JP2009166611A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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満弘 田畑
Yukio Toyoyoshi
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths

Abstract

【課題】回生制動を行うか否かに応じて車両の減速度に違いが生じることを抑制可能な制御技術を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両1のECU100は、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を車速に応じて特定する機能と、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪88に作用するエンジン損失動力を機関回転速度に応じて推定する機能とを含んでいる。回生制動を行う場合、選択可能最高速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行うと共に、回生制動を行うことにより駆動輪88に作用させる回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定して回生制動を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、原動機として内燃機関とモータジェネレータとを備え、駆動輪の回転をモータジェネレータのロータに伝達させると共に、モータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動を行うことが可能なハイブリッド車両に関する。
車両用変速機においては、近年、変速時における機械的動力の伝達の途切れをなくすために、第1群の変速段で構成される第1変速機構と、第1群以外の変速段である第2群の変速段で構成される第2変速機構との2つの変速機構を備え、さらに、第1変速機構の入力軸(以下、第1入力軸と記す)と、内燃機関の出力軸(以下、機関出力軸と記す)とを係合可能な第1クラッチと、第2変速機構の入力軸(以下、第2入力軸と記す)と機関出力軸とを係合可能な第2クラッチとを備え、これら2つのクラッチを交互につなぎ替えることで変速を行う、いわゆるデュアルクラッチ式変速機を用いたものが知られている。
また、下記の特許文献1には、原動機としてエンジン(内燃機関)と、モータジェネレータ(以下、モータと記す)とを備え、デュアルクラッチ式変速機の2つの入力軸の一方に、モータのロータが結合されたハイブリッド車両が開示されている。特許文献1には、エンジンブレーキ相当の減速力(制動力)を、モータの回生制動により発生できないときには、替わりにエンジンブレーキが作用するよう、第1及び第2の変速機構の変速段を制御することが記載されている。
特開2006−118590号公報
このように、原動機として内燃機関とモータとを備えたハイブリッド車両は、アクセルペダルとブレーキペダルが双方共に操作されていない場合等において、原動機による駆動力や摩擦ブレーキによる制動力を生じさせることなく、エンジンブレーキに替えて、モータを発電機として機能させて回生制動を行うことにより、いわゆるコーストダウン走行(惰性走行)を行って車両を緩やかに減速させることが知られている。上述のようにデュアルクラッチ式変速機構の2つの入力軸のうち一方(第2入力軸)に、モータのロータが係合しているハイブリッド車両においては、通常、駆動輪の回転を、第2変速機構の変速段により変速し、第2入力軸からロータに伝達させることで、回生制動を行うことが可能である。
しかし、このような回生制動は、常時、行うことができるわけではない。例えば、モータに電力を供給する二次電池の蓄電状態(SOC)が比較的高い場合や、モータや二次電池が発熱して高温になった場合等においては、回生制動を禁止する場合がある。回生制動を行うことなく上述のようなコーストダウン走行を行うと、回生制動を行う場合に比べて車両の減速度が小さくなる。つまり、回生制動を行うか否かに応じて、コーストダウン走行時の車両の減速度や減速パターンに違いが生じてしまうという問題がある。
上述のようなデュアルクラッチ式変速機の2つの入力軸のうち一方に、モータのロータが係合するハイブリッド車両においては、第1クラッチ及び第2クラッチのうち少なくとも一方を係合状態にすることで、機関出力軸と駆動輪とを係合し、コーストダウン走行時にエンジンブレーキを行うことは可能である。
しかし、エンジンブレーキを行って、車両を減速させる場合、車両の走行速度(以下、車速と記す)に応じて機関出力軸の回転速度(以下、機関回転速度と記す)が低下する。内燃機関の作動中において、機関回転速度が所定の値よりも低下すると、例えば内燃機関がストール(停止)する虞がある。これを回避するため、係合状態にあるクラッチに対応する変速機構において、より低速側の変速段に変速することが考えられるが、エンジンブレーキを行っている最中に変速動作を行うためには、係合状態にあるクラッチを解放状態にして、変速機構の入力軸と駆動輪との間においてトルクが作用しない状態を作り出す必要があり、このとき、駆動輪にエンジンブレーキが作用しない状態が生じてしまい、回生制動を行う場合と同等の減速度で、車両を減速させることができないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デュアルクラッチ式変速機の2つの入力軸のうち一方にモータのロータが係合するハイブリッド車両において、回生制動を行うか否かに応じて車両の減速度に違いが生じることを抑制可能な制御技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両は、機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、を備え、駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、制御手段は、第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、を含み、回生制動を行う場合には、選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うと共に、回生制動を行うことにより駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定して、回生制動を行い、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うことを特徴とする。
また、本発明に係るハイブリッド車両は、機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、を備え、駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、制御手段は、第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、を含み、回生制動を行う場合には、回生制動を行うことにより駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力の値に設定して、回生制動を行い、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うことを特徴とする。
本発明に係るハイブリッド車両において、前記判定回転速度は、内燃機関における燃料供給を停止する燃料カットが許可される機関回転速度の下限値に設定されているものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、モータジェネレータに電力を供給する二次電池の蓄電状態が、予め設定された判定値以下である場合に、回生制動を行うものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度が、前記判定回転速度に達したときに、第1及び第2クラッチのうち、一方を係合状態から解放状態にすると共に他方を解放状態から係合状態にするものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、回生制動を行う場合、選択可能最高速段が、最も低速側の変速段である第1速ギヤ段である場合には、第1クラッチを係合状態にすると共に第2クラッチを解放状態にして、回生制動を停止するものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、回生制動を行う場合、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度が判定回転速度に達して、選択可能最高速段が第2変速機構の変速段から第1変速機構の変速段に切替わった直後に、回生制動を停止して、第2変速機構の変速段を、より低速側の変速段に変速する変速動作を行うものとすることができる。
また、本発明に係るハイブリッド車両は、機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、を備え、駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、制御手段は、第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、回生制動を行う場合に、回生制動により駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定する回生制動動力設定手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るハイブリッド車両において、回生制動を行う場合には、選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行うと共に、回生制動動力設定手段により回生制動動力を設定して回生制動を行い、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行うものとすることができる。
本発明によれば、回生制動を行わない場合には、エンジンブレーキのみを行って、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合のエンジン損失動力を、そのまま合計の制動動力として駆動輪に作用させる。一方、回生制動を行う場合、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪にエンジン損失動力を作用させると共に、回生制動を行うことにより駆動輪に回生制動動力を作用させることで、駆動輪に作用する合計の制動動力を、エンジンブレーキのみを行う場合に駆動輪に作用する合計の制動動力を同等のものにすることができ、ハイブリッド車両の減速度に違いが生じることを抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係るハイブリッド車両及び駆動装置の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、ハイブリッド車両及び駆動装置の概略構成を示す模式図である。図2は、駆動装置に設けられたデュアルクラッチ機構の構造を示す模式図である。図3は、変形例のデュアルクラッチ機構の構造を示す模式図である。
ハイブリッド車両1は、駆動輪88を回転駆動するための原動機として、内燃機関5とモータジェネレータ50(以下、単に「モータ」と記す)とを備えている。モータ50は、内燃機関5からの機械的動力を変速して駆動輪88に伝達する駆動装置10に含まれている。内燃機関5は、モータ50を備えた駆動装置10と共に結合されて、ハイブリッド車両1に搭載される。ハイブリッド車両1には、内燃機関5及び駆動装置10を制御する制御手段として、ハイブリッド車両用電子制御装置100(以下、ECUと記す)が設けられている。
内燃機関5は、燃料の化学的エネルギを燃焼により機械的エネルギに変換して出力する熱機関の一種であり、ピストン往復動機関である。内燃機関5は、図示しない燃料噴射装置、点火装置、及びスロットル弁装置を備えている。これら装置は、ECU100により制御される。内燃機関5が発生した機械的動力は、出力軸(クランク軸)8から出力される。内燃機関5の出力軸8(以下、機関出力軸と記す)には、後述する駆動装置10のデュアルクラッチ機構20の入力側、例えば、クラッチハウジング14a(図2参照)が結合される。ECU100は、内燃機関5の機関出力軸8から出力する機械的動力を調整することが可能となっている。内燃機関5には、機関出力軸8の回転角位置(以下、クランク角と記す)を検出するクランク角センサ(図示せず)が設けられており、クランク角に係る信号をECU100に送出している。
また、ハイブリッド車両1には、原動機としての内燃機関5及びモータ50からの機械的動力を駆動輪88に伝達する動力伝達装置として、機関出力軸8及びモータ50からの機械的動力を変速しトルクを変化させて、駆動軸80に向けて出力可能な駆動装置10が設けられている。
駆動装置10は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22のいずれかを用いて内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力を後述する変速機構に伝達するデュアルクラッチ機構20と、内燃機関5から第1クラッチ21を介して伝達される機械的動力を、第1入力軸27で受けて、第1群の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つにより変速して、推進軸66に伝達可能な第1変速機構30と、内燃機関5から第2クラッチ22を介して伝達される機械的動力を、第2入力軸28で受けて、第2群の変速段42,44,46のうちいずれか1つにより変速して、推進軸66に伝達可能な第2変速機構40と、推進軸66に伝達された機械的動力を、減速すると共に駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に分配する終減速装置70とを有している。
第1変速機構30及び第2変速機構40は、前進に第1速ギヤ段31から第6速ギヤ段46までの6つの変速段を有しており、後進に1つの変速段、後進ギヤ段39を有している。前進の変速段である第1速〜第6速ギヤ段31〜46の減速比は、第1速ギヤ段31、第2速ギヤ段42、第3速ギヤ段33、第4速ギヤ段44、第5速ギヤ段35、第6速ギヤ段46の順に小さくなるよう設定されている。
第1変速機構30は、複数の歯車対を備えた平行軸歯車装置として構成されており、第1群の変速段は、奇数段すなわち第1速ギヤ段31と、第3速ギヤ段33と、第5速ギヤ段35と、後進ギヤ段39により構成されている。第1変速機構30の前進の変速段31,33,35のうち、第1速ギヤ段31が最も低速側の変速段となっている。
第1速ギヤ段31は、歯車対で構成されており、第1入力軸27に結合されている第1速メインギヤ31aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第1速メインギヤ31aと噛み合う第1速カウンタギヤ31cとを有している。第1変速機構30には、第1速ギヤ段31に対応して、第1速カウンタギヤ31cと第1出力軸37とを係合させることが可能な第1速カップリング機構31eが設けられている。
ECU100が第1速ギヤ段31を選択する、即ち第1速カップリング機構31eを係合状態にして、第1速カウンタギヤ31cと第1出力軸37を係合させることで、第1入力軸27からの機械的動力は、第1速メインギヤ31a及び第1速カウンタギヤ31cを介して第1出力軸37に伝達される。これにより、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第1速ギヤ段31により変速し、トルクを変化させて第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
第3速ギヤ段33は、歯車対で構成されており、第1入力軸27に結合されている第3速メインギヤ33aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第3速メインギヤ33aと噛み合う第3速カウンタギヤ33cとを有している。第1変速機構30には、第3速ギヤ段33に対応して、第3速カウンタギヤ33cと第1出力軸37とを係合させることが可能な第3速カップリング機構33eが設けられている。
ECU100が第3速ギヤ段33を選択する、即ち第3速カップリング機構33eを係合状態にして、第3速カウンタギヤ33cと第1出力軸37を係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第3速ギヤ段33により変速し、トルクを変化させて第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
また、第5速ギヤ段35は、歯車対で構成されており、第1入力軸27に結合されている第5速メインギヤ35aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第5速メインギヤ35aと噛み合う第5速カウンタギヤ35cとを有している。第1変速機構30には、第5速ギヤ段35に対応して、第5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37とを係合させることが可能な第5速カップリング機構35eが設けられている。
ECU100が第5速ギヤ段35を選択する、即ち第5速カップリング機構35eを係合状態にして、第5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37とを係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第5速ギヤ段35により変速し、トルクを変化させて、第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
また、後進ギヤ段39は、第1入力軸27に結合されている後進メインギヤ39aと、後進メインギヤ39aと噛み合う後進中間ギヤ39bと、後進中間ギヤ39bと噛み合い、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられたルーズ歯車である後進カウンタギヤ39cとを有している。第1変速機構30には、後進ギヤ段39に対応して、後進カウンタギヤ39cと第1出力軸37とを係合させることが可能な後進カップリング機構39eが設けられている。
ECU100が後進ギヤ段39を選択する、即ち後進カップリング機構39eを係合状態にして、後進カウンタギヤ39cと第1出力軸37とを係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、後進ギヤ段39により、回転方向を逆方向に変えると共に変速し、トルクを変化させて第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
第1変速機構30の第1出力軸37には、第1駆動ギヤ37cが結合されており、当該第1駆動ギヤ37cは、動力統合ギヤ58と噛み合っている。動力統合ギヤ58には、推進軸66が結合されている。推進軸66は、後述する終減速装置70を介して、駆動輪88が結合された駆動軸80と係合している。つまり、第1変速機構30の第1出力軸37と、駆動軸80及び駆動輪88は係合している。
以上のように、第1変速機構30における各カップリング機構31e,33e,35e,39eの係合状態と解放状態(非係合状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、第1変速機構30の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つの変速段を選択する場合、選択する変速段に対応するカップリング機構を係合状態にすると共に、第1変速機構30において選択していない変速段に対応するカップリング機構を解放状態にする。これにより、第1変速機構30は、第1入力軸27で受けた機械的動力を、選択された変速段で変速して、第1出力軸37に伝達し、駆動軸80に向けて出力することが可能となっている。
また、ECU100が、第1変速機構30の変速段31,33,35,39をいずれも選択しない場合、第1変速機構30のカップリング機構31e,33e,35e,39eを全て解放状態にする。これにより、第1変速機構30は、第1入力軸27と第1出力軸37との間における機械的動力の伝達を遮断することが可能となっている。
一方、第2変速機構40は、第1変速機構30と同様に、複数の歯車対を備えた平行軸歯車装置として構成されており、第2群の変速段は、偶数段、すなわち第2速ギヤ段42と、第4速ギヤ段44と、第6速ギヤ段46から構成されている。第2変速機構40の入力軸28(以下、第2入力軸と記す)には、後述するモータ50のロータ52が結合されている。第2変速機構40の変速段42,44,46のうち、第2速ギヤ段42が最も低速側の変速段となっている。
第2速ギヤ段42は、歯車対で構成されており、第2入力軸28に結合されている第2速メインギヤ42aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第2速メインギヤ42aと噛み合う第2速カウンタギヤ42cとを有している。第2変速機構40には、第2速ギヤ段42に対応して、第2速カウンタギヤ42cと第2出力軸48とを係合させることが可能な第2速カップリング機構42eが設けられている。
ECU100が第2速ギヤ段42を選択する、即ち第2速カップリング機構42eを係合状態にして、第2速カウンタギヤ42cと第2出力軸48とを係合させることで、第2入力軸28からの機械的動力は、第2速メインギヤ42a及び第2速カウンタギヤ42cを介して第2出力軸48に伝達される。これにより、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第2速ギヤ段42により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達させることが可能となっている。
第4速ギヤ段44は、歯車対で構成されており、第2入力軸28に結合されている第4速メインギヤ44aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第4速メインギヤ44aと噛み合う第4速カウンタギヤ44cとを有している。第2変速機構40には、第4速ギヤ段44に対応して、第4速カウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合させることが可能な第4速カップリング機構44eが設けられている。
ECU100が第4速ギヤ段44を選択する、即ち第4速カップリング機構44eを係合状態にして、第4速カウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合させることで、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第4速ギヤ段44により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達することが可能となっている。
第6速ギヤ段46は、歯車対で構成されており、第2入力軸28に結合されている第6速メインギヤ46aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第6速メインギヤ46aと噛み合う第6速カウンタギヤ46cとを有している。第2変速機構40には、第6速ギヤ段46に対応して、第6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合可能な第6速カップリング機構46eが設けられている。
ECU100が第6速ギヤ段46を選択する、即ち第6速カップリング機構46eを係合状態にして、第6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合させることで、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第6速ギヤ段46により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達することが可能となっている。
第2変速機構40の第2出力軸48には、第2駆動ギヤ48cが結合されており、当該第2駆動ギヤ48cは、動力統合ギヤ58と噛み合っている。動力統合ギヤ58には、推進軸66が結合されており、推進軸66は、後述する終減速装置70を介して、駆動輪88に結合された駆動軸80と係合している。つまり、第2変速機構40の第2出力軸48と、駆動軸80及び駆動輪88は係合している。
以上のように、第2変速機構40における各カップリング機構42e,44e,46eの係合状態と解放状態(非係合状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、第2変速機構40の変速段42,44,46のうちいずれか1つの変速段を選択する場合、選択する変速段に対応するカップリング機構を係合状態にすると共に、第2変速機構40において選択しない変速段に対応するカップリング機構を解放状態にする。これにより、第2変速機構40は、第2入力軸28で受けた機械的動力を、選択された変速段で変速して、第2出力軸48に伝達し駆動軸80に向けて出力することが可能となっている。
また、ECU100が、第2変速機構40の変速段42,44,46をいずれも選択しない場合には、第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46eを全て解放状態にする。これにより、第2変速機構40は、第2入力軸28と第2出力軸48との間における機械的動力の伝達を遮断することが可能となっている。
また、ハイブリッド車両1の駆動装置10には、内燃機関5が機関出力軸8から出力する機械的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40のうちいずれか一方に伝達させる動力伝達装置として、デュアルクラッチ機構20が設けられている。デュアルクラッチ機構20は、機関出力軸8と第1変速機構30の第1入力軸27とを係合させることが可能な摩擦クラッチ装置である第1クラッチ21と、機関出力軸8と第2変速機構40の第2入力軸28とを係合させることが可能な摩擦クラッチ装置である第2クラッチ22とを有している。なお、第1クラッチ21及び第2クラッチ22には、湿式多板クラッチや、乾式単板クラッチを用いることができる。
第1クラッチ21は、円板状の摩擦板を有し、摩擦板の摩擦力により機械的動力を伝達する摩擦式ディスククラッチ等で構成されている。第1クラッチ21は、内燃機関5の機関出力軸8と第1変速機構30の第1入力軸27とを係合させることが可能に構成されている。第1クラッチ21が係合状態となることで、機関出力軸8と第1入力軸27が一体に回転して、機関出力軸8からの機械的動力を、第1変速機構30の変速段31,33,35,39により変速して駆動輪88に向けて伝達することが可能となっている。つまり、第1クラッチ21は、第1変速機構30の変速段31,33,35,39に対応して設けられている
一方、第2クラッチ22は、第1クラッチ21と同様に、摩擦式ディスククラッチ等で構成されており、内燃機関5の機関出力軸8と第2変速機構40の第2入力軸28とを係合させることが可能に構成されている。第2クラッチ22を係合状態にすることで、機関出力軸8と第2入力軸28が一体に回転して、機関出力軸8からの機械的動力を、第2変速機構40の変速段42,44,46により変速して駆動輪88に向けて伝達することが可能となっている。つまり、第2クラッチ22は、第2変速機構40の変速段42,44,46に対応して設けられている。
第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合状態と解放状態(非係合状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、デュアルクラッチ機構20において、第1クラッチ21又は第2クラッチ22のうちいずれか一方を係合状態にして、他方を解放状態にすることで、内燃機関5からの機械的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40のうちいずれか一方に伝達させることが可能となっている。
ここで、第1クラッチ21及び第2クラッチ22から構成されるデュアルクラッチ機構20の詳細な構造の一例について図2を用いて説明する。図2に示すように、デュアルクラッチ機構20において、機関出力軸8には、デュアルクラッチ機構20のクラッチハウジング14aが結合されている。すなわち、クラッチハウジング14aは、機関出力軸8と一体に回転する。クラッチハウジング14aは、後述する摩擦板27a,28aを収容可能に構成されている。
これに対して、第1変速機構30の第1入力軸27と、第2変速機構40の第2入力軸28は、同軸に配置されており、2重軸構造となっている。具体的には、第1入力軸27は、中空シャフトとして構成されており、第1入力軸27内には、第2入力軸28が延びている。内側の軸である第2入力軸28は、外側の軸である第1入力軸27に比べて軸方向に長く構成されている。機関出力軸8側から駆動輪88側に向かうに従って、まず、第1変速機構30の各変速段のメインギヤ31a,33a,35a,39aが配設されており、次に、第2変速機構40の各変速段のメインギヤ42a,44a,46aが配設されている。
第1入力軸27の端には、円板状の摩擦板27aが結合されており、一方、第2入力軸28の端にも、同様に摩擦板28aが結合されている。これら摩擦板27a,28aは、上述のクラッチハウジング14a内に収容されている。第1クラッチ21は、摩擦板27aと対向して設けられた摩擦相手板(図示せず)と、摩擦相手板を駆動するアクチュエータ(図示せず)とを有している。摩擦相手板が摩擦板27aをクラッチハウジング14aに押し付けることで、第1クラッチ21は、機関出力軸8と、第1変速機構30の第1入力軸27とを係合することが可能となっている。
これと同様に、第2クラッチ22は、摩擦板28aに対向して設けられた摩擦相手板(図示せず)が、摩擦板28aをクラッチハウジング14aに押し付けることで、機関出力軸8と、第2変速機構40の第2入力軸28とを係合することが可能となっている。デュアルクラッチ機構20における、第1及び第2クラッチ21,22にそれぞれ対応して設けられた摩擦相手板の駆動は、ECU100により制御されることとなる。
なお、上述のデュアルクラッチ機構20の詳細な構造において、第1変速機構30の第1入力軸27と第2変速機構40の第2入力軸28は同軸に配置されるものとしたが、デュアルクラッチ機構20の詳細な構造は、これに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、第1入力軸27と第2入力軸28は、所定の間隔を空けて平行に延びるよう配置されるものとしても良い。この変形例のデュアルクラッチ機構20においては、機関出力軸8の端に、駆動ギヤ14cが結合されている。駆動ギヤ14cには、第1ギヤ16と、第2ギヤ18が噛み合っており、第1ギヤ16は、第1クラッチ21に結合されており、第2ギヤ18は、第2クラッチ22に結合されている。第1クラッチ21は、第1変速機構30の第1入力軸27と、機関出力軸8に係合する第1ギヤ16とを係合可能に構成されている。一方、第2クラッチ22は、第2変速機構40の第2入力軸28と、機関出力軸8に係合する第2ギヤ18とを係合可能に構成されている。
第1及び第2クラッチ21,22は、それぞれ摩擦式クラッチ等の任意のクラッチ機構で構成することができる。第1クラッチ21及び第2クラッチ22において交互に係合状態と解放状態を切替ることで、機関出力軸8から出力される内燃機関5の機械的動力は、駆動ギヤ14cから、第1変速機構30の第1入力軸27、又は第2変速機構40の第2入力軸28のいずれかに伝達されることとなる。第1及び第2クラッチ21,22の係合/解放状態は、ECU100により制御される。
また、ハイブリッド車両1の駆動装置10には、原動機としてモータ50が設けられている。モータ50は、供給された電力を機械的動力に変換して出力する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換して回収する発電機としての機能とを兼ね備えた回転電機、いわゆるモータジェネレータである。モータ50は、永久磁石式交流同期電動機で構成されており、後述するインバータ110から三相の交流電力の供給を受けて回転磁界を形成するステータ54と、回転磁界に引き付けられて回転する回転子であるロータ52とを有している。モータ50には、ロータ52の回転角位置を検出するレゾルバ(図示せず)が設けられており、ロータ52の回転角位置に係る信号をECU100に送出している。
モータ50のロータ52は、第2変速機構40の第2入力軸28に結合されており、モータ50がロータ52から出力する機械的動力(トルク)は、第2変速機構40の第2入力軸28に伝達される。つまり、モータ50のロータ52と第2変速機構40の第2入力軸28は係合している。また、モータ50は、駆動輪88から第2出力軸48を介してロータ52に伝達された機械的動力(トルク)を交流電力に変換して二次電池120に回収することも可能となっている。
なお、第2入力軸28とロータ52との間には、ロータ52の回転速度を減速して第2入力軸28に伝達する減速機構や、ロータ52の回転速度を変速して第2入力軸28に伝達する変速機構を設けるものとしても良い。
なお、以下の説明において、モータ50を電動機として機能させて、モータ50がロータ52から機械的動力を出力することを「力行」と記す。これに対して、モータ50を発電機として機能させて、駆動輪88からモータ50のロータ52に伝達された機械的動力を電力に変換して回収すると共に、このときロータ52に生じる回転抵抗により、ロータ52及びこれに係合する部材(例えば、駆動輪88)の回転を制動することを「回生制動」と記す。すなわち、ハイブリッド車両1は、駆動輪88の回転をロータ52に伝達させると共にモータ50を発電機として機能させて駆動輪88を制動する回生制動を行うことが可能となっている。
また、回生制動を行うことにより、モータ50のロータ52に係合する駆動軸80及び駆動輪88に作用するトルクを「回生制動トルク」と記す。また、回生制動を行うことにより、ハイブリッド車両1を制動し減速させるよう駆動輪88に作用する機械的動力[kW]を「回生制動動力」と記す。つまり、回生制動動力は、回生制動トルクに駆動軸80及び駆動輪88の回転速度(車輪速)を乗じた値となっている。モータ50による力行と回生制動、すなわちモータ50の電動機/発電機としての機能の切替えと、回生制動トルク及び回生制動動力は、ECU100により制御される。
また、ハイブリッド車両1には、モータ50に交流電力を供給する電力供給装置として、インバータ110が設けられている。インバータ110は、二次電池120から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ50に供給することが可能に構成されている。また、インバータ110は、モータ50からの交流電力を直流電力に変換して二次電池120に回収することも可能に構成されている。このようなインバータ110からモータ50への電力供給、及びモータ50からの電力回収は、ECU100により制御される。
また、ハイブリッド車両1の駆動装置10には、原動機から推進軸66に伝達された機械的動力を、減速すると共に、駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に分配する終減速装置70が設けられている。終減速装置70は、推進軸66に結合された駆動ピニオン68と、駆動ピニオン68とリングギヤ72が直交して噛み合う差動機構74とを有している。終減速装置70は、原動機すなわち内燃機関5及びモータ50のうち少なくとも一方から推進軸66に伝達された機械的動力を、駆動ピニオン68及びリングギヤ72により減速し、差動機構74により左右の駆動軸80に分配して、駆動軸80に結合されている駆動輪88を回転駆動することが可能となっている。
また、ハイブリッド車両1には、駆動輪88の回転速度を検出する車輪速センサ(図示せず)が設けられており、検出した駆動輪88の回転速度に係る信号をECU100に送出している。また、ハイブリッド車両1には、二次電池120の蓄電状態(state-of-charge、SOC)を検出する電池監視ユニット(図示せず)が設けられており、検出した二次電池120の蓄電状態に係る信号を、ECU100に送出している。
また、ハイブリッド車両1には、運転者により操作されるアクセルペダル(図示せず)の操作量を検出するアクセルペダルポジションセンサ(図示せず)が設けられており、検出したアクセルペダルの操作量に係る信号をECU100に送出している。また、ハイブリッド車両1には、運転者によりブレーキペダル(図示せず)の操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ(図示せず)が設けられており、検出されたブレーキペダルの操作量に係る信号をECU100に送出している。
また、ハイブリッド車両1には、内燃機関5及びモータ50と、第1及び第2クラッチ21,22と、第1及び第2変速機構30,40とを協調して制御する制御手段として、ECU100が設けられている。また、ECU100は、第1変速機構30及び第2変速機構40において選択されている変速段、すなわちカップリング機構31e〜46eの係合/解放状態と、第1及び第2クラッチ21,22の係合/解放状態とを検出している。
また、ECU100は、クランク角センサからの機関出力軸8の回転角位置(クランク角)に係る信号と、レゾルバからのモータ50のロータ52の回転角位置に係る信号と、車輪速センサからの駆動輪88の回転速度に係る信号とを検出している。また、ECU100は、アクセルペダルポジションセンサからのアクセルペダルの操作量に係る信号と、ブレーキペダルストロークセンサからのブレーキペダルの操作量に係る信号とを検出している。また、ECU100は、二次電池120の蓄電状態に係る信号を検出している。
これら信号に基づいて、ECU100は、各種制御変数を算出している。制御変数には、内燃機関5の機関出力軸8の回転速度(以下、機関回転速度と記す)と、内燃機関5が機関出力軸8から出力するトルク(以下、機関負荷と記す)と、モータ50のロータ52の回転速度(以下、モータ回転速度と記す)と、回生制動を行うことにより駆動輪88及び駆動軸80に作用するトルクである「回生制動トルク」と、回生制動を行うことにより駆動輪88及び駆動軸80に作用する機械的動力である回生制動動力と、第1及び第2クラッチ21,22の係合/解放状態と、第1及び第2変速機構30,40において現在選択されている変速段と、ハイブリッド車両1の走行速度(以下、車速と記す)と、二次電池120の蓄電状態(SOC)と、運転者により要求される駆動力等が含まれている。
これら制御変数に基づいて、ECU100は、内燃機関5及びモータ50の運転状態を把握しており、第1及び第2変速機構30,40において選択される変速段及び変速動作、すなわち各カップリング機構31e〜46eの係合/解放状態と、第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合/解放状態とを制御することが可能となっている。また、ECU100は、モータ50の力行と回生制動、すなわち、モータ回転速度、モータ出力トルク、及び回生制動トルクと、内燃機関5の機関負荷及び機関回転速度とを制御することが可能となっている。
以上のように構成されたハイブリッド車両1において、ECU100が第1変速機構30の第1群の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つの変速段を選択し、対応するカップリング機構を係合状態にして、さらに第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にすることで、機関出力軸8は、第1入力軸27、第1出力軸37、動力統合ギヤ58、推進軸66、終減速装置70を介して駆動軸80と係合する。これにより、第1変速機構30は、内燃機関5の機関出力軸8から出力された機械的動力を、第1入力軸27で受けて、変速段(奇数段)31,33,35、及び後進ギヤ段39のうち選択した変速段により変速し、トルクを変化させて、駆動輪88に係合する駆動軸80に向けて出力することが可能となっている。
この場合、駆動輪88の回転は、動力統合ギヤ58を介して第2変速機構40の第2出力軸48に伝達される。ECU100が第2変速機構40の第2群の変速段42,44,46のうちいずれか1つの変速段を選択して、対応するカップリング機構を係合状態にしているとき、動力統合ギヤ58から第2出力軸48に伝達された機械的動力は、第2変速機構40の変速段(偶数段)42,44,46のうち選択されている変速段により変速され、第2入力軸28に伝達されて、モータ50のロータ52を回転させる。なお、ECU100が第2変速機構40の変速段42,44,46をいずれも選択しないとき、すなわち第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46eを全て解放状態にしているときには、第2出力軸48と第2入力軸28との間で動力伝達が遮断されて、駆動輪88の回転は、第2入力軸28に伝達されることはない。
一方、ECU100が、第2変速機構40の第2群の変速段42,44,46のうちいずれか1つの変速段を選択して、対応するカップリング機構42e,44e,46eを係合状態にして、さらに第2クラッチ22を係合状態にすると共に第1クラッチ21を解放状態にすることで、機関出力軸8は、第2入力軸28、第2出力軸48、動力統合ギヤ58、推進軸66、終減速装置70を介して駆動軸80と係合する。これにより、第2変速機構40は、内燃機関5の機関出力軸8及びモータ50のロータ52から出力された機械的動力を、第2入力軸28で受けて、各変速段(偶数段)42,44,46のうち選択した変速段により変速し、トルクを変化させて、駆動輪88に係合する駆動軸80に向けて出力することが可能となっている。
この場合、駆動輪88の回転は、動力統合ギヤ58を介して第1変速機構30の第1出力軸37に伝達される。ECU100が第1変速機構30の第1群の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つの変速段を選択し、対応するカップリング機構31e,33e,35e,39eを係合状態にしているとき、動力統合ギヤ58から第1出力軸37に伝達された機械的動力は、第1変速機構30の変速段(奇数段)31,33,35及び後進ギヤ段39のうち選択された変速段により変速され、第1入力軸27に伝達されて、当該第1入力軸27を回転させる。なお、ECU100が第1変速機構30の変速段31,33,35,39をいずれも選択しないとき、すなわち第1変速機構30のカップリング機構31e,33e,35e,39eを全て解放状態にしているときには、第1出力軸37と第1入力軸27との間で動力伝達が遮断されて、駆動輪88の回転は、第1入力軸27に伝達されることはない。
以上のように構成されたハイブリッド車両1は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を交互につなぎ替えることで、変速時において、機関出力軸8と駆動輪88との間における動力伝達の途切れを抑制することが可能となっており、以下に詳細を説明する。
まず、ECU100が第1及び第2変速機構30,40の変速段31〜46のうちいずれか1つの変速段を選択する。例えば、選択した変速段が第1変速機構30の変速段31,33,35,39のうち第1速ギヤ段31である場合、ECU100は、第1速ギヤ段31に対応する第1速カップリング機構31eを係合状態にすると共に、その他のカップリング機構33e,35e,39eを解放状態にする。そして、ECU100は、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にする。これにより、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、第1入力軸27で受け、第1群(奇数段)の変速段31,33,35のうち選択した変速段である第1速ギヤ段31により変速し、第1出力軸37から駆動軸80に伝達して、駆動輪88を回転駆動することができる。
このとき、ECU100は、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち、第1変速機構30において選択している変速段である第1速ギヤ段31より、一段高速(ハイギヤ)側の変速段である第2速ギヤ段42を選択し、対応する第2速カップリング機構42eを係合状態にすることで、第2変速機構40の第2入力軸28を空転させる。このようにして、第1速ギヤ段31から第2速ギヤ段42への変速動作、すなわち第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合/解放動作に備えている。
そして、第1変速機構30の第1速ギヤ段31から、第2変速機構40の第2速ギヤ段42への変速(アップシフト)を行う場合、ECU100が、第1クラッチ21を解放状態にしながら第2クラッチ22を係合状態にすることで、駆動装置10は、第1クラッチ21と第2クラッチ22とを掴み替える動作、いわゆる「クラッチ・トゥ・クラッチ」を行う。この動作により、駆動装置10は、機関出力軸8からの動力伝達経路を、徐々に第1変速機構30の第1入力軸27から第2変速機構40の第2入力軸28に移していき、第2速ギヤ段42への変速が完了することとなる。
このようにして、駆動装置10は、第1変速機構30の変速段、すなわち奇数段である第1速ギヤ段31から、第2変速機構40の変速段、すなわち偶数段である第2速ギヤ段42への変速時において、機関出力軸8から駆動軸80への動力伝達に途切れを生じさせることなく変速することができる。
また、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5とモータ50とを併用又は選択使用することで、様々な車両走行(走行モード)を実現することができる。例えば、原動機として内燃機関5のみを選択使用する「エンジン走行」、原動機として内燃機関5及びモータ50を併用する「ハイブリッド走行」、原動機としてモータ50のみを選択使用する「モータ走行」等がある。
これら車両走行は、運転者が要求する車両駆動力や、モータ50に供給する電力を貯蔵する二次電池120の蓄電状態に応じて、ECU100により、逐次、自動的に切替えられる。以下に、各走行モードにおけるECU100の制御と、内燃機関5、第1クラッチ21及び第2クラッチ22、第1変速機構30及び第2変速機構40、及びモータ50の動作を併せて説明する。
ECU100が、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にすることで、駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力を、第1入力軸27で受け、第1変速機構30の変速段31,33,35,39のいずれか1つにより変速し、第1出力軸37から動力統合ギヤ58を介して駆動軸80に伝達し、駆動輪88を回転駆動することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、第1クラッチ21を係合状態にしている場合に、原動機として内燃機関5のみを選択使用するエンジン走行を実現することができる。
この場合、駆動輪88及び駆動軸80には、動力統合ギヤ58を介して第2出力軸48が係合しているため、第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46eのいずれか1つが係合状態にある場合、第2入力軸28は、駆動輪88の回転速度すなわちハイブリッド車両1の車速に比例する回転速度で回転することとなる。
このとき、ECU100がモータ50を力行させて、ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達することで、駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力と、モータ50のロータ52からの機械的動力とを、それぞれ第1変速機構30、第2変速機構40で変速し、動力統合ギヤ58で統合して駆動軸80に伝達することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、第1クラッチ21を係合状態にしている場合に、原動機として内燃機関5とモータ50とを併用するハイブリッド走行を実現することができる。
一方、ECU100が第1クラッチ21を解放状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態にすることで、駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力を、第2入力軸28で受け、第2変速機構40の変速段42,44,46のいずれか1つにより変速し、第2出力軸48から動力統合ギヤ58を介して駆動軸80に伝達し、駆動輪88を回転駆動することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、第2クラッチ22を係合状態にしている場合に、原動機として内燃機関5のみを選択使用するエンジン走行を実現することができる。
この場合、駆動輪88及び駆動軸80には、動力統合ギヤ58を介して第1出力軸37が係合しているため、第1変速機構30のカップリング機構31e,33e,35e,39eのいずれか1つが係合状態にある場合、第1入力軸27は、ハイブリッド車両1の走行速度(以下、車速と記す)に比例する回転速度で回転することとなる。
このとき、ECU100がモータ50を力行させて、ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達することで、駆動装置10は、モータ50のロータ52からの機械的動力と内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力とを、第2入力軸28で統合し、第2変速機構40により変速して、動力統合ギヤ58を介して駆動軸80に伝達することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、第2クラッチ22を係合状態にしている場合に、原動機として内燃機関5とモータ50とを併用するハイブリッド走行を実現することができる。
また、ハイブリッド車両1に原動機としてモータ50のみを選択使用するモータ走行を行わせる場合、上述のエンジン走行及びハイブリッド走行の制御とは異なり、ECU100は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を双方共に解放状態にして、モータ50を力行させる。ECU100は、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち、いずれか1つの変速段を選択し、対応するカップリング機構を係合状態にする。駆動装置10は、モータ50のロータ52からの機械的動力を、第2入力軸28で受け、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち選択した変速段で変速して、動力統合ギヤ58から駆動軸80に伝達して駆動輪88を回転駆動する。
以上のように構成されたハイブリッド車両1において、ECU100は、アクセルペダルとブレーキペダルが双方共に操作されていない場合において、原動機による駆動力や摩擦ブレーキ(図示せず)による制動力を生じさせることなくハイブリッド車両1を走行させる、いわゆる「コーストダウン走行」を行う場合、モータ50を発電機として機能させて回生制動を行うことにより、ハイブリッド車両1を、摩擦ブレーキにより制動する場合に比べて、緩やかに減速させることができる。ハイブリッド車両1は、通常、駆動輪88の回転を、第2変速機構40の変速段42,44,46のいずれか1つにより変速し、第2入力軸28からロータ52に伝達させることで回生制動を行うことができる。
このようなモータ50による回生制動は、常時、行うことができるわけではない。モータ50に電力を供給する二次電池120の蓄電状態(SOC)が、予め設定された判定値より高い場合や、モータ50や二次電池120が発熱して比較的高温となった場合等、ECU100が、回生制動を行うことできないものと判定して、回生制動を禁止する場合がある。回生制動を行うことなくコーストダウン走行(惰性走行)を行うと、回生制動を行う場合に比べて車両の減速度が小さくなる。つまり、回生制動を行うか否かに応じて、コーストダウン走行時の車両の減速度に違いが生じてしまうという問題がある。
このように回生制動ができない場合であっても、ハイブリッド車両1は、エンジンブレーキにより減速することが可能である。ハイブリッド車両1において、ECU100が第1クラッチ21及び第2クラッチ22のうち少なくとも一方を係合状態し、係合状態にした変速機構において、いずれかの変速段を選択しておくことで、駆動輪88と機関出力軸8とを係合させて機関出力軸8を回転させることができ、内燃機関5においてエンジン損失を生じさせて機関出力軸8に回転抵抗を作用させて駆動輪88を制動することができる。なお、「エンジン損失」は、内燃機関5の機械損失、具体的にはポンプ損失及び摩擦損失が含まれている。つまり、ハイブリッド車両1は、機関出力軸8に作用する回転抵抗を、機関出力軸8に係合する駆動軸80及び駆動輪88に伝達させて駆動軸80及び駆動輪88の回転を制動するエンジンブレーキを行うことが可能となっている。
上述のようにエンジンブレーキを行って、ハイブリッド車両1を減速させる場合、車速に応じて機関回転速度が低下する。エンジンブレーキを行っている場合、通常、ECU100は、内燃機関5において燃料供給装置(図示せず)による気筒への燃料供給を一時的に停止する、いわゆる燃料カットを行っている。このため、機関回転速度が、燃料カットを行うことが可能な回転速度の下限値として予め設定された判定回転速度よりも低下すると、車両を再び加速させるときに、ECU100が、燃料供給装置の燃料供給を再開しても、機関回転速度を上昇させることができなくなり、内燃機関5が停止(ストール)することがある。
このようにして、内燃機関5が停止してしまうことを回避するため、エンジンブレーキを行ってコーストダウン走行を行っているときに、係合状態にあるクラッチに対応する変速機構の変速段を、より低速側の変速段に変速することが考えられる。しかし、エンジンブレーキを行っている最中に変速動作を行うためには、係合状態にあるクラッチを解放状態にして、当該クラッチに対応する変速機構の入力軸と駆動輪との間においてトルクが作用しない状態を作り出す必要がある。この状態を作り出すと、機関出力軸8と駆動輪88との間における動力伝達が途切れて、ハイブリッド車両1にエンジンブレーキが作用しない状態が生じてしまい、回生制動を行う場合と同様の減速度の変化パターン(以下、単に「減速パターン」と記す)で、ハイブリッド車両1を減速させることができない。
このように、回生制動を行う場合と、回生制動を行わない場合すなわち回生制動に替えてエンジンブレーキを行う場合で、ハイブリッド車両1の減速パターンが変化すると、車両乗員に違和感を与えてしまう虞がある。したがって、上述のハイブリッド車両1においては、回生制動を行う場合と、回生制動を行わない場合で、ハイブリッド車両1に生じる減速パターンに違いが生じることを抑制する制御技術が要望されている。
そこで、本実施例に係るハイブリッド車両1において、制御手段としてのECU100は、回生制動を行う場合には、機関回転速度が予め設定された判定回転速度以上となる変速段のうち最も高速側の変速段(以下、選択可能最高速段と記す)を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うと共に、回生制動を行うことにより駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定して、回生制動を行い、一方、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うことを特徴としており、以下に図1,図4〜図6を用いて説明する。
図4は、回生制動とエンジンブレーキを併用して減速する場合のハイブリッド車両の動作を説明する説明図である。図5は、回生制動動力の算出方法を説明する説明図である。図6は、エンジンブレーキのみを行って減速する場合のハイブリッド車両の動作を説明する説明図である。
なお、図4及び図6において、車速と機関回転速度との関係を、選択する変速段に応じて、符号1st,2nd,3rd,4th,5thで示している。第1速ギヤ段31を選択すると共に第1クラッチ21を係合状態にした場合を「1st」で示し、第2速ギヤ段42を選択すると共に第2クラッチ22を係合状態にした場合を「2nd」で示し、第3速ギヤ段33を選択すると共に第1クラッチ21を係合状態にした場合を「3rd」で示し、第4速ギヤ段44を選択すると共に第2クラッチ22を係合状態にした場合を「4th」で示し、第5速ギヤ段35を選択すると共に第1クラッチ21を係合状態にした場合を「5th」で示している。なお、第6速ギヤ段46を選択すると共に第2クラッチ22を係合状態にした場合の車速と機関回転速度との関係については、説明を簡易にするため省略している。
また、図4〜図6において、選択可能最高速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にしたときの機関回転速度を符号Nhで示し、この機関回転速度Nhに対応するエンジン損失動力を符号Phで示す。また、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にしたときの機関回転速度を符号Niで示し、この機関回転速度Niに対応するエンジン損失動力を符号Piで示す。また、図4、図6において、実際の機関回転速度の値を太線で示している。
ECU100は、アクセルペダルの操作量とブレーキペダルの操作量を制御変数として取得する。そして、アクセルペダルの操作量が、ゼロである等、予め設定された判定値以下であり、且つブレーキペダルの操作量が、予め設定された判定値以下である場合に、運転者は、ハイブリッド車両1の加速や急減速を意図していないものと判断して、コーストダウン走行を行う。
コーストダウン走行を行う場合、ECU100は、回生制動を行うか否かを判定する。具体的には、モータ50に電力を供給する二次電池120の蓄電状態(SOC)が、予め設定された判定値A以下であるか否かを判定する。なお、蓄電状態(SOC)の判定値は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU100のROMに記憶されている。二次電池120の蓄電状態(SOC)が判定値以下である場合、すなわち回生制動によりモータ50に生じた電力を、二次電池120に十分に充電することが可能である場合には、ECU100は、回生制動を行うものと判定して、図4に示す動作説明図に沿ってハイブリッド車両1を減速させる。
図4に示すように、回生制動を行うと判定した場合、ECU100は、第1及び第2変速機構30,40の変速段31〜46のうち、当該変速段に対応するクラッチ、すなわち第1クラッチ21又は第2クラッチ22を係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となる変速段であり、且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する。つまり、ECU100は、車速に応じて選択可能最高速段を選択する機能(選択可能最高速段特定機能)を有している。
例えば、ハイブリッド車両1の車速がS1とS2aの間にある場合、第1クラッチ21を係合状態にしたときに機関回転速度が判定回転速度Nc以上となる変速段には、第1速ギヤ段31と第3速ギヤ段33がある。一方、第2クラッチ22を係合状態にしたときに機関回転速度が判定回転速度Nc以上となる変速段には、第2速ギヤ段42と第4速ギヤ段44がある。ECU100は、これら変速段31,33,42,44のうち最も高速側の変速段である第4速ギヤ段44を、選択可能最高速段として選択する。
ECU100は、選択可能最高速段である第4速ギヤ段44を選択し、対応するカップリング機構44eを係合状態にすると共に、当該第4速ギヤ段44に対応するクラッチである第2クラッチ22を係合状態にすると共に、第1クラッチ21を解放状態にする。
これにより、駆動輪88の回転は、第4速ギヤ段44により変速されて、第2クラッチ22から機関出力軸8に伝達されて、機関出力軸8が判定回転速度Nc以上の回転速度で回転する。このとき、内燃機関5には、機関出力軸8の回転速度(機関回転速度)に応じてエンジン損失による回転抵抗が生じ、機関出力軸8と係合している駆動輪88には、エンジンブレーキトルクが作用する。このようにして、ECU100は、コーストダウン走行中において車速がS1とS2aの間にある場合、第2クラッチ22を係合状態にして、エンジンブレーキを行う。
このように駆動輪88と機関出力軸8を係合させてエンジンブレーキを行うことにより、ハイブリッド車両1を減速させるよう駆動輪88に作用する機械的動力、すなわちハイブリッド車両1の制動に供される機械的動力[kW]を、以下に「エンジン損失動力」と記す。エンジン損失動力は、図5に示すように、機関回転速度に応じて決まるものであり、機関回転速度が高くなるに従ってエンジン損失動力は大きくなる。エンジン損失動力が機関出力軸8から駆動輪88に伝達されることで、駆動輪88にエンジンブレーキトルクが作用し、ハイブリッド車両1を制動して減速させる。すなわち、エンジン損失動力は、上述のエンジンブレーキトルクに駆動輪88の回転速度を乗じた値となっている。
なお、ハイブリッド車両1を減速させるよう駆動輪88に作用する合計の機械的動力、すなわち回生制動を行うことにより作用する回生制動動力と、エンジンブレーキを行うことにより作用するエンジン損失動力を足し合わせた機械的動力を、以下の説明において、単に「制動動力」と記す。
各機関回転速度に対応するエンジン損失動力を示すマップ(以下、エンジン損失動力マップと記す)は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU100のROM(図示せず)に記憶されている。つまり、ECU100は、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪88に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定する機能(エンジン損失動力推定手段)を有している。
図4に示すように、車速がS1とS2aとの間にある場合、ECU100は、エンジンブレーキを行うと共に、モータ50を発電機として機能させて回生制動を行う。回生制動を行う際に、ECU100は、モータ50により発生する回生制動動力を設定する。
具体的には、ECU100は、選択可能最高速段である第4速ギヤ段44を選択した場合の機関回転速度Nhと、エンジン損失動力マップに基づいて、内燃機関5において実際に生じるエンジン損失動力Phを算出する。加えて、ECU100は、選択可能最高速段(第4速ギヤ段44)より一段低速側の変速段である第3速ギヤ段33を選択し、仮に当該変速段33に対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の機関回転速度Niを算出し、当該機関回転速度Niに対応するエンジン損失Piを算出する。ECU100は、図5に示すように、仮に、一段低速側の変速段である第3速ギヤ段33を選択し、対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の仮想のエンジン損失動力Niから、選択可能変速段である第4速ギヤ段44を選択すると共に第2クラッチ22を係合状態にして実際に生じるエンジン損失動力Nhを減じた値を、回生制動動力に設定する。
そして、ECU100は、設定された回生制動動力を実現するようモータ50を制御する。モータ回転速度は、車速と第2変速機構40において選択されている変速段(第4速ギヤ段44)に応じて決まっており、回生制動動力をモータ回転速度で除した値が、モータ50を発電機として機能させて生じる回転抵抗のトルクとなる。
選択可能最高速段が第4速ギヤ段44となる車速S1〜S2aにおいて、回生制動を行う場合、ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力の一部を、選択可能最高速段である第4速ギヤ段44により変速し、第2入力軸28から第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行うと共に、駆動輪88からの回転動力の残りを、第2入力軸28からロータ52に伝達させて回生制動を行う。このとき、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の第3速ギヤ段33を選択すると共に当該変速段に対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の仮想のエンジン損失動力Niから、実際のエンジン損失動力Nhを減じた値を、回生制動動力として設定する。このようにして、ハイブリッド車両1は、コーストダウン走行中において回生制動を行う場合、回生制動とエンジンブレーキを併用して、車速がS2aとなるまで減速する。
なお、車速S1〜S2aであるとき、第1クラッチ21に対応する第1変速機構30においては、第4速ギヤ段44より一段低速側の第3速ギヤ段33が選択されている。ハイブリッド車両1が減速して機関回転速度が判定回転速度Ncに達した車速S2aにおいて、第1クラッチ21を解放状態から係合状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態から解放状態にして、第1クラッチ21と第2クラッチ22の掴み替えるいわゆるクラッチ・トゥ・クラッチを行う。これにより、駆動輪88からの回転動力は、第3速ギヤ段33により変速されて、第1クラッチ21から機関出力軸8に伝達される。
なお、車速S2aは、第4速ギヤ段44を選択すると共に、対応する第2クラッチ22を係合状態にした場合の機関回転速度が、判定回転速度Ncとなるような車速に設定されている。
車速S2aに達した直後(車速S2a〜S2c)の間において、ECU100は、モータ50による回生制動を停止し、ロータ52を空転させて、ロータ52と駆動輪88との間においてトルクが作用しない状態を作り出す。この間に、ECU100は、第2変速機構40において、第4速ギヤ段44に替えて第2速ギヤ段42を選択する。第4速カップリング機構44eを解放状態にすると共に第2速カップリング機構42eを係合状態にする。そして、第2変速機構40における第4速ギヤ段44から第2速ギヤ段42への変速動作が完了した車速S2cにおいて、モータ50による回生制動を再開する。
回生制動を再開する際に、ECU100は、第4速ギヤ段44から第3速ギヤ段33への選択可能最高速段の変化に対応して、回生制動動力を設定する。車速S2a〜S3において、選択可能最高速段は、第3速ギヤ段33となるため、ECU100は、第3速ギヤ段33を選択した場合の機関回転速度Nhとエンジン損失動力マップに基づいてエンジン損失動力Phを算出する。これと共に、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の変速段である第2速ギヤ段42を選択した場合の仮想の機関回転速度Niを算出し、当該機関回転速度Niとエンジン損失動力マップに基づいて仮想のエンジン損失動力Piを算出する。そして、ECU100は、仮想のエンジン損失動力Piから実際のエンジン損失動力Phを減じた値を、回生制動動力として設定する。
選択可能最高速段が第3速ギヤ段33となる車速S2c〜S3において、回生制動を行う場合、ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力の一部を、選択可能最高速段である第3速ギヤ段33により変速し、第1入力軸27から第1クラッチ21を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行うと共に、駆動輪88からの回転動力の残りを、選択可能最高速段より一段低速側の変速段である第2速ギヤ段42により変速して、第2入力軸28からロータ52に伝達させて回生制動を行う。このとき、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の第2速ギヤ段42を選択すると共に当該変速段に対応する第2クラッチ22を係合状態にした場合の仮想のエンジン損失動力Niから、実際のエンジン損失動力Nhを減じた値を、回生制動動力として設定する。このようにして、ハイブリッド車両1は、コーストダウン走行中において回生制動を行う場合、回生制動とエンジンブレーキを併用して、車速がS3となるまで減速する。
そして、ハイブリッド車両1が減速して機関回転速度が判定回転速度Ncに達した車速S3において、ECU100は、第1クラッチ21を係合状態から解放状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態から係合状態にするクラッチ・トゥ・クラッチを行う。これにより、駆動輪88からの回転動力は、第2速ギヤ段42により変速されて、第2入力軸28から第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達されると共に、第2入力軸28からロータ52に伝達される。第1クラッチ21を解放状態にした直後、第1変速機構30において第3速ギヤ段33から、より低速側の第1速ギヤ段31に変速する。
なお、このとき、第1クラッチ21が解放状態であるため、第1入力軸27と駆動輪88との間においてトルクは作用しておらず、第3速ギヤ段33から第1速ギヤ段31に変速する際においては、上述の車速S2a〜S2cの場合とは異なり、モータ50による回生制動を停止する必要はない。
車速S3〜S4において、選択可能最高速段は、第2速ギヤ段42となるため、ECU100は、第2速ギヤ段42を選択した場合の機関回転速度Nhとエンジン損失動力マップに基づいてエンジン損失動力Phを算出する、これと共に、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の変速段である第1速ギヤ段31を選択した場合の仮想の機関回転速度Niを算出し、当該機関回転速度とエンジン損失動力マップに基づいて仮想のエンジン損失動力Piを算出する。そして、ECU100は、仮想のエンジン損失動力Piから実際のエンジン損失動力Phを減じた値を、回生制動動力として設定する。
選択可能最高速段が第2速ギヤ段42となる車速S3〜S4において、回生制動を行う場合、ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力の一部を、選択可能最高速段である第2速ギヤ段42により変速し、第2入力軸28から第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行うと共に、駆動輪88からの回転動力の残りを、第2入力軸28からロータ52に伝達させて回生制動を行う。このとき、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の第1速ギヤ段31を選択すると共に当該変速段に対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の仮想のエンジン損失動力Niから、実際のエンジン損失動力Nhを減じた値を、回生制動動力として設定する。このようにして、ハイブリッド車両1は、コーストダウン走行中において回生制動を行う場合、回生制動とエンジンブレーキを併用して、車速がS4となるまで減速する。
そして、機関回転速度が判定回転速度Ncに達した車速S4において、ECU100は、第1クラッチ21を解放状態から係合状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態から解放状態にするクラッチ・トゥ・クラッチを行う。これにより、駆動輪88からの回転動力は、第1速ギヤ段31により変速されて、第1入力軸27から第1クラッチ21を介して機関出力軸8に伝達される。これと共に、ECU100は、モータ50による回生制動を停止して、ロータ52を空転させる。
選択可能最高速段が第1速ギヤ段31となる車速S4〜S5においては、回生制動を行うと判定した場合であっても、選択可能最高速段より一段低速側の変速段が存在しないため、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にして、回生制動を停止する。ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力を、選択可能最高速段である第1速ギヤ段31により変速し、第1入力軸27から第1クラッチ21を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキのみを行い、回生制動は行わない。
これは、選択可能最高速段が、第1及び第2変速機構30,40の変速段のうち最も低速側の変速段である第1速ギヤ段である場合、当該第1速ギヤ段31により変速してエンジンブレーキを行うと共に回生制動を行うと、後述するエンジンブレーキのみを行う場合と同様の減速度を実現することができないからである。
以上に図4及び図5を用いて説明したように、回生制動を行うと判定した場合、駆動輪88の回転動力の一部を、選択可能最高速段により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行うと共に、駆動輪88の回転動力の残りを、ロータ50に伝達させ、算出された回生制動動力を実現するようモータ50を発電機として機能させる。
ECU100は、第1及び第2変速機構30,40の変速段の中から、対応するクラッチを係合状態にした場合に機関回転速度が判定回転速度Nc以上となる変速段のうち、最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて選択すると共に、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にすることで、駆動輪の回転動力の一部を、選択可能最高速段により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。
これと共に、ECU100は、第1及び第2変速機構30,40の変速段のうち、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度Niを算出し、機関回転速度に対するエンジン損失動力を示すエンジン損失動力マップと、算出された機関回転速度Niに基づいて、仮想のエンジン損失動力Piを算出する。また、ECU100は、選択可能最高速段を選択し、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度すなわち実際の機関回転速度Nhを算出し、エンジン損失動力マップと実際の機関回転速度Nhに基づいて、実際に生じるエンジン損失動力Phを算出する。
ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、対応するクラッチを係合状態にした場合に生じる仮想のエンジン損失動力Piから、選択可能最高速段を選択し、対応するクラッチを係合状態にして生じる実際のエンジン損失動力Phを減じた値を、モータ50により生じさせる回生制動動力として設定する。ECU100は、設定された回生制動動力を実現するよう、モータ50を発電機として機能させ、ロータ52に回転抵抗を生じさせて、回生制動を行う。以上のようにして、回生制動を行うことが可能であると判定した場合には、回生制動とエンジンブレーキを併用してハイブリッド車両1を減速させる。
一方、回生制動を行わないと判定した場合、ECU100は、駆動輪88の回転動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキのみを行い、以下に具体例について図6を用いて説明する。
車速がS1〜S2aである場合、ECU100は、選択可能最高速段(第4速ギヤ段44)より一段低速側の第3速ギヤ段33を選択すると共に、第3速ギヤ段33に対応するクラッチである第1クラッチ21を係合状態にする。これにより、ハイブリッド車両1は、駆動輪88の回転動力を、第3速ギヤ段33により変速し、第1クラッチ21から機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。
このとき、ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択しているため、機関回転速度は、Niとなり、エンジンブレーキを行うことにより実際に生じるエンジン損失動力は、図5に示すように、Piとなる。このエンジン損失動力Piが駆動輪88に作用してハイブリッド車両1を減速させる。つまり、回生制動とエンジンブレーキを併用して、エンジン損失動力Phを生じさせると共に回生制動動力(Pi−Ph)を生じさせた場合(図4参照)と、同様の減速度でハイブリッド車両1を減速させることができる。
そして、実際に選択されている第3速ギヤ段33(選択可能最高速段より一段低速側の変速段)ではなく、選択可能最高速段である第4速ギヤ段44を選択すると共に対応する第2クラッチ22を係合状態にした場合の仮想の機関回転速度Nhが、判定回転速度Ncに達した車速S2aにおいて、ECU100は、第1クラッチ21を係合状態から解放状態にすると共に、第2クラッチ22を解放状態から係合状態にするクラッチ・トゥ・クラッチを行う。加えて、第1クラッチ21を解放状態にした直後、第1入力軸27と駆動輪88との間には、トルクが作用しておらず、第1変速機構30において、第3速ギヤ段33から、より低速側の変速段である第1速ギヤ段31に変速する。
選択可能最高速段が第3速ギヤ段33となる車速S2a〜S3において、ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力を、選択可能最高速段より一段低速側の第2速ギヤ段42により変速し、第2入力軸28から第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。このとき、エンジンブレーキを行うことにより実際に生じるエンジン損失動力は、Piとなり、回生制動とエンジンブレーキを併用する場合と同様の減速度でハイブリッド車両1を減速させることができる。
そして、実際に選択されている第2速ギヤ段42ではなく、選択可能最高速段である第3速ギヤ段33を選択すると共に、これに対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の仮想の機関回転速度Nhが、判定回転速度Ncに達した車速S3において、ECU100は、第1クラッチ21を解放状態から係合状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態から解放状態にするクラッチ・トゥ・クラッチを行う。
選択可能最高速段が第2速ギヤ段42となる車速S3〜S4において、ハイブリッド車両1は、駆動輪88からの回転動力を、選択可能最高速段より一段低速側の第1速ギヤ段31により変速し、第1入力軸27から第1クラッチ21を介して機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。このとき、エンジンブレーキを行うことにより実際に生じるエンジン損失動力は、Piとなり、回生制動とエンジンブレーキを併用する場合と同様の減速度でハイブリッド車両1を減速させることができる。
そして、選択可能最高速段が第1速ギヤ段31となる車速S4〜S5においては、ECU100は、車速S3〜S4と同様に、第1変速機構30において第1速ギヤ段31が選択された状態と、第1クラッチ21の係合状態とを継続して、駆動輪88の回転動力を、第1速ギヤ段31により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。
以上、図5及び図6を用いて説明したように、回生制動を行わない場合、駆動輪88の回転動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキを行う。ECU100は、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、対応するクラッチを係合状態にすることで、エンジン損失動力Piを生じさせる。上述のように、回生制動とエンジンブレーキを併用して、エンジン損失動力Phを生じさせると共に回生制動動力(Pi−Ph)を生じさせた場合と、図4に示す車速S2a〜S2cを除いて、同様の減速度及び減速パターンで、ハイブリッド車両1を減速させることができる。
なお、図4に示すように、回生制動を行う(回生制動とエンジンブレーキを併用する)場合には、選択可能最高速段が第2変速機構40の変速段、例えば第4速ギヤ段44であり、当該変速段44に対応する第2クラッチ22を係合状態にした場合の機関回転速度Nhが判定回転速度Ncに達して、選択可能最高速段が第2変速機構40の変速段44から第1変速機構30の変速段33に切替わる車速S2aにおいて、ECU100は、回生制動を停止して、第2変速機構40の変速段(第4速ギヤ段)44を、より低速側の変速段(第2速ギヤ段)42に変速する変速動作を行っている。当該変速動作が完了したS2cにおいて、ECU100は、回生制動を再開させており、このS2cから駆動輪88に作用してハイブリッド車両1を減速させる合計の制動動力が急速に(不連続的に)増大することとなる。
一方、図6に示すように、エンジンブレーキのみを行う場合には、選択可能最高速段が第2変速機構40の変速段44から第1変速機構30の変速段33に切替わる車速S2aにおいて、第1クラッチ21を解放状態にすると共に、第2クラッチ22を係合状態にするクラッチ・トゥ・クラッチを行っており、この車速S2aにおいて、実際の機関回転速度Niが急速に(不連続的に)上昇して、この機関回転速度Niの上昇に伴い駆動輪88に作用してハイブリッド車両1を減速させる合計の制動動力が上昇する。
このように、図4に示すように回生制動を行う(回生制動とエンジンブレーキを併用する)場合には、車速S2cにおいて、駆動輪88に作用する合計の制動動力が上昇し、一方、図6に示すように回生制動を行わない(エンジンブレーキのみを行う)場合には、車速S2aにおいて、駆動輪88に作用する合計の制動動力が上昇する。
しかし、これら車速S2aとS2cは、モータ50のロータ52が第2入力軸28に係合する第2変速機構40において、より低速側の変速段に変速する変速動作を行うのに必要な時間だけ、回生制動を一時的に停止するものであるため、車速にさほど相違はない。したがって、回生制動を行う場合と回生制動を行わない場合で、ハイブリッド車両1に生じる減速度のパターンに与える変化を最小限のものにすることができ、ハイブリッド車両1の乗員に違和感を与えることを、極力抑制することができる。
なお、上述の実施例において、回生制動を行う場合には、回生制動を行うと共にエンジンブレーキを行ってハイブリッド車両1を減速させるものとして説明したが、回生制動を伴ってハイブリッド車両1を減速させる態様は、これに限定されるものではない。例えば、コーストダウン走行を行う際に、二次電池120の蓄電状態(SOC)が、予め設定された判定値以下であり、蓄電状態を極力急速に上昇させることが望まれる場合には、回生制動のみを行ってハイブリッド車両1を減速させることも可能である。
以上に説明したように本実施例に係るハイブリッド車両1は、機関出力軸8から機械的動力を出力する内燃機関5と、発電機として機能してロータ52を制動可能なモータ50と、機関出力軸8からの機械的動力を第1入力軸27で受け、複数の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪88に向けて伝達可能な第1変速機構30と、機関出力軸8及びロータ52からの機械的動力を、当該ロータ52と係合する第2入力軸28で受け、複数の変速段42,44,46のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪88に向けて伝達可能な第2変速機構40と、第1変速機構30の変速段31,33,35,39に対応して設けられ、機関出力軸8と第1入力軸27とを係合可能な第1クラッチ21と、第2変速機構40の変速段42,44,46に対応して設けられ、機関出力軸8と第2入力軸28とを係合可能な第2クラッチ22と、第1及び第2クラッチ21,22の係合/解放状態と、第1及び第2変速機構30,40における変速段の選択とを制御可能な制御手段としてのECU100を備えており、ハイブリッド車両1は、駆動輪88の回転をロータ52に伝達させると共にモータ50を発電機として機能させて駆動輪88を制動する回生制動と、駆動輪88の回転を機関出力軸8に伝達させて駆動輪88を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能となっている。
ECU100は、第1及び第2変速機構30,40の変速段31〜46のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度Nc以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する機能(選択可能最高速段特定手段)と、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪88に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定する機能(エンジン損失動力推定手段)と、を含んでおり、回生制動を行う場合には、選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うと共に、回生制動を行うことにより駆動輪88に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度Niに対応するエンジン損失動力Piから、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度Nhに対応するエンジン損失動力Phを減じた値(Pi−Ph)に設定して、回生制動を行う。一方、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行う。
回生制動を行う場合、エンジンブレーキを行うことにより駆動輪88にエンジン損失動力Phを作用させると共に、回生制動を行うことにより駆動輪88に回生制動動力(Pi−Ph)を作用させることで、駆動輪88に作用する合計の制動動力はPiとなる。一方、回生制動を行わない場合には、エンジンブレーキのみを行って、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合のエンジン損失動力Piを、そのまま合計の制動動力として駆動輪88に作用させる。これにより、回生制動を行う場合と回生制動を行わない場合で、駆動輪88に作用する合計の制動動力を同等のものにすることができ、ハイブリッド車両1の減速度に違いが生じることを抑制することができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両1において、前記判定回転速度Ncは、内燃機関5における燃料供給を停止する燃料カットが許可される機関回転速度の下限値に設定されているものとしたので、回生制動を行う場合すなわち回生制動とエンジンブレーキを併用する場合と、回生制動を行わない場合すなわちエンジンブレーキのみを行う場合の双方において、車両減速中に機関回転速度が、燃料カットから復帰できないような機関回転速度にまで低下して内燃機関5がストールしてしまうことを防止することができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両1において、ECU100は、モータ50に電力を供給する二次電池120の蓄電状態(SOC)が、予め設定された判定値以下である場合に、回生制動を行うものとした。予め設定された判定値以下であり、回生制動によりモータ50に生じた電力を二次電池120に十分に充電することが可能な場合において、回生制動を行うことで、回生制動を行っている最中に二次電池120の蓄電状態が上限に達して回生制動が禁止されてしまうことを抑制することができる。
なお、回生制動を行うか否かの判定は、二次電池120の蓄電状態が判定値以下であるか否かの条件の他に、モータ50や二次電池120の温度が、予め設定された判定値以上か否かの条件により判定することもできる。モータ50の力行や回生制動を長時間継続して、モータ50又は二次電池120が発熱して比較的高温となっている場合には、回生制動を行わないものと判定することで、モータ50及び二次電池120の過熱を防止することができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両において、ECU100は、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度Nhが、前記判定回転速度Ncに達したときに、第1及び第2クラッチ21,22のうち、一方を係合状態から解放状態にすると共に他方を解放状態から係合状態にする、いわゆるクラッチ・トゥ・クラッチを行うものとした。選択可能最高速段と、これを選択した場合の機関回転速度Nhは、車速に応じて決まるものであるため、選択可能最高速段が第1速ギヤ段31となる車速S4を除いて、回生制動を行うか否かに拘らず、クラッチ・トゥ・クラッチを行う車速を同一のものにすることができ、回生制動を行う場合と、回生制動を行わない場合で、同様の減速パターンでハイブリッド車両1を減速させることができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両1において、ECU100は、回生制動を行う場合、選択可能最高速段が、最も低速側の変速段である第1速ギヤ段31である場合には、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にして、回生制動を停止するものとした。選択可能最高速段が第1速ギヤ段31となる車速S4〜S5においては、回生制動を停止してエンジンブレーキを行うことで、エンジンブレーキのみを行う場合(図6参照)と同様の減速度及び減速パターンで、ハイブリッド車両1を減速させることができる。
また、本実施例に係るハイブリッド車両1において、回生制動を行う場合、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度Nhが判定回転速度Ncに達して、選択可能最高速段が第2変速機構40の変速段44から第1変速機構30の変速段33に切替わった(図4のS2a参照)直後に、回生制動を停止して第2変速機構40の変速段44を、より低速側の変速段42に変速する変速動作を行うものとしたので、第2変速機構40においてより低速側の変速段に変速するために、モータ50のロータ52と駆動輪88との間にトルクが作用しない状態を作り出しても、回生制動を行わない場合(図6参照)に比べて、ハイブリッド車両1に生じる減速度のパターンに与える変化を最小限のものにすることができる。
本実施例に係るハイブリッド車両について図1及び図4〜図7を用いて説明する。図7は、回生制動のみを行って減速する場合のハイブリッド車両の動作を説明する図である。本実施例に係るハイブリッド車両1Bは、回生制動を行う場合、回生制動とエンジンブレーキを併用することなく、回生制動のみを行う点で実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例において、回生制動のみを行うか否かを判定する蓄電状態の判定値Bは、実施例1の回生制動を行うか否かを判定する蓄電状態の判定値Aに比べて低い値(B<A)に設定されている。すなわち、ECU100Bは、コーストダウン走行を行う際に、二次電池120の蓄電状態(SOC)が、判定値Aを超える場合には、図6に示すようにエンジンブレーキのみを行い、判定値A以下であり且つ判定値Bを超える場合には、図4に示すようにエンジンブレーキを行うと共に回生制動を行い、判定値B以下である場合には、回生制動のみを行う。つまり、ECU100Bは、二次電池120の蓄電状態に応じて、エンジンブレーキと回生制動の併用と、回生制動の選択使用とを切替える。
図7に示すように、回生制動のみを行う場合、車速S1〜S4において、ECU100Bは、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度Niを算出し、当該機関回転速度Niとエンジン損失動力マップ(図5参照)に基づいて仮想のエンジン損失動力Piを推定する。ECU100Bは、回生制動を行うことにより駆動輪88に作用させる回生制動動力を、推定されたエンジン損失動力Piの値に設定し、モータ50を制御することで回生制動を行う。これにより、駆動輪88に作用する合計の制動動力を、エンジン損失動力Piとすることができる。
なお、選択可能最高速段が最も低速側の変速段である第1速ギヤ段31となる車速S4〜S5においては、ECU100Bは、選択可能最高速段である第1速ギヤ段31を選択し、当該変速段31に対応する第1クラッチ21を係合状態にした場合の機関回転速度Nhを算出し、当該機関回転速度Nhとエンジン損失動力マップに基づいて仮想のエンジン損失動力Phを推定する。ECU100Bは、回生制動動力を、推定されたエンジン損失動力Phの値に設定して回生制動を行う。
以上のように車速S1〜S5において、ECU100Bは、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を双方共に解放状態にしており、駆動輪88と機関出力軸8との間における動力伝達は遮断されている。ECU100Bは、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち任意の変速段を選択すると共に、当該変速段の減速比と、設定された回生制動動力に基づいてモータ50の回生動作を制御する。
このように、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度Niに対応するエンジン損失動力Piを、回生制動動力に設定して回生制動のみを行うことにより、図6に示す回生制動を行わない場合、すなわち駆動輪88の回転動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段により変速し、機関出力軸8に伝達させてエンジンブレーキのみを行う場合と同一の減速度及び減速パターンで、ハイブリッド車両1Bを減速させることができる。
また、上述のように回生制動のみを行うことで、図4に示す回生制動とエンジンブレーキを併用する場合、すなわち選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行うと共に、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度Niに対応するエンジン損失動力Piから選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度Nhに対応するエンジン損失動力Phを減じた値を回生制動動力に設定して回生制動を行う場合と、車速がS2a〜S2cにおいて駆動輪88に作用する合計の制動動力に相違はあるものの、同様の減速パターンでハイブリッド車両1Bを減速させることができる。
以上に説明したように本実施例に係るハイブリッド車両1Bにおいて、ECU100Bは、回生制動を行う場合には、回生制動を行うことにより駆動輪88に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度Niに対応するエンジン損失動力Piの値に設定して、回生制動を行い、回生制動を行わない場合には、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うものとした。回生制動のみを行う場合、駆動輪88に作用する合計の制動動力はPiとなる一方、回生制動を行わない場合には、エンジンブレーキのみを行って、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合のエンジン損失動力Piを、そのまま合計の制動動力として駆動輪88に作用させる。これにより、回生制動のみを行う場合と回生制動を行わない場合で、駆動輪88に作用する合計の制動動力を同一のものにすることができ、ハイブリッド車両1Bの減速度に違いが生じることを抑制することができる。
なお、本実施例において、回生制動を行う場合には、さらに二次電池120の蓄電状態(SOC)に応じて、エンジンブレーキと回生制動とを併用する場合と、回生制動のみを行う場合とを切替えるものとしたが、回生制動の態様は、これに限定されるものではない。回生制動を行うと判定した場合には、図7に示すように回生制動のみを行うものとしても良い。
なお、上述の各実施例において、原動機として設けられたモータ(モータジェネレータ)50は、供給された電力を機械的動力に変換して出力する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能とを兼ね備えたモータジェネレータであるものとしたが、本発明に係るモータジュネレータは、これに限定されるものではない。モータジェネレータは、回生制動を行うことができれば良く、例えば、ロータに伝達された機械的動力を電力に変換する機能のみを有する発電機で構成するものとしても良い。
また、本実施例において、第1変速機構30は、第1入力軸27で受けた機械的動力を、第1出力軸37から駆動輪88と係合する動力統合ギヤ58に伝達し、第2変速機構40は、第2入力軸28で受けた機械的動力を、第2出力軸48から動力統合ギヤ58に伝達するものとしたが、第1変速機構30及び第2変速機構40の態様は、これに限定されるものではない。第1変速機構30及び第2変速機構40は、それぞれ入力軸27,28で受けた機械的動力を、駆動輪88に向けて伝達可能であれば良く、例えば、第1変速機構30と第2変速機構40は、それぞれ第1入力軸27、第2入力軸28で受けた機械的動力を、駆動輪88と係合する共通の出力軸に伝達するものとしても良い。
また、本実施例において、駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8及びモータ50のロータ52からの機械的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40のうち少なくとも一方により変速して、動力統合ギヤ58から、推進軸66、終減速装置70の差動機構74を介して駆動輪88に伝達するものとしたが、第1変速機構30及び第2変速機構40から駆動輪88に向けての動力伝達の態様は、これに限定されるものではない。駆動装置10において、第1変速機構30及び第2変速機構40は、それぞれ第1入力軸27及び第2入力軸28で受けた機械的動力を、駆動輪88に向けて伝達可能であれば良く、例えば、動力統合ギヤ58、又は当該動力統合ギヤ58と噛み合う第1及び第2駆動ギヤ37c,48cが、直接に差動機構74のリングギヤ72を駆動するものとしても良い。
以上のように、本発明は、原動機として内燃機関とモータとを備え、デュアルクラッチ式の変速機を備えたハイブリッド車両に有用であり、特に、2つの変速機構のうち一方の変速機構の入力軸にモータのロータが係合しているハイブリッド車両に有用である。
実施例1に係るハイブリッド車両の概略構成を示す模式図である。 実施例1に係るデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。 実施例1に係る変形例のデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。 実施例1に係るハイブリッド車両において、回生制動とエンジンブレーキを併用して減速する場合における車両の動作を説明する説明図である。 実施例1に係るハイブリッド車両において、回生制動動力の算出方法を説明する説明図である。 実施例1に係るハイブリッド車両において、エンジンブレーキのみを行って減速する場合における車両の動作を説明する説明図である。 実施例2に係るハイブリッド車両において、回生制動のみを行って減速する場合における車両の動作を説明する説明図である。
符号の説明
1,1B ハイブリッド車両
5 内燃機関
8 機関出力軸
10 駆動装置
20 デュアルクラッチ機構
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
27 第1入力軸
28 第2入力軸
30 第1変速機構
31,33,35,39 ギヤ段(変速段、歯車対)
37 第1出力軸
40 第2変速機構
42,44,46 ギヤ段(変速段、歯車対)
48 第2出力軸
50 モータ(モータジェネレータ)
52 モータのロータ
58 動力統合ギヤ
66 推進軸
70 終減速装置
74 差動機構
80 駆動軸
88 駆動輪
100,100B ハイブリッド車両用の電子制御装置(ECU、制御手段、選択可能最高速段特定手段、エンジン損失動力推定手段、回生制動動力設定手段)

Claims (9)

  1. 機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、
    発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、
    機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、
    機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、
    第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、
    第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、
    第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、
    を備え、
    駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、
    エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、
    を含み、
    回生制動を行う場合には、
    選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行うと共に、
    回生制動を行うことにより駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定して、回生制動を行い、
    回生制動を行わない場合には、
    選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、
    発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、
    機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、
    機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、
    第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、
    第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、
    第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、
    を備え、
    駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、
    エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、
    を含み、
    回生制動を行う場合には、
    回生制動を行うことにより駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力の値に設定して、回生制動を行い、
    回生制動を行わない場合には、
    選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にして、エンジンブレーキを行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  3. 請求項1又は2に記載のハイブリッド車両において、
    前記判定回転速度は、内燃機関における燃料供給を停止する燃料カットが許可される機関回転速度の下限値に設定されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    モータジェネレータに電力を供給する二次電池の蓄電状態が、予め設定された判定値以下である場合に、回生制動を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  5. 請求項1,3,4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度が、前記判定回転速度に達したときに、第1及び第2クラッチのうち、一方を係合状態から解放状態にすると共に他方を解放状態から係合状態にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  6. 請求項1,3〜5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    回生制動を行う場合、
    選択可能最高速段が、最も低速側の変速段である第1速ギヤ段である場合には、第1クラッチを係合状態にすると共に第2クラッチを解放状態にして、回生制動を停止する
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  7. 請求項1,3〜6のいずれか1項に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    回生制動を行う場合、
    選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度が判定回転速度に達して、選択可能最高速段が第2変速機構の変速段から第1変速機構の変速段に切替わった直後に、回生制動を停止して、第2変速機構の変速段を、より低速側の変速段に変速する変速動作を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  8. 機関出力軸から機械的動力を出力する内燃機関と、
    発電機として機能してロータを制動可能なモータジェネレータと、
    機関出力軸からの機械的動力を第1入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第1変速機構と、
    機関出力軸及びロータからの機械的動力を、当該ロータと係合する第2入力軸で受け、複数の変速段のうちいずれか1つにより変速して、駆動輪に向けて伝達可能な第2変速機構と、
    第1変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第1入力軸とを係合可能な第1クラッチと、
    第2変速機構の変速段に対応して設けられ、機関出力軸と第2入力軸とを係合可能な第2クラッチと、
    第1及び第2クラッチの係合/解放状態と、第1及び第2変速機構における変速段の選択とを制御可能な制御手段と、
    を備え、
    駆動輪の回転をロータに伝達させると共にモータジェネレータを発電機として機能させて駆動輪を制動する回生制動と、駆動輪の回転を機関出力軸に伝達させて駆動輪を制動するエンジンブレーキとを行うことが可能なハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    第1及び第2変速機構の変速段のうち、対応するクラッチを係合状態にした場合の機関回転速度が、予め設定された判定回転速度以上となり且つ最も高速側の変速段である選択可能最高速段を、車速に応じて特定する選択可能最高速段特定手段と、
    エンジンブレーキを行うことにより駆動輪に作用する機械的動力であるエンジン損失動力を、機関回転速度に応じて推定するエンジン損失動力推定手段と、
    回生制動を行う場合に、回生制動により駆動輪に作用させる機械的動力である回生制動動力を、選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力から、選択可能最高速段を選択した場合の機関回転速度に対応するエンジン損失動力を減じた値に設定する回生制動動力設定手段と、
    を有することを特徴とするハイブリッド車両。
  9. 請求項8に記載のハイブリッド車両において、
    回生制動を行う場合には、
    選択可能最高速段を選択し、当該選択可能最高速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行うと共に、回生制動動力設定手段により回生制動動力を設定して回生制動を行い、
    回生制動を行わない場合には、
    選択可能最高速段より一段低速側の変速段を選択し、当該変速段に対応するクラッチを係合状態にしてエンジンブレーキを行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
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