JP2014169657A - ロータリ式シリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管を省略しても排気音を低減し小型軽量化を実現したロータリ式シリンダ装置及びこれを用いて低騒音化並びに流体の脈動を抑え、小型軽量化を図り製造コストを削減した酸素濃縮装置を提供する。
【解決手段】第二シリンダ室25bからそれより体積の大きいケース本体3内の貯留部3bに排気を膨張させて一時的に貯留しつつ当該ケース本体3に形成された圧力開放溝66を経て貯留部3bに貯留された排気が直接外部に排出される。
【選択図】図10

Description

本発明は、駆動軸の回転動作をシリンダ内のピストンの往復動作に変換することで圧縮空気を生成して送り出し、負圧空気を吸引可能なロータリ式シリンダ装置及びこれを用いた酸素濃縮装置、特に在宅酸素療法に使用する正負圧力変動吸着法(VPSA)を用いた酸素濃縮装置に関する。
在宅酸素療法に使用する医療用の酸素濃縮装置は、空気を原料としてその中に含まれる酸素量を90%以上に濃縮して鼻カニューレから患者に濃縮酸素を供給することで、慢性気管支炎等の呼吸器疾患の患者の治療に用いられている。VPSA方式の酸素濃縮装置は、原料空気から窒素を選択的に吸着する吸着剤(ゼオライト)を用いて、これを充填した吸着筒に原料である空気を加えて窒素を吸着分離する正負(真空−加圧)圧力変動吸着型の酸素濃縮装置である。
かかる圧力変動吸着型酸素濃縮装置は、吸着剤を多数の吸着筒に充填し、モータ駆動されるコンプレッサを用いて大気を加圧供給し窒素を吸着させ、酸素を分離すると共に、流路を切換え、吸着筒を真空状態まで減圧することで吸着した窒素を脱着させてコンプレッサに吸引してから、排気するようになっている。
上述したコンプレッサの真空シリンダ室に接続する排気管には、圧縮された二次空気(窒素)を排気するため、通常大きな排気音を伴う。このため、図16(A)に示すように排気管の排気音を低下させるため消音器(サイレンサ、排気マフラー)101が設けられる。また、コンプレッサが吸排気を交互に行うため、ピストンの往復動が脈動する流体圧から受ける影響を和らげるため、配管より体積比が大きい排気用バッファタンク102を併用することも行われている。図16(B)は、図示しない排気管に接続される排気用バッファタンク102と消音器101を接続した状態を示す。図示しないコンプレッサより圧縮された排気は、一旦排気用バッファタンク102に送り込まれて膨張され、更に消音器102を通過することで排気音を低減されて排気される(特許文献1参照)。
特開2008−212206号公報
上述した酸素濃縮装置においては、排気音を低減するための消音器を設けたり流体圧変動の影響を緩和する排気用バッファタンクを設けたりする必要があり、コンプレッサに接続する配管が長くなりしかも部品点数も増えることから、装置を小型軽量化、製造コストを削減するには限界があった。
本発明の目的は、配管を省略しても排気音を低減し小型軽量化を実現したロータリ式シリンダ装置及びこれを用いて低騒音化並びに流体の脈動を抑え、小型軽量化を図り製造コストを削減した酸素濃縮装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は次の構成を有する。
ケース本体から延設された駆動軸の軸心に対して偏心したクランク軸を中心に回転する偏心カムに連繋する直動ピストンが直交配置されたシリンダ内を往復動することで原料空気を前記ケース本体内に取り込んで第一シリンダ室で圧縮を繰り返しながら装置側へ送出する圧縮空気発生部と、前記装置側から吸引された排気を前記ケース本体内に取り込んで第二シリンダ室で圧縮しながら排出する負圧空気発生部とが交互に形成されるロータリ式シリンダ装置であって、前記第二シリンダ室からそれより体積の大きい前記ケース本体内の貯留部に前記排気を膨張させて一時的に貯留しつつ当該ケース本体に形成された圧力開放溝を経て前記貯留部に貯留された前記排気が直接外部に排出されることを特徴とする。
上記構成によれば、装置側から第二シリンダ室内へ吸引された排気を当該第二シリンダ室内で圧縮しながら、それより体積の大きいケース本体内の貯留部に排気を膨張させて一時的に貯留するのでバッファタンクを省略して流体の脈動の影響を緩和することができるうえに、当該ケース本体に形成された圧力開放溝を経て貯留部に貯留された排気が直接外部に排出されるので、従来用いていた排気用の配管や消音器を省略することもできる。よって、排気用の配管を省略しても排気音を低減し小型軽量化を実現したロータリ式シリンダ装置を提供することができる。
前記圧力開放溝は、前記ケース本体に設けられた貯留部より体積比率の小さなラビリンス形状の排気通路と連通することが望ましい。
これによれば、ケース本体内で膨張した排気をラビリンス状の排気通路から圧力開放溝を通じて外部へ直接逃がすことができるので、消音効果も高くしかも排気管も不要であるので、コンパクトな排気構造にすることができる。
前記圧力開放溝の排気口は、前記駆動軸に設けられたタイミングプーリに臨んで形成されていると、圧力開放溝の排気口より排出された排気がタイミングプーリの回転により拡散されるので、排気の滞留をなくして素早く拡散させることができる。
また、酸素濃縮装置においては、上述したいずれかのロータリ式シリンダ装置を用い、原料空気を圧縮して圧縮空気を発生するコンプレッサと、前記コンプレッサの加圧シリンダ室から送り込まれた圧縮空気中から窒素を吸着する吸着材を貯蔵した吸着筒と、を備え、前記吸着筒から前記コンプレッサの真空シリンダ室へ吸引されて圧縮された窒素を含む排気を当該真空シリンダ室からそれより体積の大きい前記コンプレッサのケース本体内に設けられた貯留部に膨張させながら一時的に貯留しつつ当該ケース本体に設けられた圧力開放溝から排気を外部へ直接排出されることが望ましい。
上記酸素濃縮装置を用いれば、真空シリンダ室から圧縮されて送り出される窒素を含む排気のバッファタンクや消音器などを含む排気管を省略することができる。特に、コンプレッサのケース本体が排気管とバッファタンクを兼用するので、部品点数が少なく簡易な構成でも低騒音化並びに流体の脈動を抑え、製造コストを削減することができる。
本発明に係るロータリ式シリンダ装置を用いれば、配管を省略しても排気音を低減し小型軽量化を実現することができ、またこれをコンプレッサに用いることで低騒音化並びに流体の脈動を抑え、小型軽量化を図り製造コストを削減した酸素濃縮装置を提供することができる。
ロータリ式シリンダ装置の外観斜視図である。 ロータリ式シリンダ装置のケース本体から第二ケースを取り外した状態の斜視図である。 図1のロータリ式シリンダ装置のシリンダヘッドを取り外した側面図、第二ケースを取り外した状態で軸方向からみた平面図、矢印V−V方向断面図である。 偏心カムの正面図、右側面、左側面図及び矢印W−W方向断面図である。 駆動軸を中心とする第一クランク軸の回転軌道、第一クランク軸を中心とする第二仮想クランク軸の回転軌道とピストン組の直線往復運動の関係を示す模式図である。 加圧ピストン組の斜視図、右側面図、平面図、矢印X−X方向断面図、右側面図、底面図である。 真空ピストン組の正面図、平面図、矢印X−X方向断面図、右側面図である。 酸素濃縮装置の概略構成を示すブロック図である。 図1のロータリ式シリンダ装置内の空気の流れを示す分解模式図である。 図1のロータリ式シリンダ装置の対角方向断面図及び部分拡大断面図である。 図1のロータリ式シリンダ装置の軸方向平面図である。 図1のロータリ式シリンダ装置の第一ケースから軸受保持部を取り外した分解斜視図である。 図12の第一ケースから更に抜け止め部材を取り外した分解斜視図である。 コンプレッサの駆動装置を含む外観斜視図である。 図11のタイミングプーリの軸方向断面図である。 従来用いられていたバッファタンク及び消音器の説明図である。
以下、発明を実施するための一実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1乃至図15を参照して一例として酸素濃縮装置のコンプレッサとして用いられるロータリ式シリンダ装置を中心として説明する。ロータリ式シリンダ装置は、シャフトの回転運動がシリンダに対するピストンの直線往復運動に変換されて出力される装置を想定している。
以下の説明では、第一仮想クランクアームとは、駆動軸と第一クランク軸の軸心間を連結する部位を言い、部品単体でクランクアームが存在しなくても構造上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランクアームとは、第一クランク軸と第二仮想クランク軸の軸心間を連結する部位をいい、クランクアームが省略されていても機構上クランクアームの存在が認められるものを言う。また、第二仮想クランク軸とは、機構上のクランク軸が存在しなくとも回転中心となる軸芯の存在が仮想上認められるクランク軸を言う。また、ピストン組とは、ピストン単体のピストンヘッド部にシールカップ及びシールカップ押さえ部材やピストンリングなどのシール材が一体に組み付けられたものを言う。
図1において、第一ケース1と第二ケース2とで構成される筐体状のケース本体3に駆動軸4a,4b(シャフト;図2,図3(C)参照)が回転可能に軸支されている。第一ケース1と第二ケース2とは、ボルト3aにより四隅をねじ嵌合させて一体に組み付けられる。このケース本体3の四方側面には、対向する一対の加圧シリンダヘッド部5と一対の真空シリンダヘッド部6が交差するように組み付けられている。
一対の加圧シリンダヘッド部5のうち一方には外気を取り込む加圧吸込み口5aが設けられており加圧連通路5bを通じて各加圧シリンダ室(第一シリンダ室)に空気が供給され加圧される。また、他方には加圧シリンダ室で圧縮された圧縮空気を図示しない装置側に送り出す吐出口5cが設けられている(圧縮空気発生部)。
同様に一対の真空シリンダヘッド部6の一方には装置側より排気を吸込む真空吸込み口6aが設けられており真空連通路6bを通じて各真空シリンダ室(第二シリンダ室)に吸い込まれた排気が圧縮される。各真空シリンダ室で圧縮された排気は、ケース本体3内に設けられた容積の大きい貯留部3b(空間部;図3(B)(C)参照)へ貯留されて脈動が吸収され、後述するケース本体3に設けられた排気通路(図示せず)を通じて直接外部へ排出されるようになっている(負圧空気発生部)。
また、ケース本体3内には、第一クランク軸7(図3(C)参照)を中心に筒状の偏心カム8(図4参照)が回転可能に組み付けられている。偏心カム8には後述するように軸受を介して加圧ピストン組9及び真空ピストン組10が交差して相対的に回転可能に収容されている。以下、具体的に説明する。
図3(C)において、第一クランク軸7は、駆動軸4aの軸心に対して偏心して連結される。本実施形態では、駆動軸4aは、第一バランスウェイト11と一体に組み付けられ、駆動軸4bは第二バランスウェイト12と一体に組み付けられる。尚、第一,第二バランスウェイト11,12は各駆動軸4a,4bと一体に形成されていてもよい。第一,第二バランスウェイト11,12は第一クランク軸7の両軸端部に各々挿入して組付けられている。
第一バランスウェイト11に連結された駆動軸4aは第一軸受13aにより第一ケース1に回転可能に軸支されており、第二バランスウェイト12に連結された駆動軸4b(図2参照)は第二軸受13bにより第二ケース2に回転可能に軸支されている。第一,第二バランスウェイト11,12は、駆動軸4a,4bと一体に組み付けられ、後述するように第一クランク軸7及び偏心カム8を含む駆動軸4a,4bを中心とした回転部品間の質量バランスをとるために設けられている。
また、図4(D)に示すように、偏心カム8は、第一クランク軸7の軸心に対して偏心した複数の第二仮想クランク軸14a,14bを有する。本実施形態では、交差するピストン組が2本であるため、第二仮想クランク軸14a,14bは第一クランク軸7を中心として180度位相がずれた位置に形成されている。
加圧ピストン組9及び真空ピストン組10は第二仮想クランク軸14a,14bの軸直角方向に互いに交差(直交)して偏心カム8に組み付けられている。具体的には、偏心カム8は、図4(A)〜(D)に示すように、回転中心となる第一クランク軸7が挿通する第一筒体8aと、該第一筒体8aの外周側に偏心した第二筒体8bが軸方向両側に連続して形成されている。第一筒体8aには第一クランク軸7が同心状に一体に嵌め込まれ、偏心カム8の回転中心となる。また、第二筒体8bの軸心は、第一クランク軸7(第一筒体8a)の軸心に対して偏心した第二仮想クランク軸14a,14bと一致するようになっている。第二筒体8bの外周部には、軸受保持部8dが設けられている。偏心カム8は、例えばステンレススチール系の金属材が用いられ、MIM(メタルインジェクションモールド)により一体成形される。
図4(D)の仮想線に示すように、第一筒体8aの筒孔8cには、内側軸受15a,15bが組み付けられ、外周側の軸受保持部8dには外側軸受16a,16b(図10(A)参照)が各々組み付けられる。内側軸受15a,15bは第一のクランク軸7を中心に偏心カム8が相対的に回転可能(自由回転可能)に支持している。また、外側軸受16a,16bは、加圧ピストン組9,真空ピストン組10が第二筒体8bに対して互いに交差(直交)して嵌め込まれたまま相対的に回転するように組み付けられる(図2参照)。
以上の構成により、第一クランク軸7と第二仮想クランク軸14a,14bを結ぶ第二仮想クランクアームの長さを第二円筒体8bの回転半径rとなるように設定することで、第一クランク軸7を中心として偏心カム8及び加圧ピストン組9及び真空ピストン組10を軸方向及び径方向にコンパクトに組み付けることができる(図5(A)参照)。
また、図6(A)〜(F)に示す加圧ピストン組9において、加圧ピストン本体9aの長手方向両端部には、加圧ピストンヘッド部9bが起立形成されている。加圧ピストンヘッド部9bには、リング状のシールカップ9c、シールカップ押さえ部材9dが各々ボルト17より組み付けられている。同様に図7(A)〜(D)に示す真空ピストン組10おいて、真空ピストン本体10aの長手方向両端部には、真空ピストンヘッド部10bが起立形成されている。加圧ピストンヘッド部9b,真空ピストンヘッド部10bには、リング状のシールカップ10c、シールカップ押さえ部材10dが各々ボルト17より組み付けられている。シールカップ9c,10cは、オイルフリーのシール材(例えば、フッ素系樹脂材(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂材等)が用いられる。加圧ピストン本体9aや真空ピストン本体10aには金属材(アルミニウム材)が用いられ、耐食性を向上させるため表面処理(陽極酸化皮膜形成)されているのが好ましい。尚、図6に示す加圧ピストンヘッド部9bの外径は、図7に示す真空ピストンヘッド部10bの外径より小さく形成されている。このため、図6(D)(E)に示すように加圧ピストン本体9aにバランサー部9fを設けて真空ピストン本体10aとのバランス取りが施されている。
また、図3(B)において、ケース本体3(第一ケース1及び第二ケース2)の側面部(4面)に設けられた開口部には、シリンダ18が各々組み付けられている。図3(C)に示すように、真空ピストンヘッド部10b(加圧ピストンヘッド部9b)は、外周面を覆うシールカップ10c(9c)によって、シリンダ18の内壁面18aとのシール性を保ちながら摺動するようになっている。
また、図3(C)において、第一ケース1の内底部1aにはシリンダ18に近傍にボス部1bが4か所に設けられている(図3(B)参照)。ガイド軸受1cはボス部1bの軸端に夫々2個ずつ重ね合わせた状態で、当該ボス部1bの軸孔にピン1dが嵌め込まれて組み付けられる。図6(C)(D)に示すように、加圧ピストン本体9aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)9eが両側に各々穿孔されている。同様に、図7(B)(C)に示すように、真空ピストン本体10aにはその長手方向に沿ってガイド孔(長孔)10eが両側に各々穿孔されている。各ガイド軸受1cは、ガイド孔9e,10eに嵌め込まれて、第二筒体8bに組み付けられた加圧ピストン組9,真空ピストン組10の直線往復運動を加圧ピストン本体9a,真空ピストン本体10aと重なり合う位置でガイドする(図2参照)。
図6(C)(F)に示すように、ガイド軸受1cが当接しながら往復動する加圧ピストン組9の当接部(ガイド孔9e)には、当該ピストン本体(金属製)と材質の異なる緩衝材19が一体に組み付けられている。同様に図7(B)に示すように、ガイド軸受1cが当接しながら往復動する真空ピストン組10の当接部(ガイド孔10e)には、当該ピストン本体(金属製;アルミニウム材)と材質の異なる緩衝材19が一体に組み付けられている。具体的には、ガイド孔9eの対向する当接部となる孔壁面は、樹脂材(例えばフィラーが混入されていないPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂材)が組み付けられている。PPS樹脂材は、耐熱性、高温特性に優れ、高い機械的強度を有し、耐薬品性、寸法安定性に優れていることから、ガイド軸受1cが当接しながら往復動しても走行痕が残らず傷も付き難いという利点がある。特に、PPS樹脂材はピストン本体9a,10aを構成するアルミニウム材と熱膨張係数が近く成形性が良いことから、本実施例では、加圧ピストン本体9a,真空ピストン本体10aに対してアウトサート成形により一体に組み付けられる。
また、図2に示すように、真空ピストン組10(加圧ピストン組9も同様)に緩衝材19が組み付けられるガイド孔10e(9eも同様)の対向壁面10fには、上記補強リブ19bに対応するリブ凹部10g、フランジ部19cに対応するフランジ凹部10h、突部19dに対応する半球状凹部10iが形成されている。真空ピストン本体10aに形成されたガイド孔10eの凹部に樹脂材(PPS樹脂材)をアウトサート成形することで、緩衝材19が一体に組み付けられる。
図2及び図3(B)に示すように、ガイド孔9e,10eにはガイド軸受1cが挿入されて、緩衝材19と当接する。そして駆動軸4a,4bの回転に伴う第一クランク軸7の回転により、偏心カム8に組み付けられた加圧ピストン組9,真空ピストン組10が直線往復運動をするのを緩衝材19によりガイドする。
図3(C)において、ロータリ式シリンダ装置の組立構成の一例を示す。
偏心カム8の第一筒体8a内に内側軸受15a,15bを組み付ける(図4(D)参照)。また、偏心カム8の内側軸受15a,15bの中心孔に第一クランク軸7を嵌め込む。また、加圧,真空ピストン本体9a,10aの加圧,真空ピストンヘッド部9b,10bに、シールカップ9c,10c及びシールカップ押さえ部材9d,10dをボルト17にて一体に組み付ける。更に、加圧,真空ピストン組9,10を外側軸受16a,16bが嵌まり込むように組み付ける。そして、上記加圧,真空ピストン組9,10を第二筒体8bに外側軸受16a,16bを介して交差するように重ねて嵌め込む。
また、第一クランク軸7の両端部に第一,第二バランスウェイト11,12を嵌め込む。第一,第二バランスウェイト11,12に両側から駆動軸4a,4bを各々嵌め込んで、ピン11a,11bをピン孔に嵌め込み、ボルト12a,12bをねじ嵌合させて一体に組み付ける。また、第一ケース1に第一軸受13a、第二ケース2に第二軸受13bを各々嵌め込む。また第一ケース1の内底部1aに突設されたボス部1bに軸受1cを組み付ける。そして、第一軸受13aに駆動軸4aを嵌め込み、第二軸受13bに駆動軸4bを嵌め込むようにして、第一ケース1と第二ケース2をボルト3a(図10(A)参照)にて締め付けて組み合わせる。これにより、偏心カム8とこれに交差して組み付けられた加圧,真空ピストン組9,10がケース本体3内に収容される(図2,図10(A)参照)。最後に、ケース本体3の側面(4面)に形成される開口部23(図3(C)参照)にシリンダ18を嵌め込んで、加圧シリンダヘッド部5,真空シリンダヘッド部6が各シリンダ18の開口部18aを閉塞するようにボルト25cにより組み付けられて、ロータリ式シリンダ装置が組み立てられる(図1参照)。
図3(A)において、加圧ピストン組9の軸心と真空ピストン組10の軸心は、駆動軸4a,4bの軸方向で僅かにずれた状態で偏心カム8に組み付けられている。しかしながら、加圧ピストン本体9aと外側軸受16aの軸心、真空ピストン本体10aと外側軸受16bの軸心は一致して組み付けられているため(図4(D)参照)、偏心カム8が第一クランク軸7を中心として回転しても当該回転による振動を抑えることができる。
上述のように組み立てられたロータリ式シリンダ装置は、加圧,真空ピストン組9,10の第二仮想クランク軸14a,14bを中心とした第一の回転バランス、偏心カム8及び加圧,真空ピストン組9,10の第一クランク軸7を中心とする第二の回転バランス及び第一クランク軸7、偏心カム8及び加圧,真空ピストン組9,10の駆動軸4a,4bを中心とする第三の回転バランスが第一,第二バランスウェイト11,12のみによりバランス取りされて組み立てられている。
ここで、シャフト4を中心とする第一クランク軸7、第二仮想クランク軸14a,14bの回転運動と複数のピストン組の直線往復運動(内サイクロイド運動)の原理について図5(A)〜(D)を参照して説明する。図5(A)〜(D)は、駆動軸4a,4bの回転にしたがって第一クランク軸7が中心O(駆動軸4a,4b)の周りを反時計回り方向に90°回転した状態を模式的に示したものである。駆動軸4a,4bの回転により第一1クランク軸7が中心O(駆動軸4a,4b)の周りを回転すると、第二仮想クランク軸14aは仮想円20の転がり軌跡である転がり円21の直径R1上を往復移動し、第二仮想クランク軸14bは転がり円21の直径R2上を往復移動する。
即ち、駆動軸4a,4bの軸心(中心O)を中心とした半径rの反時計回り方向の回転軌道22に沿った第一クランク軸5の回転及び第一クランク軸7を中心とする偏心カム8(図4参照)の回転運動に伴い、第二仮想クランク軸14a,14bを軸心に有する偏心カム8と連繋するピストン組のうち、加圧ピストン組9が外側軸受16a(図4参照)を介して相対的に回転しながら半径2rの転がり円21(駆動軸4a,4bの軸心Oを中心とする同心円)の直径R1上で往復動を繰り返し、真空ピストン組10が外側軸受16b(図4参照)を介して相対的に回転しながら半径2rの転がり円21(駆動軸4a,4bの軸心Oを中心とする同心円)の直径R2上で往復運動を繰り返すことになる。実際の装置では、偏心カム8は転がり回転せずに第一クランク軸7を中心に内側軸受15a,15bを介して相対回転し、加圧ピストン組9及び真空ピストン組10は直交配置されたシリンダ18内を往復運動する。
<酸素濃縮装置の配管およびブロック図の説明>
次に酸素濃縮装置24の全体構成について図8に示すブロック図を参照して説明する。本図において、図中の二重線は空気、酸素、窒素ガスの流路であり概ね配管24a〜24fで示されている。また、細い実線は電源供給または電気信号の配線を示している。
以下の説明では、コンプレッサ25として圧縮空気発生部25a(加圧シリンダ)と負圧空気発生部25b(真空シリンダ)を交差して一体化したロータリ式シリンダ装置(図1参照)を用いる場合について述べる。また、吸気口を介して外気を内部に導入し、排気口を介して外部に排出する表面カバーと裏面カバーについては密閉容器26として図中破線で図示されている。
図8において、導入空気の流れに沿って順次述べると、上記フィルタ交換用蓋体(図示せず)に内蔵された外気導入用フィルタ27を通過して酸素濃縮装置24内部に空気(外気)が矢印H方向に導入される。この空気は、一対の送風ファン28,28による送風により二段式防音室29(破線参照)内に入る。すなわち、上段部に送風ファン28,28を配設し下段部にコンプレッサ25を防振状態で配設した二段式防音室29の側面に穿設された開口部を介して二段式防音室29内に空気が入る。この空気の一部をコンプレッサ25の圧縮空気発生部25aに対して原料空気として供給するために、配管24aの開口部が二段式防音室29内に開口して設けられており、配管24aの途中に二次濾過を行う吸気フィルタ30と大容量の吸気用バッファタンク31とが設けられている。
このように構成することで原料空気の吸気音が二段式防音室29内に留まるようにして吸気音を低減している。一方、この二段式防音室29は軽量化のために厚さ約0.5mm〜2.0mmの強化軽合金、アルミ合金、チタン合金板または他の好適な材料から構成される。このように薄板から構成するとねじ孔部の強度が確保されない。そこでねじ孔部としてインサートナットを適所に固定している。この二段式防音室29の内部には原料空気を圧縮して圧縮空気を発生する加圧シリンダ25aと、真空シリンダ25bとを好ましくは一体構成したコンプレッサ(ロータリ式シリンダ装置)25が防振状態で固定されている。
次に、濾過された原料空気は、コンプレッサ25の加圧シリンダ25aで加圧されて圧縮空気となるがこのとき温度上昇した状態で配管24cに送り出されるので、この配管24cを放熱効果に優れた軽量の金属パイプ(例えば、外径6mm内径4mmのアルミ管)とし、送風ファン28からの送風で冷却すると良い。このように圧縮空気を冷却することで高温では機能低下する吸着剤であるゼオライトが窒素の吸着により酸素を生成するための吸着剤として、十分に酸素を90%程度以上に濃縮できることとなる。
圧縮空気は配管24cを介して吸着手段(本実施例では、並列に少なくも2つ配置された、第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32b)に対して交互に供給される。このため切換弁(3方向切換弁)33a,33bが図示のように接続されている。これらの切換弁33a,33bと、さらに第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32bの不要ガスを脱離させるため(パージ(浄化)を行うため)に真空シリンダ25bに連通する配管24fに負圧破壊第一弁34と負圧破壊第二弁(圧調整弁)35が直列に複数(少なくとも2つ)配置されている。これらを開くことで後述するように、配管24f内の圧力を均圧工程時には大気圧付近まで、所定流量以下では圧力コントロールすることでコンプレッサの振動抑制と低電量化を図っている。
第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32b内に夫々貯蔵されている触媒吸着剤であるゼオライトは、SiO/Al比が2.0〜3.0であるX型ゼオライトであり、かつこのAlの四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと結合させたものを用いることで、単位重量当たりの窒素の吸着量を増やしている。特に、1mm未満の顆粒測定値を有し、四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと融合させたものが好ましい。
このようなゼオライトを使用することで、同じ酸素を生成するために必要となる原料空気の使用量を削減できるようになる結果、圧縮空気を発生するためのコンプレッサ25を小型のタイプとすることができ、低騒音化を一層図ることができた。一方、第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32bの上方の出口側には逆止弁と、絞り弁と開閉弁とからなる均等圧弁36が分岐接続されている。また、均等圧弁36の下流側は合流するように配管24dが成されており、分離生成された90%程度以上の濃度の酸素を貯蔵するための容器となる製品タンク37が図示のように配管されている。また、各吸着筒体32a,32b内の圧力を検出する圧力センサ38が配管24dに設けられている。
製品タンク37の下流側には、出口側の酸素の圧力を一定に自動調整する圧力調整器39が配管されている。この圧力調整器39の下流側には、ジルコニア式あるいは超音波式の酸素濃度センサ40が接続されており、酸素濃度の検出を間欠(10〜30分毎)または連続で行うようにしている。この下流側には酸素流量設定ボタン51に連動して開閉する比例開度弁41が接続されており、その下流側には酸素流量センサ42が接続されている。またこの酸素流量センサ42の下流には呼吸同調制御のための負圧回路基板43を介してデマンド弁44が接続されており、滅菌フィルタ45を経て、酸素濃縮装置24の酸素出口46に対して接続されている。酸素出口46にはカプラ47を介して鼻カニューレ48が着脱自在に接続される。以上の構成により、鼻カニューレ48等を経て患者に対する最大流量5L/分で約90%程度以上に濃縮された酸素の吸入が可能になることとなる。
次に、図8において電源系統は、AC(商用交流)電源を所定直流電圧に整流するスイッチングレギュレータ式のACアダプタ49と、装置本体に内蔵される内蔵バッテリ50と、繰り返し充放電可能な外部バッテリ51及び電源制御回路52を備えている。ACアダプタ49はAC電源用コネクタ53を介してして電源制御回路52に接続される。また外部バッテリ51はコネクタ54を介して電源制御回路52に接続される。内蔵バッテリ50および外部バッテリ51は繰り返し充電可能な2次電池であり、内蔵バッテリ50は電源制御回路52からの電力供給を受けて充電される。なお、少なくとも内蔵バッテリ50は、少なくとも500回程度の繰り返し充放電が可能で、バッテリ残量、使用充放電サイクル数、劣化程度、出力電圧等のマネジメント機能を有するものが使用され、バッテリ残量、残充電容量、充放電回数を外部の携帯端末などで確認可能なマネジメント機能を有するものが好ましい。
また、外部バッテリ51については、コネクタ54を介した接続状態において、電源制御回路52からの電力供給を受けて充電することもできるが、通常は別途準備されるバッテリチャージャーを用いて繰り返し充電される。または、専用設計されたバッテリチャージャーを一体化した外部バッテリ51として準備しても良い。
以上の電源系統の構成において、酸素濃縮装置24はACアダプタ49からの電力供給を受けて作動する第一電力供給状態と、内蔵バッテリ50からの電力供給を受けて作動する第二電力供給状態と、外部バッテリ51からの電力供給を受けて作動する第三電力供給状態との3系統の電力供給状態の内の一つに自動切換えされて使用される。この自動切換えのための優先順位は上記第一電力供給状態、第三電力供給状態、第二電力供給状態の順序で自動決定するように電源制御回路52により制御される。
また、電源制御回路52と、内蔵の内蔵バッテリ50については酸素濃縮装置24の低重心化を図るために後述するように装置底面に配設される。一方、外部バッテリ51は図示しないキャリアの収容部に内蔵されて外出時などに使用される。この外部バッテリ51には上記の充電残量表示部他が設けられているので残り使用時間を音声ガイドとともに知ることができる。
ACアダプタ49は周波数の違いの影響および電圧の変動を受けずに所定直流電圧を発生することが可能であって、かつまた小型軽量に構成できるスイッチングレギュレータ式が良いが、通常のトランス式でも良い。また、内蔵バッテリ50および外部バッテリ51は充電時のメモリ効果が少なく再充電時にも満杯充電できるリチウムイオン、リチウム水素イオン二次電池が良いが、従来からのニッカド電池でも良い。さらに、緊急時に備えて、どこでも入手可能な単2乾電池のボックスを設けて外部バッテリ51を構成しても良い。
また、酸素濃縮装置24の中央制御部(CPU;中央演算処理装置)55は、生成する酸素量に応じた、最適な動作モードに切り替える機能を備えており、多くの酸素生成をする場合は高速に、少ない酸素生成時において低速に自動的にコンプレッサ25、送風ファン28をそれぞれ回転駆動する制御を行う。このようにして、内蔵バッテリ50のバッテリ容量を温存させるようにしている。この結果、外部バッテリ51を充電し忘れた場合であっても内蔵バッテリ50を用いた突然の外出時や停電時等の対応が可能になる。こうすることで例えば、外出時に外部バッテリ51が残量ゼロになった場合でも内蔵バッテリ50で継続使用できるようになるので、患者は安心して使用できるようになる。
また、図8において、電源スイッチ56が投入されると中央制御部55は電力供給を受けて作動する。また、中央制御部55には、酸素流量設定ボタン57より入力信号が入力されるとこれに連動して比例開度弁41を開閉させる。また、中央制御部55は、表示部71のLED素子を点灯、点滅駆動させるとともに、7セグメントLEDで設定流量、積算時間を表示させる。また、中央制御部55にはモータ制御部58及び音声制御部59が各々接続されている。モータ制御部58はコンプレッサ25の電動モータM(AC若しくはDCモータ)および送風ファン28の駆動モータの制御を各々行う。また、音声制御部59はスピーカ60を通じて音声を発生させる。
中央制御部55には所定動作プログラムを記憶したROMが内蔵されている。また、中央制御部55には、外部記憶装置61と揮発メモリ(例えばEEPROM)62と一時記憶装置(例えばRAM)63とリアルタイムクロック64がさらに接続されている。RAM63は、中央制御部55に入力されたデータを一時記憶したり、ROMから動作プログラムを読み出したり、演算処理などにCPUのワークエリアとして用いられる。また、中央制御部55には外部コネクタ65を介して通信回線などと接続され、記憶内容へのアクセスが可能となるように構成されている。また、上述した3方向切換弁33a,33bと均等圧弁36と、第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32b内の不要ガスを脱離させるための真空シリンダ(負圧空気発生部)25bと配管24f内の圧力を制御するための第一負圧破壊弁34と第二負圧破壊弁35と酸素濃度センサ39と比例開度弁41と、流量センサ42とデマンド弁44を駆動制御する負圧回路基板(流量制御部)43が中央制御部55に接続されている。
均圧工程と同期をとって、第一負圧破壊弁34を開状態に動作させることで、流路内に外気が入り込むようにして、流路内を大気圧により近い状態とする。この作用によりコンプレッサ25は無負荷状態に近い状態となるため、振動の発生を防止できまた、騒音の低減や低電力化にも寄与するようにできるようになる。第二負圧破壊弁35は、後述するように、設定酸素流量に応じてオンされて開状態にされる。一方、このコンプレッサ25の冷却と、酸素濃縮装置24内部の冷却を行うための上記の送風ファン28,28は、消費電力約2.7W程度である。このブロアに代えて軸流ファンでもよい。ここで、装置1の最大騒音圧力レベルは、最大の回転数のときに35dBA以下であり、濃縮酸素流量1L/分以下の場合には33dBAである。3方向切換弁33a,33bには、一般的に直動式と呼ばれる弁の動作を通電時の磁力で行う電磁弁が使用可能である。この種の電磁弁は電気の力だけで主弁を動作させるため消費電力が高いという問題点がある。そこで、3方向切換弁33a,33bとしてパイロット式3方向切換弁を使用することもできる。このパイロット式3方向切換弁によれば、僅かな消費電力とコンプレッサ25からの空気圧を有効利用して動作させることが出来るために従来の8Wから0.5Wにまで低減される結果、大幅な電力低減が期待されることになる。
以上の各構成部品は、低騒音化された小型の酸素濃縮装置24の組立作業性および点検整備性の向上を配慮して主に二段式防音室29を取り付け部として固定されている。本実施例では、3方向切換弁33a,33bとコンプレッサ25の真空シリンダ25bとを接続する配管24fは設けられているが、真空シリンダ25bから下流側の排気管が設けられていない。
ここでコンプレッサ25内の空気の流れについて図9の分解模式図を参照して説明する。
加圧吸込み口5a(図1参照)から吸い込まれた原料空気は、第一吸気路5dを経て加圧シリンダ室5fへ供給され、第一加圧連通路5b1、第二吸気路5eを通じて加圧シリンダ室5gへ供給される。そして加圧ピストン9が往復動する際に各加圧シリンダ室5f,5gで各々圧縮されて、加圧シリンダ室5fから第一送気路5h,第二加圧連通路5b2を通じて吐出口5cへ送り出され、加圧シリンダ室5gから第二送気路5iを通じて吐出口5cへ送り出される。吐出口5cに送り出された圧縮空気は、配管24cを通じて第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32bに向けて送り出される(図8参照)。
また、第一吸着筒体32aと第二吸着筒体32bで除去された窒素を含む排気は、配管24f(図8参照)を通じて真空吸込み口6a(図1参照)から第一吸気路6cを通じて真空シリンダ室6eへ供給され、第二吸気路6dを通じて真空シリンダ室6fへ供給される。そして真空ピストン10が往復動する際に各真空シリンダ室6e,6fで各々圧縮されて、真空シリンダ室6eから第一排気路6gを通じて貯留室3b(図3(C)参照)へ送り込まれ、真空シリンダ室6fから第二排気路6hを通じて貯留室3bへ送り込まれる。第一吸気路6c,第二吸気路6d並びに第一排気路6g,第二排気路6hはケース本体3内に形成される。
このように、各真空シリンダ室6e,6fで圧縮された排気は、ケース本体3内に設けられたこれらより容積の大きい貯留部3b(図3(B)(C)参照)へ膨張させて一時的に貯留されて脈動が吸収され、下向き矢印で示すケース本体3に設けられた排気通路を通じて外部へ排気されるようになっている。
図10(A)に示すように、駆動軸4aを回転可能に軸支する第一軸受13aは第一ケース1に軸受保持部13cにより保持されて組み付けられる。この軸受保持部13cは、図10(B)に示すように第一軸受13aの軸方向の抜け止めをするため、環状の抜け止め部材13dに重ね合わせられて、ボルト13eにより第一ケース1に固定されている。図12において抜け止め部材13dと第一ケース1との間には、駆動軸4aを中心として対向する位置に圧力開放溝66が各々設けられている。圧力開放溝66の数は単数でも更に3箇所以上であってもよい。
具体的には、図13に示すように、第一ケース1の抜け止め部材13dが組み付けられる部分は段付き部1eが形成されている。この段付き部1eには、対向する位置に貫通孔1fが各々設けられている。この貫通孔1fの周縁部を凹溝状に彫り込むことで抜け止め部材13dとの間に隙間が形成される。真空シリンダ室6e,6f(図9参照)より体積比率の大きいケース本体3の貯留部3bに送り込まれた窒素を含む排気は膨張しながら一時的に貯留され、図10(B)に示すように、第一ケース1側の貫通孔1fを経て、段付き部1eと軸受保持部13c及び抜け止め部材13dとの間にラビリンス状に形成された排気通路を通過して圧力開放溝66より直接外部に放出される。
図14にコンプレッサ25の駆動部を含む外観構成を示す。コンプレッサ25の駆動軸4a(図10(A)参照)には大径のタイミングプーリ67が組み付けられている。また、電動モータMのモータ軸にはそれより小径のタイミングプーリ68が組み付けられている。駆動軸4aとモータ軸は平行軸となるように取付台69にコンプレッサ25と電動モータMが各々組み付けられている。
タイミングプーリ67,68間には無端状のタイミングベルト70が架設されている。大径のタイミングプーリ67小径のタイミングプーリ68との減速比は任意であるが例えば3:1に設計される。尚、タイミングプーリとタイミングベルトに代えてVプーリ及びVベルト、平プーリ及び平ベルトなどいずれの構成でもよい。
図15はタイミングプーリ67の軸方向断面図である。排気通路の開放端である圧力開放溝66の排気口は、駆動軸4aに設けられたタイミングプーリ67に臨んで形成されている。これによりケース本体3から排出された排気がタイミングプーリ67の回転により拡散されるので、排気の滞留をなくして素早く拡散させることができる。
また、ロータリ式シリンダ装置が低速高速にかかわらず動的バランスがくずれ難いので、ベルト駆動方式で減速して低速回転しても低振動、低騒音、低発熱、摺動部品の耐久性向上を図ることができ好適である。尚、コンプレッサ25の駆動伝達方式としてギヤ付モータを用いることも考えられる。しかしながら、ギヤ効率はベルト効率より低下し省エネ効果も薄いうえに騒音が大きくギヤの耐久時間も3000時間程度と短いため、酸素濃縮装置用としては向いていない。
上記構成によれば、酸素濃縮装置本体から吸引された窒素を含む排気を、真空シリンダ室6e,6fからそれより体積の大きいケース本体3内の貯留空間部3bに一時的に貯留されるので従来設けられていた真空シリンダ室に接続する排気管を省略することができる。また、真空シリンダ室6e,6fで圧縮された排気をそれより体積の大きいケース本体3内の貯留空間部3bに導入して膨張させた状態で一時的に貯留されるので、ピストンの往復動が脈動する流体圧から受ける影響を和らげることができるのでバッファタンクが不要になる。更には、ケース本体3内の貯留空間部3bに貯留された排気がケース本体3に形成された排気通路を経て圧力が開放されて直接外部に排気されるので、消音器や排気管が不要になる。よって、排気管を省略しても排気音を低減し小型軽量化を実現したロータリ式シリンダ装置を提供することができる。
また、酸素濃縮装置においては、原料空気を圧縮して圧縮空気を発生するコンプレッサ(ロータリ式シリンダ装置)25を用いれば、真空シリンダ室6e,6fから圧縮されて送り出される窒素を含む排気用の配管を省略することができる。特に、コンプレッサ25のケース本体3が排気管とバッファタンクを兼用するので、部品点数が少なく簡易な構成でも低騒音化並びに流体の脈動を抑え、製造コストを削減することができる。
上述した実施例は、酸素濃縮装置から吸引した排気をケース本体3内に導入して圧力開放溝66を通じて直接排気するように構成したが、吸気側の外気をケース本体3に吸い込んで加圧シリンダで圧縮するようにすれば、吸気側の配管やバッファタンクを省略することも可能である。
1 第一ケース 1a 内底部 1b ボス部 1c ガイド軸受 1d ピン 1e 段付き部 1f 貫通孔 2 第二ケース 3 ケース本体 3a,13e,17,25c ボルト 3b 貯留部 4a,4b 駆動軸 5 加圧シリンダヘッド部 5a 加圧吸込み口 5b 加圧連通路 5b1 第一加圧連通路 5b2 第二加圧連通路5c 吐出口 5d,6c 第一 吸気路 5f,5g 加圧シリンダ室 5e,6d 第二吸気路 5h 第一送気路 5i 第二送気路 6 真空シリンダヘッド部 6a 真空吸込み口 6b 真空連通路 6e,6f 真空シリンダ室 6g 第一排気路 6h 第二排気路 7 第一クランク軸 8 偏心カム 8a 第一筒体 8b 第二筒体 8c 筒孔 8d 軸受保持部 9 加圧ピストン組 9a 加圧ピストン本体 9b 加圧ピストンヘッド部 9c,10c シールカップ 9d,10d シールカップ押さえ部材 9e,10e ガイド孔 9f バランサー部 9g,10j 段付き部10 真空ピストン組 10a 真空ピストン本体 10b 真空ピストンヘッド部 11 第一バランスウェイト 12 第二バランスウェイト 13a 第一軸受 13b 第二軸受 13c 軸受保持部 13d 抜け止め部材 14a,14b 第二仮想クランク軸 15a,15b 内側軸受 16a,16b 外側軸受 18 シリンダ 18a 内壁面 19 緩衝材 20 仮想円 21 転がり円 22 回転軌道 23 開口部 24 酸素濃縮装置 24a〜24f 配管 25 コンプレッサ 25a 圧縮空気発生部(加圧シリンダ) 25b 負圧空気発生部(真空シリンダ)26 密閉容器 27 外気導入用フィルタ 28 送風ファン 29 二段式防音室 30 吸気フィルタ 31 吸気用バッファタンク 32a第一吸着筒体 32b 第二吸着筒体 33a,33b 切換弁 34 負圧破壊第一弁 35 負圧破壊第二弁 36 均等圧弁 37 製品タンク 38 圧力センサ 39 圧力調整器 40 酸素濃度センサ 41 比例開度弁 51 酸素流量設定ボタン 42酸素流量センサ 43 負圧回路基板 44 デマンド弁 45 滅菌フィルタ 46 酸素出口 47 カプラ 48 鼻カニューレ 49 ACアダプタ 50 内蔵バッテリ 51 外部バッテリ 52 電源制御回路 53 AC電源用コネクタ 54 コネクタ 55 中央制御部 56 電源スイッチ 57 酸素流量設定ボタン 58 モータ制御部 59 音声制御部 60 スピーカ 61 外部記憶装置 62 揮発メモリ 63 一時記憶装置 64 リアルタイムクロック 65 外部コネクタ 66 圧力開放溝 67,68 タイミングプーリ 69 取付台 70 タイミングベルト 71 表示部

Claims (4)

  1. ケース本体から延設された駆動軸の軸心に対して偏心したクランク軸を中心に回転する偏心カムに連繋する直動ピストンが直交配置されたシリンダ内を往復動することで原料空気を前記ケース本体内に取り込んで第一シリンダ室で圧縮を繰り返しながら装置側へ送出する圧縮空気発生部と、前記装置側から吸引された排気を前記ケース本体内に取り込んで第二シリンダ室で圧縮しながら排出する負圧空気発生部とが交互に形成されるロータリ式シリンダ装置であって、
    前記第二シリンダ室からそれより体積の大きい前記ケース本体内の貯留部に前記排気を膨張させて一時的に貯留しつつ当該ケース本体に形成された圧力開放溝を経て前記貯留部に貯留された前記排気が直接外部に排出されることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  2. 前記圧力開放溝は、前記ケース本体に設けられた前記貯留部より体積比率の小さなラビリンス形状の排気通路と連通する請求項1記載のロータリ式シリンダ装置。
  3. 前記圧力開放溝の排気口は、前記駆動軸に設けられたタイミングプーリに臨んで形成されている請求項1又は2記載のロータリ式シリンダ装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のロータリ式シリンダ装置を用い、原料空気を圧縮して圧縮空気を発生するコンプレッサと、
    前記コンプレッサの加圧シリンダ室から送り込まれた圧縮空気中から窒素を吸着する吸着材を貯蔵した吸着筒と、を備え
    前記吸着筒から前記コンプレッサの真空シリンダ室へ吸引されて圧縮された窒素を含む排気を当該真空シリンダ室からそれより体積の大きい前記コンプレッサのケース本体内に設けられた貯留部に膨張させながら一時的に貯留しつつ当該ケース本体に設けられた圧力開放溝から前記排気を外部へ直接排出される酸素濃縮装置。
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