JP2009174919A - 回転速度検出装置及びそれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置及びそれを備えた車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】芯金とナックル内径との干渉を防止することができて、製造コストの低減を図ることが可能な回転速度検出装置及びそれを備えた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪用軸受装置の軸受構造部2の内方部材側に装着される磁気エンコーダと、軸受構造部2の外方部材側に芯金63が固定されるセンサ構成部とを備え、芯金63は外方部材25の端部に圧入される円筒部63aを有し、円筒部63aが圧入終端側69から圧入始端側68に向かって縮径する。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転速度検出装置及びそれを備えた車輪用軸受装置に関するものである。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方に内側転走面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置(例えば、特許文献1)は、図7に示すように、外径方向に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、このハブ輪102に外側継手部材103が固定される等速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設される軸受構造100とを備える。
等速自在継手104は、前記外側継手部材103と、この外側継手部材103の椀形部107内に配設される内側継手部材108と、この内側継手部材108と外側継手部材103との間に配設されるボール109と、このボール109を保持する保持器110とを備える。また、内側継手部材108の中心孔の内周面にはスプライン部111が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材108側のスプライン部111とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪102は、筒部113と前記フランジ101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部115が突設されている。なお、パイロット部115は、大径の第1部115aと小径の第2部115bとからなり、第1部115aにブレーキロータが外嵌され、第2部115bにホイールが外嵌される。また、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ101に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔112に装着される。
軸受構造100は、外輪105と、筒部113の椀形部107側端部に設けられた段付部116に圧入される内輪117とを備える。そして、ハブ輪102の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に第2内側軌道面119が設けられている。
外輪105は、その内周に2列の外側軌道面120、121が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)132が設けられている。そして、外方部材105の第1外側軌道面120とハブ輪102の第1内側軌道面118とが対向し、外方部材105の第2外側軌道面121と、内輪117の軌道面119とが対向し、これらの間に転動体122が介装される。
ハブ輪102の筒部113に外側継手部材103の軸部123が挿入される。軸部123は、その反椀形部の端部にねじ部124が形成され、このねじ部124と椀形部107との間にスプライン部125が形成されている。また、ハブ輪102の筒部113の内周面(内径面)にスプライン部126が形成され、この軸部123がハブ輪102の筒部113に挿入された際には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126とが係合する。
そして、筒部113から突出した軸部123のねじ部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪102と外側継手部材103とが連結される。この際、ナット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外端面129とが当接するとともに、椀形部107の軸部側の端面130と内輪117の外端面131とが当接する。すなわち、ナット部材127を締付けることによって、ハブ輪102が内輪117を介してナット部材127と椀形部107とで挟持される。
ところで、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承するとともに、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置を備えた車輪用軸受装置(特許文献1参照)が一般的に知られている。
回転速度検出装置は、図8に示すように、軸受構造100の外輪105のインボード側の端部105aに装着される芯金150と、この芯金150に付設される樹脂モールド体151と、この樹脂モールド体151に埋設される回転速度センサ152とを備える。
また、軸受構造のインボード側の開口部を塞ぐシール部材Sには、磁気エンコーダ153が付設されている。すなわち、磁気エンコーダ153は、内輪117のインボード側の端部に装着される支持環154と、この支持環154に付設されるエンコーダ本体155とからなる。エンコーダ本体155は、周方向に交互にN、S極が形成されたゴム磁石からなる。なお、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)と呼び、中央寄りをインボード側(図面右側)と呼ぶ。
回転速度センサ152は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形回路が組み込まれたICとからなる。磁気エンコーダ153とは所定のエアギャップを介して対抗している。
特許文献1のような車輪用軸受装置は、車両が旋回を繰り返すと、軸受への荷重も変化するため、その荷重変化に伴って外輪が楕円変形を繰り返す。その結果、外輪の外径に嵌合されている芯金150が軸方向に抜けたり、周方向にずれたりして、ABSや車速検出が誤動作する可能性がある。
このため、ABSや車速検出の誤動作を防止する方法が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載のものは、外輪に溝を設けて、この溝に芯金を加締めて固定するものである。
特開2003−254985号公報 特開2006−177897号公報
しかしながら、前記特許文献2のような車輪用軸受装置では、外輪への溝加工により製造工程が増加して外輪の製造コストが増加したり、芯金の加締加工を行うため、新規な設備が必要となって加工コストが増大したりするという問題がある。さらに、軸受外輪に圧入嵌合する芯金円筒部は、通常外輪と締代をもって嵌合するが、芯金円筒の状態では圧入後、芯金先端部が外径方向に開く場合があり、外径方向に開けば、芯金先端がナックル内径に干渉するおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みて、芯金とナックル内径との干渉を防止することができて、製造コストの低減を図ることが可能な回転速度検出装置及びそれを備えた車輪用軸受装置を提供する。
本発明の回転速度検出装置は、車輪用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着される磁気エンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え、前記芯金は外方部材の端部に圧入される円筒部を有し、この円筒部が圧入終端側から圧入始端側に向かって縮径するものである。
本発明の回転速度検出装置によれば、芯金の円筒部の圧入終端側から圧入始端側に向かって縮径するので、圧入始端側が小径となって、この圧入始端側が外輪の外径面に対して内径側へ押圧するように圧接している。このため、車両が旋回を繰り返して軸受への荷重が変化して、この荷重変化に伴って外輪が楕円変形を繰り返しても、圧入始端側が外輪の外径面より外径側に開かず、芯金が軸方向に抜けたり、周方向にずれたりするのを防止できる。
前記芯金の圧入始端を、芯金の圧入終端よりも最大で0.5mm縮径させることができる。
本発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に外輪の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、外方部材の外側転走面と内方部材の内側転走面との間に転動自在に収容された転動体とを有する軸受構造部を備えた車輪用軸受装置において、前記軸受構造部のインボード側に前記発明に係る回転速度検出装置を備えることができる。ここで、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)と呼び、中央寄りをインボード側(図面右側)と呼ぶ。
本発明の車輪用軸受装置によれば、前記発明に係る回転速度検出装置を備えているので、車両が旋回を繰り返して軸受への荷重が変化した場合、この荷重変化に伴って外輪が楕円変形を繰り返しても、芯金が外径側に開くのを防止して外輪に強固に固定することができる。
外方部材の端部の外径端部に面取り部を設け、この面取り部をテーパ面及び/又はアールにて構成することができる。この場合、前記テーパ面を圧入方向に対して5°〜30°とすることができる。これにより、芯金装着時に際しては、芯金はアール及び/又はテーパ面にガイドされつつ装着することができる。
車輪用軸受装置として、突合面が突合わされた状態で一対の内方部材が装着されるものとすることができる。また、ハブ輪の外径面に外方部材の外側転走面が対向する内側転走面が形成されるとともに、ハブ輪の外径面のインボード側に段付部が形成されて、この段付部に、外周に外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材を嵌合させたものとすることができる。さらに、ハブ輪の外径面に、外方部材の第1外側転走面が対向する第1内側転走面を形成するとともに、等速自在継手の外側継手部材の外径面に、外方部材の第2外側転走面が対向する第2内側転走面を形成したものとすることができる。
本発明の回転速度検出装置では、芯金が外径方向に開くのを防止できるため、芯金とナックル内径との干渉を防止することができ、しかも外輪に強固に固定することができる。さらに、簡単な構成で芯金を外輪に固定することができて、製造コストの低減を図ることができる。
前記芯金の圧入始端側の内径を、芯金の圧入終端側の内径よりも最大で0.5mm小さくすることにより、芯金を外輪に対して安定して固定することができるとともに、芯金とナックル内径との干渉を効果的に防止することができる。
本発明の車輪用軸受装置では、芯金が外径方向に開くのを防止できるため、芯金とナックル内径との干渉を防止することができ、しかも外輪に強固に固定することができる。これにより、車輪用軸受装置としての機能を長期にわたって安定して発揮することができる。さらに、簡単な構成で芯金を外輪に固定することができて、製造コストの低減を図ることができる。
芯金装着時に際しては、芯金はアールやテーパ面にガイドされつつ装着することができるため、芯金を外輪に容易に装着することができる。
本発明の車輪用軸受装置は種々の車輪用軸受装置に適用でき、汎用性に優れ、しかも、各車輪用軸受装置に対して回転速度を高精度に検出できる。

以下本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1に車輪用軸受装置を示し、この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転がり軸受(軸受構造部)2と、等速自在継手3とが一体化されてなる。
等速自在継手3は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその軸孔内径6aに図示省略のシャフトの端部を圧入することによりスプライン嵌合してシャフトとトルク伝達可能に結合されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内球面13に、軸方向に延びた複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成されている。そのトラック溝14はマウス部11の開口端まで延びている。内輪6は、その外球面15に、軸方向に延びた複数のトラック溝16が円周方向等間隔に形成されている。
外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16とは対をなし、各対のトラック溝14,16で構成されるボールトラックに1個ずつ、トルク伝達要素としてのボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する。この場合の等速自在継手は、ツェパー型を示しているが、各トラック溝の溝底に直線状のストレート部を有するアンダーカットフリー型等の他の等速自在継手であってもよい。
ハブ輪1は、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ21とを有する。ハブ輪1のアウトボード側の端面に図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部45が突設されている。なお、パイロット部45は、大径の第1部45aと小径の第2部45bとからなり、第1部45aにブレーキロータが外嵌され、第2部45bにホイールが外嵌される。ハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ21に固定するためのハブボルト33がボルト装着孔32に装着される。車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)と呼び、中央寄りをインボード側(図面右側)と呼ぶ。
また、ハブ輪1の筒部20の内周面(内径面)22に外輪5の軸部12が挿入される。軸部12は、その反マウス部の端部にねじ部40が形成され、軸部12の外周にスプライン部41が形成されている。また、ハブ輪1の筒部20の内周面(内径面)にスプライン部42が形成され、この軸部12がハブ輪1の筒部20に挿入された際には、軸部12側のスプライン部41とハブ輪1側のスプライン部42とが係合する。
軸受構造部2は、内周に複列の外側転走面26,27が形成された外方部材としての外輪25と、筒部20の外径面のインボード側の端部に設けられた段付部23に圧入される内方部材としての内輪24とを備える。
筒部20の外径面に外輪25の外側転走面26に対応する内側転走面28が形成され、内輪24の外径面に外輪25の外側転走面27に対応する内側転走面29が形成されている。そして、外輪25の外側転走面26と筒部20の内側転走面28との間、外輪25の外側転走面27と内輪24の内側転走面29との間に、保持器31にて保持された転動体30が転動自在に収容される。
外輪25の外径面にはねじ孔50aを有する車体取付用フランジ50が設けられ、この車体取付用フランジ50よりもインボード側の外径面が、図示省略のナックルに所定のすきまにて嵌合されるナックルパイロット部25aとなる。
図2に示すように、外輪25の端部の外径端部に面取り部70を設け、この面取り部70をテーパ面71及びアール72にて構成している。これにより、後述する芯金63を外輪25に装着する際、面取り部70が芯金63をガイドすることができる。なお、テーパ面71の傾斜角αを、圧入方向に対して5°〜30°とするのが好ましい。αが5°未満であると、テーパ面71と外輪25の外径面との境界部において傾斜がほとんどなくなる。この場合、テーパ面71が長いと芯金63の圧入代が小さくなり、芯金63を外輪25に強固に固定することができず、テーパ面71が短いと面取り部70がほとんどなくなって、芯金63をガイドする機能を発揮することができない。また、30°を超えると、テーパ面71と外輪の外径面との境界部において傾斜が大きくなって、芯金63を圧入する際、芯金63の先端縁(圧入始端側68)がテーパ面71に当接し、芯金63を容易に圧入することができない。
転がり軸受2の両開口部には、リップシールからなるシール部材S1、S2が装着されている。アウトボード側のシール部材S1は、図1に示すように、補強環51と、この補強環51に付設されるリップ部52とを備える。リップ部52は、ラジアルリップ52aとサイドリップ52bとを備える。
また、インボード側のシール部材S2は、図2に示すように、断面L字状のシール板53、54と、一方のシール板53に付設されるシール部55とを備える。すなわち、シール板53は、円筒部53aと、この円筒部53aのアウトボード側の端部から内径側に延びる側壁部53bとからなり、円筒部53aが外輪25の内径面のインボード側の端部に嵌着されている。シール板54は、円筒部54aと、この円筒部54aのインボード側の端部から外径側に延びる側壁部54bとからなり、円筒部54aが内輪24の外径面に嵌着されている。シール部55は、ラジアルリップ55aとサイドリップ55bとを備える。
この車輪用軸受装置には、図3に示すように、回転速度検出装置60が付設されている。回転速度検出装置60は、軸受構造部2の内輪24側に装着される磁気エンコーダ61と、転がり軸受2の外輪25側に装着されるセンサ構成部62とを備える。
磁気エンコーダ61は、例えば、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉を混入させたものにて構成されたゴム磁石からなり、シール部材S2のシール板54の側壁部54bの外面に付設されている。そして、磁気エンコーダ61は、周方向に交互にN、S極が形成されている。
センサ構成部62は、軸受構造部2の外輪25の端部に圧入固定される芯金63と、この芯金63に付設される樹脂部64と、この樹脂部64に埋設されて前記磁気エンコーダ61にエアギャップを介して対峙する図示省略の回転速度センサとを有する。
芯金63は、図4に示すように、円筒部63aと、この円筒部63aのインボード側の端部から内径方向に延びるリング状の側壁63bとからなる。また、側壁63bは、外径部66と内径部67とを有し、内径部67が外径部66よりもインボード側に配置される。そして、円筒部63aが圧入終端側69から圧入始端側68に向かって縮径している。この場合、圧入始端側68を圧入終端側69よりも最大で0.5mm縮径させている。すなわち、始端半径をR1とし、終端半径をR2として、R1とR2との差δを最大で0.5mmとしている。0.5mmを超えると、圧入始端側68と圧入終端側69との差が大となって、圧入始端側68が小径となりすぎて面取り70で芯金63をガイドできなくなり、芯金63の圧入性が悪くなったりする。なお、図4の仮想線は、円筒部63aが縮径していない芯金63を示しており、圧入始端側68の内径面の径と圧入終端側69の内径面の径とが略同一のものである。
樹脂部64は断面正方形状のブロック体からなり、図3に示すように、側壁63bの周方向一部に設けられる。なお、樹脂部64は、例えばPA(ポリアミド)等の合成樹脂からなり、芯金63の側壁63bに一体成形モールドされている。
回転速度センサは、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える波形回路が組み込まれたICとからなる。
前記のように構成された回転速度検出装置60では、車輪(図示省略)の回転に伴って内輪24と共に磁気エンコーダ61が回転すると、回転速度センサの出力が変化する。この回転速度センサの出力が変化する周波数は車輪の回転速度に比例するため、回転速度センサの出力信号が図示省略の制御手段に入力されることによって、ABSを制御することになる。
本発明では、芯金63の円筒部63aの圧入終端側69から圧入始端側68に向かって縮径するので、圧入始端側68が小径となって、この圧入始端側68が外輪25の外径面に対して内径側へ押圧するように圧接している。このため、車両が旋回を繰り返して軸受への荷重が変化して、この荷重変化に伴って外輪25が楕円変形を繰り返しても、圧入始端側68が外輪25の外径面より外径側に開かず、芯金63が軸方向に抜けたり、周方向にずれたりするのを防止できる。これにより、芯金63とナックル内径との干渉を防止することができ、しかも外輪25に強固に固定することができる。これにより、車輪用軸受装置としての機能を長期にわたって安定して発揮することができる。さらに、簡単な構成で芯金63を外輪25に固定することができて、製造コストの低減を図ることができる。
前記芯金63の圧入始端側68の内径を、芯金の圧入終端側69の内径よりも最大で0.5mm小さくすることにより、芯金63を外輪25に対して安定して固定することができるとともに、芯金63とナックル内径との干渉を効果的に防止することができる。
外輪25の端部の外径端部に面取り部70を設け、この面取り部70をテーパ面71及びアール72にて構成し、前記テーパ面71を圧入方向に対して5°〜30°としているので、芯金装着時に際しては、芯金63はアール72やテーパ面71にガイドされつつ装着することができるため、芯金を外輪25に容易に装着することができる。
前記実施形態では、外輪25の面取り部70をテーパ面71及びアール72にて構成したが、図5に示すように、面取り部70を、アール72のみにて構成することができる。また、図6に示すように、面取り部70を、テーパ面71のみにて構成することができる。
前記実施形態では、ハブ輪1の外径面に外輪25の外側転走面が対向する内側転走面が形成されるとともに、ハブ輪1の外径面のインボード側に段付部23が形成されて、この段付部23に、外周に外側転走面27に対向する内側転走面29が形成された内輪24を嵌合させたいわゆる第3世代の車輪用軸受装置であったが、他の世代の車輪用軸受装置であってもよい。すなわち、突合面が突合わされた状態で一対の内輪が装着されるいわゆる第1世代や第2世代の車輪用軸受装置であってもよい。また、ハブ輪の外径面に、外輪の第1外側転走面が対向する第1内側転走面が形成されるとともに、等速自在継手の外側継手部材の外径面に、外輪の第2外側転走面が対向する第2内側転走面が形成されたいわゆる第4世代の車輪用軸受装置であってもよい。
このように、本発明の車輪用軸受装置は全世代の車輪用軸受装置に適用でき、汎用性に優れ、しかも、各世代の車輪用軸受装置に対しても回転速度を高精度に検出できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、図1等に示す車輪用軸受装置において、前記実施形態では、軸受2のトルク伝達手段としての転動体をボール30にて構成したが、円錐ころを使用するものであってもよい。回転速度検出装置のセンサとしては、前記実施形態では、いわゆるアクティブ型センサを用いたが、エンコーダが凹凸形状である磁性リングからなるいわゆるパッシブ型センサを用いるものであってもよい。
本発明の実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の縦断面図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の回転速度検出装置の芯金の断面図である。 本発明の他の実施形態を示す車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 本発明の別の実施形態を示す車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 従来の車輪用軸受装置の縦断面図である。 従来の回転速度検出装置の断面図である。
符号の説明
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
23 段付部
24 内輪
25 外輪
25b 端面
26,27 外側転走面
28,29 内側転走面
30 転動体
60 回転速度検出装置
61 磁気エンコーダ
62 センサ構成部
63 芯金
68 圧入始端側
69 圧入終端側
70 面取り部
71 テーパ面
72 アール

Claims (8)

  1. 車輪用軸受装置の軸受構造部の内方部材側に装着される磁気エンコーダと、軸受構造部の外方部材側に芯金が固定されるセンサ構成部とを備え、前記芯金は外方部材の端部に圧入される円筒部を有し、この円筒部が圧入終端側から圧入始端側に向かって縮径することを特徴とする回転速度検出装置。
  2. 前記芯金の圧入始端を、芯金の圧入終端よりも最大で0.5mm縮径させたことを特徴とする請求項1の回転速度検出装置。
  3. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に外輪の外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材と、外方部材の外側転走面と内方部材の内側転走面との間に転動自在に収容された転動体とを有する軸受構造部を備えた車輪用軸受装置において、前記請求項1又は請求項2の回転速度検出装置を備えたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  4. 外方部材の端部の外径端部に面取り部を設け、この面取り部をテーパ面及び/又はアールにて構成したことを特徴とする請求項3の車輪用軸受装置。
  5. 前記テーパ面を圧入方向に対して5°〜30°としたことを特徴とする請求項4の車輪用軸受装置。
  6. 突合面が突合わされた状態で一対の内方部材が装着されることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項の車輪用軸受装置。
  7. ハブ輪の外径面に外方部材の外側転走面が対向する内側転走面が形成されるとともに、ハブ輪の外径面のインボード側に段付部が形成されて、この段付部に、外周に外側転走面に対向する内側転走面が形成された内方部材を嵌合させたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項の車輪用軸受装置。
  8. ハブ輪の外径面に、外方部材の第1外側転走面が対向する第1内側転走面を形成するとともに、等速自在継手の外側継手部材の外径面に、外方部材の第2外側転走面が対向する第2内側転走面を形成したことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項の車輪用軸受装置。
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