JP2009179646A - ポリオキシアルキレンエーテル組成物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 沸点200℃以下のアルコール(a)にアルキレンオキサイド(b)を付加させて製造されるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法において、アルカリ金属アルコキシド(c)を存在させることにより、ポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)中のポリオキシアルキレンジオール(B)の含有量が5.0重量%以下であるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
すなわち、本発明は、沸点が200℃以下のアルコール(a)にアルキレンオキサイド(b)を付加させて製造されるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法において、アルカリ金属アルコキシド(c)を存在させ、ポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)中のポリオキシアルキレンジオール(B)の含有量が5.0重量%以下であるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法である。
また、本発明の製造法で得られたポリオキシアルキレンエーテル組成物は、ポリアルキレンジオールの不純物が少ないため、高純度が求められる分野、例えば、電子材料用途の原料に適する。
好ましくは、沸点が115℃以下のアルコールであり、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール、アリルアルコールなどが挙げられる。
さらに好ましくは、沸点が115℃以下のアルコールであり、n−プロパノール、イソプロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、アリルアルコールなどが挙げられる。特に好ましくは、イソブタノール、アリルアルコールである。
併用する場合は、1種類のアルキレンオキサイドを付加させたのち、他の種類のアルキレンオキサイドを付加させるブロック付加でもよいし、併用するアルキレンオキサイドをあらかじめ混合してから付加させるランダム付加でもよい。
これらのアルキレンオキサイドの種類のうち、好ましくは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、オキセタンであり、特に好ましくはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドである。
5.0%を超えると、1価のアルコールであるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)をさらにエステル化、ウレタン化などの方法で変性する際に、不純物のジオール成分が反応して、それが原因となる高分子量体、高粘度物、不溶解分が形成されやすくなる点で好ましくない。
一方、本発明のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)を製造する方法では、このような脱水などの工程を必要としない。
一例としては、耐圧容器にアルコール、触媒を仕込み、減圧で窒素置換を行い、加熱後アルキレンオキシドを容器圧力上限を超えないように滴下する方法が挙げられる。
オートクレーブに、メタノール(沸点:64.7℃)を100部、カリウムターシャリーブトキシド3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、120℃に温調して均一に溶解させた。
エチレンオキサイド900部を120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。同温度で圧平衡になるまで3時間熟成して本発明のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A−1)を得た。(A−1)中の不純物のポリオキシアルキレンジオールは、0.60%であった。また、目的物のポリオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は320、EOの平均付加モル数は6.5であった。
オートクレーブに、アリルアルコール(沸点:98.9℃)を100部、カリウムターシャリーブトキシド3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、120℃に温調して均一に溶解させた。
エチレンオキサイド500部とプロピレンオキサイド400部を予め混合したものを120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。同温度で圧平衡になるまで3時間熟成して本発明のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A−2)を得た。(A−2)中の不純物のポリオキシアルキレンジオールは、0.50%であった。
また、目的物のポリオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は580、EOの平均付加モル数は6.6、POの平均付加モル数は4.0であった。
オートクレーブに、エタノール(沸点:78.3℃)を100部、カリウムエトキシド3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、120℃に温調して均一に溶解させた。
プロピレンオキサイド900部を120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。同温度で圧平衡になるまで3時間熟成して本発明のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A−3)を得た。(A−3)中の不純物のポリオキシアルキレンジオールは、0.95%であった。また、目的物のポリオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は460、POの平均付加モル数7.1はであった。
オートクレーブに、イソブタノール(沸点:108℃)を100部、ナトリウムエトキシド3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、120℃に温調して均一に溶解させた。
エチレンオキサイド900部を120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。同温度で圧平衡になるまで3時間熟成して本発明のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A−4)を得た。(A−4)中の不純物のポリオキシアルキレンジオールは、0.75%であった。また、目的物のポリオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は740、EOの平均付加モル数は11.45であった。
オートクレーブに、アリルアルコールを100部、水酸化カリウム3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、120℃に温調して均一に溶解させた。
エチレンオキサイド500部とプロピレンオキサイド400部をあらかじめ混合したものを120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。次いで同温度にて圧平衡になるまで3時間熟成して比較のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A‘−1)を得た。(A‘−1)中の不純物のポリオキシアルキレンジオールは、6.20%であった。また、目的物のポリオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は565、EOの平均付加モル数は6.4、POの平均付加モル数3.9はであった。
オートクレーブに、アリルアルコールを100部、水酸化カリウム3.5部を投入して窒素置換を行った。撹拌下、100℃に温調して均一に溶解させたのち減圧下2kPaで脱水を行った。しかし、系内のアリルアルコールも沸騰して留去されてきたため、脱水操作を中止した。
その後、エチレンオキサイド500部とプロピレンオキサイド400部を予め混合したものを120℃でオートクレーブ内圧が0.5MPaを超えないように連続的に導入した。次いで同温度にて圧平衡になるまで3時間熟成して比較のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A‘−2)を得た。(A‘−2)中のポリオキシアルキレンジオールは、6.80%であった。
ところで、合成目的物としたポリオキシアルキレンエーテルの設計計算値は、数平均分子量は580、EOの平均付加モル数は6.6、POの平均付加モル数4.0である。しかし、得られた(A’−2)の数平均分子量は800、EOの平均付加モル数は9.4、POの平均付加モル数5.7はであり、合成目的のものではなかった。
<GPC測定条件>
装置 : HLC−8120GPC(東ソー社製)
カラム : TSKgel Super H4000
TSKgel Super H3000
TSKgel Super H2000
測定温度 : 40℃
溶離液 : THF
流速 : 0.6mL/min
試料溶液 : 0.25%THF溶液
溶液注入量: 10μL
検出装置 : 屈折率検出器
従って、変性物中あるいは溶剤中などで、高分子量化物が原因となる不溶解分を発生させないなど、高純度が求められる分野、例えば、電子材料用途の原料や、低粘度塗工性が要求されるさまざまな塗料用バインダー、溶剤などに適するポリオキシアルキレンエーテルを提供できる。
Claims (5)
- 沸点が200℃以下のアルコール(a)にアルキレンオキサイド(b)を付加させて製造されるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法において、アルカリ金属アルコキシド(c)を存在させ、ポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)中のポリオキシアルキレンジオール(B)の含有量が5.0重量%以下であるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法。
- 該アルカリ金属アルコキシド(c)のアルキル基がターシャリーブチル基である請求項1記載のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法。
- 該アルカリ金属アルコキシド(c)のアルカリ金属がカリウムまたはナトリウムである請求項1または2記載のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法。
- 該アルコール(a)が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノールおよびアリルアルコールからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれか記載のポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)の製造法。
- 沸点が200℃以下のアルコール(a)のアルキレンオキサイド(b)を付加させて製造されるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)であって、ポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)中のポリオキシアルキレンジオール(B)の含有量が5重量%以下であるポリオキシアルキレンエーテル組成物(A)。
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