JP4478125B2 - セルロースエーテルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、セルロースエーテルの製造に用いられるパルプの粉末化方法に関するものである。さらに、本発明は、セルロースエーテルの製造方法にも関するものである。
セルロースエーテルの製造には、精製された高純度のコットンリンターパルプやウッドパルプが使用され、これらのパルプをナイフミル等の粉砕機で粉砕した粉末パルプを原料とする。
パルプの微粉砕方法としては、特許文献1あるいは特許文献2に例示されるような乾燥したパルプの低温粉砕法、特許文献3に例示されるような圧縮したパルプのジェットミルを用いる粉砕法が提案されている。
しかし、これらの方法は、乾燥、圧縮等、粉砕の前段階が煩雑であり、大量の処理には不向きなこと、粉砕機を低温に保つための装置及び冷媒が必要なこと等の理由で工業レベルで満足できる方法ではなかった。
これらの不都合を生じない方法として、現在広く用いられているのはナイフミルによる粉砕である。
特開昭59−75901号公報 特公昭64−7828号公報 特開昭57−92001号公報
通常、粉末セルロースエーテルは水等の溶媒に溶解して使用される。セルロースエーテル水溶液の未溶解繊維分は、アルカリセルロースの製造時にアルカリが粉末パルプに浸透する時の均一性に依存すると考えられている。セルロースエーテル水溶液中の未溶解繊維分は、使用上問題となる場合があり、このため、アルカリがパルプに均一に浸透すべく、アルカリ濃度が一様なアルカリセルロースを製造することが未溶解繊維分の減少には不可欠である。
さらに、粉末パルプへのアルカリの浸透性は、粉末パルプの粒子形状によって影響されると考えられる。ナイフミルのように主に剪断力を利用した粉砕では、パルプ粉末の微視的な形状は長い繊維状となる。繊維状の粉末は、粒子一つ当たりの表面積が小さく、アルカリと接触する機会が限られてしまい、粒子内部へのアルカリの浸透にも不利に働く。このため、パルプ粉末へのアルカリの浸透は不均一であり、内部へのアルカリの浸透は限られた範囲に留まるものと考えられる。
また、繊維状の粉末は絡み合って存在しているので、空隙容積が大きく、嵩密度は小さい。従って、一度のセルロースエーテルの製造に供することができるパルプの量は、反応器の容積とパルプの嵩密度により制限されるので、嵩密度の小さい繊維状粉末パルプは生産上不利となる。このため、工業的に可能なレベルで嵩密度の高い粉末パルプを生産する方法の開発が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、セルロースエーテル水溶液の未溶解繊維分が減少し、同時に生産性を向上させ、安定してセルロースエーテルを得ることを目的とするものである。
本発明者らは、粉末パルプ粒子の形状は、粉砕原理に大きな影響を受けるので、剪断力を利用したナイフミルとは異なる原理のパルプ粉砕機を使用することにより、粒子形状が変化し、アルカリの浸透性が改善されうることに着目した。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、竪型ローラミルを用いてパルプを粉砕し、粉末パルプとすることを特徴とするパルプの粉末化方法を発明した。
また、上記粉末化方法では、粉末パルプの平均粒径を20μm〜300μmとするのが好ましい。
さらに、本発明では、上記方法により得られた粉末パルプを原料としてセルロースエーテルを製造する。
本発明の粉砕化方法では、パルプを竪型ローラミルによって粉砕し、ナイフミル等の粉砕により得られる長い繊維状の粉末パルプとは異なる形状の粉末パルプをセルロースエーテル製造原料として使用する。それによって、セルロースエーテル水溶液の未溶解繊維分が減少し、同時に生産性を向上させ、安定してセルロースエーテルを得ることができる。
本発明のパルプの粉末化方法によれば、工業的に有利な嵩密度の高い粉末パルプが生産性よく、しかも安定して得られる。そして、この粉末パルプを原料としたセルロースエーテルは、セルロースエーテル水溶液中の未溶解繊維分を減少することができる。
以下、本発明で用いる竪型ローラミルの一例を、図1を用いて更に詳しく説明する。
図1は、本発明のパルプの粉末化方法を実施するための竪型ローラミルを示す斜視図である。容器1内の下部にはターンテーブル2が配置され、ターンテーブル2は回転軸3に接続されている。回転軸3は容器1の外部で図示されていないモータに連結され、ターンテーブル2を回転させる。ターンテーブル2はその円周に沿って溝4を有しており、ローラ5が溝4上に配置されている。ローラ5は、アーム6で固定され、アーム6は図示されていないシリンダに接続されて、ローラ5を溝4内に押し下げるようになっている。
容器1内の上部には十分に粉砕された粉末パルプと粗粉砕のパルプを分けるセパレータ7が設置されている。セパレータ7は回転軸8を有しており、回転軸8は容器1の外部でモータ9に連結されセパレータ7を回転させるようになっている。
更に、容器1の上部には原料パルプを入れる原料供給口11、粉砕された粉末パルプを排出する製品排出口15が設けられ、容器1の下部には容器1内に空気を送る空気供給口20が設けられている。
この竪型ローラミル10を使用して、以下のようにして原料パルプを粉末化する。すなわち、原料パルプを原料供給口11から容器1の内部に投入すると、ターンテーブル2の上に落ち、ターンテーブル2の遠心力で溝4内に蓄積される。蓄積された原料パルプはローラ5と溝4の間で圧縮、摩砕されて粉末化される。
容器1の内部は空気供給口20から送られた空気によって旋回上昇気流が発生して、粉末化された粉末パルプはその旋回上昇気流に乗って容器1内の上部に上がる。この時、粉砕が不十分な粗大な粉末パルプも容器内上部に上がるが、十分粉砕された粉末パルプだけがセパレータ7のスリットの内部に入って分級され、気流と共に製品排出口15から容器1の外部に排出される。排出された粉末パルプはバッグフィルターで補集される。
ローラーミルは圧縮、剪断、摩砕を粉砕原理としており、パルプ粉末の微視的形状は、ナイフミルで得られるパルプ粉末よりも短い繊維状や擦りつぶし又は圧縮された粒状である。そのため空隙容積は小さくなり、ナイフミル粉砕による粉末パルプのゆるみ見掛密度が、0.05〜0.13g/cm3であるのに対し、ローラーミル粉砕では0.14〜0.30g/cm3と高い嵩比重を持つ粉末パルプが得られる。従って、同体積の反応容器で、一度により多量の粉末パルプをセルロースエーテルの製造に供することができる。
原料パルプには、セルロースエーテルの製造に通常用いるコットンリンターパルプやウッドパルプを使用することができるが、これらに限定されない。原料パルプは、適当な大きさ及び形状のもの、例えば、1〜2cm程度の四角状にチップ化したものを用いることができるが、特に限定されない。
なお、前記粉末パルプの平均粒径は、20μm〜300μm、好ましくは60μm〜200μmである。平均粒径が20μm未満だと工業的に非効率的であるばかりでなく、パルプ重合度の低下が著しく、セルロースエーテルの水溶液の粘度に影響を及ぼす。300μmを超えると、反応器内での流動性やアルカリセルロース製造時のアルカリ吸収性等に不利に働き、未溶解繊維分の増加の一因となる。
このようにして得られた粉末パルプからは、より均一にアルカリの浸透したアルカリセルロースが得られ、セルロースエーテル水溶液中の未溶解繊維分を減少することができる。
セルロースエーテルは、公知の方法、例えば、原料パルプに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを加えてアルカリセルロースとした後に、塩化メチル、酸化プロピレン、酸化エチレン等のエーテル化剤を加えることにより製造される。
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1及び比較例1]
竪型ローラーミルとしてIHI微粉砕竪型ミル(ISミル:石川島播磨重工業社製)を使用し、原料パルプを投入して粉砕した。原料パルプは、1〜2cm程度の四角状にチップ化した物を使用したが、原料パルプの形状は特に限定されるものではない。粉砕後の粉末パルプをバッグフィルターで補集した。得られた粉末パルプを原料としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを製造した。
本実施例におけるセルロースエーテルの製造方法は、次の通りである。粉末パルプに水酸化ナトリウムを添加し、アルカリセルロースとした後にメトキシル基置換のための塩化メチル、ヒドロキシプロポキシル基置換のための酸化プロピレンを加えて反応させ、得られたヒドロキシプロピルメチルセルロースの残塩分が1重量%程度になるまで精製した後、含有水分が1.2重量%になるまで乾燥した。
乾燥したヒドロキシプロピルメチルセルロースをバッチ式振動ミル(B−3:中央加工機社製)で2時間粉砕した。この粉末ヒドロキシプロピルメチルセルロースを濃度2重量%の水溶液にして透光度を測定した。
比較のため、メッシュミル(HA−2542:株式会社朋来鉄工所製)を使用してパルプを粉砕した。いずれの粉砕機についても、原料パルプは、コットンリンターパルプを使用した。粉末パルプの平均粒径、嵩密度及び粉末ヒドロキシプロピルメチルセルロース(表中、「HPMC」と表す)の水溶液の透光度を表1に示す。
なお、嵩密度は、細川式パウダーテスターPT−E型(細川ミクロン社製)により、次のように測定した。
細川式パウダーテスターをゆるみ見掛比重測定用にセットし、専用スコップを用いて試料の適量(約40g)をふるい上に静かに入れ、試料の流下時間が20〜30秒でカップ(100cm3)に山盛りになるようにレオスタット目盛(2.5)を設定し、測定した。ブレードを垂直に立ててカップ上の余分の試料をすり落とし、カップに付着している試料粉をハケで払い落とした後、上皿天びんを用いてその重量を0.1gまで量り、次の式により見掛比重を算出した。
Figure 0004478125
式中、Aは試料とカップの重量(g)であり、Bはカップの空重量(g)である。
透光度は、光電比色計PC−50型、セル長20mm、可視光を用いて測定した。
[実施例2及び比較例2]
原料パルプをコットンリンターに代えて、ウッドパルプにした以外は、上記同様に行なった。
Figure 0004478125
表1に示すように、ナイフミル粉砕パルプに比べ、竪型ローラミルで粉砕した粉末パルプは平均粒子径が小さく、嵩密度は高かった。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液の透光度は、ローラーミル粉砕パルプを使用した場合の方が高かった。
したがって、本発明の方法によりパルプを粉砕することにより、平均粒径が適度な大きさで、従来法より嵩密度が高い粉砕化パルプを得ることができ、得られた粉砕化パルプは、セルロースエーテルの製造に適したものであると言える。
本発明で用いることのできる竪型ローラミルの斜視図である。
符号の説明
1 容器
2 ターンテーブル
3,8 回転軸
4 溝
5 ローラ
6 アーム
7 セパレータ
9 モータ
10 竪型ローラミル
11 原料供給口
15 製品排出口
20 空気供給口

Claims (2)

  1. 竪型ローラミルを用いてパルプを粉砕して得られる粉末パルプにアルカリを加えてアルカリセルロースとした後に、エーテル化剤を加えることを特徴とするセルロースエーテルの製造方法であって、前記粉末パルプの平均粒径が20μm〜300μmであり、前記粉末パルプのゆるめ見掛け密度が0.14〜0.30g/cm であるセルロースエーテルの製造方法
  2. 前記粉末パルプの平均粒径が、60μm〜200μmである請求項1に記載のセルロースエーテルの製造方法
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