JP2009162281A - 能動型流体封入式防振装置 - Google Patents

能動型流体封入式防振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加振板が安定して駆動変位せしめられることにより、防振効果が効果的に発揮され得る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】マウント本体18の加振板100における駆動軸102,108の軸方向で加振板100を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一及び第二の加振板支持板ばね120,128によって加振板100を第二の取付部材14に弾性支持せしめる一方、電磁式アクチュエータ20をマウント本体18と別体構造として、電磁式アクチュエータ20の出力軸180,184の軸方向で可動子152を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一及び第二の可動子支持板ばね190,202によって可動子152をハウジング164,166に弾性支持せしめ、駆動軸102,108と出力軸180,184を軸方向で互いに押し付けて当接状態に保持せしめた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に非圧縮性流体が封入された受圧室の圧力作用に基づき防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、受圧室の圧力を制御して、防振効果を効果的に得るようにした能動型流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体等の防振装置の一種として、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で相互に連結して、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室を形成すると共に、受圧室に非圧縮性流体を封入して、振動入力による本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく受圧室の流体ばね作用や圧力変化による流体の流動作用等を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。しかし、かかる防振装置は受動的な防振作用を利用するものであるから、防振すべき振動の周波数等の特性が変化したり、より高度な防振効果が要求されたりする場合には、目的とする防振効果が十分に発揮され難い問題があった。
このような問題に対処するために、特許文献1(特開2000−283214号公報)には、受圧室の壁部の一部を加振板(可動部材)で構成すると共に、加振板を挟んだ受圧室と反対側にアクチュエータを配設して、アクチュエータの出力軸を加振板に連結して、加振板を加振駆動せしめるようにした能動型流体封入式防振装置が提案されている。この防振装置によれば、防振すべき振動の周波数に対応した周期で加振板を変位させることにより、受圧室の圧力が制御されて防振効果が得られるようになっている。
ところで、上述の加振板を加振するためのアクチュエータとしては、位相や駆動力、周波数の高精度な制御のために、例えば、固定子側のコイルへの通電により生ぜしめられる磁界の作用によって可動子を往復駆動せしめるソレノイド構造の採用が検討されている。しかしながら、電磁式アクチュエータの一種であるソレノイド構造のアクチュエータには、可動子と固定子の隙間設定が微小で且つ高精度が要求される。一方、加振板は第二の取付部材等にゴム支持されることが一般的であり、ゴム収縮等によって、加振板の駆動軸がアクチュエータの出力軸に対して偏心したり傾斜したりし易い。そのために、加振板に可動子を軸固定すると、可動子の固定子に対する偏心や傾斜が発生し易く、安定した出力が得られ難い問題があった。
そこで、本出願人は、先に特許文献2(特開2005−188584号公報)において、加振板を備えたマウント本体にアクチュエータを組み付けた状態下、加振板とアクチュエータの出力軸を駆動方向(軸方向)で相互に当接させて、非固定に組み合わせることにより、マウント本体とアクチュエータを別体構造とした能動型流体封入式防振装置を提案した。
ところが、加振板とアクチュエータの出力軸が別体構造とされていることから、マウント本体とアクチュエータにおける各部位の製造誤差や組み付け誤差等に起因して、加振板と出力軸が軸直角方向で相互に位置ずれ(偏心)するおそれがあった。そのような軸直角方向の位置ずれがあると、出力軸から加振板に及ぼされる加振駆動力や加振板から出力軸への軸方向駆動反力がモーメントを発生して、加振板や出力軸が駆動方向に対して傾斜変位せしめられるおそれがある。このような傾斜変位は、軸方向駆動力の伝達効率の低下につながって目的とする防振効果が発揮され難くなることに加えて、可動子の固定子に対する傾斜に起因するかじり等の問題が発生して損傷原因となるおそれもあったのである。
特開2000−283214号公報 特開2005−188584号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、加振板を備えたマウント本体からアクチュエータを別体構造としつつ、マウント本体における加振板やアクチュエータにおける出力軸の傾斜を抑えることが出来ると共に、アクチュエータの駆動力を加振板に対して効率的に伝達せしめ得る、新規な構造の能動型流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室を形成し、受圧室に非圧縮性流体を封入する一方、受圧室の壁部の別の一部を加振板で構成して、加振板を加振駆動することにより受圧室の圧力を能動的に制御するようにした能動型流体封入式防振装置において、第一の取付部材や第二の取付部材、本体ゴム弾性体、受圧室、加振板を備えたマウント本体を構成して、マウント本体の加振板には中央部分から外方に向かって突出する駆動軸を形成すると共に、駆動軸の軸方向で加振板を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一の加振板支持板ばねと第二の加振板支持板ばねを設け、加振板をこれら第一及び第二の加振板支持板ばねで第二の取付部材に対して弾性支持せしめる一方、固定子側のコイルへの通電によって可動子側の出力軸に対して軸方向駆動力を生ぜしめる電磁式アクチュエータをマウント本体とは別体構造で構成して、アクチュエータの出力軸の軸方向で可動子を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一の可動子支持板ばねと第二の可動子支持板ばねを設け、可動子をこれら第一及び第二の可動子支持板ばねで電磁式アクチュエータのハウジングに対して弾性支持せしめ、マウント本体における第二の取付部材と電磁式アクチュエータのハウジングとを互いに固定して、マウント本体の加振板の駆動軸と電磁式アクチュエータの出力軸とを軸方向で互いに押し付けて当接状態に保持せしめ、出力軸から駆動軸に軸方向駆動力を伝達させて加振板を加振駆動せしめるようにした能動型流体封入式防振装置にある。
このような本発明に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、加振板が、軸方向両側で駆動軸を介して第一及び第二の加振板支持板ばねによってマウント本体に対して軸直角方向に位置決め支持されていると共に、可動子が、軸方向両側で出力軸を介して第一及び第二の可動子支持板ばねによって電磁式アクチュエータのハウジングに対して軸直角方向に位置決め支持されている。即ち、本発明では、板ばねを採用したことで、加振板や可動子の軸方向の変位が充分に許容される一方、軸直角方向では効果的な位置決めが実現される。
そして、これらマウント本体と電磁式アクチュエータが互いに別体構造とされており、マウント本体の加振板の駆動軸と電磁式アクチュエータの出力軸の組み付けに際して、駆動軸と出力軸が軸方向で互いに押し付けられて当接状態に保持されていることから、例えば、マウント本体とアクチュエータにおける各部位の製造誤差や組み付け誤差等に起因して、駆動軸と出力軸が軸直角方向で相互に位置ずれ(偏心)するようなことがある場合においても、駆動軸と出力軸を固定的に組み付けることに起因する固定部分の周りのモーメント発生が回避される。
しかも、駆動軸と出力軸が、それぞれ一対の支持板ばねで弾性支持されていることから、例えば、各支持板ばねのばね特性をチューニングして、駆動軸と出力軸が軸方向で互いに押し付けられる力を大きくすることで、駆動軸と出力軸の当接状態で互いに当接する方向に予圧縮を及ぼすことも可能である。
それ故、本構造の能動型流体封入式防振装置によれば、アクチュエータの駆動力が加振板に対して効率的に伝達されて、目的とする防振効果が安定して得られることに加えて、加振板や出力軸の駆動軸方向に対する傾斜変位が抑えられることから、かじり等による損傷の問題が解消され得るのである。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、駆動軸と出力軸の軸方向で相互に当接する面の一方を軸直角方向に広がる平坦形状とすると共に、駆動軸と出力軸の軸方向で相互に当接する面の他方を半球形状とした構造が、採用されても良い。このような構造によれば、平坦形状の当接面によって安定した当接状態を保持しつつ、半球形状の当接面で駆動軸と出力軸の当接部分の面積が小さくされることから、当接部分において大きな応力が安定して生ぜしめられる。これにより、駆動軸と出力軸が軸方向で互いに押し付けられる力が一層大きくされて、加振板に対する駆動力の伝達効率の更なる向上が図られ得る。また、駆動軸と出力軸が、点当たり乃至は点当たりに近い状態で当接せしめられることによって、例えば、駆動軸と可動部材が偏心していても、可動部材には略中心軸方向の駆動反力が及ぼされるような略点接触の状態が実現される。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、駆動軸と出力軸における軸方向の押し付け量を調節する当接状態調節機構を設けた構造が、採用されても良い。これにより、要求される駆動軸と出力軸の当接状態に応じて軸方向の押し付け量をチューニングして、所期の駆動力を得ることが出来る。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、第二の取付部材で仕切部材を支持せしめて、仕切部材を挟んで受圧室と反対側に壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を形成し、仕切部材の中央部分に透孔を形成して透孔内に加振板を配設すると共に、仕切部材の外周部分に受圧室と平衡室を連通するオリフィス通路を形成する一方、加振板の駆動軸を平衡室側に延び出させて可撓性膜を貫通して外部に突出位置せしめた構造が、採用されても良い。このような構造によれば、受圧室と平衡室の圧力差によって、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動量が確保されて、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づき防振効果であるオリフィス効果が得られる。特に、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が問題となる振動の周波数域にチューニングされることによって、オリフィス効果が効果的に発揮され得る。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、仕切部材において、オリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路を形成し、第二のオリフィス通路における受圧室側の開口部を透孔内に開口させると共に、透孔を覆蓋するようにして可動板を変位可能に配設した構造が、採用されても良い。これにより、オリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時には、第二のオリフィス通路の受圧室側の開口部が可動板で覆蓋せしめられ、受圧室における第二のオリフィス通路を通じての圧力漏れが抑えられて、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動量が十分に確保される。その結果、オリフィス通路によるオリフィス効果が安定して得られる。また、第二のオリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時には、第二のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングされたオリフィス通路が実質的に閉塞状態となっても、可動板の変位に基づいて、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保されて、第二のオリフィス通路によるオリフィス効果が有効に発揮され得る。即ち、本構造によれば、オリフィス通路と第二のオリフィス通路による各オリフィス効果に基づき、複数の振動に対して防振効果が有効に得られる。
なお、本態様に係る可動板としては、可動板を挟んだ両側の流体室の相対的な圧力差に基づき変位せしめられることによって圧力変動を調整する種々の構造が採用される。例えば、特開平01−93638号公報や特開2005−273684号公報、特開2006−97823号公報等にも示されているように、所定の収容領域に対して可動板を非接着に収容配置して、収容領域内で板厚方向に微小変位可能とすると共に、該収容領域に形成した通孔によって、一方の流体室(例えば受圧室)の圧力を可動板の一方の面に及ぼすと共に他方の流体室(例えば平衡室)の圧力を可動板の他方の面に及ぼすことにより、両流体室の相対的な圧力差を収容領域内での可動板の微小変位に基づいて吸収させると共に、可動板の変位許容量以上の圧力吸収を阻止するようにした構造が採用され得る。或いは、例えば、特開2000−213586号公報や特開平07−71506号公報、特開平11−101294号公報等にも示されているように、可動板の少なくとも外周部分を仕切ゴム弾性板で構成し、該仕切ゴム弾性板の外周縁部を仕切部材や第二の取付部材に固着することにより、両流体室を流体密に仕切るように構成することで、該仕切ゴム弾性板の各一方の面に及ぼされる一方の流体室と他方の流体室の圧力差に基づく該仕切ゴム弾性板の弾性変位乃至は弾性変形に基づいて一方の流体室と他方の流体室の相対的な圧力差を吸収させると共に、仕切ゴム弾性板の弾性変形によって大きな圧力吸収を阻止するようにした構造なども、採用可能である。また、例えば、特開2006−17134号公報にも示されているように、可動板の両面に複数の弾性突部を突設して、弾性突部を可動板の収容領域の壁部で挟圧保持せしめることで可動板を部分的に拘束すると共に、可動板の弾性突部が形成されていない部分と収容領域の壁部の間に一方の流体室と他方の流体室を相互に連通せしめる流体流路を設けた構造が採用されても良い。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、第一の加振板支持板ばね、第二の加振板支持板ばね、第一の可動子支持板ばね、第二の可動子支持板ばねの少なくとも一つを複数枚の板ばねを重ね合わせた積層構造とした構造が、採用されても良い。即ち、加振板乃至は可動子の加振周波数を高くする手法の一つとして、例えば支持板ばねの厚さ寸法を大きくして支持板ばねを硬くすることが考えられるが、支持板ばねを厚くすると、大応力が生ぜしめられ易くなって歪が大きくなる。加振板乃至は可動子の駆動に際して繰り返し弾性変形することにより金属疲労が大きくなる支持板ばねにおいては、耐久性を確保する上で、歪を小さくすることが重要である。そこにおいて、本態様の如く、複数の板ばねを重ね合わせた積層構造を採用することにより、応力伝達を抑えて大きな歪の発生を抑制しつつ、支持板ばねを硬くすることが出来る。それ故、支持板ばねの耐久性能が確保されると共に、加振周波数のチューニング自由度の更なる向上が図られ得る。
また、本発明に係る能動型流体封入式防振装置では、積層構造とされた複数枚の板ばねには、それぞれ、複数の肉抜き孔が設けられることによって周方向に渦巻き状に延びる複数本の湾曲腕部が形成されていると共に、それら複数枚の板ばねが各肉抜き孔を相互に連通せしめられた状態で互いに重ね合わせされている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、支持板ばねの形状や大きさ等の設計変更に加えて、肉抜き部分の形状や大きさ、数等を設計変更することによっても、支持板ばねのばね特性がチューニングされることから、ばね特性のチューニング自由度が向上される。また、第一及び第二の加振板支持板ばねにおいて駆動軸の受圧室側の端部に配設される加振板支持板ばねでは、支持板ばねと加振板の間の領域が、肉抜き部分を通じて、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された流体封入領域と連通せしめられる。それ故、本体ゴム弾性体側の流体封入領域に加えて、支持板ばねと加振板の間の領域が受圧室として構成されることから、受圧室の容積が有効に確保される。また、加振板支持板ばねが受圧室内を弾性変形する際に、肉抜き部分が形成されていることによって、板ばねの流体抵抗が軽減せしめられ、板ばねの変形、延いては加振板の加振駆動のエネルギ損失が抑えられる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。先ず、図1には、本発明の流体封入式防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。この自動車用エンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12や、第二の取付部材としての第二の取付金具14、本体ゴム弾性体16等を備えたマウント本体18と電磁式アクチュエータ20を含んで構成されており、これらマウント本体18と電磁式アクチュエータ20は、互いに別体構造とされている。第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が図示しない自動車のボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットが車両ボデーに対してエンジンマウント10を介して弾性的に支持されるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、自動車へのマウント装着状態では、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力されることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14がマウント軸方向で相互に接近する方向に変位して、本体ゴム弾性体16が弾性変形する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12は、逆有底円筒形状乃至は円柱形状を呈している。また、第一の取付金具12の中央部分には、上端面に開口する螺子穴22を備えており、図示しないパワーユニット側の部材が固定ボルトを介して螺子穴22に螺着固定されることにより、第一の取付金具12が、パワーユニットに固定的に取り付けられるようになっている。
また、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、円環板形状の段部24の内周縁部から上方に向かって小径部26が延びていると共に、段部24の外周縁部から下方に向かって大径部28が延びている。小径部26の軸方向寸法が、大径部28の軸方向寸法に比して大きくされている。
これら第一の取付金具12と第二の取付金具14が、相互に同一中心軸上に配設されていると共に、第一の取付金具12が第二の取付金具14の小径部22側の開口部分と軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が介装されている。
本体ゴム弾性体16は、全体として略裁頭円錐台形状を呈する厚肉のゴム弾性体であって、その下端中央部分には、下方に開口する逆すり鉢形状乃至は半球形状の大径凹所30が形成されている。本体ゴム弾性体16の上端部に対して第一の取付金具12の軸方向中間部から下端部に至る部分が埋め込まれるように加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の下端部の外周面に対して第二の取付金具14の小径部26の上端部分から軸方向中間部分にかけての内周面が重ね合わされて加硫接着されている。これにより、本体ゴム弾性体16が第一の取付金具12と第二の取付金具14を一体的に備えた一体加硫成形品として形成されていると共に、第二の取付金具14の一方(図1中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14の小径部26における軸方向中間部分から下端部分にかけての内周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層32が全体に亘って被着形成されている。なお、本体ゴム弾性体16における大径凹所30の開口端面の外周縁部がシールゴム層32の内周面よりも軸直角方向内側に位置せしめられていることによって、本体ゴム弾性体16とシールゴム層32の境界部分には、軸直角方向に円環形状に広がる環状段差部34が形成されている。
また、第二の取付金具14の軸方向下側の開口部分には、仕切部材36が組み付けられている。仕切部材36は、全体として略円形ブロック形状を呈しており、金属材や合成樹脂材等の硬質部材を用いて形成されている。かかる仕切部材36は、仕切部材本体38、第一隔壁板40および第二隔壁板42を含んで構成されている。
仕切部材本体38は、図2にも示されているように、略円形ブロック形状を呈しており、仕切部材本体38の上端部分には、大径円環形状の外フランジ状部44が一体形成されている。また、仕切部材本体38の軸方向中間部分から下端部にかけての外周面が、下方に向かって径寸法が次第に小さくなるテーパ形状を有している。
仕切部材本体38の中央部分には、透孔としての円形状の中央孔46が軸方向に延びるように形成され、仕切部材本体38の上下の端面を貫通している。中央孔46の軸方向略中央部分の周壁部には、円環形状の段差部48が形成されており、段差部48を挟んで中央孔46の上側部分の径寸法が、下側部分の径寸法に比して大きくされている。この中央孔46の下側開口部分には、内フランジ状部50が一体形成されている。また、仕切部材本体38における中央孔46の上側開口部の周りや段差部48には、周方向に所定距離を隔てて複数の螺子穴52が設けられている。また、仕切部材本体38の外周部分乃至は外フランジ状部40の内周部分には、連通窓54が厚さ方向(図1中、上下)に貫設されている。更に、仕切部材本体38の周壁部分における周上の一箇所には、径方向にトンネル状に延びる連通路56が形成されており、仕切部材本体38の中央孔46の大径部分の周壁面と仕切部材本体38の外周面に開口している。
また、第一隔壁板40は、厚肉の略円板形状を呈しており、中央部分には、下方に開口する円形凹状の中央凹所58が設けられている。この中央凹所58の上底部の中央部分には、小径の挿通孔60が貫設されていると共に、上底部の挿通孔60の回りには、複数の小孔からなる透孔62が貫設されている。更に、第一隔壁板40の上端周縁部には、円環形状の鍔状部64が一体形成されている。
また、第二隔壁板42は、第一隔壁板40に比して薄肉で且つ大径の略円板形状を有しており、中央部分には、小径の挿通孔66が貫設されていると共に、挿通孔66の回りには、複数の小孔からなる透孔68が貫設されている。第二隔壁板42の外径寸法が、第一隔壁板40の鍔状部64の外径寸法に比して大きくされていると共に、仕切部材本体38の外フランジ状部44の外径寸法と略同じとされている。
第一隔壁板40と仕切部材本体38の間に第二隔壁板42を挟むようにして、第一隔壁板40、第二隔壁板42および仕切部材本体38が軸方向で相互に重ね合わされて、各中心軸が同一直線上に位置せしめられている。そして、支持ボルト70が第一及び第二隔壁板40,42を軸方向に貫通して、仕切部材本体38の上端面に開口する螺子穴52に螺着固定されていると共に、支持ボルト70の軸方向中間部分乃至はヘッド部が第一及び第二隔壁板40,42の貫通孔内に位置せしめられていることによって、第一及び第二隔壁板40,42と仕切部材本体38の軸直角方向での位置決め状態が維持されて、仕切部材36を構成している。
また、第一隔壁板40の鍔状部64と第二隔壁板42の外周部分が軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、これら鍔状部64の下端面と第一隔壁板40の周壁部の外周面と第二隔壁板42の上端面が協働して、仕切部材36の外周部分を径方向外方に向かって凹状に開口する断面で周方向に所定の長さ(例えば一周弱)で延びる周溝72を形成している。
さらに、第一隔壁板40の中央凹所58の開口部分が第二隔壁板42の中央部分で覆蓋せしめられることによって、第一隔壁板40と第二隔壁板42の間には、軸方向に略一定の円形断面で延びる円形領域74が形成されている。
このような仕切部材36が第二の取付金具14の下側開口部から軸方向に差し入れられ、第一隔壁板40の鍔状部64が本体ゴム弾性体16の環状段差部34に重ね合わせられていると共に、第二隔壁板42の外周部分が、第二の取付金具14のシールゴム層32を介して段部24に重ね合わせられている。これにより、仕切部材36の第二の取付金具14に対する軸方向の挿入端が規定されている。
仕切部材36の下方には、可撓性膜としてのダイヤフラム76が配設されている。ダイヤフラム76は、充分な弛みを有する薄肉の円形ゴム膜で形成されている。また、ダイヤフラム76の外周縁部には、固定金具78が加硫接着されている。固定金具78は、大径リング状の下端部分に径方向内方に延び出す内フランジ状部が一体的に設けられた形態を有している。固定金具78の内周縁部にダイヤフラム76の外周縁部が加硫接着されていると共に、固定金具78の内周面にはダイヤフラム76と一体成形された薄肉のシールゴム層80が略全面に亘って加硫接着されている。
ダイヤフラム76の固定金具78が第二の取付金具14の下側(大径部28側)の開口部から軸方向に内挿されて、固定金具78の上端部がシールゴム層80を介して第二の取付金具14の段部24に軸方向で重ね合わせられていると共に、固定金具78の下側の内周縁部がシールゴム層80を介して仕切部材本体38の外フランジ状部44の外周部分に軸方向で重ね合わせられている。
さらに、第二の取付金具14には、第一ブラケット金具82と第二ブラケット金具84が組み付けられている。第一ブラケット金具82は環状の板形状を有している。第二ブラケット金具84は筒状を有しており、その軸方向上側の内周縁部には、周方向に連続に延びる段差部86が形成されている。また、第二ブラケット金具84の軸方向中間部分の内壁部には、内フランジ状部88が突設されている。これら第一ブラケット金具82と第二ブラケット金具84が軸方向で重ね合わされる際に、第一ブラケット金具82の内周側の下端面が、第二の取付金具12の段部24の上端面に重ね合わされていると共に、第二ブラケット金具82の段差部(段差面)86が、ダイヤフラム76の固定金具78の下端面に重ね合わされている。
そして、後述の如く、第一ブラケット金具82と第二ブラケット金具84が軸方向でボルト固定されることに伴い、第二の取付金具14の段部24と固定金具78が軸方向に挟圧配置されて、第一隔壁板40の鍔状部64と本体ゴム弾性体16の環状段差部34や、第二隔壁板42の外周部分と第二の取付金具14の段部24の径方向内周部分乃至は中間部分、固定金具78の上端部分と段部24の外周部分が、それぞれシールゴム層32,80等を介して流体密に重ね合わせられている。これにより、第一及び第二ブラケット金具82,84の第二の取付金具14への固定に基づいて、仕切部材36とダイヤフラム76が第二の取付金具14に固定的に組み付けられていると共に、仕切部材32およびダイヤフラム74によって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。また、第一及び第二ブラケット金具82,84等が図示しない車両ボデー側の部材に固定されることで、第二の取付金具14が車両ボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。
このようにして仕切部材36とダイヤフラム76が第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に組み付けられていることにより、仕切部材36を挟んだ軸方向一方(図1中、上)の側において、本体ゴム弾性体16の大径凹所30が仕切部材36で閉塞された領域には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室90が形成されている。また、仕切部材36を挟んだ軸方向他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム76で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室92が形成されている。これら受圧室90と平衡室92には、非圧縮性流体が封入されている。封入される非圧縮性流体としては、例えば水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、受圧室90や平衡室92への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材36やダイヤフラム76の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって、好適に実現される。
また、仕切部材36が第二の取付金具14に組み付けられることに伴い、仕切部材36の周溝72の開口部分が、第二の取付金具14に被着されたシールゴム層32を介して第二の取付金具14の内周面に流体密に重ね合わされることによって、周溝72が流体密に閉塞されている。また、周溝72の周方向一方の端部が第一隔壁板40の上端部に形成された連通窓94を通じて受圧室90に接続されていると共に、周溝72の周方向他方の端部が第二隔壁板42の径方向中間部分に形成された連通窓96から仕切部材本体38の連通窓54を通じて平衡室92に接続されている。それによって、第二の取付金具14の内周面や周溝72の壁面、各連通窓54,94,96が協働して、仕切部材36の外周部分を周方向に所定の長さで延びるオリフィス通路としての第一のオリフィス通路98が形成されており、受圧室90と平衡室92が第一のオリフィス通路98を通じて相互に連通せしめられて、それら両室90,92間で、第一のオリフィス通路98を通じての流体流動が許容されるようになっている。
さらに、仕切部材本体38の中央孔46の小径側には、加振板100が配設されている。加振板100は、薄肉の略円板形状を有していると共に、硬質の合成樹脂材や金属材等を用いて形成されている。加振板100の中央部分には、小径の円筒形状を有するボス状突部102が上方に向かって突設されており、ボス状突部102の内孔が加振板100の下端面に開口していることによって、加振板100の中心軸上に挿通孔104が形成されている。また、加振板100の外周縁部には、軸方向下方に向かって突出する略円筒形状のリム状突部106が一体形成されている。
また、ダイヤフラム76の中央部分には、駆動ロッド108が加硫接着されている。駆動ロッド108は、軸方向に延びる硬質のロッド状部材であり、その軸方向上側には、上端面に開口する螺子穴110が設けられていると共に、軸方向下側には、軸直角方向に広がる段差部112を介して小径のボルト部114が設けられている。また、駆動ロッド108の軸方向中間部分には、径方向外方に広がる鍔部116が一体形成されていて、鍔部116の外周部分に対してダイヤフラム74の中央部分が加硫接着されている。それによって、駆動ロッド108本体がダイヤフラム76の中央部分を貫通する形態をもってダイヤフラム76に加硫接着されている。
駆動ロッド108の上端面と加振板100の中央部分の下端面が軸方向で相互に重ね合わされて、固定ボルト118が加振板100の上方から挿通孔104に挿通されて駆動ロッド108の螺子穴110に螺着固定されている。
これにより、加振板100と駆動ロッド108が軸方向で連結されていると共に、加振板100のリム状突部106が仕切部材本体38の中央孔46の周壁部に沿って配設されて、加振板100と中央孔46が略同軸的に配されている。そして、加振板100が、仕切部材本体38の中央孔46の上側開口部を覆蓋せしめる第二隔壁板42と軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。ここで、リム状突部106を備えた加振板100の外周部分と中央孔46の周壁部の間には、微小な隙間が形成されており、かかる隙間の存在によって加振板100の軸方向変位が好適に許容されるようになっている。かかる隙間を通じての流体流動等が生ぜしめられるか否かは、特に限定されるものでないが、本実施形態では、隙間が、それを通じての流体流動等が実質的に生ぜしめられない程度に微小なものとされている。その結果、仕切部材本体38の中央孔46の下側開口部が、加振板100によって実質的に閉塞せしめられている。
ここにおいて、加振板100の中央部分に突設されたボス状突部102が、第一の加振板支持板ばね120を介して仕切部材本体38に支持されている。第一の加振板支持板ばね120は、図3,4にも示されているように、ばね鋼やステンレス鋼等によって形成された薄肉の円環板形状を有しており、中央部分に円形状の中心孔122が設けられている。また、第一の加振板支持板ばね120の径方向中間部分には、肉抜き部分としてのスリット124が板厚方向に貫通して複数形成されている。スリット124の形状や大きさ、配置、数等の形態は要求されるばね特性等に応じて設定されるものであって、本実施形態では、3つのスリット124が、互いに同じ大きさや形状を有しており、それぞれ周方向に蛇行して一周弱の長さで延びている。これにより、第一の加振板支持板ばね120における複数のスリット124径方向間には、周方向に渦巻き状に延びる複数本の湾曲腕部が形成されている。また、第一の加振板支持板ばね120の外周部分には、複数の挿通孔126が所定の間隔で貫設されている。特に本実施形態では、複数のスリット124と複数の挿通孔126がそれぞれ同一形態とされていると共に、それぞれ周方向で等間隔に形成されていることから、第一の加振板支持板ばね120の周方向の位置決めが不要とされている。
第一の加振板支持板ばね120の中心孔122に固定ボルト118が挿通されて、第一の加振板支持板ばね120の中心孔122の周りが、固定ボルト118のヘッド部と加振板100のボス状突部102の軸方向間で固定ボルト118の螺着固定力に基づき挟圧されている。また、第一の加振板支持板ばね120の外周部分が仕切部材本体38の中央孔46の段差部48に載置されると共に、第一の加振板支持板ばね120の挿通孔126が段差部48の螺子穴52に位置合わせされて、第一の加振板支持板ばね120の外周部分が仕切部材本体38にボルトやビス等で固定されている。これにより、第一の加振板支持板ばね120が仕切部材本体38の内側で軸直角方向に広がるように配設されて、かかる第一の加振板支持板ばね120により、加振板100を挟んで軸方向一方の側(図1中、上)のボス状突部102が仕切部材本体38に対して軸方向で弾性的に連結支持せしめられている。
さらに、加振板100と連結された駆動ロッド108が、第二の加振板支持板ばね128を介して第二ブラケット金具84に支持されている。第二の加振板支持板ばね128は、図5にも示されているように、第一の加振板支持板ばね120と同様に、ばね鋼やステンレス鋼等によって形成された薄肉の略円板形状を有しており、中央部分に円形状の中心孔130が設けられていると共に、径方向中間部分に肉抜き部分としての3つのスリット132が貫設されており、更に外周部分に複数の挿通孔134が所定の間隔で貫設されている。本実施形態では、第二の加振板支持板ばね128が、第一の加振板板ばね120に比して十分に大きくされている。
この第二の加振板支持板ばね128の中心孔130に駆動ロッド108の雄螺子部114が挿通されて、第二の加振板支持板ばね128の中心孔130の周りが、駆動ロッド108の段差部112に重ね合わされている。また、第二の加振板支持板ばね128の下方に突出せしめられた雄螺子部114には、支持ナット136が螺着されていることで、第二の加振板支持板ばね128の中央部分が支持ナット136と駆動ロッド108の段差部112の軸方向間に挟み込まれており、この支持ナット136の螺着固定力に基づいて挟圧されている。また、第二の加振板支持板ばね128の外周部分の上端面が第二ブラケット金具84の内フランジ状部88の下端面に重ね合わされていると共に、第二の加振板支持板ばね128の挿通孔134が内フランジ状部88に形成された螺子孔138に位置合わせされて、固定ボルト140が挿通孔134に挿通されて螺子孔138に螺着固定されていることにより、第二の加振板支持板ばね128の外周部分が第二ブラケット金具84に固定されている。これにより、第二の加振板支持板ばね128が加振板100を挟んで第一の加振板支持板ばね120と反対側の軸方向外方において軸直角方向に広がるように配設されて、かかる第二の加振板支持板ばね128により、加振板100を挟んで軸方向他方の側(図1中、下)の駆動ロッド108が第二ブラケット金具84、延いては第二ブラケット金具84を介して第二の取付金具14に対して軸方向で弾性的に連結支持せしめられている。
すなわち、加振板100のボス状突部102および駆動ロッド108が軸方向に変位することに伴い、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128も軸方向に弾性変形することから、加振板100が仕切部材本体38の中央孔46を軸方向に変位可能とされている。また、加振板100が、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128によって軸直角方向に位置決めされることで、加振板100と仕切部材本体38が同軸的に位置せしめられる状態が保持されている。このことからも明らかなように、加振板100を軸方向に駆動せしめる駆動軸が、ボス状突部102と駆動ロッド108を含んで構成されている。
なお、加振板100及び駆動ロッド108が一対の板ばね(第一及び第二の加振板支持板ばね120,128)を介して仕切部材36、延いては第二の取付金具14側に弾性支持されていることで、加振板100や駆動ロッド108をマス成分とし、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128をバネ成分とする一つのマス−バネ系が構成されている。特に、防振すべき振動周波数よりも更に高周波数域の反共振によりマス−バネ系が剛体化される等の悪影響を回避するために、この一つのマス−バネ系の固有振動数が、防振すべき振動周波数、即ち加振板100の加振周波数よりも充分に高周波数域に設定される。
また、仕切部材36における加振板100と第二隔壁板42の間の領域が、第一及び第二隔壁板40,42に貫設された透孔62,68や第一隔壁板40と第二隔壁板42の間の円形領域74を通じて受圧室90と相互に連通せしめられており、当該領域にも受圧室90と同一の非圧縮性流体が封入されている。即ち、加振板100と第二隔壁板42の間の領域には、透孔62,68や円形領域74を通じて受圧室90の圧力変動が直接に及ぼされることから、当該領域が受圧室90の一部として機能する。上述の説明からも明らかなように、受圧室90において本体ゴム弾性体16と異なる壁部の別の一部が、加振板100で構成されている。
換言すれば、仕切部材36における第一及び第二隔壁板40,42を挟んだ一方の側(図1中、上)には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された第一受圧室142が形成されていると共に、仕切部材36における第一及び第二隔壁板40,42挟んだ他方の側(図1中、下)には、壁部の一部が加振板100で構成された第二受圧室144が形成されており、これら第一受圧室142と第二受圧室144を含んで受圧室90が構成されている。即ち、受圧室90を仕切る隔壁部材が、第一隔壁板40と第二隔壁板42を含んで構成されている。また、第一受圧室142と第二受圧室144を相互に連通せしめるフィルタオリフィスが、第一及び第二隔壁板40,42に形成された透孔62,68や円形領域74を含んで構成されている。
また、第一の加振板支持板ばね120のスリット124を通じて該支持板ばね120と加振板100の間の領域にも、該支持板ばね120と第二隔壁板42の間の領域と同様に、非圧縮性流体が封入せしめられることとなり、第二受圧室144の一部とされている。
特に本実施形態では、上述の透孔62,68や円形領域74からなるフィルタオリフィスを通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、加振板100による能動的な防振効果を得ようとする、中速乃至は高速こもり音等に相当する80〜100Hz程度の高周波数域にチューニングされている。
また、仕切部材本体38に形成された連通路56の一方の端部が第二受圧室144に接続されていると共に、連通路56の他方の端部が平衡室92に接続されている。即ち、かかる連通路56によって、第二受圧室144と平衡室92を相互に連通せしめる第二のオリフィス通路146が構成されて、それら両室92,144間で、第二のオリフィス通路146を通じての流体流動が許容されるようになっている。
特に本実施形態では、第一のオリフィス通路98を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、例えば、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。一方、第二のオリフィス通路146を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、例えば該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動や低速こもり音等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域の振動に対して有効な防振効果が得られるようにチューニングされている。即ち、第二のオリフィス通路146のチューニング周波数が、第一のオリフィス通路98のチューニング周波数に比して高周波数域に設定されていると共に、前述の透孔62,68や円形領域74で構成されるフィルタオリフィスのチューニング周波数が、第一及び第二のオリフィス通路98,146に比して高周波数域に設定されている。これら第一のオリフィス通路98や第二のオリフィス通路146、フィルタオリフィスのチューニングは、例えば、受圧室90や平衡室92の各壁ばね剛性、即ちそれら各室90,92を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム76等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、各オリフィス通路の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、オリフィス通路のチューニング周波数として把握することが出来る。
また、仕切部材36の円形領域74には、可動板148が収容配置されている。この可動板148は、ゴム弾性体からなり、円形領域74よりも一回り小さな略円板形状を有している。円形領域74の周壁部、即ち第一隔壁板40の中央凹所58の周壁部と可動板148の外周縁部との間には、全周に亘って隙間が設けられている。また、可動板148の厚さ寸法が、円形領域74の軸方向寸法に比して小さくされている。そして、可動板148の一方(図1中、上)の面には、第一隔壁板40の透孔62を通じて第一受圧室142の圧力が及ぼされるようになっていると共に、可動板148の他方(図1中、下)の面には、第二隔壁板42の透孔68を通じて第二受圧室144の圧力が及ぼされるようになっている。これにより、可動板148が、第一受圧室142と第二受圧室144の相対的な圧力差に基づいて、仕切部材36の中央孔46を覆蓋するようにして円形領域74内を軸方向に変位可能とされている。
なお、可動板148の中央部分には、軸方向両側の外方に突出せしめられるようにして案内軸部150,150が突設されており、可動板148が円形領域74に収容配置される際に、各案内軸部150が、円形領域74の上壁部を構成する第一隔壁板40と下壁部を構成する第二隔壁板42の各中央部分に貫設された挿通孔60,66に対して変位可能に挿通せしめられることによって、可動板148の円形領域74に対する軸直角方向の位置決めがされている。また、可動板148の両面が凹凸形状を有していることで、可動板148の第一隔壁板40および第二隔壁板42への打ち当たり部分が小さくされていることに基づき打音が小さくされることに加えて、可動板148の有効面積が大きく確保されていることにより、第一及び第二受圧室142,144の圧力が可動板148に効率的に及ぼされるようになっている。特に、可動板148の共振周波数が、第二のオリフィス通路146のチューニング周波数域と同一の範囲内となる、アイドリング振動や中速こもり音等の中周波数域にチューニングされており、加振板100の加振周波数の高い領域やフィルタオリフィスの共振周波数に比して低い周波数域に設定されている。
本実施形態では、可動板148を備えた仕切部材36とダイヤフラム76が、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対して、第一及び第二ブラケット金具82,84を用いて組み付けられていることに加え、加振板100が第一及び第二の加振板支持板ばね120,128を介して仕切部材36と第二ブラケット金具84に弾性支持せしめられている構造体をもって、マウント本体18が構成されている。
一方、マウント本体18と別体構造とされる電磁式アクチュエータ20においては、可動子としての可動部材152の外周側に固定子としてのヨーク部材154が離隔配置されていると共に、ヨーク部材154にコイル156が組み付けられた構造を呈している。かかるコイル156への通電により可動部材152とヨーク部材154の間に生ぜしめられる磁界の作用によって、可動部材152が固定子(ヨーク部材154)に対して軸方向に駆動せしめられるようになっている。
具体的に、コイル156は周方向に巻き付けられるようにして軸方向に延びる円筒形状を有しており、コイル156の表面には電気絶縁層158が被覆されている。また、ヨーク部材154が、強磁性材からなり、コイル156の内周面側を除いた周りを囲うように配されていることによって、かかる周りを囲うようにして磁路が形成されている。磁路には、コイル156の内周部分において磁気ギャップが形成されており、この磁気ギャップに相当する位置に可動部材152が配設されている。
可動部材152は、略円筒形状を有する強磁性材からなる。また、可動部材152の内周面には、内フランジ状の係合突部160が設けられている。更に、可動部材152とコイル156の間には、円筒形状の摺動スリーブ162が配設されており、可動部材152が摺動スリーブ162に内挿配置されて摺動スリーブ162に沿って軸方向に変位することにより、可動部材152がヨーク部材154に対して軸方向に可動とされている。
また、ヨーク部材154には、第三ブラケット金具164と第四ブラケット金具166が組み付けられている。第三ブラケット金具164は環状の板形状を有している。第四ブラケット金具166は略筒状を有しており、その軸方向上側の外周縁部には、外フランジ状部168が形成されていると共に、軸方向上側の内周縁部には、周方向に連続して延びる切り欠き状の段差部170が形成されている。なお、第四ブラケット金具166の周壁部には、外部電力をコイル156に給電するコネクタを外方に突設配置するための孔が設けられている。また、第三ブラケット金具164の上端部と第四ブラケット金具166の下端部には、それぞれ内フランジ状部172,174が突設されている。ここで、ヨーク部材154の軸方向中間部分には、外フランジ形状の係止金具176が外挿装着されており、ヨーク部材154が第四ブラケット金具166に内挿されることに伴い、係止金具176が第四ブラケット金具166の段差部170に重ね合わされて係止されている。また、第四ブラケット金具166の上方から第三ブラケット金具164が重ね合わされて固定用ボルト178で相互に固定されることに基づき、係止金具176が、第三ブラケット金具164と第四ブラケット金具166の軸方向間に挟圧されている。これにより、ヨーク部材154が、係止金具176を介して第三及び第四ブラケット金具164,166に固定的に支持されることとなり、第三ブラケット金具164の内フランジ状部172と第四ブラケット金具166の内フランジ状部174における軸方向対向面間の中間部分に位置決め配置されている。
また、可動部材152には、その中心軸上で出力ロッド180が挿し入れられている。出力ロッド180は、長手状のロッド部材にて構成されており、可動部材152の中心孔に挿通された状態下、出力ロッド180の軸方向中間部分が可動部材152の係合突部160に内挿配置されていると共に、出力ロッド180の軸方向下端部が可動部材152の内側に位置せしめられている一方、軸方向上端部が可動部材152の軸方向外方に突出せしめられている。この可動部材152の内側に位置せしめられる出力ロッド180の下端部では、ロックボルト構造とされており、位置決めナット182が螺着されている。六角レンチ等を用いて、ロックボルトを備えた出力ロッド180を位置決めナット182に対して相対回転させて、位置決めナット182の出力ロッド180に対するねじ込み量を調節することにより、出力ロッド180における可動部材152からの突出位置の設定変更が可能とされている。
さらに、可動部材152の下側開口部には蓋部材184が組み付けられて開口部が覆蓋せしめられていることにより、位置決めナット182を備えた出力ロッド180の下端部が、可動部材152に収容状態で配されている。また、可動部材152の中心軸上に位置する蓋部材184の中央部分には、段差部186を介して先端部分が小径化せしめられた雄螺子部188が、軸方向下方に向かって突設されている。
ここにおいて、出力ロッド180が突出配置された可動部材152の軸方向一方の側(図1中、上)が、第一の可動子支持板ばね190を介して第三ブラケット金具164に支持されている。第一の可動子支持板ばね190は、図6にも示されているように、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128と同様に、ばね鋼やステンレス鋼等によって形成された薄肉の略円板形状を有しており、中央部分に円形状の中心孔192が設けられていると共に、径方向中間部分に肉抜き部分としての3つのスリット194が貫設されており、更に外周部分に複数の挿通孔196が所定の間隔で貫設されている。また、挿通孔196は、スリット194の内側において中心孔192の回りにも複数形成されている。
この第一の可動子支持板ばね190の中心孔192に出力ロッド108の上側が挿通されていると共に、第二の加振板支持板ばね128の外周部分が、第三ブラケット金具164の内フランジ状部172の上方から内フランジ状部172に重ね合わされている。そして、複数の固定ボルト198が、第一の可動子支持板ばね190の各挿通孔196に挿通されて、第一の可動子支持板ばね190の径方向中央側において筒状スペーサ200を外挿配置しつつ可動部材152に螺着固定されていると共に、第一の可動子支持板ばね190の外周側において第三ブラケット金具164の内フランジ状部172に螺着固定されている。
これにより、第一の可動子支持板ばね190が可動部材152の軸方向一方の側(図1中、上)において軸直角方向に広がるように配設されて、かかる第一の可動子支持板ばね190により、可動部材152の軸方向一方の側が第三ブラケット金具164、延いては後述の如く第三ブラケット金具164とボルト固定される第一及び第二ブラケット金具82,84を介して第二の取付金具14に対して軸方向で弾性的に連結支持せしめられている。
また、蓋部材184が配設された可動部材152の軸方向他方の側(図1中、下)が、第二の可動子支持板ばね202を介して第四ブラケット金具166に支持されている。第二の可動子支持板ばね202は、図5に示される如き第二の加振板支持板ばね128と略同一の構造とされており、中央部分に円形状の中心孔204が設けられていると共に、径方向中間部分に肉抜き部分としての3つのスリット206が貫設されており、更に外周部分に複数の挿通孔208が所定の間隔で貫設されている。
この第二の可動子支持板ばね202の中心孔204に蓋部材184の雄螺子部188が挿通されて、第二の可動子支持板ばね202の中心孔204の周りが、蓋部材184の段差部186に重ね合わされている。また、第二の可動子支持板ばね202の下方に突出せしめられた雄螺子部188には、第二の加振板支持板ばね128と同様に、支持ナット210が螺着されていることで、第二の可動子支持板ばね202の中央部分が支持ナット210と蓋部材184の段差部186の軸方向間に挟み込まれており、この支持ナット210の螺着固定力に基づいて挟圧されている。また、第二の可動子支持板ばね202の外周部分の上端面が第四ブラケット金具166の内フランジ状部174の下端面に重ね合わされていると共に、複数の固定ボルト212が、第二の可動子支持板ばね202の各挿通孔208に挿通されて、内フランジ状部174に螺着固定されていることにより、第二の可動子支持板ばね202の外周部分が第四ブラケット金具166に固定されている。
これにより、第二の可動子支持板ばね202が可動部材152を挟んで第一の可動子支持板ばね190と反対側の軸方向外方において軸直角方向に広がるように配設されて、かかる第二の可動子支持板ばね202により、可動部材152の軸方向他方の側(図1中、下)が第三及び四ブラケット金具164,166、延いては第一及び二ブラケット金具82,84を介して第二の取付金具14に対して軸方向で弾性的に連結支持せしめられている。
すなわち、コイル156の通電により可動部材152とヨーク部材154の間で発生する磁界の作用で、可動部材152がヨーク部材154に対して軸方向両側に変位することに伴い、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202も軸方向に弾性変形することによって、可動部材152に固定された出力ロッド180や蓋部材184もヨーク部材154に対して軸方向に可動とされている。上述の説明からも明らかなように、電磁式アクチュエータ20の可動子側の出力軸が、出力ロッド180と蓋部材184を含んで構成されている。また、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202を固定する電磁式アクチュエータ20のハウジングが、第三ブラケット金具164と第四ブラケット金具166を含んで構成されている。
また、可動部材152における軸方向一方の側と蓋部材184を介した軸方向他方の側が、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202によって軸直角方向に位置決めされることで、可動部材152および出力ロッド180とヨーク部材154が同軸的に位置せしめられる状態が保持されている。即ち、図1に示される如きコイル156の非通電状態下において、可動部材152のヨーク部材154に対する初期位置が、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202の剛性に基づいて保持されている。また、初期位置から変位した可動部材152における初期位置への返戻は、例えば、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202の弾性変形作用を利用して、好適に為される。
また、可動部材152が一対の板ばね(第一及び第二の可動子支持板ばね190,202)を介して固定子側に弾性支持されていることで、可動部材152をマス成分とし、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202をバネ成分とする一つのマス−バネ系が構成されている。特に、防振すべき振動周波数よりも更に高周波数域の反共振によりマス−バネ系が剛体化される等の悪影響を回避するために、この一つのマス−バネ系の固有振動数が、防振すべき振動周波数、即ち可動部材152の駆動周波数よりも充分に高周波数域に設定される。
このような構造とされた電磁式アクチュエータ20とマウント本体18の組み付けに際しては、マウント本体18側の第二ブラケット金具84と電磁式アクチュエータ20側の第三ブラケット金具164が軸方向で相互に重ね合わされている。また、予め第一乃至は第四ブラケット金具82,84,164,166に軸方向に貫設された各挿通孔が軸直角方向で位置合わせされており、特に、第二ブラケット金具84の挿通孔が螺子孔214とされている。第一ブラケット金具82と第四ブラケット金具166の軸方向両側から固定ボルト215,217が挿通されて、螺子孔214に螺着固定されることによって、第一乃至は第四ブラケット金具82,84,164,166が軸方向で相互に挟圧固定されている。その結果、前述の如く、第一ブラケット金具82と第二ブラケット金具84の軸方向のボルト固定に基づいて、仕切部材36およびダイヤフラム76が第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に固定的に組み付けられて、マウント本体18が構成されていると共に、電磁式アクチュエータ20が、第一乃至は第四ブラケット金具82,84,164,166を介して、マウント本体18の第二の取付金具14に組み付けられているのである。
そこにおいて、マウント本体18と電磁式アクチュエータ20が相互に固定された状態では、加振板100から下方に延びる駆動ロッド108の先端に設けられた支持ナット136と、可動部材152から上方に突出する出力ロッド180の先端部分とが、軸方向で互いに接近する方向に押し付けられて、当接状態に保持されている。また、駆動ロッド108と出力ロッド180が、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128と第一及び第二の可動子支持板ばね190,202によって軸直角方向でそれぞれ位置決めされていることに伴い、自動車用エンジンマウント10の中心軸上で軸方向に相互に当接されている。
これら駆動ロッド108と出力ロッド180を軸方向で当接状態に保持する予圧縮の量は、加振板100において予定する加振振幅(軸方向)よりも少なくとも大きくされている。蓋し、予圧縮の量が加振板100の加振振幅よりも小さいと、加振時に駆動ロッド108と出力ロッド180が駆動軸方向で相互に離隔せしめられて、打音や衝撃の問題発生が懸念されるからである。本実施形態では、例えば加振板100の加振振幅が1〜2mm程度であるとすると、5mmの予圧縮を及ぼすことで、駆動ロッド108側と出力ロッド180側に、それぞれ2.5mmずつの軸方向予圧縮変位を及ぼした状態で、マウント本体18と電磁式アクチュエータ20が組み付けられている。
特に、上述の予圧縮の量を設定する手段の一つとして、第一の加振板支持板ばね120および第二の加振板支持板ばね128の合成ばねと第一の可動子支持板ばね190および第二の可動子支持板ばね202の合成ばねのチューニングが挙げられる。本実施形態では、第一の加振板支持板ばね120および第二の加振板支持板ばね128の合成ばねと第一の可動子支持板ばね190および第二の可動子支持板ばね202の合成ばねが略同じとされている。第一及び第二の加振板支持板ばね120,128や第一及び第二の可動子支持板ばね190,202の各ばね特性をチューニングするには、例えば各支持板ばね120,128,190,202や各支持板ばね120,128,190,202に形成されるスリット124,132,194,206における形状や大きさ、材質、数、配置等を設定変更することにより、実現される。
具体的に、本実施形態では、第一の加振板支持板ばね120が、第二の加振板支持板ばね128や第一及び第二の可動子支持板ばね190,202に比して、薄肉且つ充分に小径とされている。また、第一の加振板支持板ばね120が1枚採用される一方、第二の加振板支持板ばね128や第一及び第二の可動子支持板ばね190,202が、それぞれ2枚採用されて、駆動ロッド108や出力ロッド180の軸方向に対して密接状態で重ね合わせられた積層構造とされている。更に、2枚重ね合わされる各支持板ばね128,190,202において形成されたスリット132,194,206、軸方向で投影する位置に配されていることによって、2枚重ね合わされる各支持板ばね128,190,202のスリット132,194,206が、それぞれ相互に連通する状態で重ね合わせられている。
また、駆動ロッド108において出力ロッド180と軸方向で当接する当接面としての支持ナット136の下端面が、軸直角方向に広がる平坦形状とされていると共に、出力ロッド180において駆動ロッド108と軸方向で当接する当接面としての先端面が、略半球形状とされている。即ち、本実施形態では、駆動ロッド108と出力ロッド180が点当たり乃至は点当たりに近い状態で当接されている。
さらに、本実施形態では、第二ブラケット金具84と第三ブラケット金具164の重ね合わせ面間に複数のスペーサ216が軸方向に重ね合わされた状態で介装されており、これらスペーサ216の形状や大きさ、重ね合わされる数等に応じて、駆動ロッド108と出力ロッド180の軸方向間の距離、即ち駆動ロッド108と出力ロッド180における軸方向の押し付け量が調節可能とされている。また、出力ロッド180の下端部におけるロックボルトや位置決めナット182を操作して、出力ロッド180の可動部材152からの突出位置を設定変更することによっても、駆動ロッド108と出力ロッド180における軸方向の押し付け量が調節可能とされている。このことからも明らかなように、本実施形態に係る駆動ロッド108と出力ロッド180の軸方向の押し付け量を調節する当接状態調節機構が、出力ロッド180の下端部のロックボルトや位置決めナット182、第二ブラケット金具84と第三ブラケット金具164の間に介装される複数のスペーサ216を含んで構成されている。
これら第一及び第二の加振板支持板ばね120,128や第一及び第二の可動子支持板ばね190,202における各形態や当接状態調節機構の調節量等に基づき、駆動ロッド108と出力ロッド180の当接状態で、駆動ロッド108が出力ロッド180に向かう力と出力ロッド180が駆動ロッド108に向かう力が略同じとされていると共に、加振板100の加振振幅よりも大きな予圧縮力が駆動ロッド108と出力ロッド180の間に及ぼされている。而して、駆動ロッド108と出力ロッド180が軸方向で互いに押し付けられて当接状態に保持せしめられた状態で、コイル156の通電により可動部材152がヨーク部材154に対して軸方向に駆動変位せしめられると、当接状態を保持したまま、出力ロッド180から駆動ロッド108に軸方向駆動力が伝達されると共に、駆動ロッド108から出力ロッド180に駆動反力が及ぼされて、加振板100が軸方向に加振駆動されることとなる。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、例えば、パワーユニットのエンジン点火信号を参照信号とすると共に、車両ボデー等の防振すべき部材の振動検出信号をエラー信号として適応制御等のフィードバック制御を行うこと等によって、コイル156への通電を制御し、加振板100を軸方向に加振駆動せしめる。その結果、例えばエンジンシェイク等の低周波振動が入力されたり、或いはアイドリング振動や低速こもり音等の中周波振動が入力されたりした際に、受圧室90と平衡室92の間に圧力変動が有効に生ぜしめられるように加振板100を駆動制御せしめることによって、第一のオリフィス通路98を通じての流体の共振作用等に基づく防振効果や第二のオリフィス通路146を通じての流体の共振作用等に基づく防振効果が有効に発揮され得る。
なお、本実施形態では、内フランジ状部50において加振板100と対向位置せしめられる面には、全周に亘って略一定の厚さ寸法で延びる緩衝ゴム層218が被着形成されている。それによって、加振板100が緩衝ゴム層218を介して内フランジ状部50に打ち当たることとなり、緩衝ゴム層218の緩衝作用に基づいて打ち当たりに起因する問題となる打音の発生が抑えられる。
また、例えば、第一のオリフィス通路98や第二のオリフィス通路146のチューニング周波数域よりも高周波数域の中速乃至は高速こもり音等が入力された際に、かかる振動に対応した駆動力を加振板100に作用せしめる。これによって、加振板100の加振駆動に基づき第一及び第二受圧室142,144からなる受圧室90の内圧が制御されることとなり、当該高周波振動に対して積極的乃至は能動的な防振効果が有効に発揮され得る。
特に本実施形態では、第一及び第二隔壁板40,42の透孔62,68や円形領域74を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、加振板100による能動的な防振効果を得ようとする、中速乃至高速こもり音等の高周波数域にチューニングされていることと相俟って、加振板100の加振駆動に基づいて第一受圧室142および第二受圧室144に生ぜしめられる圧力変動が、透孔62,68や円形領域74を通じて流動せしめられる流体の共振作用等を利用して、効率的に伝達されるようになっている。そして、第一受圧室142および第二受圧室144の圧力変動が積極的に乃至は能動的に制御されることにより、本体ゴム弾性体16で連結された第一の取付金具12と第二の取付金具14の振動伝達特性が調節されて、目的とする防振効果が有利に発揮され得るのである。
そこにおいて、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10では、加振板100が、軸方向両側でボス状突部102および駆動ロッド108を介して第一及び第二の加振板支持板ばね120,128によって仕切部材36および第二ブラケット金具84に対して軸直角方向に位置決め支持されている。また、加振板100に軸方向駆動力を及ぼす電磁式アクチュエータ20の可動部材152が、軸方向両側で出力ロッド180および蓋部材184を介して第一及び第二の可動子支持板ばね190,202によって第三及び第四ブラケット金具164,166に対して軸直角方向に位置決め支持されている。その結果、加振板100や可動部材152の軸方向の変位が充分に許容される一方、軸直角方向では効果的な位置決めが実現される。
また、加振板100を備えたマウント本体18と可動部材152を備えた電磁式アクチュエータ20が互いに別体構造とされており、マウント本体18と電磁式アクチュエータ20の組み付けに際して、駆動ロッド108と出力ロッド180が軸方向で互いに押し付けられて当接状態に保持されている。
このことから、例えば、マウント本体18と電磁式アクチュエータ20における各部位の製造誤差や組み付け誤差等に起因して、駆動ロッド108と出力ロッド180が軸直角方向で相互に位置ずれ(偏心)するようなことがある場合においても、駆動ロッド108と出力ロッド180を固定的に組み付けることに起因する固定部分の周りのモーメント発生が回避される。
しかも、駆動ロッド108と出力ロッド180が、それぞれ一対の支持板ばね120,128,190,202で弾性支持されていることに加え、互いに別体構造とされていることから、例示の如く、各支持板ばね120,128,190,202のばね特性をチューニングしたり、出力ロッド180の軸方向位置を調節したりして、駆動ロッド108と出力ロッド180が軸方向で互いに押し付けられる力を大きくすることで、駆動ロッド108と出力ロッド180の当接状態で互いに当接する方向に加振板100の加振振幅よりも大きな予圧縮を及ぼすことも可能となる。
その結果、加振板100の駆動効率が安定して得られて、目的とする防振制御が効果的に実現される。また、加振板100が仕切部材36の中央孔46の周壁部等に当接する可能性が低くされ、当接に伴い傷等が発生するおそれが好適に回避され得る。
また、本実施形態では、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128の合成ばねと第一及び第二の可動子支持板ばね190,202の合成ばねとが略同じとされていることから、駆動ロッド108と出力ロッド180の当接に伴う軸方向の弾性変形(変位)量が互いに略同じになることで、予圧縮のチューニングが容易となる。
また、加振板100が中心軸の両側でマウント本体18に支持されていることで、加振板100の中央孔46への干渉に起因する問題を解消しつつ、加振板100の外周面と中央孔46の内周面の間の隙間を充分に小さく、且つ加振板100と中央孔46における対向部分の軸方向長さを大きく設定することが出来る。これにより、加振板100と中央孔46の対向部分におけるピストン面積が増大すると共に、隙間からの受圧室90の圧力漏れが抑えられることから、受圧室90の圧力制御の効率と安定化が図られ得る。
なお、本構造の自動車エンジンマウント10によれば、電磁式アクチュエータ20を製造するに際して、2つの重要な作業も好適に実現される。
第一の作業は、可動部材152のヨーク部材154に対する軸方向の位置設定作業である。本実施形態に係る電磁式アクチュエータ20は、可動子(可動部材152)の外周側にコイル156を備えた固定子(ヨーク部材154)が配設されたソレノイド構造とされているが故に、可動子の固定子に対する軸方向位置が重要であり、高精度な位置決めが要求される。そこにおいて、本実施形態では、電磁式アクチュエータ20をマウント本体18に組み付けた時の予圧縮に伴う出力ロッド180の軸方向変位量を考慮しつつ、位置決めナット182に対する出力ロッド180の軸方向の位置決め設定を調節することが可能な構造とされている。それ故、可動子の固定子に対する軸方向位置のチューニング幅が大きくされて、出力ロッド180を備えた可動部材152のヨーク部材154に対する軸方向の位置決めが、高精度に実現される。
また、第二の作業は、可動子(可動部材152)の固定子(ヨーク部材154)に対する平行性の設定である。特に本実施形態では、可動部材152をヨーク部材154に組み付けるに際して、上述の第一の作業で可動部材152の軸方向位置を設定した後、可動部材152を軸直角方向で偏心させて、外周面上の一箇所でヨーク部材154に対して軸直角方向に接触した状態としてから、可動部材152を第一及び第二の可動子支持板ばね190,202を介してヨーク部材154に軸直角方向で位置決めして組み付けることも可能となる。これにより、可動部材152がヨーク部材154に対して平行に組み付けられる。また、可動部材152の変位に際しても、その外周面の一箇所において軸方向全長に亘って略接触した状態で、傾斜ブレが抑えられつつ、軸方向に変位せしめられることとなり、可動部材152の変位状態が安定して、かじり等の発生が一層効果的に防止される。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、加振板100や第一及び第二の加振板支持板ばね120,128、第一及び第二の可動子支持板ばね190,202、第一のオリフィス通路98、第二のオリフィス通路146、フィルタオリフィス、可動板148等における形状や大きさ、構造、数、配置等の形態は、例示の如き形態に限定されるものではない。特に、第一のオリフィス通路98や第二のオリフィス通路146、フィルタオリフィス、可動板148等は、必要に応じて配されるものであって、必須の構成要件でない。
特に前記実施形態では、加振板100のボス状突部102に固定された固定ボルト118の頭部と可動板148の案内軸部150が軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。そこで、例えば、加振板100を上方に向かって駆動させて、案内軸部150を固定ボルト118で押圧せしめ、可動板148を第一隔壁板40に当接した状態に保持せしめることも可能である。これにより、第一隔壁板40の透孔62が可動板148で覆蓋されると共に、可動板148の変位が拘束せしめることから、第二のオリフィス通路146を通じての流体の流動作用を実質的に生ぜしめないようにすること、即ち第二のオリフィス通路146を遮断状態にすることが可能となる。それ故、第一のオリフィス通路98のチューニング周波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路146を遮断状態に保持しておけば、受圧室90の第二のオリフィス通路146を通じての圧力漏れが一層確実に抑えられることから、第一のオリフィス通路98による防振効果を一層効果的に得ることが出来る。
また、例えば、加振板100を下方に向かって駆動変位せしめて、加振板100のリム状突部106を仕切部材本体38の内フランジ状部50に当接した状態を保持させることによって、第二受圧室144と平衡室92の間において、加振板100と中央孔46の間の隙間を通じての流体の流動作用を一層確実に阻止することも可能である。これにより、第二のオリフィス通路146のチューニング周波数域の振動入力時に、加振板100の外周部分(リム状突部106)を内フランジ状部50に当接保持せしめることによって、第二受圧室144の隙間を通じての圧力漏れが一層確実に抑えられることから、第二のオリフィス通路146による防振効果を一層効果的に得ることが出来る。
また、前記実施形態では、第一及び第二の加振板支持板ばね120,128の合成ばねと第一及び第二の可動子支持板ばね190,202の合成ばねとが略同じとされていたが、駆動ロッド108と出力ロッド180の要求される当接状態に応じて、互いに異ならされていても良い。
また、採用される電磁式アクチュエータには、例示の如き可動子(可動部材152)の外周側にコイル156を備えた固定子(ヨーク部材154)を配した構造の他、例えば特開2005−291276号公報や特開2000−227137号公報等に示されるように、可動子側に複数の永久磁石とヨーク部材の一方を配設すると共に、固定子側に複数の永久磁石とヨーク部材の他方とコイルを配設することにより、コイルへの通電によって生ぜしめられる磁界によって、複数の永久磁石のN極とS極を交互に増減させて、可動子を固定子に対して往復駆動せしめるようにした構造を採用することも可能である。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの縦断面図であって、図2のI−I断面に相当する図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する仕切部材本体の平面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の加振板支持板ばねの平面図。 同第一の加振板支持板ばねを拡大して示す縦断面図であって、図3のIV−IV断面に相当する図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第二の加振板支持板ばねの平面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の可動子支持板ばねの平面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、18:マウント本体、20:電磁式アクチュエータ、90:受圧室、100:加振板、102:ボス状突部、108:駆動ロッド、120:第一の加振板支持板ばね、128:第二の加振板支持板ばね、152:可動部材、154:ヨーク部材、156:コイル、164:第三ブラケット金具、166:第四ブラケット金具、180:出力ロッド、184:蓋部材、190:第一の可動子支持板ばね、202:第二の可動子支持板ばね

Claims (7)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室を形成し、該受圧室に非圧縮性流体を封入する一方、該受圧室の壁部の別の一部を加振板で構成して、該加振板を加振駆動することにより該受圧室の圧力を能動的に制御するようにした能動型流体封入式防振装置において、
    前記第一の取付部材や前記第二の取付部材、前記本体ゴム弾性体、前記受圧室、前記加振板を備えたマウント本体を構成して、該マウント本体の該加振板には中央部分から外方に向かって突出する駆動軸を形成すると共に、該駆動軸の軸方向で該加振板を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一の加振板支持板ばねと第二の加振板支持板ばねを設け、該加振板をこれら第一及び第二の加振板支持板ばねで前記第二の取付部材に対して弾性支持せしめる一方、
    固定子側のコイルへの通電によって可動子側の出力軸に対して軸方向駆動力を生ぜしめる電磁式アクチュエータを前記マウント本体とは別体構造で構成して、該アクチュエータの出力軸の軸方向で該可動子を挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向に広がる第一の可動子支持板ばねと第二の可動子支持板ばねを設け、該可動子をこれら第一及び第二の可動子支持板ばねで該電磁式アクチュエータのハウジングに対して弾性支持せしめ、
    前記マウント本体における前記第二の取付部材と前記電磁式アクチュエータの前記ハウジングとを互いに固定して、該マウント本体の前記加振板の前記駆動軸と該電磁式アクチュエータの前記出力軸とを軸方向で互いに押し付けて当接状態に保持せしめ、該出力軸から該駆動軸に軸方向駆動力を伝達させて該加振板を加振駆動せしめるようにしたことを特徴とする能動型流体封入式防振装置。
  2. 前記駆動軸と前記出力軸の軸方向で相互に当接する面の一方を軸直角方向に広がる平坦形状とすると共に、該駆動軸と該出力軸の軸方向で相互に当接する面の他方を半球形状とした請求項1に記載の能動型流体封入式防振装置。
  3. 前記駆動軸と前記出力軸における軸方向の押し付け量を調節する当接状態調節機構を設けた請求項1又は2に記載の能動型流体封入式防振装置。
  4. 前記第二の取付部材で仕切部材を支持せしめて、該仕切部材を挟んで前記受圧室と反対側に壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室を形成し、該仕切部材の中央部分に透孔を形成して該透孔内に前記加振板を配設すると共に、該仕切部材の外周部分に該受圧室と該平衡室を連通するオリフィス通路を形成する一方、該加振板の前記駆動軸を該平衡室側に延び出させて該可撓性膜を貫通して外部に突出位置せしめた請求項1乃至3の何れか一項に記載の能動型流体封入式防振装置。
  5. 前記仕切部材において、前記オリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路を形成し、該第二のオリフィス通路における前記受圧室側の開口部を前記透孔内に開口させると共に、該透孔を覆蓋するようにして可動板を変位可能に配設した請求項4に記載の能動型流体封入式防振装置。
  6. 前記第一の加振板支持板ばね、前記第二の加振板支持板ばね、前記第一の可動子支持板ばね、前記第二の可動子支持板ばねの少なくとも一つを複数枚の板ばねを重ね合わせた積層構造とした請求項1乃至5の何れか一項に記載の能動型流体封入式防振装置。
  7. 積層構造とされた前記複数枚の板ばねには、それぞれ、複数の肉抜き孔が設けられることによって周方向に渦巻き状に延びる複数本の湾曲腕部が形成されていると共に、それら複数枚の板ばねが各肉抜き孔を相互に連通せしめられた状態で互いに重ね合わせされている請求項6に記載の能動型流体封入式防振装置。
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