JP2008101508A - 往復動圧縮機 - Google Patents

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Keita Kondo
啓太 近藤
Satoru Ueda
哲 上田
Yuki Mishina
由紀 三品
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Abstract

【課題】駆動軸の回転運動を偏心軸の旋回運動を通じてピストンの往復直線運動に変換するに際して、ピストンに対する不要な横荷重を抑制することのできる往復動圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダ25と、シリンダ25内にシール部材33を介在させて上下方向に摺動可能に収容されたピストン30と、ピストン30と一体に構成され、シリンダ25の軸線と軸心が直交する円孔31aを有する駆動連結部31と、円孔31a内に設けられた駆動軸34と、駆動軸34と一体に構成され、円孔31a内に設けられた円柱形状の偏心軸35と、円孔31aの内周面と偏心軸35の外周面との間に内挿され、駆動連結部31を支承する摺動部材37とを備える。摺動部材37は、駆動軸34の回転駆動に基づいた偏心軸35の旋回運動に伴う左右方向にかかる荷重を受けた場合に、駆動連結部31及び偏心軸35と各々相対回転するように摺動するように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、不要な横荷重を抑制することのできる往復動圧縮機に関する。
従来、例えば酸素濃縮装置におけるコンプレッサとして用いられる往復動圧縮機においては、モータの回転を駆動軸に伝え、駆動軸に偏心した状態で設けられた偏心軸の旋回運動をピストンの往復直線運動に変換することで、シリンダ端部に設けられた圧力室内において空気の圧縮を行っていた(例えば、特許文献1)。
特開平7−208368号公報
ところが、こうした往復動圧縮機にあっては、ピストンを揺動させながら往復動させていたため、該ピストンに対して不要な横荷重が生じていた。そのため、こうした横荷重、すなわちピストンの揺動に伴ってシリンダの軸線方向と直交する方向にかかる力によって圧力室内の空気が漏れないようにピストン端部とシリンダ内周面との摺動部分に設けられたシール部材の摩耗を早めてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動軸の回転運動を偏心軸の旋回運動を通じてピストンの往復直線運動に変換するに際して、ピストンに対する不要な横荷重を抑制することのできる往復動圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダと、該シリンダ内にシール部材を介在させた状態で前記シリンダの軸線方向に沿って摺動可能に収容されたピストンと、該ピストンと一体に構成され、前記シリンダの軸線と軸心が直交する円孔を有する駆動連結部と、該駆動連結部の前記円孔内に該円孔の軸心と軸心が平行となるように設けられた駆動軸と、該駆動軸と一体に構成され、前記円孔内に前記駆動軸の軸心に対して軸心が偏心するように設けられた円柱形状の偏心軸と、前記円孔の内周面と前記偏心軸の外周面との間に内挿され、前記円孔の軸心が前記駆動軸の軸心に対して前記偏心軸の軸心よりも大きく偏心した状態となるように前記駆動連結部を支承する摺動部材とを備え、該摺動部材は、前記駆動軸の回転駆動に基づいた前記偏心軸の旋回運動に伴う前記シリンダの軸線方向と直交する方向にかかる荷重を受けた場合に、前記駆動連結部及び前記偏心軸と各々相対回転するように摺動することを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、偏心軸の旋回運動に伴って、摺動部材はシリンダの軸線方向へ移動しながら、揺動運動するように回転する。すなわち、旋回運動する偏心軸から該偏心軸の軸心が移動する方向への力が摺動部材に加わると、摺動部材は偏心軸及び駆動連結部に対して摺動可能であるため、偏心軸及び駆動連結部に対して相対回転しながら、その力をピストンと一体に構成された駆動連結部に伝達する。そして、その際において、偏心軸の軸心のシリンダの軸線方向と直交する方向への移動に伴う力は、摺動部材の相対回転に変換される。したがって、偏心軸の旋回運動に伴い生じるシリンダの軸線方向への荷重は摺動部材及び駆動連結部を介してピストンに伝えられて空気を圧縮する仕事をし、シリンダの軸線方向と直交する方向への荷重は摺動部材の回転運動に変換されるので、ピストンに不要な横荷重が及ぶことを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の往復動圧縮機において、前記摺動部材は、外周面が円筒面形状をなすととともに、前記偏心軸を内挿可能な円形の摺動孔を有することを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、例えば摺動部材を外周面が円孔に内接する円柱形状とし、これに偏心軸の外周面と外接する摺動孔を設けることで、簡易な構成で駆動連結部を支承することができる。また、偏心軸と摺動部材、また摺動部材と円孔の各摺接面が偏りなく接することが可能となるため、摺動性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の往復動圧縮機において、前記駆動連結部における前記円孔の内周面と前記摺動部材の外周面との間及び前記摺動部材における前記摺動孔の内周面と前記偏心軸の外周面との間にベアリングをそれぞれ介装することにより、前記摺動部材は各ベアリングを介して前記円孔の内周面及び前記偏心軸の外周面に対して摺動可能となっていることを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、摺動部材がベアリングを介して円孔及び偏心軸に対して摺動可能となっているため、摺接面における各部材のすり減りを抑制することにより、装置全体の耐久性を向上させることができる。また、摺接面潤滑のために油を用いる必要がないため、オイルフリー(無給油式)の往復動圧縮機においても、偏心軸の旋回運動に伴う横荷重を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の往復動圧縮機において、前記駆動連結部を前記シリンダの軸線方向に沿って摺動案内可能なガイド部材が設けられていることを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、ガイド部材によってピストンのシリンダの軸線方向と直交する方向への移動が抑制される。また、摺接面の摩擦抵抗等によって生じる横荷重をガイド部材でも受けることができるので、シール部材に加わる横荷重を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の往復動圧縮機において、前記ガイド部材は弾性部材を介して前記シリンダの軸線方向と直交する方向への変位自在に支持されていることを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、弾性部材が弾性伸縮することにより、ガイド部材の駆動連結部に対する摺動面が摩耗した場合においても、ガイド部材が変位して駆動連結部を摺動案内することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の往復動圧縮機において、前記シリンダの軸線方向において前記駆動連結部を挟んだ両側にそれぞれピストンが配設されていることを要旨とする。
このように構成される往復動圧縮機では、駆動連結部を挟んだ両側に設けられたピストンがそれぞれ対応するシリンダによって支持されるため、ピストンのシリンダの軸線方向と直交する方向への移動を抑制することができる。
以下、本発明を酸素濃縮装置に備えられる往復動圧縮機(以下、「圧縮機」と略称する。)に具体化した一実施形態を図に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、各図に矢印で示す前後、左右、上下の各方向を示すものとする。
図1に示すように、本実施形態の酸素濃縮装置11は、大気中の空気を吸入して圧縮する圧縮機12を備えている。圧縮機12で圧縮された空気は並列に設けられた入口弁13,14を介して吸着筒15及び吸着筒16にそれぞれ送られる。吸着筒15,16の内部には空気中から窒素を選択的に吸着する吸着剤が充填されているため、圧縮空気が吸着筒15,16内を流動することにより、圧縮空気中の窒素の大部分が除去された酸素濃縮ガスが生成されるようになっている。また、吸着筒15,16には、内部の気体を外部に放出するための排気弁17,18がそれぞれ設けられている。
吸着筒15,16において生成された酸素濃縮ガスは、パージ弁19及びチェック弁20a,20bを介して酸素タンク21に送られて貯留された後、図示しないガス取出手段によって製品ガス(酸素)として取出される。
次に、圧縮機12の詳細な構成について説明する。
図2(a)に示すように、圧縮機12は、前後両面及び上下両面にそれぞれ所定の開口22a,22b,22c,22dが開口形成されたケーシング22を備えている。ケーシング22の前面側(図2(a)において右側)の開口22aには蓋23が取り付けられるとともに、後面側(図2(a)において左側)の開口22bは駆動源としてのモータ24がケーシング22に一体固定されることにより塞がれている。ケーシング22の上側開口22c及び下側開口22dは、それぞれ同じ大きさの円形状をなし、上下方向において同軸上に位置するように形成されている。これら上下2つの各開口22c,22dには、同一内径のシリンダ25が一つずつ、お互いに上下逆向きに嵌合固定されている。
各シリンダ25の外端側開口には円盤形状の弁座板26がそれぞれ固着されている。各弁座板26には、図2(b)に示すように、空気吸入用の吸入孔26a及び空気吐出用の吐出孔26bがそれぞれ設けられている。また、弁座板26の内面側には吸入孔26aを常には閉塞する弾性変形可能な吸入弁27が設けられるとともに、弁座板26の外面側には吐出孔26bを常には閉塞する弾性変形可能な吐出弁28が設けられている。
また、各弁座板26の外面側には流路形成部材29がそれぞれ固着されており、各流路形成部材29には吸入孔26aと連通する吸入路29a及び吐出弁28を介して吐出孔26bと連通する吐出路29bがそれぞれ形成されている。なお、各吐出路29bは図示しない送気路及び入口弁13,14を介して吸着筒15,16に圧縮空気を送るようになっている。
シリンダ25の内部には、ピストン30がシリンダ25の軸線方向(上下方向)に沿って摺動可能に収容されている。ピストン30は円筒形状の駆動連結部31と一体に構成されており、シリンダ25の軸線方向において駆動連結部31を挟んだ両側にそれぞれピストン30が配設されている。すなわち、各ピストン30は、その一端側(内端側)が駆動連結部31と接続されるとともに、その他端側にはシリンダ25の内径と対応した略円盤形状のピストンヘッド30aが設けられている。また、駆動連結部31はシリンダ25の軸線と軸心が直交する円孔31aを有している。
各ピストンヘッド30aの弁座板26と対向する面には押圧板32がそれぞれ設けられており、各ピストンヘッド30aと押圧板32との間にはシール部材33が挟装されている。シール部材33はシリンダ25内において、ピストンヘッド30aより内側と押圧板32の外側とで空気が出入りしないようにシリンダ25の内周部をシールしているため、ピストン30はシール部材33を介在させた状態でシリンダ25の軸線方向に沿って摺動するようになっている。
なお、押圧板32、シール部材33、シリンダ25及び弁座板26で囲まれた空間は圧力室Rとなり、ピストン30の上下方向への往復直線運動により、上下の圧力室Rの内容積が交互に増減することで、空気の圧縮・吸入が同時に行われるようになっている。また、各圧力室Rは、吸入弁27及び吸入孔26aを介して吸入路29aと連通するとともに、吐出孔26b及び吐出弁28を介して吐出路29bと連通している。
ケーシング22内にはモータ24の駆動に伴い回転する棒状の駆動軸34が後側の開口22bを介して挿入されており、その駆動軸34の先端は円孔31aの軸心と軸心が平行となるように駆動連結部31の円孔31a内まで延設されている。なお、駆動軸34は、ケーシング22の上下方向及び左右方向の中心位置にその軸心C1が通るように配置されている。
駆動軸34の外周部には、円柱形状の偏心軸35が周設されている。偏心軸35は駆動軸34と略同径の円孔35aを有し、この円孔35a内に駆動軸34が摺動不能に内挿される態様で駆動軸34と一体に構成されている。なお、この偏心軸35自体の軸心C2は駆動軸34の軸心C1に対して偏心された状態となっている。
偏心軸35の外周部には円筒形状の針状ころ軸受であるベアリング36が周設されており、このベアリング36によって偏心軸35が回動可能に支持されている。
また、ベアリング36の外周部には、外周面が円筒面形状の摺動部材37が周設されている。なお、この摺動部材37自体の軸心C3は、駆動連結部31における円孔31aの軸心と一致している。また、摺動部材37はベアリング36と略同径の摺動孔37aを有し、この摺動孔37a内にベアリング36が内挿される態様となっている。なお、摺動孔37aの軸心は偏心軸35の軸心C2と一致している。そして、円孔31aの軸心でもある摺動部材37の軸心C3が駆動軸34の軸心C1に対して偏心軸35の軸心C2よりも大きく偏心した状態で、駆動連結部31は摺動部材37及びベアリング38によって支承されている。
摺動部材37の外周面と駆動連結部31における円孔31aの内周面との間には、円筒形状の針状ころ軸受であるベアリング38が介装されている。摺動部材37はベアリング36を介して偏心軸35の外周面に対して摺動可能となっているとともに、ベアリング38を介して円孔31aの内周面に対して摺動可能となっている。
ケーシング22内には、駆動連結部31の外周面をシリンダ25の軸線方向に沿って摺動案内可能なガイド部材39が設けられている。ガイド部材39とケーシング22の内壁との間には弾性部材としてのばね40が設けられており、ガイド部材39は駆動連結部31との間に隙間が生じないように、ばね40を介してシリンダ25の軸線方向と直交する方向への変位自在に支持されている。また、ガイド部材39の駆動連結部31と接する摺動面39aは摺動性に優れたフッ素樹脂等の素材によって構成されている。
次に、以上のように構成された圧縮機12の作用について、図3に従って説明する。
モータ24の駆動開始前には、(A)に示すように、回転角度0°の初期位置において、ピストン30はシリンダ25内において上方のみに可動域を有している。そして、その初期位置の状態において、駆動軸34の軸心C1、偏心軸35の軸心C2及び摺動部材37の軸心C3はそれぞれシリンダ25の軸線と直交する位置にあって、偏心軸35の軸心C2及び摺動部材37の軸心C3は駆動軸34の軸心C1の鉛直下方に位置している。
ここで、シリンダ25及びケーシング22の内側の空間を、シリンダ25の軸線と駆動軸34の軸心C1とを含む垂直面Vと駆動軸34の軸心C1を含む水平面Hとで複数(すなわち、4つ)の空間に区切ったとする。そして、垂直面Vよりも左側で水平面Hよりも下側の空間を空間P1、垂直面Vよりも左側で水平面Hよりも上側の空間を空間P2、垂直面Vよりも右側で水平面Hよりも上側の空間を空間P3、垂直面Vよりも右側で水平面Hよりも下側の空間を空間P4とする。また、偏心軸35の軸心C2及び摺動部材37の軸心C3を含む平面を揺動面Sとする。なお、初期位置において、揺動面Sは垂直面V上にある。
さて、モータ24が駆動開始され、駆動軸34が軸心C1を回転中心として時計回りに45°回動されると、(B)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに45°旋回して空間P1内に位置する。このとき、偏心軸35の軸心C2は初期位置よりも上方向に移動するとともに、左方向にも移動している。この偏心軸35の上方向への移動に伴って、摺動部材37及びピストン30も上方向に移動する。
ピストン30が上方向に移動すると、上側の圧力室Rの内容積が縮小されるので、上側圧力室R内の空気が圧縮される。そして、吐出弁28を開弁させる力(=圧力室R内の圧力×吐出孔26bの開口面積)が吐出弁28を閉弁させる力(=吐出路29b内の圧力×吐出弁28の面積)を上回ると、上側の吐出弁28が開弁状態となって、吐出孔26bを通じて圧縮された空気が吐出路29bへと吐出される。同時に、下側圧力室Rの内容積が拡張されるので、下側圧力室R内が減圧状態となって吸入弁27を開弁させる力が吸入弁27を閉弁させる力を上回ると、下側の吸入弁27が開弁状態となって吸入孔26aを通じて空気が下側圧力室R内に吸入される。すなわち、ピストン30が上方向に移動するとき、上側圧力室Rは空気の圧縮工程となり、下側圧力室Rは空気の吸入工程となる。
一方、偏心軸35の左方向への移動に伴って、摺動部材37は反時計回りに回転する。すなわち、シリンダ25の上下方向へはピストン30の可動域としての圧力室Rが設けられているが、左右方向には可動域が設けられていないために、偏心軸35の旋回による左方向への力が摺動部材37及びピストン30(及び駆動連結部31)に加わると、摺動部材37及び偏心軸35に対してはピストン30側から反作用としての力が加わる。このとき、偏心軸35は駆動軸34に対して固定されており、またピストン30はシール部材33及びガイド部材39を介してケーシング22に対して支持されているために、左右方向への移動が抑制されている。これに対して、摺動部材37はベアリング36,38を介して偏心軸35の外周面及び円孔31aの内周面に対して摺動可能となっているため、摺動部材37の軸心C3を中心として偏心軸35及び駆動連結部31に対して揺動面Sが揺動するように相対回転する。揺動面Sの垂直面Vに対する傾きがこのときの摺動部材37の回転角度であり、摺動部材37の摺動孔37aが偏心軸35の左方向への移動に追従するように摺動部材37が回転することにより、偏心軸35の左方向への移動が円孔31a内で許容される。
なお、摺動部材37が回転する際、摺動部材37には摺動摩擦抵抗によって左右方向への荷重が生じるが、この横荷重の一部はガイド部材39を介してケーシング22の内壁に伝わる。
次に、駆動軸34がさらに90°まで回動されると、(C)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに90°旋回して垂直面Vよりも左側の水平面H上に位置する。このとき、偏心軸35は一連の旋回運動における最も左寄りの位置にあり、揺動面Sの垂直面Vに対する傾きは最も大きくなっている。この位置からさらに駆動軸34が時計回りに回動されると、摺動部材37の回転方向は反転され、時計回りに回転を始める。つまり、摺動部材37は揺動面Sの揺動方向が反対になる。
次に、駆動軸34がさらに135°まで回動されると、(D)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに135°旋回して空間P2内に位置する。また、揺動面Sは(B)の位置に戻っている。このときも、上側圧力室Rは空気の圧縮工程にあり、下側圧力室Rは空気の吸入工程にある。
次に、駆動軸34がさらに180°まで回動されると、(E)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに180°旋回して水平面Hよりも上側の垂直面V上に位置する。また、揺動面Sは垂直面V上に戻っている。このとき、偏心軸35の軸心C2及び摺動部材37の軸心C3は最も上寄りの位置にあり、上側のピストン30は上下方向への往復直線運動における上死点にある。すなわち、この位置からさらに駆動軸34が時計回りに回動されると、上側の圧力室Rは空気の圧縮工程から吸入工程へ移行するとともに、下側圧力室Rは吸入工程から圧縮工程へ移行する。
次に、駆動軸34がさらに225°まで回動されると、(F)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに225°旋回して空間P3内に位置する。このとき、上側圧力室Rは空気の吸入工程にあり、下側圧力室Rは空気の圧縮工程にある。そして、偏心軸35の右方向への移動に伴って摺動部材37は軸心C3を中心として時計回りに回転し、偏心軸35の右方向への移動が円孔31a内で許容される。
次に、駆動軸34がさらに270°まで回動されると、(G)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに270°旋回して垂直面Vよりも右側の水平面H上に位置する。このとき、偏心軸35は一連の旋回運動における最も右寄りの位置にあり、揺動面Sの垂直面Vに対する傾きは最も大きくなっている。この位置からさらに駆動軸34が時計回りに回動されると、摺動部材37の回転方向は反転され、反時計回りに回転を始める。
次に、駆動軸34がさらに315°まで回動されると、(H)に示すように、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに315°旋回して空間P4内に位置する。また、揺動面Sは(F)の位置に戻っている。このときも、上側圧力室Rは空気の吸入工程にあり、下側圧力室Rは空気の圧縮工程にある。
この状態からさらに駆動軸34が時計回りに回動されて回動角度が360°になると、偏心軸35の軸心C2は駆動軸34の軸心C1を中心として時計回りに360°旋回して水平面Hよりも下側の垂直面V上に位置し、(A)に示す初期位置に戻る。このとき、偏心軸35の軸心C2及び摺動部材37の軸心C3は最も下寄りの位置にあり、上側のピストン30は上下方向への往復直線運動における下死点にある。そして、この位置からさらに駆動軸34が時計回りに回動されると、上側の圧力室Rは空気の吸入工程から圧縮工程へ移行するとともに、下側圧力室Rは圧縮工程から吸入工程へ移行し、再び(A)〜(H)のサイクルを繰り返すことで、空気の圧縮を連続的に行う。
以上のように、駆動軸34の回動角度と偏心軸35の旋回角度とは等しく、偏心軸35の軸心C2が初期位置から空間P1→空間P2→空間P3→空間P4→空間P1とシリンダ25及びケーシング22の内側の空間を移動して360°旋回している。これに対して、摺動部材37は垂直面V上を上下方向に移動しながら、偏心軸35の旋回角度が90°,270°のときに最大角度となる所定角度範囲内において摺動孔37a(揺動面S)が揺動するように回転している。
ここで、駆動軸34の軸心C1とシリンダ25の軸線とが交わる点を原点(0,0)とし、原点から左方向を+x方向、原点から下方向を+y方向、また駆動軸34の回動角度でもある偏心軸35の旋回角度をθ、軸心間距離C1−C2をαとすると、偏心軸35の軸心C2の移動軌跡は、x=αsinθ、y=αcosθで示される。
また、軸心間距離C2−C3をβとすると、βは偏心軸35の旋回角度に関わらず常に一定の値となり、摺動部材37の軸心C3の移動軌跡は、x=0、y=αcosθ+{β−(αsinθ)0.5で示される。なお、ピストン30の移動軌跡も摺動部材37の軸心C3と同じ移動軌跡となる。
そして、摺動部材37の回転角度をφとすると、図4(a)に示すように、αsinθ=βsinφであるので、φ=arcsin(αsinθ/β)となる。そのため、偏心軸35が軸心C1を中心として360°旋回するのに伴って、摺動部材37は軸心C3を中心として−arcsin(α/β)≦φ≦arcsin(α/β)の角度範囲において揺動することになる。
したがって、例えばα=1.5mm、β=3.0mmとしたときの偏心軸35の軸心C2の移動軌跡(同図における実線)及び摺動部材37の軸心C3の移動軌跡(同図における点線)は図4(b)で示される。また、偏心軸35の旋回角度に対する摺動部材37の軸心C3のy方向変位量は図4(c)で示されるとともに、偏心軸35の旋回角度に対する摺動部材37の回転角度φは図4(d)で示され、摺動部材37は軸心C3を中心として−30°≦φ≦30°の角度範囲において揺動することになる。
以上説明した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)偏心軸35の旋回に伴う上下方向への荷重はピストン30に伝えられて空気を圧縮する仕事をし、左右方向への荷重は摺動部材37の回転運動に変換されるので、不要な横荷重を抑制することができる。
(2)摺動部材37を円柱形状とすることで、簡易な構成で円孔31aの軸心が駆動軸34の軸心C1に対して偏心軸35の軸心C2よりも大きく偏心した状態で、駆動連結部31を支承することができる。また、偏心軸35と摺動部材37、また摺動部材37と円孔31aの各摺接面がベアリング36,38を介して偏りなく接することが可能となるため、摺動性を向上させることができる。
(3)摺動部材37がベアリング36,38を介して円孔31aの内周面及び偏心軸35の外周面に対して摺動可能となっているため、摺接面における各部材のすり減りを抑制することにより、装置全体の耐久性を向上させることができる。また、摺接面潤滑のために油を用いる必要がないため、オイルフリー(無給油式)の往復動圧縮機においても、偏心軸の回動に伴う横荷重を抑制することができる。
(4)ガイド部材39によってピストン30の左右方向への移動を抑制することができるとともに、摺接面の摩擦抵抗によって生じる横荷重を受けることができる。したがって、偏心軸35の旋回に伴う横荷重を、ガイド部材39を通じてケーシング22の内壁に伝えることで、シール部材33に加わる横荷重を抑制することができる。
(5)ばね40が弾性伸縮することにより、ガイド部材39の駆動連結部31に対する摺動面39aが摩耗した場合においても、ガイド部材39が変位して駆動連結部31を摺動案内することができる。
(6)駆動連結部31を挟んだ両側に設けられたピストン30がそれぞれ対応するシリンダ25によって支持されるため、ピストン30の左右方向への移動を抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、ピストン30は駆動連結部31を挟んだ両側に配設されているが、片側だけに設けるようにしてもよい。この場合においても、ガイド部材39によって駆動連結部31がケーシング22に対して支持されているので、ピストン30の左右方向への移動を抑制することができる。
・上記実施形態において、ガイド部材39を設けない構成としてもよい。この場合においても、ピストン30はシール部材33を介してそれぞれ対応するシリンダ25によって支持されているので、左右方向への移動を抑制することができる。なお、ピストン30が片側だけしかなく、かつガイド部材39が設けられていない場合には、ピストン30は左右方向に支持されていないために、偏心軸35の旋回運動に伴う左右方向の力を受けて揺動するが、力の一部は摺動部材37の回転運動に変換されるので、シール部材33にかかる横荷重は抑制される。
・上記実施形態において、ガイド部材39が弾性部材としてのばね40を備えない構成としてもよい。
・上記実施形態において、ベアリング36,38は針状ころ軸受でなくてもよく、例えば玉軸受等を用いてもよい。
・上記実施形態において、ベアリング36,38を設けない構成としてもよい。この場合には、装置の小型化を図ることができる。なお、ベアリング36,38を設けない場合には、偏心軸35、摺動部材37及び円孔31aの摺動面を摺動性に優れた素材によって構成することが好ましい。
・上記実施形態において、摺動部材37の外周面は円筒面形状でなくてもよい。例えば、図5に示すように、複数の直径の異なる球形状又は円柱形状の摺動部材41を円孔31aの内周面と偏心軸35の外周面との間に内挿し、円孔31aの軸心が駆動軸34の軸心C1に対して偏心軸35の軸心C2よりも大きく偏心した状態で駆動連結部31を支承するようにしてもよい。
・上記実施形態において、圧縮機12は酸素濃縮装置11に備えられた圧縮機12に用いられるものに限られない。また、圧力室Rの片方又は両方を真空用にして利用してもよい。
実施形態における酸素濃縮装置を概略的に示すシステム図。 (a)は実施形態における往復動圧縮機の断面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図。 実施形態における往復動圧縮機の作用図。 (a)は駆動軸、偏心軸及び摺動部材の各軸心位置を示す模式図、(b)は偏心軸及び摺動部材の軸心の移動軌跡を示すグラフ、(c)は偏心軸の旋回角度と摺動部材の軸心の変位量を示すグラフ、(d)は偏心軸の旋回角度と摺動部材の回転角度を示すグラフ。 (a)は別の実施形態における往復動圧縮機の断面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図。
符号の説明
C1…駆動軸の軸心、C2…偏心軸の軸心、C3…摺動部材の軸心、12…往復動圧縮機、25…シリンダ、30…ピストン、31…駆動連結部、31a…円孔、33…シール部材、34…駆動軸、35…偏心軸、36,38…ベアリング、37,41…摺動部材、37a…摺動孔、39…ガイド部材、40…弾性部材としてのばね。

Claims (6)

  1. シリンダと、
    該シリンダ内にシール部材を介在させた状態で前記シリンダの軸線方向に沿って摺動可能に収容されたピストンと、
    該ピストンと一体に構成され、前記シリンダの軸線と軸心が直交する円孔を有する駆動連結部と、
    該駆動連結部の前記円孔内に該円孔の軸心と軸心が平行となるように設けられた駆動軸と、
    該駆動軸と一体に構成され、前記円孔内に前記駆動軸の軸心に対して軸心が偏心するように設けられた円柱形状の偏心軸と、
    前記円孔の内周面と前記偏心軸の外周面との間に内挿され、前記円孔の軸心が前記駆動軸の軸心に対して前記偏心軸の軸心よりも大きく偏心した状態となるように前記駆動連結部を支承する摺動部材とを備え、
    該摺動部材は、前記駆動軸の回転駆動に基づいた前記偏心軸の旋回運動に伴う前記シリンダの軸線方向と直交する方向にかかる荷重を受けた場合に、前記駆動連結部及び前記偏心軸と各々相対回転するように摺動することを特徴とする往復動圧縮機。
  2. 前記摺動部材は、外周面が円筒面形状をなすととともに、前記偏心軸を内挿可能な円形の摺動孔を有することを特徴とする請求項1に記載の往復動圧縮機。
  3. 前記駆動連結部における前記円孔の内周面と前記摺動部材の外周面との間及び前記摺動部材における前記摺動孔の内周面と前記偏心軸の外周面との間にベアリングをそれぞれ介装することにより、前記摺動部材は各ベアリングを介して前記円孔の内周面及び前記偏心軸の外周面に対して摺動可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の往復動圧縮機。
  4. 前記駆動連結部を前記シリンダの軸線方向に沿って摺動案内可能なガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の往復動圧縮機。
  5. 前記ガイド部材は弾性部材を介して前記シリンダの軸線方向と直交する方向への変位自在に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の往復動圧縮機。
  6. 前記シリンダの軸線方向において前記駆動連結部を挟んだ両側にそれぞれピストンが配設されていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の往復動圧縮機。
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