JP2017513187A - プロトン交換膜燃料電池(pemfc)用膜/電極接合体、及び製造方法 - Google Patents

プロトン交換膜燃料電池(pemfc)用膜/電極接合体、及び製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、膜(3)及び2つの電極(2)を備え、膜と電極との界面に位置する少なくとも1つの層(4)も更に備える膜/電極接合体(MEA)に関する。前記層は、膜及び電極に含有されるプロトン伝導性高分子のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有するプロトン伝導性高分子を含有する。

Description

本発明は、改善された特性(性能、耐久性…)を有するプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)用膜/電極接合体に関する。
これを達成するために、膜のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有するプロトン伝導性高分子をベースとするいわゆる界面層が、膜と電極との界面に配置される。したがって、適した温度で行われる接合が、膜の完全性に影響を与えることなく、良好な膜/電極界面を提供する。
プロトン交換膜燃料電池の作動原理は、水素を例とする燃料と酸素を例とする酸化剤との間の触媒反応による化学エネルギーから電気エネルギーへの変換に基づいている。
一般的に電池コアと称される膜/電極接合体(MEA)は、PEMFCの基本要素を形成する。図1に示されるように、MEAは、一般的に、両側で触媒層(電極、2)と接触している高分子膜(電解質、3)から形成される。それぞれアノード及びカソードと称される電極は、このように、電子的には絶縁性であるがプロトン伝導性の媒体である電解質によって分離されている。集電体(1)が、電極の外表面での電子移動を確保する。更に、気体拡散層又はGDLが、MEAのいずれかの側に配置されて、電気伝導性、反応体気体の均一な分布、及び生成水の排出を提供する。
プロトン交換膜燃料電池の場合、電解質は、一般的に、Nafion(登録商標)(Dupont社)又はAquivion(登録商標)(Solvay社)等のカチオン交換性高分子から作られる膜である。
プロトン交換膜燃料電池で用いられる燃料は、水素等の気体でもよく、又は例えばアルコール、特に、エタノール、メタノール、若しくは更にはエチレングリコール等の液体であってもよい。
例示される以下の反応は、燃料及び酸化剤が、それぞれ水素及び酸素である場合の電極で発生する電気化学反応を説明するものである:
アノード:H → 2H + 2e (1)
カソード:O + 4H + 4e → 2HO (2)
E°アノード = 0V/ENH
E°カソード = 1.23V/ENH
この場合、全体としての反応はしたがって、以下の通りとなる:
+ 1/2O → HO E°eq = E°カソード − E°アノード = 1.23V
電池全体にわたる起電力は、したがって、標準条件下で1.23Vである。
アノードでは、触媒上に吸着された水素の分解によって、プロトンH及び電子eが生成される。次に、プロトンは、高分子膜を横切り、その後カソードで酸素と反応する。カソードにおけるプロトンと酸素との反応により、水が形成され、熱が発生する結果となる。
そのような電気化学反応は、電極を形成する触媒の存在によって動力学的に促進される。反応及び燃料の種類に応じて複数の材料が用いられてよいが、ほとんどの反応及び燃料に対して、白金が最も効率が高い。
既に示したように、触媒の外観は、カーボンクラスター上に担持された白金ナノ粒子から一般的に作られる触媒層の形態を取りうる。触媒は、触媒インクによって、膜表面上又は拡散層上に均一に堆積しうる。触媒インクは、特に、カーボン上に担持された触媒(白金カーボン)、キャリア液体、及びプロトン伝導性高分子から作られる。最後のものは、一般的に、電解質と同じ性質である。
プロトン伝導性高分子は、電池のプロトン伝導性を決定するものであることから、主として、電池性能に関与している。それは、アイオノマー、即ち、電荷の輸送を可能とするイオン化基を有する高分子である。
初期には、アイオノマーは、スルホン化フェノール類であり、その次には、機械的耐性のより高いポリスチレンスルホン酸高分子であった。現在、化学的及び機械的耐性が良好であることから、パーフルオロスルホン酸材料(PFSA)が、現行の燃料電池において広く用いられている。
PFSAは、パーフルオロスルホン酸から誘導されるアイオノマーであり、即ち、スルホン酸基SO を含む。それらは、フッ素化高分子でもある。
このアイオノマーファミリーには、化学的性質が僅かに異なる多くの化合物が集まっている。PFSA材料は、Nafion(登録商標)(Dupont社)、Aquivion(登録商標)(Solvay社)、Flemion(登録商標)(旭硝子社)、又はAciplex(登録商標)(旭化成社)の商品名で市販されている。
これらの高分子は、その側鎖又はダングリング鎖、即ち、高分子の主鎖上にグラフトされた鎖(又は分岐鎖)の化学構造が本質的に異なっている。
したがって、Aquivion(登録商標)の側鎖又はダングリング鎖は、Nafion(登録商標)(「長側鎖」)よりも短い(「短側鎖」)。このことは、より高い結晶化率及びガラス転移温度として言い換えられる。
MEAの性能は、その耐久性と共に、これらのデバイスの商品化において決定的である。しかし、一般的にはスタック構造であるそのようなMEAは、化学的及び機械的劣化を受ける。
性能という点では、プロトン伝導性を高めるために、ますます薄い膜が用いられる傾向にある。しかし、このことは、このような膜の機械的な脆弱性に起因して、耐久性の低下を伴う。したがって、膜は、一般的に、例えばポリテトラフルオロエチレンによって強化される。MEAはまた、膜のいずれかの側に配置される高分子フィルムによって補強されてもよい。更により綿密な技術的解決法が提供されてきた。例として、米国特許出願公開第2013/0130133号明細書の文献には、ナノファイバー上に担持された触媒に基づく強化層を有する多層膜が記載されている。米国特許出願公開第2011/0097642号明細書の文献には、PFSA及びいわゆる「塩基性」高分子に基づく膜が提供されている。しかし、そのような解決法は、製造コストを増加させるという欠点を有する。
更に、MEAは、一般的に、ホットプレス中で接合される。膜及び電極中に存在するプロトン伝導性高分子のガラス転移温度を超えて温度を上昇させることによって、それを軟化させることが可能となり、同時に加圧することによって、相互浸透を可能とし、膜と電極との間の良好な界面にとって都合良く働く。これを達成するためには、MEAを、存在する高分子のガラス転移温度よりも40℃高い温度で熱処理することが推奨される。そのような条件では、電解質の高分子が軟化し、電極とのより良好な接触が促進され、その結果、電極間のより大きいプロトン移動が得られ、このことは、MEAを含有する電気化学セルの性能の改善を可能とする。
典型的な接合条件は、文献Electrochemical Science and Technology (J. Electrochem. Soc., 1988, 135, 9, 2209頁)に記載されており、即ち、プレスを100℃に予備加熱し、接合体をプレスの2つのプレートの間に配置し、温度を120〜176℃に上昇させ、50〜60atmの圧力を30〜40秒間かける。
しかし、刊行物「Effects of MEA fabrication method on durability of polymer electrolyte membrane fuel cells」(53巻、16号、2008年6月30日、5434〜5441頁)の著者らは、ホットプレス中の接合体の耐久性が悪化することを示しており、ホットプレス(140℃、200kg.cm−2、1分30)中で接合されたMEAは、より劣化しており、したがって、非接合MEAよりも耐久性が低い。
結果的に、電解質の軟化は、その機械的耐性を低下させるという欠点を有する。それにより、電極とそれを接合する間の高過ぎる圧力又は不良な操作は、その穴あき又はその破れを引き起こす場合があり、このことにより、電気化学セルの性能劣化及び早期老化が引き起こされる。現行の接合条件は、したがって、良好な膜/電極界面の形成と、膜の完全性を保存するための可能な限り低い熱的及び機械的応力との間のトレードオフである。
その接合時に電解質の破れのリスクを最小限にするために、EP 2 463 866の文献には、低圧力接合法が提供されているが、実行は困難である。KR 2013/0017496の文献には、スタック接合中にMEAを非対称に圧縮することが提供されており、圧縮率は、アノード側よりもカソード側の方が低いと主張されている。
米国特許出願公開第2013/0130133号明細書 米国特許出願公開第2011/0097642号明細書 欧州特許第2463866号明細書 韓国公開特許第2013/0017496号公報
Electrochemical Science and Technology (J. Electrochem. Soc., 1988, 135, 9, 2209頁) 「Effects of MEA fabrication method on durability of polymer electrolyte membrane fuel cells」(53巻、16号、2008年6月30日、5434〜5441頁) Li等(Chem. Mater. 15 (2003) 4896)
したがって、MEAにおいて、膜の完全性をその接合中に維持することを可能にする新しい技術的解決法が必要とされていることは明らかである。
本発明は、膜と、膜のプロトン伝導性高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しいガラス転移温度を有するプロトン伝導性高分子に基づく電極との間の界面層の存在に起因して改善された特性(性能、耐久性…)を有する、現在ではMEAと称される膜/電極接合体に関する。したがって、温度上昇及び圧縮の過程において、層は、「溶融」し、多孔性電極中に浸透し、それによって、改善された膜/電極界面が提供される。しかし、接合の過程で適用される温度は、膜を形成するプロトン伝導性高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しく、そのため、その完全性は影響を受けない。
より詳細には、本発明は、従来のように1つの膜、並びに2つの電極、即ち、それぞれアノード及びカソードを含む膜/電極接合体に関する。典型的には、前記接合体は、膜と、膜に含有されるプロトン伝導性高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい、有利には低いガラス転移温度(Tg)を有するプロトン伝導性高分子を含有する少なくとも1つの電極との界面に位置する少なくとも1つの層を更に含む。
ガラス転移は、温度の作用下における高分子又は重合した複合材料の状態変化に相当し、その機械的特性の著しい変動を引き起こす。プラスチック転移と関連付けられるガラス転移は、ガラス転移温度(Tg)によって特徴付けられる。
この温度よりも下では、高分子は、ガラス状(固体状態)と称され、弾性固体の挙動を有する。この温度よりも上では、分子間連結(ファンデルワールス力…)が弱まるために、可塑性固体挙動を有する(粘弾性状態)。そのような状態変化は、常に、物理的特性、特に、機械的特性の著しい変動(例えば、ヤング率の低下)を伴う。
当業者には公知であるように、数多くの物理的特性(密度、膨張係数、比熱、ヤング率等の弾性定数、粘度、熱伝導性、屈折率、…)は、T近傍では大きく変動する場合があり、その測定に用いられ得る。
好ましくは、本発明に関して、高分子又は界面層のガラス転移温度(T)は、動的機械分析(DMA)又は熱分析、特に示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
言い換えると、本発明によるMEAの外観は、少なくとも以下を含む多層の形態である:
− P3で表される高分子を含む1つの電解質膜;
− 電極の各々で同じであっても又は異なっていてもよく、P2a(アノード)及びP2c(カソード)で表される高分子を含む2つの電極。好ましい実施形態によると、アノード及びカソードに存在する高分子は、同一である(P2);
− P4で表される高分子を含む少なくとも1つの層であって、前記層は、膜とアノードとの間、及び/又は膜とカソードとの間の界面に位置していてよい。
一般的に、ホットプレス中での接合は、膜に含有される高分子のガラス転移温度が、電極に含有される高分子のガラス転移温度よりも高い場合、特に、Tgの差が40℃よりも大きいか又は等しい場合、問題ではない。したがって、膜がAquivion(登録商標)(140℃程度のTg)から作られ、電極がNafion(登録商標)(100℃程度のTg)から作られる場合、圧縮は、100℃から140℃の範囲の温度で、有利には、140℃で行われてよく、膜の物理的及び熱的完全性に影響を与えることなく、良好な膜/電極界面が得られる。
しかし、一般的に、及び本発明の好ましい実施形態によると、膜及び電極は、同じ高分子を含んでよい。この場合、界面形成に必要とされる温度上昇は、膜の劣化を引き起こす。
本発明に関して提供される技術的解決法は、膜と電極との間に、プロトン伝導性高分子に基づく層(以降、界面層と称する)を挿入することを含み、前記プロトン伝導性高分子は、膜に含有される高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい、有利には低いガラス転移温度を有する。したがって、接合時、それが膜を形成する高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい、有利には低い温度で行われる場合は、界面層を軟化させ、膜の完全性に影響を与えることなく、電極中へのその浸透を確保する(良好な界面を提供する)ことが可能である。
述べたように、界面層は、プロトン伝導性高分子を含む。プロトン伝導性高分子は、それが形成する材料の厚さ全体にわたってプロトン(H)の置換を有利に行う高分子として定義される。実際、MEAの場合、この層は、膜を通してのアノードからカソードへのプロトン移動に干渉してはならない。
膜及び電極に存在するプロトン伝導性高分子に関連して述べたように、高分子(P4)は、有利には、スルホン酸基SO 等の電荷輸送を可能とするイオン化基を有する。
別の具体的な実施形態によると、前記高分子はまた、フッ素原子(F)も含む。言い換えると、それは、フッ素化高分子である。
本発明による界面層に使用可能である高分子は、特に、パーフルオロスルホン酸材料(PFSA)である。
Li等(Chem. Mater. 15 (2003) 4896)に記載されるように、このファミリーは、一般構造式:
Figure 2017513187
を有する異なる高分子を含む。
Figure 2017513187
公知の型では、Nafion(登録商標)型高分子は、90〜100℃程度のTgを有する。
公知の型では、Flemion(登録商標)型高分子は、120〜125℃程度のTgを有する。
更に、以下の高分子が用いられてもよい:
− Aquivion(登録商標)型高分子(Solvay社)、140〜150℃程度のTg、及び例えば、以下の構造を有する(kは整数):
Figure 2017513187
− 3Mアイオノマー型高分子、125〜130℃程度のTg、及び例えば、以下の構造を有する(kは整数):
Figure 2017513187
具体的な実施形態によると、本発明による界面層は、前記高分子のみから、又は更には、高分子の混合物から形成されてよく、これらの高分子はすべて、上述したプロトン伝導性及びガラス転移温度の特徴を有する。
より一般的には、本発明による界面層は、上述したプロトン伝導性及びガラス転移温度の特徴を有する同一若しくは異なるプロトン伝導性高分子を各々が含む1つの又は複数の層を含んでよい。
有利には、本発明による界面層は、連続層である。
好ましくは、本発明に従う界面層は、10マイクロメートルよりも小さい、有利には、1から5マイクロメートルの範囲、有利には、2マイクロメートルに等しい厚さを有する。本発明による製造方法に関連して以降で考察されるように、この層は、特に圧縮に起因して、電極の厚さ方向へ浸透し得る。
本発明の好ましい特徴によると、既に述べたように、界面層に含有されるプロトン伝導性高分子は、膜に含有される高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい、有利には低いガラス転移温度を有する。好ましい実施形態によると、温度差は、20℃よりも大きいか若しくは等しく、有利には、20℃よりも大きく、又は更には、40℃よりも大きいか若しくは等しい。
この具体的なPFSAの場合では、ガラス転移温度は、側鎖又はダングリング鎖の長さと相関があることが知られている。したがって、具体的な実施形態によると、界面層の高分子及び膜の高分子は、PFSAであり、界面層の高分子は、膜の高分子よりも長いダングリング鎖を有する。なおより有利には、電極の高分子も、界面層の高分子のダングリング鎖よりも短いダングリング鎖を有するPFSAである。「長さ」を評価するためには、この鎖を形成する原子の総数、又は場合によってはこの鎖の炭素原子の数が考慮に入れられてよい。
本発明の意味において、パーフルオロスルホン酸アイオノマーとは、上記で定めるように、スルホン酸官能基を支持する過フッ素化高分子、又はPFSAを示す。
例示として、かつPEMFCに関して現在用いられるPFSA高分子、即ち、Nafion(登録商標)(100℃程度のTg)、Aquivion(登録商標)(140℃程度のTg)、及びFlemion(登録商標)(125℃程度のTg)に基づくと、以下の組合せが想定され得る:
− 膜=Aquivion(登録商標);界面層=Aquivion(登録商標)、有利には、Flemion(登録商標)(ΔT=15℃)、より有利には、Nafion(登録商標)(ΔT=40℃);
− 膜=Flemion(登録商標);界面層=Flemion(登録商標)、有利には、Nafion(登録商標)(ΔT=25℃);
− 膜=Nafion(登録商標);界面層=Nafion(登録商標)
既に述べたように、ホットプレス中での接合は、膜の高分子のガラス転移温度が、電極の高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい場合、多くの場合、等しい場合、実際に問題である。
したがって、別の具体的な実施形態によると、界面層に含有されるプロトン伝導性高分子のガラス温度は、電極に含有されるプロトン伝導性高分子のガラス温度よりも低いか又は等しい。好ましい実施形態によると、温度差は、20℃よりも大きいか若しくは等しく、有利には、20℃よりも大きく、又は更には、40℃よりも大きいか若しくは等しい。
説明として、PEMFCに関して現在用いられるPFSA高分子、即ち、Nafion(登録商標)(100℃程度のTg)、Aquivion(登録商標)(140℃程度のTg)、及びFlemion(登録商標)(125℃程度のTg)に基づくと、以下の組合せが想定され得る:
− 膜=Aquivion(登録商標);界面層=Flemion(登録商標)(ΔT=15℃)、有利には、Nafion(登録商標)(ΔT=40℃);電極=Aquivion(登録商標)又はFlemion(登録商標);
− 膜=Flemion(登録商標);界面層=Nafion(登録商標)(ΔT=25℃);電極=Flemion(登録商標);
− 膜=Flemion(登録商標);界面層=Flemion(登録商標)、有利には、Nafion(登録商標)(ΔT=25℃);電極=Aquivion(登録商標);
− 膜=Nafion(登録商標);界面層=Nafion(登録商標);電極=Flemion(登録商標)又はAquivion(登録商標)
したがって、具体的な実施形態によると、本発明による界面層の高分子は、90から100℃の範囲のガラス転移温度を有し、膜の高分子、及び場合によっては電極の高分子は、140から150℃の範囲のガラス転移温度を有する。
具体的な場合では、膜、及び有利には電極は、例えば以下の構造を有するAquivion(登録商標)型高分子を含む:
Figure 2017513187
これに関して、特に適するアイオノマーは、テトラフルオロエチレン及びフッ化スルホニルビニルのコポリマーであり、例えば、Aquivion(登録商標)(Solvay社)の商品名で販売されており、特に、CAS番号111173−25−2である。
更に、膜と少なくとも1つの電極との、有利には、2つの電極との界面に存在する層は、例えば以下の構造を有するNafion(登録商標)型高分子を含む:
Figure 2017513187
これに関して、特に適するアイオノマーは、スルホン化テトラフルオロエチレン誘導体であり、例えば、Nafion(登録商標)(Dupont社)の商品名で販売されている。例として、CAS番号31175−20−9を有する製品Nafion(登録商標)D2020が、本発明のフレームワークに用いられてよいが、例えばNafion(登録商標)D520等のその他のものも存在する。これらは、有利には、水/アルコール相中の分散体である。
従来から、膜は、専らプロトン伝導性高分子を含み、5から100マイクロメートルの範囲、有利には、20マイクロメートル程度の厚さを有する。
本発明に関して、MEAはまた、触媒を含む活性層又は触媒層も含む。活性又は触媒層は、電極として、カソードとしてもアノードとしても用いられる。
有利には、触媒は、白金である。更に、触媒の外観は、有利には、特に白金の粒子又は更にナノ粒子の形態である。
別の好ましい実施形態によると、触媒は、カーボン又はカーボンクラスター上に担持される。したがって、触媒は白金カーボンでもよい。
本発明によるMEAの活性層は、触媒を、有利には、50%のカーボン及び50%の白金(乾燥触媒層中の質量%)から作られることが典型的である炭素質担体上の白金ナノ粒子を含む。従来から、例えば、活性層は、乾燥質量として66%から88%、有利には、72%の触媒、及び乾燥質量として22%から34%、有利には、28%のプロトン伝導性高分子から形成されてよい。
有利には、触媒層は、触媒インクを、特に気体拡散層(GDL)上に堆積することによって得ることができる。
従来から、触媒インクは、プロトン伝導性高分子、及び触媒、有利には炭素質担体上の白金ナノ粒子に加えて、溶媒又はキャリア流体を含む。
当業者には公知であるように、そのような触媒インクは、コーティング、スプレー、インクジェット、又はシルクスクリーン等の印刷法によって堆積されてよい。
本発明によるMEAの電極の役割を果たしているそのような活性又は触媒層は、有利には、10マイクロメートル程度の厚さ、及び0.2から4mg/cmの範囲、例えば1.2mg/cmの質量を有する。
一実施形態によると、界面層の厚さの膜の厚さに対する比率は、5から20%の範囲、有利には、10%程度である。
本発明によるMEAは、燃料電池、より特定すればプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)等の電気化学デバイスの形成に用いることができる。
本発明によるMEAは、一般的にカーボンファイバーから作られて活性層のいずれかの側に配置される気体拡散層(GDL)を有利には含む電気化学電極の形成に用いることができる。
したがって、本発明はまた、本発明によるMEAを含む電気化学デバイスも目的とする。目的とする電気化学デバイスは、何よりも第一に、燃料電池、より特定すればプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)を含む。そのような電池は、スタック構造の電気化学セルから形成することができる。
本出願に関して示されるように、本発明によるMEAは、PEMFC型燃料電池の特性を改善することを可能にするものである。
本発明に関して、「特性」は、性能、更には耐久性も示す。
本発明に関して、本発明によるMEAを含むセルの電気化学性能は、電流に応じて送出される電圧を追跡することによって測定される。この試験は、一般的に、自動車分野において望ましい条件(温度:80℃;相対湿度50%;圧力:1.5バール)で実施されるが、関与する電気化学デバイスに想定される運転条件に対して適合されてもよい。特に、及び本発明に関して、水分過多条件(drowning conditions)(温度:80℃;相対湿度100%;圧力:1.5バール)における改善された性能が観察されており、セルによる生成水の管理がより良好であることを示している。
本発明による電気化学デバイスの耐久性に対する正の効果も期待される。
別の態様によると、本発明は、上記で定めるもの等のMEA製造方法に関する。そのような方法は、有利には、
− 膜及び/又は電極の表面の少なくとも1つの上に、プロトン伝導性高分子を含有する層を堆積する工程;
− 膜及び電極を接合する工程;
− 接合体の温度を、層の高分子のガラス転移温度よりも高いか又は等しいが、膜高分子のガラス転移温度よりも低いか又は等しい温度まで上昇させる工程;
− 場合によっては、接合体を加圧する工程
を含む。
したがって、第一の工程は、膜と電極との間の界面層として用いられることになる層を堆積することを含む。
この層は:
− 膜の一表面
− 膜の両表面
− 電極の一表面;
− 2つの各電極の一表面
の上に堆積してもよい。
有利には、堆積は、2つの各電極の一表面上に行われる。
具体的な実施形態によると、この前に、電極が気体拡散層上に堆積される。この堆積に用いられる触媒インクは、有利には:
− 有利には、50%のカーボン及び50%の白金(乾燥触媒層中の質量%)から作られることが典型的である炭素質担体上の白金ナノ粒子である触媒;
− 特にガラス転移温度に関して上記で定めるもの等の少なくとも1つのアイオノマー;及び
− 溶媒又はキャリア液体
を含む。
当業者には公知であるように、そのような触媒インクは、コーティング、スプレー、インクジェット、又はシルクスクリーン等の印刷法によって堆積されてよい。
従来から、例えば、乾燥後にGDL上に得られる活性層は、乾燥質量として66%から88%、有利には、72%の触媒、及び乾燥質量として22%から34%、有利には、28%のプロトン伝導性高分子から形成されてよい。
本発明によるMEAの電極の役割を果たしているそのような活性又は触媒層は、有利には、2から20マイクロメートルの範囲、例えば10マイクロメートル程度の厚さ、及び0.2から4mg/cmの範囲、例えば3mg/cm程度の質量を有する。
別の具体的な実施形態によると、接合の前に、及び有利には界面層の堆積の前に、電極は、有利にはこれらの電極に含有される高分子のガラス転移温度よりも高いか又は等しい温度での熱処理に供される。これらの温度の間の差は、有利には、20℃よりも大きいか若しくは等しく、又は更には、40℃よりも大きいか若しくは等しい。
したがって、例えば、電極が140から150℃の範囲のガラス転移温度を有するAquivion(登録商標)を含有する場合、それらは、140℃よりも高い温度で、有利には180℃程度の温度での熱処理に供される。そのような処理は、数分間から数時間、典型的には30分間にわたって継続されてよい。
界面層の堆積は、有利には、従来のスプレー、コーティング、又はシルクスクリーンの技術によって行われる。有利には、スプレー法が実行される。
有利には、所望される特性を有するプロトン伝導性高分子を含む分散体が、提供される。なおより有利には、それは水性分散体である。
有利には、界面層の厚さは、1から5マイクロメートルの範囲であるべきであり、即ち、0.2から1mgの範囲の高分子質量である。
界面層の厚さの活性層の厚さに対する比率は、有利には、5から20%の範囲、例えば、10%程度である。
本発明による方法の第二の工程は、膜上又は電極上に堆積された層が、膜/電極界面にあり、したがって、結合層として用いることができるように、膜表面及び電極表面を互いに対向させ、その上互いに接触させて配置することを含む。
こうして得られたスタックは、したがって、次のケース:
アノード−層−膜−カソード;
アノード−膜−層−カソード;
及び有利には、アノード−層−膜−層−カソード
に相当し得る。
既に述べたように、スタックは、電極のいずれかの側にGDLを含んでもよい。
次の工程は、上記で述べたスタック又は接合体を、層の高分子のガラス転移温度よりも高いか若しくは等しいが、膜の、又は更には電極の高分子のガラス転移温度よりも低いか若しくは等しい温度とすることを含む。
界面にとって好都合となるように、温度は、それにも関わらず膜の完全性が影響を受けることのない可能な限り高い温度とするべきであり、したがって、最も高くても、膜に含有される高分子のガラス転移温度に等しい温度とするべきである。それは、少なくとも、界面層に含有される高分子のガラス転移温度に等しい温度とするべきである。
実際には、電極及び膜がAquivion(登録商標)を含有し、界面層がNafion(登録商標)から作られる場合では、スタックは、90から100℃[Nafion(登録商標)のTg]、及び140から150℃[Aquivion(登録商標)のTg]の範囲の温度、有利には140℃での熱処理に供するべきである。
そのような熱処理は、10から300秒の時間にわたって、例えば3分間にわたって適用される。この時間は、存在する高分子、存在する層の厚さ、適用される温度…に依存し得る。
同時に又は順次に、有利には、界面層の電極中への浸透にとって好都合となるように、圧力がスタック又は接合体上にかけられる。有利には、1から5MPaの範囲、例えば3.5MPaに等しい圧力が、1秒間から数分間の範囲、例えば3分間でもよい時間にわたってかけられる。
実際には、熱処理及び加圧は、有利には、ホットプレス中で行われる。
膜と電極との間の接続を確保するということに加えて、界面層は、こうして、膜の物理的及び熱的完全性を保存することを可能とするものである。
上記の特徴及び利点について、ここで、添付の図面と関連させて、以下の具体的な実施形態の限定されない記述において考察する。
PEMFC型燃料電池の動作原理を示す図である。 本発明によるMEAを示す図である。 本発明によるデバイスの性能を、自動車条件(A)及び水分過多条件(B)で先行技術によるデバイスと比較した図である。
本発明を、具体的な実施形態、即ち、以下を含むMEAに関連して更に説明する:
− Aquivion(登録商標)型膜(3);
例えば、Solvay社から市販されているAquivion(登録商標)は、140から150℃の範囲のTgで表されるガラス転移温度、及び以下の構造(kは整数)を有することを想起されたい:
Figure 2017513187
− やはりAquivion(登録商標)を含むアノード及びカソード(2)
これらの電極は、典型的には以下を含有する:
1/ カーボンブラックを例とする炭素質担体上に分散された白金系触媒の72%。この集合体は、50%の白金及び50%のカーボンから形成される。
2/ Aquivion(登録商標)が好適な例であるアイオノマーの28%。
%は、乾燥触媒層中の質量パーセントとして理解されるべきである。
− Nafion(登録商標)に基づく層(4);
例えば、Dupont社から市販されているNafion(登録商標)は、90〜100℃程度のTgで表されるガラス転移温度、及び以下の構造(kは整数)を有することを想起されたい:
Figure 2017513187
1/ 本発明によるデバイスの形成:
A/ 電極形成:
第一の工程は、Aquivion(登録商標)が好適な例である高分子及び炭素質担体を溶媒中に含む触媒インクを作製することを含む。したがって、上述した濃度が得られるように水性触媒インクが作製される。製造方法によると、乾燥抽出分は、1から20%まで変動する。熱処理により、堆積されたインクを乾燥させることができる。
したがって、第二の工程は、インクを気体拡散層(5)上に堆積することにより、典型的には、コーティング(又はインクジェット、シルクスクリーン、スプレー)によって形成される電極(2)の製造であり、こうしてGDEが形成される。
140〜150℃のTgを有するAquivion(登録商標)に基づいてこうして形成されたGDEは、次に、30分間、180℃での熱処理に供され、それによって、アイオノマー粒子が合着し、このことは、良好な触媒作用に必要である三重接触領域(triple contact areas)の形成に好都合である。この工程は、従来の接合体製造方法では必要ではなく、それは、この高温処理が、電極と膜との接合時点で行われるからであることに留意されたい。
こうして形成された電極(2)は、典型的には、3mg/cm程度の質量と共に、10μm程度の厚さを有する。
B/ 界面層の形成:
次の工程は、電極(2)のうちの少なくとも1つの上に、有利には2つの電極の上に界面層(4)を堆積することを含む。
本発明によると、この層は、膜に、及び好適な例では電極に含有されるアイオノマー[140〜150℃のTgを有するAquivion(登録商標)]よりも少なくとも20℃低いガラス転移温度を有するアイオノマーから形成される。界面層(4)を形成するために選択されるアイオノマーは、Dupont社のNafion(登録商標)シリーズからの、有利には水性分散体の形態のアイオノマーである。したがって、水/アルコール相のNafion D2020及びNafion D520分散体が、この層の形成に用いられてよい。
実際には、分散体は、電極の「開放」表面上に、即ち、GDL(5)と接触しておらず、膜(3)に対向して配置される表面となる表面上に堆積される。堆積は、スプレー、コーティング、シルクスクリーン等の様々な従来技術によって行われてよい。実際には、スプレー法が有利には実行される。
界面厚さは、典型的には、1から5マイクロメートルの範囲、有利には2マイクロメートルである。実際には、堆積及び乾燥の過程で、界面層のアイオノマーは、活性領域中に浸透する。
界面厚さは、1から5μmの範囲、即ち、0.2から1mgの範囲の質量であるべきである。Nafion D2020懸濁液は、22%の乾燥抽出分を有し、したがって、堆積されることになる湿潤質量は、活性領域の1cmあたり0.908から4.540mgの範囲である。
C/ 接合:
次に、界面層を備える電極表面が、Aquivion(登録商標)膜(3)に対向して配置されて、接合体が形成される。
接合体の圧縮は、以下の条件にてホットプレス中で行われる:
− 界面層4の高分子のTg(90〜100℃)よりも高いが、電極(2)及び膜(3)を形成する高分子のTg(140〜150℃)よりも低い温度。別の制限によると、良好な膜/電極界面を提供するために、接合は、有利には、存在する高分子のガラス転移温度よりも40℃高い温度で行われるべきである。好適な例では、100℃から140℃の範囲、有利には、120℃よりも高い、又は更には140℃よりも僅かに低い温度がしたがって適用されるべきである;
− 典型的には、1から5MPaの範囲、例えば3.5MPaの圧力;
− 数秒から数分間の範囲が可能であり、例えば3分間の時間
接合の終了後、スタックは、図2に概略的に示されるもの等の構造を有する。そのような構造(GDLは除く)は、乾燥及び仕上げ後、典型的には、20から50マイクロメートルの範囲の厚さを有する。
2/ 本発明によるデバイスの性能
こうして得られたMEAを、単セルに搭載し、性能の試験を行う。単セルには、気体の到着を可能とする単極板、集電板、及びクランプ板が取り付けられている。
本発明によるデバイスの性能を、参照MEA[135℃で圧縮したNafion(登録商標)から形成]の性能と2つの異なる条件で比較した:
− 自動車での使用に推奨される条件に近い条件:作動温度=80℃;相対湿度=50%;気体圧力=1.5バール。
− 水分過多条件:作動温度=80℃;相対湿度=100%;気体圧力=1.5バール。
図3に開示する結果は、セル性能を表す電圧対電流密度曲線に対応する。性能の向上は、水分過多条件で特に顕著である。したがって、本発明に関して提供されるもの等の圧縮MEAにおいて膜/電極界面を最適化することにより、セルによる生成水のより良好な管理が得られる。
セルの耐久性の改善も期待される。
1 集電体
2 電極
3 膜
4 界面層
5 気体拡散層

Claims (10)

  1. 膜(3)及び2つの電極(2)を備える膜/電極接合体(MEA)であって、前記接合体が、前記膜と電極との界面に位置する少なくとも1つの層(4)を更に備え、
    − 前記膜(3)及び前記電極(2)が、同じプロトン伝導性高分子を含有し、
    − 前記層(4)が、前記膜(3)及び前記電極(2)に含有される前記プロトン伝導性高分子のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有するプロトン伝導性高分子を含有し、
    − 前記膜(3)及び前記電極(2)、並びに前記層(4)に含有される前記プロトン伝導性高分子が、パーフルオロスルホン化アイオノマー(PFSA)である
    膜/電極接合体(MEA)。
  2. 前記層(4)の前記高分子が、前記膜(3)及び前記電極(2)の前記高分子よりも長いダングリング鎖を有することを特徴とする、請求項1に記載の膜/電極接合体(MEA)。
  3. 前記層(4)の前記高分子と前記膜(3)及び前記電極(2)の前記高分子との前記ガラス転移温度の差が、20℃以上であり、有利には、20℃よりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の膜/電極接合体(MEA)。
  4. 前記層(4)の前記高分子が、100℃程度のガラス転移温度を有し、前記膜(3)及び前記電極(2)の前記高分子が、140℃程度のガラス転移温度を有することを特徴とする、請求項3に記載の膜/電極接合体(MEA)。
  5. 前記層(4)の前記高分子が、以下の構造:
    Figure 2017513187
    を有し、前記膜(3)及び前記電極(2)の前記高分子が、以下の構造:
    Figure 2017513187
    を有することを特徴とする、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の膜/電極接合体(MEA)。
  6. 前記層(4)が、1から5マイクロメートルの範囲、有利には、2マイクロメートルに等しい厚さを有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の膜/電極接合体(MEA)。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の膜/電極接合体(MEA)を含む燃料電池(PEMFC)。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の膜/電極接合体(MEA)を製造する方法であって、
    − 前記膜(3)及び/又は前記電極(2)の表面の少なくとも1つの上に、プロトン伝導性高分子を含有する層(4)を堆積する工程、
    − 前記膜及び前記電極を接合する工程、
    − 前記接合体の温度を、前記層(4)の前記高分子の前記ガラス転移温度以上であるが、前記膜(3)及び前記電極(2)の前記高分子の前記ガラス転移温度以下の温度まで上昇させる工程、
    − 場合によっては、前記接合体を加圧する工程
    を含む方法。
  9. 前記層(4)が、前記2つの電極(2)の前記表面のうちの1つの上に堆積され、前記接合体が、前記電極上に堆積された前記層と前記膜(3)とを互いに対向するように配置することによって形成されることを特徴とする、請求項8に記載の膜/電極接合体(MEA)製造方法。
  10. 前記接合の前に、有利には前記層(4)の堆積の前に、前記電極(2)が、有利には前記電極に含有される前記高分子の前記ガラス転移温度以上の温度で、熱処理に供されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の膜/電極接合体(MEA)製造方法。
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