JP2009173907A - アルカリセルロース及び水溶性セルロースエーテルの製造方法 - Google Patents

アルカリセルロース及び水溶性セルロースエーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 水に溶解したときに透明で、水不溶性部分が少ないセルロースエーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】 シート密度0.60g/ml以下のシート状パルプ又はマツを原料としたシート状パルプをシート状のまま又はチップ状とし、アルカリ金属水酸化物溶液と5〜70℃にて10〜600秒間接触させ、アルカリセルロース反応混合物を得る接触工程と、反応混合物を脱液する脱液工程とを含んでなるアルカリセルロースの製造方法であって、脱液工程で得られたアルカリセルロースが、アルカリセルロースに中和滴定法を用いて得られたアルカリ金属水酸化物成分の質量とパルプ中の固体成分の質量との比(アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分)として0.3〜1.5を有するように、接触工程に用いるアルカリ金属水酸化物溶液の量が選択されるアルカリセルロースの製造方法等を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、未溶解繊維分が少ないアルカリセルロース及び水溶性セルロースエーテルの製造方法に関する。
水溶性セルロースエーテルは、分子内に結晶性の部分と非結晶性の部分を有するセルロースにエーテル化剤を作用させて結晶性の部分を非結晶の状態にして、かかるセルロースエーテルを水溶性としたものである。セルロースの結晶性は、セルロース分子の骨格構造により発現する分子内水酸基同士の水素結合によるところが多いとされ、この水素結合が強固なため、水中において水分子との水和を妨げ、セルロースを水不溶性とする要因となっている。セルロースエーテルの製造では、NaOH等のアルカリ性水溶液でセルロースをアルカリセルロースとして結晶性を崩して、エーテル化剤を反応させてセルロースの水酸基をエーテル化剤で置換してセルロースエーテルとするが、このアルカリセルロースも完全に結晶性が消失しているわけではなく、エーテル置換度を高めてセルロースの水酸基をすべて置換することは、工業的には困難なものとなっている。このため、市販されているセルロースエーテルは、水溶性ではあるが、部分的に水には溶解しない部分が存在し、この水不溶部分は1000μmを超える原料セルロースであるパルプの繊維のスケールを有する場合もある。
水溶性セルロースエーテルは、水に溶解すると増粘状態となることから、透明なシャンプー及びリンス、整髪料、目薬、コンタクトレンズ洗浄剤等の増粘剤に用いられる。例えば、水溶性セルロースエーテルであるメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等は、分子内に親水基や疎水基が存在することで界面活性を示し、塩化ビニルや塩化ビニリデンの懸濁重合における懸濁安定剤として用いられ、家庭用の透明ラップ剤の原料としても用いられる。これらの用途では、製品が透明であることが望まれることから、水溶液中において、分子レベルで溶解して透明な状態なものでないと、製品に欠陥部分が生じて透明性が劣ったり、機能が劣ったりすることがあった。セルロースエーテルの水溶液粘度は高粘性のものが望まれるが、高粘性のセルロースエーテルは低粘性のセルロースエーテルに比して未溶解繊維分が多くなり、透明なものを得るのは困難と考えられていた。
これらの問題点解決のため特許文献1では、原料パルプに濃度15〜75質量%のアルカリ水溶液を温度5〜80℃で吸着させ、10秒以内に圧搾して過剰のアルカリ水溶液を除去する工程を2回繰り返す方法によってアルカリセルロースを得、それとエーテル化剤を反応させる方法が提示されている。
特許文献2では、ジクロロメタン抽出分が0.07質量%以下のパルプに水酸化ナトリウムを含浸させた後、圧搾してアルカリセルロースを得た後エーテル化する方法が提示されている。
特許文献3では、シート密度0.4〜1.0g/mlのシート状パルプを粉砕して平均粒径1000μm以下の粉末状とし、これにアルカリを加えてアルカリセルロースとし、更に塩化メチル、酸化プロピレン等を加えて反応させセルロースエーテルを得ている。
非特許文献1には、シート密度0.47〜1.17g/mlのシート状パルプをアルカリ溶液が入ったバスに0.5〜4.5秒間浸漬させアルカリセルロースを得る方法が記載されている。
特許文献4では、パルプを水酸化ナトリウム水溶液に2時間浸漬した後圧搾している。
特公昭53-12954号公報 特開平10-259201号公報 特開2001−354701号公報 A.W. Anderson and R.W. Swinehart, Tappi, Vol.39, No8,548−553, August 1956 米国特許第2102205号公報
しかし、本願発明者は、特許文献1の方法では、アルカリ水溶液の吸着・除去を2回繰り返すため、2回目の吸着・除去の際にパルプがふやけて切れやすくなるためトラブルを起こしやすく、またセルロースエーテルの品質は満足のいくものではなく、特許文献2と特許文献3の方法では、粉末状パルプを使用するためアルカリの分布が不均一になりやすく、未溶解繊維分は満足するものが得られない。一方、非特許文献1の方法では、短時間の浸漬時間によりアルカリの分布が不均一になり、満足のいくセルロースエーテルは得られないことを見出した。また、特許文献4の方法により得られるアルカリセルロースはその水酸化ナトリウム/セルロース質量比が3.0と極めて高く、副反応率が高まるためセルロースエーテルの製造には不向きであることを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、かかるセルロースエーテルの水溶液として、透明で水不溶性部分が少ないセルロースエーテルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意検討した結果、特定のシート密度のシート状パルプ又はマツを原料としたシート状パルプをシート状のまま又はチップ形態とした後、過剰のアルカリ金属水酸化物と特定の温度及び時間接触させ、その後、余剰のアルカリ金属水酸化物を除去して得られたアルカリセルロースを原料とすることにより透明で水不溶性部分が少ないセルロースエーテルを製造方法できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
本発明は、具体的には、シート密度0.60g/ml以下のシート状パルプ又はマツを原料としたシート状パルプをシート状のまま又はチップ状とし、5〜70℃にてアルカリ金属水酸化物溶液と10〜600秒間接触させ、アルカリセルロース反応混合物を得る接触工程と、上記反応混合物を脱液する脱液工程とを含んでなるアルカリセルロースの製造方法であって、上記脱液工程で得られたアルカリセルロースが、該アルカリセルロースに中和滴定法を用いて得られたアルカリ金属水酸化物成分の質量と上記パルプ中の固体成分の質量との比(アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分)として0.3〜1.5を有するように、上記接触工程に用いるアルカリ金属水酸化物溶液の量が選択されるアルカリセルロースの製造方法を提供する。また、このアルカリセルロースにエーテル化剤を反応させることを含む水溶性セルロースエーテルの製造方法を提供する。
本発明によれば、水に溶解したときに透明で、水不溶性部分が少ないセルロースエーテルを製造できる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明で用いるシート状パルプは、木材パルプ、コットンリンターパルプである。未溶解繊維分の少ないセルロースエーテルを得るためには木材由来パルプが特に好ましい。木材の樹種は、マツ、トウヒ、ツガ等の針葉樹及びユーカリ、カエデ等の広葉樹を用いることができる。このなかで特に好ましいのはマツを原料とするパルプである。マツとは、マツ属に属する植物である。スラッシュパイン、ロブロリパイン、ロングリーフパイン、ショートリーフパイン等のサザンパイン群、マリタイムパイン等のマツ属の木材を原料として用いるパルプである。繊維の平均長さは好ましくは2〜4mm、繊維の平均幅は好ましくは30〜50mm、平均の細胞膜の厚さは好ましくは3〜5mmである。
本発明で用いるシート状パルプは、シート密度が0.60g/ml以下、好ましくは0.55g/ml以下である。密度がこれより大きいと未溶解繊維分の少ないセルロースエーテルの製造が困難になる。密度の下限については入手可能、すなわち工業的に得られるものであれば特に制限はないが、通常0.30g/ml以上である。但し、マツを原料としたシート状パルプを用いる場合には、シート密度の制限はない。
なお、シート状パルプのシート密度は、単一シートの単位容積当たりの質量を言い、国際規格ISO534:1988、ISO536:1995に記載される方法で測定できる。
まず、ISO536:1995に従い坪量を測定する。例えば、23℃、50%の相対湿度にて4時間放置し調湿した約30cm角の試験片20枚の質量を測定し、以下に表す式により坪量を計算し、平均する。
G=(M/A)×10000
Gは個々の試験片の坪量(g/m2)、Mは個々の試験片の質量(g)、Aは個々の試験片の面積(cm2)である。
次にISO534:1988に従い厚さを測定する。例えば、マイクロメーターを防振性の水平面上に置き、試験片をマイクロメーター加圧面の間に入れ、可動加圧面を3mm/s以下の速度で操作し、試験片が加圧面間で保持されていることを確認し、安定直後の値を読み取り厚さを測定する。厚さは、各試験片で2カ所測定し、合計40カ所を測定する。密度の計算は以下により行い、平均する。
D=G/(T×1000)
Dは密度(g/cm3)、Gは坪量(g/m2)、Tは厚さ(mm)である。
本発明で用いるシート状パルプは、厚みが好ましくは0.1〜5mm、更に好ましくは1.0〜2.0mmのものが用いられる。これより厚いと、圧搾がはなはだ困難となる場合がある。これより薄いと浸漬中、圧搾中にシートが破れやすくなる等、取り扱いが困難になる場合がある。アルファセルロース分は90質量%以上が好ましい。これより低いとアルカリ吸収速度が低下する場合がある。
また、シート状パルプのジクロロメタン抽出分は、好ましくは0.10質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。これより高いと未溶解繊維分の少ないセルロースエーテルが得られない場合がある。
ジクロロメタン抽出分は、紙パルプ関係団体規格TAPPI T204に記載の方法で測定できる。例えば、TAPPI T204に従い、ソックスレー付き抽出フラスコにジクロロメタン150mlと約10gのパルプを入れ、溶剤が少なくとも1時間に6回還流する沸騰速度になるように加熱温度を調整し、4〜5時間かけ、少なくとも24サイクルの抽出を行なう。抽出後、抽出装置からフラスコを外し、フラスコ中の抽出液が20〜25mlになるまで蒸発させる。次いで、抽出物を少量の溶剤で洗って秤量皿に移し、乾燥機に入れ105±3℃で1時間乾燥させ、その後デシケーター中で冷却し0.1mgの精度で秤量して「抽出物の絶乾質量」を求める。溶剤だけを用いたブランクも測定して「ブランク残渣の絶乾質量」を求め、抽出物の質量補正を行う。次式により、抽出物の含有量を求める。
抽出物含有量(%)=(抽出物の絶乾質量−ブランク残渣の絶乾質量)/パルプ絶乾質量
×100
「パルプの絶乾質量」は、パルプを秤量皿に移し、乾燥機に入れ105±3℃で4時間乾燥させ、その後デシケーター中で冷却し0.1mgの精度で秤量して求める。
パルプの固有粘度は、紙パルプ関係団体規格SCAN−CM 15:99の測定法において、好ましくは300ml/g以上、更に好ましくは1000ml/g以上のものが用いられる。高粘度のセルロースエーテルは、従来の方法で製造すると未溶解繊維分が極めて多くなるためである。特に好ましいのは1300ml/g以上である。固有粘度の上限は通常入手できる範囲のものであり、通常2100ml/gである。
例えば、パルプ試料(供する量は後に得られる[η]cが3.0±0.1になる量)に蒸留水25mlを加え、さらに銅線数片を加え、栓をしてパルプが完全に崩壊するまで振とうし、次に銅エチレンジアミン溶液25.0mlを加え空気を排除した後に密栓する。試料溶液および毛細管型粘度計を25.0℃に調整し、試料溶液を粘度計に導入し、流出時間tnを測定し、次の式により粘度比ηrelを計算する。
ηrel = h×tn
ここで、hは、キャリブレーション用粘度計、試料測定用粘度計およびグリセロール溶液を用いて求めた粘度計定数である。
SCAN−CM15:99に記載の数表にてηrelから[η]cを読み取る。別に試料溶液の濃度c(絶乾パルプ濃度)g/mlを計算し、[η]cをcで除して得られた値を固有粘度[η] ml/gとした。
セルロースエーテルの製造方法は、例えば、特許文献1に記載されるように、パルプはシート状もしくはチップ状の形態にて過剰のアルカリ金属水酸化物の溶液に浸漬された後に圧搾することによって余分なアルカリ金属水酸化物溶液を除去してアルカリセルロースを製造し、これにエーテル化剤を加えて反応させ、セルロースエーテルを得る方法が特に好ましい。過剰のアルカリ金属水酸化物の溶液に浸漬せずに製造されたアルカリセルロースを原料にすると、未溶解繊維分の少ないセルロースエーテルを製造することは困難である。
本発明で用いるチップ状パルプは、シート状パルプを裁断することにより得られる、チップ状の形態を持つパルプである。チップ状パルプの製造方法は限定されないが、スリッターカッターの他、既存の裁断装置を利用することができる。使用する裁断装置は、連続的に処理できるものが投資コスト上有利である。
チップの形状は、通常一辺が好ましくは2〜100mm、更に好ましくは3〜50mmである。2mmより小さいとセルロース繊維がダメージを受け繊維内部にアルカリ金属水酸化物溶液が浸入しづらくなり均質なアルカリセルロースを得られなくなる場合がある。逆に100mmより大きいと、取り扱い特に浸漬装置への投入、装置内部の送り、分離機への投入が困難になる場合がある。
本発明では、シート状パルプをシート状のまま又はチップ形態とした後、過剰のアルカリ金属水酸化物と接触させ、次に余剰のアルカリ金属水酸化物を除去する。例えば、過剰のアルカリ金属水酸化物の溶液に浸漬された後に脱液することによって、余分なアルカリ金属水酸化物溶液を除去する方法を使用できる。この方法としては、シート状パルプをアルカリ金属水酸化物溶液の入ったバスに浸漬させた後、ローラーその他の装置で加圧圧搾する方法や、チップ状のパルプをアルカリ金属水酸化物溶液の入ったバスに浸漬させた後遠心分離や他の機械的方法により圧搾する方法が挙げられる。ここで、過剰のアルカリ金属水酸化物は、最終的にエーテル化反応に供するアルカリセルロース中のアルカリ金属水酸化物溶液とセルロースとの質量比より多いアルカリ金属水酸化物であり、アルカリ金属水酸化物溶液とパルプ中の固体成分との質量比(アルカリ金属水酸化物溶液/パルプ中の固体成分)を、好ましくは3〜5,000、より好ましくは10〜200、更に好ましくは20〜60とする値である。これより少ないとアルカリ金属酸化物とパルプの均一な接触が困難になる場合がある。上限は特に定めないが、アルカリ金属水酸化物溶液の量が多すぎると設備が過大になるため、経済的に決められ、通常5000程度である。
なお、アルカリ金属水酸化物ではなくアルカリ金属水酸化物溶液の質量を用いるのは、物理的にパルプがムラなくアルカリ金属水酸化物溶液に接触している(漬かっている)ことが重要であり、アルカリ金属水酸化物溶液が少なすぎて接触していない(濡れていない)パルプが存在するような状況を避けるためである。
使用されるアルカリ金属水酸化物溶液は、アルカリセルロースとなればよく限定しないが、経済的理由から好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液から選ばれる。その濃度は23〜60質量%、特に35〜55質量%が好ましい。アルカリ金属水酸化物溶液は、水溶液が好ましいが、エタノール等のアルコール溶液や水溶性アルコールと水との混合溶液であってもよい。
接触させる温度は、好ましくは5〜70℃、更に好ましくは15〜60℃である。5℃未満では、アルカリ金属水酸化物溶液が高粘性となるためパルプが吸収する速度が遅くなる場合があり、生産性が好ましくない場合がある。70℃を超えると、アルカリ金属水酸化物溶液の粘性が低いためパルプが吸収する速度が速くなり、アルカリセルロースの組成のバラツキが大きくなる場合があり、品質上好ましくない場合がある。
パルプと過剰のアルカリ金属水酸化物とを接触させる時間は、10〜600秒であり、好ましくは15〜120秒である。10秒未満だとアルカリセルロースの組成のバラツキが大きくなり、品質上好ましくない場合がある。600秒を超えるとパルプのアルカリ金属水酸化物吸収量が過大となり、所望の組成のアルカリセルロースを得られなくなる場合がある。
本発明によれば、脱液工程で得られたアルカリセルロースに中和滴定法を用いて得られたアルカリ金属水酸化物成分の質量と上記パルプ中の固体成分の質量の比(アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分)が0.3〜1.5、好ましくは0.65〜1.30、更に好ましくは0.90〜1.30の範囲となるように、接触工程に用いるアルカリ金属水酸化物溶液の量が選択される。
出発原料のパルプは、通常、セルロースと水からなるため、パルプ中の固体成分はセルロースである。上記質量比が0.3〜1.5の場合、得られるセルロースエーテルの透明性が高くなる。
なお、パルプ中の固体成分には、主成分のセルロースの他、ヘミセルロース、リグニン、樹脂分等の有機物、Si分、Fe分等の無機物が含まれる。
脱液工程で得られたアルカリセルロースに関して、アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分は、以下に示す中和滴定法を用いて求めることができる。
脱液工程で得られたアルカリセルロースのケーキ全量の質量を測定する。脱液工程で得られたアルカリセルロースのケーキ4.00gを採取し、中和滴定によりケーキ中のアルカリ金属水酸化物質量%を求める(0.5mol/L H2SO4、指示薬:フェノールフタレイン)。同様の方法で空試験を行う。
アルカリ金属水酸化物質量%=規定度係数×(H2SO4滴下量ml−空試験で
のH2SO4滴下量ml)
なお、上式は、水酸化ナトリウムの分子量を40としている。
上記アルカリ金属水酸化物質量%で算出できれば、脱液工程で得られたアルカリセルロースのケーキ全量中の「アルカリ金属水酸化物成分」を算出できる。
「パルプ中の固体成分」は、例えば、パルプ約2gを採取し105℃で4時間乾燥させた後の質量が、採取した質量に占める割合(質量%)を求めて算出することができる。
脱液工程で得られたアルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分の質量比は、以下に示すように、脱液工程で得られたアルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物成分/狭義のアルカリセルロース成分の質量比に近似する。
得られたケーキ中のアルカリ金属水酸化物質量%を用いて、次式に従いアルカリ金属水酸化物成分/狭義のアルカリセルロース成分を求めることができる。
(アルカリ金属水酸化物の質量)/(狭義のアルカリセルロース成分の質量)=
(アルカリ金属水酸化物質量%)÷[{100−(アルカリ金属水酸化物質量%)
/(B/100)}×(S/100)]
ここで、Bは用いたアルカリ金属水酸化物溶液の濃度(質量%)であり、Sはパルプ中の固体成分の濃度(質量%)である。式中、100−(アルカリ金属水酸化物質量%)/(B/100)は、ケーキ中のアルカリ金属水酸化物溶液以外の質量%であるが、これにはパルプ中の固体成分の質量%と同じ割合で狭義のアルカリセルロースが存在するとしてS/100をかけてアルカリセルロースの質量%としたものである。
狭義のアルカリセルロースは、脱液工程で得られたアルカリ金属水酸化物を含むアルカリセルロースよりも狭い概念であり、アルカリ金属水酸化物溶液を除いたアルカリセルロース自体を意味する。
得られたアルカリセルロースは、適用な大きさに、例えばチップ状に裁断してエーテル化反応装置に供給することができる。エーテル化反応装置としては、アルカリセルロースを機械的な力によりチップの形態がなくなるまで解砕しながらエーテル化反応するものが好ましい。このため内部に撹拌機構を持つものが好ましく、例としてスキ型ショベル羽根式混合機が挙げられる。また、アルカリセルロースをエーテル化反応機に投入するよりも前に、別の内部に撹拌機構を持つ装置やカッターミル等の解砕装置で予め解砕しておくことも可能である。
パルプとアルカリ金属水酸化物とが接触した後、均一化及びマーセル化反応が進行し熟
成が進行するが、短時間では熟成が不十分となりこれをエーテル化して得られるセルロースエーテルの未溶解繊維分が増加する。このためエーテル化剤と反応させるアルカリセルロースのうち、パルプと過剰のアルカリ金属水酸化物との接触がなされてからの経過時間が60分以下のものの割合が50質量%以下、より好ましくは30質量%以下が好ましい
。60分以下のものの割合がこれより多いアルカリセルロースは、熟成が不十分なものの比率が高くなりセルロースエーテルの未溶解繊維分が増加する場合がある。
得られたアルカリセルロースを出発原料として得られるセルロースエーテルとしては、水溶性のメチルセルロース(MC)等のアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等が挙げられる。
アルキルセルロースとしては、メトキシル基(DS)が1.0〜2.2のメチルセルロース、エトキシル基(DS)が2.0〜2.6のエチルセルロース等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエトキシル基(MS)が0.05〜3.0のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.05〜3.3のヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースの例としては、メトキシル基 (DS)が1.0〜2.2、ヒドロキシエトキシル基(MS)が0.1〜0.6のヒドロキシエチルメチルセルロース、メトキシル基(DS)が1.0〜2.2、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.1〜0.6のヒドロキシプロピルメチルセルロース、エトキシル基(DS)が1.0〜2.2、ヒドロキシエトキシル基(MS)が0.1〜0.6のヒドロキシエチルエチルセルロースが挙げられる。
また、カルボキシメトキシル基(DS)が0.2〜2.0のカルボキシメチルセルロースも挙げられる。
なお、通常、アルキル置換にはDSを用い、ヒドロキシアルキル置換にはMSを用い、それぞれグルコース単位に結合したエーテル化剤の平均モル数であり、日本薬局方の測定方法を用いて測定された結果から算出できる。
エーテル化剤としては、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化アルキル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、モノクロル酢酸等が挙げられる。
セルロースエーテルの2質量%水溶液の20℃における粘度は、好ましくは2〜200000mPa・s、更に好ましくは50〜100000mPa・sである。
置換度が不足していたり、均一な置換が行われていないで製造されたセルロースエーテルは、水に溶解しようとした時に16〜200μm程度の大きさの未溶解な繊維状物が多数残存してしまうことになる。この未溶解な繊維状物の数は、このセルロースエーテルが0.1質量%水溶液となるようにコールターカウンター用電解質水溶液ISOTON II(コールター社製)に25℃の恒温槽内で溶解し、この溶液2ml中に存在する16μm以上200μm以下の未溶解繊維数を径400μmのアパーチャーチューブを用いてコールター社製のコールターカウンターTA II型又はマルチサイザー機により測定することができる。このようにして測定された未溶解繊維数が、100個以下であるものが優れている。より好ましくは60個以下である。なお、未溶解繊維数が少ないため測定できない場合は、適宜高濃度溶液で測定し、0.1質量%換算数値として測定できる。
また、本発明の水溶性セルロースエーテルの30℃における2質量%水溶液の透光度は、光電比色計PC−50型、セル長20mm、可視光線を用いて測定した場合、96%以上、特に97%以上が好ましい。
本発明のセルロース エーテルは、溶解性を高めるため、JIS Z8801に定められている標準篩いの100号(目開き150μm)により関西金網社製429型ロータップ篩い振とう機によりセルロース エーテル粉100gを振とう数200回/分、打数156回/分、振とう幅50mmの条件で30分間、振とうした後に、篩い上の残留物が25質量%以下となるものを使用することが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.60g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.10質量%のシート状パルプAを50℃の49質量%NaOH水溶液に12秒間浸漬した後プレスすることにより余剰の49質量%NaOH水溶液を除去し、アルカリセルロースを得た。浸漬工程の49質量%NaOH水溶液/パルプ中の固体成分質量比は100だった。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。
得られたアルカリセルロース20kgを内部撹拌型耐圧反応器に仕込み、真空引き後、塩化メチル11kg、プロピレンオキサイド2.7kgを加えて解砕しながら反応させ、洗浄、乾燥、粉砕を経てヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。塩化メチル、プロピレンオキサイドを加えはじめた時点で、アルカリセルロースのうちパルプと過剰のアルカリとの接触がなされてからの経過時間が60分以下のものの割合は45質量%だった。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24であり、2質量%水溶液の20℃における粘度は28000 mPa・sだった。2質量%水溶液の30℃における透光度は、光電比色計PC−50型、セル長20mm、可視光線を用いて測定し、98.0%だった。また、16μm以上200μm以下の未溶解繊維数は80個だった。結果を表1に示す。
[実施例2]
塩化メチル、プロピレンオキサイドを加えはじめた時点で、アルカリセルロースのうちパルプと過剰のアルカリとの接触がなされてからの経過時間が60分以下のものの割合は55質量%だった以外は実施例1と同様に実施した。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
解砕機能のない自転式反応器を用いる以外は,実施例1と同様に実施した。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.60g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.12質量%のシート状パルプBを用いる以外は,実施例1と同様に実施した。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.55g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプCを用い、15℃の49質量%NaOH水溶液に600秒間浸漬する以外は、実施例1と同様の方法でアルカリセルロースを得た。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプDを用い、35℃の49質量%NaOH水溶液に40秒間浸漬する以外は実施例1と同様に方法でアルカリセルロースを得た。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.
90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプDを10mm角のチップ形態とした。チップ形態のパルプを35℃の49質量%NaOH水溶液に30秒間浸漬した後遠心効果500の回転バスケットを用いて圧搾することにより余剰の49質量%NaOH水溶液を除去し、アルカリセルロースを得た。浸漬工程の49質量%NaOH水溶液/パルプ中の固体成分質量比は15だった。
得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だ
った。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースを得た。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメ
トキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。
評価結果を表1に示す。
[実施例8]
トウヒ由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプEを用いる以外は実施例7と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度400ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプFを用いる以外は実施例7と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例10]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1000ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプGを用いる以外は実施例7と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[実施例11]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度2000ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプHを用いる以外は実施例7と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.62g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.04質量%のシート状パルプIを用いる以外は実施例1と同様の方法でアルカリセルロースを得た。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプDを55℃の49質量%NaOH水溶液に8秒間浸漬した後プレスすることにより余剰の49質量%NaOH水溶液を除去し、アルカリセルロースを得た。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプDをナイフミルで粉砕し、平均粒径200μmの粉末状パルプを得た。得られた粉末状パルプを35℃の49質量%NaOH水溶液に30秒間浸漬した後遠心効果500の回転バスケットを用いて圧搾することにより余剰の49質量%NaOH水溶液を除去し、アルカリセルロースを得た。浸漬工程の49質量%NaOH水溶液/パルプ中の固体成分質量比は15だった。得られたアルカリセルロースのNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比は1.25だった。得られたアルカリセルロースを原料に、実施例1と同様の方法でヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
マツ(マリタイムパイン)由来で固有粘度1300ml/g、シートの密度が0.50g/ml、ジクロロメタン抽出分が0.05質量%のシート状パルプDをナイフミルで粉砕し、平均粒径200μmの粉末状パルプを得た。得られた粉末状パルプにつき無水分として8.0kgを内部撹拌型耐圧反応器に仕込み、真空引き後、40℃の49質量%NaOH 20.4kgを撹拌下スプレーしてNaOH成分/パルプ中の固体成分質量比1.25のアルカリセルロースを製造し、引き続き塩化メチル11kg、プロピレンオキサイド2.7kgを加えて反応させ、洗浄、乾燥、粉砕を経てヒドロキシプロピルメチルセルロースを得た。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの置換度はメトキシル基(DS)が1.90、ヒドロキシプロポキシル基(MS)が0.24だった。評価結果を表1に示す。
Figure 2009173907

Claims (6)

  1. シート密度0.60g/ml以下のシート状パルプをシート状のまま又はチップ状とし、5〜70℃にてアルカリ金属水酸化物溶液と10〜600秒間接触させ、アルカリセルロース反応混合物を得る接触工程と、上記反応混合物を脱液する脱液工程とを含んでなるアルカリセルロースの製造方法であって、
    上記脱液工程で得られたアルカリセルロースが、該アルカリセルロースに中和滴定法を用いて得られたアルカリ金属水酸化物成分の質量と上記パルプ中の固体成分の質量との比(アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分)として0.3〜1.5を有するように、上記接触工程に用いるアルカリ金属水酸化物溶液の量が選択されるアルカリセルロースの製造方法。
  2. マツを原料とするシート状パルプをシート状のまま又はチップ状とし、5〜70℃にてアルカリ金属水酸化物溶液と10〜600秒間接触させ、アルカリセルロース反応混合物を得る接触工程と、上記反応混合物を脱液する脱液工程とを含んでなるアルカリセルロースの製造方法であって、
    上記脱液工程で得られたアルカリセルロースが、該アルカリセルロースに中和滴定法を用いて得られたアルカリ金属水酸化物成分の質量と上記パルプ中の固体成分の質量との比(アルカリ金属水酸化物成分/パルプ中の固体成分)として0.3〜1.5を有するように、上記接触工程に用いるアルカリ金属水酸化物溶液の量が選択されるアルカリセルロースの製造方法。
  3. 上記シート状パルプが、0.10質量%以下のジクロロメタン抽出分を有する請求項1又は請求項2に記載のアルカリセルロースを製造する方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られたアルカリセルロースにエーテル化剤を反応させることを含む水溶性セルロースエーテルの製造方法。
  5. 上記エーテル化剤と反応させるアルカリセルロースが、上記パルプと上記アルカリ金属水酸化物溶液との接触がなされてからの経過時間が60分以下のものを50質量%以下含む請求項4に記載の水溶性セルロースエーテルの製造方法。
  6. 上記エーテル化剤と反応させるアルカリセルロースが、チップ形態を有し、解砕された後又は解砕されながら該エーテル化剤と反応させられる請求項4又は請求項5に記載の水溶性セルロースエーテルの製造方法。
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