JP2009163988A - 燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池に用いられる膜電極接合体において、電解質膜と電極との接合性を向上する技術を提供する。
【解決手段】電解質膜11は、第1の電解質層11aと、第1の電解質層11aよりガラス転移温度の低い第2の電解質層11bとを有する。触媒層14と第2の電解質層11bとを接触させて電解質膜11と触媒層14とを第2の電解質層11bのガラス転移温度程度でホットプレスする。
【選択図】図4

Description

この発明は、燃料電池用膜電極接合体に関する。
燃料電池は、通常、電解質膜を2つの電極によって挟持した発電体(膜電極接合体)を備える。また、膜電極接合体の2つの電極と電解質膜との間には、燃料電池反応を促進するための触媒が担持された触媒層が設けられる(特許文献1等)。
特開2003−331852号公報 特開2004−214045号公報 特開2005−063944号公報 特開2005−222894号公報 特開2003−282088号公報
燃料電池では、膜電極接合体における電解質膜と電極との間の接合性を向上させることによって接触抵抗を低減し、その発電効率を向上させることが要求されている。そのため、膜電極接合体の製造工程においては、例えば、電解質膜及び電極を加熱するとともに加圧して接合するホットプレス法などが採用されてきた。
しかし、ホットプレス法において過度に高温まで加熱すると電解質膜や電極に設けられた触媒層が劣化する場合があり、膜電極接合体自体の性能及び耐久性の悪化を引きおこす可能性があった。電極と電解質膜との接合工程における膜電極接合体の劣化は、ホットプレス法による場合に限られた問題ではなく、他の方法による場合にも共通する問題であった。しかし、これまでこうした問題に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、燃料電池に用いられる膜電極接合体において、電解質膜と電極との接合性を向上する技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]燃料電池用膜電極接合体であって、電解質膜と、前記電解質膜の両面に設けられる電極とを備え、前記電解質膜は、第1の電解質層と、前記電極の少なくとも一方と接する第2の電解質層とを有しており、前記第2の電解質層は、前記第1の電解質層よりガラス転移温度が低い燃料電池用膜電極接合体。この燃料電池用膜電極接合体によれば、第2の電解質層を電解質膜と電極との間の接着層として機能させることができ、電解質膜と電極との接合性を向上させることができる。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池用膜電極接合体であって、前記第1の電解質層は固体電解質で形成されており、前記第2の電解質層はゲル状電解質で形成されている、燃料電池用膜電極接合体。この燃料電池用膜電極接合体によれば、第2の電解質層は、常温でも軟化しているため、より容易に電解質膜と電極との接合性を向上させることができる。
[適用例3]燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
(a)第1の電解質層を準備する工程と、
(b)前記第1の電解質層の表面に第2の電解質層を積層して設ける工程と、
(c)前記第2の電解質層の表面に触媒を担持した触媒層を設け、前記第1の電解質層と前記触媒層の両側から前記第2の電解質層を加圧する工程と、を備え、前記第2の電解質層は、前記第1の電解質層よりガラス転移温度が低い、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、第2の電解質層を接着層として機能させることができるため、電解質膜と電極との接合性を向上することができる。
[適用例4]適用例3記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、前記工程(C)は、前記第2の電解質層を、前記第2の電解質層のガラス転移温度とほぼ同じ温度となるまで加熱するとともに加圧する、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。この製造方法によれば、第1の電解質層が軟化する温度より低い温度でホットプレス(工程(c))を行うため、電解質膜と電極との接合性を向上するとともに、第1の電解質層が加熱及び加圧のために構造が変化し、劣化することを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池用膜電極接合体、それを用いた燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。燃料電池100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電を行う固体高分子型燃料電池である。なお、燃料電池100としては、固体高分子型燃料電池でなくとも良く、任意の種々のタイプの燃料電池に本発明を適用することが可能である。
燃料電池100は、複数の発電モジュール110が積層された、いわゆるスタック構造を有する。発電モジュール110は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10を挟持する2つのセパレータ20,30とを備えている。膜電極接合体10は、アノード12及びカソード13によって挟持された電解質膜11を備える発電体である。
電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す高分子薄膜である。具体的には、電解質膜11は、イオン伝導性を実現するイオン交換基としてスルホン酸基を備え、ペルフルオロカーボンスルホン酸ポリマとして構成される樹脂(例えば、ナフィオン、デュポン社製)を採用することが可能である。
アノード12及びカソード13はそれぞれ、電解質膜11と接する外面に、発電反応を促進するための触媒層14を有しており、電解質膜11と接しない外面に、供給された反応ガスを全面に行き渡らせるためのガス拡散層15を有している。なお、触媒層14の触媒としては、例えば、白金(Pt)を用いることができる。また、ガス拡散層15としては、例えば、カーボンペーパを用いることができる。
2つのセパレータ20,30は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。アノードセパレータ20は、膜電極接合体10のアノード12側に配置され、カソードセパレータ30は、膜電極接合体10のカソード13側に配置される。2つのセパレータ20,30のそれぞれには、電極(アノード12又はカソード13)と接する面側に、水素又は酸素を誘導するためのガス流路21,31が設けられている。
ガス流路21,31は、発電に供される発電領域全体に渡って併走する複数の流路溝として構成されている。反応ガスは、セパレータ20,30のガス流路21,31を介して各電極12,13に供給される。これによって、電解質膜11の膜中の水分を介してプロトンが伝導するとともに、各電極12,13において電気化学反応が生じて、膜電極接合体10は発電する。なお、2つのセパレータ20,30は、他の構成であっても良く、例えば、多層構造を有するセパレータであっても良い。
ところで、燃料電池では一般に、各膜電極接合体における電解質膜と電極との接合性を向上させることによってその接触抵抗を低減し、燃料電池の発電効率を向上させることができる。そこで、本実施例では、膜電極接合体10における電解質膜11とカソード13との接合性を向上させるために、膜電極接合体10を以下に説明する工程によって製造する。
図2(A),(B)は、本実施例における電解質膜11の形成工程を説明するための模式図である。図2(A)は、第1の電解質層11aを準備する工程を示す模式図である。第1の電解質層11aは、そのガラス転移温度(Tg)が約130℃程度の固体高分子の薄膜である。その厚さは数ミクロン程度としても良い。
図2(B)は、第2の電解質層11bの形成工程を示す模式図である。この工程では、第1の電解質層11aの一方の面に液体電解質をスプレー200によって塗布し、乾燥させて第2の電解質層11bを形成する。なお、第2の電解質層11bを構成する電解質は、ガラス転移温度が約110℃程度のものを採用する。即ち、電解質膜11は、ガラス転移温度の異なる2つの電解質層11a,11bを有する多層構造の薄膜として形成される。
図3(A),(B)は、カソード13の触媒層14(図1)の形成工程を示す模式図である。図3(A)は、触媒インクの塗布工程を示す模式図である。この工程では、まず、テフロンシート300を準備し、その一方の面に、水溶性溶媒または有機溶媒に触媒担持カーボンを分散させた触媒インクをスプレー210によって塗布して乾燥させることによって触媒層14を設ける。なお、触媒層14は、ガラス転移温度が約130℃程度となるように構成する。
図3(B)は、電解質膜11へ触媒層14を転写するための準備工程を示す模式図である。この工程では、触媒層14と第2の電解質層11bとが接するように、触媒層14が設けられたテフロンシート300と電解質膜11とを重ねる。
図4(A)は、ホットプレス法による電解質膜11への触媒層14の転写工程を示す模式図である。この工程では、電熱ヒータを備えたプレス板400によって、前工程において積層配置された電解質膜11、触媒層14、テフロンシート300を外側から挟持して数分程度、加熱するとともに加圧する。このときプレス板400は、第2の電解質層11bが、そのガラス転移温度と同程度(約110℃程度)になるまで加熱する。また、プレス板400による加圧力は約3Mpa程度とする。この工程の後、テフロンシート300は、触媒層14から取り外される。
図4(B)は、触媒層14が転写された電解質膜11を示す模式図である。図4(A)のホットプレス法による転写工程では、加熱によって第2の電解質層11bがそのガラス転移温度(約110℃)まで加熱されて軟化する。従って、第2の電解質層11bの一部が第1の電解質層11a及び触媒層14の接触面に存在する微小穴などの凹部に侵入して硬化する可能性が高くなる。即ち、第2の電解質層11bが第1の電解質層11aと触媒層14とを接着する接着層として機能し、いわゆるアンカー効果によって電解質膜11と触媒層14との接合性が向上する。
また、本実施例では、上記ホットプレス工程において第2の電解質層11bのガラス転移温度と同程度の温度までしか昇温しない。即ち、第1の電解質層11a及び触媒層14のガラス転移温度(約130℃)より低い温度でホットプレスを行うため、第1の電解質層11a及び触媒層14がホットプレス工程における加圧及び加熱によって構造が変形して劣化することを抑制できる。
上記工程の後、第1の電解質層11aの第2の電解質層11bと対向する面にアノード側の触媒層14が同様に形成され、アノード側及びカソード側のそれぞれの触媒層14の外表面にガス拡散層15が配置されて膜電極接合体10が形成される(図1)。さらに、膜電極接合体10を2つのセパレータ20,30で挟持した発電モジュール110を積層して燃料電池100が構成される。
図5は、上記工程によって製造された燃料電池100の発電性能を示すグラフである。このグラフは、カソードストイキ比と出力電圧との関係を示している。ここで、「カソードストイキ比」とは、燃料電池反応に必要とされるカソードガス供給量の理論値に対する実際のカソードガス供給量を意味する。
このグラフ中、実線で示されるグラフG1は燃料電池100による発電結果を示しており、破線で示されるグラフG2は、比較例として、第2の電解質層11bを有していない点のみが異なる燃料電池の発電結果を示している。2つのグラフG1,G2を比較すると、本実施例の燃料電池100はカソードストイキ比が低いときほど、比較例の燃料電池より出力電圧が高くなる傾向にあることが解る。
これは、電解質膜11とカソード13との接合度が向上したことに伴い、両者の接触界面におけるエネルギ障壁が低下して、当該接触界面に存在する水分の電解質膜11内部への移動度が向上し、濃度過電圧の発生が抑制されたためであると推定される。ここで、「濃度過電圧」とは、発電の際に燃料電池反応によってカソード側に発生した大量の水分が、カソードと電解質膜との接触界面に滞留することによって、カソード側における反応ガスの流れを阻害し、燃料電池の電圧を降下させる現象を言う。
また、本実施例の燃料電池100では、ホットプレス法による接合工程において第1の電解質層11a及び触媒層14の構造変化が抑制されている。そのため、電解質膜11中の水分の移動経路(水パス)が良好な状態で保持されて、電解質膜11におけるプロトン伝導性が向上しているものと推定できる。
このように、電解質膜に、ガラス転移温度の異なる複数の電解質層を設け、ガラス転移温度の低い電解質層と電極とを接触させてホットプレス法によって接合することにより、電解質膜と電極との接合度を向上することができる。また、これによって、燃料電池の性能を向上させることができる。
B.第2実施例:
図6(A),(B)は本発明の第2実施例としての膜電極接合体の製造工程の一部を示す模式図である。なお、この第2実施例における膜電極接合体の他の製造工程は、第1実施例で説明した製造工程と同様である。また、第2実施例における膜電極接合体が用いられる燃料電池の構成は、第1実施例と同様である(図1)。
図6(A)は、電解質膜11の形成工程を示す模式図であり、図2(B)とほぼ同じである。電解質膜11は、第1実施例と同様に、第1の電解質層11aに対して第2の電解質層11bをスプレー法によって設けることによって形成される。
図6(B)は、触媒層14の形成工程を示す模式図である。この工程では、触媒層14は、第2の電解質層11bの表面に触媒インクをスプレー210によって直接的に塗布することによって設けられる。この工程の後、第1実施例と同様なホットプレス法(図4(A))によって電解質膜11及び触媒層14との接合度を向上させる。このような工程によって触媒層14と電解質膜11とを接合しても第1実施例と同様な膜電極接合体10を製造することが可能であり、第1実施例と同様な発電性能を有する燃料電池を製造することが可能である。
C.第3実施例:
図7〜図8は、本発明の第3実施例としての膜電極接合体の製造工程の一部を示す模式図である。なお、この第3実施例における膜電極接合体の製造工程は、以下に説明する点以外は第2実施例と同様である。また、第3実施例における膜電極接合体が用いられる燃料電池の構成は、第2実施例の燃料電池の構成と同様である(図1)。
図7(A)は、第2の電解質層11bAの形成工程を示す模式図である。図7(A)は、第2の電解質層11bに換えて第2の電解質層11bAが示されている点以外は、図6(A)とほぼ同じである。この工程では、第2実施例と同様に、第1の電解質層11aにスプレー法によって第2の電解質層11bAを形成するが、第2の電解質層11bAは、ゲル状電解質によって構成される。ゲル状電解質としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を採用することができる。なお、ゲル状電解質膜であれば、一般に、固体高分子薄膜である第1の電解質層11aよりガラス転移点は低い。
図7(B)は、電解質膜11へ触媒層14を転写するための準備工程を示す模式図である。図7(B)は、第2の電解質層11bAが異なる点以外は、図3(B)とほぼ同じである。この工程では、触媒層14と第2の電解質層11bAとが接するように、触媒層14が設けられたテフロンシート300と電解質膜11とを重ねる。
図8(A)は、コールドプレス法による電解質膜11への触媒層14の転写工程を示す模式図である。図8(A)は、プレス板400に換えて電熱ヒータを備えていないプレス板400Aが示されている点と、第2の電解質層11bに換えて第2の電解質層11bAが示されている点以外は、図4(A)とほぼ同じである。
この工程では、室温(例えば20℃〜30℃程度)においてプレス板400Aによって、前工程において積層配置された電解質膜11A、触媒層14、テフロンシート300を外側から挟持して数分程度、加圧する。このときのプレス板400Aによる加圧力は約1Mpa程度とする。この工程の後、テフロンシート300は、触媒層14から取り外される。
図8(B)は、触媒層14が転写された後の電解質膜11Aを示す模式図である。図8(B)は、第2の電解質層11bAが異なる点以外は、図4(B)とほぼ同じである。第2の電解質層11bAのゲル状電解質は室温でも十分に軟化している。従って、プレス板400Aによって加圧されると、第2の電解質層11bAの一部は、第1の電解質層11a及び触媒層14の表面に存在する凹部に容易に侵入する。従って、電解質膜11Aと触媒層14とを容易に密着させることができる。即ち、この第3実施例においても、第2の電解質層11bAが、第1の電解質層11aと触媒層14とを接着する接着層として機能し、電解質膜11Aと触媒層14との接合性が向上する。
また、この第3実施例の製造工程によれば、触媒層14の転写工程において、電解質膜11A及び触媒層14が加熱されていないため、加熱による電解質膜11A及び触媒層14の構造変化や劣化を抑制することができる。さらに、第3実施例における触媒層14の転写工程では、第1実施例及び第2実施例におけるホットプレス法による転写工程よりも加圧力を減じつつ、電解質膜11Aと触媒層14との接合性を向上させることが可能である。従って、加圧による電解質膜11A及び触媒層14の構造変化や劣化を抑制することができる。
このように、第3実施例の製造工程によれば、電解質膜11Aの第2の電解質層11bAをゲル状電解質とすることによって、ホットプレス法によることなく電解質膜11Aと触媒層14との接合性を向上させることができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例において、第2の電解質層11b,11bAはカソード側に設けられていたが、アノード側に設けられるものとしても良く、第1の電解質層11aの両側に設けられるものとしても良い。第1の電解質層11aの両側に第2の電解質層11bが設けられる場合には、アノード側の触媒層14とカソード側の触媒層14とを電解質膜11に同時にホットプレス法によって接合するものとしても良い。なお、第2の電解質層11bを少なくともカソード側に設けることによって、電解質膜11とカソード13との接触界面に存在する水分の排水性を向上させることができる。
D2.変形例2:
上記第1実施例において、第1の電解質層11a及び触媒層14のガラス転移温度を約130℃とし、第2の電解質層11bのガラス転移温度を約110℃として説明したが、他のガラス転移点温度を有するものとしても良い。第2の電解質層11bは、そのガラス転移温度が、第1の電解質層11a及び触媒層14のガラス転移温度より低い電解質であれば良い。
また、上記実施例では、電解質膜11は、ガラス転移温度の異なる第1と第2の電解質層11a,11b(11bA)を有する2層構造であったが、さらに複数の電解質層を有する多層構造としても良い。この場合であっても、電極と接触する電解質層のガラス転移点が、他の電解質層より低ければ良い。
D3.変形例3:
上記実施例において、第2の電解質層11b,11bAをスプレー法によって形成していたが、他の方法によって形成されるものとしても良い。例えば、第2の電解質層として、第1の電解質層11aと同様な固体高分子薄膜を採用し、2つの薄膜を重ねて接合するものとしても良い。
D4.変形例4:
上記第1実施例及び第2実施例において、ホットプレス法による触媒層14の転写工程では、プレス板400によって第2の電解質層11bのガラス転移温度程度まで加熱していたが、当該ガラス転移温度より高い温度まで加熱するものとしても良い。ただし、第2の電解質層11bのガラス転移温度程度までの加熱であれば、第1の電解質層11a及び触媒層14がホットプレス法の過剰な加熱によって構造が変形したり劣化することを抑制できるため好ましい。
燃料電池の構成を示す概略断面図。 第1実施例における第1と第2の電解質層の形成工程を説明するための模式図。 第1実施例における触媒層の形成工程を説明するための模式図。 第1実施例における第1と第2の電解質層と触媒層との接合工程を説明するための模式図。 膜電極接合体の発電性能の向上を説明するための実験結果を示すグラフ。 第2実施例における第1と第2の電解質層及び触媒層の形成工程を説明するための模式図。 第3実施例における第1と第2の電解質層及び触媒層の形成工程を説明するための模式図。 第3実施例における第1と第2の電解質層と触媒層との接合工程を説明するための模式図。
符号の説明
10…膜電極接合体
11,11A…電解質膜
11a…第1の電解質層
11b,11bA…第2の電解質層
12…アノード
13…カソード
14…触媒層
15…ガス拡散層
20,30…セパレータ
21,31…ガス流路
100…燃料電池
110…発電モジュール
200,210…スプレー
300…テフロンシート
400,400A…プレス板

Claims (4)

  1. 燃料電池用膜電極接合体であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に設けられる電極と、
    を備え、
    前記電解質膜は、第1の電解質層と、前記電極の少なくとも一方と接する第2の電解質層とを有しており、
    前記第2の電解質層は、前記第1の電解質層よりガラス転移温度が低い、燃料電池用膜電極接合体。
  2. 請求項1記載の燃料電池用膜電極接合体であって、
    前記第1の電解質層は固体電解質で形成され、前記第2の電解質層はゲル状電解質で形成されている、燃料電池用膜電極接合体。
  3. 燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    (a)第1の電解質層を準備する工程と、
    (b)前記第1の電解質層の表面に第2の電解質層を積層して設ける工程と、
    (c)前記第2の電解質層の表面に触媒を担持した触媒層を設け、前記第1の電解質層と前記触媒層の両側から前記第2の電解質層を加圧する工程と、
    を備え、
    前記第2の電解質層は、前記第1の電解質層よりガラス転移温度が低い、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  4. 請求項3記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
    前記工程(C)は、前記第2の電解質層を、前記第2の電解質層のガラス転移温度とほぼ同じ温度となるまで加熱するとともに加圧する、燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
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