JP2009173257A - 車両用シート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドレスト本体を、後突による衝撃荷重と乗員による入力荷重との両方の荷重が作用されたときに作動されるようにした車両用シート装置を提供する。
【解決手段】受圧部材30の作動力を伝達する作動力伝達機構31は、受圧部材の作動によって回動される入力リンク部材33と、入力リンク部材に回動可能に支持されるとともにヘッドレスト移動手段65に連結され、入力リンク部材の回動によってヘッドレスト移動手段を作動させる出力リンク部材34と、初期位置と作動位置との間で移動可能に支持され、初期位置に保持する付勢部材36の付勢力に抗したシートバック12に後突による衝撃荷重が作用されることによって作動位置に作動され、出力リンク部材を入力リンク部材に従動可能とする作動部材35とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両が後突された際に、乗員の首部を保護するように機能する車両用シート装置に関するものである。
車両の後方から前方へ大きな衝撃力を受けた際、すなわち、車両が後突された際に、乗員の首部を保護するように機能する車両用シートとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された車両用シートは、衝突時に乗員がシートバックに押付けられると、乗員の入力荷重によって受圧部材(70)がばねの付勢力に抗して後方に移動され、これにより、増速ユニットを介してケーブルが引張られることにより、ヘッドレストを斜め前方へ上昇させ、ヘッドレストによって乗員の頭部を拘束して保護するようにしたものである。
特開2006−56359号公報(段落0042〜0047、図2)
特許文献1に記載の車両用シートにおいては、シートバックに衝撃的な荷重が作用されることにより、ヘッドレストを上方に移動させるようになっているので、本来必要とされている衝突(後突)時以外でも作動する恐れがあり、誤作動が多い問題がある。すなわち、特許文献1に記載の車両用シートにおいては、例えば、人体サイズの大きな乗員が荒っぽく着座したり、あるいは、乗員が膝や肘でシートバックを強く押したような場合にも、受圧部材が後方に移動され、ヘッドレストを誤って作動してしまう恐れがある。
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、ヘッドレストを、後突による衝撃荷重と乗員による入力荷重との両方の荷重が作用されたときに作動されるようにした車両用シート装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、車両用シートのシートバックの上方に配置されるヘッドレスト本体と、前記ヘッドレスト本体を前記シートバックに支持するステーと、前記シートバック内に配設され、前記車両用シートに着座する乗員の入力荷重によりばね力に抗して作動される受圧部材と、 前記シートバック内の下方位置に配設され、前記シートバックに後突による衝撃荷重が作用され且つ前記受圧部材が作動された際に、該受圧部材の作動力を伝達する作動力伝達機構と、該作動力伝達機構によって前記作動力が伝達されたときに、前記ヘッドレスト本体を保護位置に移動させるヘッドレスト移動手段とを備えた車両用シート装置において、前記作動力伝達機構は、前記受圧部材の作動によって回動される入力リンク部材と、前記入力リンク部材に回動可能に支持されるとともに前記ヘッドレスト移動手段に連結され、前記入力リンク部材の回動によって前記ヘッドレスト移動手段を作動させる出力リンク部材と、前記入力リンク部材および前記出力リンク部材に対して初期位置と作動位置との間で移動可能に連係され、初期位置にあっては前記出力リンク部材を前記入力リンク部材に従動不能とし、初期位置に保持する付勢部材の付勢力に抗した前記シートバックに後突による衝撃荷重が作用されることによって作動位置に作動された際に、前記出力リンク部材を前記入力リンク部材に従動可能とする作動部材と、を備えることである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記作動部材は、前記出力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、前記入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されていることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1において、前記作動部材は、前記入力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、前記入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されていることである。
請求項4に係る発明の特徴は、請求項2において、前記作動リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、前記入力リンク部材は、前記係合溝に係合する係合部を備え、前記係合部は、前記作動リンク部材が前記初期位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記キャンセル溝に係合し、前記作動リンク部材が前記作動位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記伝達溝に係合することである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項3において、前記出力リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、前記作動リンク部材は、前記係合溝に係合する係合部を備え、前記係合部は、前記作動リンク部材が前記初期位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記キャンセル溝に係合し、前記作動リンク部材が前記作動位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記伝達溝に係合することである。
請求項6に係る発明の特徴は、請求項1において、前記作動部材は、両端部に軸部を有する錘付き作動部材からなり、前記出力リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する略L字状の係合溝を備え、前記入力リンク部材は、前記伝達溝に整合する長溝を備え、前記錘付き作動部材の両端軸部を前記係合溝と前記長溝とにスライド可能に係合させたことである。
請求項7に係る発明の特徴は、請求項4または請求項5において、前記係合溝は、前記キャンセル溝と前記伝達溝との接続部に、段付きの幅広部を有していることである。
請求項8に係る発明の特徴は、請求項4または請求項5において、前記キャンセル溝は、体重の重い乗員によって前記シートバックに入力荷重が作用された場合の前記作動リンク部材の前記係合部の移動量に相当する深さに設定されていることである。
請求項9に係る発明の特徴は、請求項4または請求項5において、前記作動リンク部材を付勢する前記付勢部材は、前記作動リンク部材の回転中心と前記付勢部材の引っ掛け部を結ぶ直線に対し鋭角をなすように配置され、前記作動リンク部材に作用する初期位置方向のモーメントが前記作動リンク部材の回動に伴い減少するように構成されていることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、作動部材は、シートバックに対して後突による衝撃荷重が作用された場合にのみ入力リンク部材の作動位置に移動され、衝撃荷重が作用されない状態においては初期位置に位置される。このため、衝撃荷重が作用された状態で乗員からの入力荷重によってシートバックが強く押付けられたとき、入力リンク部材の回動に従動して出力リンク部材が回動し、ヘッドレスト移動手段が作動されてヘッドレスト本体が保護位置に作動される。すなわち、衝撃荷重が作用されていない状態で乗員からシートバックに強い荷重が加えられても、作動部材は初期位置にあるため、入力リンク部材の回動に出力リンク部材は従動せず、ヘッドレスト移動手段は作動しない。よって、乗員の着座時の挙動によってヘッドレスト本体が誤って保護位置に移動されてしまう、といった誤動作を確実に防止することできる。
しかも、ヘッドレスト移動手段が、シートバックの下部に配設されているため、後突によって車体に作用する衝撃荷重に素早く感応して、作動部材を作動させることができ、ヘッドレストを保護位置に迅速に作動させることができる。
請求項2に係る発明によれば、作動部材は、出力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されているので、後突によって車体に作用する衝撃荷重が出力リンク部材に直接入力される。これによって、衝撃荷重を作動部材にロスなく伝達することができ、応答性を高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、作動部材は、入力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されているので、後突による衝撃荷重によって作動リンク部材が回動されることにより、上記した請求項1と同様な効果が期待できる。
請求項4に係る発明によれば、作動リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、入力リンク部材は、係合溝に係合する係合部を備え、係合部は、作動リンク部材が初期位置に位置した状態において入力リンク部材が回動された場合にはキャンセル溝に係合し、作動リンク部材が前記作動位置に位置した状態において入力リンク部材が回動された場合には伝達溝に係合するようになっている。これにより、乗員がシートバックに荒っぽく着座したり、乗員の膝や肘でシートバックが強く押された場合には、入力リンク部材の係合部がキャンセル溝に突入して、入力リンク部材の回動が出力リンク部材に伝達されることがなく、誤動作を防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、出力リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、作動リンク部材は、係合溝に係合する係合部を備え、係合部は、作動リンク部材が初期位置に位置した状態において入力リンク部材が回動された場合にはキャンセル溝に係合し、作動リンク部材が作動位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には伝達溝に係合するようになっている。これにより、乗員がシートバックに荒っぽく着座したり、乗員の膝や肘でシートバックが強く押された場合には、作動リンク部材の係合部がキャンセル溝に突入して、入力リンク部材の回動が出力リンク部材に伝達されることがなく、誤動作を防止することができる。
請求項6に係る発明によれば、作動部材は、両端部に軸部を有する錘付き作動部材からなり、錘付き作動部材の両端軸部は、出力リンク部材の係合溝と入力リンク部材の長溝とにスライド可能に係合されているので、錘付き作動部材によって、乗員がシートバックに荒っぽく着座したり、乗員の膝や肘でシートバックが強く押された場合における誤動作を防止することができる。
請求項7に係る発明によれば、係合溝は、キャンセル溝と伝達溝との接続部に、段付きの幅広部を有しているので、体重の重い人が着座している場合に、作動リンク部材の係合部が、キャンセル溝内に突入していても、後突によってシートバックに衝撃荷重が作用されると、作動リンク部材の係合部が、幅広部に移行され、その後の乗員からの入力荷重によってシートバックに強く押付けられることにより、幅広部の段付き部を介して出力リンク部材を確実に回動することが可能となる。
請求項8に係る発明によれば、キャンセル溝は、体重の重い乗員によってシートバックに入力荷重が作用された場合の作動リンク部材の係合部の移動量に相当する深さに設定されているので、体重の重い乗員の場合には、後突による乗員からの入力荷重によって、キャンセル溝の底部に作動リンク部材の係合部を係合させ、出力リンク部材を直接回動することができる。
請求項9に係る発明によれば、付勢部材による作動リンク部材に作用する初期位置方向へのモーメントが、作動リンク部材の作動に伴い減少するように構成されているので、後突によって車体に作用する衝撃荷重に基づいて作動リンク部材をより早く回動させることができる。
以下本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート装置を図面に基づいて説明する。図1において、車両用シート装置10は、シートクッション11と、シートバック12と、ヘッドレスト13を備えている。ヘッドレスト13は、上下方向に移動可能な左右一対のステー14と、ステー14の上端に取付けられたヘッドレスト本体15とを有している。
シートバック12は、図2に示すように、内部にシートバックフレーム17を有している。シートバックフレーム17は、左右一対のサイドフレーム21、22と、上側のアッパフレーム23と、下側のロアフレーム24が互いに溶接によって結合された構成となっている。アッパフレーム23の中央部には、上下方向に平行に延びる左右一対のステーホルダ25が保持部材26によって上下方向に移動可能に保持されている。
シートバックフレーム17のアッパフレーム23には、サブフレーム27の両端部が後述するガイドブラケットにより、上下方向に一定量だけ移動可能に案内支持されている。サブフレーム27の中央部には、一対のステーホルダ25の下部が固着されている。ステーホルダ27には、ステー14が上下方向に摺動可能に挿入され、周知のノッチ機構によって、所定の高さ位置に保持されるようになっている。
シートバックフレーム17のアッパフレーム23の両端部には、左右一対のガイドブラケット61がそれぞれ固定されている。一対のガイドブラケット61には、図3に示すように、斜め上下方向に直線状に延びたガイド孔62が形成されている。サブフレーム27の両端部には、スライド部材(例えばスライドピン)63が設けられ、スライド部材63は、ガイドブラケット61のガイド孔62にスライド可能に係合されている。
シートバックフレーム17には、車両の衝突(後突)時に、ヘッドレスト13をシートバック12に対して保護位置に移動させるヘッドレスト移動手段65が配設されている。ヘッドレスト移動手段65は、ヘッドレスト13を固定したサブフレーム27を上方向に付勢する引張りばね67と、引張りばね67によるヘッドレスト13の上方向への移動を規制するロックリンク部材68と、ロックリンク部材68に一端が連結されたケーブル45を備えている。
引張りばね67は、アッパフレーム23とサブフレーム27との間に左右2つ配置されており、それぞれ一端をアッパフレーム23に係止させ、他端をサブフレーム27に係止させて、サブフレーム27をアッパフレーム23に対して上方向に付勢している。
ロックリンク部材68は、中央部を左右一対のガイドブラケット61に支軸69を介して、車両の左右方向に平行な水平軸線の回りに回動可能に支持されている。ロックリンク部材68の上端には、フック部68aが形成され、下端にはケーブル45の一端が連結されている。フック部68aは、スライド部材63に対して前側から係合可能で、かつ、係合を解除することができるようになっている。フック部68aとスライド部材63との係合によって、引張りばね67によるスライド部材63の上方向移動が規制され、通常は、サブアーム27を下降端位置に保持している。ロックリンク部材68の下端とサイドフレーム21、22との各間には、ばね71がそれぞれ介挿され、このばね71によってフック部68aは、スライド部材63との係合を維持する方向に付勢されている。
ロックリンク部材68の下端がケーブル45によって、ばね71の付勢力に抗して後方側に引っ張られると、ロックリンク部材68は、支軸69を中心に図3の反時計回りに回動されフック部68aによるスライド部材63のロック(移動規制)が解除されるようになっている。これにより、図3(B)に示すように、引張りばね67の付勢力によってスライド部材63がガイドブラケット61のガイド孔62に沿って上方へスライドされ、サブアーム27が一定量上昇される。かかるサブアーム27の上昇により、ステーホルダ25を介してヘッドレスト本体15を斜め前方へ上昇させ、乗員の頭部を拘束して首部を保護する保護位置に位置決めするようになっている。
シートバックフレーム17には、車両用シート装置10に着座する乗員の入力荷重によって作動される受圧部材30が、シートバック12の前後方向に移動可能に設けられている。また、シートバックフレーム17の下部中央部には、シートバック12に後突による衝撃荷重が作用され且つ受圧部材30が作動された際に、受圧部材30の作動力をヘッドレスト13側に伝達する作動力伝達機構31が配設されている。
受圧部材30は、例えば、丸棒を屈曲して構成したもので、図略のばねによってシートバック12の前方に向かって付勢されており、乗員からの入力荷重がばねの付勢力に打ち勝つと、受圧部材30がばねの付勢力に抗してシートバック12の後方に移動されるようになっている。
作動力伝達機構31は、図4および図5に詳細図示するように、入力リンク部材33と、出力リンク部材34と、作動リンク部材35と、引張りばね36と、支持ブラケット37によって構成されている。支持ブラケット37は、シートバックフレーム17のロアフレーム24に固定されている。
支持ブラケット37の取付け穴37a(図5参照)には、支持軸38がロアフレーム24に平行な水平な軸線に沿って取付けられている。支持軸38には、入力リンク部材33の下端および出力リンク部材34の一端に形成された嵌合穴33a、34a(図5参照)が挿通され、入力リンク部材33および出力リンク部材34は支持軸38を中心にして回動可能となっている。入力リンク部材33の上端には、受圧部材30に係合する連結部33bが設けられ、入力リンク部材33は受圧部材30の後方への移動によって、支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動されるようになっている。
出力リンク部材34の他端には、一対のワイヤ40の一端が連結される連結部34bが形成され、一対のワイヤ40は支持ブラケット37に一端を固定されたアウタチューブ41内に挿通されて、上方向に延在されている。出力リンク部材34には、図6によく示されているように、嵌合穴34aと連結部34bとの中間部に、L字状の係合溝42が形成され、係合溝42は上下方向に延びるキャンセル溝42aと、キャンセル溝42aの上端から連続して水平方向に延びる伝達溝42bからなっている。
作動リンク部材35は、上端を支持軸38と平行な支軸43によって入力リンク部材33に回動可能に支持されている。作動リンク部材35は、後突による衝撃荷重によって車両用シート装置10に慣性力が作動されると、支軸43を中心にして図5の反時計回りに回動されるようになっている。作動リンク部材35の下端には、入力リンク部材33の係合溝42に挿通された係合部35aが設けられている。このため、作動リンク部材35は、出力リンク部材34に対し、係合部35aが係合溝42内を揺動可能に連係された状態となっている。また、作動リンク部材35は、出力リンク部材34との間に介挿された引張りばね36によって、支軸43を中心にして図5の時計回りに常時付勢されている。これによって、通常、係合部35aは、係合溝42の中心部、すなわち、キャンセル溝42aの上端に挿通した状態となる。
支軸43は、支持軸38と係合部35aとのほぼ中間の高さ位置に配置されている。これにより、入力リンク部材33が支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動されると、作動リンク部材35の係合部35aはキャンセル溝42aに沿ってスライドする。この状態においては、入力リンク部材33が受圧部材30により、支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動されても、入力リンク部材33の回動に出力リンク部材34が従動せず、ワイヤ40は作動されない。
これに対し、作動リンク部材35が支軸43を中心にして引張りばね36の付勢力に抗して図5の反時計回りに回動されると、作動リンク部材35の係合部35aは伝達溝42b内に突入される。従って、その状態で、入力リンク部材33が支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動されると、係合部35aが伝達溝42bの内壁面に係合して、作動リンク部材35を介して出力リンク部材34が入力リンク部材33と一体的に回動され、一対のワイヤ40が下方に引張られる。
上記した作動リンク部材35は、請求項における作動部材を構成し、引張りばね36は、請求項における付勢部材を構成している。
ワイヤ40はアウタチューブ41とによって、ケーブル45を構成しており、ケーブル45は、シートバックフレーム17の上方に延在され、一対のワイヤ40の各他端が、上記した左右一対のロックリンク部材68の下端に連結されている。これにより、出力リンク部材34の回動によってワイヤ40の一端が下方に引張られると、ワイヤ40の他端によってロックリンク部材68がばね71の付勢力に抗して後方に引張られて回動され、スライド部材63の上方への移動規制を解除するようになっている。
次に、上記した第1の実施の形態における動作について説明する。乗員がシートバック12に荒っぽく着座したり、あるいは乗員の膝や肘でシートバック12が強く押されると、乗員からの入力荷重によって受圧部材30が図略のばねの付勢力に抗してシートバック12の後方に移動される。これにより、受圧部材30に連結部33bを介して係合された入力リンク部材33が、支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動される。
しかしながら、通常作動リンク部材35は、引張りばね36の付勢力によって、図5に示す初期位置に保持されているため、入力リンク部材33の回動によって、作動リンク部材35の係合部35aはキャンセル溝42a内に突入する。この結果、入力リンク部材33が回動されても、出力リンク部材34が回動されることはなく、誤動作を防止できる。
車両が後突され、シートバック12に車両の後方から前方へ向かって大きな衝撃荷重が作用されると、作動リンク部材35が引張りばね36の付勢力に抗して図5の反時計回りに回動される。これにより、作動リンク部材35の係合部35aが、出力リンク部材34の伝達溝42bに突入され、伝達溝42b内をスライドする。
一方、後突によって乗員がシートバック12に強く押付けられ、乗員からの入力荷重によって受圧部材30が図略のばねの付勢力に抗してシートバック12の後方に移動される。これにより、受圧部材30に連結部33bを介して係合された入力リンク部材33が、支持軸38を中心にして図5の時計回りに回動される。
この際、入力リンク部材33に支持された作動リンク部材35の係合部35aが、出力リンク部材34の伝達溝42bに突入されているため、入力リンク部材33が回動されると、出力リンク部材34が作動リンク部材35を介して入力リンク部材33と一体的に回動され、ワイヤ40の一端が下方に引張られる。これにより、ワイヤ40を介して左右一対のロックリンク部材68の下端がばね71の付勢力に抗して後方に引張られ、図3(B)に示すように、フック部68aとスライド部材63との係合が解除される。フック部68aとスライド部材63との係合が解除されると、引張りばね67の付勢力によってスライド部材63がガイドブラケット61のガイド孔62に沿って上方へスライドされ、サブアーム27が一定量上方に移動される。この結果、ステーホルダ25を介してヘッドレスト本体15が斜め前方へ上昇され、乗員の頭部を拘束する保護位置に位置決めされる。
上記した第1の実施の形態によれば、作動リンク部材35は、シートバック12に対して後突による衝撃荷重が作用された場合にのみ入力リンク部材33の作動位置に移動され、衝撃荷重が作用されない状態においては初期位置に位置される。このため、衝撃荷重が作用された状態で乗員からの入力荷重によってシートバック12が強く押付けられたとき、入力リンク部材33の回動に従動して出力リンク部材34が回動し、ヘッドレスト移動手段65が作動されてヘッドレスト本体15が保護位置に作動される。すなわち、衝撃荷重が作用されていない状態で乗員からシートバック12に強い荷重が加えられても、作動リンク部材35は初期位置にあるため、入力リンク部材33の回動に出力リンク部材34は従動せず、ヘッドレスト移動手段65は作動しない。よって、乗員の着座時の挙動によってヘッドレスト本体15が誤って保護位置に移動されてしまう、といった誤動作を確実に防止することできる。
しかも、作動力伝達機構31が、シートバック12の下部に配設されているため、後突によって車体に作用する衝撃荷重に素早く感応して、作動リンク部材35を作動させることができ、ヘッドレスト本体15を保護位置に迅速に作動させることができる。
また、上記した第1の実施の形態によれば、出力リンク部材34は、キャンセル溝42aと伝達溝42bを有する係合溝42を備え、係合溝42に係合する作動リンク部材35の係合部35aは、作動リンク部材35が初期位置に位置した状態において入力リンク部材33が回動された場合にはキャンセル溝42aに係合し、作動リンク部材35が作動位置に位置した状態において入力リンク部材33が回動された場合には伝達溝に係合する。これにより、乗員がシートバック12に荒っぽく着座したり、乗員の膝や肘でシートバック12が強く押された場合には、作動リンク部材35の係合部35aがキャンセル溝42aに突入して、入力リンク部材33の回動が出力リンク部材34に伝達されることがなく、誤動作を確実に防止することができる。
図7は、第1の実施の形態の第1変形例を示すもので、出力リンク部材34に形成した係合溝42の形状を、乗員の体重差を考慮して設定したものである。すなわち、体重の重い人が着座している場合には、通常の運転中においても乗員からの入力荷重によって受圧部材30がシートバック12の後方に僅かに移動され、これによって、作動リンク部材35の係合部35aが、係合溝42のキャンセル溝42a内に僅かに突入する場合が起こり得る。
従って、図7に示す第1変形例においては、作動リンク部材35の係合部35aが、係合溝42のキャンセル溝42a内に僅かな量突入している状態で後突された場合でも、入力リンク部材33の回動運動を出力リンク部材34に伝達できるように、キャンセル溝42aの伝達溝42bとの接続部に、段付きの幅広部42cを設けたものである。
かかる第1変形例によれば、体重の重い人が着座している場合に、作動リンク部材35の係合部35aが、キャンセル溝42a内に僅かに突入していても、後突によってシートバック12に衝撃荷重が作用されると、作動リンク部材35の係合部35aが、幅広部42cに移行され、その後乗員からの入力荷重がシートバック12に強く押付けられることにより、幅広部42cの段付き部を介して出力リンク部材34を確実に回動することが可能となる。
また、図8は、第1の実施の形態の第2変形例を示すもので、出力リンク部材34に形成した係合溝42のキャンセル溝42aの深さDを、体重の重い人によって作動リンク部材35の係合部35aがキャンセル溝42aに突入される量に応じて設定したものである。
かかる第2変形例によれば、体重の重い人が着座している場合には、作動リンク部材35の係合部35aが、キャンセル溝42aの底部近傍まで突入されている。この状態で、後突されても作動リンク部材35の回動は不能となるが、後突による乗員からの入力荷重によって、キャンセル溝42aの底部に作動リンク部材35の係合部35aが係合されることにより、出力リンク部材34を直接回動するようにしている。なお、体重の軽い人が着座している場合には、第1の実施の形態で述べたと同様に作動する。
次に本発明の第2の実施の形態を図9ないし図12に基づいて説明する。第1の実施の形態と異なる点は、主として、作動力伝達機構31の作動リンク部材35を出力リンク部材34に回動可能に支持したこと、ならびに、係合溝142(第1の実施の形態における係合溝42に相当)を作動リンク部材35に形成し、係合突部33c(第1の実施の形態における係合部35aに相当)を入力リンク部材33に設けたことである。
第2の実施の形態における作動力伝達機構31は、図9、図10および図11に示すように、主として、入力リンク部材33と、出力リンク部材34と、作動リンク部材35と、引張りばね36と、支持ブラケット37によって構成されている。支持ブラケット37は、シートバックフレーム17のロアフレーム24に固定される。
支持ブラケット37の取付け穴37a(図10参照)には、支持軸38がロアフレーム24に平行な水平な軸線に沿って取付けられている。支持軸38には、入力リンク部材33の下端および出力リンク部材34の一端に形成された嵌合穴33a、34a(図10参照)が挿通され、入力リンク部材33および出力リンク部材34は支持軸38を中心にして回動可能となっている。入力リンク部材33の上端には、受圧部材30に係合する連結部33bが設けられ、入力リンク部材33は受圧部材30の後方への移動によって、支持軸38を中心にして図11の時計回りに回動されるようになっている。
出力リンク部材34の他端には、一対のワイヤ40の一端が連結される連結部34bが形成され、一対のワイヤ40は支持ブラケット37に一端を固定されたアウタチューブ41内に挿通されて、上方向に延在されている。
出力リンク部材34の取付け穴34c(図10参照)には、支軸43が支持軸38と平行に取付けられている。支軸43には、作動リンク部材35の下端に形成された嵌合穴35a(図10参照)が挿通され、作動リンク部材35は支軸43を中心にして回動可能となっている。支軸43は嵌合穴34aと連結部34bとの間に配置されており、支軸43と嵌合穴34aと連結部34bは、通常略水平な直線上に整列されている。作動リンク部材35は、後突による衝撃荷重によって車両用シート装置10に慣性力が作動されると、支軸43を中心にして図11の時計回りに回動されるようになっている。
作動リンク部材35には、L字状の係合溝142が形成され、係合溝142は略上下方向に延びるキャンセル溝142aと、キャンセル溝142aの上端から連続して略水平方向に延びる伝達溝142bからなっている。入力リンク部材33の中央部には、作動リンク部材35の係合溝142に挿通された係合突部33cが設けられている。このため、作動リンク部材35は、入力リンク部材33に対し、係合溝142が係合突部33cに対し揺動可能に連係された状態となっている。また、作動リンク部材35は、出力リンク部材34に設けた引っ掛け部34dと作動リンク部材35に設けた引っ掛け部35bとの間に介挿された引張りばね36によって、支軸43を中心にして図11の反時計回りに常時付勢されている。すなわち、引張りばね36の一端は出力リンク部材34に設けた引っ掛け部34dに引っ掛けられ、他端は作動リンク部材35に設けた引っ掛け部35bに引っ掛けられている。かかる引張りばね36の付勢力によって、通常、係合突部33cは、係合溝142の中心部、すなわち、キャンセル溝142aの上端に挿通した状態となる。
図11に示す作動リンク部材35の初期位置において、受圧部材30のシートバック後方への移動によって、入力リンク部材33が支持軸38を中心にして図11の時計回りに回動されると、係合突部33cは、図12(A)に示すように、作動リンク部材35のキャンセル溝142aに沿ってスライドする。この状態においては、入力リンク部材33の回動に出力リンク部材34が従動せず、ワイヤ40は作動されない。
これに対し、作動リンク部材35が慣性力によって、支軸43を中心にして引張りばね36の付勢力に抗して図11の時計回りに回動されると、入力リンク部材33の係合突部33cが作動リンク部材35の伝達溝142b内に突入される。従って、その状態で、入力リンク部材33が支持軸38を中心にして図11の時計回りに回動されると、係合突部33cが伝達溝142bの内壁面に係合して、図12(B)に示すように、作動リンク部材35を介して出力リンク部材34が入力リンク部材33と一体的に回動され、一対のワイヤ40が下方に引張られる。
ところで、作動リンク部材35を付勢する引張りばね36の伸長方向36xは、図14に示すように、作動リンク部材35の回転中心35a(支軸43)と作動リンク部材35に設けた引張りばね36を引っ掛ける引っ掛け部35bとを結ぶ直線に対し鋭角θをなすように配置され、作動リンク部材35に作用する初期位置方向のモーメントが作動リンク部材35の回動に伴って減少するように構成されている。すなわち、図13に示すように、作動リンク部材35の初期位置(図13の実線で示す位置)における回転モーメント(f1・x1)が、作動リンク部材35の作動位置(図13の2点鎖線で示す位置)における回転モーメント(f2・x2)よりも大きくなるように、引張りばね36が配置されている。これによって、慣性力によって作動リンク部材35がより早く回動できるようにしている。
上記した第2の実施の形態によれば、慣性力によって作動される作動リンク部材35が出力リンク部材34に支持されているため、後突によって車体に作用する衝撃荷重が、車両床面よりシートバックフレーム17に固定された支持ブラケット37の支持軸38を介して出力リンク部材34に剛体的に伝達され、さらに、支持軸38に伝達された衝撃荷重は、支持軸38の真横に位置する支軸43に直に伝達される。これによって、衝撃荷重を支軸43に支持された作動リンク部材35にロスなく伝達することができ、衝撃荷重に対する作動リンク部材35の作動応答性を高めることができる。
また、上記した第2の実施の形態によれば、作動リンク部材35を付勢する引張りばね36の伸長方向36xは、図14に示すように、作動リンク部材35の回転中心34d(支軸43)と作動リンク部材35に設けた引張りばね36を引っ掛ける引っ掛け部35aとを結ぶ直線に対し鋭角θをなすように配置され、作動リンク部材35に作用する初期位置方向のモーメントが作動リンク部材35の回動に伴って減少するように構成されている。これによって、慣性力によって作動リンク部材35をより早く回動させることができ、この点からも作動リンク部材35の作動応答性を高めることができる。
図15は、第2の実施の形態の第1変形例を示すもので、作動リンク部材35に形成した係合溝142のキャンセル溝142aと伝達溝142bとの接続部に、段付きの幅広部142cを設けたものである。これによれば、入力リンク部材33の係合突部33cが、キャンセル溝142a内に僅かな量突入している状態で後突された場合でも、入力リンク部材33の回動運動を出力リンク部材34に伝達することができる。
すなわち、第2の実施の形態の第1変形例は、係合溝142を作動リンク部材35に、係合突部33cを入力リンク部材33に設けた以外は、図7の第1の実施の形態の第1変形例で示したものと、基本的に作用および効果は同じである。
また、図16は、第2の実施の形態の第2変形例を示すもので、作動リンク部材35に形成した係合溝142のキャンセル溝142aの深さDを、体重の重い人によって入力リンク部材33の係合突部33cがキャンセル溝142aに突入される量に応じて設定したものであり、基本的には図8の第1の実施の形態の第2変形例で示したものと、作用および効果は同じである。
次に本発明の第3の実施の形態を図17に基づいて説明する。第1および第2の実施の形態と異なる点は、作動力伝達機構31を構成する作動リンク部材35に代えて、錘付き作動部材135を設けたことである。従って、以下においては、主に第1の実施の形態と異なる点を説明し、同一の構成については同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
シートバックフレーム17のロアフレーム24に固定された支持ブラケット37には、入力リンク部材33の嵌合穴33aと間座(ブッシュ)51と出力リンク部材34の嵌合穴34aを貫通する支持軸38が取付けられ、支持軸38によって入力リンク部材33と出力リンク部材34が所定の間隔を隔てて回動可能に支持されている。出力リンク部材34には、第1の実施の形態と同様に、上下方向に延びたキャンセル溝42aと、水平方向に延びた伝達溝42bからなるL字状の係合溝42が形成されている。入力リンク部材33には、作動力伝達機構31の原位置において、出力リンク部材34の伝達溝42に整合する長溝52が水平方向に形成されている。
錘付き作動部材135は、入力リンク部材33と出力リンク部材34の間の間隔部分に配置される中央ブロック部53を有し、中央ブロック部53の両端に、入力リンク部材33の長溝52と出力リンク部材34の係合溝42にそれぞれ係合する両端軸部55、56が同一の軸線上に設けられている。中央ブロック部53と間座51との間には、引張りばね57が介挿され、引張りばね57に付勢力によって、通常、錘付き作動部材135の両端軸部55、56が、長溝52の一端と、キャンセル溝42aと伝達溝42bとの接続部にそれぞれ係合されている。中央ブロック部53の下端には、錘体58が設けられ、後突時の慣性力によって錘付き作動部材135が引張りばね57の付勢力に抗して、すなわち、長溝52および伝達溝42bに沿って作動されるようになっている。
上記した錘付き作動部材135は、請求項における作動部材を構成し、引張りばね57は、請求項における付勢部材を構成している。
第3の実施の形態は上記したように構成されているので、車両が後突されると、シートバック12に後突による衝撃荷重が作用されることによって錘付き作動部材135が、引張りばね57の付勢力に抗して長溝52および伝達溝42bに沿ってスライドされる。その状態で、乗員がシートバック12に強く押付けられることにより、受圧部材30が移動されると、連結部33bを介して入力リンク部材33が、支持軸38を支点にして図9の時計回りに回動され、この入力リンク部材33の回動により、錘付き作動部材135を介して出力リンク部材34が入力リンク部材33と一体的に回転される。この結果、ワイヤ40の一端が下方に引張られ、これにより、第1の実施の形態と同様に、ロックリンク部材68が回動され、スライド部材63のロックが解除されて、ヘッドレスト本体15が斜め前方へ上昇され、乗員の頭部を拘束して、首部を保護する。
なお、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態で述べたと同様に、乗員がシートバック12に荒っぽく着座したり、あるいは乗員の膝や肘でシートバック12が強く押された場合には、錘付き作動部材135がキャンセル溝42aに突入され、出力リンク部材34が回動されることがないので、誤動作を確実に防止することができる。
上記した第3の実施の形態によれば、後突による衝撃荷重によって作動される錘付き作動部材135により、乗員がシートバック12に荒っぽく着座したり、乗員の膝や肘でシートバック12が強く押された場合における誤動作を防止することができるとともに、錘付き作動部材135を引張りばね57によって付勢することで、錘付き作動部材135がフリーであることから生ずるガタや異音を防止できる。
上記した実施の形態においては、ケーブル45の一端をロックリンク部材68に連結して、ケーブル45が出力リンク部材34によって引っ張られると、ロックリンク部材68を回動させてフック部68aによるスライド部材63のロックを解除し、引張りばね67によってスライド部材63とともにヘッドレスト本体15を上方に移動させる例について述べたが、本発明は必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、例えば、ケーブル45をスライド部材63に直接連結し、ケーブル45が引張られることによって、スライド部材63とともにヘッドレスト本体15を直接引張り上げる構成としてもよい。
また、実施の形態においては、出力リンク部材34の運動をケーブル45を用いて、ヘッドレスト13側に伝達するようにしたが、伝達部材として、ケーブルに限らず、例えばリンク機構などの他の部材を用いることもできる。
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の形態を採り得るものである。
本発明の第1の実施の形態を示す車両用シート装置の斜視図である。 図1に示した車両用シート装置のシートバックの内部を示す斜視図である。 ロックリンク部材とスライド部材の作動説明図を示すもので、(A)は、ロックリンク部材によってスライド部材の移動が規制されているロック状態を示し、(B)は、スライド部材の移動規制が解除されたアンロック状態を示す。 作動力伝達機構を示す図2の要部拡大図である。 図4に示した作動力伝達機構を分解した図である。 出力リンク部材を示す図である。 第1の実施の形態の第1変形例を示す図である。 第1の実施の形態の第2変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る作動力伝達機構を示す図である。 図9に示した作動力伝達機構を分解した図である。 図9の矢印11方向から見た図である。 図11の異なる作動状態を示す図である。 第2の実施の形態における作動部材に作用するモーメントを示す説明図である。 図13の模式図を示す図である。 第2の実施の形態の第1変形例を示す図である。 第2の実施の形態の第2変形例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態を示す作動力伝達機構の分解図である。
符号の説明
10…車両用シート装置、11…シートクッション、12…シートバック、13…ヘッドレスト、14…ステー、15…ヘッドレスト本体、17…シートバックフレーム、24…ロアフレーム、30…受圧部材、31…作動力伝達機構、33…入力リンク部材、34…出力リンク部材、35…作動部材(作動リンク部材)、36、57…付勢部材(引張ばね)、38…支持軸、40…ワイヤ、42、142…係合溝、42a、142a…キャンセル溝、42b、142b…伝達溝、42c、142…幅広部、43…支軸、45…ケーブル、52…長溝、55、56…両端軸部、58…錘体、65…ヘッドレスト移動手段、135…作動部材(錘付き作動部材)。

Claims (9)

  1. 車両用シートのシートバックの上方に配置されるヘッドレスト本体と、
    前記ヘッドレスト本体を前記シートバックに支持するステーと、
    前記シートバック内に配設され、前記車両用シートに着座する乗員の入力荷重によりばね力に抗して作動される受圧部材と、
    前記シートバック内の下方位置に配設され、前記シートバックに後突による衝撃荷重が作用され且つ前記受圧部材が作動された際に、該受圧部材の作動力を伝達する作動力伝達機構と、
    該作動力伝達機構によって前記作動力が伝達されたときに、前記ヘッドレスト本体を保護位置に移動させるヘッドレスト移動手段と、
    を備えた車両用シート装置において、
    前記作動力伝達機構は、
    前記受圧部材の作動によって回動される入力リンク部材と、
    前記入力リンク部材に回動可能に支持されるとともに前記ヘッドレスト移動手段に連結され、前記入力リンク部材の回動によって前記ヘッドレスト移動手段を作動させる出力リンク部材と、
    前記入力リンク部材および前記出力リンク部材に対して初期位置と作動位置との間で移動可能に連係され、初期位置にあっては前記出力リンク部材を前記入力リンク部材に従動不能とし、初期位置に保持する付勢部材の付勢力に抗した前記シートバックに後突による衝撃荷重が作用されることによって作動位置に作動された際に、前記出力リンク部材を前記入力リンク部材に従動可能とする作動部材と、
    を備えることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1において、前記作動部材は、前記出力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、前記入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されていることを特徴とする車両用シート装置。
  3. 請求項1において、前記作動部材は、前記入力リンク部材に回動可能に支持されるとともに、前記入力リンク部材に対して初期位置と作動位置とに揺動可能に連係された作動リンク部材によって構成されていることを特徴とする車両用シート装置。
  4. 請求項2において、前記作動リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、
    前記入力リンク部材は、前記係合溝に係合する係合部を備え、
    前記係合部は、
    前記作動リンク部材が前記初期位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記キャンセル溝に係合し、
    前記作動リンク部材が前記作動位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記伝達溝に係合する
    ことを特徴とする車両用シート装置。
  5. 請求項3において、前記出力リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する係合溝を備え、
    前記作動リンク部材は、前記係合溝に係合する係合部を備え、
    前記係合部は、
    前記作動リンク部材が前記初期位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記キャンセル溝に係合し、
    前記作動リンク部材が前記作動位置に位置した状態において前記入力リンク部材が回動された場合には前記伝達溝に係合する
    ことを特徴とする車両用シート装置。
  6. 請求項1において、前記作動部材は、両端部に軸部を有する錘付き作動部材からなり、前記出力リンク部材は、キャンセル溝と伝達溝を有する略L字状の係合溝を備え、前記入力リンク部材は、前記伝達溝に整合する長溝を備え、前記錘付き作動部材の両端軸部を前記係合溝と前記長溝とにスライド可能に係合させたことを特徴とする車両用シート装置。
  7. 請求項4または請求項5において、前記係合溝は、前記キャンセル溝と前記伝達溝との接続部に、段付きの幅広部を有していることを特徴とする車両用シート装置。
  8. 請求項4または請求項5において、前記キャンセル溝は、体重の重い乗員によって前記シートバックに入力荷重が作用された場合の前記作動リンク部材の前記係合部の移動量に相当する深さに設定されていることを特徴とする車両用シート装置。
  9. 請求項4または請求項5において、前記作動リンク部材を付勢する前記付勢部材は、前記作動リンク部材の回転中心と前記付勢部材の引っ掛け部を結ぶ直線に対し鋭角をなすように配置され、前記作動リンク部材に作用する初期位置方向のモーメントが前記作動リンク部材の回動に伴い減少するように構成されていることを特徴とする車両用シート装置。
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