする第3の回転バランスが第一,第二バランスウェイト11,12のみによりバランス取りされて組み立てられている。
ここで、シャフト4を中心とする第一クランク軸5、第二仮想クランク軸14a,14bの回転運動と複数のピストン組の直線往復運動(内サイクロイド運動)の原理について図7(A)〜(D)を参照して説明する。図7(A)〜(D)は、駆動軸4a,4bの回転にしたがって第一クランク軸5が中心O(駆動軸4a,4b)の周りを反時計回り方向に90°回転した状態を模式的に示したものである。駆動軸4a,4bの回転により第一クランク軸7が中心O(駆動軸4a,4b)の周りを回転すると、第二仮想クランク軸14aは仮想円20の転がり軌跡である転がり円21の直径R1上を往復移動し、第二仮想クランク軸14bは転がり円21の直径R2上を往復移動する。
即ち、駆動軸4a,4bの軸心(中心O)を中心とした半径rの反時計回り方向の回転軌道22に沿った第一クランク軸5及び偏心カム8(図6参照)の回転運動に伴い、第二仮想クランク軸14a,14bを軸心に有する偏芯カム8と連繋するピストン組のうち、加圧ピストン組9が外側軸受16a(図6参照)を介して相対的に回転しながら半径2rの転がり円21(駆動軸4a,4bの軸心Oを中心とする同心円)の直径R1上で往復動を繰り返し、真空ピストン組10が外側軸受16b(図6参照)を介して相対的に回転しながら半径2rの転がり円21(駆動軸4a,4bの軸心Oを中心とする同心円)の直径R2上で往復運動を繰り返すことになる。実際の装置では、偏心カム8は転がり回転せずに第一クランク軸7を中心に内側軸受15a,15bを介して相対回転し、加圧ピストン組9及び真空ピストン組10は直交配置されたシリンダ18内を往復運動する。
上記構成によれば、加圧,真空ピストン組9,10の加圧,真空ピストンヘッド部9b,10bがシリンダ摺動面から受ける反力を少ないガイド軸受1c(本実施例では4か所)で受け止めて加圧,真空ピストンヘッド部9b,10bとシリンダ18との摺動抵抗を軽減することができる。このとき、金属製ピストン本体9a,10aの当接部に当該ピストン本体9a,10aと材質の異なる緩衝材19が用いられるので、ガイド軸受1cが緩衝材19に当接しながら加圧,真空ピストン組9,10が往復動しても当接面である緩衝材19に走行痕が発生することはなく、かかる走行痕が経時的に侵食されて加圧,真空ピストン組9,10にガタつきが生じて振動や騒音が発生することも防げる。よって、ポンプ性能が安定し耐久性の向上を図ることができる。また、駆動軸4a,4bを中心とした回転による振動を低減することで機械的な損失が少なくエネルギー変換効率を高めることができ、しかもダンパー等の防振構造を簡略化することができる。また、構成部品の加工誤差等によって加圧,真空ピストンヘッド部9b,10bとシリンダ18の内壁面18aとの間に発生する微小なガタは、各ピストンヘッド部9b,10bとシリンダ18の内壁面18aとの間に挿入されるシールカップ9c,10c(ピストンヘッド部9b、10bの外周を覆う起立部)によって振動が吸収されるため、騒音が発生することはない。
尚、ガイド軸受1cは転がり軸受、滑り軸受、メタル軸受など様々な軸受を使用することができる。また、ガイド軸受1cは第一ケース1に設けられているが、第二体ケース2に設けられていてもよく、第一,第二体ケース1,2の双方に各々設けられていてもよい。
また、緩衝材19の形態は、図4の形態に限定される必要はなく、補強リブ19b、フランジ部19c、凸部19dの数は増減してもよい。
次に、緩衝材19の他例について図10乃至図12を参照して説明する。上述した緩衝材19は各ピストン本体9a,10aに対して一体成形されていたが、接着或いは圧入などの他の方法により一体に組み付けられていてもよい。
図10(A)〜(C)は加圧ピストン本体9aの説明図であり、図11(A)〜(C)は真空ピストン本体10aの説明図である。加圧ピストン本体9aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)9eが両側に各々穿孔されている。同様に、真空ピストン本体10aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)10eが両側に各々穿孔されている。各ガイド孔9e,10eには、緩衝材24が嵌め込まれて接着固定されている。尚、図10(A)〜(C)に示す加圧ピストンヘッド部9bの外径は、図11(A)〜(C)に示す真空ピストンヘッド部10bの外径より小さく形成されている。このため、図10(A)(C)に示す加圧ピストン本体9aにバランサー部9fを設けて真空ピストン本体10aとのバランス取りが施されている。
図12(A)(B)に示すように、緩衝材24は、ガイド孔9e,10eに嵌め込まれる筒体部24aと抜け止め用のフランジ部24bが予め一体成形された樹脂材(フィラーが混入されていないPPS樹脂材)が用いられる。尚、筒体部24aに補強リブ、フランジ部24bに凸部等を設けてもよい。また、加圧,真空ピストン本体9a,10aのガイド孔9e,10eの開口部には、フランジ部24bを嵌め合わせる段付き部9g,10jが形成されている。緩衝材24は、筒体部24a及びフランジ部24bの表面に接着剤が塗布され、筒体部24aをガイド孔9e,10eに挿入し、フランジ部24bを段付き部9g,10jに嵌め合わせて接着固定される。
ガイド軸受1cは、加圧,真空ピストン本体9a,10aのガイド孔9e,10eに各々嵌め込まれて、緩衝材24と当接するように組み付けられる。この状態で加圧,真空ピストン組9,10が往復動しても当接面である緩衝材24に走行痕が発生することはなく、かかる走行痕が経時的に侵食されて加圧,真空ピストン組9,10にガタつきが生じて振動や騒音が発生することも防げる点は同様である。
尚、ガイド軸受1cは転がり軸受、滑り軸受、メタル軸受など様々な軸受を使用することができる。また、ガイド軸受1cは第一ケース1に設けられているが、第二体ケース2に設けられていてもよく、第一,第二体ケース1,2の双方に各々設けられていてもよい。
また、緩衝材19,24の形態は、図4、図12の形態に限定される必要はなく、補強リブ19b、フランジ部19c、凸部19dの数は増減或いは一部を省略してもよい。
また、緩衝材19,24は、接着の他にガイド孔9e,10eに圧入されていてもよい。
更には、ロータリ式シリンダ装置は気体(空気等)を吸込み送り出すポンプに限らず、他の流体(液体等)のポンプとして用いてもよい。シリンダやピストン組の数も2組に限らず更に増やすことも可能である。
1 第一ケース 1a 内底部 1b ボス部 1c ガイド軸受 1d ピン 2 第二ケース 3 ケース本体 3a,17,25 ボルト 3b 貯留部 4a,4b 駆動軸 5 加圧シリンダヘッド部 5a 加圧吸込み口 5b 加圧連通路 5c 吐出口 6 真空シリンダヘッド部 6a 真空吸込み口 6b 真空連通路 7 第一クランク軸 8 偏心カム 8a 第一筒体 8b 第二筒体 8c 筒孔 8d 軸受保持部 9 加圧ピストン組 9a 加圧ピストン本体 9b 加圧ピストンヘッド部 9c,10c シールカップ 9d,10d シールカップ押さえ部材 9e,10e ガイド孔 9f バランサー部 9g,10j 段付き部10 真空ピストン組 10a 真空ピストン本体 10b 真空ピストンヘッド部 10f 対向壁面 10g リブ凹部 10h フランジ凹部 10i 半球状凹部 11 第一バランスウェイト 12 第二バランスウェイト 13a 第一軸受 13b 第二軸受 14a,14b 第二仮想クランク軸 15a,15b 内側軸受 16a,16b 外側軸受 18 シリンダ 18a 内壁面 19,24 緩衝材 19a 外壁面 19b 補強リブ 19c,24b フランジ部 19d 半球状凸部 20 仮想円 21 転がり円 22 回転軌道 23 開口部 24a 筒体部

Claims (3)

  1. 交差配置されたシリンダ内を往復運動するピストンとシャフトの回転運動を相互に変換可能なロータリ式シリンダ装置であって、
    前記シャフトの軸心に対して偏心して組み付けられ、当該シャフトを中心に半径rの第一仮想クランクアームを介して回転可能に組み付けられた第一クランク軸と、
    前記第一クランク軸に同心状に嵌め込まれた第一筒体と該第一筒体の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸を軸心とする第二筒体が連続して形成された偏心カムと、
    前記第二筒体に互いに交差したまま組み付けられ、前記第一クランク軸を中心に半径rの第二仮想クランクアームを介して相対的に回転可能に嵌め込まれた複数のピストン組と、
    前記第一クランク軸の両端部に各々組み付けられ、前記シャフトを中心とする回転部品間の回転バランスをとる第一,第二バランスウェイトと、
    前記シャフトを回転可能に軸支し、当該シャフトを中心に回転する前記第一クランク軸及び前記第一,第二バランスウェイト、並びに前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムを回転可能に収容するケース本体と、
    前記ケース本体に設けられ、前記第一クランク軸に組み付けられた前記偏心カムが回転することで、前記第二筒体に交差して組み付けられた前記複数のピストン組が相対的に回転しながら内サイクロイドの軌跡に沿って行われる直線往復運動をガイドするガイド軸受と、を具備し、
    前記ガイド軸受が当接しながら往復動する前記金属製ピストン組の当接部には、当該ピストン本体と材質の異なる緩衝材が一体に組み付けられていることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  2. 前記各ピストン組のピストン本体にはその長手方向に沿ってガイド孔が各々穿設されており、前記ガイド軸受は各ガイド孔の対向する孔壁面を覆う前記緩衝材に当接して各ピストン組の直線往復運動をガイドする請求項1記載のロータリ式シリンダ装置。
  3. 前記緩衝材は樹脂材であり、前記各ピストン本体に対して、圧入、接着、一体成形のいずれかにより一体に組み付けられている請求項1又は2記載のロータリシリンダ装置。
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