JP2009176854A - 基板収納カセット - Google Patents

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Abstract

【課題】収納された基板が回動されて所定の位置で保持されることで、塵埃の付着が低減される簡易な構成の基板収納カセットの提供。
【解決手段】複数のガラス基板30が互いの主面31を略平行にして収納されるように一面11に開口部12が形成されたカセット本体10と、カセット本体10の、ガラス基板30の収納方向Cとガラス基板30の側面32とに沿い、互いに対向するように形成された一対の側面部13,14と、一対の側面部13,14のそれぞれから略直角に突出して形成された支持軸15,16と、一対の側面部13,14に沿って形成された一対の側壁部23,24と、一対の側壁部23,24に支持軸15,16を介してカセット本体10を回動可能に支持するように形成された貫通孔21,22と、ガラス基板30が所定の位置で保持されるようにカセット本体10の回動を規制する回動規制部40と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板が収納される基板収納カセットに関する。
従来、液晶パネル、有機ELパネルなどの表示装置の製造においては、主にガラス基板上に素子を形成する方法が取られている。その中でも有機ELパネルの製造においては、搬送中にガラス基板に付着する塵埃が、主要な表示欠陥の原因となることが知られている。
このような搬送中におけるガラス基板への塵埃の付着を低減するためには、基板収納容器に水平状態で収納され、水平状態のまま搬送されているガラス基板を、塵埃が付着しにくい垂直状態にして搬送することが必要である。
これに関して、カセット(基板収納カセット)を回動させて、収納されたガラス基板の方向を変化させるカセット搬送装置が知られている(特許文献1参照)。
このカセット搬送装置は、上下動可能に構成されたチャック機構が、ガラス基板が水平状態で収納されているカセットの一端側に位置合わせされ、カセットの一端が一対のクランプで狭持され、チャック機構に連結された回転駆動機構が操作されることにより、カセットが回動されて内部に収納されたガラス基板が垂直状態になる構成となっている。
特開平8−259193号公報
しかしながら、上記カセット搬送装置は、チャック機構およびチャック機構に連結された回転駆動機構が、多数の部品からなる複雑な構成となっており、その製造に多大な工数を要するという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる基板収納カセットは、複数の基板が互いの主面を略平行にして収納されるように一面に開口部が形成されたカセット本体と、前記カセット本体の、前記基板の収納方向と前記基板の側面とに沿い、互いに対向するように形成された一対の側面部と、前記一対の側面部のそれぞれから前記カセット本体の外側に向かって、前記一対の側面部のそれぞれに対して略直角に突出して形成された支持軸と、前記一対の側面部に沿って形成された一対の側壁部と、前記一対の側壁部に前記支持軸を介して前記カセット本体を回動可能に支持するように形成された支持部と、前記基板が所定の位置で保持されるように前記カセット本体の回動を規制する回動規制部と、を備えることを特徴とする。
これによれば、基板収納カセットは、カセット本体の互いに対向する一対の側面部のそれぞれから、略直角に突出して形成された支持軸と、一対の側面部に沿って形成され、支持軸を介してカセット本体を回動可能に支持する支持部を有する一対の側壁部とを備えている。
そして、基板収納カセットは、基板が所定の位置で保持されるように、カセット本体の回動を規制する回動規制部を備えている。
このことから、基板収納カセットは、回動規制部により基板が所定の位置としての例えば、略垂直状態で保持されることで、搬送時などに基板への塵埃の付着を低減することができる。これにより、基板収納カセットは、塵埃の付着に起因する基板の不良を低減することができる。
また、基板収納カセットは、回動規制部により基板が所定の位置として、例えば、略水平状態で保持されることで、基板のカセット本体への収納および取り出しを従来と同様の方法で行うことができる。
また、この適用例によれば、上記のような基板収納カセットを、カセット本体と、一対の側壁部と、回動規制部とからなる簡素な構成とすることで、工数を要さずに容易に製造することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記一対の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に前記支持軸の突出方向に沿って配設された案内軸と、前記側壁部に、前記案内軸が挿通され、前記案内軸が前記カセット本体とともに回動可能に形成された円弧状の案内孔と、前記基板が所定の位置であるときに、前記案内軸が前記案内孔に係止されるように形成された係止部と、を備えることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、回動規制部が、カセット本体の側面部の外側に配設された案内軸と、案内軸がカセット本体とともに回動可能となるように側壁部に形成された円弧状の案内孔と、基板が所定の位置であるときに、案内軸が案内孔に係止されるように形成された係止部と、を備えている。
このことから、基板収納カセットは、回動規制部を、案内軸と案内孔と案内軸が案内孔に係止される係止部とからなる簡易な構成で形成することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記係止部が、前記案内孔に形成された切り欠き部と、前記案内軸と前記支持軸とを結ぶ一の方向に移動可能で、且つ弾性部材により前記一の方向に押圧された状態に配設された前記案内軸と、を有し、前記案内軸が前記案内孔の切り欠き部の開口位置にあるときに、前記弾性部材により移動されて前記切り欠き部に係止されることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、案内軸が案内孔の切り欠き部に弾性部材により押圧されて係止されていることから、カセット本体を確実に係止することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記係止部が、前記案内孔に形成された切り欠き部と、前記支持軸と前記支持部との間に形成された隙間と、を有し、前記案内軸が前記案内孔の切り欠き部の開口位置にあるときに、前記支持軸とともに前記案内軸が前記隙間分移動することにより、前記案内軸が前記切り欠き部に係止されることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、案内軸が案内孔の切り欠き部の開口位置にあるときに、支持軸とともに案内軸が隙間分移動することにより、案内軸が切り欠き部に係止される。このことから、基板収納カセットは、適用例3より簡易な構成でカセット本体を確実に係止することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記案内軸が前記カセット本体のコーナー部に配設されていることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、案内軸がカセット本体のコーナー部に配設されていることから、支持軸と案内軸との距離を長くすることができる。このことから、基板収納カセットは、案内軸と切り欠き部との係止位置のばらつきによるカセット本体の回動角度のずれが、支持軸と案内軸との距離が短い場合と比較して小さいことにより、カセット本体の回動規制の位置精度を向上することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記一対の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に前記一対の側壁部の少なくとも一方に弾性変形して当接するように形成された係止部材と、前記側壁部の前記係止部材が当接する面に形成された係合部と、を有し、前記基板が所定の位置であるときに、前記係止部材が弾性変形により前記係合部に係止されることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、回動規制部が、カセット本体の側面部の外側に、側壁部に弾性変形して当接するように形成された係止部材と、側壁部の係止部材が当接する面に形成された係合部と、を有している。そして、基板が所定の位置であるときに、係止部材が弾性変形により係合部に係止される。
このことから、基板収納カセットは、弾性変形可能な係止部材および側壁部の係合部という、適用例3より簡易な構成でカセット本体を係止することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記カセット本体の、前記基板の主面に沿うとともに互いに対向するように形成された一対の他の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に配設された第1の磁性体と、前記カセット本体の、前記一面に対向するように形成された他面の、前記カセット本体の外側に配設された第2の磁性体と、前記一対の側壁部を互いに繋ぐ連結部と、前記連結部における前記カセット本体側の面に配設された電磁石と、を有し、前記基板が所定の位置であるときに、前記電磁石と前記第1の磁性体および前記第2の磁性体との磁力により、前記カセット本体の回動が規制されることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、回動規制部が、電磁石と第1の磁性体および第2の磁性体との磁力により、カセット本体の回動を規制することから、回動規制を非接触で行うことができる。
[適用例8]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記カセット本体が、前記カセット本体に収納された前記基板の揺動を抑制する基板制止部材を備えることが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、基板制止部材により、カセット本体に収納された基板の揺動を抑制することができる。このことから、基板収納カセットは、例えば、基板が略垂直状態になるようにカセット本体を回動させたときに、基板が、カセット本体内で略垂直状態からカセット本体との隙間分だけ傾斜することがなく、基板への塵埃の付着をより低減することができる。また、搬送時の基板の揺動に起因する塵埃の発生を回避することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記基板収納カセットが、前記カセット本体を挟んで対向する一対の送風ファンユニットと、除塵フィルタと、を有し、前記カセット本体を構成する六つの面が開口部を有し、前記一対の送風ファンユニットの一方が、前記カセット本体の上方に略水平に配設され、他方が、前記カセット本体の下方に略水平に配設され、前記一方の送風ファンユニットの前記カセット本体側に前記除塵フィルタが配設され、前記一方の送風ファンユニットから他方の送風ファンユニットへ吹き降ろす送風が可能なことが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、カセット本体を挟んで対向する一対の送風ファンユニットを有し、除塵フィルタを介して一方の送風ファンユニットから他方の送風ファンユニットへ吹き降ろす送風が可能であることから、除塵された送風により基板への塵埃の付着をさらに低減することができる。
[適用例10]上記適用例にかかる基板収納カセットにおいて、前記基板の所定の位置が、一方の略水平状態と、略垂直状態と、前記一方の略水平状態から約180度回転された他方の略水平状態と、を含むことが好ましい。
これによれば、基板収納カセットは、基板を一方の略水平状態と、略垂直状態と、一方の略水平状態から約180度回転された他方の略水平状態とで保持することができる。
このことから、基板収納カセットは、上記適用例1で説明した効果に加えて、カセット本体を一方の略水平状態から他方の略水平状態にすることにより、搬送時に基板を反転させることができ、製造工程内での基板の反転作業が省略され、基板の生産効率を向上させることができる。
以下、基板収納カセットの実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態における基板収納カセットの概略構成を示す斜視図である。図1(a)は、収納された基板が略水平状態で保持されている状態を示し、図1(b)は、収納された基板が略垂直状態で保持されている状態を示している。
図2は、基板収納カセットの回動規制部を示す平断面図である。図2(a)は、図1(a)の矢印Aから見た平面図、図2(b)は、図2(a)のB−B線での断面図である。
図1に示すように、基板収納カセット1は、カセット本体10と、支持部材20などから構成されている。
カセット本体10は、導電性エンジニアリング樹脂、PEEK(登録商標)(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂などを主材料として形成されている。カセット本体10は、複数の基板としてのガラス基板30が、互いの主面31が略平行になるように、一面11に形成された開口部12から図示しないスロット部分に収納されている。なお、スロット部分には、収納されたガラス基板30が一面11の反対側に飛び出さないように図示しないストッパが形成されている。
なお、ガラス基板30の主面31とは、ガラス基板30における素子が形成される面のことをいう。
カセット本体10には、ガラス基板30の収納方向である矢印C方向とガラス基板30の側面32とに沿い、互いに対向する一対の側面部13,14が形成されている。そして、一対の側面部13,14のそれぞれから、カセット本体10の外側に向かって、一対の側面部13,14のそれぞれに対して略直角に突出した支持軸15,16が形成されている。なお、支持軸15,16の材料には、ステンレス鋼などの金属材料が用いられる。また、支持軸15と支持軸16とは、一対の側面部13,14を貫通し、一体に形成されていてもよい。
支持部材20は、導電性エンジニアリング樹脂、PEEK(登録商標)樹脂などを主材料として、矢印C方向から見たときに略U字状に形成されている。
支持部材20は、一対の側壁部23,24がカセット本体10の一対の側面部13,14に沿って形成されている。そして、一対の側壁部23,24には、支持軸15,16を介してカセット本体10を矢印D方向に回動可能に支持する支持部としての貫通孔21,22が形成されている。そして、一対の側壁部23,24は、連結部としての底面部25により互いに繋がれている。
基板収納カセット1には、外力によりカセット本体10が支持軸15,16を中心にして矢印D方向に回動される際に、ガラス基板30が略水平状態(図1(a)の状態)および略垂直状態(図1(b)の状態)で保持されるように、カセット本体10の回動を規制する回動規制部40が形成されている。
回動規制部40は、カセット本体10の側面部13からカセット本体10の外側に、支持軸15の突出方向に沿って配設された案内軸17を有している。そして、回動規制部40は、支持部材20の側壁部23に案内軸17が挿通され、案内軸17がカセット本体10とともに矢印D方向に回動できるように形成された円弧状の案内孔26を有している。
そして、回動規制部40は、ガラス基板30が略水平状態および略垂直状態であるときに案内軸17が案内孔26に係止されるように形成された係止部41,41a,41bを備えている。
係止部41,41a,41bは、図2に示すように、案内孔26に形成された切り欠き部28(28a,28b)に、案内軸17と支持軸15(図1参照)とを結ぶ方向で、弾性部材としてのコイルばね42により矢印E方向に押圧された案内軸17が係止されるように形成されている。
なお、案内軸17は、根元部から矢印Eの反対方向に延設されたスライド軸部17aにコイルばね42がセットされ、コイルばね42が圧縮された状態で側面部13の溝部13aに組み込まれている。これにより、案内軸17は、コイルばね42の反力で常に矢印E方向に押圧されている。また、案内軸17は、案内軸17が挿通される長円孔13bが形成された案内軸押さえ13cと側面部13の溝部13aとの間に狭持されるように配設されている。また、案内軸17は、コイルばね42の反力を上回る外力により矢印Eの反対方向へ移動可能に配設されている。
なお、コイルばね42の反力は、ガラス基板30が収納された状態のカセット本体10の重量、案内軸17と切り欠き部28との係合状態、案内軸17を矢印Eの反対方向へ移動させるために必要な外力との兼ね合いなどにより適宜設定される。なお、案内軸17、コイルばね42の材料には、ステンレス鋼などの金属材料が用いられる。
ここで、基板収納カセット1の動作を図1、図2を参照して説明する。
有機ELパネルなどの表示装置の各製造工程における、ガラス基板30のカセット本体10への収納、取り出しは、ロボットアームなどによるハンドリングを効率的に行うためにガラス基板30が略水平状態で行われる。
このことから、基板収納カセット1は、図1(a)の状態でガラス基板30の収納、取り出しが行われる。このとき、基板収納カセット1は、係止部41により、カセット本体10に配設された案内軸17が、コイルばね42で矢印E方向に押圧された状態で、案内孔26に形成された切り欠き部28に係止されている。
これにより、基板収納カセット1は、カセット本体10の回動が規制され、ガラス基板30が略水平状態で保持される。
ガラス基板30が収納された基板収納カセット1は、下記の手順で、ガラス基板30が図1(a)の略水平状態から図1(b)の略垂直状態にされて各製造工程間を搬送される。
まず、切り欠き部28に係止されている案内軸17を矢印Eの反対方向へ押して移動させて、案内軸17を切り欠き部28から離し、係止を解除する。
ついで、案内軸17の係止を解除した状態でカセット本体10を、図1(a)に示す矢印F方向に約90度回動して、図1(b)に示すように、案内軸17を係止部41aの切り欠き部28aに係止する。
このとき、基板収納カセット1は、係止部41aにより、カセット本体10に配設された案内軸17が、コイルばね42で矢印E’方向に押圧された状態で、案内孔26に形成された切り欠き部28aに係止されている。
これにより、基板収納カセット1は、カセット本体10の回動が規制され、ガラス基板30が略垂直状態で保持される。
ついで、搬送先の製造工程に到着後、上記と逆の手順でカセット本体10を略垂直状態から略水平状態に回動して、ガラス基板30が略水平状態に保持された状態でガラス基板30の取り出しを行う。
なお、次の製造工程において、ガラス基板30を反転させる必要がある場合には、カセット本体10を略垂直状態から、図1(b)に示す矢印G方向に約90度回動して、案内軸17を係止部41bの切り欠き部28bに係止する。これにより、ガラス基板30は、搬送前の状態から約180度回動されて裏返しとなり、略水平状態で保持される。
上述したように、本実施形態の基板収納カセット1は、一対の側面部13,14のそれぞれから、略直角に突出して形成された支持軸15,16を有するカセット本体10と、支持軸15,16を介してカセット本体10を回動可能に支持する貫通孔21,22が形成された一対の側壁部23,24を有する支持部材20と、を備えている。
そして、基板収納カセット1は、カセット本体10が支持軸15,16を中心にして回動される際に、ガラス基板30が略水平状態および略垂直状態で保持されるように、カセット本体10の回動を規制する回動規制部40を有している。
このことから、基板収納カセット1は、回動規制部40によりガラス基板30が略垂直状態で保持されることで、搬送時にガラス基板30への塵埃の付着を低減することができる。また、基板収納カセット1は、回動規制部40によりガラス基板30が略水平状態で保持されることで、ガラス基板30のカセット本体10への収納、取り出しを従来と同様の方法で行うことができる。
また、基板収納カセット1は、カセット本体10を一方の略水平状態から約180度回動して他方の略水平状態にすることにより、搬送時にガラス基板30を反転させることができることから、製造工程内におけるガラス基板30の反転作業を省略することで、ガラス基板30の生産効率を向上させることができる。
これらによれば、基板収納カセット1は、その構成を、カセット本体10と、支持部材20と、回動規制部40とからなる簡素な構成とすることで、工数を要さずに容易に製造することができる。
また、基板収納カセット1は、回動規制部40が、カセット本体10の側面部13に配設された案内軸17と、支持部材20の側壁部に形成された円弧状の案内孔26と、ガラス基板30が略水平状態および略垂直状態であるときに、案内軸17が案内孔26に係止されるように形成された係止部41,41a,41bと、を含んで構成されている。
このことから、基板収納カセット1は、回動規制部40を、案内軸17と案内孔26と、案内軸17が案内孔26に係止される係止部41,41a,41bとからなる簡易な構成とすることができる。
また、基板収納カセット1は、係止部41,41a,41bが、案内孔26に形成された切り欠き部28,28a,28bに、案内軸17がコイルばね42により押圧されて係止されるように構成されている。
これによれば、基板収納カセット1は、案内軸17が切り欠き部28,28a,28bに、コイルばね42により押圧されて係止されることで、カセット本体10の回動を確実に規制することができる。
なお、基板収納カセット1の係止部41,41a,41bの位置は上記の位置に限定するものでなく、任意の位置に設定可能である。例えば、係止部41aを支持部材20の底面部25に対してガラス基板30の主面31が約80度の角度になる位置に設定する。
これにより、基板収納カセット1は、ガラス基板30が約80度の角度で保持されることから、ガラス基板30が略垂直状態で保持されるときより、スロット部分の中での揺動が低減される。
なお、カセット本体10の一対の側面部13,14は、開口部が形成されていてもよい。これによれば、基板収納カセット1は、カセット本体10を軽量化することができるとともに、ガラス基板30の収納状況を確認しやすくなる。
(変形例1)
なお、基板収納カセット1の係止部41,41a,41bの構成は、上記実施形態の構成に限定するものではなく、図3に示す構成としてもよい。
図3は、変形例1の基板収納カセットの概略構成を示す側面図である。図3(a)は、カセット本体の回動が規制され、ガラス基板が略水平状態で保持されている状態を示し、図3(b)は、カセット本体が回動している状態を示し、図3(c)は、カセット本体の回動が規制され、ガラス基板が略垂直状態で保持されている状態を示す。なお、以降の図面には、上記実施形態との共通部分に同じ符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、基板収納カセット101の係止部141は、支持部材120の側壁部123の案内孔126に形成された切り欠き部128,128aと、支持部としての貫通孔121と支持軸15との間に形成された隙間Sと、を有している。これにより、貫通孔121は、長円状に形成されている。なお、案内軸117は、カセット本体10のコーナー部に配設されている。
基板収納カセット101は、カセット本体10の案内軸117が切り欠き部128,128aの開口位置にあるときに、支持軸15とともに案内軸117が隙間S分移動することにより、案内軸117が切り欠き部128,128aに係止されることで、カセット本体10の回動が規制される。
ここで、基板収納カセット101の動作について説明する。
各製造工程において、基板収納カセット101は、図3(a)のガラス基板30が略水平状態で保持されるように、カセット本体10の案内軸117が切り欠き部128に係止されている。
基板収納カセット101の搬送時には、まず、図3(a)に示すように、カセット本体10を矢印I方向に隙間S分持ち上げ、案内軸117と切り欠き部128との係止を解除する。
ついで、図3(b)に示すように、カセット本体10を矢印J方向に回動する。このとき、支持軸15の紙面下方側に貫通孔121との隙間Sが形成される。
ついで、図3(c)に示すように、カセット本体10を約90度回動し、ガラス基板30が略垂直状態となったときに、カセット本体10が隙間S分紙面下方側に移動し、案内軸117が切り欠き部128aと係止する。これにより、ガラス基板30が略垂直状態で保持される。
上述したように、変形例1の基板収納カセット101は、案内軸117が案内孔126の切り欠き部128,128aの開口位置にあるときに、支持軸15とともに案内軸117が隙間S分移動することにより、案内軸117が切り欠き部128,128aに係止される。このことから、基板収納カセット101は、上記実施形態より簡易な構成でカセット本体を確実に係止することができる。
また、基板収納カセット101は、案内軸117がカセット本体10のコーナー部に配設されていることから、支持軸15と案内軸117との距離を長くすることができる。このことから、基板収納カセット101は、案内軸117と切り欠き部128,128aとの係止位置のばらつきによるカセット本体10の回動角度のずれが、支持軸15と案内軸117との距離が短い場合と比較して小さいことにより、カセット本体10の回動規制の位置精度を向上することができる。
(変形例2)
なお、基板収納カセット1の回動規制部40の構成は、上記実施形態の構成に限定するものではなく、図4に示す構成としてもよい。
図4は、変形例2の基板収納カセットの要部構成を示す断面図である。図4(a)は、基板収納カセットの回動規制部を、カセット本体が回動を規制されていない状態で切断した断面図であり、図4(b)は、回動規制部を、カセット本体が回動を規制されている状態で切断した断面図である。なお、上記実施形態との共通部分には、同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図4に示されていない部分は、図1を参照して説明する。
図4に示すように、基板収納カセット201の回動規制部240は、カセット本体10の側面部13の外側に係止部材217を有している。
係止部材217は、カセット本体10が支持部材20に支持されたときに、図4(a)に示すように、矢印H方向に弾性変形した状態で、半球状に形成された当接部218が側壁部23の当接面223に当接するように配設されている。
また、回動規制部240は、図4(b)に示すように、側壁部23の当接面223に、半球状に窪んだ係合部228を有している。係合部228は、係止部材217の当接部218の回動軌跡と重なる位置に複数形成されている。
これにより、回動規制部240は、図4(a)の状態からカセット本体10が矢印K方向に回動されて、ガラス基板30が略水平状態および略垂直状態であるときに、図4(b)の状態となる。このとき、係止部材217の当接部218が弾性変形により矢印Hの反対方向に移動し側壁部23の係合部228に係合する。
上述したように、変形例2の基板収納カセット201は、カセット本体10の係止部材217が側壁部23の係合部228に弾性変形により係止されることで、カセット本体10の回動を確実に規制することができる。
また、基板収納カセット201は、回動規制部240が弾性変形可能な係止部材217および側壁部23の係合部228から構成され、上記実施形態と比較して、より簡易な構成でカセット本体10の回動を確実に規制することができる。
なお、図4(b)の状態からは、カセット本体10に矢印K方向の外力を加えることで、係止部材217が矢印H方向に弾性変形し、当接部218が係合部228から外れ、図4(a)の状態にすることができる。
(変形例3)
なお、基板収納カセット1の回動規制部40の構成は、上記実施形態の構成に限定するものではなく、図5に示す構成としてもよい。
図5は、変形例3の基板収納カセットの概略構成を示す側面図である。図5(a)は、ガラス基板が略水平状態で保持されている状態を示し、図5(b)は、ガラス基板が略垂直状態で保持されている状態を示す。
図5に示すように、基板収納カセット301は、回動規制部340が、カセット本体10の、ガラス基板30の主面31に沿うとともに互いに対向するように形成された一対の他の側面部360,361の少なくとも一方の、カセット本体10の外側に配設された第1の磁性体としての永久磁石50を有している。
そして、回動規制部340は、カセット本体10の、一面11に対向するように形成された他面362の、カセット本体10の外側に配設された第2の磁性体としての永久磁石51を有している。
そして、回動規制部340は、支持部材20の一対の側壁部23,24を互いに繋ぐ底面部25と、底面部25のカセット本体10側の面に配設された電磁石52と、を有している。
基板収納カセット301は、図5(a)に示すように、ガラス基板30が略水平状態であるときに、電磁石52に通電され、電磁石52と永久磁石50との磁力によりガラス基板30が略水平状態で保持されるように、カセット本体10の回動が規制される。
そして、一旦電磁石52への通電が停止され、カセット本体10が回動後、図5(b)に示すように、ガラス基板30が略垂直状態であるときに、電磁石52に通電され、電磁石52と永久磁石51との磁力によりガラス基板30が略垂直状態で保持されるように、カセット本体10の回動が規制される。
上述したように、変形例3の基板収納カセット301は、回動規制部340が、電磁石52と永久磁石50および永久磁石51との磁力により、カセット本体10の回動を規制することから、回動規制を非接触で行うことができる。
(変形例4)
なお、上記実施形態のカセット本体10は、図6に示すような構成としてもよい。
図6は、変形例4の基板収納カセットの要部構成を示す断面図である。図6に示すように、基板収納カセット401は、カセット本体10の図示しないスロット部分との間でのガラス基板30の揺動を抑制する基板制止部材18a,18bを備えている。
基板制止部材18a,18bは、PEEK(登録商標)樹脂などから形成され、一端側がカセット本体10の一面11側に取り付けられている。基板制止部材18a,18bは、図6の矢印L方向に回動可能であり、ガラス基板30が収納されたときにカセット本体10の開口部12側に回動される。
そして、基板制止部材18a,18bは、ガラス基板30の側面33に当接される。
上述したように、変形例4の基板収納カセット401は、基板制止部材18a,18bが、カセット本体10に収納されたガラス基板30の側面33に当接されることから、ガラス基板30の揺動を抑制することができる。
このことから、基板収納カセット401は、搬送時のガラス基板30の揺動に起因する塵埃の発生を回避することができる。
また、基板収納カセット401は、基板制止部材18a,18bが、カセット本体10に収納されたガラス基板30の側面33に当接されることから、ガラス基板30がカセット本体10内で略垂直状態からスロット部分との隙間分だけ傾斜することがなく、ガラス基板30への塵埃の付着をより低減することができる。
(変形例5)
なお、上記実施形態のカセット本体10は、図7に示すような構成としてもよい。
図7は、変形例5の基板収納カセットの要部構成を示す側面図である。図7に示すように、基板収納カセット501は、カセット本体10の図示しないスロット部分との間でのガラス基板30の揺動を抑制する基板制止部材19a,19bを備えている。
基板制止部材19a,19bは、PEEK(登録商標)樹脂などを用いて櫛歯状に形成され、カセット本体10の一面11側に矢印M,N方向に移動可能に取り付けられている。
ガラス基板30は、基板制止部材19aの櫛歯と基板制止部材19bの櫛歯との間に収納される。そして、ガラス基板30は、基板制止部材19aが矢印M方向に移動され、基板制止部材19bが矢印N方向に移動されることで、基板制止部材19aと基板制止部材19bとの間に狭持される。
上述したように、変形例5の基板収納カセット501は、基板制止部材19aが矢印M方向に移動され、基板制止部材19bが矢印N方向に移動されることで、ガラス基板30が、基板制止部材19aと基板制止部材19bとの間に狭持される。
このことから、基板収納カセット501は、搬送時のガラス基板30の揺動が抑制され、ガラス基板30の揺動に起因する塵埃の発生を回避することができる。
また、基板収納カセット501は、ガラス基板30が、基板制止部材19aと基板制止部材19bとの間に狭持されることから、ガラス基板30がカセット本体10内で略垂直状態からスロット部分との隙間分だけ傾斜することがなく、ガラス基板30への塵埃の付着をより低減することができる。
(変形例6)
なお、上記実施形態の基板収納カセット1は、図8に示すような構成としてもよい。
図8は、変形例6の基板収納カセットの概略構成を示す模式断面図である。図8に示すように、基板収納カセット601は、カセット本体610を構成する六つの面が開口部612を有して形成されている。
そして、基板収納カセット601は、カセット本体610を挟んで対向する一対の送風ファンユニット660,661および除塵フィルタ670を有している。
送風ファンユニット660,661は、カセット本体610の上方及び下方に略水平になるように支持部材620に配設されている。なお、支持部材620の送風ファンユニット660,661の配設面には開口部629が形成されている。
除塵フィルタ670は、HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)などが用いられ、カセット本体610の上方に配設された送風ファンユニット660の、カセット本体610側に配設されている。
この構成により、基板収納カセット601は、カセット本体610の上方に配設された送風ファンユニット660から、カセット本体610の下方に配設された送風ファンユニット661へ向かって、図8の矢印の方向に吹き降ろす送風(ダウンフロー)が可能である。
このことから、基板収納カセット601は、除塵されたダウンフローによりガラス基板30への塵埃の付着をさらに低減することができる。
なお、上記実施形態および各変形例の基板は、ガラス基板に限定するものではなく、シリコン基板などの半導体基板、水晶基板などの圧電基板でもよい。
本実施形態の基板収納カセットの概略構成を示す斜視図。 本実施形態の基板収納カセットの回動規制部を示す平断面図。 変形例1の基板収納カセットの概略構成を示す側面図。 変形例2の基板収納カセットの要部構成を示す断面図。 変形例3の基板収納カセットの概略構成を示す側面図。 変形例4の基板収納カセットの要部構成を示す断面図。 変形例5の基板収納カセットの要部構成を示す側面図。 変形例6の基板収納カセットの概略構成を示す模式断面図。
符号の説明
1…基板収納カセット、10…カセット本体、11…カセット本体の一面、12…開口部、13,14…一対の側面部、15,16…支持軸、20…支持部材、21,22…支持部としての貫通孔、23,24…一対の側壁部、30…基板としてのガラス基板、31…ガラス基板の主面、32…ガラス基板の側面、40…回動規制部、C…ガラス基板30の収納方向。

Claims (10)

  1. 複数の基板が互いの主面を略平行にして収納されるように一面に開口部が形成されたカセット本体と、
    前記カセット本体の、前記基板の収納方向と前記基板の側面とに沿い、互いに対向するように形成された一対の側面部と、
    前記一対の側面部のそれぞれから前記カセット本体の外側に向かって、前記一対の側面部のそれぞれに対して略直角に突出して形成された支持軸と、
    前記一対の側面部に沿って形成された一対の側壁部と、
    前記一対の側壁部に前記支持軸を介して前記カセット本体を回動可能に支持するように形成された支持部と、
    前記基板が所定の位置で保持されるように前記カセット本体の回動を規制する回動規制部と、を備えることを特徴とする基板収納カセット。
  2. 請求項1に記載の基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記一対の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に前記支持軸の突出方向に沿って配設された案内軸と、
    前記側壁部に、前記案内軸が挿通され、前記案内軸が前記カセット本体とともに回動可能に形成された円弧状の案内孔と、
    前記基板が所定の位置であるときに、前記案内軸が前記案内孔に係止されるように形成された係止部と、を備えることを特徴とする基板収納カセット。
  3. 請求項2に記載の基板収納カセットにおいて、前記係止部が、前記案内孔に形成された切り欠き部と、
    前記案内軸と前記支持軸とを結ぶ一の方向に移動可能で、且つ弾性部材により前記一の方向に押圧された状態に配設された前記案内軸と、を有し、
    前記案内軸が前記案内孔の切り欠き部の開口位置にあるときに、前記弾性部材により移動されて前記切り欠き部に係止されることを特徴とする基板収納カセット。
  4. 請求項2に記載の基板収納カセットにおいて、前記係止部が、前記案内孔に形成された切り欠き部と、
    前記支持軸と前記支持部との間に形成された隙間と、を有し、
    前記案内軸が前記案内孔の切り欠き部の開口位置にあるときに、前記支持軸とともに前記案内軸が前記隙間分移動することにより、前記案内軸が前記切り欠き部に係止されることを特徴とする基板収納カセット。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の基板収納カセットにおいて、前記案内軸が前記カセット本体のコーナー部に配設されていることを特徴とする基板収納カセット。
  6. 請求項1に記載の基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記一対の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に前記一対の側壁部の少なくとも一方に弾性変形して当接するように形成された係止部材と、
    前記側壁部の前記係止部材が当接する面に形成された係合部と、を有し、
    前記基板が所定の位置であるときに、前記係止部材が弾性変形により前記係合部に係止されることを特徴とする基板収納カセット。
  7. 請求項1に記載の基板収納カセットにおいて、前記回動規制部が、前記カセット本体の、前記基板の主面に沿うとともに互いに対向するように形成された一対の他の側面部の少なくとも一方の、前記カセット本体の外側に配設された第1の磁性体と、
    前記カセット本体の、前記一面に対向するように形成された他面の、前記カセット本体の外側に配設された第2の磁性体と、
    前記一対の側壁部を互いに繋ぐ連結部と、
    前記連結部における前記カセット本体側の面に配設された電磁石と、を有し、
    前記基板が所定の位置であるときに、前記電磁石と前記第1の磁性体および前記第2の磁性体との磁力により、前記カセット本体の回動が規制されることを特徴とする基板収納カセット。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の基板収納カセットにおいて、前記カセット本体が、前記カセット本体に収納された前記基板の揺動を抑制する基板制止部材を備えることを特徴とする基板収納カセット。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の基板収納カセットにおいて、前記基板収納カセットが、前記カセット本体を挟んで対向する一対の送風ファンユニットと、除塵フィルタと、を有し、前記カセット本体を構成する六つの面が開口部を有し、
    前記一対の送風ファンユニットの一方が、前記カセット本体の上方に略水平に配設され、他方が、前記カセット本体の下方に略水平に配設され、
    前記一方の送風ファンユニットの前記カセット本体側に前記除塵フィルタが配設され、
    前記一方の送風ファンユニットから他方の送風ファンユニットへ吹き降ろす送風が可能なことを特徴とする基板収納カセット。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の基板収納カセットにおいて、前記基板の所定の位置が、一方の略水平状態と、略垂直状態と、前記一方の略水平状態から約180度回転された他方の略水平状態と、を含むことを特徴とする基板収納カセット。
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