JP2009165279A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置の制御装置において、温度環境の変化に起因する実質的なデッドタイムの変動を抑制し、トルクリップルの発生を抑止すること。
【解決手段】電流指令値を入力とする電流制御部48と、インバータ回路66の制御に必要なPWM信号を生成するPWM信号生成部56と、電流指令値に基づきPWM信号に設けられたデッドタイムによる影響を抑制するための補償電圧を生成して出力するデッドタイム補償部46と、電流制御部48からの電圧指令値とデッドタイム補償部46からの補償電圧とに基づいてPWM信号生成部56に付与する指令DUTYを決定する指令DUTY決定部50と、インバータ回路66に具備されるスイッチング素子の温度または周辺温度を検出した検出温度に基づきPWM信号生成部56に付与されているデッドタイム指定値を補正するデッドタイム補正部54と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操舵トルクに基づいて演算した操舵補助指令に基づき操舵補助用の電動モータを駆動制御する電動パワーステアリング装置の制御装置に関するものである。
乗用車やトラック等の車両の操舵力を軽減するため、操舵補助モータによって操舵を補助する、いわゆる電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置がある。この電動パワーステアリング装置では、操舵補助モータの駆動力を、減速機を介してギアまたはベルト等の伝送機構により、ステアリングシャフトまたはラック軸に補助力を付与するようになっている。
かかる電動パワーステアリング装置を制御するための制御装置では、操舵補助トルクを正確に発生させるため、操舵補助モータに流れる電流のフィードバック制御が行われる。このフィードバック制御は、電流指令値と操舵補助モータに流れる電流の検出値との差が小さくなるように、操舵補助モータに対する印加電圧を調整するものである。操舵補助モータの制御には、一般的にPWMインバータが用いられる。PWMインバータを用いた場合、操舵補助モータに対する印加電圧は、PWMインバータに印加するPWM信号のデューティ比を制御することで調整される。
PWMインバータは、上側のスイッチング素子(上アーム素子)と下側のスイッチング素子(下アーム素子)とが直列に接続されたアーム回路を各相毎に具備している。このため、PWMインバータを制御するためのPWM信号には、各アーム回路を構成する上下アーム素子が同時にオンとならないように、デッドタイムと呼ばれる短絡防止時間が設けられる。一方、PWM信号にデッドタイムを設けた場合、PWMインバータに付与する電圧指令と実際の出力電圧との間に発生する誤差によって、出力電圧および出力電流に歪みが生ずることが知られている。なお、出力電流の歪みは、トルクリップルとなって現れるので、電動パワーステアリング装置の制御特性に少なからぬ影響を及ぼすことになる。
このような、デッドタイムに起因する問題点を改善する従来技術の一つとして、例えば下記特許文献1などが存在する。この特許文献1では、デッドタイムに起因する出力電圧の歪みを補償するため、PWMインバータの出力電流が零クロスする点に同期して、PWMインバータに付与する電圧指令に方形波状の補償電圧を加える技術が開示されている。
特開平05−316737号公報
ところで、上記特許文献1を初めとする従来技術によれば、PWM信号に設けられるデッドタイムは、予め決められた値を制御装置であるマイコンのメモリにセットして出力する処理が行われる。一方、スイッチング素子もしくはスイッチング素子周辺に温度変動が生じた場合、スイッチング素子における実質的なスイッチング時間が変動してしまう。このため、電動パワーステアリング装置を制御する際に、スイッチング素子周辺の温度環境の変化によって、過補償あるいは補償不足という状態が生起し、トルクリップルが増加するという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、温度環境の変化に起因する実質的なデッドタイムの変動を抑制し、トルクリップルの発生を抑止することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値に基づき、操舵補助用の電動モータをPWMインバータを用いて駆動制御することにより、前記車両の操舵を補助する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記電流指令値を入力とする電流制御部と、前記PWMインバータの制御に必要なPWM信号を生成するPWM信号生成部と、前記電流指令値に基づき、前記PWM信号に設けられたデッドタイムによる影響を抑制するための補償電圧を生成して出力するデッドタイム補償部と、前記電流制御部からの電圧指令値と前記デッドタイム補償部からの補償電圧とに基づいて前記PWM信号生成部に付与する指令デューティを決定する指令デューティ決定部と、前記PWMインバータに具備されるスイッチング素子の温度または周辺温度を検出した検出温度に基づき、予め設定されて前記PWM信号生成部に付与されているデッドタイム指定値を補正するデッドタイム補正部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記デッドタイム補正部は、前記検出温度が高くなる方向に変動した場合には、前記デッドタイム指定値が大きくなるように補正し、前記検出温度が低くなる方向に変動した場合には、前記デッドタイム指定値が小さくなるように補正することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記デッドタイム指定値の補正は、さらに前記PWMインバータに印加される直流電圧を検出した検出電圧に基づいて行われることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記デッドタイム補償部の機能はソフトウェア処理で具現化されることが望ましく、前記デッドタイム補正部の機能はハードウェア処理で具現化されることが望ましい。
本発明にかかる電動パワーステアリング装置の制御装置によれば、PWMインバータに具備されるスイッチング素子の温度または周辺温度を検出した検出温度に基づいて、予め設定されてPWM信号生成部に付与されているデッドタイム指定値を補正するようにしているので、温度環境の変化に起因する実質的なデッドタイムの変動が抑制され、トルクリップルの発生を抑止することが可能となる。
以下に、本発明の好適な実施の形態にかかる電動パワーステアリング装置の制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。
<実施の形態>
図1は、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。図1において、操向ハンドル1のコラム軸2は、減速ギア3、ユニバーサルジョイント4aおよび4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクTを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助する操舵補助モータ20が、減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。ここで、操舵補助モータ20は、例えば、ブラシレスモータやブラシモータである。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から内蔵の電源リレー13を経て電力が供給され、イグニションキー11からイグニション信号が供給される。また、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいて、操舵補助モータ20の電流指令値を演算し、操舵補助モータ20の電流検出値と電流指令値とに基づいて、操舵補助モータ20の電流検出値が電流指令値に追従するように操舵補助モータ20を駆動制御する。
(コントロールユニット)
図2は、本発明の実施の形態にかかるコントロールユニット(制御装置)30の機能構成を示す図である。なお、同図では、説明のため、操舵補助モータ20、操舵補助モータ20を制御するためのインバータ回路66などの駆動部、およびシャント抵抗68、電流検出回路70、電圧検出器72、温度検出器74などの各種センサを併記して示している。
図2に示すように、本実施の形態にかかる制御装置は、制御部(ソフトウェア(SW)処理部)40および制御部(ハードウェア(HW)処理部)42を備えている。制御部(SW処理部)40は、例えばマイコンなどの汎用プロセッサを用いて構成される機能部であり、これらの各機能は、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行するようなソフトウェア処理として具現化される。一方、制御部(HW処理部)42の機能は、専用のハードウェアによるハードウェア処理として具現化される。なお、制御部(HW処理部)42の機能の実現に、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けの専用ICを用いてもよいことは無論である。
(コントロールユニット−制御部(SW処理部)の構成)
図2において、制御部40は、トルク信号を入力とする操舵補助電流指令値演算部44、操舵補助電流指令値演算部44の出力を入力とするデッドタイム補償部46、操舵補助電流指令値演算部44の出力およびAD変換器64の出力信号を入力とする減算器80、減算器80の出力を入力とする電流制御部48、デッドタイム補償部46および電流制御部48の各出力を入力とする加算器82、加算器82の出力を入力とする指令デューティ(以下「指令DUTY」と表記)決定部50、ならびに、デッドタイム指定部52、AD変換器60,62の各出力信号をおよび入力とするデッドタイム補正部54、デッドタイム指定部52およびデッドタイム補正部54の各出力を入力とする加算器84を備えるとともに、指令DUTY決定部50の出力と、加算器84の出力とが、次段に設けられた制御部(HW処理部)42に入力されるように構成されている。
(コントロールユニット−制御部(HW処理部)の構成)
また、制御部42は、制御部40からの2つの出力、すなわち指令DUTY決定部50の出力および加算器84の出力を入力とするPWM信号生成部56、PWM信号生成部56の出力を入力とするゲートドライバ58、ならびに温度検出器74が検出した温度(以下「検出温度」という)を入力とするAD変換器60、インバータ回路66に印加される直流電圧の電圧検出器72を介した検出出力(以下「検出電圧」という)を入力とするAD変換器62、およびシャント抵抗68に流れる電流(以下「モータ電流」という)の電流検出回路70を介した検出出力(以下「検出電流」という)を入力とするAD変換器64を備えるとともに、ゲートドライバ58の出力が、インバータ回路66に入力されるように構成されている。すなわち、操舵補助モータ20は、インバータ回路66を介したゲートドライバ58の出力によって制御されるとともに、上記検出電流(モータ電流に相当する電流)が電流制御部48にフィードバックされ、上記検出電圧(インバータ回路66に印加する直流電圧に相当する電圧)、および上記検出温度によるがデッドタイム補正部54にフィードバックされるように構成されている。
なお、図2では、ゲートドライバ58を制御部42の内部に設け、インバータ回路66を制御部42の外部に設ける構成を例示しているが、ゲートドライバ58を制御部42の外部に設けたり、ゲートドライバ58をインバータ回路66と一体化して構成することも可能である。また、ゲートドライバ58およびインバータ回路66の双方を操舵補助モータ20に組み込むように構成することも可能である。なお、この後者の構成は、図1に例示したとおりである。
(コントロールユニットの動作)
つぎに、コントロールユニット(制御装置)の動作について説明する。図2において、操舵補助電流指令値演算部44は、少なくともトルク信号(T)に基づき操舵補助を行うための電流指令値を演算して出力する。操舵補助電流指令値演算部44が演算した電流指令値は、デッドタイム補償部46および減算器80に入力される。減算器80は、入力された電流指令値と検出電流値との差分値を演算して電流制御部48に出力する。デッドタイム補償部46は、電流指令値に基づき、デッドタイムによる影響を抑制するための補償電圧を生成して加算器82に出力する。なお、デッドタイム補償部46が行う補償電圧の生成処理については、例えば特願2005−12881において適切に開示されており、ここでの詳細な説明は省略する。
加算器82は、入力された電圧指令値(補正前の電圧指令値、以下「第1の電圧指令値」という)と上記補償電圧とを加算した加算値を補正後の電圧指令値(以下「第2の電圧指令値」という)として指令DUTY決定部50に出力する。指令DUTY決定部50は、入力された第2の電圧指令値に基づいて指令DUTY値を決定するとともに、決定した指令DUTY値をPWM信号生成部56に付与するパラメータ値として出力する。
また、デッドタイム補正部54は、検出電圧と検出温度とに基づき、デッドタイムの補正値を算出して加算器84に出力する。加算器84は、デッドタイム指定部52の出力であり固定値であるデッドタイム指定値(以下「第1のデッドタイム指定値」という)にデッドタイム補正部54の出力であり可変値であるデッドタイム補正値を加算した加算値を補正後のデッドタイム指定値(以下「第2のデッドタイム指定値」という)として算出するとともに、算出した第2のデッドタイム指定値をPWM信号生成部56に付与するパラメータ値として出力する。
また、PWM信号生成部56は、入力された指令DUTYと、入力された第2のデッドタイム指定値とに基づき、ゲートドライバ58に付与するPWM信号(U,V,W各相)を生成してインバータ回路66に出力する。インバータ回路66は、UVW各相におけるPWM信号を各相正負の通電信号に変換して操舵補助モータ20に出力する。
つぎに、コントロールユニット(制御装置)の動作に関する補足事項および、インバータ回路を制御するPWM信号にデッドタイムを設けた場合のインバータ回路の動作特性等について、図3〜図7の図面を参照して説明する。また、この説明に併せて、本実施の形態にかかる制御装置の効果についても説明する。
図3は、指令DUTY決定部50から出力される指令DUTYおよび指令DUTYに基づいて生成されるPWM信号を説明する図である。図3において、波形K1,K2は、PWM信号を生成するための参照信号である。これらの参照信号のうち、波形K1は、ハイサイド(上アーム側)のスイッチング素子に対するスイッチングパターンの生成に用いられ、波形K2は、ローサイド(下アーム側)のスイッチング素子に対するスイッチングパターンの生成に用いられる。例えば、図示のような参照信号の場合、指令DUTYが70%程度であれば、波形K3,K4に示されるように、ハイサイドのスイッチング素子のオン時間が長く、ローサイドのスイッチング素子のオン時間が短くなるようなスイッチングパターン(PWM信号)がPWM信号生成部56において生成される。ちなみに、指令DUTYが100%であればハイサイドのスイッチング素子が全オン、ローサイドのスイッチング素子が全オフとなる。また、指令DUTYが0%であればハイサイドのスイッチング素子が全オフ、ローサイドのスイッチング素子が全オンとなる。
いま、波形K3の立ち下がり部と波形K4の立ち上がり部との時間差をT1、波形K4の立ち下がり部と波形K3の立ち上がり部との時間差をT2とすれば、この例に示すPWM信号におけるデッドタイムTdは、Td=T1+T2で与えられることになる。なお、波形K1と波形K2とを一致させた場合には(図2において、加算器84から出力される第2のデッドタイム指定値が“ゼロ”の場合に相当)、デッドタイムTdはゼロとなる。
図4は、デッドタイムの設定によってゼロアンペアクロス付近に生ずるデッドバンド(不感帯)を説明する図である。図4において、横軸は指令DUTY、縦軸は電流を表している。
デッドタイムを有するPWM信号波形にてインバータ回路を制御する場合、図4に示すようなゼロクロス付近(電流の方向が負から正、あるいは正から負に切り替わる領域)にデッドバンドと呼ばれる所定幅の不感帯領域が表れる。このデッドバンドの幅は、インバータ回路に用いられるスイッチング素子やスイッチング素子に並列に接続されるボディダイオードの特性、あるいはスイッチング素子を駆動するゲートドライバの特性などによって変化し、また、PWM信号に設定するデッドタイムによっても変化する。一方、このようなデッドバンドが存在する場合、指令DUTY決定部50が所望の指令DUTYをPWM信号生成部56に与えたとしても、電流の切り替わりが適切に行われないので、PWM信号生成部56に対する電圧指令値と実際の出力電圧値との間には誤差が発生し、出力電流(相電流)が歪むことになる。したがって、このようなデッドバンドの存在下では、インバータ回路に流れる電流が切り替わるゼロクロス付近において、指令DUTYをデッドバンドの幅に応じて変更する制御を行うことが好ましい実施態様となる。
なお、本実施の形態では、前述のように、電流制御部48が生成した第1の電圧指令値に、デッドタイム補償部46が生成した補償電圧を加算することによって生成した第2の電圧指令値を指令DUTY決定部50に出力することで実現している。
図5は、スイッチング素子の温度もしくは周辺温度に対するデッドバンド幅の典型的な一例を示す図である。図5において、横軸は温度、縦軸はデッドバンド幅(図4参照)を示している。図5に示すように、デッドバンド幅は、温度環境に応じて変動する。また、その変動は、温度が高くなる場合には小さくなり、温度が低くなる場合には大きくなるといった特性を有している。
図6は、ゼロアンペアクロス近傍における過補償時の電流特性を示す図である。すなわち、図6に示す電流特性は、図2に示すデッドタイム指定部52、デッドタイム補正部54、および加算器84を有さない場合において、例えば温度が高くなる方向に変動した場合に対応するものである。図6に示す波形では、電流が負方向から正方向に切り替わるゼロクロス付近において、同図の破線部M1で示すような歪み電流が発生している。また、同図の破線部M2で示す部分は、急激に変動した電流を元に戻そうとする電流制御部48の特性を示している。なお、この破線部M2で示される電流制御部48の動作によっても、電流の歪みが増長されることになる。
図7は、デッドタイム補正テーブルの概念を示す図であり、横軸は温度、縦軸はデッドタイム補正部54が加算器84に出力するデッドタイム補正値を示している(図2参照)。図7において、例えば横軸の“0”と、縦の“0”とが交差する点に位置している場合には、デッドタイム補正部54から出力されるデッドタイム補正値は“ゼロ”である。すなわち、デッドタイム指定部52のよる指定値がPWM信号生成部56に対するパラメータ値として出力される。
一方、例えば温度が高くなる方向に変動した場合には、デッドタイム指定値が大きくなるように補正し、温度が低くなる方向に変動した場合には、デッドタイム指定値が小さくなるように補正する。なお、このときの作用については、つぎのように説明することができる。
図6に示したように、温度が高くなった場合には、過補償の状態となる。これは、温度が高くなった場合にはデッドバンド幅が小さくなるという特性(図5参照)に起因している。すなわち、温度が高くなった場合には、デッドタイム補償部46による補償量(補償電圧)がデッドバンドの縮小分だけ過補償になるためである。そこで、本実施の形態では、例えば温度が高くなった場合には、デッドタイム補正値を大きくしてデッドタイムそのものの値が大きくなるように制御している。デッドタイムが大きくなれば、デッドバンドは広くなり、温度の上昇分による縮小成分と相殺され、温度の変化前後において実質的なデッドタイムを一定にすることが可能となる。また、温度が低くなった場合については、補償不足の状態になるという点を除き、デッドタイム補正の考え方は同一である。すなわち、温度の下降分によるデッドバンドの拡大成分と相殺するように、デッドタイム補正値を小さくしてデッドタイムそのものの値が小さくなるように制御すればよい。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、検出温度の情報だけでなく、インバータ回路66に印加される直流電圧の大きさを検出した検出電圧の情報も入力するように構成している。この構成の趣旨は、デッドバンドの変動が、温度の変動だけでなく、直流電圧の変動にも起因していることによる。ただし、一般的に、通常の操舵状態においては、直流電圧の変動は、温度変動よりも小さいので、電圧検出器72およびAD変換器62の構成を省略するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる制御装置によれば、インバータ回路66に具備されるスイッチング素子の温度または周辺温度を検出した検出温度に基づいて、PWM信号生成部56に付与されているデッドタイム指定値を補正するようにしているので、温度環境の変化に起因する実質的なデッドタイムの変動が抑制され、トルクリップルの発生を抑止することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる制御装置によれば、デッドタイム補償部の制御プログラムを変更することなく、所望の温度補償が可能になるという利点がある。換言すれば、本実施の形態にかかる制御装置では、温度環境の変化に応ずるデッドタイムの変更を、第2のデッドタイム指定値をパラメータとしてPWM信号生成部56に付与すること、つまりハードウェアの機能で実現しているので、デッドタイム補償部を含む制御プログラムの変更が不要となる。また、このような制御処理の考え方に基づく機能構成とすることにより、制御プログラムによるソフトウェア処理を行う機能部においては、温度環境の変化について考慮する必要がなく、既存の機能に与える影響を極小化することが可能となる。
さらに、従来の構成では、低温環境下において、デッドタイムが拡大する方向にあったため、スイッチング素子のボディダイオードに流れる電流の通過時間が長くなり、損失が拡大するという嫌いがあった。一方、本実施の形態にかかる制御装置によれば、温度環境によらず、スイッチング素子を駆動する際の実質的なデッドタイムを略一定に保持することができるので、損失の増加を抑えた安定的な制御を行うことが可能となる。
以上のように、本発明にかかる電動パワーステアリング装置の制御装置は、温度環境の変化に起因する実質的なデッドタイムの変動を抑制し、トルクリップルの発生を抑止することができる発明として有用である。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるコントロールユニット(制御装置)の機能構成を示す図である。 指令DUTY決定部から出力される指令DUTYおよび指令DUTYに基づいて生成されるPWM信号を説明する図である。 デッドタイムの設定によってゼロアンペアクロス付近に生ずるデッドバンド(不感帯)を説明する図である。 温度に対するデッドバンド幅の典型的な一例を示す図である。 ゼロアンペアクロス近傍における過補償時の電流特性を示す図である。 デッドタイム補正テーブルの概念を示す図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
4a,4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6 タイロッド
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
13 電源リレー
14 バッテリ
20 操舵補助モータ
30 コントロールユニット
40 制御部(SW処理部)
42 制御部(HW処理部)
44 操舵補助電流指令値演算部
46 デッドタイム補償部
48 電流制御部
50 指令DUTY決定部
52 デッドタイム指定部
54 デッドタイム補正部
56 PWM信号生成部
58 ゲートドライバ
60,62,64 AD変換器
66 インバータ回路
68 シャント抵抗
70 電流検出回路
72 電圧検出器
74 温度検出器
80 減算器
82,84 加算器

Claims (4)

  1. 車両のステアリング系に発生する操舵トルクに基づいて演算した電流指令値に基づき、操舵補助用の電動モータをPWMインバータを用いて駆動制御することにより、前記車両の操舵を補助する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記電流指令値を入力とする電流制御部と、
    前記PWMインバータの制御に必要なPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記電流指令値に基づき、前記PWM信号に設けられたデッドタイムによる影響を抑制するための補償電圧を生成して出力するデッドタイム補償部と、
    前記電流制御部からの電圧指令値と前記デッドタイム補償部からの補償電圧とに基づいて前記PWM信号生成部に付与する指令デューティを決定する指令デューティ決定部と、
    前記PWMインバータに具備されるスイッチング素子の温度または周辺温度を検出した検出温度に基づき、予め設定されて前記PWM信号生成部に付与されているデッドタイム指定値を補正するデッドタイム補正部と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記デッドタイム補正部は、
    前記検出温度が高くなる方向に変動した場合には、前記デッドタイム指定値が大きくなるように補正し、
    前記検出温度が低くなる方向に変動した場合には、前記デッドタイム指定値が小さくなるように補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記デッドタイム指定値の補正は、さらに前記PWMインバータに印加される直流電圧を検出した検出電圧に基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記デッドタイム補償部の機能がソフトウェア処理で具現化されるのに対し、前記デッドタイム補正部の機能がハードウェア処理で具現化されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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