JP2009164023A - リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2009164023A
JP2009164023A JP2008001855A JP2008001855A JP2009164023A JP 2009164023 A JP2009164023 A JP 2009164023A JP 2008001855 A JP2008001855 A JP 2008001855A JP 2008001855 A JP2008001855 A JP 2008001855A JP 2009164023 A JP2009164023 A JP 2009164023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
ion secondary
manganese oxide
secondary battery
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008001855A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Miyayama
勝 宮山
Shinya Suzuki
真也 鈴木
Tsutomu Nakamura
中村  勉
Kazukimi Igarashi
一公 五十嵐
Masahito Shirakata
雅人 白方
Takehiro Noguchi
健宏 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
University of Tokyo NUC
Eneos Corp
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Nippon Oil Corp
NEC Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC, Nippon Oil Corp, NEC Tokin Corp filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2008001855A priority Critical patent/JP2009164023A/ja
Publication of JP2009164023A publication Critical patent/JP2009164023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】高速での充放電が可能でかつ高容量のリチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】層状結晶構造のマンガン酸化物10によりマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体12が形成されている。このマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体12を、多孔質炭素14の孔の中に担持し、複合体16を構成する。以上のようにして得た複合体16は、例えば薄膜型のリチウムイオン二次電池18の電極活物質として使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法および前期活物質を使用したリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、小型で大容量であるという特長を有しており、携帯電話、ノート型パソコン等の電源として広く用いられている。ここで、リチウムイオン二次電池とは、正極及び負極のそれぞれに、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な活物質を存在させ、電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する電池である。負極活物質としては、炭素材料等のようにリチウムイオンを吸蔵放出する材料のほか、Li,Al,SiなどのLiと合金を形成する金属材料を使用することもできる。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、従来よりLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの層状構造の物質、LiMnなどのスピネル材料、LiFePOなどのオリビン型の材料等が使用されてきた。これらの活物質材料は、導電材料と混合し、バインダによって集電体と結着されて電池の電極として使用される。近年、リチウムイオン二次電池には、充電時間の低減や放電時の出力を高めることを目的としたハイレート(高速充放電)動作可能な電池が要請されている。このため、導電材料の比率を高めたり、導電材料との結着性を高めることによってハイレート特性の向上がなされてきた。
しかし、充電時間の低減などの要求はさらに高くなっており、ハイレート特性のより一層の向上が要請されている。このために、導電材料との電気的接触を高めることでハイレート特性の改善が図られてきた。特に、導電材料としての炭素材料との電気的接触を高める技術が開発されてきた。
例えば、下記特許文献1には、金属酸化物表面にポーラスな炭素の被膜を形成する技術が示されている。また、特許文献2には、金属酸化物表面に炭素を被覆する技術が示されている。また、特許文献3には、活物質表面への炭素材料の表面被覆の例が示されている。さらに、特許文献4には、活物質としてLiFePOを使用し、炭素材料との複合化の例が示されている。
特許第3601124号公報 特開2003−272632号公報 特開2001−15111号公報 特開2003−34534号公報
しかし、ハイレート特性の要求は非常に高く、上記従来の技術によっては、ハイレート特性を要求レベルまで向上させることが困難であるという問題があり、更なる改善が必要であった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速での充放電が可能でかつ高容量のリチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用活物質の発明は、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体からなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用活物質であって、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体が、多孔質炭素の孔中に担持された構造であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のリチウムイオン二次電池用活物質であって、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体において、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体が全体の10重量%から80重量%であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質であって、化学式がLiMn1−z(A:Na,K,Ca,Mg,Alを含む1〜3価の金属イオン、B:Co,Ni,Alを含む2〜4価の金属イオン、0≦x≦1、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5)で表わされるマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体を用いることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質であって、孔径が50〜10000nm、比表面積が1〜100m/gである多孔質炭素を用いることを特徴とする。
請求項6記載のリチウムイオン二次電池用活物質の製造方法の発明は、マンガン酸化物と、テトラブチルアンモニウム溶液、テトラメチルアンモニウム溶液、テトラエチルアンモニウム溶液の少なくとも1種の溶液とを混合し、マンガン酸化物を層剥離させることによって得られるマンガン酸化物ナノシート懸濁液を、請求項5記載の多孔質炭素に含浸、担持、乾燥させることを特徴とする。
請求項7記載のリチウムイオン二次電池の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質を含む電極を用いることを特徴とする。
請求項8記載のリチウムイオン二次電池の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質を含む電極を用い、厚さ1mm以下のシート形状であることを特徴とする。
請求項1から請求項5の発明によれば、高速での充放電が可能でかつ高容量のリチウムイオン二次電池用活物質を提供できる。
請求項6の発明によれば、高速での充放電が可能でかつ高容量のリチウムイオン二次電池用活物質の製造方法を提供できる。
請求項7の発明によれば、高速での充放電が可能でかつ高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。
請求項8の発明によれば、リチウムイオン二次電池を使用する装置の小型化を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について説明する。
本発明にかかるリチウムイオン二次電池用活物質は、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体から構成され、リチウムイオン二次電池の高速充放電(ハイレート動作)及び高容量を実現した。
本発明におけるマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体の一実施形態では、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体が多孔質炭素の孔中に担持された構造となっている。上記マンガン酸化物ナノシートは、層状結晶構造を有するマンガン酸化物を層剥離させたものであり、厚さが1〜10nm、縦横の長さが10〜2000nmのシート状構造物である。また、上記再積層体は、マンガン酸化物ナノシートが複数枚、例えば2〜10枚積層したものである。さらに、本実施形態にかかる複合体では、マンガン酸化物ナノシートは縦横の長さが200nm以下のものが好ましく、ナノシートまたはその再積層体が全体の10質量%から80質量%とするのが上記の構造を形成するために適している。
図1には、マンガン酸化物ナノシートと多孔質炭素との複合体及びこれを使用したリチウムイオン二次電池の構造概念図が示される。図1において、層状結晶構造のマンガン酸化物10によりマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体12が形成されている。このマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体12を、多孔質炭素14の孔の中に担持し、複合体16を構成する。以上のようにして得た複合体16は、例えば薄膜型のリチウムイオン二次電池18の電極活物質として使用される。
ここで、上記マンガン酸化物ナノシートを構成するマンガン酸化物は、例えば以下のような化学式で表される。
LiMn1−z(A:Na,K,Ca,Mg,Alを含む1〜3価の金属イオン、B:Co,Ni,Alを含む2〜4価の金属イオン、0≦x≦1、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5)
上記多孔質炭素は、炭素壁が連続して繋がって多数の孔が形成された構造を有する多孔体であり、孔径を50〜10000nm、比表面積を1〜100m/gとするのが好適である。
本実施形態においては、活物質として厚さが薄い(1〜10nm)上記マンガン酸化物ナノシート及びその再積層体を使用することにより、活物質中におけるリチウムイオンの移動時間を短縮化できる。これにより、充放電に必要な時間を短縮することができる。また、マンガン酸化物ナノシートを担持する多孔質炭素の比表面積が1〜100m/gと大きく、かつ孔径も50〜10000nmと大きいので電解液がしみ込みやすく、マンガン酸化物ナノシートが担持された孔中をリチウムイオンが移動しやすい。これによって、活物質に達するリチウムイオン量を増大させることができる。さらに、多孔質炭素は、高い電子伝導性を有しており、活物質中にリチウムイオンが挿入脱離することにより生じる電荷を速やかに取り出すことができる。以上より、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体を活物質として含む電極を使用すれば、高速充放電が可能で高容量のリチウムイオン二次電池を実現できる。この場合、リチウムイオン二次電池を厚さ1mm以下のシート形状に形成すれば、リチウムイオン二次電池を使用する装置の小型化を図る上で有効である。
さらに、マンガン酸化物は、現在リチウムイオン二次電池用の活物質として多用されているコバルト酸リチウムよりも安価であるため、低コストの電池とできる。また、ナノシート懸濁液からの正極の作製が100℃以下の低温で可能であるため、プラスチック基板上に薄膜電池を形成することができる。このため、ICカードにICチップとともに一体形成して組み込むことができ、より多様な演算処理や電波信号の発信が可能となる。この結果、携帯型情報通信、記録素子等の薄膜電池として利用することができる。
以上に述べた本発明の実施例を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)マンガン酸カリウムの合成例
本実施例においては、マンガン酸化物ナノシートの原料として、層状構造のバーネサイト型結晶構造をもつマンガン酸カリウムを以下に述べる2種類の方法にて合成した。なお、本発明では、これらいずれの方法により合成したマンガン酸カリウムも使用することができる。
(a)合成例1
炭酸カリウムと酸化マンガン(III)を化学量論比で量り取り、エタノールと窒化ケイ素ボールを加え、遊星ボールミルを用いて200rpmの回転数で1時間湿式混合を行った。その後、エタノールと窒化ケイ素ボールを取り除き、50ml/分の酸素気流中で800℃、24時間熱処理を行い、マンガン酸カリウムを得た。
(b)合成例2
過マンガン酸カリウム(KMnO)3.95g(0.025mol)と水酸化カリウム(KOH)1.40g(0.025 mol)とを純水100mlに溶解させた。その水溶液にフマル酸(C)0.967g(0.00833=0.025/3mol)を加え、激しく攪拌を行った。生成したゲルを100℃で24時間乾燥させ、さらに600℃で10時間焼成した。得られた粉末を純水で洗浄して水溶性の不純物を取り除き、マンガン酸カリウムを得た。
(2)マンガン酸カリウムのプロトン置換
上記(1)の(a)または(b)で合成したマンガン酸カリウムは、酸化マンガン層の間にカリウムイオンが存在する構造となっている。そこで、酸化マンガンの層間に存在するカリウムイオンがプロトンで置換されたプロトン置換体とするため、マンガン酸カリウム1gに対して1M(mol/l)の塩酸を100ml用いて72時間イオン交換を行った。なお、塩酸は24時間ごとに新しいものと交換した。
(3)マンガン酸化物ナノシートの合成例
一般に、プロトン置換体に水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液または水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液を作用させると、酸化マンガンの層間に水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウムまたは水酸化テトラエチルアンモニウムが浸透し、層間距離が大きくなって酸化マンガンの層が剥離し、マンガン酸化物ナノシートとなる。そこで、本実施例では、以下に述べる2種類の方法にてマンガン酸化物ナノシート懸濁液を合成した。なお、本発明では、これらいずれの方法により合成したマンガン酸化物ナノシートも使用することができる。
(a)マンガン酸化物ナノシートの合成例1
上記(2)で得たプロトン置換体1gあたり0.5重量%の水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液250mlを加え、分液ろうとに入れ、5日間振とうした。10000rpmの回転数で10分間遠心分離を行い、上澄みの褐色の液体を回収し、マンガン酸化物ナノシート懸濁液を得た。
(b)マンガン酸化物ナノシートの合成例2
上記(2)で得たプロトン置換体2.3gを0.40mol/lの水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液50ml中に入れ、3時間超音波処理を行った。その後、5000rpmの回転数で30分間遠心分離を行い、比較的大きな粒子や未反応成分を沈殿させ、上澄みとしてマンガン酸化物ナノシート懸濁液を得た。得られたマンガン酸化物ナノシート懸濁液について、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により求めた濃度は、28g−MnO/lであった。
(4)多孔質炭素の合成例
多孔質カーボンの合成は、特開昭64−009808号に準拠し、以下の手順により行う。まず、石油系生コークス(炭素質材料)を硝酸硫酸混合液(硫酸95重量%以上、硝酸60重量%以上が好適である)により80℃で4時間処理した後、pH10以上の水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液により可溶化する可溶化工程を行う。次に、可溶化した炭素質材料を塩酸水溶液等によりpH2以下に調整し、炭素成分を析出させる析出工程を行う。さらに、析出工程で析出した炭素成分を300〜500℃で熱処理して発泡体を生成した後、2600℃の温度で30分間焼成し、黒鉛化する黒鉛化工程を行ことにより多孔質炭素を得る。得られた多孔質炭素はBET法による比表面積が5m/g〜50m/g、水銀ポロシメータによる平均ピーク細孔径が200nm〜700nmの物性を有していた。
さらに、この多孔質炭素を遊星ボールミルにて200rpmの回転数で1時間粉砕し、粉砕後の多孔質炭素1.0gを、98重量%濃硫酸と60重量%濃硝酸を体積比3:1で混ぜ合わせた混酸200ml中に入れ、1時間超音波処理により洗浄し、親水化を行った。
(5)複合体活物質の作製
上記工程により得られたマンガン酸化物ナノシート懸濁液と多孔質炭素とを使用して、以下に述べる2種類の方法にてマンガン酸化物ナノシートを多孔質炭素の孔中に担持させ、複合体活物質を作製した。なお、本発明では、これらいずれの方法により作製した複合体活物質も使用することができる。
(a)複合体活物質の作製例1
親水化処理を行った多孔質炭素を2.5g/l、pH9に調製したポリエチレンイミン(PEI)水溶液に入れて、30分間超音波処理を行った。その後、濾過・乾燥をした多孔質炭素50mgを、1g−MnO/l、pH9に調製したマンガン酸化物ナノシート懸濁液約50ml中にいれ、ハイブリッドミキサーで2000rpmの回転数で20分間混合を行った後、5000rpmの回転数で20分間遠心分離を行い、遊離しているナノシートを取り除いた。遠心分離後の沈殿を純水で洗浄し、乾燥させたものを複合体活物質とした。さらに、上記ポリエチレンイミン水溶液処理およびマンガン酸化物ナノシートの担持を繰り返すことにより、マンガン酸化物ナノシートの担持量を調節した。
(b)複合体活物質の作製例2
親水化処理を行った多孔質炭素500mgに、28g−MnO/lのマンガン酸化物ナノシート懸濁液1mlを加え、乳鉢で混合した後50℃で減圧乾燥を30分間行った。得られた粉末に再びマンガン酸化物ナノシート懸濁液を1ml加えて乾燥させるという操作を繰り返して、マンガン酸化物ナノシートの担持量を調節した。その後0.1mol/l塩酸でイオン交換を行い、テトラメチルアンモニウムイオンを洗い流し、50℃で1時間乾燥させて複合体活物質を得た。
(6)充放電特性試験
上記各実施例及び比較例の複合体活物質について、以下の通りの手順で充放電特性試験を行った。
複合体活物質11mgとポリテトラフルオロエチレン1mgとをめのう乳鉢で混合し、Niメッシュに圧着し、200℃で2時間熱処理したものを作用極(正極)とし、対極(負極)・参照極に金属リチウム、電解質に1M過塩素酸リチウム/炭酸プロピレン溶液を用いた三電極セルを作製した。このセルを用いて、電位範囲2.5−4.3V、電流密度50mA/g〜2000mA/gでの定電流充放電特性試験を行った。
(7)評価結果
図2(a)、(b)には、上記(5)複合体活物質の作製工程で作製した複合体活物質の電子顕微鏡写真が示される。図2(a)が多孔質炭素であり、図2(b)が多孔質炭素に担持量55重量%でマンガン酸化物ナノシートを担持させた複合体活物質である。図2(a)に示された多孔質炭素の表面状態に比べて、図2(b)に示された複合体活物質では壁厚が増して壁表面がざらついた状態になっており、マンガン酸化物ナノシートが表面に担持されていることを示している。
図3には、上記(6)の工程で作製した正極(作用極)の電気化学サイクリックボルタンメトリー(走査速度1mV/g)試験を行って得られたサイクリックボルタモグラムが示される。図3において、横軸が印加した電位であり、縦軸が応答電流の電流密度である。
図3のサイクリックボルタモグラムでは、約3V付近にリチウムイオンの挿入脱離に伴う、マンガンの3価と4価の間での酸化還元に起因する電流ピークが見られ、マンガン酸化物が電極活物質として作用していることを示している。
図4には、上記(6)の工程で作製した三電極セルを用いて行った充放電特性試験を行って得られた充放電曲線が示される。図4において、横軸が正極(作用極)の容量であり、放電電流値と放電時間との積である。また、縦軸が作用極の電位である。
図4の例では、上述した複合体活物質の作製例1により作成した複合体活物質を正極に使用しており、マンガン酸化物ナノシートを17重量%含む電極A(実線で示す)、及びマンガン酸化物ナノシートを45重量%含む電極B(破線で示す)の充放電曲線(電流密度50mA/g、電位範囲2.5−4.3V)が示されている。マンガン酸化物の担持量が異なる正極においても、マンガン酸化物単位重量当たりの容量は160〜175mAh/gの範囲にあり、大きな差は見られなかった。また、この容量はマンガン酸リチウムスピネルを正極に使用した場合の容量(約110mAh/g)よりも大きい。以上より、マンガン酸化物複合比を大きくするほど、正極の単位重量当たりの容量を高めることができることがわかる。
表1には、各種電極を正極として使用した場合の放電容量(マンガン酸化物単位重量当たり)の放電電流密度依存性の測定結果が示される。表1では、正極(1)が図4に示された電極Aであり、正極(2)が電極Bである。また、正極(3)〜(5)は比較例であり、正極(3)(比較例1)はマンガン酸化物ナノシートを再積層させた再積層体とアセチレンブラック等のカーボン粒子(直径約50nm)とを、再積層体が約45重量%となるように混合したものである。正極(4)(比較例2)は、炭酸リチウムと酸化マンガンとを混合し、焼成後粉砕して得られたバーネサイト型結晶構造をもつマンガン酸リチウムとアセチレンブラック等のカーボン粒子と混合したものである。この場合もマンガン酸リチウムが約45重量%となるように調整されている。正極(5)(比較例3)は、ゾルゲル法により250℃で低温合成したマンガン酸リチウムスピネルとアセチレンブラック等のカーボン粒子とを混合したものである。この場合もマンガン酸リチウムスピネルが約45重量%となるように調整されている。
Figure 2009164023
一般に、リチウムイオン二次電池用の電極は、放電電流密度が大きくなると容量が減少する。マンガン酸化物担持量が少ない本実施例にかかる電極Aは、放電電流密度2000mA/gでの大電流による放電においても138mAh/gの大きな容量を維持していた。この容量は、低電流密度(50mA/g)時の86%に相当する。放電電流密度2000mA/gでの放電では、約290秒の短時間で放電が完了した。マンガン酸化物担持量が大きい本実施例にかかる電極Bでは、放電電流密度2000mA/gでの放電においても105mAh/gの容量を維持した。ナノシート状態で多孔質炭素との複合化を行わず、ナノシートのみの再積層体とカーボン粒子を混合した正極(3)(比較例1)では、高電流密度で著しい容量低下を生じた。また、ナノシート化していないマンガン酸化物粒子と炭素粒子を混合した正極(4)(比較例2)も、高電流密度で容量が低下した。さらに、マンガン酸リチウムスピネルと炭素粒子を混合した正極(5)(比較例3)では、高電流密度での容量低下は著しくはないが、測定した低電流密度から高電流密度において小さい容量を示した。このように、マンガン酸化物ナノシートと多孔質炭素の複合化電極は、大電流による充放電であっても大きな容量を維持し、短時間での充放電が可能であることが分かる。
(8)ナトリウムイオンドープ複合体活物質の作製
以下の手順によりナトリウムイオンでドープした複合体活物質を作製し、ナトリウムイオンによるドープの効果を確認した。まず、マンガン酸化物ナノシート懸濁液100mlを、100mlの1M(mol/l)水酸化リチウム/水酸化ナトリウム混合水溶液にゆっくり滴下した。直ちに褐色の羽毛状の凝集体が生じ、半日程度静置したのち、15000rpmの回転数で5分間遠心分離することで沈殿を分離し、純水で洗浄後、60℃で半日乾燥させ、ナトリウムイオンドープマンガン酸化物ナノシート再積層体(複合体活物質)を得た。
マンガン酸化物ナノシート懸濁液に、水酸化リチウムや水酸化ナトリウムの水溶液を混合すると、ナノシートの層間にリチウムイオンまたはナトリウムイオンが介在して複数(例えば2〜3枚)のナノシートが積層した再積層体が生じる。この再積層体を用いてリチウムイオン二次電池を構成した場合、水酸化リチウム水溶液のみを用いて作製した再積層体では、リチウムイオン二次電池の初期の容量は大きいが、充放電の繰り返しにより容量が次第に減少する。一方、ナトリウムイオンを10%含む水酸化リチウム/水酸化ナトリウム混合水溶液を用いると、30回の充放電繰り返し後の容量減少が、水酸化リチウム水溶液のみを用いた場合の容量減少の60%に低下した。このような組成制御により、充放電繰り返しによるリチウムイオン二次電池の劣化耐性を向上できることがわかった。
マンガン酸化物ナノシートと多孔質炭素との複合体及びこれを使用したリチウムイオン二次電池の構造概念図である。 複合体活物質の電子顕微鏡写真を示す図である。 電気化学サイクリックボルタンメトリー試験を行って得られた正極のサイクリックボルタモグラムを示す図である。 充放電特性試験を行って得られた充放電曲線を示す図である。
符号の説明
10 層状構造のマンガン酸化物、12 マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体、14 多孔質炭素、16 複合体、18 リチウムイオン二次電池。

Claims (8)

  1. マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用活物質。
  2. マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体が、多孔質炭素の孔中に担持された構造であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用活物質。
  3. マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体と多孔質炭素との複合体において、マンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体が全体の10重量%から80重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリチウムイオン二次電池用活物質。
  4. 化学式がLiMn1−z(A:Na,K,Ca,Mg,Alを含む1〜3価の金属イオン、B:Co,Ni,Alを含む2〜4価の金属イオン、0≦x≦1、0≦y≦0.5、0≦z≦0.5)で表わされるマンガン酸化物ナノシートまたはその再積層体を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質。
  5. 孔径が50〜10000nm、比表面積が1〜100m/gである多孔質炭素を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質。
  6. マンガン酸化物と、テトラブチルアンモニウム溶液、テトラメチルアンモニウム溶液、テトラエチルアンモニウム溶液の少なくとも1種の溶液とを混合し、マンガン酸化物を層剥離させることによって得られるマンガン酸化物ナノシート懸濁液を、請求項5記載の多孔質炭素に含浸、担持、乾燥させることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用活物質の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質を含む電極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用活物質を含む電極を用い、厚さ1mm以下のシート形状であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
JP2008001855A 2008-01-09 2008-01-09 リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池 Pending JP2009164023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008001855A JP2009164023A (ja) 2008-01-09 2008-01-09 リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008001855A JP2009164023A (ja) 2008-01-09 2008-01-09 リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009164023A true JP2009164023A (ja) 2009-07-23

Family

ID=40966413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008001855A Pending JP2009164023A (ja) 2008-01-09 2008-01-09 リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009164023A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105655146A (zh) * 2016-03-28 2016-06-08 东南大学 钠插层二氧化锰/石墨烯双壳空心微球材料及其制备方法和应用
US9790091B2 (en) 2011-06-30 2017-10-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Negative active material including manganese oxides, negative electrode including the same, lithium battery including negative electrode and method of preparing negative active material
CN107946090A (zh) * 2017-11-20 2018-04-20 宝鸡文理学院 一种高容量钴离子插层多孔氧化锰电极材料及其制备方法
WO2019019414A1 (zh) * 2017-07-26 2019-01-31 中能中科(天津)新能源科技有限公司 多孔碳骨架-纳米颗粒复合材料、其金属锂复合物、它们的制备方法及应用
JP2022523843A (ja) * 2019-03-08 2022-04-26 エバーオン24, インコーポレイテッド 水系アルミニウムイオン電池、電池-キャパシタハイブリッド、前記電池および電池-キャパシタの組成物、ならびに製造および使用の関連方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002063938A (ja) * 2000-08-18 2002-02-28 Sony Corp 二次電池及びその製造方法
JP2003335522A (ja) * 2002-05-17 2003-11-25 National Institute For Materials Science マンガン酸ナノシートおよびその製造方法
JP2005108595A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Maxell Ltd 電気化学素子用電極、その製造方法および前記電極を用いた電気化学素子
JP2009044009A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Canon Inc 電極材料、その製造方法および電極

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002063938A (ja) * 2000-08-18 2002-02-28 Sony Corp 二次電池及びその製造方法
JP2003335522A (ja) * 2002-05-17 2003-11-25 National Institute For Materials Science マンガン酸ナノシートおよびその製造方法
JP2005108595A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Maxell Ltd 電気化学素子用電極、その製造方法および前記電極を用いた電気化学素子
JP2009044009A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Canon Inc 電極材料、その製造方法および電極

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9790091B2 (en) 2011-06-30 2017-10-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Negative active material including manganese oxides, negative electrode including the same, lithium battery including negative electrode and method of preparing negative active material
CN105655146A (zh) * 2016-03-28 2016-06-08 东南大学 钠插层二氧化锰/石墨烯双壳空心微球材料及其制备方法和应用
WO2019019414A1 (zh) * 2017-07-26 2019-01-31 中能中科(天津)新能源科技有限公司 多孔碳骨架-纳米颗粒复合材料、其金属锂复合物、它们的制备方法及应用
CN107946090A (zh) * 2017-11-20 2018-04-20 宝鸡文理学院 一种高容量钴离子插层多孔氧化锰电极材料及其制备方法
CN107946090B (zh) * 2017-11-20 2019-07-02 宝鸡文理学院 一种高容量钴离子插层多孔二氧化锰电极材料及其制备方法
JP2022523843A (ja) * 2019-03-08 2022-04-26 エバーオン24, インコーポレイテッド 水系アルミニウムイオン電池、電池-キャパシタハイブリッド、前記電池および電池-キャパシタの組成物、ならびに製造および使用の関連方法
JP7416819B2 (ja) 2019-03-08 2024-01-17 アルシム エナジー, インコーポレイテッド 水系アルミニウムイオン電池、電池-キャパシタハイブリッド、前記電池および電池-キャパシタの組成物、ならびに製造および使用の関連方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101342601B1 (ko) 음극 활물질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 전지
US9887047B2 (en) Negative electrode active material for energy storage devices and method for making the same
KR101494715B1 (ko) 리튬 이차 전지용 음극 활물질, 이의 제조 방법, 그리고 이를 포함하는 음극 및 리튬 이차 전지
CN106063001B (zh) 非水电解质二次电池
JP4595987B2 (ja) 正極活物質
KR101730956B1 (ko) 음극 활물질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 전지
KR20190065963A (ko) 리튬이차전지용 양극활물질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 양극을 포함한 리튬이차전지
CN105144439B (zh) 非水电解质二次电池用正极活性物质及其制造方法
KR101589294B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
KR20170075596A (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP5534363B2 (ja) 複合ナノ多孔電極材とその製造方法、及びリチウムイオン二次電池
KR20120034686A (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질
CN111342040A (zh) 用于形成电极物质的方法、活性物质粒子
JP2006127932A (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
WO2013151209A1 (ko) 리튬 이온 커패시터용 양극 활물질 및 그의 제조 방법a
KR20100130522A (ko) 리튬 이차전지용 전극 활물질
JP2017520892A (ja) リチウム電池用正極
JP5663567B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法、及びこれを含むリチウム二次電池
CN114094068B (zh) 钴包覆的正极材料及其制备方法、正极片和锂离子电池
CN112189268A (zh) 锂离子电池及其阴极活性材料
CN115911327A (zh) 钠离子正极材料及其制备方法、二次电池
JPH11167919A (ja) 高安定性リチウムイオン二次電池用正極材、製造方法およびその用途
WO1998054778A1 (fr) Accumulateur electrolytique non aqueux
JP2009164023A (ja) リチウムイオン二次電池用活物質、その製造方法及び前記活物質を使用したリチウムイオン二次電池
JP2018006331A (ja) 非水電解質二次電池用負極材料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100615

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130514