JP2009176480A - 色変換フィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下地となるカラーフィルタ層とインク液滴と相互作用を調整し、高精細なパターンを有する色変換層を有する色変換フィルタを形成するための簡便な方法の提供。
【解決手段】(a)透明基板上に複数種のカラーフィルタ層(第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される)を形成する工程と;(b)異種のカラーフィルタ層の境界部分に、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成されるバンクを形成する工程と;(c)複数種のカラーフィルタ層の少なくとも1つの上面に、レーザ加工によって、第1の方向に延びる少なくとも1つの溝を形成する工程と;(d)溝を形成したカラーフィルタ層の上に、インクジェット法を用いて色変換層を形成する工程とを含むことを特徴とする色変換フィルタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、色変換フィルタの製造方法に関する。特に、高精度なパターンを有する色変換層を含む色変換フィルタの製造方法に関する。
有機EL素子を用いて多色発光を実現する方法の1つとして、色変換方式がある。色変換方式は、有機EL素子の発光を吸収して波長分布変換を行って異なる波長分布を有する光を放射する色変換膜を、有機EL素子の前面に配設して多色を実現する方法である。そのような色変換層として、高分子樹脂中に蛍光色素を分散させた構成が提案されている(特許文献1参照)。色変換方式は、用いる有機EL素子が1種(単色)であるために製造が容易であり、大画面ディスプレイへの展開が積極的に検討されている。
さらに、色変換方式は、特定の波長域の光を透過させるカラーフィルターをさらに組み合わせることによって、良好な色再現性が得られるなどの有利な特徴を有する。しかしながら、提案されている色変換層によって十分な効率を得るためには、色変換層の膜厚を10μm程度とする必要がある。加えて、色変換層の上面に有機EL素子を形成するためには、色変換層上面の凹凸を平坦にする技術、および色変換層から生じる水分を遮断する技術などの特殊な技術を必要とする。これらの点は、ディスプレイのコストアップをもたらす。
また、樹脂分散型色変換層の問題点を解決する方策として、蒸着法、スパッタ法などのドライプロセスを用いて色変換層を形成する方法が提案されている(特許文献2および3参照)。この方法においては、膜厚2μm以下の色変換層を形成できるものの、高精細(たとえば150ppi以上)なパターニングが困難であるという問題点を有する。
上記の問題点に対処するために、構成材料を含むインクを調製し、インクジェット法を用いて、パターン化された色変換層を形成する方法が提案されている(特許文献4〜7参照)。インクジェット法により高精細のパターンを形成する際には、微量の液滴を精密に吐出させる必要性があり、インクの増粘の原因となる固形分含有量をあまり大きくすることはできない。したがって、必要な膜厚を得るための液滴の体積が必然的に大きくなる。液滴の体積増大に対する解決策として、基板にバンクを形成する方法が提案されている(特許文献8参照)。高精細度のパターンを形成するためには、バンクの形状だけではなく、バンク表面の濡れ性を制御することが重要である。具体的には、バンク表面がインクに対して撥液性を有し、かつ下地となる面がインクに対して親液性を有する状態に制御することが必要である。表面の濡れ性を制御する方法としては、プラズマ処理などの表面処理を行う方法が知られている(特許文献8参照)。
特開平8−286033号公報 特開2002−75643号公報 特開2003−217859号公報 特開2004−253179号公報 特開2006−73450号公報 特開2006−32010号公報 特開2003−229261号公報 特開2000−353594号公報 特開2007−102030号公報 特開2003−229261号公報 特開2005−78911号公報 特開2005−294204号公報
インクジェット法を用いて色変換層を形成することの利点は、インクの利用効率が非常に高く、それによって色変換層の形成コストを抑制することができる点にある。しかしながら、高精細なパターンを得るためには、濡れ性の制御が必要である。たとえば、特許文献8に記載の方法では、(a)異なる濡れ性を有する2種の材料を用いてバンクを形成する複雑な工程、(b)複数のガスを使用し、かつそれらのガスの混合比を制御したプラズマ処理(フッ素プラズマ/酸素プラズマ)を行う工程などが開示されている。
ブラックマトリクスを隔壁として、インクジェット法を用いてカラーフィルタ層を形成する際に、二酸化炭素と、Ar、He、Ne、XeおよびN2から選択されるガスとの混合ガス雰囲気下で大気圧プラズマ処理して、インクに対する基板表面の親液性を向上させることが提案されている(特許文献9参照)。この方法では、プラズマ処理の際のガス混合比などの複雑な制御が必要である。
また、基板と該基板の上に形成された隔壁を覆うように濡れ性可変層を形成し、光触媒含有層を含む第2基板を通して、基板上に形成された濡れ性可変層のみを露光して、露光領域のインクに対する親液性を向上させる方法が提案されている(特許文献10参照)。この方法では、基板上に形成された濡れ性可変層のみを露光するために、隔壁に対して位置合わせを行ったマスクを通した紫外線に対する露光工程が必要であり、工程が煩雑である。
さらに、電極上に有機EL層を形成する際にインクジェット法を適用する方法が提案されている。たとえば、着弾位置を画定するように形成された隔壁と、該隔壁頂部に接して配置されるマスクとを用い、隔壁およびマスクの表面にインクに対する撥液性を付与し、インクが着弾すべき電極の表面に親液性を付与する工程を含む有機EL素子の形成方法が提案されている(特許文献11参照)。この方法においては、マスクの存在によって、インクの着弾位置のズレに対する慣用度が増大する。しかしながら、インクが接触する各表面(電極、隔壁およびマスクの各表面)の濡れ性を制御する必要があり、かつ隔壁に対して位置合わせがなされたマスクを使用する必要がある。
また、下部電極またはその下地となる層に着弾時の液滴直径よりも小さい幅を有し、ラビングまたはエッチングを用いて網目状またはランダムな溝を設け、均一な膜厚および膜質を有する有機EL層を形成する方法が提案されている(特許文献12参照)。この方法においては、溝の毛細管現象を利用してインク液滴の分散を行っているため、色変換層の形成に応用した場合、インクの流れが良好すぎて、表示領域周縁に位置するバンク端部においてインクの流動が停止せず、隣接する異なる色の領域にインクが回り込み、混色が発生する。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、下地となるカラーフィルタ層とインク液滴と相互作用を調整し、高精細なパターンを有する色変換層を形成するための簡便な方法を提供することである。
本発明の色変換フィルタの製造方法は、(a)透明基板上に複数種のカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と;(b)異種のカラーフィルタ層の境界部分に、バンクを形成する工程であって、バンクは第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と;(c)前記複数種のカラーフィルタ層の少なくとも1つの上面に、レーザ加工によって、第1の方向に延びる少なくとも1つの溝を形成する工程と;(d)前記溝を形成したカラーフィルタ層の上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程とを含むことを特徴とする。なお、工程(c)において、複数の溝を形成してもよい。また、工程(c)において、360nm以下の発振波長を有するレーザを用いることが望ましい。
以上のような構成をとることによって、インクジェット法を用いて、高精細度のパターンをを有する色変換層の新規な作製方法を提供することができた。したがって、本発明の方法によって製造される色変換フィルタは、高精細度を有するフラットパネルディスプレイの低コスト化を実現することができる。
図1に本発明の製造方法で形成された色変換フィルタを示す。図1の色変換フィルタは、透明基板10の上に、ブラックマトリクス20、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3種のカラーフィルタ層30(R,G,B)、異種のカラーフィルタ層30の境界に設けられたバンク40、および赤色および緑色カラーフィルタ層30(R,G)の上に設けられた赤色および緑色の2種の色変換層50(R,G)を有し、赤色および緑色カラーフィルタ層30(R,G)の上部表面には、バンク40と平行な方向に延びる溝60が形成されている。
最初に、任意選択的工程であるが、透明基板10上にブラックマトリクス20を形成する。ブラックマトリクス20は、塗布法(スピンコートなど)を用いて透明基板10全面に形成した後に、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングしてもよいし、あるいはスクリーン印刷法などを用いてパターン状に形成してもよい。ブラックマトリクス20は、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成されても良い。あるいはまた、ブラックマトリクス20は、第1の方向および第2の方向(第1の方向と直交する方向)に延びるストライプ形状部分から構成される、複数の開口部を有する格子状の形状を有する一体の層であってもよい。ブラックマトリクス20の開口部がサブピクセルを形成する位置となる。
透明基板10は、光透過性に富み、かつブラックマトリクス20、カラーフィルタ層30(R,G,B)、ならびに後述する色変換層40および有機EL素子の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐える材料を用いて形成される。さらに寸法安定性に優れた材料を用いることが好ましい。また、多色発光ディスプレイの性能低下を引き起こさない材料が好ましい。透明基板10の材料の例は、ガラス、各種プラスチック、各種フィルムなどを含む。
ブラックマトリクス20は、可視光を遮断して、コントラストを向上させるための層である。ブラックマトリクス20は、通常のフラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成することができる。ブラックマトリクスの20の膜厚は、前述の機能を満たす限りにおいて、任意に設定することができる。
次に、それぞれ異なる波長域の光を透過する、RGBの3種のカラーフィルタ層30(R,G,B)を独立して形成する。カラーフィルタ層30は、可視光の特定波長域を透過させ、透過光を所望の色相とし、および透過光の色純度を向上させるための層である。カラーフィルタ層30は、フラットパネルディスプレイ用の市販の材料を用いて形成することができる。近年では、フォトレジスト中に顔料を分散させた、顔料分散型材料がよく用いられている。図1に示したように3種のカラーフィルタ層を用いる場合、400nm〜550nmの波長域の光を透過する青色カラーフィルタ層30B、500nm〜600nmの波長域の光を透過する緑色カラーフィルタ層30G、および600nm以上の波長域の光を透過する赤色カラーフィルタ層30Rを用いることが望ましい。3種のカラーフィルタ層30(R,G,B)のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される。
上述のカラーフィルタ層30のそれぞれは、塗布法(スピンコートなど)を用いて透明基板10全面に形成した後に、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングを実施することによって形成してもよいし、あるいはスクリーン印刷法などを用いてパターン状に形成してもよい。
次に、異種のカラーフィルタ層30の境界となる部分にバンク40を形成する。本発明において、バンク40は、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される。インクジェット法により高精細度のパターンを形成する場合には、吐出体積を精密に制御しながら微量液滴を吐出する必要があることから、インクの増粘の原因となるインクの固形分含有量をあまり大きくすることができない。このことによって、必要な膜厚を得るために必要なインクの体積が必然的に大きくなる。バンク40は、インクが所望の領域以外に拡散するのを防止する点において有効である。
バンク40は、後述する色変換層50を形成するためのインクに対して撥液性を有することが望ましい。バンク40は、光硬化型または光熱硬化型樹脂(たとえば、硬化性部位を含むアクリル樹脂など)を塗布し、フォトリソグラフィーによりパターニングを行うことによって形成することができる。あるいは、バンク40は、スクリーン印刷法などを用いて、所望の部位に熱可塑性樹脂(たとえば、アクリル樹脂など)または熱硬化性樹脂を付着させることによって形成することができる。
次に、その上に色変換層50を形成するカラーフィルタ層30の上面に溝60を形成する。図1には、赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gの上に溝60を形成した例を示した。青色カラーフィルタ層30Bの上に青色変換層(不図示)を設ける場合には、青色カラーフィルタ層30Bの上面にも溝60が形成される。
本発明における溝60は、バンク40を構成する複数のストライプ形状部分が延びる方向、すなわち第1の方向に延びる。カラーフィルタ層30を構成するストライプ形状部分のそれぞれにおける溝60の数は、色変換層50形成用のインクの特性などに応じて適宜変更することができる。望ましくは、溝60は、4〜12μmの幅および0.2〜0.5μmの深さを有し、10〜40μmの間隔をおいて配置される。
溝60は、レーザ加工装置を用いて形成することができる。溝60の形成に用いるレーザは、μm単位の加工を可能にするために、360nm以下の発振波長を有することが望ましい。溝60の形成に適当なレーザ加工装置は、エキシマーレーザ(KrF(248nm)、ArF(193nm)およびF2(157nm)など)、またはUVレーザ(YAG THG(第3高調波、355nm)およびYAG FHG(第4高調波、266nm)など)の微細加工が可能なレーザを用いる装置を含む。溝60の形成の際には、20〜150mWのレーザ出力を用い、5〜10μmφのスポット径を有するビームを、1〜20mm/sのスキャン速度でスキャン(掃引)することが望ましい。
次に、インクジェット法を用いて、カラーフィルタ層30の上に色変換層50を形成する。図1においては、赤色変換層50Rおよび緑色変換層50Gを形成する例を示した。必要に応じて、赤色変換層50Rのみを設けてもよい。この場合、緑色カラーフィルタ層30Gの上表面に溝60を設ける必要はない。あるいはまた、赤色変換層50Rおよび緑色変換層50Gに加えて、青色変換層(不図示)を設けてもよい。この場合、青色カラーフィルタ層30Bの上表面にも溝60を設けられる。
色変換層40を形成するためのインクは、少なくとも1種の色変換色素と、溶媒とを含む。本発明において用いることができる色変換色素は、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体)などのアルミキレート系色素;3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素のような、低分子系有機蛍光色素を含む。あるいはまた、ポリフェニレン、ポリアリーレンおよびポリフルオレンに代表される高分子蛍光材料を、色変換色素として用いてもよい。
必要に応じて、色変換色素として、2種以上の色素の混合物を用いてもよい。色素混合物の使用は、青色光から赤色光への変換時などのように波長シフト幅が広い場合に有効な手段である。色素混合物は、前述の色素同士の混合物であってもよい。あるいはまた、前述の色素と、下記の色素との混合物であってもよい。
(1) ジエチルキナクリドン(DEQ)などのキナクリドン誘導体;
(2) 4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1)、DCM−2、およびDCJTBなどのシアニン色素;
(3) 4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン;
(4) ルモゲンFレッド;
(5) ナイルレッド;
(6) ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素;および
(7) ピリジン1などのピリジン系色素。
本発明における色変換層形成のためのインク用溶媒は、上記の色変換色素を溶解することができる任意の溶媒を用いることができる。たとえば、トルエンなどの非極性有機溶媒、あるいはクロロホルム、アルコール系、ケトン系などの極性有機溶媒を、インク用溶媒として用いることができる。インク用溶媒は、単一成分で構成されてもよい。あるいはまた、粘度、蒸気圧、溶解性、流動性および/または濡れ性の調整を目的として、複数の溶媒を混合して、インク用溶媒を調製してよい。
本実施形態において、少なくとも1種の色変換色素を、溶媒中に混合することによってインクを作製することができる。水分および酸素の影響を排除するため、不活性ガス(たとえば、窒素またはアルゴンなどの希ガス)雰囲気下でインクを作製することが好ましい。インクを作製する前に、溶媒中の水分および酸素を除去するために、脱気処理、水分吸収剤による処理、酸素吸収剤による処理、蒸留などの当該技術において知られている任意の手段を用いて溶媒を前処理してもよい。
作製したインクは、所望される解像度での塗布が可能であることを条件として、当該技術において知られている任意のインクジェット装置および方法を用いて、バンク40で異種のカラーフィルタ層30と分離され、上表面に溝60が設けられたカラーフィルタ層30上に付着される。インクジェット装置および方法は、サーマルインクジェット方式であっても、ピエゾインクジェット方式であってもよい。インクジェット方法を用いて付着されたインクは、バンク40によって必要部位以外に広がることを防止されると同時に、溝60によって溝60の延びる方向に広がる。
付着の後に、溶媒を蒸発させて除去し、少なくとも1種の色変換色素からなる色変換層50を形成する。色変換層50は、2つのバンク40に挟まれた領域で、第1の方向に延びるストライプ形状を有する。溶媒の除去は、前述の不活性ガス雰囲気下または真空中で、溶媒が蒸発する温度まで加熱することによって実施することができる。この際に、インク中の色変換色素の劣化または熱分解が発生しないように加熱温度を設定することが望ましい。
最後に、任意選択的に、ブラックマトリクス20、カラーフィルタ層30、バンク40および色変換層50を覆うように、バリア層(不図示)を形成してもよい。バリア層は、水および/または酸素の介在によって劣化する材料を用いて色変換層50を形成した場合に、色変換層50の特性を維持するという点において有効である。
バリア層は、電気絶縁性を有し、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有し、かつ可視域における透明性に富む材料(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)を使用して形成することができる。用いることができる材料は、たとえば、SiOx、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOxなどの無機酸化物、SiNxなどの無機窒化物、およびSiNxyなどの無機酸化窒化物を含む。バリア層は、前述の材料の単一の層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。
バリア層は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の手法により形成することができる。バリア層形成の際の色変換層50へのダメージを回避するという点においては、100℃以下の低温で実施することができ、かつ成膜に用いる粒子のエネルギーが小さいCVD法を用いて、バリア層を形成することが望ましい。
以上の説明においては、図1を参照して、3種のカラーフィルタ層30を用いた例を示した。しかしながら、異種のカラーフィルタ層の境界部分にストライプ形状のバンクを形成すること、その上に色変換層を形成するカラーフィルタ層の上表面にバンクと平行に延びる溝を形成することを条件として、本発明の製造方法が、2種または4種以上のカラーフィルタ層を用いた色変換フィルタの製造に適用できることは明らかであろう。
<実施例1>
(色変換フィルタ)
透明基板10(コーニング社製1737ガラス)上に、カラーモザイクCK−7001(富士フィルム株式会社から入手可能)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、複数の矩形状開口部を有するブラックマトリクス20を形成した。ブラックマトリクス20は、1μmの膜厚を有した。矩形状開口部のそれぞれ(サブピクセルに相当する)は、縦方向300μm×横方向100μmを有し、隣接する矩形状開口部間の間隔は、縦方向30μmおよび横方向10μmであった。
次に、カラーモザイクCR−7001(富士フィルム株式会社から入手可能)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、縦方向に延びる複数のストライプ形状部分からなる赤色カラーフィルタ層30Rを形成した。複数のストライプ形状部分のそれぞれは、図1に示すようにストライプ形状部分の両側縁がブラックマトリクス20に重畳し、1μmの膜厚および110μmの幅を有し、220μmの間隔で配置された。
次に、カラーモザイクCG−7001およびCB−7001(いずれも富士フィルム株式会社から入手可能)を用いたことを除いて、赤色カラーフィルタ層30Rと同様の手順を用いて、緑色カラーフィルタ層30Gおよび青色カラーフィルタ層30Bを形成した。緑色カラーフィルタ層30Gおよび青色カラーフィルタ層30Bの両方においても、複数のストライプ形状部分のそれぞれは、ストライプ形状部分の両側縁がブラックマトリクス20に重畳し、1μmの膜厚および110μmの幅を有し、220μmの間隔で配置された。
次に、光硬化性アクリル樹脂(V259PA/P5、新日鐵化学製)を塗布し、フォトリソグラフィー法によってパターニングを行い、異なる2種のカラーフィルタ層30の境界となる部分、すなわち、30R/30G、30G/30B、および30B/30Rの境界部分に、縦方向に延びる複数のストライプ形状部分からなるバンク40を形成した、バンク40を構成するストライプ形状部分のそれぞれは、10μmの幅、および5μmの高さを有した。
次いで、赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gの上表面に、レーザ加工装置を用いて溝60を形成した。用いたレーザ加工装置は、YAG FHGパルスレーザー(266nm)を備えた。加工の際には、レーザ出力を100mWに設定し、7μmφのスポット径を有するビームを1mm/sの速度でスキャンした。得られた溝60は、8μmの幅および0.4μmの深さを有した。また、赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gを構成する複数のストライプ形状部分のそれぞれにおいて、前述の幅および深さを有する溝60を18μm間隔で3本形成した。
次いで、トルエン1000重量部、およびクマリン6とジエチルキナクリドン(DEQ)との混合物(モル比はクマリン6:DEQ=48:2)50重量部を混合して、インクを調製した。調製したインクをインクジェット装置に装填した。次いで、窒素雰囲気中で、溝60を形成した緑色カラーフィルタ層30Gの上に、1サブピクセルあたり42pLのインクを付着させた。窒素雰囲気を破ることなしに、インクを付着させたカラーフィルタを真空乾燥炉中に移動させ、1.0×10-3Paの圧力の下で100℃に加熱してトルエンの除去を行った。得られた緑色変換層50Gは500nmの膜厚を有した。
トルエン1000重量部、および第1色素であるクマリン6と第2色素であるDCM−2の混合物(モル比はクマリン6:DCM−2=48:2)50重量部を混合して、インクを調製した。調製したインクをインクジェット装置に装填した。次いで、窒素雰囲気中で、溝60を形成した赤色カラーフィルタ層30Rの上に、1サブピクセルあたり42pLのインクを付着させた。窒素雰囲気を破ることなしに、インクを付着させたカラーフィルタを真空乾燥炉中に移動させ、1.0×10-3Paの圧力の下で100℃に加熱してトルエンの除去を行った。得られた赤色変換層50Rは500nmの膜厚を有した。
次いで、真空を破ることなしに、緑色変換層50Gおよび赤色変換層50Rを形成したカラーフィルタを、プラズマCVD装置内に移動させた。プラズマCVD法を用いて、膜厚1μmの窒化シリコン(SiN)を堆積させてバリア層を形成し、色変換フィルタを得た。ここで、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)および窒素(N2)を原料ガスとして用いた。また、バリア層形成時のカラーフィルタの温度を100℃以下に維持した。
<比較例1>
赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gの上表面に溝60を形成しなかったことを除いて実施例1の手順を繰り返して、色変換フィルタを作製した。
<比較例2>
実施例1の手順を繰り返して、透明基板10の上にブラックマトリクス20およびカラーフィルタ層30を形成した。引き続いて、赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gの上表面に、ラビング処理(機械的な引っかき処理)を用いて溝を形成した。その後に、実施例1の手順にしたがってバンクを形成した。さらに、実施例1の手順に従って赤色変換層50Rおよび緑色変換層50Gを形成して、色変換フィルタを得た。本比較例においては、平面視した場合、網目状になるように溝を形成した。それぞれの溝の幅は100nmであった。
<比較例3>
実施例1の手順を繰り返して、透明基板10の上にブラックマトリクス20およびカラーフィルタ層30を形成した。引き続いて、赤色カラーフィルタ層30Rおよび緑色カラーフィルタ層30Gの上表面に、ラビング処理(機械的な引っかき処理)を用いて溝を形成した。その後に、実施例1の手順にしたがってバンクを形成した。さらに、実施例1の手順に従って赤色変換層50Rおよび緑色変換層50Gを形成して、色変換フィルタを得た。本比較例においては、平面視した場合、ランダムになるように溝を形成した。それぞれの溝の幅は100nmであった。
<評価>
実施例1および比較例1〜3で作製された色変換フィルタにおいて、ムラ発生率および混色の発生の有無を評価した。本発明における「ムラ」とは、赤色および緑色のサブピクセル内に、インクがはじかれた結果として、色変換層が形成されていない領域が存在することを意味する。また、「ムラ発生率」は、赤色および緑色のサブピクセルの全数に対する、「ムラ」が発生したサブピクセル数の比率を意味する。また、本発明における「混色」とは、バンクを構成するストライプ形状部分の端部(フィルタ外周部分に位置する)において、インクが隣接する他の色の領域に回り込んで、赤色変換層50Rまたは緑色変換層50Gのいずれかが、所望されない位置に形成されたことを意味する。結果を第1表に示す。
Figure 2009176480
第1表に示すように、レーザ加工によりカラーフィルタ層30の上に平行な溝60を形成した実施例1においては、カラーフィルタ層30と色変換層50形成用インクとの流動性が改善され、カラーフィルタ層30に付着したインクが流動しやすくなり、溝60を形成しなかった比較例1と比較して、ムラ発生率が低減したものと考えられる。また、特許文献12に記載される毛細管現象が起こる細い溝(バンクの2つのストライプ形状部分の間隔をBとした場合に、溝の幅Aが0.00001×B<A<0.01×Bの条件を満たす)を用いた比較例2および3においては、ストライプ形状部分の端部における混色が発生したのに対して、本発明の方法によって製造された実施例1においては混色が発生しなかった。
以上のように、カラーフィルタ層の部分的な流動性の制御を行うことによって、インクジェット法を用いて、高精細度のパターンをを有する色変換層の新規な作製方法を提供することができた。したがって、本発明の方法によって製造される色変換フィルタは、高精細度を有するフラットパネルディスプレイの低コスト化を実現することができる。
本発明の製造方法で形成された色変換フィルタを示す断面図である。
符号の説明
10 透明基板
20 ブラックマトリクス
30(R,G,B) カラーフィルタ層
40 バンク
50(R,G) 色変換層

Claims (3)

  1. (a) 透明基板上に複数種のカラーフィルタ層を形成する工程であって、該複数種のカラーフィルタ層のそれぞれは、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、
    (b) 異種のカラーフィルタ層の境界部分に、バンクを形成する工程であって、バンクは第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分から構成される工程と、
    (c) 前記複数種のカラーフィルタ層の少なくとも1つの上面に、レーザ加工によって、第1の方向に延びる少なくとも1つの溝を形成する工程と、
    (d) 前記溝を形成したカラーフィルタ層の上に、インクジェット法を用いて、特定の波長の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長を含む光を出力する色変換層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする色変換フィルタの製造方法。
  2. 工程(c)において、複数の溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の色変換フィルタの製造方法。
  3. 工程(c)において、360nm以下の発振波長を有するレーザを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の色変換フィルタの製造方法。
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