JP2004061455A - テラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】テラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法に関するものであり,電磁波分光により粉体の物理的性状を観測することを目的とする。
【解決手段】粉体を保持する手段と,粉体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と,粉体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と,該受信手段の出力をもとに該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得する手段と,該差に基づいて表示装置に粉体の特徴を表示するための画像処理をする画像処理手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】粉体を保持する手段と,粉体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と,粉体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と,該受信手段の出力をもとに該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得する手段と,該差に基づいて表示装置に粉体の特徴を表示するための画像処理をする画像処理手段とを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法に関するものである。粉体(以下の説明において粉体は小麦粉のような粉体だけでなくグラニュー糖のような顆粒状の材質をも含む)は、液体と固体の特徴を備えるものであって、物理的に興味ある対象である。また、粉体は物性の研究対象としてでだけでなく、生活の中で身近なものであり、例えば、コーンフレークの製造業者は箱にコーンフレークが正しく充填されているかを箱を開くことなく検査することが必要とされる。しかし、粉体材料は研究対象としてあまり重要視されていなかった。本発明は、そのような粉体の性質をテラヘルツ電磁波を利用して非破壊的に測定する装置および方法を提供するものである。また、本発明は、テラヘルツ電磁波を利用して、例えば封筒に粉体が封入されているかいないかを開封することなく検出する等を容易に測定できるものである。
【0002】
【従来の技術】
物体を透過するテラヘルツ電磁波を利用して分光により木の葉等の画像、あるいは固体を画像化する技術は従来から知られていて、本発明者等は、テラヘルツ電磁波を利用して、粉体に埋もれた異物を検出する方法をすでに開発した。しかしテラヘルツ電磁波を利用して粉体そのものの物性あるいは物理的状態を測定することは従来なされていなかった。
【0003】
図11はテラヘルツ電磁波分光により試料を画像化する方法を原理的に示したものである。図11において、5、6、7、8は反射鏡である(5は半透鏡である)。21はテラヘルツ電磁波発生器であって、半絶縁性GaAs基板上に低温成長によりGaAsエピタキシャル膜を形成し、その上にダイポールアンテナ23とコプラナー伝送路(AuGe /Ni /Au )24を配設したものである。26は入射ビームであって、レーザによる光パルスである。27は半透鏡を透過したパルス光Aである。28は半透鏡で反射して時間τだけ遅延されたパルス光Bである。29はテラヘルツ電磁波発生器で発生したテラヘルツ電磁波である。40は測定対象の試料である。53は時間遅延部であって、半透鏡5で反射したパルス光を時間τだけ遅延させるものである。61はロックイン・アンプであって、テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を信号処理するものである。62は画像処理部であって、ロックイン・アンプ61から出力される信号をもとに画像化のための処理をするものである。
【0004】
図11の構成の動作を説明する。テラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナは直流バイアスされる。パルス光Aがテラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナ23の間隙に照射されると、ダイポールアンテナ23からテラヘルツ電磁波が発生し、反射鏡6で反射したテラヘルツ電磁波29は試料40に入射される。テラヘル電磁波は試料40を通過することにより、試料の材質に応じて電界強度、伝搬位相が変化する。試料40を通過したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナで受信される。一方、時間τだけ遅延したパルス光Bがテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナの間隙部分を照射する。テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号は、テラヘルツ電磁波29の電界強度とパルス光Bのコンボリューションであるので、時間τにおけるテラヘルツ電磁波29の電界強度に応じた大きさをもつ信号である。試料40をX−Y方向に走査しさらに、試料40のX−Y平面の各点において遅延時間τを変化させることにより、試料40のτに対応するZ座標におけるX−Y面での画像を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
粉体の物性測定は、従来、X線により行われてきたが、テラヘルツ電磁波により非破壊的になされていなかった。粉体に電磁波を照射して観測する時、粉体粒子の表面が散乱中心として作用するために短波長の可視光領域の電磁波は粉体を透過しない。電磁波の波長が粉体の粒径サイズより大きい時、電磁波は粉体を透過できるが、無線波のような長波長の電磁波では局所的解像度が悪く、粉体の状X軸方向の水分含有量について態を観測することができない。これらのことから、電磁波分光により粉体の物理的性状を観測することは容易ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はテラヘルツ電磁波はサブmmの粒径サイズの粉体の状態を観測するのに最適であることを見い出し、テラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法を開発した。
【0007】
本発明の粉体物性測定装置は、粉体を保持する手段と、粉体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と、粉体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と、該受信手段の出力をもとに該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得する手段と、該差に基づいて表示装置に粉体の特徴を表示するための画像処理をする画像処理手段とを備え、粉体の特徴を測定する。
【0008】
本発明の方法は、粉体にテラヘルツ電磁波を照射し、該粉体を通過したテラヘルツ電磁波をテラヘルツ受信手段で受信し、該受信されたテラヘルツ電磁波を電気信号に変換し、該電気信号に基づいて該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得し、該差に基づいて得られる粉体の特徴を表示装置に表示するための画像処理をする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、テラヘルツ電磁波を利用して粉体の物理的状態を観測するための実施の形態を示す。図1において、1は気密容器であって、テラヘルツ電磁波発生器21、テラヘルツ電磁波受信器22、反射鏡1、反射鏡2、反射鏡3、反射鏡4および試料40を収納しているものである。テラヘルツ電磁波は水蒸気による吸収のため減衰が大きいのでできるだけ減衰の少ない状態で測定結果を得るためのものである。必要に応じて真空ポンプで真空にする。
【0010】
2は励起光源であって、半導体レーザ等である。3はレーザ光源であって、励起光源2の励起光により駆動されてパルスレーザ光を発生するものであり、例えば、Ti:Sapphireレーザ等である。レーザ光源3は780〜800nm、パルス幅が10〜150fsのパルス光を出力する。電気的駆動部51により駆動されて、繰り返し周波数として、例えば1kHzでそのパルス光を発生する。
【0011】
4、5、6、7、8、9、10、11、12は反射鏡であって、レーザ光源3で発生するレーザ光を反射するものである(5は半透鏡である)。31、32、33、34はそれぞれ凹面反射鏡1、凹面反射鏡2、凹面反射鏡3、凹面反射鏡4であって、これらは全て軸はずし放物面鏡である。凹面反射鏡1はテラヘルツ電磁波発生器21に焦点が合わされている。凹面反射鏡2、凹面反射鏡3は試料40に焦点があわされている。凹面反射鏡4はテラヘルツ電磁波受信器22に焦点が合わされている。
【0012】
21はテラヘルツ電磁波発生器(テラヘルツ電磁波発生手段)であり、パルスレーザ光を受光してテラヘルツ電磁波を発生するものである。22はテラヘルツ電磁波受信器(テラヘルツ電磁波受信手段)であって、テラヘルツ電磁波を照射された時に入射電界強度に応じた電気信号を発生するものである。15はチョッパー(分周手段)であって、レーザ光源3から出力される光パルスをチョップするもので、例えば、1kHzの繰り替し周波数のパルスレーザ光を500Hzのパルス光Aに変換するものである。チョッパーの代わりにシェーカ等により光パルスの光路長を低周波の振動数で変調する変調手段でもよい。
【0013】
40は試料であって、測定対象の粉体であり、容器に収納されているものである。試料40の容器の材料はテラヘルツ電磁波の吸収の小さいものであればどのようなものでも良く、例えばテラヘルツ電磁波を吸収しないプラスチックの容器で良い。51は電気的駆動部であって、レーザ光源およびチョッパー駆動部52を電気的に駆動するものである。例えば、レーザ光源3から出力されるフェムト秒の光パルスを1kHz周期で出力するように駆動するものである。52はチョッパー駆動部であって、チョッパー15を駆動するものである。チョッパー駆動部52はレーザ光源3の出力に同期するように動作するものであって、例えば、電気的駆動部51が1kHz周期で光パルスを出力するようにレーザ光源3を駆動している時、チョッパー15がパルス光Aを500Hzでチョップするように駆動する。53は時間遅延部であって、パルス光Bの光路長を変更するものである。61はロックイン・アンプであって、チョッパー駆動部52のチョップ周期の信号を参照信号として、テラヘルツ電磁波受信器22の出力する電気信号を処理するものである。
【0014】
図1(b)は試料40のY−Z面の断面を示す。図1(c)は試料40のX−Y面の断面図をしめす。試料40は載置台41の上に置かれ、X−Y面内を移動でき、テラヘルツ電磁波の照射が試料のX−Y面を走査するようにする。
【0015】
図1(a)の構成の動作を説明する。レーザ光源3は電気的駆動部51により電気的に駆動され、励起光源2の出力光により光学的に励起されて、波長が780〜800nmでパルス幅が10〜150fsのレーザパルス光を繰り返し周期1kHzで出力する。レーザ光源3で出力されたパルス光は反射鏡4で反射され、さらにその一部は半透鏡5で反射されて、チョッパー15でチョップされ、繰り返し周波数が500Hzのパルス光Aとなって、反射鏡7で反射し、テラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙を照射する。一方、レーザ光源3から出力されて、反射鏡4で反射したパルス光の一部は半透鏡5を透過し、反射鏡8で反射し、さらに反射鏡9で反射して、時間遅延部53の反射鏡10と11および反射鏡12で反射し、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙に照射される。
【0016】
テラヘルツ電磁波発生器21は、パルス光Aを照射され、テラヘルツ電磁波を発生する。パルス光Aが照射されるテラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙は、凹面反射鏡1の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡1で反射して凹面反射鏡1の光軸に平行な光線となり、凹面反射鏡2に入射される。凹面反射鏡2で反射したテラヘルツ電磁波は粉体を収容した試料40に入射され、試料(粉体)の内部を伝搬して凹面反射鏡3に入射される。凹面反射鏡2と凹面反射鏡3の焦点はいずれも試料40のX−Y面内にあり、試料を通過したテラヘルツ電磁波は凹面反射鏡3で反射しその光軸に平行に進んで、凹面反射鏡4に入射される。テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙は凹面反射鏡4の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡4で反射したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のアンテナを照射する。
【0017】
一方、レーザ光源3から出力されて、半透鏡5を通過したパルス光は時間遅延部53で光路を時間τに相当する距離を遅延されてパルス光Bとなり、反射鏡12で反射して、テラヘルツ電磁波受信器22のプローブ光として、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテンナ間隙を照射する。反射鏡4で反射したテラヘルツ電磁波とプローブ光の照射を受けたテラヘルツ電磁波受信器22は、テラヘルツ電磁波の電界強度と光の強度の積の時間積分(コンボリューション)に応じた電気信号を出力する。プローブ光(パルス光B)はパルス光であるので、テラヘルツ電磁波受信器22は時間τにおけるテラヘルツ電磁波の電界強度に応じた電気信号を出力する。時間τを連続的に変化させることにより、X−Y面を通過するテラヘルツ電磁波の各時刻τでの電界強度を測定でき、電界強度の時間変化、伝搬位相を測定できる。
【0018】
ロックイン・アンプ61は、チョッパー周期信号を参照信号としてテラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を処理し、画像処理部62はロックイン・アンプ61から出力されるテラヘルツ電磁波の強度について、τを変化させることにより得られた各Z座標毎の各X−Y面の電界強度を画像データとして、メモリに保持する。さらに、画像処理部は測定目的に応じて、各座標間の電界強度の差、あるいはZ軸方向での最大電界強度の差に基づいて伝搬時間の差(位相)等を求める処理をし、その結果をメモリに保持する。さらに、表示装置は画像処理された画像データを表示出力する。
【0019】
図2は、X−Y面内の走査とパルス光Bの時間遅延走査(Z軸方向の走査に相当する)のフローチャートである。(a)はX、Y、Z軸の走査のフローチャートである。(b)は時間遅延走査(Z軸走査)の詳細フローチャートである。
【0020】
図2(a)において、S1でX−Y面内の初期値を設定する。S2において、座標移動をする。S3で時間遅延走査をする(時間遅延の詳細は図2(b)参照)。S4でx=m(mはx座標の最大値)か判定しx=mでなければ、xの値を1加算して、S2以降の処理を繰り返す。S4でx=mであれば、S5でy=n(y座標の最大値)か判定する。y=nでなければS6でx=1、y=y+1として、S2以降の処理を繰り返す。S5でy=nであれば、S8において初期位置(X−Y面の中央)に移動し、走査を終了する。
【0021】
図2(b )は、時間遅延走査の詳細フローチャートである(図2(a)のS3のフローチャート)。時間遅延走査は、標準モードと高速モードの2通りあり、予めどちらで処理するかを定めておく。S30で標準モードか高速モードかを選択する。標準モードであればS31以降の方法で測定をし、標準モードでなければ高速モードとして、S41以降の方法で測定する。
【0022】
標準モードについて説明する。S30で標準モードであれば、S31で、z=1とする。S32でZ方向に移動する(時間遅延をする)。次にS33で測定する。S34でz=k(Z軸の最大値(最大時間遅延))であるか判定する。z=kでなければ、S36でz=z+1として、S32以降の処理を繰り返す。S=34でz=kであれば、S35でx、y座標の走査処理(図2(a)のS4以降の処理)をする。
【0023】
次に高速モードの処理を説明する。S41でz=1にする。S3で時間軸を連続的に遅延する。S43で測定する。S44でz=kであるか判定する。z=kでなければ、S47でz=z+1として、S43以降の処理を繰り返す。S=44でz=kであれば、S45で時間遅延部が初期位置に戻るのを待つ。さらにS46でx、y座標の走査処理をする。
【0024】
図3は、粉の砂糖、小麦粉およびベビーパウダーについてテラヘルツ電磁波の透過率を測定したものである。砂糖については0.1THz から0.3THz で透過し、小麦粉については0.1THz 〜0.5THz で透過することが示されている。ベビーパウダーについては、0.1THz 〜1.2THz の範囲で透過することが示されている。図3から、砂糖については0.1THz から0.3THz のテラヘルツ電磁波が物理的性状の測定に使用でき、小麦粉については0.1THz 〜0.5THz のテラヘルツ電磁波が使用できる。また、ベビーパウダーについては、0.1THz 〜1.2THz の範囲のテラヘルツ電磁波が使用できる。
【0025】
図4は、粉体中に生じたクラックを本発明の装置により観測し、画像として表したものである。本発明の装置により粉体自体がブロックとして凝集している状態を測定することができる。図4はプラスチック容器に収納した粉体を通過するテラヘルツ電磁波のある断面における遅延時間をもとに画像化したものであり、パルス遅延時間は明るさに変換されている。
【0026】
図5は、粉体の充填密度について、本発明の装置で測定したものである。粉体を収納したプラスチック容器をノックする(軽くたたく)ことにより、内部の粉体が高密度で充填される状態を観測した実験結果である。
【0027】
粉体を透過するテラヘルツ電磁波に対して、次の関係が成り立つ。
【0028】
cΔt =d(n−1) (1)
nは屈折率、dは試料の厚さ、Δtは伝搬するテラヘルツ電磁波パルスの遅延時間、cは光速度である。遅延時間を測定することによりテラヘルツ電磁波の粉体における屈折率を測定できる。この実験における粉体の屈折率は、粉体の充填率αに関係する。充填率αに対して、
n(α)=αninf +(1−α)×1
α=( n(α)−1) /(ninf −1) (2)
ここに、αは充填率であり、ninf はノックの回数がほぼ無限大に等しく、屈折率の変化が飽和したような状態での屈折率である。また(1−α)に掛ける1は空気の屈折率1を表している。粉体の充填密度の理論はまだ良く研究されていないので、思考錯誤的方法で、
α(t)=αinf −{Δα/(1+Bln(1+t/ τ) )} (3)
とする。
【0029】
ここに、tはノックの回数である。αinf はノックの回数がほぼ無限大に等しく、充填率が変化しなくなる飽和状態での充填率である。Δαは初期状態における充填率と飽和状態の充填率の差である。B、τは定数である。図5の破線は、αinf =1. 564、Δα=0.257、B=1.690、τ=10.15を式(2)と(3)にあてはめた場合を示す。本発明の装置と方法により測定した値と理論式による値と一致することが示されている。
【0030】
図6は容器に収納された粉体の垂直方向の密度分布を測定したものである。プラスチック容器に充填した小麦粉が高密度に充填された状態になるように100回ノックした。粉体容積は、処理の間に30%だけ減少した。図6はこの試料に対して本発明の装置で垂直方向の密度分布を測定したものである。
【0031】
図6において、縦軸は、試料の頂部表面より下方の各位置におけるテラヘルツ電磁波のパルス到着時間(遅延時間)を示す。頂部と底部の間(16mmの垂直差)の時間差は0. 060の屈折率の差に対応して、1.4psである。平均屈折率は約1.4である。屈折率は粉体密度に関係する。図6の実験結果は、屈折率が底部において頂部より大きいことを示しているだけでなく、頂部表面付近の屈折率変化は深いところにおける屈折率変化より大きいことを示している。テラヘルツ電磁波の振幅変化は密度にしたがって変化し、底部において頂部より20%小さいことが示された。
【0032】
図7は垂直方向の粉体の密度のプロフィールを示す。プラスチック容器に収納した小麦粉について、ノック回数をパラメータにして試料の垂直方向(深さ方向)の各位置おいて、テラヘルツ電磁波パルスの遅延時間と屈折率を測定したものである。図7に示されるように、ノック回数が増加するにつれて垂直方向の密度変化が減少することが実験的に示されている。
【0033】
図8(a)、(b)は本発明の装置を使用して粉体に滴下した水滴の拡散状態を測定した結果を示すものである。図8(a)は水滴を滴下した位置での乾燥の時間変化を示すものであり、縦軸は透過したテラヘルツ電磁波の強度をもとに明暗で表したものであり横軸は時間変化を示す。図8(b)において縦軸は透過したテラヘルツ電磁波の強度の差をもとにX軸方向の各位置における水分含有量について表したものである。横軸は試料のX軸方向の位置を表す。図8(a)、(b)に示されるように、水滴は試料の横方向(水平面内)にはあまり拡散することなく、水滴を滴下した領域が乾燥することを示している。
【0034】
図9は、封筒に収納された粉体を本発明の装置により画像化した実験結果を示す。図9は小さい包み(15×11mm2 )に包まれた10mgの小麦粉の画像を示す。
【0035】
図10は、本発明により粉体の充填率を測定するためのフローチャートであって、図1における画像処理部62の部分に含まれるものである。例えばノック回数が無限大に近づき、粉体の屈折率が変化しないような充填率(粉末間に含まれる気体が充分に少ない状態)での屈折率ninf を求める(本発明の装置で測定する、もしくは予め調べておく)(S1)。本発明の装置で求めた粉体の画像データをもとに、粉体の屈折率n(α)を求める(S2)。屈折率ninf と測定した屈折率n(α)により粉体の充填率αをα=( n(α)−1) /(ninf −1)で求める。
【0036】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば粉体自体の物性もしくは物理的状態を測定し、画像化することができる。粉体の充填率の測定、もしくは包みの中の粉体の検出を容易に行うことを可能にする。本発明は、粉体自体の研究のための新しい有効なツールであり、粉体について局所解像度精度の高い測定を非破壊的に行うことを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の試料の走査のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明で測定した粉体を透過するテラヘルツ電磁波の周波数と透過率の関係を示す図である。
【図4】本発明で測定した粉体中のクラックを示す画像の図である。
【図5】本発明で測定した例であって、粉体を収納した容器をノックした回数と粉体の屈折率の関係を示す測定結果の図である。
【図6】本発明で測定した例であって、粉体の深さ方向の均一度変化を示す図である。
【図7】本発明で測定した例であって、粉体におけるの深さとテラヘルツ電磁波の伝搬遅延時間の関係を示す図である。
【図8】本発明で測定した例であって、粉体中の水滴の拡散についての測定結果を示す図である。
【図9】本発明で測定した例であって、封筒に収容された粉体の画像を示す図である。
【図10】本発明の粉体の充填率を求めるためのフローチャートである。
【図11】テラヘルツ電磁波分光により試料を画像化するための原理的説明図である。
【符号の説明】
1:気密容器
2:励起光源
3:レーザ光源
4、5、6、7、8、9、10、11、12: 反射鏡
15:チョッパー
21:テラヘルツ電磁波発生器
22:テラヘルツ電磁波受信器
31:凹面反射鏡1
32:凹面反射鏡2
33:凹面反射鏡3
34:凹面反射鏡4
40: 試料
51:電気的駆動部
52:チョッパー駆動部
53:時間遅延部
61:ロックイン・アンプ
62:画像処理部
63:表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明はテラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法に関するものである。粉体(以下の説明において粉体は小麦粉のような粉体だけでなくグラニュー糖のような顆粒状の材質をも含む)は、液体と固体の特徴を備えるものであって、物理的に興味ある対象である。また、粉体は物性の研究対象としてでだけでなく、生活の中で身近なものであり、例えば、コーンフレークの製造業者は箱にコーンフレークが正しく充填されているかを箱を開くことなく検査することが必要とされる。しかし、粉体材料は研究対象としてあまり重要視されていなかった。本発明は、そのような粉体の性質をテラヘルツ電磁波を利用して非破壊的に測定する装置および方法を提供するものである。また、本発明は、テラヘルツ電磁波を利用して、例えば封筒に粉体が封入されているかいないかを開封することなく検出する等を容易に測定できるものである。
【0002】
【従来の技術】
物体を透過するテラヘルツ電磁波を利用して分光により木の葉等の画像、あるいは固体を画像化する技術は従来から知られていて、本発明者等は、テラヘルツ電磁波を利用して、粉体に埋もれた異物を検出する方法をすでに開発した。しかしテラヘルツ電磁波を利用して粉体そのものの物性あるいは物理的状態を測定することは従来なされていなかった。
【0003】
図11はテラヘルツ電磁波分光により試料を画像化する方法を原理的に示したものである。図11において、5、6、7、8は反射鏡である(5は半透鏡である)。21はテラヘルツ電磁波発生器であって、半絶縁性GaAs基板上に低温成長によりGaAsエピタキシャル膜を形成し、その上にダイポールアンテナ23とコプラナー伝送路(AuGe /Ni /Au )24を配設したものである。26は入射ビームであって、レーザによる光パルスである。27は半透鏡を透過したパルス光Aである。28は半透鏡で反射して時間τだけ遅延されたパルス光Bである。29はテラヘルツ電磁波発生器で発生したテラヘルツ電磁波である。40は測定対象の試料である。53は時間遅延部であって、半透鏡5で反射したパルス光を時間τだけ遅延させるものである。61はロックイン・アンプであって、テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を信号処理するものである。62は画像処理部であって、ロックイン・アンプ61から出力される信号をもとに画像化のための処理をするものである。
【0004】
図11の構成の動作を説明する。テラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナは直流バイアスされる。パルス光Aがテラヘルツ電磁波発生器21のダイポールアンテナ23の間隙に照射されると、ダイポールアンテナ23からテラヘルツ電磁波が発生し、反射鏡6で反射したテラヘルツ電磁波29は試料40に入射される。テラヘル電磁波は試料40を通過することにより、試料の材質に応じて電界強度、伝搬位相が変化する。試料40を通過したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナで受信される。一方、時間τだけ遅延したパルス光Bがテラヘルツ電磁波受信器22のダイポールアンテナの間隙部分を照射する。テラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号は、テラヘルツ電磁波29の電界強度とパルス光Bのコンボリューションであるので、時間τにおけるテラヘルツ電磁波29の電界強度に応じた大きさをもつ信号である。試料40をX−Y方向に走査しさらに、試料40のX−Y平面の各点において遅延時間τを変化させることにより、試料40のτに対応するZ座標におけるX−Y面での画像を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
粉体の物性測定は、従来、X線により行われてきたが、テラヘルツ電磁波により非破壊的になされていなかった。粉体に電磁波を照射して観測する時、粉体粒子の表面が散乱中心として作用するために短波長の可視光領域の電磁波は粉体を透過しない。電磁波の波長が粉体の粒径サイズより大きい時、電磁波は粉体を透過できるが、無線波のような長波長の電磁波では局所的解像度が悪く、粉体の状X軸方向の水分含有量について態を観測することができない。これらのことから、電磁波分光により粉体の物理的性状を観測することは容易ではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者はテラヘルツ電磁波はサブmmの粒径サイズの粉体の状態を観測するのに最適であることを見い出し、テラヘルツ電磁波による粉体物性測定装置および方法を開発した。
【0007】
本発明の粉体物性測定装置は、粉体を保持する手段と、粉体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と、粉体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と、該受信手段の出力をもとに該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得する手段と、該差に基づいて表示装置に粉体の特徴を表示するための画像処理をする画像処理手段とを備え、粉体の特徴を測定する。
【0008】
本発明の方法は、粉体にテラヘルツ電磁波を照射し、該粉体を通過したテラヘルツ電磁波をテラヘルツ受信手段で受信し、該受信されたテラヘルツ電磁波を電気信号に変換し、該電気信号に基づいて該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得し、該差に基づいて得られる粉体の特徴を表示装置に表示するための画像処理をする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、テラヘルツ電磁波を利用して粉体の物理的状態を観測するための実施の形態を示す。図1において、1は気密容器であって、テラヘルツ電磁波発生器21、テラヘルツ電磁波受信器22、反射鏡1、反射鏡2、反射鏡3、反射鏡4および試料40を収納しているものである。テラヘルツ電磁波は水蒸気による吸収のため減衰が大きいのでできるだけ減衰の少ない状態で測定結果を得るためのものである。必要に応じて真空ポンプで真空にする。
【0010】
2は励起光源であって、半導体レーザ等である。3はレーザ光源であって、励起光源2の励起光により駆動されてパルスレーザ光を発生するものであり、例えば、Ti:Sapphireレーザ等である。レーザ光源3は780〜800nm、パルス幅が10〜150fsのパルス光を出力する。電気的駆動部51により駆動されて、繰り返し周波数として、例えば1kHzでそのパルス光を発生する。
【0011】
4、5、6、7、8、9、10、11、12は反射鏡であって、レーザ光源3で発生するレーザ光を反射するものである(5は半透鏡である)。31、32、33、34はそれぞれ凹面反射鏡1、凹面反射鏡2、凹面反射鏡3、凹面反射鏡4であって、これらは全て軸はずし放物面鏡である。凹面反射鏡1はテラヘルツ電磁波発生器21に焦点が合わされている。凹面反射鏡2、凹面反射鏡3は試料40に焦点があわされている。凹面反射鏡4はテラヘルツ電磁波受信器22に焦点が合わされている。
【0012】
21はテラヘルツ電磁波発生器(テラヘルツ電磁波発生手段)であり、パルスレーザ光を受光してテラヘルツ電磁波を発生するものである。22はテラヘルツ電磁波受信器(テラヘルツ電磁波受信手段)であって、テラヘルツ電磁波を照射された時に入射電界強度に応じた電気信号を発生するものである。15はチョッパー(分周手段)であって、レーザ光源3から出力される光パルスをチョップするもので、例えば、1kHzの繰り替し周波数のパルスレーザ光を500Hzのパルス光Aに変換するものである。チョッパーの代わりにシェーカ等により光パルスの光路長を低周波の振動数で変調する変調手段でもよい。
【0013】
40は試料であって、測定対象の粉体であり、容器に収納されているものである。試料40の容器の材料はテラヘルツ電磁波の吸収の小さいものであればどのようなものでも良く、例えばテラヘルツ電磁波を吸収しないプラスチックの容器で良い。51は電気的駆動部であって、レーザ光源およびチョッパー駆動部52を電気的に駆動するものである。例えば、レーザ光源3から出力されるフェムト秒の光パルスを1kHz周期で出力するように駆動するものである。52はチョッパー駆動部であって、チョッパー15を駆動するものである。チョッパー駆動部52はレーザ光源3の出力に同期するように動作するものであって、例えば、電気的駆動部51が1kHz周期で光パルスを出力するようにレーザ光源3を駆動している時、チョッパー15がパルス光Aを500Hzでチョップするように駆動する。53は時間遅延部であって、パルス光Bの光路長を変更するものである。61はロックイン・アンプであって、チョッパー駆動部52のチョップ周期の信号を参照信号として、テラヘルツ電磁波受信器22の出力する電気信号を処理するものである。
【0014】
図1(b)は試料40のY−Z面の断面を示す。図1(c)は試料40のX−Y面の断面図をしめす。試料40は載置台41の上に置かれ、X−Y面内を移動でき、テラヘルツ電磁波の照射が試料のX−Y面を走査するようにする。
【0015】
図1(a)の構成の動作を説明する。レーザ光源3は電気的駆動部51により電気的に駆動され、励起光源2の出力光により光学的に励起されて、波長が780〜800nmでパルス幅が10〜150fsのレーザパルス光を繰り返し周期1kHzで出力する。レーザ光源3で出力されたパルス光は反射鏡4で反射され、さらにその一部は半透鏡5で反射されて、チョッパー15でチョップされ、繰り返し周波数が500Hzのパルス光Aとなって、反射鏡7で反射し、テラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙を照射する。一方、レーザ光源3から出力されて、反射鏡4で反射したパルス光の一部は半透鏡5を透過し、反射鏡8で反射し、さらに反射鏡9で反射して、時間遅延部53の反射鏡10と11および反射鏡12で反射し、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙に照射される。
【0016】
テラヘルツ電磁波発生器21は、パルス光Aを照射され、テラヘルツ電磁波を発生する。パルス光Aが照射されるテラヘルツ電磁波発生器21のアンテナの間隙は、凹面反射鏡1の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡1で反射して凹面反射鏡1の光軸に平行な光線となり、凹面反射鏡2に入射される。凹面反射鏡2で反射したテラヘルツ電磁波は粉体を収容した試料40に入射され、試料(粉体)の内部を伝搬して凹面反射鏡3に入射される。凹面反射鏡2と凹面反射鏡3の焦点はいずれも試料40のX−Y面内にあり、試料を通過したテラヘルツ電磁波は凹面反射鏡3で反射しその光軸に平行に進んで、凹面反射鏡4に入射される。テラヘルツ電磁波受信器22のアンテナの間隙は凹面反射鏡4の焦点の位置にあるので、凹面反射鏡4で反射したテラヘルツ電磁波はテラヘルツ電磁波受信器22のアンテナを照射する。
【0017】
一方、レーザ光源3から出力されて、半透鏡5を通過したパルス光は時間遅延部53で光路を時間τに相当する距離を遅延されてパルス光Bとなり、反射鏡12で反射して、テラヘルツ電磁波受信器22のプローブ光として、テラヘルツ電磁波受信器22のアンテンナ間隙を照射する。反射鏡4で反射したテラヘルツ電磁波とプローブ光の照射を受けたテラヘルツ電磁波受信器22は、テラヘルツ電磁波の電界強度と光の強度の積の時間積分(コンボリューション)に応じた電気信号を出力する。プローブ光(パルス光B)はパルス光であるので、テラヘルツ電磁波受信器22は時間τにおけるテラヘルツ電磁波の電界強度に応じた電気信号を出力する。時間τを連続的に変化させることにより、X−Y面を通過するテラヘルツ電磁波の各時刻τでの電界強度を測定でき、電界強度の時間変化、伝搬位相を測定できる。
【0018】
ロックイン・アンプ61は、チョッパー周期信号を参照信号としてテラヘルツ電磁波受信器22から出力される電気信号を処理し、画像処理部62はロックイン・アンプ61から出力されるテラヘルツ電磁波の強度について、τを変化させることにより得られた各Z座標毎の各X−Y面の電界強度を画像データとして、メモリに保持する。さらに、画像処理部は測定目的に応じて、各座標間の電界強度の差、あるいはZ軸方向での最大電界強度の差に基づいて伝搬時間の差(位相)等を求める処理をし、その結果をメモリに保持する。さらに、表示装置は画像処理された画像データを表示出力する。
【0019】
図2は、X−Y面内の走査とパルス光Bの時間遅延走査(Z軸方向の走査に相当する)のフローチャートである。(a)はX、Y、Z軸の走査のフローチャートである。(b)は時間遅延走査(Z軸走査)の詳細フローチャートである。
【0020】
図2(a)において、S1でX−Y面内の初期値を設定する。S2において、座標移動をする。S3で時間遅延走査をする(時間遅延の詳細は図2(b)参照)。S4でx=m(mはx座標の最大値)か判定しx=mでなければ、xの値を1加算して、S2以降の処理を繰り返す。S4でx=mであれば、S5でy=n(y座標の最大値)か判定する。y=nでなければS6でx=1、y=y+1として、S2以降の処理を繰り返す。S5でy=nであれば、S8において初期位置(X−Y面の中央)に移動し、走査を終了する。
【0021】
図2(b )は、時間遅延走査の詳細フローチャートである(図2(a)のS3のフローチャート)。時間遅延走査は、標準モードと高速モードの2通りあり、予めどちらで処理するかを定めておく。S30で標準モードか高速モードかを選択する。標準モードであればS31以降の方法で測定をし、標準モードでなければ高速モードとして、S41以降の方法で測定する。
【0022】
標準モードについて説明する。S30で標準モードであれば、S31で、z=1とする。S32でZ方向に移動する(時間遅延をする)。次にS33で測定する。S34でz=k(Z軸の最大値(最大時間遅延))であるか判定する。z=kでなければ、S36でz=z+1として、S32以降の処理を繰り返す。S=34でz=kであれば、S35でx、y座標の走査処理(図2(a)のS4以降の処理)をする。
【0023】
次に高速モードの処理を説明する。S41でz=1にする。S3で時間軸を連続的に遅延する。S43で測定する。S44でz=kであるか判定する。z=kでなければ、S47でz=z+1として、S43以降の処理を繰り返す。S=44でz=kであれば、S45で時間遅延部が初期位置に戻るのを待つ。さらにS46でx、y座標の走査処理をする。
【0024】
図3は、粉の砂糖、小麦粉およびベビーパウダーについてテラヘルツ電磁波の透過率を測定したものである。砂糖については0.1THz から0.3THz で透過し、小麦粉については0.1THz 〜0.5THz で透過することが示されている。ベビーパウダーについては、0.1THz 〜1.2THz の範囲で透過することが示されている。図3から、砂糖については0.1THz から0.3THz のテラヘルツ電磁波が物理的性状の測定に使用でき、小麦粉については0.1THz 〜0.5THz のテラヘルツ電磁波が使用できる。また、ベビーパウダーについては、0.1THz 〜1.2THz の範囲のテラヘルツ電磁波が使用できる。
【0025】
図4は、粉体中に生じたクラックを本発明の装置により観測し、画像として表したものである。本発明の装置により粉体自体がブロックとして凝集している状態を測定することができる。図4はプラスチック容器に収納した粉体を通過するテラヘルツ電磁波のある断面における遅延時間をもとに画像化したものであり、パルス遅延時間は明るさに変換されている。
【0026】
図5は、粉体の充填密度について、本発明の装置で測定したものである。粉体を収納したプラスチック容器をノックする(軽くたたく)ことにより、内部の粉体が高密度で充填される状態を観測した実験結果である。
【0027】
粉体を透過するテラヘルツ電磁波に対して、次の関係が成り立つ。
【0028】
cΔt =d(n−1) (1)
nは屈折率、dは試料の厚さ、Δtは伝搬するテラヘルツ電磁波パルスの遅延時間、cは光速度である。遅延時間を測定することによりテラヘルツ電磁波の粉体における屈折率を測定できる。この実験における粉体の屈折率は、粉体の充填率αに関係する。充填率αに対して、
n(α)=αninf +(1−α)×1
α=( n(α)−1) /(ninf −1) (2)
ここに、αは充填率であり、ninf はノックの回数がほぼ無限大に等しく、屈折率の変化が飽和したような状態での屈折率である。また(1−α)に掛ける1は空気の屈折率1を表している。粉体の充填密度の理論はまだ良く研究されていないので、思考錯誤的方法で、
α(t)=αinf −{Δα/(1+Bln(1+t/ τ) )} (3)
とする。
【0029】
ここに、tはノックの回数である。αinf はノックの回数がほぼ無限大に等しく、充填率が変化しなくなる飽和状態での充填率である。Δαは初期状態における充填率と飽和状態の充填率の差である。B、τは定数である。図5の破線は、αinf =1. 564、Δα=0.257、B=1.690、τ=10.15を式(2)と(3)にあてはめた場合を示す。本発明の装置と方法により測定した値と理論式による値と一致することが示されている。
【0030】
図6は容器に収納された粉体の垂直方向の密度分布を測定したものである。プラスチック容器に充填した小麦粉が高密度に充填された状態になるように100回ノックした。粉体容積は、処理の間に30%だけ減少した。図6はこの試料に対して本発明の装置で垂直方向の密度分布を測定したものである。
【0031】
図6において、縦軸は、試料の頂部表面より下方の各位置におけるテラヘルツ電磁波のパルス到着時間(遅延時間)を示す。頂部と底部の間(16mmの垂直差)の時間差は0. 060の屈折率の差に対応して、1.4psである。平均屈折率は約1.4である。屈折率は粉体密度に関係する。図6の実験結果は、屈折率が底部において頂部より大きいことを示しているだけでなく、頂部表面付近の屈折率変化は深いところにおける屈折率変化より大きいことを示している。テラヘルツ電磁波の振幅変化は密度にしたがって変化し、底部において頂部より20%小さいことが示された。
【0032】
図7は垂直方向の粉体の密度のプロフィールを示す。プラスチック容器に収納した小麦粉について、ノック回数をパラメータにして試料の垂直方向(深さ方向)の各位置おいて、テラヘルツ電磁波パルスの遅延時間と屈折率を測定したものである。図7に示されるように、ノック回数が増加するにつれて垂直方向の密度変化が減少することが実験的に示されている。
【0033】
図8(a)、(b)は本発明の装置を使用して粉体に滴下した水滴の拡散状態を測定した結果を示すものである。図8(a)は水滴を滴下した位置での乾燥の時間変化を示すものであり、縦軸は透過したテラヘルツ電磁波の強度をもとに明暗で表したものであり横軸は時間変化を示す。図8(b)において縦軸は透過したテラヘルツ電磁波の強度の差をもとにX軸方向の各位置における水分含有量について表したものである。横軸は試料のX軸方向の位置を表す。図8(a)、(b)に示されるように、水滴は試料の横方向(水平面内)にはあまり拡散することなく、水滴を滴下した領域が乾燥することを示している。
【0034】
図9は、封筒に収納された粉体を本発明の装置により画像化した実験結果を示す。図9は小さい包み(15×11mm2 )に包まれた10mgの小麦粉の画像を示す。
【0035】
図10は、本発明により粉体の充填率を測定するためのフローチャートであって、図1における画像処理部62の部分に含まれるものである。例えばノック回数が無限大に近づき、粉体の屈折率が変化しないような充填率(粉末間に含まれる気体が充分に少ない状態)での屈折率ninf を求める(本発明の装置で測定する、もしくは予め調べておく)(S1)。本発明の装置で求めた粉体の画像データをもとに、粉体の屈折率n(α)を求める(S2)。屈折率ninf と測定した屈折率n(α)により粉体の充填率αをα=( n(α)−1) /(ninf −1)で求める。
【0036】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば粉体自体の物性もしくは物理的状態を測定し、画像化することができる。粉体の充填率の測定、もしくは包みの中の粉体の検出を容易に行うことを可能にする。本発明は、粉体自体の研究のための新しい有効なツールであり、粉体について局所解像度精度の高い測定を非破壊的に行うことを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の試料の走査のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明で測定した粉体を透過するテラヘルツ電磁波の周波数と透過率の関係を示す図である。
【図4】本発明で測定した粉体中のクラックを示す画像の図である。
【図5】本発明で測定した例であって、粉体を収納した容器をノックした回数と粉体の屈折率の関係を示す測定結果の図である。
【図6】本発明で測定した例であって、粉体の深さ方向の均一度変化を示す図である。
【図7】本発明で測定した例であって、粉体におけるの深さとテラヘルツ電磁波の伝搬遅延時間の関係を示す図である。
【図8】本発明で測定した例であって、粉体中の水滴の拡散についての測定結果を示す図である。
【図9】本発明で測定した例であって、封筒に収容された粉体の画像を示す図である。
【図10】本発明の粉体の充填率を求めるためのフローチャートである。
【図11】テラヘルツ電磁波分光により試料を画像化するための原理的説明図である。
【符号の説明】
1:気密容器
2:励起光源
3:レーザ光源
4、5、6、7、8、9、10、11、12: 反射鏡
15:チョッパー
21:テラヘルツ電磁波発生器
22:テラヘルツ電磁波受信器
31:凹面反射鏡1
32:凹面反射鏡2
33:凹面反射鏡3
34:凹面反射鏡4
40: 試料
51:電気的駆動部
52:チョッパー駆動部
53:時間遅延部
61:ロックイン・アンプ
62:画像処理部
63:表示装置
Claims (8)
- 粉体を保持する手段と,粉体にテラヘルツ電磁波を照射する照射手段と,粉体を通過したテラヘルツ電磁波を受信して電気信号に変換する受信手段と,該受信手段の出力をもとに該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得する手段と,該差に基づいて表示装置に粉体の特徴を表示するための画像処理をする画像処理手段とを備え,
粉体の特徴を測定することを特徴とする粉体物性測定装置。 - パルス光を照射されてテラヘルツ電磁波を発生するテラヘルツ発生手段と、パルス光を発生する光源と、該光源から発生する該パルス光を遅延する手段と、該光源から発生する該パルス光の繰り返し周波数を分周する分周手段もしくは光路長を低周波の振動数で変調する変調手段とを備え、該テラヘルツ電磁波受信手段は該光源から発生するパルス光を照射された時点において照射されているテラヘルツ電磁波の電界強度に基づく電気信号を発生するものであり、
該テラヘルツ電磁波発生手段に分周された該パルス光を照射し、該テラヘルツ電磁波受信手段に遅延された該パルス光を照射し、該テラヘルツ電磁波受信手段は粉体を通過したテラヘルツ電磁波の遅延された該パルス光を照射された時点での電気信号を発生するものであることを特徴とする請求項1に記載の粉体物性測定装置。 - 該テラヘルツ電磁波の周波数は0.1THzないし数十THzであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体物性測定装置。
- 粉体の充填密度の充分に高い状態のテラヘルツ電磁波に対する屈折率をninf とし、充填率αにおける屈折率をn(α)としたとき、屈折率n(α)を測定し、充填率αをα=( n(α)−1)/(ninf −1)で求めることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の粉体物性測定装置。
- 粉体にテラヘルツ電磁波を照射し、該粉体を通過したテラヘルツ電磁波をテラヘルツ受信手段で受信し、該受信されたテラヘルツ電磁波を電気信号に変換し、該電気信号に基づいて該粉体を通過するテラヘルツ電磁波の粉体の各位置での伝搬時間の差もしくは振幅の差を取得し、該差に基づいて得られる粉体の特徴を表示装置に表示するための画像処理をすることを特徴とする粉体物性測定方法。
- パルス光を照射されてテラヘルツ電磁波を発生するテラヘルツ電磁波発生手段と、パルス光を発生する光源と、該光源から発生する該パルス光を遅延する手段と、該光源から発生する該パルス光の繰り返し周波数を分周する分周手段もしくは光路長を低周波の振動数で変調する変調手段とを備え、
該テラヘルツ電磁波発生手段に分周もしくは光路長の変調された該パルス光を照射し、該テラヘルツ電磁波受信手段に遅延された該パルス光を照射し、該テラヘルツ電磁波受信手段は粉体を通過したテラヘルツ電磁波の遅延された該パルス光の照射された時点での電界強度に基づく電気信号を発生するものであることを特徴とする請求項5に記載の粉体物性測定方法。 - 該テラヘルツ電磁波の周波数は0.1THzないし数十THzであることを特徴とする請求項5又は6に記載の粉体物性測定方法。
- 粉体の充填密度の充分に高い状態のテラヘルツ電磁波に対する屈折率をninf とし、充填率αにおける屈折率をn(α)としたとき、屈折率n( α) を測定し、充填率αをα=( n(α)−1)/(ninf −1)で求めることを特徴とする請求項5、6又は7に記載の粉体物性測定方法。
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