JP2011114883A - モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011114883A
JP2011114883A JP2009266389A JP2009266389A JP2011114883A JP 2011114883 A JP2011114883 A JP 2011114883A JP 2009266389 A JP2009266389 A JP 2009266389A JP 2009266389 A JP2009266389 A JP 2009266389A JP 2011114883 A JP2011114883 A JP 2011114883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
duty
phase
current
detection
current detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009266389A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5392025B2 (ja
Inventor
Yosuke Imamura
洋介 今村
Kenichi Shimada
賢一 島田
Noboru Sato
昇 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2009266389A priority Critical patent/JP5392025B2/ja
Publication of JP2011114883A publication Critical patent/JP2011114883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5392025B2 publication Critical patent/JP5392025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M1/00Details of apparatus for conversion
    • H02M1/0003Details of control, feedback or regulation circuits
    • H02M1/0009Devices or circuits for detecting current in a converter
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/42Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal
    • H02M7/44Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters
    • H02M7/48Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode
    • H02M7/53Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal
    • H02M7/537Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only, e.g. single switched pulse inverters
    • H02M7/539Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only, e.g. single switched pulse inverters with automatic control of output wave form or frequency
    • H02M7/5395Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode using devices of a triode or transistor type requiring continuous application of a control signal using semiconductor devices only, e.g. single switched pulse inverters with automatic control of output wave form or frequency by pulse-width modulation

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】単一の電流検出器を用いてモータ相電流を検出し、ソフトウェア負荷を高めることなく、最大Dutyが100%となったときにも電流検出時間を確保するためのDuty変更を行うことができ、電流検出が可能なDuty範囲を狭くすることがなく、コンパクト化、軽量化、コストダウンを図ったモータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電流検出周期では、最大Duty又は中間Dutyを基準Dutyとして、1相ON時間及び2相ON時間が電流検出に必要な時間となるように各相Duty指令値を変更して検出用各相Duty指令値とし、Duty調整周期では、n回平均DutyがDuty指令値と一致するように、電流検出周期に変更した各相Dutyの増減分を1/(n−1)した値を各相Duty指令値に加算して調整用各相Duty指令値とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、制御演算によりモータの電流を制御するための各相Duty指令値を算出し、各相Duty指令値に応じたPWM波形を形成し、PWM制御インバータにてモータに指令電流(電圧)を与えて駆動すモータ制御装置と、そのモータ制御装置を用いて車両のステアリング機構にモータによるアシストトルクを付与するようにした電動パワーステアリング装置とに関し、特にPWM制御インバータの電源入力側又は電源出力側(接地側)に単一の電流検出器を配設してPWM制御すると共に、相電流値を必要とする制御周期1回に対してPWM周期がn(>2)回ある構成とし、PWM周期n回中の1回を電流検出周期とすると共に、(n−1)回をDuty調整周期としてDuty演算を制御することで、コンパクト化、軽量化及びコストダウンを図ったモータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値(操舵補助指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御インバータのDuty比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が、減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニッションキー11を経てイグニッション信号が入力され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト指令のモータ電流Imの演算を行い、演算されたモータ電流Imがモータ20に供給される。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTは位相補償部31で位相補償されて操舵補助指令値演算部32に入力され、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算部32に入力される。操舵補助指令値演算部32は、入力された操舵トルクT及び車速Vに基づいて、アシストマップを参照してモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。操舵補助指令値Iは減算部30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償部34に入力され、減算部30Aの偏差(I−i)は比例演算部35に入力されると共に、フィードバック系の特性を改善するための積分演算部36に入力され、その比例出力は加算部30Bに入力される。微分補償部34及び積分演算部36の出力も加算部30Bに加算入力され、加算部30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ駆動回路37にはバッテリ14からイグニッションキー11及びフューズ13を経て電力が供給され、モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算部30Aに入力されてフィードバックされる。
モータ駆動回路37の一般的な構成例を図3に示して説明する。モータ駆動回路37は、PWM制御部37Aとインバータ37Bとで構成されている。PWM制御部37Aは、電流制御値Eを所定式に従って3相分のPWM Duty指令値D1〜D6を演算するデューティ演算部371と、PWM Duty指令値D1〜D6でスイッチング駆動素子としてのFETのゲートを駆動すると共に、デッドタイムの補償をしてON/OFFするゲート駆動部372とで構成されており、インバータ37BはFETの3相ブリッジで構成されており、PWM Duty指令値D1〜D6でON/OFFされることによってモータ20を駆動する。
このようなモータ駆動装置において、多相のブラシレスモータをインバータにより駆動するに当たってはロータの位置、つまりモータ位相を把握した上、モータ位相に応じて各相への通電状態を順次切替えていく必要がある。モータ位相は、一般的にはホール素子やレゾルバ等のロータ位置センサにてロータ位置を検出し、検出されたロータ位置に応じてインバータ(FET)のスイッチングを行うモータ駆動装置が実用化されている。また、モータの各コイル層に流れる電流値とモータ位相との関係式は知られており、各コイル相の電流値を計測し、その電流値からモータ位相を検出するモータ駆動装置が提案されている。
前述したような電流フィードバック系の構成及びモータ位置の演算のため、各コイル相の電流値を計測する必要があり、一方では、電動パワーステアリング装置のコンパクト化、軽量化、コストダウンの項目の1つとして電流検出器の単一化が要請されている。つまり、単一の電流検出器により各相電流を計測することが要請されている。
かかる要請に応える各相の相電流検出に関して、例えば特開平8−19263号公報(特許文献1)に開示されるPWM制御インバータが提案されている。特許文献1に記載の装置では、インバータ主回路の各相スイッチング素子のスイッチング直前及び直後に電流センサを接続し、電流センサでインバータ主回路の直流母線電流を検出し、検出電流の変化分をスイッチングタイミングに応じて各相別に分配して相別の検出電流としている。これにより、相電流検出を1つの電流センサで実施できるようになっている。
しかしながら、特許文献1に開示されたPWM制御インバータでは、電圧指令値が3相共に0となったり、或いは2相の電圧指令値がほぼ等しくなる場合が発生する。この結果、例えば3相のスイッチング素子が同時にスイッチングを行ったときは前者となり、2相のスイッチング素子が同時にスイッチングを行えば後者となる。そのため、直流母線電流を1つの電流センサで検出する特許文献1に記載のPWM制御インバータでは、例えばv相電圧とw相電圧の立ち上がり及び立ち下がりが同時では、各相の電流情報が直流母線に現われる時間が短くて電流検出が困難であると共に、v相電流とw相電流とを分離することができない。これは、スイッチングが完全に同時である場合だけでなく、1つの相のスイッチングから他の相のスイッチングまでの間隔が短い場合も同様であり、スイッチング間の直流母線電流の検出が困難、或いは検出精度の低下を招き、各相電流を適正に求めることができないという問題がある。
このような問題を解決し、単一の電流検出器を用いて相電流を検出してモータを駆動するものとして、特許第3664040号(特許文献2)に開示されているPWM制御インバータがある。その構成は、Dutyの大きさの差が電流検出時間に相当するDuty量に満たないとき、1PWMの前半と後半で異なるDuty指令値となるように変更する手法で、変更するDuty指令値は、前半では3相Dutyのうちの中間Duty(2番目に大きいDuty)を基準とし、電流検出時間が確保できるように最大Dutyと最小Dutyを変更した値とし、後半では平均値が元のDuty指令値と同じとなるように、前半で変更したDuty分を調整するDuty指令値とするものである。
しかし、特許文献2に記載のPWM制御インバータでは、1PWM周期内でDutyを変更するため、1PWM周期が短い場合には、ソフトウェア負荷が非常に高くなる問題がある。また、電流検出時間を確保するためのDutyを、中間Dutyを基準として算出しているため、最大Dutyが100%となったときに、電流検出時間を確保するためのDuty変更を行うことができなくなる可能性がある。
また、特許第3931079号公報(特許文献3)に開示された装置では、1相がON、2相がON状態となる時間を、電流検出必要時間分だけ確保できるようにDutyを補正し、次キャリアで補正による増減分を調整し、平均値が元のDuty指令値と同値となるようにしている。このようにDuty変更が1キャリア毎であるため、特許文献3の装置によれば、特許文献2に記載の装置で問題となった点、つまり1PWM周期が短い場合にソフトウェア負荷が非常に高くなるという問題は緩和することができる。
しかしながら、特許文献3に開示された装置では、補正するDutyの算出方法が明示されておらず、しかも、検出のためのDuty補正分を次キャリア周期内でのみで調整するため、補正できるDuty量に調整時のDuty範囲の制約が大きく影響する。特にPWM周期が短い構成のシステムでは、1PWM周期に対し、電流検出に必要な時間の比率が大きくなるため、その影響度が大きくなり、電流検出が可能なDuty範囲が狭まってしまう問題がある。例えば電流検出に必要な時間がDuty12%分とし、最大Dutyを100%、最小Dutyを0%とすると、6%≦中間Duty≦94%の範囲でのみモータ印加電圧への影響を抑制しつつ、相電流の検出が可能であり、その他の領域では相電流を検出することができない問題がある。
総じて、単一の電流検出器で電流検出を行う構成では、電流検出可能なDuty範囲でDutyを制限する必要があり、その分モータ特性を十分に発揮できないことがあるため、可能な限り電流検出可能なDuty範囲を拡大することが望まれる。また、近年のソフトウェアに要望される機能の多様化から、ソフトウェア負荷を可能な限り低減することが望まれる。
特開平8−19263号公報 特許第3664040号公報 特許第3931079号公報
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、単一の電流検出器を用いてモータ相電流を検出してフィードバックし、PWM制御インバータでモータを駆動しても、1PWM周期が短い場合にもソフトウェア負荷を高めることなく、最大Dutyが100%となったときにも電流検出時間を確保するためのDuty補正を行うことができると共に、電流検出が可能なDuty範囲を狭くすることがなく、コンパクト化、軽量化、コストダウンを図ったモータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、制御演算によりモータの電流を制御するための各相Duty指令値を算出し、前記各相Duty指令値に応じたPWM波形を形成し、前記PWM波形に基づいてインバータにより前記モータを駆動するモータ制御装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記インバータの電源入力側又は電源出力側に単一の電流検出器を接続し、相電流値を必要とする制御周期1回に対してPWM周期がn(>2)回ある構成であり、前記PWM周期n回中の1回を電流検出周期とすると共に、(n−1)回をDuty調整周期とし、前記各相Duty指令値の最大Duty、中間Duty、最小Dutyを判定する機能と、前記電流検出周期では、前記最大Duty又は前記中間Dutyを基準Dutyとして、1相ON時間及び2相ON時間が電流検出に必要な時間となるように前記各相Duty指令値を変更して検出用各相Duty指令値とし、前記Duty調整周期では、n回平均DutyがDuty指令値と一致するように、前記電流検出周期に変更した各相Dutyの増減分を1/(n−1)した値を前記各相Duty指令値に加算して調整用各相Duty指令値とする機能とを具備することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記検出用各相Duty指令値の演算時に設定する前記基準Dutyは、前記最大Dutyと前記最小Dutyの差分が、電流検出必要Duty量τの2倍より小さく、且つ前記中間Dutyが前記電流検出必要Duty量τより大きく、(100%−τ)より小さくなる条件下においては、前記中間Dutyを基準とし、それ以外では前記最大Dutyを基準とすることにより、或いは基準とする前記最大Dutyが前記電流検出必要Duty量τの2倍より小さい場合には、前記最大Dutyを2τとして前記検出用最大Dutyとし、前記検出用最大Dutyを基準Dutyとして他相の検出用Dutyを演算することにより、より効果的に達成される。
本発明に係るモータ制御装置によれば、n回のPWM周期中に1回のDuty変更でよいため、ソフトウェア(CPU)負荷を軽減することができる。また、Dutyを調整する周期を(n−1)周期と長く設定しているため、Duty調整周期1回に対し、加算する調整Duty量を1/(n−1)と小さくすることができ、モータ印加電圧への影響を抑制しつつ、相電流検出が可能なDuty範囲を広くできることで、Dutyの制限を緩和してモータ出力特性を十分活用することができる利点がある。
更に本発明に係るモータ制御装置によれば、電流検出周期において、各相Dutyの差分量が全て電流検出時間の確保に必要なDuty量よりも小さくなったときは中間Dutyを基準とし、最大Duty及び最小Dutyを補正して電流検出時間を確保し、それ以外は最大Dutyを基準として中間Duty及び最小Dutyを補正するようにしているので、最大Dutyが100%となったときでも、電流検出に必要な時間を確保するためのDuty補正が可能となり、相電流検出が可能なDuty範囲を広くできることで、Dutyの制限を緩和してモータ出力特性を十分活用することができる利点がある。
上記特長を有するモータ制御装置を単一の電流検出器を設けることによって実現できるため、かかるモータ制御装置を電動パワーステアリング装置に搭載すれば、電動パワーステアリング装置のコンパクト化、軽量化、コストダウンを図ることができる。また、本発明のモータ制御装置を用いることで、実用されるDuty範囲において相電流の検出が可能となるため、電動パワーステアリング装置の制御を確実に安定して実施することができる。
一般的な電動パワーステアリング装置の構成例を示す図である。 従来の電動パワーステアリング装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 3相モータのモータ駆動回路の一例を示す結線図である。 単一の電流検出器を用いたインバータの構成例を示す結線図である。 インバータの動作例(A相ON)を説明するための図である。 インバータの動作例((A相+B相)ON)を説明するための図である。 電流検出周期及びDuty調整周期でのDuty補正方法を説明するための図である。 電流検出周期及びDuty調整周期でのDuty補正を行う装置の構成例を示すブロック図である。 電流検出周期及びDuty調整周期でのDuty補正方法の動作例を示すフローチャートである。 2相のDutyが均衡する場合のPWM波形(鋸波キャリア)の一例を示す波形図である。 3相のDutyが均衡し、各相Dutyの差が全て電流検出必要Duty量τ以内のPWM波形(鋸波キャリア)の一例を示す波形図である。 3相のDutyが均衡し、最大Dutyと中間Dutyの差のみが電流検出可能な場合のPWM波形(鋸波キャリア)の一例を示す波形図である。 Duty調整周期で調整可能な各相Duty指令値の範囲を示す図である。 キャリア波形の違いによるDuty調整周期で調整可能な各相Duty指令値の範囲を示す図である。 2相のDutyが均衡する場合のPWM波形(三角波キャリア)の一例を示す波形図である。
本発明は、電動パワーステアリング装置のコンパクト化、軽量化、コストダウンの項目の1つである電流検出器の単一化の要請を満たしながら、モータ制御装置のPWM制御インバータの相電流値を必要とする制御周期1回に対し、PWM周期がn回ある構成 (n>2)とし、n回のPWM周期中の1周期を電流検出周期とし、残りの(n−1)周期をDuty調整周期としてDuty演算(補正)する。本発明のモータ制御装置では、n回のPWM周期中に1回のDuty補正でよいため、ソフトウェア(CPU)負荷を軽減することができる。更にDutyを調整する周期を(n−1)周期と長く設定しているため、Duty調整周期1回に対し、加算する調整Duty量を1/(n−1)と小さくすることができ、モータ印加電圧への影響を抑制しつつ、相電流の検出が可能なDuty範囲を広くすることができる。例えば電流検出に必要な時間がDuty12%分とし、最大Dutyを100%、最小Dutyを0%、n=5とすると、2.4%≦中間Duty≦97.6%の範囲でモータ印加電圧への影響を抑制できると共に、相電流の検出が可能である。
また、電流検出周期において、各相Dutyの差分量が全て電流検出時間の確保に必要なDuty量よりも小さくなったときは中間Dutyを基準とし、最大Duty及び最小Dutyを補正して電流検出時間を確保し、それ以外は最大Dutyを基準として中間Duty及び最小Dutyを補正する機能を具備している。これにより、最大Dutyが100%となったときでも、電流検出に必要な時間を確保するためのDuty変更が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
先ず、単一の電流検出器が接続されたインバータの構成例を図4に示して説明する。この構成例では、A〜C相の3相モータ50がブリッジ構成の6個のFETでPWM制御され、ハイサイドFETには電源(バッテリ)51から電力が供給され、ブリッジ構成の電源出力側(接地側)に単一の電流検出器60が接続されている。この場合、電流検出器60に流れる電流、つまりモータ検出電流は各FETのON/OFF状態により異なる。図5は例として、A相ハイサイドFETがON(A相ローサイドFETはOFF)で、B相及びC相のハイサイドFETがいずれもOFF (B相及びC相ローサイドFETはON)の状態時の電流経路を示している。また、図6は、A相及びB相ハイサイドFETがいずれもON(A相及びB相ローサイドFETはOFF)で、C相ハイサイドFETがOFF(C相ローサイドFETはON)の状態時の電流経路を示している。これら図5及び図6から分かるように、ハイサイドFETがONしている相の合計値が電流検出器60に電流として現れる。これは、電流検出器60がインバータの電源入力側に接続されている場合も同様である。
以上のことより、1相ON状態のとき、及び2相ON状態のときに電流検出器60で電流を検出し、3相の電流和が0である特性を利用すると、3相の各相電流の検出が可能となる。図5の場合にはA相の電流Iを検出することになり、図6の場合にはA相の電流IとB相の電流Iの加算値が電流検出器60で検出されるが、I+I+I=0の関係があるので、C相の電流IがI=−(I+I)として検出されることになる。即ち、単一の電流検出器60による電流検出によっても、3相の電流和が0である特性を利用することにより、各相の電流を検出することができる。
しかしながら、各FETのON直後に電流検出器60に流れるリギングノイズ等のノイズ成分を除去しながら正確に電流検出するためには、一定の検出時間が必要となる。そのため、1相ONの状態、及び2相ONの状態を電流検出に必要な時間だけ継続する必要があるが、各相Dutyが均衡する場合、つまり各相Dutyが近似している場合はその時間を確保することができない。また、通常PWM周期は、サンプリング定理、モータ音の抑制のため、制御演算周期に対して短い周期に設定されるのが一般的である。相電流検出値を実際に用いるのは制御演算であるため、PWM周期のうち制御演算が開始される直前の周期の相電流値を検出できればよい。
そのため、本発明では、相電流値を必要とする制御周期1回に対してPWM周期がn (n>2)回ある構成とし、n回のPWM周期の内の1周期を電流検出周期とし、(n−1)周期をDuty調整周期とする。そして、電流検出周期では、1相ONの状態及び2相ONの状態となる時間が電流検出に必要な時間を確保できるように、各相Duty指令値に各相Duty補正値を加減算することで補正し、Duty調整周期では、電流検出周期において電流検出のために補正したDuty補正値分を(n−1)分割したDuty補正値を各相Duty指令値に減加算して補正する。このようにすることで、電流検出周期において、各相電流検出に必要な時間を確保して電流検出を行い、検出された電流値を制御演算に使用し、電流検出値の必要がないPWM周期においては電流検出のために補正したDuty分を補うことにより、与えたいDutyと、n回のPWM周期の平均Dutyとを一致させ、モータ印加電圧に影響を極力及ぼさずに相電流を検出できるようにしている。
また、n回のPWM周期の平均Dutyと、与えたいDutyとを一致させるための調整Duty量を(n−1)回に分割することで、Duty調整周期における1PWM周期でのDutyの補正量を少なくすることができる。このため、Duty補正量によるモータ電流への影響を最小限にでき、且つ調整におけるDutyの制約(0%≦(Duty指令値+Duty調整値)≦100%)に対して有利となり、電流検出が可能となるDuty領域を広くすることができる。
次に、電流検出周期及びDuty調整周期におけるDutyの変更(補正)方法を、図7を参照して説明する。
各相のDuty指令値において、Duty値が大きい順に最大Duty、中間Duty、最小Dutyを判定すると共に、電流検出が可能な領域であるかを判定し、電流検出が可能であるとき、電流検出周期の各相Duty
(検出用各相Duty)を算出する。
条件(1)では、最大Duty(MAX_Duty)と最小Duty(MIN_Duty)の差分量(MAX_Duty-MIN_Duty)が、電流検出に必要な時間を確保するために必要な電流検出必要Duty量τの2倍よりも小さくなり、且つ中間Duty(MID_Duty)が電流検出必要Duty量τより大きく、且つ(100%-τ)よりも小さくなる条件下では、中間Duty(MID_Duty)を基準として、最大Duty(MAX_Duty)及び最小Duty(MIN_Duty)を補正対象とする。即ち、条件(1)の場合には、最大Duty(MAX_Duty)は、中間Duty(MID_Duty)に電流検出必要Duty量τを加算した値(MID_Duty+τ)と、最大Duty(MAX_Duty)のどちらか大きい方を検出用最大Dutyとして選択し、最小Duty(MIN_Duty)は、中間Duty(MID_Duty)から電流検出必要Duty量τを減算した値(MID_Duty-τ)と、最小Duty(MID_Duty)のどちらか小さい方を電流検出周期の検出用最小Dutyとして選択する。
また、条件(2)では、上記条件(1)以外である場合、最大Duty(MAX_Duty)を基準として、中間Duty(MID_Duty)及び最小Duty(MIN_Duty)を補正対象とする。ただし、最大Duty(MAX_Duty)が電流検出必要Duty量τの2倍より小さくなったとき、最大Duty(MAX_Duty)を“2τ”に補正した値を検出用最大Dutyとし、これを基準とする。即ち、条件(2)では、検出用最大Duty(又は最大Duty(MAX_Duty))と中間Duty(MID_Duty)との差(検出用最大Duty(MAX_Duty)-MID_Duty)が電流検出必要Duty量τより小さいとき、中間Duty(MID_Duty)を(検出用最大Duty−τ)に補正し、中間Duty(MID_Duty)が電流検出必要Duty量τより小さいとき、中間Duty(MID_Duty)を電流検出必要Duty量τに補正して検出用中間Dutyとする。そして、検出用中間Dutyと最小Duty(MID_Duty)との差(検出用中間Duty-MID_Duty)が電流検出必要Duty量τより小さいとき、最小Duty(MIN_Duty)を(検出用中間Duty−τ)に補正して検出用最小Dutyとする。
一方、Duty調整周期における各相Duty指令値の算出は、次のように行う。即ち、算出された検出用各相Dutyと、基となる各相Duty指令値との差分を(n−1)分割した値を算出し、元の各相Duty指令値に加算して調整用各相Dutyとする。
なお、例外処理として、各Dutyが電流検出可能な領域の外である場合にはDutyの補正を行わず、電流検出が不可能な状態であることを示すフラグ等を立てて出力する。
次に、上記処理を実現する装置の構成例を図8に示し、そのソフトウェア動作例を図9のフローチャートに示して詳細に説明する。
全体の制御や演算処理等を行うCPU70を具備しており、CPU70には、電流制御値Eを入力して各相Duty指令値を演算するDuty演算部71と、最大Dutyや最大相等を判定するDuty判定部72と、条件(1)であるか又は条件(2)であるかを判定する条件判定部73と、各変更用Dutyを算出する各変更用Duty算出部74と、検出用最大Dutyを算出する検出用最大Duty算出部75と、検出用最小Dutyを算出する検出用最小Duty算出部76と、調整用各相Dutyを算出する調整用各相Duty算出部77とが接続されている。CPU70には更に、電流検出に必要な時間を確保するために必要な電流検出必要Duty量τをパラメータとして設定するτ設定部80と、検出用中間Dutyを算出する検出用中間Duty算出部81と、種々のデータの比較を行う比較部82と、電流検出周期とDuty調整周期を判定する電流検出周期/Duty調整周期判定部83と、補正や算出されたDutyを出力してゲート駆動部85に与えるDuty出力部84と、電流検出器60で検出された電流を入力する電流入力部61とが接続されている。
このような構成において動作がスタートすると、Duty演算部71は電流制御値Eに基づいて各相Duty指令値を演算して入力し、Duty判定部72は最大Duty、中間Duty、最小Dutyを判定すると共に、最大相及び最小相を判定する(ステップS10)。そして、条件判定部73は各相Duty指令値の関係が前記条件(1)を満たすか否か、つまり最大Duty(MAX_Duty)と最小Duty(MIN_Duty)の差分量(MAX_Duty-MIN_Duty)が、τ設定部80に設定されている電流検出必要Duty量τの2倍より小さく、且つ中間Duty(MID_Duty)が電流検出必要Duty量τより大きく、且つ(100%−τ)よりも小さくなっているかの条件(1)を判定する(ステップS11)。
上記ステップS11において、条件判定部73が条件(1)が満たされると判定した場合には、各変更用Duty算出部74は最大Duty下限値、最小Duty上限値、(中間Duty+τ)、(中間Duty−τ)を算出して求め(ステップS12)、Duty判定部72で判定された最大Duty相においては、検出用最大Duty算出部75が最大Dutyを最大Duty下限値でリミットして検出用最大Dutyとして算出し(ステップS13)、中間Duty相においては補正なしで検出用中間Dutyとし(ステップS14)、最小Duty相においては、検出用最小Duty算出部76が最小Dutyを最大Duty下限値でリミットして検出用最小Dutyとする(ステップS15)。
その後、調整用各相Duty算出部77は、上述で求められた検出用最大Duty、検出用中間Duty、検出用最小Dutyを用いて下記数1に従って調整用各相Dutyを算出する(ステップS16)。
(数1)
調整用各相Duty=各相Duty+(各相Duty−検出用各相Duty)/(n−1)

そして、電流検出周期/Duty調整周期判定部83で判定された電流検出周期において、検出用各相DutyをDuty出力部84にセットし(ステップS17)、電流検出周期/Duty調整周期判定部83で判定されたDuty調整周期において、調整用各相DutyをDuty出力部84にセットして終了する(ステップS18)。
一方、上記ステップS11において、条件判定部73により条件(1)を満たさないと判定された場合には、最大Duty相においては、比較部82により最大Dutyが“2τ”よりも小さいか否かを判定し(ステップS20)、最大Dutyが“2τ”よりも小さいときは検出用最大Dutyを“2τ”とし(ステップS21)、最大Dutyが“2τ”以上のときは補正しないで最大Dutyをそのまま検出用最大Dutyとする(ステップS22)。比較部82は更に、検出用最大Dutyと中間Dutyとの差(検出用最大Duty−中間Duty)が電流検出必要Duty量τよりも小さいか否かを判定し(ステップS23)、差(検出用最大Duty−中間Duty)が電流検出必要Duty量τよりも小さい場合には、検出用中間Duty算出部81が下記数2に従って検出用中間Dutyを算出する(ステップS24)。
(数2)
検出用中間Duty=検出用最大Duty−τ

また、差(検出用最大Duty−中間Duty)が電流検出必要Duty量τ以上の場合には、検出用中間Duty算出部81は補正しないで検出用最大Dutyをそのまま検出用中間Dutyとして出力する(ステップS25)。
更に、上記ステップS11において条件(1)を満たさないと判定された場合の中間Duty相においては、比較部82は中間Dutyが電流検出必要Duty量τよりも小さいか否かを判定し(ステップS26)、中間Dutyが電流検出必要Duty量τ以上のときは前記ステップS23に進む。また、中間Dutyが電流検出必要Duty量τよりも小さいときは、検出用中間Duty算出部81は検出用中間Dutyを“τ”とし(ステップS27)、比較部82は求められた検出用中間Dutyと最小Dutyとの差(検出用中間Duty−最小Duty)が電流検出必要Duty量τよりも小さいか否かを判定し(ステップS30)、差(検出用中間Duty−最小Duty)が電流検出必要Duty量τよりも小さいときは、検出用最小Duty算出部81が下記数3に従って検出用最小Dutyを算出し(ステップS31)、上記ステップS16に進む。
(数3)
検出用最小Duty=検出用中間Duty−τ

また、差(検出用中間Duty−最小Duty)が電流検出必要Duty量τ以上のときは、補正なしで(ステップS32)、そのまま上記ステップS16に進む。
前述したように、各相電流が検出可能な状態とするには、1相ON状態及び2相ON状態がそれぞれ電流検出必要時間を確保するために必要な電流検出必要Duty量τだけ確保されていなければならない。つまり、各相Dutyのうち最大Duty及び最小Dutyの差は少なくとも“2τ”以上必要である。条件(1)では、最大Dutyと最小Dutyとの差が“2τ”よりも小さくなったときに中間Dutyを基準とし、最大Dutyと中間Dutyの差、及び中間Dutyと最小Dutyとの差を電流検出必要Duty量τ以上確保するようにしてDutyを算出し、最大Duty及び最小Dutyの補正が必要かを判断して検出用各相Dutyとしている。このため、必要最小限の相のみを補正することができ、且つその補正量が最大でも電流検出必要Duty量τと補正量を必要最小限とすることができ、その影響度を最小化することができる。
また、条件(1)以外であるときは、中間Dutyから電流検出必要Duty量τを加減算した値が0%又は100%を超えてしまうため検出用Dutyを算出することができない。条件(2)はこの条件時にも検出用各相Dutyを算出可能とするものである。最大Dutyは最低限2回分の電流検出時間だけONしておく必要があるため、先ず最大Dutyを“2τ”以上確保するよう検出用最大Dutyを算出する。次に、1相ON状態が最低1回分の電流検出時間だけON状態となるようにするため、検出用最大Dutyとの差分が電流検出必要Duty量τ以上となるように検出用中間Dutyを算出する。また、中間Dutyは最低限1回分の電流検出時間だけONしておく必要があるため、中間Dutyが電流検出必要Duty量τ以下である場合は電流検出必要Duty量τを検出用中間Dutyとして設定する。なお、検出用最大Dutyは最低でも2τが確保されているため、検出用中間Dutyがτ以下となることはない。また、2相ON状態が最低1回分の電流検出時間だけON状態となるようにするため、検出用中間Dutyとの差分が電流検出必要Duty量τ以上となるように検出用最小Dutyを算出する。なお、検出用中間Dutyは最低でも電流検出必要Duty量τが確保されているため、算出された検出用最小Dutyが0%以下となることはない。
次に、本発明を適用したときの具体的な数値例とそのときのPWM波形例を、キャリアを鋸波として下記の例1〜例3に示して説明する。例1〜例3のPWM波形の例はそれぞれ図10〜図12に示されている。なお、本例では簡単化のためA相を最大Duty相、B相を中間Duty相、C相を最小Duty相とし、n=5回、τ=12%であるときを示している。
(a)例1:2相のDutyが均衡するとき(図10参照)
A相Duty:85% −−− 補正なし (検出用、調整用共に85%)
B相Duty:84% −−− 検出用Duty:73% (補正量:11%)
−−− 調整用Duty:86.75% (補正量:11/(5-1)=2.75%)
C相Duty:19% −−− 補正なし (検出用、調整用共に19%)
(b)例2:3相のDutyが均衡し、各相Dutyの差が全てτ以内 (図11参照)
A相Duty:51% −−− 検出用Duty:62% (補正量:11%)
−−− 調整用Duty:51.5% (補正量:11/(5-1)=2.75%)
B相Duty:50% −−− 補正なし (検出用、調整用共に50%)
C相Duty:49% −−− 検出用Duty:38% (補正量:11%)
−−− 調整用Duty:51.75% (補正量:11/(5-1)=2.75%)
(c)例3:3相Dutyが均衡し、最大Dutyと中間Dutyの差のみが電流検出
(図12参照)
A相Duty:54% −−−検出用Duty:64% (補正量:10%)
−−−調整用Duty:51.5% (補正量:10/(5-1)=2.5%)
B相Duty:52% −−−補正なし (検出用、調整用共に52%)
C相Duty:39% −−−補正なし (検出用、調整用共に39%)

ところで、本発明においても、相電流検出を行うために変更したDutyをDuty調整周期に調整できない場合がある。具体的には、Duty調整周期において調整用Dutyが0%未満の場合と100%を超える場合であり、数値例で表すと以下のようになる。
(d)例4:各相Duty指令値がDuty調整可能範囲外であるとき
A相Duty:100% −−−補正なし 検出用、調整用共に100%)
B相Duty:98% −−−検出用Duty:88% (補正量:10%)
−−−調整用Duty:100.5% (補正量:10/(5-1)=2.5%)
C相Duty:2% −−−補正なし (検出用、調整用共に2%)

この場合、意図する調整用Dutyをインバータで生成できないため、与えたいDutyとn回平均Dutyが一致するようにすることができなくなってしまい、トルクリップルの発生や作動音性能の劣化が懸念される。ただし、トルクリップルや作動音性能の劣化が、本内容を適用するシステムとして大きな影響度ではないとき、例えば調整用Dutyを0%〜100%でリミット処理し、可能な限りDutyを調整する方法としても良い。
なお、Duty調整周期において必要な調整用Dutyを出力できる各相Duty指令値の範囲は、図13のようになる。
次に、本発明の別の実施形態を説明する。
上記実施の形態では、キャリア波形を鋸波としているが、キャリア波形が三角波であっても同様の手法で相電流検出は可能である。この場合、電流検出に必要な検出時間を確保するために必要な電流検出必要Duty量τを鋸波の場合の2倍に設定すればよい。ただし、電流検出必要Duty量τが2倍となる分、電流検出周期及びDuty調整周期におけるDutyの変更量が増加し、Duty調整周期に調整可能となる各相Duty指令値の範囲が狭まることになる。図14はそのことを示しており、最大Duty指令値は鋸波の場合には100〜4.8%の範囲であるのに対して三角波の場合には100〜9.6%と狭くなっており、中間Duty指令値は鋸波の場合には97.6〜2.4%の範囲であるのに対して三角波の場合には95.2〜4.8%と狭くなっており、最小Duty指令値は鋸波の場合には95.2〜0%の範囲であるのに対して三角波の場合には90.4〜0%と狭くなっている。
以下に三角波キャリアに変更した場合の具体的な数値例を、例5として示す。電流検出必要Duty量τは、三角波キャリアの場合の2倍の24%となる。
(e)例5:2相のDutyが均衡するとき (図15参照)
A相Duty:85% −−−補正なし (検出用、調整用共に85%)
B相Duty:84% −−−検出用Duty:61% (補正量:23%)
−−−調整用Duty:89.75% (補正量:23/(5-1)=5.75%)
C相Duty:19% −−−補正なし (検出用、調整用共に19%)
1 ハンドル
2 コラム軸
3 減速ギア
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
30 コントロールユニット
37 モータ駆動回路
50 3相モータ
51 電源(バッテリ)
60 電流検出器
61 電流入力部
70 CPU
71 Duty演算部
72 Duty判定部
73 条件判定部
74 各変更用Duty算出部
75 検出用最大Duty算出部
76 検出用最小Duty算出部
77 調整用各相Duty算出部
80 τ設定部
81 検出用中間Duty算出部
82 比較部
83 電流検出周期/Duty調整周期判定部
84 Duty出力部
85 ゲート駆動部

Claims (4)

  1. 制御演算によりモータの電流を制御するための各相Duty指令値を算出し、前記各相Duty指令値に応じたPWM波形を形成し、前記PWM波形に基づいてインバータにより前記モータを駆動するモータ制御装置において、
    前記インバータの電源入力側又は電源出力側に単一の電流検出器を接続し、相電流値を必要とする制御周期1回に対してPWM周期がn(>2)回ある構成であり、前記PWM周期n回中の1回を電流検出周期とすると共に、(n−1)回をDuty調整周期とし、
    前記各相Duty指令値の最大Duty、中間Duty、最小Dutyを判定する機能と、
    前記電流検出周期では、前記最大Duty又は前記中間Dutyを基準Dutyとして、1相ON時間及び2相ON時間が電流検出に必要な時間となるように前記各相Duty指令値を変更して検出用各相Duty指令値とし、前記Duty調整周期では、n回平均DutyがDuty指令値と一致するように、前記電流検出周期に変更した各相Dutyの増減分を1/(n−1)した値を前記各相Duty指令値に加算して調整用各相Duty指令値とする機能とを具備したことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記検出用各相Duty指令値の演算時に設定する前記基準Dutyは、前記最大Dutyと前記最小Dutyの差分が、電流検出必要Duty量τの2倍より小さく、且つ前記中間Dutyが前記電流検出必要Duty量τより大きく、(100%−τ)より小さくなる条件下においては、前記中間Dutyを基準とし、それ以外では前記最大Dutyを基準とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 基準とする前記最大Dutyが前記電流検出必要Duty量τの2倍より小さい場合には、前記最大Dutyを2τとして前記検出用最大Dutyとし、前記検出用最大Dutyを基準Dutyとして他相の検出用Dutyを演算する請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載のモータ制御装置を搭載したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2009266389A 2009-11-24 2009-11-24 モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置 Active JP5392025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266389A JP5392025B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266389A JP5392025B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011114883A true JP2011114883A (ja) 2011-06-09
JP5392025B2 JP5392025B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=44236836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009266389A Active JP5392025B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5392025B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013038753A1 (ja) * 2011-09-12 2013-03-21 日本精工株式会社 モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2014099997A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Fuji Electric Co Ltd 3相pwmインバータ装置及びそれを用いた電動機制御装置
CN103986402A (zh) * 2013-02-13 2014-08-13 株式会社东芝 电动机控制装置
CN114825892A (zh) * 2022-05-27 2022-07-29 杭州晶丰明源半导体有限公司 最小导通时间电路、控制器、电路系统和电流检测方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10155278A (ja) * 1996-07-30 1998-06-09 Texas Instr Inc <Ti> インバータ制御方法および装置
JP2009131065A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Omron Corp 多相電動機の制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10155278A (ja) * 1996-07-30 1998-06-09 Texas Instr Inc <Ti> インバータ制御方法および装置
JP2009131065A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Omron Corp 多相電動機の制御装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013038753A1 (ja) * 2011-09-12 2013-03-21 日本精工株式会社 モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2013062913A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Nsk Ltd モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
CN103155401A (zh) * 2011-09-12 2013-06-12 日本精工株式会社 电动机控制装置及电动助力转向装置
US8725357B2 (en) 2011-09-12 2014-05-13 Nsk Ltd. Motor control apparatus and electric power steering apparatus
JP2014099997A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Fuji Electric Co Ltd 3相pwmインバータ装置及びそれを用いた電動機制御装置
CN103986402A (zh) * 2013-02-13 2014-08-13 株式会社东芝 电动机控制装置
CN114825892A (zh) * 2022-05-27 2022-07-29 杭州晶丰明源半导体有限公司 最小导通时间电路、控制器、电路系统和电流检测方法
CN114825892B (zh) * 2022-05-27 2023-08-11 杭州晶丰明源半导体有限公司 最小导通时间电路、控制器、电路系统和电流检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5392025B2 (ja) 2014-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5402948B2 (ja) モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置
US9050996B2 (en) Control device for electric power steering apparatus
CN109463039B (zh) 电动助力转向装置
CN104871425B (zh) 多相电动机控制装置及使用该多相电动机控制装置的电动助力转向装置
CN110199468B (zh) 电动助力转向装置
US7345442B2 (en) Device for controlling electric-motor power steering device
CN109792223B (zh) 电动助力转向装置
CN109562780B (zh) 电动助力转向装置
CN109496393B (zh) 电动助力转向装置
US9660565B2 (en) Controller for controlling a motor
JP4984472B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
CN103155401A (zh) 电动机控制装置及电动助力转向装置
JP5392025B2 (ja) モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置
JP4617895B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP5406226B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US20060113938A1 (en) Power steering control device and method thereof
JP4742797B2 (ja) モータ駆動制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置の制御装置
JP6624357B2 (ja) モータ制御装置、モータ制御方法および電動パワーステアリング装置
JP4967767B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2006111062A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2009027819A (ja) モータ駆動制御装置及び電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5392025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150