JP6150294B2 - 脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において、原料として用いられる脂肪族環状炭化水素化合物は、目的とする脂肪族ジカルボン酸化合物の種類に応じて、試薬或いは工業原料として入手容易な化合物が何等制限なく使用できる。
本発明の方法は、トリフルオロ酢酸の存在下で実施される。このトリフルオロ酢酸は、溶媒(反応溶媒)を兼ねて用いられる。そのため、本発明においては、その他の有機溶媒を使用することもできるが、トリフルオロ酢酸を反応溶媒として使用することができる。トリフルオロ酢酸のみを反応溶媒として使用する場合には、後処理等の操作性を改善できる。
本発明の方法は、N−ヒドロキシイミド化合物を必須成分とし、硝酸または硝酸塩により上記脂肪族環状炭化水素化合物を酸化するものである。つまり、本発明においては、上記脂肪族環状炭化水素化合物を酸化するに際し、N−ヒドロキシイミド化合物と硝酸、またはN−ヒドロキシイミド化合物と硝酸塩とを使用する。また、N−ヒドロキシイミド化合物と、硝酸および硝酸塩の両方を使用することもできる。このように組み合わせたものを使用することにより、温和な条件下で酸化反応を行うことができ、さらに、脂肪族ジカルボン酸化合物の収率を高めることができる。
本発明に用いられる硝酸としては、工業的或いは試薬として入手容易な化合物が何等制限なく用いられる。使用する硝酸の濃度としては、特に制限されるものではないが、濃度が低すぎると硝酸の酸化力が落ちるため、通常、50質量%以上の濃度の硝酸を使用することが好ましい。また、濃度の上限は、特に制限されるものではないが、工業的に入手が容易であるという理由から、98質量%である。
本発明において、反応温度は、特に制限されるものではないが、温度が高すぎると酸化反応の制御が困難になる傾向にあり、一方、温度が低すぎると反応時間が長くなる傾向にあるため、0〜60℃であることが好ましく、さらに5〜40℃であることが好ましい。
このようにして得られた脂肪族ジカルボン酸化合物の単離精製方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法が採用される。例えば、先ず、反応終了後、反応溶媒であるトリフルオロ酢酸を室温下、減圧留去した後、残渣に5質量%程度の炭酸水素ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えて塩基性にして、塩化メチレン等の非水溶性有機溶媒で抽出し、有機溶媒溶解成分を除去する。得られた水溶液に10質量%の塩酸等の酸性水溶液を加えて水溶液を酸性にした後、酢酸エチル等の非水溶性有機溶媒で抽出し、有機層(非水溶性有機溶媒層)を水で洗浄する。その後、硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて有機層を乾燥した後、乾燥剤を濾別して得られた濾液を減圧留去することにより、目的物である脂肪族ジカルボン酸化合物を単離精製することができる。
10mlの蓋付き試験管に脂肪族環状炭化水素化合物としてシクロヘキサン(和光純薬試薬特級)84.2mg(1.0mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(和光純薬試薬特級)32.6mg(0.2mmol)をとり、溶媒としてのトリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)1mlを加えて溶解させた。次に、70質量%硝酸0.190ml(硝酸(HNO3)のモル数3.0mmol)を加えた後、大気雰囲気下、室温(23℃)で18時間反応させた。反応終了後、室温下で減圧度30mmHgの条件でトリフルオロ酢酸および水の大部分を留去した後、残渣に5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした後、塩化メチレン(10ml×3)で抽出した。残った水溶液に10質量%の塩酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで(10ml×3)で抽出した。有機層を10mlの水で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、硫酸マグネシウムを濾過によって除去した後、酢酸エチルを減圧留去したところ、1,4−ブタンジカルボン酸125mg(収率86%)を取得した。
トリフルオロ酢酸の量を表1に示した量に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1示した。
70質量%硝酸の使用量を代え、表2に示した硝酸(HNO3)の使用量(モル数)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表2に示した。
N−ヒドロキシフタルイミドの量を表3に示した量に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表3に示した。
70質量%硝酸に代えて硝酸アンモニウム(使用量3.0mmol)を用い、N−ヒドロキシフタルイミドの量を表4に示した量にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表4に示した。
シクロヘキサンに代えて、表5に示した脂肪族環状炭化水素化合物を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表5に示した。
N−ヒドロキシフタルイミドに代えて、表6に示したN−ヒドロキシイミド化合物を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表6に示した
10mlの蓋付き試験管に脂肪族環状炭化水素化合物としてシクロヘプタン(和光純薬試薬特級)98.1mg(1.0mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(和光純薬試薬特級)48.9mg(0.3mmol)をとり、溶媒としてのトリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)1mlを加えて溶解させた。次に、70質量%硝酸0.253ml(硝酸(HNO3)のモル数4.0mmol)を加えた後、大気雰囲気下、室温(23℃)で24時間反応させた。反応終了後、室温下で減圧度30mmHgの条件でトリフルオロ酢酸および水の大部分を留去した後、残渣に5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした後、塩化メチレン(10ml×3)で抽出した。残った水溶液に10質量%の塩酸を加えて酸性にした後、酢酸エチルで(10ml×3)で抽出した。有機層を10mlの水で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、硫酸マグネシウムを濾過によって除去した後、酢酸エチルを減圧留去したところ、1,5−ペンタンジカルボン酸136mg(収率83%)を取得した。
N−ヒドロキシフタルイミドに代えてN−ヒドロキシトリメリット酸(和光純薬試薬特級)を使用した以外は実施例28と同様の操作を行った、その結果、1,5−ペンタンジカルボン酸155mg(収率97%)を取得した。
トリフルオロ酢酸を用いず、70質量%硝酸を合計1.190ml(HNO3のモル数)用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸の収量は17.0mg(収率11%)に留まった。
トリフルオロ酢酸に代えて、酢酸を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸は全く取得できなかった。
70質量%硝酸を用いなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、目的とするアジピン酸は全く取得できなかった。
Claims (1)
- トリフルオロ酢酸およびN−ヒドロキシイミド化合物、及び酸素の存在下、脂肪族環状炭化水素化合物を硝酸または硝酸塩で酸化することを特徴とする脂肪族ジカルボン酸化合物の製造方法。
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