JP2009176545A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、隣接する一対の燃料電池用セパレータ間の接触抵抗を減少させると共に、燃料電池の製造コストを抑えることができる燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、隣接する一対の燃料電池用セパレータと、膜−電極アッセンブリと、を交互に配置する燃料電池の製造方法であって、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する導電性膜形成工程を有し、前記導電性膜形成工程では、前記接触部における一対の燃料電池用セパレータのいずれか一方に、前記導電性膜を構成する導電性粒子を含む溶液を塗布し、前記溶液を塗布した一方の燃料電池用セパレータと他方の燃料電池用セパレータとを重ね合わせることにより前記導電性膜を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、隣接する一対の燃料電池用セパレータと、膜−電極アッセンブリと、を交互に配置する燃料電池の製造方法であって、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する導電性膜形成工程を有し、前記導電性膜形成工程では、前記接触部における一対の燃料電池用セパレータのいずれか一方に、前記導電性膜を構成する導電性粒子を含む溶液を塗布し、前記溶液を塗布した一方の燃料電池用セパレータと他方の燃料電池用セパレータとを重ね合わせることにより前記導電性膜を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池の製造方法の技術に関する。
一般的に燃料電池は、隣接する一対の燃料電池用セパレータと、電解質膜を挟持する一対の電極(アノード極及びカソード極)を備える膜−電極アッセンブリとが交互に配置されたものである。燃料電池の発電時には、アノード極に供給するアノードガスを水素ガス、カソード極に供給するカソードガスを酸素ガスとした場合、アノード極側では、水素イオン及び電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中を通りカソード極側に、電子は外部回路を通じてカソード極に到達する。一方、カソード極側では、水素イオン、電子及び酸素ガスが反応して水分を生成する反応が行われ、エネルギを放出する。
例えば、特許文献1では、隣接する一対の燃料電池用セパレータ間の接触抵抗を減少させるために、隣接する一対の燃料電池用セパレータの対向面に導電性膜を形成した燃料電池が提案されている。
特許文献1の燃料電池に使用される一対の燃料電池用セパレータは、2つの燃料電池用セパレータのそれぞれに導電性膜を形成し、それらを重ね合わせることにより作製される。しかし、隣接する一対の燃料電池用セパレータ間の接触抵抗を減少させるために、2つの燃料電池用セパレータのそれぞれに導電性膜が形成されているため、導電性膜を形成するための材料使用量が多くなり、燃料電池の製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、隣接する一対の燃料電池用セパレータ間の接触抵抗を減少させると共に、燃料電池の製造コストを抑えることができる燃料電池の製造方法を提供することにある。
本発明は、隣接する一対の燃料電池用セパレータと、膜−電極アッセンブリと、を交互に配置する燃料電池の製造方法であって、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する導電性膜形成工程を有し、前記導電性膜形成工程では、前記接触部における一対の燃料電池用セパレータのいずれか一方に、前記導電性膜を構成する導電性粒子を含む溶液を塗布し、前記溶液を塗布した一方の燃料電池用セパレータと他方の燃料電池用セパレータとを重ね合わせることにより前記導電性膜を形成する。
また、前記燃料電池の製造方法において、前記導電性膜形成工程前に、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に親水処理をし、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における非接触部に撥水処理する表面処理工程を有することが好ましい。
また、前記燃料電池の製造方法において、前記導電性粒子は、金属ナノ粒子又はカーボンナノ粒子であることが好ましい。
本発明によれば、隣接する一対の燃料電池用セパレータと、膜−電極アッセンブリと、を交互に配置する燃料電池の製造方法であって、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する導電性膜形成工程を有し、前記導電性膜形成工程では、前記接触部における一対の燃料電池用セパレータのいずれか一方に、前記導電性膜を構成する導電性粒子を含む溶液を塗布し、前記溶液を塗布した一方の燃料電池用セパレータと他方の燃料電池用セパレータとを重ね合わせ、前記導電性膜を形成することによって、燃料電池用セパレータ間の接触抵抗を減少させると共に、燃料電池の製造コストを抑えることができる燃料電池の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1(A),(B)は、本発明の実施形態に係る燃料電池の構成の一例を示す模式断面図である。図1に示すように、図1(A),(B)に示すように、燃料電池1a,1bは、膜−電極アッセンブリ10と、一対の燃料電池用セパレータ(第1セパレータ12a又は12b、第2セパレータ14a又は14b)とが交互に配置されたものである。また、一対の燃料電池用セパレータと他の一対の燃料電池用セパレータとの間にシール材15が設けられ、密封されている。図1(A)に示す膜−電極アッセンブリ10は、電解質膜16と、電解質膜16を挟持するアノード極18及びカソード極20と、アノード極18及びカソード極20の両外側を挟持する多孔質体22と、を備える。アノード極18及びカソード極20は、電解質膜16側から触媒層(不図示)及び拡散層(不図示)がそれぞれ配置されている。また、図1(B)に示すように、燃料電池用セパレータにガス流路(26,28)が形成されている場合には、必ずしも膜−電極アッセンブリ10に多孔質体22を設ける必要はない。
電解質膜16は、プロトン伝導性のイオン交換膜であれば特に制限されるものではない。例えば、パーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含有させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜等が挙げられる。具体的には、ナフィオン膜(登録商標、デュポン社製)が挙げられる。
アノード極18及びカソード極20を構成する触媒層は、例えば、白金、ルテニウム等の金属触媒を担持したカーボンと、パーフルオロスルホン酸系等の電解質溶液とを混合して、電解質膜16上に成膜したものである。上記カーボンとしては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
アノード極18及びカソード極20を構成する拡散層は、主として、層の厚さ方向、すなわち触媒層側にガス(アノードガス又はカソードガス)を流通させることができるものである。拡散層は、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料等が挙げられる。
図1(A)に示す多孔質体22は、拡散層に比して細孔径と空孔率が大きく、層の厚さ方向と共に、層の平面方向に対してもガス(アノードガス又はカソードガス)を流通させることができる。多孔質体22は、例えば発泡体、不織布、GBL等の繊維を重ねたもの、エクスパンドメタル等からなる多孔体である。このような燃料電池1aにあっては、第1セパレータ12a又は第2セパレータ14aのガス入口(不図示)から供給されたガスが、多孔質体22によってその平面方向に搬送されると共に、膜−電極アッセンブリ10を構成する拡散層へ供給される。そして、多孔質体22から供給されたガスは、拡散層によって触媒層へ供給され、燃料電池の発電に利用される。このように、燃料電池に上記多孔質体22を設ける場合には、第2セパレータ14aと向き合う面と反対側の第1セパレータ12aの面及び第1セパレータ12aと向き合う面と反対側の第2セパレータ14aの面に、凹部及び凸部を形成して、膜−電極アッセンブリ10へガスを供給するアノードガス流路及びカソードガス流路を形成する必要はない。
また、第2セパレータ14aと向き合う第1セパレータ12aの面に形成される凹部は、冷却水が流れる冷却水流路24となる。また、第2セパレータ14aと向き合う第1セパレータ12aの面に形成される凸部は、第1セパレータ12a及び第2セパレータ14aが接触する接触部となり、当該接触部に後述する導電性膜(不図示)が形成されている。本実施形態では、第2セパレータ14aと向き合う第1セパレータ12aの面及び第1セパレータ12aと向き合う第2セパレータ14aの面のうち少なくともいずれか一方に凹部及び凸部が形成されるものであってもよいし、燃料電池用セパレータに冷却水流路24を形成する必要のない燃料電池の構成であれば、いずれにも凹部及び凸部を形成する必要はない。
図1(B)に示す第2セパレータ14bと向き合う面と反対側の第1セパレータ12bの面に形成される凹部は、カソードガスが流れるカソードガス流路26となり、第1セパレータ12bと向き合う面と反対側の第2セパレータ14bの面に形成される凹部は、アノードガスが流れるアノードガス流路28となる。図1(B)に示すような燃料電池1bでは、第1セパレータ12b、第2セパレータ14bによって形成されたカソードガス流路26及びアノードガス流路28によって、ガスは平面方向に輸送されると共に、膜−電極アッセンブリ10を構成する拡散層へ供給される。そして、カソードガス流路26及びアノードガス流路28から供給されたガスは、拡散層によって触媒層へ供給され、燃料電池の発電に利用される。
また、第2セパレータ14bと向き合う第1セパレータ12bの面及び第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凹部は、冷却水が流れる冷却水流路24となる。また、第2セパレータ14bと向き合う第1セパレータ12bの面及び第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凸部は、第1セパレータ12b及び第2セパレータ14bとが接触する接触部となり、当該接触部に後述する導電性膜(不図示)が形成されている。本実施形態では、第2セパレータ14bと向き合う第1セパレータ12bの面及び第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面の両方に、凹部及び凸部が形成されているが、これに制限されるものではなく、いずれか一方に凹部及び凸部が形成されるものであってもよい。また、燃料電池用セパレータに冷却水流路24を形成する必要のない燃料電池の構成であれば、いずれにも凹部及び凸部を形成する必要はない。
図2は、図1(A)に用いられる燃料電池用セパレータの製造方法の一例を説明するための図であり、図3は、図1(B)に用いられる燃料電池用セパレータの製造方法の一例を説明するための図である。
図2及び図3に示すように、まず、上記説明した凹部及び凸部を形成した一対の燃料電池用セパレータ(第1セパレータ12a,12b及び第2セパレータ14a,14b)を用意する。燃料電池用セパレータには、例えば金属板又はカーボン板等を使用することができる。凹部及び凸部は、金型等によるプレス加工、切削等による成形加工等により得られる。
<導電性膜形成工程>
第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との対向面における接触部に導電性膜を形成するために、当該接触部における第1セパレータ(12a,12b)の面、すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成される凸部30aに導電性粒子を含む溶液32aを塗布する。または、当該接触部における第2セパレータ(14a,14b)の面、すなわち、図2では第1セパレータ12aに形成される凸部30aと対向する第2セパレータ14aの面、図3では第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凸部30bに、導電性粒子を含む溶液32aを塗布してもよい。
第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との対向面における接触部に導電性膜を形成するために、当該接触部における第1セパレータ(12a,12b)の面、すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成される凸部30aに導電性粒子を含む溶液32aを塗布する。または、当該接触部における第2セパレータ(14a,14b)の面、すなわち、図2では第1セパレータ12aに形成される凸部30aと対向する第2セパレータ14aの面、図3では第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凸部30bに、導電性粒子を含む溶液32aを塗布してもよい。
導電性粒子を含む溶液は、N−メチル−2−ピロリドン、キシレン、アルコール、水等の溶媒中に導電性粒子を分散させたものである。導電性粒子は、金、白金、銀、パラジウム、ニッケル、錫等の金属粒子、グラファイト、カーボンブラック等のカーボン粒子等が挙げられる。特に溶媒中の分散性を高めることができる点で、平均粒径が0.01μm〜0.5μmの金属ナノ粒子又はカーボンナノ粒子であることが好ましい。また、導電性粒子を含む溶液は、導電性膜の接着性を高めることができる点で、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリビニルエステル、ポリプロピレン等のバインダ樹脂等を含むことが好ましい。
塗布方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、ローラーコーティング、スプレーコーティング、ディスペンサ、インクジェット、スクリーン印刷等が挙げられる。また、導電性粒子を含む溶液が第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との対向面における非接触部に塗布されることを避けるために、当該非接触部にマスキングを施すことが好ましい。
図2及び図3に示すように、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との接触部における第1セパレータ(12a,12b)の面又は第2セパレータ(14a,14b)の面に、導電性粒子を含む溶液を塗布した後、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)とを重ね合わせる。導電性粒子を含む溶液を乾燥させるために、加熱処理してもよい。また、重ね合わせの際には、第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面の周縁部又は第1セパレータ(12a,12b)と向き合う第2セパレータ(14a,14b)の面の周縁部に上記説明したバインダ樹脂等の接着剤36を塗布し、加熱処理することが好ましい。これにより、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との接着性を確保することができる。また、接着剤の加熱処理の温度によって、導電性粒子を含む溶液を乾燥させることが好ましい。これにより、製造工程の簡略化を図ることができる。加熱処理温度は特に制限されるものではないが、例えば、80℃〜1000℃の範囲である。
本実施形態では、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との接触部における第1セパレータ(12a,12b)の面又は第2セパレータ(14a,14b)の面に、導電性粒子を含む溶液32aを塗布するため、第1セパレータ(12a,12b)の面及び第2セパレータ(14a,14b)の面の両方に導電性粒子を含む溶液を塗布する場合に比べ、導電性粒子を含む溶液の使用量を少なくすることができ、燃料電池の製造コストを低減させることができる。本実施形態でも、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との対向面における接触部に導電性膜32bを形成することができるため、第1セパレータ(12a,12b)と第2セパレータ(14a,14b)との間の接触抵抗を減少させることができる。
また、本実施形態では、第1セパレータ(12a,12b)と膜−電極アッセンブリ10、第2セパレータ(14a,14b)と膜−電極アッセンブリ10との接触抵抗を減少させるために、第1セパレータ(12a,12b)、第2セパレータ(14a,14b)と膜−電極アッセンブリ10との対向面における接触部に導電性膜を形成してもよい。例えば、第2セパレータ(14a,14b)と向き合う面と反対側の第1セパレータ(12a,12b)の面及び第1セパレータ(12a,12b)と向き合う面と反対側の第2セパレータ(14a,14b)の面に、上記説明した導電性粒子を含む溶液を塗布し、膜−電極アッセンブリ10と重ね合わせることにより、第1セパレータ(12a,12b)及び第2セパレータ(14a,14b)と膜−電極アッセンブリ10との接触部等に導電性膜を形成することができる。
本実施形態では、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に上記説明した導電性膜を形成する前に、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に親水処理、一対の燃料電池用セパレータの対向面における非接触部に撥水処理をする表面処理工程を有することが好ましい。これにより、接触部に塗布された導電性粒子を含む溶液が非接触部に流れることを抑制することができる。その結果、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に効率的に導電性膜を形成し、燃料電池用セパレータの接触抵抗を低減させることができる。
<撥水処理>
撥水処理では、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に撥水性が付与される。すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成される凸部30a及び図2に示す第1セパレータ12aに形成される凸部30aと対向する第2セパレータ14aの面又は図3に示す第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凸部30bに撥水性が付与される。撥水性の付与は、例えば、フッ素系樹脂等の撥水化樹脂を含有する樹脂溶液を上記箇所に塗布、乾燥することにより行われる。
撥水処理では、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に撥水性が付与される。すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成される凸部30a及び図2に示す第1セパレータ12aに形成される凸部30aと対向する第2セパレータ14aの面又は図3に示す第1セパレータ12bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成される凸部30bに撥水性が付与される。撥水性の付与は、例えば、フッ素系樹脂等の撥水化樹脂を含有する樹脂溶液を上記箇所に塗布、乾燥することにより行われる。
撥水化樹脂には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリフッカビニリデン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂等を使用することができる。
塗布方法は、上記説明した塗布方法を適用することができる。また、乾燥条件等は特に制限されるものではない。
<親水処理>
親水処理では、一対の燃料電池用セパレータの対向面における非接触部に親水性が付与される。すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成された凹部34a及び図2に示す第1セパレータ12aに形成される凹部34aと対向する第2セパレータ14aの面又は図3に示す第1セパレータ14bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成された凹部34bに親水性が付与される。親水性の付与は、例えば、酸化チタン、過マンガン酸カリウム、硝酸、塩素酸塩、過流酸塩、過炭酸塩、過酸化水素等の親水処理剤を含む溶液を上記箇所(非接触部)に塗布、乾燥することにより行われる。また、上記箇所(非接触部)にプラズマ処理、オゾンガス処理等を行うことによって、親水性を付与してもよい。
親水処理では、一対の燃料電池用セパレータの対向面における非接触部に親水性が付与される。すなわち、図2及び図3に示す第2セパレータ(14a,14b)と向き合う第1セパレータ(12a,12b)の面に形成された凹部34a及び図2に示す第1セパレータ12aに形成される凹部34aと対向する第2セパレータ14aの面又は図3に示す第1セパレータ14bと向き合う第2セパレータ14bの面に形成された凹部34bに親水性が付与される。親水性の付与は、例えば、酸化チタン、過マンガン酸カリウム、硝酸、塩素酸塩、過流酸塩、過炭酸塩、過酸化水素等の親水処理剤を含む溶液を上記箇所(非接触部)に塗布、乾燥することにより行われる。また、上記箇所(非接触部)にプラズマ処理、オゾンガス処理等を行うことによって、親水性を付与してもよい。
上記撥水処理及び親水処理後に、上記説明した導電性膜形成工程を行い、一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する。
本実施形態の燃料電池の製造方法により製造された燃料電池は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、定置用電源等として使用することができる。
1a,1b 燃料電池、10 膜−電極アッセンブリ、12a,12b 第1セパレータ、14a,14b 第2セパレータ、15 シール材、16 電解質膜、18 アノード極、20 カソード極、22 多孔質体、24 冷却水流路、26 カソードガス流路、28 アノードガス流路、30a,30b 凸部、32a 導電性粒子を含む溶液、32b 導電性膜、34a,34b 凹部、36 接着剤。
Claims (3)
- 隣接する一対の燃料電池用セパレータと、膜−電極アッセンブリと、を交互に配置する燃料電池の製造方法であって、
前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に導電性膜を形成する導電性膜形成工程を有し、
前記導電性膜形成工程では、前記接触部における一対の燃料電池用セパレータのいずれか一方に、前記導電性膜を構成する導電性粒子を含む溶液を塗布し、前記溶液を塗布した一方の燃料電池用セパレータと他方の燃料電池用セパレータとを重ね合わせることにより前記導電性膜を形成することを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 請求項1記載の燃料電池の製造方法であって、前記導電性膜形成工程前に、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における接触部に親水処理、前記一対の燃料電池用セパレータの対向面における非接触部に撥水処理をする表面処理工程を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
- 請求項1又は2記載の燃料電池の製造方法であって、前記導電性粒子は、金属ナノ粒子又はカーボンナノ粒子であることを特徴とする燃料電池の製造方法。
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