JP2009184950A - 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents

脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009184950A
JP2009184950A JP2008025594A JP2008025594A JP2009184950A JP 2009184950 A JP2009184950 A JP 2009184950A JP 2008025594 A JP2008025594 A JP 2008025594A JP 2008025594 A JP2008025594 A JP 2008025594A JP 2009184950 A JP2009184950 A JP 2009184950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
dicarboxylic acid
aliphatic dicarboxylic
nitrate
cyclic hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008025594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009184950A5 (ja
JP5052362B2 (ja
Inventor
Osamu Onomura
治 尾野村
Yasusuke Izumi
庸介 出水
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagasaki University NUC
Tokuyama Corp
Original Assignee
Nagasaki University NUC
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagasaki University NUC, Tokuyama Corp filed Critical Nagasaki University NUC
Priority to JP2008025594A priority Critical patent/JP5052362B2/ja
Publication of JP2009184950A publication Critical patent/JP2009184950A/ja
Publication of JP2009184950A5 publication Critical patent/JP2009184950A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5052362B2 publication Critical patent/JP5052362B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】高分子化合物のモノマーとして工業上有用な脂肪族ジカルボン酸化合物を、温和な条件下で、かつ高収率で選択性よく得る。
【解決手段】 シクロヘキサン等の脂肪族環状炭化水素化合物を、トリフルオロ酢酸の存在下、過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化することにより、前記脂肪族環状炭化水素化合物が効率良く脂肪族ジカルボン酸化合物へと酸化される。原料とする脂肪族環状炭化水素化合物として対称構造のものを採用することにより、得られる脂肪族ジカルボン酸化合物は単一のものとなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トリフルオロ酢酸存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化して脂肪族ジカルボン酸化合物を製造する方法に関する。
脂肪族ジカルボン酸化合物は高分子化合物のモノマーとして或は化粧品、塗料の原料として重要な化合物である。その中でも、アジピン酸は、ナイロンやポリエステルの原料として年間200万トン以上が生産される極めて重要な化合物である。アジピン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸の製造方法としては、脂肪族環状二級アルコール化合物の炭素間結合を、酸化的に開裂する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法は、脂肪族環状炭化水素化合物を一旦、脂肪族環状二級アルコール化合物に酸化した後に、脂肪族ジカルボン酸化合物へと変換しなければならない上に、副生物としてその他の脂肪族ジカルボン酸化合物が大量に生成するという問題がある。
そのため、脂肪族環状炭化水素化合物を脂肪族ジカルボン酸化合物に直接変換する方法として、近年多くの酸化方法が研究されている。例えば、コバルト塩またはルテニウム塩存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を酸素と接触させる方法(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、アルコキシナイトライド化合物またはアルコキシナイトレート化合物存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を酸素と接触させる方法(例えば、特許文献4参照)、さらにはイミド化合物およびコバルト錯体またはマンガン錯体の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を酸素と接触させる方法(例えば、特許文献5参照)等が知られている。
また、その他の方法として、トリフルオロ酢酸水溶液存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩で酸化する方法も知られている(例えば、非特許文献1参照)。
米国特許第1921101号明細書 特開2006−131582号公報 特開2006−83159号公報 特開2004−290948号公報 特開平9−327626号公報 カナディアン・ジャーナル・ケミストリー 56巻 1273−1278頁(1978年)
しかしながら、脂肪族環状炭化水素化合物をコバルト塩またはルテニウム塩存在下、酸素と接触させる方法やアルコキシナイトライド化合物もしくはアルコキシナイトレート化合物存在下、酸素と接触させる方法では、反応温度が100℃以上と高温である上に、反応転化率も20%程度と低く、脂肪族ジカルボン酸化合物が主生成物とはなりえていない。
また、イミド化合物およびコバルト錯体またはマンガン錯体の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を酸素と接触させる方法においては、シクロオクタンを例に挙げると、反応転化率94%、収率74%で脂肪族ジカルボン酸化合物が生成するものの、反応温度は100℃と依然高く温和な酸化反応とは言い難い。
一方、トリフルオロ酢酸水溶液存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩で酸化して脂肪族ジカルボン酸化合物を製造する方法では、室温で反応を行っており、比較的温和条件で酸化をすることができる。
しかしながら、この方法は、シクロヘキサンから収率75%でアジピン酸を取得できてはいるが、その収率は消費された原料に基づくとの記載があるにもかかわらず、消費された原料の量、即ち反応転化率の記載は全くなく、本製造方法のシクロヘキサンを基準とした収率は全く不明である。また、この方法は、トリフルオロ酢酸水溶液を使用するため、溶媒量の増加につながり、さらに、系内に水が存在するため、これを除去する操作が煩雑になる。特に、工業的にアジピン酸を大量に製造しようとする場合には、このことは重要な問題となるため、改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、高収率でしかも温和な条件下で脂肪族ジカルボン酸化合物を製造する方法を提供することにある。
かかる事実に鑑み、本発明者らは温和な条件で脂肪族ジカルボン酸化合物を製造する方法について鋭意研究を行った。その結果、室温下、積極的に水を添加しないトルフルオロ酢酸の存在下、過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩を用いて脂肪族環状炭化水素化合物を酸化させることで、脂肪族ジカルボン酸化合物が高収率で生成することを見出し、発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、トリフルオロ酢酸の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化することを特徴とする脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法である。
本発明によれば、極めて温和な条件で、脂肪族環状炭化水素化合物から高収率で脂肪族ジカルボン酸化合物を製造することができる。しかも、水を使用しないため、溶媒の除去操作が容易となり、工業的利用価値は高い。
本発明の製造方法では、脂肪族環状炭化水素化合物を、トリフルオロ酢酸の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化して脂肪族ジカルボン酸化合物を製造する。
本発明において、原料として用いられる脂肪族環状炭化水素化合物は、目的とする脂肪族ジカルボン酸化合物の種類に応じて、試薬或いは工業原料として入手容易な化合物が何等制限なく使用できる。
本発明において、使用される脂肪族環状炭化水素化合物としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、メチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,1,3−トリメチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、tert−ブチルシクロヘキサン等の5〜12員環化合物を挙げることができる。
これらの脂肪族環状炭化水素化合物の中でも、生成物が単一化合物となるため、分子構造が対称構造をとるシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン等の脂肪族環状炭化水素化合物が本製造方法において好適に用いられる。
本発明は、過マンガン酸塩を必須成分とし、さらに、亜硝酸塩または硝酸塩により上記脂肪族環状炭化水素化合物を酸化するものである。つまり、本発明においては、上記脂肪族環状炭化水素化合物を酸化するに際し、過マンガン酸塩と亜硝酸塩、または過マンガン酸塩と硝酸塩とを使用する。なお、過マンガン酸塩、亜硝酸塩および硝酸塩を使用することもできる。このように組み合わせたものを使用することにより、温和な条件下で酸化反応を行うことができ、さらに、脂肪族ジカルボン酸化合物の収率を高めることができる。
本発明に用いられる過マンガン酸塩としては、工業的或いは試薬として入手容易な化合物が何等制限なく用いられる。これらを具体的に例示すると、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸リチウム等を挙げることができ、本発明においては、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上のものを混合して使用することもできる。これらの過マンガン酸塩の中でも、反応溶媒に対しての溶解性が高く、入手が容易な過マンガン酸カリウムが、本発明では特に好適に用いられる。
本発明に用いられる過マンガン酸塩の使用量は、原料とする脂肪族環状炭化水素化合物、その他、反応の雰囲気によって異なるため一概には言えないが、あまり量がすくないと酸化反応が進行し難く、他方、あまり量が多いと後処理操作が煩雑となる。そのため、原料として用いる脂肪族環状炭化水素化合物1モルに対して、0.5〜5モルとすることが好ましく、さらに0.7〜3モルとすることが好ましい。なお、2種類以上の過マンガン酸塩を使用する場合には、過マンガン酸塩の合計のモル数が上記範囲を満足することが好ましい。
本発明に用いられる亜硝酸塩としては、工業的或いは試薬として入手容易な化合物が何等制限なく用いられる。これらを具体的に例示すると、亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸銀等を挙げることができる。本発明においては、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
また、本発明に用いられる硝酸塩としては、工業的或いは試薬として入手容易な化合物が何等制限なく用いられる。これらを具体的に例示すると、硝酸アンモニウム、硝酸アンモニウムセリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸セシウム、硝酸ニッケル、硝酸サマリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸銀、硝酸亜鉛、硝酸銅、硝酸鉛等を挙げることができる。本発明においては、これらを単独で使用することもできるし、2種類以上のものを混合して使用することもできる。
以上の亜硝酸塩および硝酸塩の中でも、本発明において脂肪族ジカルボン酸化合物の収率をより高めるには、硝酸塩を使用することが好ましい。この硝酸塩の中でも、脂肪族ジカルボン酸化合物の収率を特に高めるには、硝酸アルカリ金属塩を使用することが好ましく、その中でも、硝酸ナトリウムを使用することが最も好ましい。そのため、本発明においては、過マンガン酸カリウムと硝酸ナトリウムとを使用することが最も好ましい。
本発明に用いられる亜硝酸塩または硝酸塩の使用量は、原料とする脂肪族環状炭化水素化合物、使用する過マンガン酸塩、その他、反応の雰囲気等に応じて適宜決定してやればよい。ただし、あまり量がすくないと酸化反応が進行し難く、他方、あまり量が多いと後処理操作が煩雑となるため、亜硝酸塩または硝酸塩の使用量は、原料として用いる脂肪族環状炭化水素化合物1モルに対して、0.5〜10モルとすることが好ましく、さらに0.7〜7モルとすることが好ましい。中でも、脂肪族ジカルボン酸化合物の収率をより高めるには、亜硝酸塩または硝酸塩の使用量は、上記範囲を満足し、かつ、過マンガン酸塩の使用モル数以上であることが最も好ましい。より具体的には、亜硝酸塩または硝酸塩の使用量は、上記範囲を満足し、過マンガン酸塩1モルに対して、1.0〜10モルであることが好ましく、さらに1.5〜5.0モルであることが好ましい。なお、2種類以上の亜硝酸塩を使用する場合には、亜硝酸塩の合計のモル数が上記範囲を満足することが好ましく、また、2種類以上の硝酸塩を使用する場合には、硝酸塩の合計のモル数が上記範囲を満足することが好ましい。さらに、亜硝酸塩と硝酸塩との両方を使用する場合には、両者の合計モル数が上記範囲を満足することが好ましい。
本発明は、トリフルオロ酢酸の存在下で実施され、このトリフルオロ酢酸は、溶媒を兼ねて用いられる。本発明に用いられるトリフルオロ酢酸の量は、特に制限はないが、あまり量が少ないと酸化反応の収率の低下を招き、他方、あまり量が多いと後処理操作が煩雑となる。そのため、通常、トリフルオロ酢酸の量は、脂肪族環状炭化水素化合物の濃度が好ましくは0.05〜60質量%、より好ましくは0.1〜30質量%を満足する範囲とする。
本発明において、トリフルオロ酢酸は、実質的に水を含まないものであることが好ましい。ただし、この「実質的に水を含まない」とは、水を積極的に添加しないということを指すものである。そのため、「実質的に水を含まない」トリフルオロ酢酸とは、不可避的に混入される不純物(例えば、1質量%以下)として水が含まれるものを除外するものではない。従って、上記トリフルオロ酢酸としては、蒸留等の操作によって乾燥、精製して使用することもできるが、工業原料として入手できる程度の含水量(例えば、水の含有量が1質量%以下)のものをそのまま使用することができる。このようなトリフルオロ酢酸の存在下で酸化反応を行うことによって、溶媒量を低減できるため、操作性が向上する。さらに、理由は明らかではないが、脂肪族ジカルボン酸化合物の収率を高めることもできる。
本発明において、反応温度は、温和な条件であれば特に制限はないが、あまり温度が高いと酸化反応が暴走し反応系が危険な状態になりやすく、あまり温度が低いと反応時間が著しく長くなるため、好ましくは0〜60℃、さらに好ましくは5〜40℃の範囲とする。
本発明において、反応時間は、原料となる脂肪族環状炭化水素化合物の種類、使用する過マンガン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩の種類、組み合わせによっても異なるため、適宜調整してやればよいが、通常、0.1〜30時間もあればよく、好ましくは0.5〜25時間、さらに好ましくは1.0〜20時間である。なお、この反応時間とは、原料となる脂肪族環状炭化水素化合物、使用する過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩との全てが混合された時点を反応開始として測定したものを指す。
本発明は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、本発明は、酸素、大気等の酸素存在下だけでなく、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性期待存在下でも実施可能である。中でも、酸素存在下の方が亜硝酸塩もしくは硝酸塩の使用量が低減でき、反応時間も短縮できる傾向にあるため、通常は大気或いは酸素雰囲気下で実施するのが一般的である。
本発明においては、以上のような条件において、トリフルオロ酢酸存在下、原料である脂肪族環状炭化水素化合物と、過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩とを混合することにより、脂肪族環状炭化水素化合物を酸化させて脂肪族ジカルボン酸化合物とする。得られる脂肪族ジカルボン酸化合物は、原料となる脂肪族環状炭化水素化合物の構造によって決定されるものであり、脂肪族環状炭化水素化合物が5〜12員環化合物である場合には、それに対応する脂肪族ジカルボン酸化合物が得られる。より具体的には、シクロヘキサンを原料とした場合には、1,4−ブタンジカルボン酸(アジピン酸)を得ることができる。
このようにして得られた脂肪族ジカルボン酸化合物の単離生成方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用される。例えば、先ず、反応終了後、反応溶媒であるトリフルオロ酢酸を室温下、減圧留去した後、残渣に5%程度の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性にして、塩化メチレンで抽出し、有機溶媒溶解成分を除去する。得られた水溶液に10%の塩酸を加えて水溶液を酸性にした後、水を減圧留去して、残渣に酢酸エチル水溶液を加えて不要成分を濾過し、濾液を減圧留去することで目的物である脂肪族ジカルボン酸化合物を得ることができる。
以上のような方法で単離精製された脂肪族ジカルボン酸化合物は、分子構造が対称構造をとる脂肪族環状炭化水素化合物では単一化合物となり、従来から知られている硝酸酸化のように複数の脂肪族ジカルボン酸化合物をほとんど生じないのが最大の特徴となっている。
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限させるものではない。尚、本実施例の収率はすべて出発原料の脂肪族環状炭化水素化合物の使用量を基準としたものである。
実施例1
50mlの茄子型フラスコに脂肪族環状炭化水素化合物としてシクロヘキサン(和光純薬試薬特級)84.2mg(1mmol)をとり、溶媒としてのトリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)5mlを加えて溶解させた。次に、過マンガン酸カリウム(和光純薬試薬特級)158mg(1mmol)を加えた後、酸素風船を取り付け酸素置換した。氷冷下、硝酸塩として硝酸ナトリウム(和光純薬特級)170mg(2mmol)を加えた。そのまま、30分間攪拌した後室温に戻して3時間30分攪拌した。反応終了後、室温下トリフルオロ酢酸を30mmHg下、大部分を留去した後、残渣に5%の炭酸水素ナトリウムを加えて塩基性にして塩化メチレン(15ml×3)で抽出した。残った水溶液に10%の塩酸を加えて酸性にした後、水を減圧留去し、残渣に酢酸エチルを30ml加え、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過によって除去した後、酢酸エチルを減圧留去したところ、1,4−ブタンジカルボン酸108mg(収率74%)を取得した。
実施例2〜4
硝酸ナトリウムに代えて表1に示した亜硝酸塩もしくは硝酸塩を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1示した。
Figure 2009184950

実施例5〜8
シクロヘキサンに代えて表2に示した脂肪族環状炭化水素化合物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表2に示した。
Figure 2009184950

比較例1
トリフルオロ酢酸に代えて、酢酸を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸の収量は14.6mg(収率10%)に留まった。
比較例2
硝酸ナトリウムを用いなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸の収量は33.6mg(収率23%)であった。
比較例3
過マンガン酸カリウムを用いない以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸は生成しなかった。
比較例4
過マンガン酸カリウムを用いない以外は、実施例3と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸は生成しなかった。

Claims (3)

  1. トリフルオロ酢酸の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を過マンガン酸塩と、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化することを特徴とする脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法。
  2. 前記脂肪族環状炭化水素化合物1モルに対して、過マンガン酸塩の使用量が0.5〜5モルであって、亜硝酸塩または硝酸塩の使用量が0.5〜10モルであることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法。
  3. 前記亜硝酸塩または硝酸塩の使用量が、前記過マンガン酸塩のモル数以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪族カルボン酸化合物の製造方法。
JP2008025594A 2008-02-05 2008-02-05 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP5052362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008025594A JP5052362B2 (ja) 2008-02-05 2008-02-05 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008025594A JP5052362B2 (ja) 2008-02-05 2008-02-05 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009184950A true JP2009184950A (ja) 2009-08-20
JP2009184950A5 JP2009184950A5 (ja) 2010-07-01
JP5052362B2 JP5052362B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=41068570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008025594A Expired - Fee Related JP5052362B2 (ja) 2008-02-05 2008-02-05 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5052362B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014111576A (ja) * 2012-11-01 2014-06-19 Nagasaki Univ 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法
CN112521266A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 中国石油化工股份有限公司 己二酸的生产方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309793A (ja) * 1994-03-22 1995-11-28 Mitsubishi Chem Corp 炭化水素類の酸化方法
JP2001213841A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Asahi Kasei Corp 二塩基酸類の製造方法
WO2005092827A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Tokuyama Corporation 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07309793A (ja) * 1994-03-22 1995-11-28 Mitsubishi Chem Corp 炭化水素類の酸化方法
JP2001213841A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Asahi Kasei Corp 二塩基酸類の製造方法
WO2005092827A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Tokuyama Corporation 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014111576A (ja) * 2012-11-01 2014-06-19 Nagasaki Univ 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法
CN112521266A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 中国石油化工股份有限公司 己二酸的生产方法
CN112521266B (zh) * 2019-09-18 2023-04-07 中国石油化工股份有限公司 己二酸的生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5052362B2 (ja) 2012-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI321560B (en) Process for the manufacture of carboxylic acids
JP5265130B2 (ja) 直鎖状の及びβ−アルキル分岐した脂肪族カルボン酸の接触的製造方法
JP4677402B2 (ja) 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法
CN107148415A (zh) 制备甘油酸碳酸酯的方法
CN107827730B (zh) 一种以对二甲苯(px)为原料合成对羟甲基苯甲酸的方法
JP5052362B2 (ja) 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法
JP2006504781A (ja) カルボン酸の製造方法
JP5055262B2 (ja) 水中におけるp−キシレンの液相酸化によるp−トルイル酸の製造方法
JP6150294B2 (ja) 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法
EP1748042B1 (en) Process for producing adipic acid
CN104829449B (zh) 一种合成2,5-二羟基对苯二甲酸的方法
JP6643005B2 (ja) 2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンの製造方法
JP3918640B2 (ja) 脂肪族ジカルボン酸の製造法
JP5822191B2 (ja) シクロヘキサノンの製造方法
JP2005306837A (ja) アダマンタノール類の製造方法
JP2005104857A (ja) シクロアルカノール及び/又はシクロアルカノンの製造方法
JP7236241B2 (ja) エステルの製造方法
JP4434751B2 (ja) カルボン酸の製造方法
JPH06211733A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JPS63132859A (ja) ピルビン酸エステルの製造方法
JPH0725811A (ja) ジアセチルビフェニルの製造方法
JPH0725820A (ja) アセチルビフェニルカルボン酸の製造方法
JP2002167352A (ja) 4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルの製造方法
JPS648609B2 (ja)
JPH08259529A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120724

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150803

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees