JP2013147613A - ポリエーテルポリオールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分子量制御が容易であり、煩雑な前処理や後処理を必要としない簡便なポリエーテルポリオールの製造方法を提供する。
【解決手段】 希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒の存在下、重合促進剤としての無水酢酸を用いないで、活性水素化合物と環状エーテルを重合させることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。前記ルイス酸触媒としては、スカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)3]及びスカンジウム(III)トリフリルイミド[Sc(NTf23]が特に好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にポリウレタン樹脂の原料として有用なポリエーテルポリオールの製造方法に関する。
ポリエーテルポリオールは、ロール等の成型品やコーティング剤等に使用されるポリウレタン樹脂のポリオール成分として用いられてきた。特にポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記)はその優れた弾性特性からポリウレタン原料ポリオールとして有用である。PTMGの重合触媒としては、三弗化ホウ素−弗化水素(BF3−HF)系、発煙硫酸及びフルオロスルホン酸(例えば、特許文献1参照)等が知られている。しかし、これらの触媒系では使用する触媒の量が多量であり、重合後に多量の廃酸処理等、煩雑な後処理が必要となるという問題がある。また、ヘテロポリ酸を重合触媒とする方法についても報告されている(例えば、特許文献2参照)が、この場合はヘテロポリ酸の前処理を実施しその水和数をヘテロポリアニオン1個当たり15分子以下に限定する必要があり、更に実用上はヘテロポリ酸をモノマーと同量程度使用する必要もあり、その回収も困難である等の問題点がある。
上述のような均一系酸触媒ではなく固体酸触媒を用いた重合方法も報告されている(例えば特許文献3参照)。この場合は廃酸処理や触媒回収といった課題はないが、不均一反応であるため分子量制御が極めて困難であり、触媒の分子レベルの設計が要求される。
また、PTMGは通常、上述の超強酸触媒の存在下、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)を重合促進剤である無水酢酸と共に重合させて得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールジ酢酸エステルを脂肪族アルコールとエステル交換して、蒸留により副生する酢酸を蒸留分離して製造される(例えば、特許文献4参照)。THFは重合性が低いため前処理、後処理が必要な超強酸触媒の使用が不可欠であり、無水酢酸の使用も必須であるためこの方法でのPTMGの製造プロセスは非常に煩雑となっている。
以上のように、THFは重合性が低く使用できる触媒種が限定されていることに加えて、無水酢酸のような重合促進剤の使用が不可欠であるために、その製造プロセスは極めて煩雑なものでありPTMGの簡便な製造方法は従来なかった。
特開平07−228685号公報 特開昭61−123628号公報 特開2001−302784号公報 特開平11−269262号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、分子量制御が容易であり、煩雑な前処理や後処理を必要としない簡便なポリエーテルポリオールの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒の存在下、重合促進剤としての無水酢酸を用いないで、活性水素化合物と環状エーテルを重合させることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法である。
本発明の製造方法は、ポリエーテルポリオールの分子量制御が容易であり、また、煩雑な前処理や後処理を必要としないため、ポリエーテルポリオールを簡便に製造することができる。
本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒の存在下、重合促進剤としての無水酢酸を用いないで、活性水素化合物と環状エーテルを重合させることを特徴とする。
希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒としては、一般式(1)で表される錯体化合物が挙げられる。
Figure 2013147613
一般式(1)におけるMは、希土類金属、即ちスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)若しくはルテチウム(Lu)、又はこれら希土類金属のカチオンを表す。
Lが後述の一般式(2)で表される基又はハロゲン原子の場合、Mは希土類金属であり、Lが後述のアニオンの場合、Mは希土類金属のカチオンである。
Lは、フェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基及びフッ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の基又は原子で4置換されたボレートアニオン、アセチルアセトネートアニオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートアニオン、一般式(2)で表される基又はハロゲン原子を表し、複数個ある場合のLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2013147613
一般式(2)におけるXは、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はリン原子を表し、Yはフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルスルホニル基又はフッ素原子を表し、複数個ある場合のYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)におけるcは1〜3の整数を表し、Xが窒素原子の場合cは2、炭素原子の場合cは3、硫黄原子又は酸素原子の場合cは1、リン原子の場合cは2〜4である。
一般式(1)におけるaは1〜3の整数を表し、(Lの価数×a)はMの価数に等しく、Zは希土類金属に配位しうる中性配位子を表し、bは0〜3の整数である。
中性配位子としては、水及びエーテル(例えばジメチルエーテル及びテトラヒドロフラン)が挙げられる。
中性配位子を有する有効なルイス酸触媒の具体例としては、ビス(n−シクロペンタジエニル)テトラヒドロフラン−ビス(トリフルオロメタンスルホネート)ジルコニウム及びビス(n−シクロペンタジエニル)テトラヒドロフラン−ビス(トリフルオロメタンスルホネート)ハフニウム等が挙げられる。
一般式(1)で表されるルイス酸触媒の中でも、反応速度の観点から、特にスカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)3]又はスカンジウム(III)トリフリルイミド[Sc(NTf23]が好ましい。尚、上記及び以下におけるTfはトリフルオロメチルスルホニル基を表す。
希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるルイス酸触媒の使用量は、反応速度の観点から、原料となる活性水素化合物と環状エーテルの合計モル数に対して0.0001〜1モル%であることが好ましい。
本発明で使用される環状エーテルとしては、一般式(3)〜(5)で表される環状エーテルが挙げられる。
Figure 2013147613
Figure 2013147613
Figure 2013147613
一般式(3)〜(5)におけるR1〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、一般式(3)におけるdは2又は3である。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル及びエイコシル基等)、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、メタリル、オクテニル及びドデセニル基等)、アリール基(フェニル及びナフチル基等)、アラルキル基(ベンジル及びフェニルエチル基等)並びにアルキルアリール基(メチルフェニル、エチルフェニル及びノニルフェニル基等)等が挙げられる。
環状エーテルとして特に好ましいのは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド及びテトラヒドロフランである。
環状エーテルは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明における活性水素化合物としては、水及び水酸基含有化合物が挙げられる。活性水素化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水酸基含有化合物としては、一般式(6)で表されるジオールを用いることが好ましい。
Figure 2013147613
一般式(6)におけるR11及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、e、f及びgはそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、かつe、f及びgの合計は2以上である。
一般式(6)で表されるジオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、1,7−ヘプタンジオール及び1,8−オクタンジオール等が挙げられる。炭素数2〜6のジオールは比較的低沸点である為、蒸留による回収が容易である。また、これらのジオールの中でも、ネオペンチルグリコールと1,6−ヘキサンジオールは、THFとの共重合で得られるポリエーテルポリオールを用いて物性の優れたポリウレタン樹脂を製造することができるので好ましい。
本発明の製造方法において、水又は少量の水酸基含有化合物を用いる場合、水又は少量の水酸基含有化合物を開始剤として環状エーテルが開環重合することによりポリエーテルポリオールが得られる。また、本発明の製造方法においては水酸基含有化合物を開始剤としてのみならず、環状エーテルとの共重合成分として使用することも可能である。この場合、環状エーテルが開環重合すると共に環状エーテルの開環により生成した水酸基と水酸基含有化合物の水酸基とが脱水エーテル化することによりポリエーテルポリオールが得られる。
従って、本発明における上記の活性水素化合物の使用量は、その使用目的により選択されるが、反応性の観点からは環状エーテルと活性水素化合物の合計モル数を基準として0.1〜90モル%であることが好ましい。
本発明における環状エーテルと活性水素含有化合物の共重合比は、ポリエーテルポリオールの1H−NMR測定[観測周波数:400MHz、パルス幅:45°、観測温度:室温、積算回数:64回、溶媒:CDCl3]により求めることができる。例えば、環状エーテルとしてTHFを、活性水素含有化合物としてネオペンチルグリコールを用いた場合、THF由来のテトラメチレン基の両サイドのメチレン基のメチレンプロトンの積分値とネオペンチルグリコールのメチルプロトンの積分値から共重合比を算出できる。
本発明の製造方法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0以下である分子量分布の狭いポリエーテルポリオールを得ることができる。
本発明におけるMn及びMw/Mnは、以下の装置及び測定条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。
(1)測定機器
装置:HLC−8220GPC[東ソー(株)社製]、カラム:TSKgel SuperH3000を1本、TSKgel SuperH2000を2本及びTSKgel SuperH1000を2本[東ソー(株)社製]
(2)測定条件
検出器:示差屈折計(RI)、温度:40℃、溶離液:クロロホルム(HPLCグレード)、溶離液の流速:0.4ml/分、サンプル:試料を0.5重量%の濃度でクロロホルムに溶解した溶液、サンプル注入量:20μl、標準物質:ポリスチレン(Mn=96000、30300、13000、7000、5050、2100、1300、580)。
本発明の製造方法により得られるポリエーテルポリオールをポリウレタン樹脂用のポリオールとして用いる場合、そのMnは500〜10000であることが好ましく、更に好ましくは800〜5000である。
本発明の製造方法における重合温度は、好ましくは−80℃〜130℃であり、重合時間は特に限定されず、ルイス酸触媒の使用量等にもよるが、1〜10時間であることが好ましい。また、重合反応は、常圧で行っても加圧下で行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、部は重量部を表す。
<実施例1>
撹拌装置と還流冷却器を備えた容器に、テトラヒドロフラン200部とネオペンチルグリコール28.8部とスカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)3]0.48部を仕込み、30℃に保持し、撹拌しながら5時間重合させた。続いて、テトラヒドロフラン200部で希釈して強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーリスト:オルガノ社商品名)25部を添加し、室温で2時間混合した。その後、イオン交換樹脂を濾別し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液中の未反応のテトラヒドロフランを回収し、透明で粘稠なポリエーテルポリオール171.6部(収率75%)を得た。
<実施例2>
スカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)3]0.48部をスカンジウム(III)トリフリルイミド[Sc(NTf23]0.085部に代える以外は実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエーテルポリオール180.1部(収率78%)を得た。
<実施例3>
スカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)3]0.48部をイッテルビウムトリフラート[Yb(OTf)3]0.60部に代える以外は実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエーテルポリオール163.6部(収率71%)を得た。
<実施例4>
重合時のテトラヒドロフラン200部をオキセタン161部に代える以外は実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエーテルポリオール150部(収率79%)を得た。
<実施例5>
ネオペンチルグリコール28.8部を3−メチル−1,5−ペンタンジオール32.7部に代える以外は実施例1と同様にして、透明で粘稠なポリエーテルポリオール175部(収率75%)を得た。
<比較例1>
撹拌装置と還流冷却器を備えた容器に、テトラヒドロフラン200部とネオペンチルグリコール28.8部と54重量%ホウ弗化水素ジエチルエーテル溶液1.2部を仕込み、30℃に保持し、撹拌しながら5時間撹拌した。続いて、水酸化ナトリウム45.9部を水176.5部に溶解した水酸化ナトリウム水溶液を加えて、静置して水層と有機層に成層分離し、水層を除去した。得られた有機層からロータリーエバポレーターにより低沸点成分を除去したところ、重合は進行していなかった。
<比較例2>
撹拌装置と還流冷却器を備えた容器に、テトラヒドロフラン200部とネオペンチルグリコール28.8部と市販のリンタングステン酸(水和数25)0.56部を仕込み、30℃に保持し、撹拌しながら5時間重合させた。続いて、テトラヒドロフラン200部で希釈して弱塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライト:オルガノ社商品名)25部を添加し、室温で2時間混合した。その後、イオン交換樹脂を濾別し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液中の未反応のテトラヒドロフランを回収し、透明で粘稠なポリエーテルポリオール45.8部(収率20%)を得た。
<比較例3>
5モル%ZrO2−SiO2複合酸化物触媒を特開平9−94464号公報の実施例1に準じて調製した。即ち、シリカ(富士シリシア社製「キャリアクトQ−15」、平均細孔径150オングストローム、粒径300メッシュ以下)10.0部を、オキシ硝酸ジルコニウム・2水塩2.34部及び尿素1.14部を含有する水溶液20部に加えた。60℃で水を減圧留去し、見かけ上乾燥した固体を得た。空気流通下、この固体を一定の昇温速度で1時間かけて120℃まで昇温し、引き続いて2時間30分かけ800℃まで昇温した。800℃で3時間保持した後放冷し、5モル%ZrO2−SiO2複合酸化物触媒を得た。
撹拌装置と還流冷却器を備えた容器に、テトラヒドロフラン200部とネオペンチルグリコール28.8部と上記で調整した5モル%ZrO2−SiO2複合酸化物触媒68.6部を仕込み、30℃に保持し、撹拌しながら5時間重合させた。続いて、5モル%ZrO2−SiO2複合酸化物触媒を濾別し、ロータリーエバポレーターを用いて濾液中の未反応のテトラヒドロフランを回収し、透明で粘稠なポリエーテルポリオール114.4部(収率50%)を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜3における収率、得られたポリエーテルポリオールのMw、Mn及びMw/Mnの値並びにポリエーテルポリオール中の環状エーテルに由来の構成単位と活性水素含有化合物に由来の構成単位とのモル比を表1に示した。表1から、実施例1〜5で得られたポリエーテルポリオールは分子量分布が狭く、活性水素含有化合物の共重合比率が高いことがわかる。これに対し、比較例1では反応が進行していない。これは比較例1では重合触媒である超強酸のプロトンがネオペンチルグリコールの水酸基に捕捉された結果、テトラヒドロフランのカチオン開環重合が進行しなかったことが原因であると考えられる。比較例2では重合が十分に進行せずネオペンチルグリコールの共重合比率が低いことがわかる。これはネオペンチルグリコールの水酸基がヘテロポリ酸に配位することによって、触媒能が低下したと考えられる。また、比較例3では、ネオペンチルグリコールの共重合比率は実施例のものと同等であるものの、分子量分布が広い。これは固体触媒であるため、ネオペンチルグリコールのような活性水素化合物の存在下でもルイス酸としてが比較的安定に存在できる結果、重合が進行したものと考えられる。しかし不均一反応系であるために重合に偏りが生じ、分子量分布が広くなったものと推定される。
Figure 2013147613
本発明により製造されるポリエーテルは、ロール等の成型品やコーティング剤等、幅広い用途に使用されるポリウレタン樹脂のポリオール成分として工業利用することができる。本発明の製造方法により、少量のルイス酸触媒の使用によって、種々の環状エーテルと活性水素化合物を共重合してポリエーテルを製造することが可能であり、使用したルイス酸触媒はイオン交換樹脂にて簡単に吸着除去する事ができ、その後は未反応の環状エーテルを留去するだけでポリエーテルポリオールが得られる。このように重合反応にて一挙に末端水酸基を有するポリエーテルを合成するものであり、従って、無水酢酸のような副原料は不要であり、加水分解操作や洗浄操作等も必要ないことから、これらの廃酸や廃水の処理も必要としない極めて簡単な重合方法である。また、ポリエーテルポリオールに適度な結晶性を付与することも可能であることから、弾性特性、低温特性に優れた高品質なポリエーテルポリオールであり、産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (9)

  1. 希土類金属を活性中心とするルイス酸触媒の存在下、重合促進剤としての無水酢酸を用いないで、活性水素化合物と環状エーテルを重合させることを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
  2. 前記ルイス酸触媒が、一般式(1)で表されるルイス酸触媒である請求項1記載の製造方法。
    Figure 2013147613
    [式中、Mは希土類金属又はLがアニオンの場合、希土類金属のカチオンを表し、Lはフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基及びフッ素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の基又は原子で4置換されたボレートアニオン、アセチルアセトネートアニオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートアニオン、一般式(2)で表される基又はハロゲン原子を表し、複数個ある場合のLはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、aは1〜3の整数を表し、(Lの価数×a)はMの価数に等しく、Zは希土類金属に配位しうる中性配位子を表し、bは0〜3の整数である。]
    Figure 2013147613
    [式中、Xは、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はリン原子を表し、Yはフェニル基、パーフルオロフェニル基、トリフルオロメチルスルホニル基又はフッ素原子を表し、複数個ある場合のYはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、cは1〜3の整数を表し、Xが窒素原子の場合cは2、炭素原子の場合cは3、硫黄原子又は酸素原子の場合cは1、リン原子の場合cは2〜4である。]
  3. 前記ルイス酸触媒が、スカンジウム(III)トリフラート又はスカンジウム(III)トリフリルイミドである請求項1記載の製造方法。
  4. 環状エーテルが、一般式(3)〜(5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状エーテルである請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
    Figure 2013147613
    Figure 2013147613
    Figure 2013147613
    [式中、R1〜R10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、dは2又は3である。]
  5. 環状エーテルが、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド又はテトラヒドロフランからなる群から選ばれる少なくとも1種の環状エーテルである請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  6. 活性水素化合物が、水又は水酸基含有化合物である請求項1〜5記載の製造方法。
  7. 水酸基含有化合物が、一般式(6)で表されるジオールである請求項6記載の製造方法。
    Figure 2013147613
    [式中、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、e、f及びgはそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、かつe、f及びgの合計は2以上である。]
  8. 重合温度が−80℃〜130℃である請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8に記載した製造方法で得られ、下記(1)〜(3)を満たすポリエーテルポリオール。
    (1) 数平均分子量(Mn)が800〜5000である。
    (2)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0以下である。
    (3)製造に用いられる活性水素化合物の量が、環状エーテルと活性水素化合物の合計モル数を基準として0.1〜90モル%である。
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