JP2009161851A - 冷間プレス成形用アルミニウム合金板とその製造方法、およびアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶体化処理後、常温時効した(もしくは亜時効状態にある)Al−Mg−Si系アルミニウム合金板について、そのプレス成形前に、部分的に150℃から350℃までの温度範囲で5分以内の加熱処理(部分的復元加熱処理)を行い、常温冷却後のその加熱部と非加熱部の強度差(0.2%耐力の差)を10MPa以上とし、強度の低い加熱部をシワ押さえ部分に、強度の高い非加熱部をパンチ肩部に当てて冷間プレス成形を行う。また昇温速度と100℃以下までの冷却速度は30℃/分以上とする。さらに部分的復元加熱処理後の冷間プレス成形までの材料の常温放置期間は30日以内とする。
【選択図】 図1
Description
1.プレス機械に、アルミニウム合金板の加熱、冷却機能を付与することが必要であって、冷間プレス成形と比べてトータルの成形時間に長時間を要して、生産効率が低下し、成形コストが増加する。
2.温間で成形を行なうため、通常の冷間成形用の潤滑油が使えず、そのため新たな潤滑油の開発が必要となる。
3.プレス機械の構成が複雑となり、高い設備コストを要する。
4.プレス機械の複雑化に伴い、品質管理上に不安が生じる。
などの問題がある。
先ず冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法について説明すれば、基本的には、この発明の成形方法で成形されるアルミニウム合金ブランクの素材は、アルミニウム合金製造業で通常一般に採用されている方法により製造することが可能である。
部分的復元加熱処理によって板の加熱部と非加熱部とに強度差を付与するためには、溶体化処理後の常温放置期間中に常温時効(自然時効)によってある程度の量のクラスタあるいは微細析出物が生成されていることが必要であり、このようなクラスタあるいは微細析出物が生成されていなければ、その後の部分的復元加熱処理において加熱部でも復元現象が生じず、部分的復元加熱処理による加熱部の強度低下が実現されない。そこで溶体化処理後には、部分的復元加熱処理を行なうまでの間に、1日以上の常温放置が必要である。なお素材メーカーでの溶体化処理から成形メーカーでの成形までの間の常温放置期間は10日以上が一般的である。なおまたこの常温時効は、初期は早期に進行するが、半年程度経過すれば、それ以上は進行しにくくなるから、復元加熱処理前の常温放置期間の上限は特に規定しない。ここで常温とは、具体的には0〜40℃の範囲内の温度を意味する。
この発明における最も重要な特徴は、前述のようにして時効されたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板について、冷間プレス成形加工を実施する前に、部分的(2次元的な面内の場所として部分的という意味であり、程度の意味ではない)に加熱(復元加熱処理)を行い、常温冷却後におけるその部分的復元加熱処理による加熱部と非加熱部との強度差(0.2%耐力の差)を10MPa以上とすることである。
次に部分的復元加熱処理において加熱する部位、加熱しない部位について、より詳細に説明する。
部分的復元加熱処理の条件としては、請求項6、請求項11においては、30℃/分以上の昇温速度で150〜350℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲内の温度で5分以下(0秒を含む)の保持を行なった後、30℃/分以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却することと規定しており、このような条件を規定した理由を次に説明する。
部分的復元加熱処理から冷間プレス成形加工までは常温放置されるが、この常温放置期間は、請求項8で規定するように、30日以内とすることが望ましい。部分的復元処理後の常温放置時間が30日を越えれば、せっかく加熱、復元により低下させた部分の強度が新たな常温時効により高くなって、板の加熱部と非加熱部の強度差が縮まり、高いプレス成形性が得られなくなるおそれがある。この常温時効を確実に抑えるためには、好ましくは常温放置を72時間以内、可能ならば24時間以内とすることが望ましく、これは生産性の視点からも有利となる。
この発明の成形加工用アルミニウム合金板は、基本的にはAl−Mg−Si系合金であれば良く、その具体的な成分組成は特に制約されるものではないが、通常は請求項16〜請求項18で規定するような成分組成の合金、すなわちMg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金を素材とすることが好ましい。
Mgはこの発明で対象としている系の合金で基本となる合金元素であって、Siと共同して強度向上に寄与する。Mg量が0.2%未満では塗装焼付時に析出硬化によって強度向上に寄与するβ”相の生成量が少なくなるため、充分な強度向上が得られず、一方1.5%を越えれば、粗大なMg−Si系の金属間化合物が生成され、成形性、特に曲げ加工性が低下するから、Mg量は0.2〜1.5%の範囲内とした。最終板の成形性、特に曲げ加工性をより良好にするためには、Mg量は0.3〜0.9%の範囲内が好ましい。
Siもこの発明の系の合金で基本となる合金元素であって、Mgと共同して強度向上に寄与する。またSiは、鋳造時に金属Siの晶出物として生成され、その金属Si粒子の周囲が加工によって変形されて、溶体化処理の際に再結晶核の生成サイトとなるため、再結晶組織の微細化にも寄与する。Si量が0.3%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.0%を越えれば粗大なSi粒子や粗大なMg−Si系の金属間化合物が生じて、成形性、特に曲げ加工性の低下を招く。したがってSi量は0.3〜2.0%の範囲内とした。プレス成形性と曲げ加工性とのより良好なバランスを得るためには、Si量は0.5〜1.4%の範囲内が好ましい。
Tiは鋳塊組織の微細化による強度向上や防食に有効な元素であり、またVは強度向上や防食に有効な元素である。Tiの含有量が0.005%未満では充分な効果が得られず、一方0.3%を越えればTi添加による鋳塊組織微細化と防食の効果が飽和する。Vは0.01%未満では充分な効果が得られず、一方0.4%を越えればV添加による防食の効果が飽和する。さらに上限を越えれば粗大なTiまたはV系金属間化合物が多くなり、成形性、ヘム加工性の低下を招く。
これらの元素は、強度向上や結晶粒微細化、あるいは時効性(焼付硬化性)の向上に有効である。Mnの含有量が0.03%未満、もしくはCr、Zrの含有量がそれぞれ0.01%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方Mnの含有量が0.6%を越えるか、あるいはCr、Zr、の含有量がそれぞれ0.4%を越えれば、上記の効果が飽和するばかりでなく、多数の金属間化合物が生成されて成形性、特にヘム曲げ性に悪影響を及ぼすおそれがあり、したがってMnは0.03〜0.6%の範囲内、Cr、Zrはそれぞれ0.01〜0.4%の範囲内とした。
Feは、一般のアルミニウム合金において通常は0.03%未満は不可避的不純物として含有される。一方、Feは強度向上と結晶粒微細化に有効な元素であり、これらの効果を発揮させるためにFeを0.03%以上積極的に添加しても良い。但し、その含有量が0.03%未満では充分な効果が得られず、一方1.0%を越えれば、成形性、特に曲げ加工性が低下するおそれがあり、したがってFeを積極的に添加する場合のFe量は0.03〜1.0%の範囲内とした。
Znは時効性向上を通じて強度向上に寄与するとともに表面処理性の向上に有効な元素であるが、Znの添加量が0.03%未満では上記の効果が充分に得られず、一方2.5%を越えれば成形性と耐食性が低下するから、Zn量は0.03〜2.5%の範囲内とした。
Cuは成形性向上および強度向上のために添加される元素であり、このような成形性向上および強度向上の目的から0.01%以上添加される。しかしながら、Cu量が1.5%を越えれば耐食性(耐粒界腐食性、耐糸錆性)が劣化するから、Cuの含有量は1.5%以下に規制することとした。なお、強度向上を重視する場合は、Cu量は0.4%以上が好ましく、またより耐食性の改善を図りたい場合は、Cu量は1.0%以下が好ましい。さらに耐食性を重視する場合はCuを積極的に添加せず、Cu量を0.01%以下に規制することが好ましい。
表1のA1〜A6に示す各アルミニウム合金を溶解し成分調整を行った後、DC鋳造法により鋳造して、アルミニウム合金鋳塊を作製した。鋳塊に530℃で10時間の均熱処理を行った後、常法に従って熱間圧延、冷間圧延を行い、板厚1mmの合金板とした。その後530℃で溶体化処理した後、室温まで急冷した。溶体化処理および急冷の後、60日常温放置をした。その後、表2に示す加熱条件で絞り成形のシワ押さえ部分に部分的復元加熱処理を施した。板全体を常温に冷却した後、常温放置24時間以内に板の非加熱部と加熱部の強度(引張強さおよび0.2%耐力)、限界絞り比(LDR)、加熱部の塗装焼付強度を計測した。さらに常温放置24時間以内に加熱部のヘム加工性も評価した。
ポンチ径(P)32mmφ、シワ押さえ150kg、ブランク径サイズを種々変え、最大絞り可能ブランク径(D)として、LDR=D/Pで求めた。潤滑剤としてジョンソンワックス(商標)を板の両面に塗布した。
JIS5号試験片を用いて2%ストレッチ後、170℃、20分の塗装焼付(ベーク)処理を施し、引張試験を行なって、機械的強度として0.2%耐力値を測定した。
曲げ試験片を用いて5%ストレッチしてから、180°密着曲げを行ない、目視により割れの発生の有無を観察した。ここで○印は割れ無しを、また×印は割れ有りを示す。
この実施例2は、プロセス的には主として請求項7、請求項12に記載の方法による効果を説明するためのものである。但し、請求項7、請求項12で規定する条件からは外れるが、請求項6、請求項11で規定する条件範囲内に入る例も参考のため記載している。ここで、請求項7、請求項12で規定する条件を満たしている例については、「第2発明例」とし、請求項6、請求項11で規定する条件を満たしてはいるが、請求項7、請求項12で規定する条件を満たさない例を「第1発明例」とし、いずれをも満たさない例を「比較例」とした。
実施例2で用いた合金B1の圧延板を供試材として用い、溶体化処理後の時効条件、部分的復元加熱処理における加熱到達温度・加熱時間・昇温速度・冷却速度条件を、表4に示した条件2と同じ条件として、溶体化処理、時効、部分的復元加熱処理を行った。但しこの実施例3では、部分的復元加熱処理における加熱部と非加熱部の各領域を、表8に示すように種々変化させて部分的復元加熱処理を行った。部分的復元処理を行なってから3日後に、各領域条件で部分的復元加熱処理したブランクについて、実施例1と同じ条件での円筒深絞り試験に供して、LDRを求め、その結果を表8中に示した。
実施例2で用いた合金B1の圧延板を供試材として用い、溶体化処理後時効条件、部分的復元加熱処理における加熱到達温度・加熱時間・昇温速度・冷却速度条件を、それぞれ表4に示した条件2と同じ条件として、溶体化処理、時効、部分的復元加熱処理行った。但し、この実施例4では、プレス成形に用いるパンチの形状を、前記各実施例とは異ならしめた。すなわち、図6に示すように、2段のパンチ肩部3A、3Bを有する2段の円筒パンチ2を用いることとした。ここで、パンチ2の一段目は、φ50mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Aを有し、パンチ2の二段目は、φ25mmの大きさで5mmRのパンチ肩部3Bを有する。さらにダイとしては、この2段パンチ2の形状に対応するものとし、円板ブランク5について、このような2段形状のパンチ2とダイでプレス成形することとした。
2 パンチ
3、3A、3B パンチ肩部
4 シワ押さえ
5 ブランク
P 加熱部
Q 非加熱部
Claims (18)
- Al−Mg−Si系アルミニウム合金からなり、かつ部分的に復元加熱処理が施されて、その加熱部と非加熱部の常温冷却後の0.2%耐力の差が10MPa以上とされていることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板。
- 請求項1に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板において;
冷間プレス成形時におけるシワ押さえに挟まれるべき領域が前記加熱部と定められ、パンチ肩部が押し当てられるべき部分が前記非加熱部と定められていることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板。 - Al−Mg−Si系アルミニウム合金からなり、かつ冷間プレス成形時におけるシワ押さえに挟まれるべき領域が加熱部、パンチ肩部が押し当てられるべき領域が非加熱部と定められて、部分的に復元加熱処理が施されて、加熱部の引張強さと非加熱部の0.2%耐力との差が、部分的復元処理前後で20MPa以上増大されていることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板。
- 所定の板厚まで圧延されたAl−Mg−Si系アルミニウム合金圧延板を素材とし、480〜590℃の範囲内の温度で溶体化処理を施した後、常温で1日以上放置してから、冷間プレス成形前に、加熱部と非加熱部の常温冷却後の0.2%耐力の差が10MPa以上となるように、部分的復元加熱処理を施すことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。
- 請求項4に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法において、
前記部分的復元加熱処理を、冷間プレス成形におけるシワ押さえに挟まれるべき領域を加熱部、パンチ肩部が押し当てられるべき領域を非加熱部と定めて行なうことを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。 - 請求項4、請求項5のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法において、
前記部分的復元加熱処理として、30℃/分以上の昇温速度で150〜350℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲内の温度で5分以下(0秒を含む)の保持を行なった後、30℃/分以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却することを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。 - 請求項4、請求項5のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法において、
前記部分的復元加熱処理として、50℃/分以上の昇温速度で180〜350℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲内の温度で5分以下(0秒を含む)の保持を行なった後、50℃/分以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却し、これにより加熱部の引張強さと非加熱部の0.2%耐力との差を、部分的復元加熱処理前後で20MPa以上増大させることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。 - 請求項6、請求項7のいずれかの請求項に記載された方法により製造された冷間プレス成形加工用アルミニウム合金板を用いて冷間プレス成形を行なう方法であって;
前記部分的復元加熱処理後、常温での放置期間が30日を経過する以前に冷間プレス成形を行なうことを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。 - 常温時効により時効析出した状態にあるAl−Mg−Si系アルミニウム合金板ブランクの端部を押さえて、パンチを用いて冷間プレス成形するプロセスを適用した冷間プレス成形方法において、そのアルミニウム合金板ブランクのうち、プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも外側の部分のうちの全部またはこれより小さい一部を加熱部として定めるとともに、その加熱部以外の部分を非加熱部と定め、加熱部を急速に加熱することにより時効析出物を一時的に固溶して軟化させるとともに、非加熱部を加熱しないことにより、加熱部の強度を非加熱部の強度に比べて低下させた後、加熱部の温度を室温まで急速に冷却するという部分的復元加熱処理を行ない、その後室温保持中の時効析出によって加熱部の強度が部分的復元加熱処理前の状態に戻るより前に、アルミニウム合金板ブランクを冷間プレス成形することを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。
- 溶体化処理後に140℃以下の人工時効を施すか、または常温時効と140℃以下の人工時効とを組み合わせた時効処理を施すことにより亜時効状態にあり、かつ0.2%の耐力値が90MPa以上となっているAl−Mg−Si系アルミニウム合金板を用い、そのアルミニウム合金板ブランクの端部を押さえて、パンチを用いて冷間プレス成形するプロセスを適用した冷間プレス成形方法において、そのアルミニウム合金板ブランクのうち、プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域よりも外側の部分のうちの全部またはこれより小さい一部を加熱部として定めるとともに、その加熱部以外の部分を非加熱部と定め、加熱部を急速に加熱することにより時効析出物を一時的に固溶して軟化させるとともに、非加熱部を加熱しないことにより、加熱部の強度を非加熱部の強度に比べて低下させた後、加熱部の温度を室温まで急速に冷却するという部分的復元加熱処理を行ない、その後室温保持中の時効析出によって加熱部の強度が加熱前の状態に戻るより前に、アルミニウム合金板ブランクを冷間プレス成形することを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。
- 請求項9、請求項10のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法において、
前記部分復元処理として、30℃/分以上の昇温速度で150〜350℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲内の温度で5分以下(0秒を含む)の保持を行なった後、30℃/分以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却することを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。 - 請求項9、請求項10のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法において、
前記部分的復元加熱処理として、50℃/分以上の昇温速度で180〜350℃の範囲内の温度に加熱し、その範囲内の温度で5分以下(0秒を含む)の保持を行なった後、50℃/分以上の冷却速度で100℃以下の温度に冷却し、これにより加熱部の引張強さと非加熱部の0.2%耐力との差を、部分的復元加熱処理前後で20MPa以上増大させることを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。 - 請求項9〜請求項12のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法において、
部分的復元加熱処理における加熱部に、アルミニウム合金板ブランクのうち、プレス成形時にパンチ肩部が接触することになる領域より外側の部分のうち、成形後に曲げ加工されることになる部分を含めることを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。 - 請求項9〜請求項12のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法において、
部分的復元加熱処理における加熱部に、プレス成形時にアルミニウム合金板ブランクのうちパンチ肩部が接触することになる領域よりも内側の全ての領域またはこの領域内の任意形状の一領域もしくは二領域以上を含めることを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。 - 請求項9〜請求項14のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法により得られた成形品であって、
部分的復元加熱処理後30日が経過しないうちに施される人工時効処理により加熱部の耐力値が20MPa以上向上することを特徴とする、アルミニウム合金冷間プレス成形品。 - 請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板において、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%(mass%、以下同じ)、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板が用いられていることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板。 - 請求項4〜請求項7のいずれかの請求項に記載の冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法において、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板を用いることを特徴とする、冷間プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。 - 請求項8〜請求項14のいずれかの請求項に記載のアルミニウム合金板の冷間プレス成形方法において、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金板として、Mg0.2〜1.5%、Si0.3〜2.0%を含有し、かつFe0.03〜1.0%、Mn0.03〜0.6%、Cr0.01〜0.4%、Zr0.01〜0.4%、V0.01〜0.4%、Ti0.005〜0.3%、Zn0.03〜2.5%、Cu0.01〜1.5%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金板を用いることを特徴とする、アルミニウム合金板の冷間プレス成形方法。
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