JP2009175127A - 波形情報取得装置及び波形情報取得方法 - Google Patents

波形情報取得装置及び波形情報取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化することにより、テラヘルツ波の時間波形を取得することのできる装置及び方法の提供。
【解決手段】 テラヘルツ波を発生させるための発生部と、前記発生部から発生したテラヘルツ波を伝播させるための伝播部と、テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部と、テラヘルツ波の伝播速度を変化させるための第1の遅延部と、前記伝播部におけるテラヘルツ波の伝播速度を変化させるように前記第1の遅延部を制御するための制御部と、を有し、
前記検出部で検出されるテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得することを特徴とする波形情報取得装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波形情報取得装置及び波形情報取得方法に関する。
テラヘルツ波(本明細書では30GHz以上30THz以下の周波数の電磁波をテラヘルツ波と称す。)の帯域には、生体分子をはじめとして、様々な物質の構造や状態に由来する、特徴的な吸収帯が存在する。このような特徴を活かして、非破壊に物質の分析や同定を行う検査技術が開発されている。また、X線に替わる、安全なイメージング技術や、高速な通信技術への応用が期待されている。
テラヘルツ波を用いて分析技術として、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy)がある。
これは、サンプルを透過又は反射したテラヘルツ波の時間波形(横軸を時間軸としたテラヘルツ波の波形)を取得する測定方法である。この方法で取得した波形の振幅と位相に関する情報を用いて、サンプルの物性を取得する技術が、特許文献1に開示されている。
また、テラヘルツ波を発生、検出する素子を集積した素子に関する技術が、非特許文献1に開示されている。THz−TDSに用いられるTHz波発生源としては、低温結晶成長させたガリウムヒ素(LT−GaAs:Low−Temperature grownGaAs)などの光伝導膜が用いられる。光伝導膜上の電極間にレーザパルス光を照射すると、光励起により電極間に瞬時にキャリアが流れる。そして、このキャリア電流の時間微分に比例したTHzパルスが発生する。THz−TDSに用いられる検出側にも前記光伝導膜が用いられ、発生源と同様に超短パルスであるレーザパルスを用いる。
このように、テラヘルツ時間領域分光法は、テラヘルツ波よりも時間幅が短い超短パルスを用いて行われる。具体的には、テラヘルツ波の時間波形における、ある時間の振幅(光電流値など)をサンプリングするための超短パルスとして、数10フェムト秒のパルス幅を有するパルスレーザを用いる。そして、テラヘルツ波を発生させる位置や検出する位置に照射される光の照射タイミングを変化させる。これにより、時間波形における各サンプリングを行う位置を変えながら、テラヘルツ波の振幅(光電流値など)を取得することができ、結果として、時間波形全体が再現できる。
なお、上記照射タイミングを変化させるには、超短パルスの光路長を変化させるための可動鏡を遅延光学系として用いる。
特開2005−274496号公報 Appl.Phys.Lett.70,2233,1997
上述したように、テラヘルツ波の時間波形を取得するために、テラヘルツ波の発生位置や検出位置に光照射するタイミングを変化させるために前記遅延光学系を用いる方法が知られている。
本発明者は、上記方法とは異なる手法を用いて、テラヘルツ波の時間波形を取得する手法を鋭意検討し、前記遅延光学系を用いなくても時間波形を再現できることに気付き、本発明を成すに至った。
本発明の目的は、前述の遅延光学系を用いた手法とは異なる手法により、時間波形に関する情報を取得し得る装置及び方法を提供することにある。もちろん、本発明は、前述の遅延光学系を用いる手法と上記新規な手法との併用を除外するものではない。
本発明に係るテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための波形情報取得装置は、
テラヘルツ波を発生させるための発生部と、
テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部と、
テラヘルツ波が前記発生部で発生してから、該テラヘルツ波の波形情報として前記検出部で検出されるまでの時間を変えるための第1の遅延部と、を有し、
前記第1の遅延部は、前記発生部により発生したテラヘルツ波の伝播速度を変えるように構成され、
前記発生部により発生したテラヘルツ波ごとに、前記検出部で検出されたテラヘルツ波の波形情報と前記伝播速度とを関連付けることを特徴とする。
また、別の本発明に係る波形情報取得装置は、
テラヘルツ波を発生させるための発生部と、
前記発生部から発生したテラヘルツ波を伝播させるための伝播部と、
テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部と、
前記発生部により発生したテラヘルツ波の前記伝播部における伝播速度を変化させるための第1の遅延部と、
前記伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させるために、前記第1の遅延部を制御するための制御部と、を有し、
前記検出部で検出されるテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得することを特徴とする。
また、別の本発明に係る波形情報取得方法は、
テラヘルツ波を伝播させる工程と、
第1の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程と、
前記テラヘルツ波の伝播速度を第2の伝播速度に変化させる工程と、
前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程と、
前記第1の伝播速度及び前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報から取得される時間波形に関する情報を取得する工程と、
を有することを特徴とする。
さらに、別の本発明に係るテラヘルツ時間領域分光方法は、
テラヘルツ波を発生し、
前記発生したテラヘルツ波を伝播させ、
前記伝播したテラヘルツ波に関する情報を検出し、
前記検出したテラヘルツ波に関する情報からテラヘルツ波の時間波形を構築するテラヘルツ時間領域分光方法において、
前記時間波形を得るために、前記テラヘルツ波の伝播速度を変えることを特徴とする。
本発明によれば、伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度(実効的な伝播距離)を制御することができる。これにより、テラヘルツ波の伝播時間を制御することができるので、結果として、テラヘルツ波の時間波形を取得することができることになる。
(第1の実施形態:伝播速度可変)
第1の実施形態に係る波形情報取得装置について、図1を用いて説明する。
図1(a)は、伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させる前の波形情報取得装置を表す模式図である。
図1(b)は、伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させた時の波形情報取得装置を表す模式図である。
101は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。発生部101としては、例えば、キャリア発生層を含み構成され、前記キャリアに電界を印加することにより、テラヘルツ波を発生する前述の光伝導膜を用いるものがある。また、発生部101は、電界(或いは電圧)を印加することにより共鳴トンネル現象が生じる構造を有する共鳴トンネルダイオードなどを用いることができる。ただし、本発明に適用される発生部としては、これらに限定されるものではない。
102は、前記発生部101から発生したテラヘルツ波を伝播させるための伝播部である。ここで、伝播部102とは、テラヘルツ波が伝播している領域のことである。伝播部102としては、例えば、ストリップ形状の電極を含み構成される伝送線路(マイクロストリップ線路)などがある。さらに、伝播部102は、テラヘルツ波が伝播する空気(間隙、空間)で構成しても良い。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
103は、テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部である。検出部103としては、上述の発生部と同様の構成が考えられる。
ここで、テラヘルツ波の波形情報とは、例えば、時間波形(横軸を時間軸としたテラヘルツ波の波形)上の、ある時間における振幅の値のことである。また、前記波形情報は、少なくとも波形の一部の情報であれば良い。
104は、前記発生部101により発生したテラヘルツ波の前記伝播102における伝播速度(実効的な伝播距離)を変化させるための第1の遅延部である。前記伝播速度を変化させるには、テラヘルツ波が伝播する領域(前記伝播部102を含む。)の屈折率を変化させることが好ましい。前記テラヘルツ波は、必ずしも前記伝播部102のみを伝播するわけではなく、前記伝播部102を含む領域を伝播する。
伝播速度は、屈折率の逆数に比例して変化する。例えば、伝播部102の構造が、伝播する電磁波に対して、伝送線路のように一部が開放されている場合、伝播部102の屈折率は、開放されている部分の屈折率を調整することでこの屈折率を調整することができる。伝播部102の屈折率は、この開放されている部分の屈折率を含めた平均的な値として算出される。そのため、遅延部104によって、この平均的な屈折率を調整することができれば、伝播速度は変化する。尚、この開放されている部分の割合は、伝播部102の構造に依り、開放される部分の割合が大きい伝播部102を選択することで、調整し得る伝播速度の変化の割合を大きくできる。
前記テラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を変化させる手段としては、機械的な手段や、電気的な手段が考えられる。
前記機械的な手段には、例えば、前記伝播部102との距離を変化させるために、アクチュエータを用いて前記第1の遅延部104の位置を変化させることが考えられる。なお、この第1の遅延部104の位置を変化させることによって、前記テラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を変化させることができる理由については後述する。
また、前記電気的な手段には、例えば、液晶の配向を変化させるために、液晶に印加する電圧を変化させることが考えられる。長手方向の屈折率と短手方向の屈折率が異なる液晶を用いると、伝播部102を伝播するテラヘルツ波の偏向に対する液晶の配向を調整することで、テラヘルツ波が感じる屈折率が変化する。この現象を利用して、テラヘルツ波の伝播速度を変化させる。液晶を用いて、前記テラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を変化させる具体的な例については後述している。さらに、テラヘルツ波が伝播する領域を取り囲むガスの密度を変化することにより、テラヘルツ波の伝播速度(実効的な伝播距離)を変化させることもできる。
ここで、テラヘルツ波の伝播を電磁界中で行う場合、電場や磁場を変化させることにより、テラヘルツ波の伝播特性が変化する。この場合、偏波の回転が発生すると、テラヘルツ波の周波数が変化し、周波数に依存する伝播速度(位相速度)が変化する。
第1の遅延部104としては、屈折率を有する材料であれば何でも良く、例えば、石英を用いることができる。また、ポリエチレン系やポリオレフィン系などの部材を用いることもできる。さらに、第1の遅延部104としては、例えば、液晶を用いることができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
105は、前記伝播部102を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させるために、前記第1の遅延部104を制御するための制御部である。
前記制御部105は、前記伝播速度を制御するために、前記伝播部102を伝播するテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を制御することが好ましい。ただし、本発明はこれに限らない。
ここで、前記第1の遅延部104の制御とは、例えば、前記伝播部102と前記第1の遅延部104との距離を調整することである。この距離の調整の一例として、伝播部102の位置を固定しておき、第1の遅延部104の位置を変えることが挙げられる。もちろん、本発明に関する距離の調整はこれに限らない。また、前記距離の調整は、前記機械的な手段を用いることによって行うことができる。この手段は、例えば、前記第1の遅延部104に前述の部材(石英など)を用いるときに適用できる。
また、前記第1の遅延部104の制御とは、例えば、前記第1の遅延部104を液晶などにより構成し、その液晶の配向を調整することである。前記配向の調整は、前記電気的な手段を用いることによって行うことができる。この手段は、例えば、前記第1の遅延部104に液晶などを用いたときに適用できる。また、この手段は、前記第1の遅延部104にコロイド溶液などを用いたときにも適用できる。コロイド溶液は、例えばシリコーンオイルのような絶縁性液体にセラミック粒子を樹脂材料でコーティングしたような帯電粒子を分散したものを用いる。これらの絶縁性液体と帯電粒子の屈折率が異なる場合、伝播部102を伝播するテラヘルツ波の電磁界が及ぶ範囲に分布する帯電粒子の密度を調整することで、伝播部102の屈折率を調整することが可能となる。この結果、テラヘルツ波の伝播速度を調整することが可能となる。このとき、前記第1の遅延部104に印加する電圧を調整(或いは電流を調整)することにより、前記コロイド溶液中のコロイドの分散を調整することができる。尚、コロイドの分散調整に用いる電圧(或いは電流)は、テラヘルツ波と周波数的に切り分けられることで、調整用の信号が伝播部102を伝播するテラヘルツ波に及ぼす影響をなくすことができる。
以上より、前記制御部105は、前記伝播部102を伝播するテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を制御することができる。
上記の構成により、テラヘルツ波の伝播時間を変化させることができる。また、検出部103におけるテラヘルツ波の時間波形をサンプリングする時間軸上でのサンプリング位置を変化させることができる。さらに、テラヘルツ波の伝播時間を制御できるので、各サンプリング位置を制御することができる。前記サンプリング位置ごとの信号を逐次記録することにより、テラヘルツ波の時間波形全体を構築することもできる。
本実施形態の構成とすることにより、前記検出部103で検出されるテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得することができる。ここで、前記時間波形に関する情報とは、テラヘルツ波の振幅や位相に関する情報なども含まれる。
(伝播部が空気などの気体も含む形態)
上述した実施形態に係る波形情報取得装置が有する伝播部103が、空気などの気体も含む(テラヘルツ波が空間を伝播する)場合について、図1(c)を用いて説明する。
図1(c)は、テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための波形情報取得装置を表す模式図である。
111は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。前記発生部111は、低温成長させたGaAs(LT−GaAs)、InGaAs、AlGaAsなどの光伝導性を有する半導体(単一の層構造、光伝導膜とも呼ぶ。)であることが望ましい。また、前記発生部111は、前記光伝導性を有する半導体を含み構成される構造体(複数の層構造)であることが望ましい。前記構造体は、励起光の光子エネルギーより小さなバンドギャップエネルギーを持つ半導体を含み構成されるダイオード構造(整流性を持たせた構造)のことである。例えば、p−i−nダイオード構造、metal−i−nダイオード構造、metal−i−metalダイオード構造、ショットキーバリアダイオード構造などを用いることができる。これらは、素子に逆バイアスを印加することにより、励起光の照射で発生するキャリアにより流れる電流を小さくすることができる。このため、発生部111の抵抗が小さくても、効率良くキャリアに電界を印加することができる。ここで、i層の材料には、例えば、LT−GaAsよりも抵抗の低いInGaAsなどを用いることが好ましいが、本発明はこれに限らない。また、前記発生部111には、共鳴トンネルダイオード、半導体超格子、超伝導体などを用いても良い。
次に、113は、テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部である。前記検出部113は、上述の発生部111と同様の構成が考えられる。
ここで、テラヘルツ波の波形情報とは、例えば、時間波形(横軸を時間軸としたテラヘルツ波の波形)上の、ある時間における振幅の値のことである。また、前記波形情報は、少なくとも波形の一部の情報であれば良い。
また、114は、テラヘルツ波が前記発生部111で発生してから、該テラヘルツ波の波形情報として前記検出部113で検出されるまでの時間を変えるための第1の遅延部である。前記第1の遅延部114は、上述したテラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy)を行うための機構である。第1の遅延部114の具体的な構成としては、上述の実施形態の他に、後述する実施例4などの形態が考えられる。前記第1の遅延部114は、前記発生部111により発生したテラヘルツ波の伝播速度を変えるように構成されれば良い。また、前記第1の遅延部114は、前記発生部111により発生したテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を変えるように構成されても良い。
ここで、前記第1の遅延部114は、前記発生部111により発生したテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率とは異なる屈折率を有する部材を含み構成されることが好ましい。さらに、前記部材と前記領域との相対位置を変える(実施例1や2)ように構成されることが好ましい。また、前記部材が前記領域を占有する割合を変える(実施例4)ように構成されても良い。
そして、前記発生部111により発生したテラヘルツ波(あるいは異なるテラヘルツ波)ごとに、前記検出部113で検出されたテラヘルツ波の波形情報と前記伝播速度とを関連付ける。なお、異なるテラヘルツ波とは、前記発生部111により発生したテラヘルツ波のうち、第1のテラヘルツ波と該第1のテラヘルツ波とは異なる第2のテラヘルツ波との関係であることを意味する。
ここで、前記関連付けられた情報を用いて、前記伝播速度に対する前記波形情報からテラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための波形情報取得部を備えることが好ましい。
以上により、従来技術とは異なる手法によってテラヘルツ時間領域分光法を行い、テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得することができる。なお、前記時間波形に関する情報とは、テラヘルツ波の振幅や位相に関する情報なども含まれる。
上述の実施形態のように、第1の遅延部114を制御するための制御部115を有していても良い。なお、120は、第1の遅延部114中を伝播するテラヘルツ波を表している。
ここで、テラヘルツ時間領域分光方法とは、前記検出したテラヘルツ波に関する情報からテラヘルツ波の時間波形を構築する手法である。本実施形態は、前記時間波形を得るために、テラヘルツ波の伝播速度を変えることにより行う手法である。なお、前記伝播速度を変えるには、実効的な伝播距離や光学的な距離(光学距離、屈折率と空間的な距離の積)を変えることにより行うことができる。このとき、空間的な距離は一定であることが望ましい。
(波形情報取得方法)
本実施形態に係る波形情報取得方法は、少なくとも以下の1)から5)の工程を有する。
1)テラヘルツ波を伝播させる工程。
2)第1の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程。
3)前記テラヘルツ波の伝播速度を第2の伝播速度に変化させる工程。
4)前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程。
5)前記第1の伝播速度及び前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報から取得される時間波形に関する情報を取得する工程。
なお、前記時間波形に関する情報は、前記波形情報から時間波形全体を構築しても良い。また、前記時間波形に関する情報は、時間波形上の数点の情報から時間波形全体を構築しても良い。さらに、時間波形を構築しなくても良い。
(第2の実施形態:強度やパルス幅の変化を補正)
第2の実施形態に係る波形情報取得装置について、図2を用いて説明する。
201は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。202は、前記発生部201から発生したテラヘルツ波を伝播させるための伝播部である。203は、テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部である。204は、前記発生部201により発生したテラヘルツ波の前記伝播部202における伝播速度を変化させるための第1の遅延部である。205は、前記伝播部202を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させるために、前記第1の遅延部204を制御するための制御部である。そして、これら(201から205)には、前述の実施形態で述べた技術事項が適用される。
ここで、図2について、第1の実施形態と構成の上で異なるのは、処理部206を付加した点である。
処理部206は、前記検出部203で検出されるテラヘルツ波の時間波形に関する情報を補正する。例えば、前記伝播部202を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させる前の時間波形の形状となるように補正することが考えられる。
テラヘルツ波が伝播する領域の屈折率が変化することに伴い、テラヘルツ波の時間波形の形状が歪む。具体的には、テラヘルツ波の強度やパルス幅が変化する。
ここで、前記処理部206は、演算処理部と補正部を含み構成することもできる。演算処理部と補正部については、後述する。
前記処理部206を用いることにより、第1の遅延部204がテラヘルツ波の伝播特性に及ぼす波形の歪みを、予め用意しておいた補正値によって補正することができる。
以下、テラヘルツ波の波形の歪みを補正する方法の具体例について述べる。なお、補正値は、例えば、既述の遅延光学系などで構成される第2の遅延部を用いて、取得できる。もちろん、一旦、補正値に関するデータベース化が終了したら、この第2の遅延部は必ずしも用いなくても良い。
図3は、第2の実施形態の一形態に係る波形情報取得装置について説明するための模式図である。
(テラヘルツ波の発生部と検出部)
301は、テラヘルツ波を発生させるための発生部である。また、303は、テラヘルツ波を検出するための検出部である。なお、これらの部分はそれぞれ独立して構成しなくても、発生と検出の機能を兼ねるように構成していてもよい。
発生部301と検出部303はそれぞれ、トリガ部308のトリガ信号によって動作する。検出部303へ出力されたトリガ信号は、第2の遅延部309により、発生部301に出力されるトリガ信号に対して時間遅延される。第2の遅延部309を調整することにより、時間遅延を調整することができる。時間遅延の調整は、例えば、検出部303へ出力されるトリガ信号の光路長を変えることにより行う。この調整は、演算処理部307で行ってもよいし、不図示のドライバを用いてもよく、特に限定されるものではない。
(テラヘルツ波時間領域分光法:TDS)
テラヘルツ波の信号は、応答速度が速い信号であるため、実時間で取得することは困難である。そのため、トリガ信号を用いて、テラヘルツ波をサンプリングして応答波形を取得することが多い。トリガ信号は、多くの場合、数10〜数100フェムト秒のパルス形状を用いる。この時、検出部303は、トリガ信号が存在する間、つまり数10〜数100フェムト秒間、動作する。検出部303が動作する時間は、テラヘルツ波の時間波形に対して、十分小さい。このとき、検出部303で検出するテラヘルツ波は、トリガ信号が存在する瞬間の値を測定する。この瞬間の値は、テラヘルツ波の電場強度に相当する値である。
例えば、このトリガ信号が検出部303に到達する時間を遅延し、逐次、検出部303に到達するテラヘルツ波の瞬間の値(テラヘルツ波の電場強度)を記録する。これにより、テラヘルツ波の時間波形(横軸を時間軸としたテラヘルツ波の波形)を構築することができる。
ここで、第2の遅延部309のある基準値(時間に換算した場合、0秒)からの変化量(例えば、検出部303へ出力されるトリガ信号の光路長)を時間に換算する。所定の観測時間となるように、第2の遅延部309の位置(遅延量)を調整し、トリガ信号が検出部303に到達する時間を調整する。所定の観測時間におけるテラヘルツ波の瞬間の値(テラヘルツ波の電場強度)を、検出部303で検出する。
なお、トリガ信号は、前記発生部301と検出部303への光照射に限らない。例えば、テラヘルツ波を発生させるために、共鳴トンネル現象を用いた構造体に電界(或いは電圧)を印加するものであっても良い。
(伝送線路遅延器)
ここで、伝播部302、第1の遅延部304、遅延調整部305によって、伝送線路遅延器を構成している。
発生部301で発生したテラヘルツ波は、伝播部302を伝播する。前記伝播部302は、少なくともストリップ形状の第1電極310を含む導波路である。ここでは、誘電体311を第1電極310と平板形状の基準電極312(電界の基準となる電位を規定するための電極)で挟むマイクロストリップ線路を適用した例を示している。ただし、導波路の構造はこれに限らず、例えば、コプレーナ導波路やコプレーナストリップ線路が適用可能である。
(第1の遅延部)
第1の遅延部304は、ある屈折率を有する部材(石英やポリエチレン系の部材)である。本実施形態においては、第1の遅延部304は、伝播部302を構成する第1電極310の長手方向に対して垂直となる位置に配置される。ただし、本発明は上述のように、垂直である必要はない。
また、第1の遅延部304は、前記伝播部302からある距離だけ離れた位置に配置されている。さらに、遅延調整部305は、第1の遅延部304を調整することにより、前記第1の遅延部304と伝播部302との距離を調整する役割を果たす。伝播部302と第1の遅延部304との距離を制御することにより、テラヘルツ波が伝播する領域の屈折率の変化(屈折率分布状態の変化)を制御することができる。これにより、伝播部302を伝播するテラヘルツ波の実効的な伝播距離(電気長)の変化を制御でき、検出部303へのテラヘルツ波の到達時間(伝播時間)の変化を制御することができる。
なお、本実施形態では、第1の遅延部304と伝播部302との距離によって、伝播部302の屈折率の分布状態を調整しているが、この限りではない。例えば、第1の遅延部304は、液晶のように、電気的な手段を用いることにより屈折率を変化させることのできる部材と、電気的な手段を用いるための電極によって構成してもよい。この時、遅延調整部305は、電気的な手段を用いることにより第1の遅延部304の屈折率を変化させるための制御部となる。
また、第1の遅延部304の屈折率を上記電気的な手段により変化させ、且つ、伝播部302との距離を調整することにより屈折率分布を変化させる構成としてもよい。
演算処理部307は、検出部303の出力信号を参照し、テラヘルツ波の時間波形を構築する部分である。具体的には、検出部303に到達するトリガ信号に対して、テラヘルツ波が検出部303に到達する時間の変化と、検出部303の出力の変化を逐次記録する。これにより、テラヘルツ波の時間波形を構築することができる。
(第1の遅延部により伝播速度が変化)
図4の時間波形401から404は、それぞれ、第2の遅延部309の位置(遅延量)を調整することにより検出部303が検出されたテラヘルツ波の時間波形である。各時間波形のスペクトルの違いは、第1の遅延部304を調整することによって伝播部302の屈折率分布を変化させることによって生じたものである。
例えば時間波形401は、次のように取得する。すなわち、第1の遅延部304と伝播部302の距離をある距離x1に固定した状態で、第2の遅延部309でトリガ信号を掃引(時間遅延)する。同様に、時間波形402はx2の状態で取得されたテラヘルツ波の時間波形である。
伝播部302と第1の遅延部304との距離を遅延調整部305により制御し、テラヘルツ波の伝播部302の屈折率を大きくする。
ここで、例えば伝播部が誘電体を含み構成されているとき、テラヘルツ波は誘電体だけでなく、誘電体の外側(例えば、空気)も伝播している。このため、第1の遅延部304(例えば、空気よりも大きな誘電率を持つ材料)と伝播部302との距離を短くすることにより、テラヘルツ波が伝播する領域の誘電率がトータルで大きくなる。なお、誘電率が大きくなるということは、屈折率が大きくなることを意味している。
図4から、伝播部302の屈折率分布を変化させることによって、テラヘルツ波が時間波形は、401から404に推移する。このとき、伝播するテラヘルツ波の伝播速度が遅くなっている様子がわかる。
(装置の動作)
以下に本実施形態の波形情報取得装置の動作を説明する。
本実施形態では、テラヘルツ波の時間波形を取得するために、テラヘルツ波の伝播速度(実効的な伝播距離)を変化させる。これにより、検出部303に到達するテラヘルツ波の時間を変化させる。そして、第2の遅延部309で予め定めた観測時間(または観測位置)において、テラヘルツ波の伝播速度の変化(実効的な伝播距離)の変化に伴い変化する信号を逐次検出し、テラヘルツ波の時間波形を取得する。
例えば、図4において、5ピコ秒の位置に観測時間tnを定める。そして、tnが5ピコ秒となるように、第2の遅延部309の位置を調整する。この状態で、第1の遅延部304を調整し、伝播部302を伝播するテラヘルツ波の伝播速度(実効的な伝播距離)を変化させる。これにより、テラヘルツ波の時間波形の観測時間を変化することができる。すなわち、第1の遅延部304を調整することで、テラヘルツ波の時間波形を時間的に掃引(時間遅延)することが可能となる。
(演算処理部)
演算処理部307では、第2の遅延部309の位置を観測時間tnに固定(例えば5ピコ秒)した状態で、遅延調整部305により第1の遅延部304を調整する。遅延調整部305の調整量と検出部303の出力を参照し、演算処理部307によりテラヘルツ波の時間波形が構築される。
演算処理部307で構築されたテラヘルツ波の時間波形を図5の(A)に示す。また、図5の(B)の時間波形は、取得したいテラヘルツ波の時間波形(すなわち、屈折率変化による歪みがない時間波形)である。ここで、図5の(B)の時間波形は、図4における時間波形401を基準波形(伝送線路型遅延器の影響を受けていない波形)としている。なお、時間波形401は、2ピコ秒をピーク値とする時間波形である。
図5の(A)の時間波形は、伝播するテラヘルツ波の伝播速度(実効的な伝播距離)を変化させた時の、観測位置tnの強度変化を記録したものである。図4において、伝播部304の屈折率を順次大きくした時(図4における矢印の方向)、検出部303が検出するテラヘルツ波の瞬間の値を記録したものである。この時、観測位置tnで観測されるテラヘルツ波の瞬間の値は、基準波形について、観測位置tnからパルスの頂点に向かって推移する。これは、図4の時間軸をマイナス方向へ掃引(時間遅延)していることに相当している。そのため、図5の(B)の基準波形と観測位置tnで観測された時間波形(A)は、反転している。
ここで、図5の(A)と(B)のパルスのピーク値は、時間軸上でずれている。この時間のずれは、伝播時間のずれである。これは、伝播するテラヘルツ波の伝播速度の変化による時間遅延を表している。
なお、以上は、テラヘルツ波の時間波形が遅延する方向(時間軸のプラス方向)に動作する場合について説明した。ただし、時間軸のマイナスの方向に動作する態様を除くものではない。このとき、図5の(A)と(B)の時間波形の反転状態は解消される。
(補正部)
また、伝播部302を含む領域の屈折率の変化に伴い、テラヘルツ波の時間波形の形状が歪む。具体的には、テラヘルツ波の強度とパルス幅が変化する。
ここで、テラヘルツ波の時間波形の形状が歪む理由として、以下のようなことが考えられる。例えば、テラヘルツ波の実効的な伝播距離が変化すると、導体や誘電体によって損失するテラヘルツ波のエネルギーが大きくなる。また、テラヘルツ波の実効的な伝播距離の変化に伴い、分散の影響による各周波数成分の伝播速度の差が顕著になり、テラヘルツ波のパルス幅が広がる。また、テラヘルツ波の屈折率の変化を生じさせる手段の上記損失の特性や上記分散の特性によって、テラヘルツ波の時間波形の形状は影響を受ける。
補正部306には、上記形状の歪みを補正する補正値が記憶されている。この補正値を用いて、演算処理部307で構築された時間波形から、時間波形の形状が歪む前の時間波形を再構築する。
図5の(A)の時間波形は、伝播部の損失や分散などの伝播特性の影響を含んだ波形となっている。そのため、図5の(B)の基準波形の強度やパルス幅とは異なる。そこで、演算処理部307は、一旦構築した時間波形(A)を、図5の(B)の波形に再構築する動作を行う。このとき、補正部306の補正値を参照する。
補正部306には、所定の観測位置について、周波数毎の強度や位相の補正を行うための補正値が記憶されている。ここで、図6は、補正部306が記憶している補正用のテーブルの一例である。図6の補正前の周波数情報は、図5の(A)の時間波形に対応している。また、図6の補正後の周波数情報は、図5の(B)の時間波形に対応している。これらの周波数情報は、各時間波形をフーリエ変換することにより求めることができる。
ここで、補正前の周波数情報は、次のように信号処理した波形を用いている。すなわち、図5の(A)の時間波形のピーク位置を図5の(B)の基準波形のピーク位置に合わせ、このピーク位置を境に反転している。
各時間波形の強度やパルス幅が図5の(A)と図5の(B)で異なるため、図6の周波数情報にも補正前後で差異がある。補正部306では、観測位置tn毎に、図6のような補正用のテーブルが予め記憶されていることが好ましい。具体的には、例えば、観測位置が5ピコ秒の時、0.5THzの周波数成分について、強度を3倍し、位相を9.2π進めることにより、時間波形を補正することができる。演算処理部307では、観測位置tnに対応したテーブルを参照し、取得したテラヘルツ波の時間波形を再構築する。
補正部306で用意される補正用のテーブルは、予め実測によって求めることができるが、計算によって求めることもできる。また、実測によって求めたある観測位置のテーブルを参照し、測定していない他の観測位置のテーブルを計算して補完してもよい。
(一般的なTHz−TDSとの差異)
上述したように、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy)では、テラヘルツ波の時間波形を取得している。この時間波形を取得するとき、テラヘルツ波の発生位置と検出位置とに光照射するタイミングを変化させる方法が、一般的に用いられている。ここで、この方法を用いるとき、テラヘルツ波の伝播時間を変化させることはしない。また、この方法を用いるときは、テラヘルツ波の伝播時間を一定にさせることが望ましい。
本発明は、テラヘルツ波の発生位置と検出位置とに光照射するタイミングを変化させるものではない。また、上記タイミングは一定であることが望ましい。本発明は、テラヘルツ波の伝播時間を変化させることにより、テラヘルツ波の時間波形を取得している。伝播時間を変化させるために、伝播速度を変化或いは、実効的な伝播距離(電気長)を変化させている。
ここで、実効的な伝播距離について説明する。v(伝播速度)=c(光速)/n(屈折率)を、t(伝播時間)=x(伝播距離)/v(伝播速度)に代入する。すると、t=nx/cとなる。これらの式から明らかなように、nを可変にすることは、以下の2つを意味している。すなわち、nを可変にすることは、vを可変にしていると言えるし、nx(=y)を可変にしているとも言える。このyが、実効的な伝播距離としている。なお、テラヘルツ波の伝播は、自由空間中であるとして議論した。
本明細書において、上記伝播速度を変化させるときは、実効的な伝播距離が一定(すなわち、テラヘルツ波が実際に伝播する距離が一定)であるとして議論している。また、実効的な伝播距離を変化させるときは、伝播速度を一定(すなわち、テラヘルツ波の伝播する速度が光速)であると仮定して議論している。しかし、これらを一定にすることは、本発明の必須な要件ではなく、伝播時間を制御することが、本発明の本質である。
以下、実施例について、図面を参照して述べる。
(実施例1:第1の遅延部と伝播部との距離調整)
実施例1について図7を用いて説明する。
図7は、本実施例における波形情報取得装置を説明するための模式図である。
伝播部として、第1電極710、誘電体711、基準電極712により構成されるマイクロストリップ線路を用いている。伝播部は、不図示のシリコン(Si)基板上に形成する。
第1電極710は、例えば、チタン(Ti)と金(Au)とを、それぞれ500Åと3000Åの厚さに積層した導体である。また、第1電極710の線幅は、5μmである。基準電極712は、Si基板上に形成される平板状の導体である。基準電極712は、素子を構成する各部に基準の電位を与える。導体の構成は第1電極710と同様である。
誘電体711は、ベンゾシクロブテン(BCB)を用いる。ただし、誘電体711の材料はこれに限らず、ポリエチレン系やポリオレフィン系の樹脂材料を用いることができる。テラヘルツ波に対して損失の小さい材料がよい。また、誘電体711として、半絶縁性シリコン(SI−Si)のような半導体材料が適用できる。また、このような半導体材料として、キャリア発生層と同じ材料を適用することもできる。誘電体711の膜厚は3μmである。
トリガ部として、レーザ部708を用いる。レーザ部708により、第1キャリア発生層717を含み構成される発生部にレーザを照射し、駆動する。また、レーザ部708により、第2キャリア発生層718を含み構成される検出部にレーザ光を照射し、駆動する。ここで、第1キャリア発生層717に照射するレーザ光をポンプ光、第2キャリア発生層718に照射するレーザ光をプローブ光とする。レーザ部708には、パルス幅50フェムト秒、中心波長800nm、繰り返し周波数76MHzのチタンサファイアレーザを用いる。
レーザ部708から出力されるレーザ光は、ビームスプリッタで分離される。さらにミラー、第2遅延部709を介して、第1キャリア発生層717と、第2キャリア発生層718とに照射される構成である。
第2の遅延部709として、リトロリフレクターと折り返し光学系を組み合わせ、アクチュエータによって超短パルスの光路長を変化させる遅延光学系を適用する。
ここで、発生部は、第1キャリア発生層717、第1電極710、第2電極715、バイアス印加部719によって構成される。第1キャリア発生層717は、低温成長ガリウムヒ素(LT−GaAs)を用いる。LT−GaAsは、半絶縁性のガリウムヒ素(SI−GaAs)基板(比抵抗;>1×10Ω・cm)に対し、分子ビーム低温エピタキシャル成長(250℃)によって作製され、SI−GaAs基板より剥離して使用する。第1キャリア発生層717の膜厚は、2μmである。第2電極715は、第1電極710と同じく、例えば、TiとAuとを、それぞれ500Å、3000Åの厚さに積層した導体である。第2電極715の線幅を10μmとする。
第1電極710と第2電極715は、ある間隙を介して第1キャリア発生層717上に配置されている。前記間隙は、5μmとしている。バイアス印加部719は、前記間隙にバイアスを印加する部分であり、10Vのバイアスを印加する。レーザ部708から出力されるポンプ光は、前記間隙に照射されることにより、キャリアが発生する。バイアス印加部719によってキャリアにバイアスが印加され、前記キャリアは加速される。これにより、電磁波が発生し、テラヘルツ波として利用する。テラヘルツ波は、第1電極に結合し、伝播部を伝播する。
また、検出部の構成は、上記発生部と同様の構成となっている。検出部は、第2キャリア発生層718、第1電極710、第3電極716、電流電圧変換部723によって構成される。第2キャリア発生層718と第3電極716はそれぞれ、発生部の第1キャリア発生層717と第2電極715と同様の構成である。電流電圧変換部723は、第3電極716を流れる電流を電圧に変換し、増幅する部分である。
レーザ部708から出力されるプローブ光は、第1電極710と第3電極716の間隙に照射される。前記間隙は、発生部と同じく5μmである。このプローブ光が、間隙部分に第2キャリア発生層718からキャリアを発生させる。発生したキャリアは、伝播部から伝播するテラヘルツ波の電磁場によって変動される。このキャリアの変動に伴う電流信号は、第3電極716に伝えられる。電流電圧変換部723は、前記電流信号を検出する。ここで、検出される信号は、第2遅延部709によって定められる観測位置tnの瞬間値である。
ここで、レーザ部709として、チタンサファイアレーザを用いているが、これに限らず、小型で安定なファイバレーザを用いてもよい。好適には、レーザの波長は、使用するキャリア発生層の吸収波長に調整される。例えば、キャリア発生層として、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)が適用する場合、レーザの波長は、およそ1.4μmに設定する。キャリア発生層は、レーザ部708のポンプ光、またはプローブ光によって、キャリアを発生すればよいので、これらの材料に限定されるものではない。
第1の遅延部704は、樹脂部材713とアクチュエータ714によって構成している。樹脂部材713は、ポリエチレンを用いており、第1電極710の長手方向の長さ500μm、幅100μm、高さ500μmである。樹脂部材713は、第1電極710を中心にして素子の垂直方向の上方に配置されている。そして、樹脂部材713と第1電極710の距離を調整することにより、伝播部の屈折率分布を変化させ、実効的な伝播距離(電気長)を調整する。これにより、第2キャリア発生層718に到達する時間を調整することができる。

なお、樹脂部材713の材質や形状は、上述したものに限らない。調整量に応じて適宜選択され、材質はセラミック材料や半導体材料でもよい。例えば、実効的な伝播距離の調整量を大きくしたい場合、より屈折率の大きいSI−Si基板を用いることも可能である。また、樹脂部材713の長手方向の形状を大きくし、第1電極710の相互作用長を稼ぐことにより、調整量を大きくすることもできる。
ここで、アクチュエータ714として、ピエゾ素子を用いる。樹脂部材713とアクチュエータ714は接着されている。遅延調整部705は、制御部であり、ピエゾ素子を駆動するドライバである。ピエゾ素子を伸縮することによって樹脂部材713と第1電極710の距離を調整する。また、遅延調整部705の調整信号は、演算処理部707に出力され、テラヘルツ波の時間波形を構築する際に利用される。
図8は、本実施例について、第1電極710に樹脂部材713を近づけた時の、第2キャリア発生層718に到達するテラヘルツ波の波形を解析した結果である。
第1電極710と樹脂部材713の距離が、20μm以上の時は、第2キャリア発生層718に到達するテラヘルツ波の時間は変化しない。そして、20μm以下の領域では、距離を近づけるに従い、第2キャリア発生層に到達するテラヘルツ波の時間が遅延する様子がわかる。本実施例の構成では、第2キャリア発生層718に到達する時間を、2ピコ秒程度調整できることを示している。上述したように、この調整の程度は、樹脂部材713の材料や形状によって変化することが可能である。本実施例では、例えば、第2の遅延部709によって、観測位置tnを10ピコ秒付近に設定することにより、2ピコ秒程度のテラヘルツ波の情報を取得できる。
また、図8において、第1電極710と樹脂部材713の距離が変化するに従い、テラヘルツ波の強度が低下し、パルス幅が広がる様子がわかる。テラヘルツ波の時間波形を構築する場合、調整に伴う波形の変化は、演算処理部707で構築する波形の形状に影響を与える。そのため、演算処理部707において、補正部706の補正値を参照し、この伝送線路遅延器がテラヘルツ波の波形に与える影響を抑制した波形を再構築するものである。
本実施例の波形情報取得装置を、サンプルの検査に適用する場合を説明する。サンプル720は、第1電極710において、樹脂材料713と重ならない位置に配置する。サンプル720を配置する位置は、樹脂材料713と第2キャリア発生層718の間、すなわち伝送線路型遅延器と検出部の間に配置されているが、この態様に限らない。例えば、発生部と伝送線路型遅延器の間に配置してもよい。
本実施例のテラヘルツ波検出装置は、テラヘルツ波の時間波形を構成する際、伝送線路型遅延器を超短パルスの掃引手段として用いる。そのため、従来の遅延光学系を用いた掃引手段に比較して、構成が小さくなり、制御速度を改善することが可能となる。特に、テラヘルツ波の検出感度を向上するため積算処理する装置形態においては、超短パルスを掃引する速度が速いため、検出動作の高速化が期待できる。また、補正部を用いて、伝送線路型遅延器がテラヘルツ波に与える影響を抑制することによって、より実用的な装置を提供することが可能となる。
また、本実施例のテラヘルツ波検出装置をサンプルの検査に用いた場合、より高速な検査を行うことが可能となる。例えば、サンプルが経時的な変化(例えば含水量の変化など)を伴う場合、この影響を抑制した検査が可能となる。
次に、テラヘルツ波の時間波形を取得する際の第1の遅延部704と第2の遅延部709の制御方法について、図9を用いて説明する。図9(a)は、観測位置t1で取得した図9(b)は、複数の観測位置t1、t2、t3を、第2の遅延部709によって定める。そして、各観測位置について、第1の遅延部704でテラヘルツ波が第2キャリア発生層718に到達する時間を調整する。
図9のテラヘルツ波の時間波形は、本実施形態の伝送線路型遅延器に入力する波形を示している。第2の遅延部709は、複数の観測位置t1、t2、t3を順次選択する。第1の遅延部704は、各観測位置について、テラヘルツ波が第2キャリア発生層718に到達する時間を調整し、演算処理部でテラヘルツ波の時間波形を構築する。
ここで、第1の遅延部704は、樹脂部材713とアクチュエータ714で構成され、テラヘルツ波が第2キャリア発生層に到達する時間を、1ピコ秒の範囲で調整できるとする。
第2の遅延部709の観測位置を、1ピコ秒(図9(a)のt1)となるように調整する。この状態で、第1の遅延部704は、第1電極710との距離を調整し、演算処理部では、0ピコ秒から観測位置t1までテラヘルツ波の時間波形の取得を行う。その後、第2の遅延部709は、観測位置を2ピコ秒(図9(b)のt2)に調整する。この状態で、再び第1の遅延部704は、第1電極710との距離を調整し、演算処理部では、t1からt2までのテラヘルツ波の時間波形の取得を行う。さらに、観測位置3ピコ秒(図9(c)のt3)について、テラヘルツ波検出装置は、同様の動作を行う。このような動作を、予め設定した複数の観測位置について、順次行いテラヘルツ波の時間波形を取得する。演算処理部で取得するテラヘルツ波の時間波形は、観測位置を始点(0秒)として、第1の遅延部704により調整量分の時間波形を取得するものである(図5の(A)の波形を参照)。そのため、各観測位置の時間波形の始点は同じになる。そこで、演算処理部は、各観測位置を参照し、連続したテラヘルツ波の時間波形を構築する。補正部は、これらの観測位置の組み合わせに対応する補正用のテーブルが予め用意されている。本実施例では、伝送線路型遅延器がテラヘルツ波に与える影響を抑制するため、演算処理部は、テラヘルツ波の時間波形の構築に使用した観測位置の組み合わせを基に補正部から補正用のテーブルを選択する。上述したように、演算処理部は、このテーブルの補正値を用いて、取得したテラヘルツ波の時間波形を再構築する。
このような構成によって、本実施例のテラヘルツ波検出装置及びこれを用いた検査装置は、伝送線路型遅延器の調整量が小さくても、長時間のテラヘルツ波の時間波形を取得することが可能となる。
(実施例2:電気的な手段を用いて屈折率を変化)
実施例2について、図10を用いて説明する。
図10は、本実施例の波形情報取得装置を説明するための構成図である。本実施例は、本発明のテラヘルツ波検出装置に関する一形態を示したものである。具体的には、上述した伝送線路型遅延器の変形例を示したものである。
上記実施例では、伝播部の屈折率分布を、第1の遅延部を用いて機械的に調整していた。しかし、本実施例では、伝播部の屈折率分布の調整を電気的に行う点が、他の実施例とは異なる。
本実施例では、第1の遅延部として、液晶部材1013を用いている。液晶部材1013は、メトキシベンジリデンブチルアニリン(MBBA)を用いる。液晶部材1013は、MBBAとこれを保持するセル、及び液晶の配向を調整するための電極で構成する。液晶部材1013は第1電極1010に接触して配置されている。遅延調整部1005は、液晶部材1013を構成する電極を介して、液晶部材1013の配向を調整するための制御部である。液晶部材1013の配向を調整することにより、屈折率を調整することができる。なお、液晶部材1013の材料は、他の液晶材料を用いることができる。また、液晶材料に限らず、電気的に屈折率が変化できる材料であればよい。例えば、コロイド溶液中のコロイドの分散を調整する形態でもよい。
本実施例のテラヘルツ波検出装置及びこれを用いた検査装置は、伝送線路型遅延器の特性を電気的に調整できるので、より制御速度の改善が期待できる。
また、本実施例の変形例として、伝播部の屈折率分布を電気的に調整する手段は、第1電極1010に接触させなくても良い。さらに、本実施例の変形例として、伝播部の屈折率分布を電気的に調整する手段と第1電極1010との距離が可変になるような構成にしても良い。
このような構成にすることにより、伝送線路型遅延器の特性の調整し得るパラメータを増やすことができる。その結果、本実施例の波形情報取得装置及びこれを用いた検査装置における、上記調整の自由度を向上することができる。
(実施例3:結合部)
実施例3について、図11を用いて説明する。
図11は、伝播部にテラヘルツ波を結合するための結合部を備えた波形情報取得装置を説明するための模式図である。本実施例は、本発明のテラヘルツ波検出装置に関する一形態を示したものである。具体的には、上述した伝送線路型遅延器とそれを用いた装置の変形例を示したものである。
上記実施例では、伝送線路型遅延器に発生部と検出部が一体に形成されていたが、本実施例では、これらの要素が分離されている。
図11(a)は、本実施例の伝送線路型遅延器の概略構成図である。伝播部1102に結合部1122が接続されている。また、第1の遅延部1104が伝播部1102の垂直方向上側に配置されている。第1の遅延部1104により、伝播部1102の屈折率分布を調整することができる。ここで、第1遅延部1104として、実施例1で述べた構成を適用しているが、他の実施例で述べた構成も適用可能である。
結合部1122は、空間を伝播するテラヘルツ波を伝送線路型遅延器に結合させる部分である。また、伝送線路型遅延器を伝播するテラヘルツ波を空間に結合させる部分でもある。結合部1122として、ポリオレフィン系の材料で構成されるシリンドリカルレンズを用いている。ただし、材料はこれに限らず、例えば、SI−Siなどの半導体材料も適用可能である。好ましくは、結合部1122と伝播部1102の接続界面において、不要な反射を避けるため、結合部1122の屈折率と、伝播部1102を構成する誘電体1111の屈折率差が小さい材料を選択することが望まれる。
ここで、結合部1122の形状もシリンドリカルレンズに限るものではなく、半球レンズも適用可能である。また、第1電極1110上に、外部の電磁界と結合するための回折パターンを刻み、これを結合部1122とすることもできる。さらに、アンテナを伝播部1102に接続してもよい。
図11(b)は、このような伝送線路型遅延器をテラヘルツ波検出装置に適用する時の、システム構成図の一例を示したものである。レーザ部1108から入射されるポンプ光によりテラヘルツ波を発生するための発生部として、光伝導素子1801を用いる。また、検出部として光伝導素子1803を用いる。光伝導素子1801は、半導体薄膜上に、アンテナパターンを形成した素子である。半導体薄膜は、表面部分にLT−GaAsが成長されたSI−GaAs基板を用いる。そして、TiとAuを、それぞれ500Å、3000Å積層した導体からなる中心に5μmの間隙を有するダイポールアンテナ(アンテナ長30μm、導体幅10μm)をLT−GaAs上に形成する。また、上記実施例と同じように、上記間隙にバイアスを印加するためのバイアス印加部(不図示)を有している。テラヘルツ波を発生する場合は、例えば、この間隙にバイアス印加部によって10Vのバイアスを印加した状態で、ポンプ光を間隙に照射する。この結果、半値幅200フェムト秒程度のパルス状のテラヘルツ波が発生する。
なお、アンテナ形状はこれに限定されない。例えば、広帯域アンテナとして一般的なボウタイアンテナやスパイラルアンテナを用いてもよい。また、半導体薄膜もこれに限るものではなく、InGaAsなどの半導体材料を用いてもよい。
また、発生部は、光伝導素子1801に限るものではない。例えば、発生部101として、半導体材料そのものを用いてもよい。例えば、鏡面研磨したGaAs表面にポンプ光を照射し、この時発生する瞬時電流の時間変化によってテラヘルツ波を発生する。さらに、DAST(4−dimethylamino−n−methyl−4−stilbazolium Tosylate)結晶などの有機結晶を用いてもよい。
光伝導素子1803は、レーザ部1108から入射されるプローブ光によって、テラヘルツ波を検出する部分である。光伝導素子1803は、光伝導素子1801と同様の半導体薄膜上にアンテナパターンを形成した素子である。また、上記実施例と同じように、光伝導素子1803は、テラヘルツ波の電場強度に応じた瞬間電流を検出するための電流電圧変換部(不図示)を有している。また、検出部の構成は光伝導素子1803に限るものではない。例えば、検出部として、ボロメータのような熱型検出器やDLATGS(Deuterated L−Alanine Triglycine Sulphate)のような焦電型検出素子を用いることもできる。さらに、検出部としてDAST結晶を用いて電気光学効果の1つであるポッケルス効果を利用した構成も可能である。
なお、レーザ部1108の構成は、実施例1で述べたように、照射対象の応じて適宜選択される。
本実施例では、結合部を用いることにより、テラヘルツ波を伝送線路型遅延器に結合させる構成である。このような構成にすることにより、本実施例のテラヘルツ波検出装置及びこれを用いた検査装置は、装置の設計自由度を向上することが可能となる。
また、本実施例の変形例として、発生部または検出部のいずれかが伝送線路型遅延器と一体化され、結合部を介して外部と結合する態様が考えられる。
図12(a)は、本実施例の伝送線路型遅延器の概略構成図である。伝播部に上述した発生部が一体化されている。そして、第1電極1210に結合部1222が接続されている。結合部1222は、基準電極1212を接地導体とする球状のアンテナ構造である。結合部1222は、直径100μmのシリコン球にAuでコーティングしたものである。第1電極1210と結合部1222は熱圧着によって固定化する。本実施例のアンテナ構造は、およそ1THz付近に感度を有する広帯域なアンテナである。尚、上記実施例でも述べたように、結合部1222の構成はこれに限らない。
図12(b)は、この伝送線路型遅延器をテラヘルツ波検出装置に適用する時の、システム構成図の一例を示したものである。発生部と一体化した伝送線路型遅延器から発生したテラヘルツ波は、空間に設けられた光伝導素子1203によって検出される。
なお、本実施例では、伝送線路型遅延器に発生部が一体化された構成を示したが、検出部が一体化されている構成も可能である。また、本実施例では、検出部として光伝導素子1203を用いているが、上記実施例でも述べたように、他の態様も適用可能である。
本実施例のテラヘルツ波検出装置及びこれを用いた検査装置は、伝送線路型遅延器に発生部または検出部を一体化する構成であるので、光学的な調整要素が少なくなり、取り扱いが容易となる。
(その他の実施例)
誘電体や基準電極の構成によっては、伝播部の屈折率分布を調整する形態は図13や図14の構成でも良い。
図13が示す模式図は、伝播部1302がマイクロストリップ線路型である。誘電体1311の一部に上記第1の遅延部1304を挿入する形態である。また、図14が示す模式図は、伝播部1402がストリップ線路型である。基準電極1412と第1の遅延部1404の配置関係によって、屈折率分布を調整する形態である。
伝播部を伝播するテラヘルツ波の電磁界分布を調整できる箇所であれば、第1の遅延部の位置関係は問わない。
ここで、これまでの実施例で述べた構成や思想を適宜組み合わせたテラヘルツ波検出装置を提供する。また、本発明の思想を逸脱しない範囲であれば、他の装置構成を排除するものではない。
(実施例4:プリズム)
実施例4について、図15を用いて説明する。
テラヘルツ波を発生する発生側光伝導アンテナ素子1802はLT−GaAs上にダイポールアンテナ(不図示)が形成されたものである。ポンプ光1801が発生側光伝導アンテナ1802の前記ダイポールアンテナの所定の位置に照射され、テラヘルツ波が発生する。発生側光伝導アンテナ素子1802から発生したテラヘルツ波は、放物面鏡1803にてコリメートされ、放物面鏡1805を経て検出側光伝導アンテナ素子1806に入射する。テラヘルツ波が検出側光伝導アンテナ素子1806に入射するのと同時にプローブ光1807が入射することで、テラヘルツ波を検出する。
ここで、テラヘルツ波の行路中に誘電体(例えばポリエチレン)プリズムペア1804a、1804bを挿入する。前記プリズムペアは、図15(a)のように光軸に垂直な面と、斜めの面を有する。斜めの面は、プリズムペア1804a、1804bで互いに平行であることが好ましい。平行な面同士は、図15(a)では離れて描かれているが、密着していても良い。
テラヘルツ波に対して、プリズムペア1804a、1804bは平行な誘電体板として振舞う。プリズムペアを図15(a)の矢印の方向へ移動させると、テラヘルツ波に対する誘電体板の実質的な厚さが変化する(厚くなる)。
プリズムペア1804a、1804bのテラヘルツ波に対する実質的厚さが厚くなることで、テラヘルツ波の光路長が長くなり、テラヘルツ波とポンプ光1807が検出側光伝導アンテナ素子1806に到達するタイミングがずれ、これを利用してテラヘルツ波の時間波形を得ることができる。
例えば図15(b)及び(c)に示すように、頂角15°、テラヘルツ波と垂直な面の長さが100mmのポリエチレンプリズムペアを用いるとする。テラヘルツ波は直径50mmのコリメートされたビームでプリズムペアを透過するとする。図15(b)のようにプリズムペアの頂点が互いの中心付近に有る時、テラヘルツ波にとって厚さ13.4mmの平行平板ポリエチレン板として振舞う。
図15(c)のように、プリズムペアを重ねると、テラヘルツ波にとって厚さ16.8mmの平行平板ポリエチレン板として振舞う。ポリエチレンのテラヘルツ波に対する屈折率を約1.5とすると、約20mmの光路長変化が得られる。これは、時間にして約66psの時間遅延となる。すなわち、66psの時間領域でテラヘルツ波の時間波形を取得することができる。
本実施例の方法では、テラヘルツ波の発生・検出に関わる箇所を動かさないため、より振動等に対して堅牢であると言う特徴も有する。
第1の実施形態に係る波形情報取得装置を説明するための模式図 第2の実施形態に係る波形情報取得装置を説明するための模式図 第2の実施形態の一形態に係る波形情報取得装置を説明するための模式図 第1の遅延部を調整した時に伝播部を伝播するテラヘルツ波の変化を説明するためのグラフ 演算処理部で構築されるテラヘルツ波の時間波形を説明するためのグラフ 補正部の動作を説明するためのグラフ 実施例1における波形情報取得装置を説明するための模式図 実施例1におけるテラヘルツ波の波形情報の解析結果 実施例1におけるテラヘルツ波の波形情報の解析結果 実施例2における波形情報取得装置を説明するための模式図 実施例3を説明するための模式図 実施例3の変形例を説明するための模式図 その他の実施例を説明するための模式図 その他の実施例を説明するための模式図 実施例4におけるテラヘルツ波光路長変化を説明するための模式図
符号の説明
101、111 発生部
102 伝播部
103、113 検出部
104、114 第1遅延部
105、115 制御部
120 テラヘルツ波
206 補正部

Claims (14)

  1. テラヘルツ波の時間波形に関する情報を取得するための波形情報取得装置であって、
    テラヘルツ波を発生させるための発生部と、
    テラヘルツ波の波形情報を検出するための検出部と、
    テラヘルツ波が前記発生部で発生してから、該テラヘルツ波の波形情報として前記検出部で検出されるまでの時間を変えるための第1の遅延部と、を有し、
    前記第1の遅延部は、前記発生部により発生したテラヘルツ波の伝播速度を変えるように構成され、
    前記発生部により発生したテラヘルツ波ごとに、前記検出部で検出されたテラヘルツ波の波形情報と前記伝播速度とを関連付けることを特徴とする波形情報取得装置。
  2. 前記第1の遅延部は、前記発生部により発生したテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を変えるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の波形情報取得装置。
  3. 前記第1の遅延部は、前記発生部により発生したテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率とは異なる屈折率を有する部材を含み構成され、
    前記部材と前記領域との相対位置を変える、あるいは前記部材が前記領域を占有する割合を変えるように構成されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の波形情報取得装置。
  4. 前記発生部から発生したテラヘルツ波を伝播させるための伝播部と、
    前記伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を変化させるために、前記第1の遅延部を制御するための制御部と、を有し、
    前記第1の遅延部は、前記発生部により発生したテラヘルツ波の前記伝播部における伝播速度を変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の波形情報取得装置。
  5. 前記制御部は、前記伝播部を伝播するテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を制御することにより、前記伝播部を伝播するテラヘルツ波の伝播速度を制御することを特徴とする請求項4に記載の波形情報取得装置。
  6. 前記制御部は、前記伝播部と前記第1の遅延部との距離を調整することにより、前記伝播部を伝播するテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を制御することを特徴とする請求項5に記載の波形情報取得装置。
  7. 前記制御部は、電気的な手段を用いて前記第1の遅延部を調整することにより、前記伝播部を伝播するテラヘルツ波が伝播する領域の屈折率を制御することを特徴とする請求項4に記載の波形情報取得装置。
  8. 前記検出部で検出されるテラヘルツ波の時間波形に関する情報を、前記伝播部におけるテラヘルツ波の伝播速度を変化させる前の時間波形の形状となるように補正するための処理部と、を有することを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の波形情報取得装置。
  9. 前記検出部によりテラヘルツ波を検出するためのトリガ信号を出すトリガ部と、
    前記トリガ信号が出る位置と前記検出部のテラヘルツ波を検出する位置との距離を調整するための第2の遅延部と、を有し、
    前記処理部は、前記第2の遅延部及び前記第1の遅延部により検出されたテラヘルツ波の時間波形から用意された補正値を用いて、テラヘルツ波の時間波形を補正することを特徴とする請求項8に記載の波形情報取得装置。
  10. 前記トリガ信号が前記発生部への光照射であり、前記発生部或いは前記検出部が光照射によりキャリアを発生するキャリア発生層を含み構成され、前記キャリアに電界を印加することによりテラヘルツ波を発生或いは検出することを特徴とする請求項9に記載の波形情報取得装置。
  11. 前記キャリアに電界を印加する第1電極と、
    前記電界の基準となる電位を規定する基準電極と、
    前記伝播部が、前記キャリア発生層と前記第1電極と前記基準電極とを含み構成され、且つ、前記キャリアから発生するテラヘルツ波が伝播する伝送線路であることを特徴とする請求項10に記載の波形情報取得装置。
  12. テラヘルツ波を伝播させる工程と、
    第1の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程と、
    前記テラヘルツ波の伝播速度を第2の伝播速度に変化させる工程と、
    前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報を取得する工程と、
    前記第1の伝播速度及び前記第2の伝播速度で伝播したテラヘルツ波の波形情報から取得される時間波形に関する情報を取得する工程と、
    を有することを特徴とする波形情報取得方法。
  13. 前記時間波形に関する情報を、前記テラヘルツ波の伝播速度を変化させる前の時間波形の形状となるように補正する工程と、を有することを特徴とする請求項12に記載の波形情報取得方法。
  14. テラヘルツ波を発生し、前記発生したテラヘルツ波を伝播させ、前記伝播したテラヘルツ波に関する情報を検出し、前記検出したテラヘルツ波に関する情報からテラヘルツ波の時間波形を構築するテラヘルツ時間領域分光方法において、
    前記時間波形を得るために、テラヘルツ波の伝播速度を変えることを特徴とするテラヘルツ時間領域分光方法。
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